政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5008号  2019・4・8(月)

2019/04/08


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わたなべ りやう じらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5008号
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        2019(平成31)年  4月8日(月)



中国、北朝鮮、“日本国憲法”の脅威に直面する日本:加瀬英明

      5G時代のテクノロジー覇権争奪戦争:」宮崎正弘
                    
   村の渡しの船頭さんは 今年六十のお爺さん:渡部亮次郎

     緊迫した状況が生まれている北朝鮮情勢:櫻井よしこ
      
                      話 の 福 袋
                        反     響
                      身 辺 雑 記

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中国、北朝鮮、“日本国憲法”の脅威に直面する日本
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                   加瀬 英明

 与党が衆参両院で憲法改正を発議できる議席の3分の2を占めているの にもかかわらず、憲法改正へ向けた歩みが滞っている。

 朝日、毎日、読売新聞、共同通信社などによる世論調査をみると、「改 憲を急ぐべきでない」という回答が、改憲に取り組むべきだという意見 を、上回っている。

 このままゆくと、安倍政権が続くあいだに、戦後72年にもわたって、日 本の国家形態、統治組織、統治作用を規定してきた“占領憲法”を、改正す ることができるか、不安に駆られる。

 アメリカは日本占領下で、日本がアメリカの軍事保護なしには亡国とな る「日本国憲法」を、強要した。とうてい独立国の憲法といえないもの だ。日本が2度と独立国となることを、否定していた。

もうすぐ、平成の30年あまりが終わるが、このあいだに日本を取り巻く国 際環境が、いっそう厳しいものとなって、日本が独立することを強いられ ている。

 日本が置かれた状況が、アメリカによった占領下の時代と一変したとい うのに、いまだにアメリカの占領下にあることを、前提としている憲法を 奉じている。

 米朝首脳会談が8ヶ月ぶりにハノイにおいて鳴り物入りで行われたが、 トランプ大統領は金正恩委員長が経済制裁の緩和を求めたのに対して、金 委員長を「私の友人だ」とおだてながら、何一つ与えることなく物別れに 終わった。

 上々の首尾だった。私は以前から北朝鮮が核兵器を手放すことはありえ ないと論じてきたが、アメリカは経済制裁を加え続けるから、手ぶらで ピョンヤンに戻った金委員長の苦境は、いっそう厳しいものになる。

 北朝鮮は米朝間で話し合いが続いているあいだは、核実験も、ミサイル の試射も慎むはずだ。これは、トランプ大統領の大きな功績である。

 といって、北朝鮮が核兵器を捨てることは、考えられない。

 習近平国家主席の中国は、アメリカによる経済の締めつけによって、蹌 踉(よろ)よろめいている。アメリカの顔色を窺(うかが)って、しばらくは “よい子”を演じることになる。だが、アジア太平洋の覇権を握ろうとい う、野望を捨てることはない。

 北朝鮮の脅威と中国の脅威は、しばらく中休みとなるが、去ることはな い。日本としては、「鬼の居ぬ間に洗濯」ならぬ、このあいだに防衛力の 強化を急ぎ、憲法改正に取り組まなければならない。

 アメリカは、来年11月の大統領選挙へ向けて、動きはじめた。

私はアメリカで、新聞、テレビの主要なマスコミが“反トランプ熱”を煽り 続けているが、それにもかかわらず、トランプ大統領の支持率が上がって おり、このままゆけば、トランプ大統領が再選されることになると思う。

民主党は“金権候補”だったヒラリー夫人を担いで敗れた反動として、名乗 りをあげている候補はそろって、経済格差の是正、社会福祉の充実、国防 費の大幅な削減など訴えており、民主党が劇的に左傾している。

もし、民主党が政権を奪還すれば、日本を守る意志が弱まることになりか ねない。

日本は、3つの安全保障の深刻な脅威に、直面している。中国、北朝鮮、 日本国憲法だ。

日本は世界のなかで、憲法が自国の安全を脅かしている唯一つの国なのだ。



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5G時代のテクノロジー覇権争奪戦争
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019)4月2日(火曜日)
       通巻第6034号
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5G時代のテクノロジー覇権争奪戦争、先頭は追いつかれる
  中国のベンチャー起業は90%が失敗したように
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ファーウェイの製品と基地局が西側の多数の国々から排斥され、経営はい ずれ苦境に陥ると予測されるのだが、「何を言ってるのよ。まったく大丈 夫。ファーウェイは中国という巨大市場が控えている上、廉価だから開発 途上国ではダントツの人気。そのうえ幾つかの新製品開発、とりわけ5G 技術では米国と伍すか、あるいは超えているわ」。

