政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針5013 号  2019・4・13(土)

2019/04/13


                                    
          

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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5013号
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        2019(平成31)年 4月13日(土)


         2019(令和元)年カープの道程:馬場伯明

               「バノン砲」が炸裂:宮崎正弘         
      私たちは「日本」を守り続けられるか:櫻井よしこ

                     
                      話 の 福 袋
                        反     響
                      身 辺 雑 記



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2019(令和元)年カープの道程
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         馬場 伯明

私は60年を超える古参のカープファンである。リーグ三連覇のカープが今年はスタートでつまずき最下位と低迷している。どうしたのか。11試合が終わった2019.4.11現在のチームの成績を記す。

巨人(2018は3位)・中日(同5位)・阪神(最下位)相手に1勝2敗と3カード連続負け越してしまった。4.9、10にはヤクルトに0:10、3:15の大敗。数字を見る。3勝8敗で順位6(最下位)、勝率0.273、チーム打率0.226(5位)、本塁打11本(3位)、盗塁3(5位)、得点35(5位)、失点63(6位)防御率4.04(5位)。信じられない惨憺たる結果である。

でも、私たちカープファンは落ち込んではいない。カープファンがカープファンである所以というか、その真骨頂はむしろ逆境でこそ発揮される。

カープの成績がよくても悪くても応援の姿勢は変わらない。「最後まで(ヤジではなく)声援だった。期待に応えるべく明日全力でプレーする」(4.10試合後の緒方孝市監督談)。今首位の在京球団のファンらは、負けたらシュン。黙る。あら消失?雲隠れG?。

「開幕4カード連続負け越しから優勝したチームはない」というが何のそのだ。2019年のリーグ優勝と日本一を信じている。まだ9試合が終わったばかりであるが、誤算や課題もある。私論を述べる。

大誤算は守備の破綻。失策17は12球団最多。1塁松山、2塁(名手!)菊池、3塁安部が3失策、遊撃田中も2失策。チーム、とくに投手の士気に響き打撃の不振にも繋がった。得意の盗塁も3個でリーグ5位と低迷。

長野久義の調子が攻守に上がってこない。第2戦の満塁では背走するもレフトフライを捕れず逆転された。あと3m・・。でも、守備位置の指示はベンチ(監督・コーチ)だから長野の責任ではない。長野、這い上がれ。

2019年から投手コーチの佐々岡真司であるが投手起用に迷いがあるような気がする。見定めて冷静な判断をしてほしい。また、たとえ負け試合でも「大敗は絶対に阻止!」という気迫ある投手起用をするべきである。

2019.4.7(日)の阪神戦。0:9で完封負けした緒方監督は、よほど悔しかったのか記者会見をしなかった。しかし(気持ちはわかるが)あれはよくない。逃げるな!「(終わった)負け」はしょうがない。「(終わっていない)明日」へ決意表明することが重要なのである。

ここはファンも嘲笑の針の筵(むしろ)にぐっと耐えたい。(少し唐突ではあるが)好きな高村光太郎の詩「道程」の最後の一節を、監督・コーチ・選手らとともに、姿勢を正し低い声で静かに読みたい。

道程  高村光太郎

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため

この「道程」の初出は大正3(1914)年2月9日。102行の長詩が(最終的には)9行詩となった。長詩の出だしは、こうである。

どこかに通じている大道を
僕は歩いているのじゃない
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
(中略)道の最端にいつでも僕は立っている
何という曲がりくねり
迷い まよった道だろう (以下略)

そう、カープの道もしばらく迷い道だ。ここで、平成31年から令和元(2019)年へ向かう(闘う)カープの2019年のキャッチフレーズを紹介したい。「水金地火木土天海冥」とは水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星。太陽に近い順の太陽系9惑星。小学校6年で覚えた。カープ球団は「2019水金地火木土天(ドッテン)カープ」を発表した。

私はもう一つキャッチフレーズをつけ加えたい。大きい順に並べた太陽系9惑星が「木土海天地金火水冥」。つまり「木土海天地金(チッキン)カープ・スメエ〜(水冥〜)」だ。その意味は何か・・。

負けが込むと「捕らぬタヌキの皮算用」に陥り希望的観測に流れがちである。Don’t count your chickens before they are hatched.(諺:孵らないうちからヒヨコを数えるな。カウント・キッチン・スメエ〜(しない)。自然の法則に従うように、基本に忠実にじっくり戦っていこう。

その努力の結果として、皮算用ではなく、5月、鯉の季節へ向かう滝登りの根拠ある反攻を期待したい。広島県のファンは、連れ立って、勝利の美酒「誠鏡・幻」を干し、名曲「広島天国」を流川(ながれかわ)の酒場で歌うだろう(私も行って歌いたい)。

広島天国  (歌)南一誠 (作詞・作曲)あきたかし

流れて行くから流川
やけのやんぱち薬研堀
のれん掻き分けてもぐら横丁
ちびりちびりのなめくじ横丁
ここは広島の夜の盛り場 
ルルル今夜も勝ち 明日も勝ち
カープをさかなに飲み明かそうよ
酒は広島の泣き笑い
みんなで飲めば広島天国 (以下略)

「たかが、プロ野球、たかが、カープだろ・・・」と他人(ひと)は上から目線で説教を垂れる。しかし、好きなもの、譲れない確かなものを持っているカープファンの人生は、案外いいものである。

今日の結論(推論)。現在カープは3勝8敗でリーグ最下位に沈んでいるが、ドッテン、ドッテン一つずつ勝ち進み、チッキンカウントの安易な皮算用に陥らず、着実に盛り返していくのだ。勝利への奇策はない。しかし、勝利の歌は決まっている。みんなで歌う「それ行けカープ」だ。

ここまで私論にお付き合いくださった、あなたに感謝!2019.4.11千葉市在住)

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「バノン砲」が炸裂
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019)4月11日(木曜日)
        通巻第6040号 
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(休刊のお知らせ) 国内講演旅行のため小誌は明日4月12日から15日まで休刊です
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 「バノン砲」が炸裂。「まだ中国を助けるアメリか企業」を名指しで非難
   マッキンゼー、ゴールドマンサックス、ブーズ・アレン・ハミルトンほか。
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 米国の禿鷹ファンドが中国の不良債権を買い集めてファンド化している。強欲資本主義の典型だが、嘗て日本でも暴れまくり、大儲けした。フェイスブック、アップルなどはまだ中国に未練がある。巨大な市場が魅力的に見えるからだ。

 だがFAGAと言われるIT、AI、ビッグデータ産業の覇者らも、国内の反中国ムードには対処できず、とりわけファーウェイ排除の強い動きに伴って、中国への進出を縮小もしくは部門撤退にはいった。
 なにしろ最大の投資家でリベラル論客の代表でもあるジョージ・ソロスが「西側にとって習近平は最悪の敵だ」と発言しているのだから。

 米国に渦巻くのは中国への露骨な敵対姿勢であり、メディア、学者から政治家、それも共和党より民主党の面々が、激しく中国の不正を攻撃している。
議会の中心は人権批判では民主党だが、外交、安全保障、次世代テクノロジー保護を優先するのが共和党のテッド・クルーズとマリオ・ルビオ上院議員である。ふたりとも大統領予備選ではトランプと戦った。

これらにニュート・キングリッチ(元下院議長。共和党の大物議員だった)らを加えて、対中タカ派がずらりと揃うコーカスが「いまそこにある危機」委員会である。
4月9日に講師に招かれたのは、かのスティーブバノン(前大統領戦略補佐官)であった。

「バノン砲」が炸裂した。
「マッキンゼーもゴールドマンサックスも、ブーズ・アレン・ハミルトンも、(中国に進出して不正申告に気付きながらも告発しない」会計監査事務所や法律顧問たちは、国民と奴隷化している中国共産党に協力することでアメリカの国益を売っているのだ」。
中国に協力的な企業はあたかも売国奴だというようなニュアンスである。

名指しされた企業は慌てふためき、弱々しい反論をしたところもあるが、多くは沈黙した。
ただし例外はコンサルティング会社大手の「ブーズ・アレン・ハミルトン」で、「われわれは中国とはビジネス関係がない」と否定する一幕もあった。たしかに同社はマッキンゼーやボストングループを並ぶが、経営戦略と技術のコンサルティングが主であり、世界各地に二万名弱の社員を抱えるものの中国には支店がない。

「いま中国の次世代技術開発に歯止めを掛けなれば、米国はやがて中国の風下に位置することになる。多くの自由な国民国家の大事な価値観が、国民を奴隷としている中国共産党のルールにしたがい、現行の国際秩序が破壊される」

バノン砲の要の言葉は次のフレーズである。
「ソ連を軍拡競争で打ち負かしたように、いま米国が中国に対して行うべきことを断行しなければならない。さもかなくば百年後に、米国がそんなことを言っていたなぁという時代を迎えるだろう」。
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 アメリカの中国「一帯一路」の評価についての報告書
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中国の「一帯一路」に関して「新アメリカ安全保障センター」(CNAS)の報告書が出た。
「中国の一帯一路の評価に関する報告書」
Grading China’s Belt and Road、Center for a New American Security (CNAS)
https://s3.amazonaws.com/files.cnas.org/CNAS+Report_China+Belt+and+Road_final.pdf
概要 Executive Summary
https://marketing.cnas.org/t/d-l-pgidty-jjjyurjiid-y/
報告書に関する米国務省の記事
https://share.america.gov/study-warns-against-chinese-belt-and-road-investment/
  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこえ 
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(読者の声1)一昨日(4月9日)の番組「フロント・ジャパン」で宮崎さんと福島香織女史との掛け合い「中国論」は極めつきに面白かったです。
 https://www.youtube.com/watch?v=npQ1vu25P08
 とくにトヨタのHV特許無料開放を宮崎さんが「革命的大事件」とされて解説され、とてもわかりやすく得心がいきました。
 併行して先生の『余命半年の中国・韓国経済』(ビジネス社)を読んでおりましたので、いっそう理解が深まりました。
わたくしも何回か中国へ行って、廃墟のようなビル群を目撃しておりますので、「余命半年」という期限付きの予言的な本かと誤解しがちではありますが、中国と韓国の脆弱さと鋭く衝かれていると思いました。
   (HH子、草加市)


(宮崎正弘のコメント)拙著『余命半年の中国・韓国経済』の擱筆後に、トヨタのHV特許開放のニュースが飛びこんできたため、この本では詳しく触れられませんでした。このため、急遽、番組で解説したのです。



  ♪
(読者の声2)  高橋洋一なる人物の「大阪都論」が軽薄で現行地方自治制度を十分に理解した上でのものではないことを指摘してきたが、とにかく、この論者の主張は、まったく浅薄としか言いようがない。この程度の無内容な主張が大真面目に展開されていることに、呆れるとともに、怒りを感じている。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63365?page=4
 例えば、前回の投稿でも指摘したように、高橋氏は「大阪なら現状は松井知事と吉村市長の2人で一人前だが、東京なら小池都知事1人で十分だ。それをわざわざ、東京を『船頭多くして船山に上る』にするはずがないし、その必要もないのだ。」(高橋氏)などと述べるが、この部分など、普通地方公共団体が広域自治体と基礎自治体から成るという現行地方自治制を全く無視する暴論でしかない。
 東京都の現行制度では、特別区が、完全な(市と同等の)基礎的公共団体としての地位が認められていないため、これらの特別区を「市」にしようという主張、動きがなされているはずである。
 世田谷区など、人口規模から言えば、政令指定都市並みのものとなっており、これを政令指定都市にしようなどという意見さえも見られるほどである。
 通常、「区」という組織体は、英語では「Ward」と称されているが、例えば、中央区など、「Chuo City 」と称して、形式的にも実体的にも基礎自治体に進もうとしているのであり、これは「分権化」という方向性に沿った当然の動きであろう。高橋氏は、こうした動きを『船頭多くして船山に上る』ものと考えるのだろうか。まったく支離滅裂な主張としか思えない。
 大阪市は、その夜間人口において横浜市に追い抜かれて久しいが、その大阪市を上回る人口を擁する横浜市が属する神奈川県では、県内に、横浜市のほか、川崎市、相模原市と三つもの政令指定都市をかかえている。これこそ、『船頭多くして船山に上る』とも言える現状だと思うのだが、高橋氏は、神奈川県においても、県知事一人で十分だと主張するのであろうか。
 なお、私は、周辺自治体を含む大阪府全体の組織を統合一体化して、広域行政と基礎的行政を区分していくという構想ならその意義を認めるし、さらに、近畿を一体的、広域的に管理するブロック単位の広域体と基礎自治体の二層構造にしていくというような構想なら大いに賛成したい。近畿地方は、いわゆる「道州制」に最もなじむ地域ではないか。
 現行の「大阪市解体案」では、メリットがほとんど認められず、デメリットが大きすぎる、そこに将来的展望、未来構想が認められない、と主張しているのである。このような無内容な愚案が大真面目に議論されている現状に、そこに大阪の衰退を感じざるを得ず、大阪市立小学校・中学校で初等教育を受け、大阪を愛する人間として哀しくなってくる。
(椿本祐弘)


 
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(読者の声3) いつも貴重な情報をお聞かせいただきありがとうございます。
さて、F35Aが訓練中に墜落したとのことですが、真相はどのようにお考えでしょうか?

4機のF35Aのうち、1機が墜落したとすれば、機体の25%が、何らか潜在的な問題を抱えると解釈できると思います。宮崎先生のお考えはいかがでしょうか?
(東京大島)



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私たちは「日本」を守り続けられるか
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           櫻井よしこ

2019.04.13 (土)
「 私たちは「日本」を守り続けられるか 今こそ福澤諭吉の姿勢に学びたい 」


『週刊ダイヤモンド』 2019年4月13日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1275 

春爛漫の日、新元号「令和」が発表された。出典は1200年前の『万葉集』だ。長い歴史で初めて漢籍から離れ大和の文化から元号が生まれたことを多くの人々が好感した。

この悦びは、古(いにしえ)の時代、私たちが中国から文字を学び、その制度のよき点のみを取り入れて国造りをしたこと、その先に日本独自の価値観に基づく大和の道を歩んだことを改めて認識させてくれる。

歴史の営みを振り返るとき、私たちの胸にはかつての中国への感謝と共に、中華の文明に埋没せず、大和の道を選んだ先人たちへの敬愛の情が生まれてくるだろう。

大和の道を最も端的に表現しているのが『万葉集』である。天皇、皇族から、農民、兵士まで、階層や男女の別なく歌を詠み、それらをきちんと記録して、再び言う、1200年以上、保持し続け、今日に至る。こんな国は他にない。この新しい道を歩み続けて行く先に、大きな可能性が開けるのではないか。歴史の大潮流における画期の一歩が踏み出された予感がする。

世界中が政治力学の根本的変化の中にあるいま、先人たちが大和の道を築くことで立派な国造りを成功させたように、私たちはなれるだろうか。「日本」を守り続けていけるだろうか。そんな想いで福澤諭吉の著作を読み直している。約1世紀半も前、先人たちはどのように開国と政治体制の大転換、列強諸国の脅威などの大波に立ち向かい、克服し得たのだろうか。

当時の世論形成の重要な道標を示し続けた福澤は、世界の事象を極めて具体的かつ細かい観察眼でとらえている。事実を厳格に認識し、冷静に論じ、事実抜きの論評はしていない。

たとえば明治12(1879)年8月に発表された『民情一新』である。明治12年にはまだ帝国議会も開設されていない。帝国議会の誕生は明治23(1890)年である。

福澤は書いている。

西洋との接触によって日本に「文明開化」がもたらされたと世論に流布されているが、事実を把握しておかなければ大いに誤ちをおかすだろうとして、「西洋の理論決して深きに非ず、東洋の理論決して浅きに非ず」だと、明確に断じている。

そのうえで、ではなぜ、西洋の文物が「文明開化」を促すとしてもてはやされるのかと問うている。それは西洋では文学も理論も実用に結びついているからだと福澤は説く。つきつめていくと国全体に交通の便が開かれ、人々は物理的精神的に解かれているからだと言うのだ。

「人心が一度び実用に赴くときは、その社会に行われる文学なり理論なりは、皆、実用の範囲を脱す可らず(実用に耐えなければならない)」

福澤は冷静に洋の東西を比較し、日本が手掛けるべきことを具体的に挙げたのだ。具体論が基本にあるために、否定するのは難しい。『兵論』、即ち国防論についても同様だ。

明治15(1882)年の『兵論』は立国に兵備の欠かせないことから書き出し、列強諸国の人々、歳入、陸軍人、陸軍費、軍艦、海軍費を比較した。当然の比較だが、福澤は単なる数字上の比較で終わっていない。

軍人1人が守る国民の数はフランスが70人、ロシア110、イタリア130、オランダ57、イギリス230、ゲルマン(ドイツ)100、日本480だなどの比較に加えて軍人の給料、それで賄いうる食事の質までも細かに論じた。日本の兵の給与、1日6銭では「鮮魚肉類」は口にできず、肉食の多い列強諸国や支那と較べて、日本の軍人は体力面で劣るなどと、説得力のある説明が続く。

事実に基づいた視点は研ぎ澄まされている。このような姿勢をとりわけいま、学びたいと思う。





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重 要 情 報
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            前田正晶


近所のコンビニが消えて“inconvenient”となった:



我が家と新大久保駅との間の僅か600 m程の間には、ファミリーマートとセブンイレブンの2店舗があって、時たま電池か週刊誌を買うのに利用していた。私は大病ばかりした後だし夜間の外出は極力控えているので、コンビニが24時間営業していることの恩恵には殆ど浴していないので、目下セブンイレブンが時間短縮をするか否かで問題を起こしていることとか、ファミリーマートも時間短縮の試験段階に入ったということなど全く関係がないと思っていた。換言すれば、私にとっては昼間に開いていればそれで十分「コンビニエント」なのだから。



ところが、先週になって新大久保駅に向かって歩き出して初めて気が付いたのだが、ファミリーマートは閉まっており「3月29日で閉店しました」との貼り紙がしてあった。「そう言われて見れば、近頃は余り繁盛していなかったな」と感じた。ところが更に歩を進めると、そこから50 mくらい先にあったセブンイレブンも閉まっており工事のトラックが止まっていてガードマンが交通整理をしていた。そこで「ここも閉店か」と尋ねると「内装工事の為の一時閉店である」と教えてくれた。以前にチラと聞いたことがあるがセブン&アイ・ホールディングスではセブンイレブンでは一定期間が経過すると内装をリフォームするというような内規だか契約があるのだそうで、そのリフォームが行われているらしいのだ。



そこで、殆どコンビニの便利さに依存して来なかった私にも「はて、困った」という事態が出現したのだった。それは今や身の回りにある電気関連の機器類は殆どが単3か4の電池に依存しており、いざという時にはそれら2店のコンビニの何れかに走らねばならず、週刊誌の購入も何れかのコンビニを利用してきたのだった。これらの2店舗が使えないとなると、約1 km程先の大久保通りにあるファミリーマートかセブンイレブンまで、年齢相応に衰え気味の足で歩かねばならないのだ。



ところがである。大久保通りでコンビニを利用するのはあらかたアジア系かイスラム教徒たちのようで、最も近いファミリーマートには週刊誌は殆ど置かれていなかった。今週は週刊新潮を買う為には殆ど総武線の大久保駅に近いセブンイレブンまで歩かねばならなかった。これは一寸した負担で些か参った。という次第で、初めて“convenience store”と称している意味を足が痛くなるまで味合わせて貰ったのだった。



週刊誌は兎も角、電池類は買いだめて置くべき性質の製品ではないと聞かされているので、暫くの間は何かの電池が切れれば、大久保通りまで往復2 km程の歩行訓練かと思わせられた次第だ。ではあっても、私にとっては24時間も開けて置いて貰う必要はないという意見は変わらない。


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身 辺 雑 記
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13 日の東京湾岸は快晴、爽快。
        

                読者数:6001人








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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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