こうのたまわって、イアン・ブレナーのテレビインタビューに対して、ロ ンドンスクール・オブ・エコノミクスの金刻羽・準教授(中国人女性)が 胸を張ったのが印象的だった。

実際はどうか。

先頭ランナーは必ず追いつかれる。後追いは発明にともなう創造的費用が 安上がりで、マネをすれば良いからだ。企業スパイを駆使して先端技術を 盗み出し、模倣すれば先頭集団にのし上がることが出来た。

BAT(バイドウ、アリババ、テンセント)は、皆そうである。そして国 家資本主義としての中国政府の支援、政策支援ばかりか補助金であり、そ のうえ巨大な中国市場において中国政府が巧妙に外国企業の進出に規制を 掛けたため、悠々と利益を蓄え、R&D(研究開発費)にふんだんな投資 が出来たのだ。

先駆者の屍を超えて次世代技術開発で追い抜くことも出来る。人材も豊富 だった。

アメリカ留学の優秀なエンジニアを高給で雇用し、開発に没頭させた。し かし先頭に立つと、こんどは追われる身になるのだ。ファーウェイは、そ の危険性も十分に認識し始めた。

抜かれた日本が悪例のサンプルだろう。ウオークマンで、半導体で、電子 部品で世界一だった。おしみなく技術を中国に与えて、相乗効果を狙った 筈が、三洋もシャープもやぶ蛇となって、中国資本に乗っ取られる始末で ある。

いまや家電はハイエール(海爾)など中国勢に完全に市場を取られたし、 半導体は韓国のサムソン、SKホトニクス、台湾のTSMC等に抜かれた。

巻き返しを狙う官民肝いりの「ルネサス」も東芝メモリーも、外国資本が 入り込み、覇気が感じられない。通商政策がなっていないからで嘗ての 「ノトリアス通産省」は何処へいったのだろう。

 ▲スパイの元締め、情報漏れの震源地を衝け

一方、米国は技術の死守と盗難防止、機密情報漏洩を防ぐためにZTEへ の半導体供給を停止し、シンガポール資本を名乗る企業「ブロードコム」 の「クアルコム」買収を阻止した。

アリババが狙った「マネーグラム」買収も土壇場で差し止めた。
 
FBIは技術スパイ容疑者を次々と逮捕するか指名手配し、驚いた米国留 学中の研修生、学者4000人が慌てて引き揚げた。怪しげな財団を作ってエ ンジニアのスカウトをしていた張首晟スタンフォード大学教授は自殺に追 い込まれ、ファーウェイCFOの孟晩舟はカナダで身柄を拘束された。一 般の留学生ヴィザも一年ごとの更新に切り替え、潜在的なスパイの浸透に 対処した。

そのうえ半導体最王手のインテルは、中国からイスラエルへ主力工場をシ フトする。トランプ政権はファーウェイ排除戦略の背後にもっと大がかり な次世代技術防衛を絡ませている。

▲中国のベンチャーキャピタルにも黄昏がやってきた。

ウーバーのブームは外食の配達以外、自転車シェア、バイクシェアなど破 産が続いている。

「中国では90%のベンチャーファンドが失敗の終わる」と華字紙も特集を 組みだした。

「潮が引いたとき、裸で泳いでいた自分を発見するだろう」とかねてから ウォーレン・バフェットは予想し、中国のベンチャーへの出資には二の足 を踏んできた。それが正解だった。

バイクシェアのOFOは、2億人の会員を誇ったが、10億ドルの売り上げ はたちまち雲散霧消し、海外投資家が投じた22億ドルも、オーストラリ ア、チェコ、ドイツ、イスラエル、印度などで失敗し、事業を畳んだ。

米国でも大量のレイオフを出して、規模の縮小を図っている。日本では自 転車シェアの中国企業も早々と撤退した。

同業の「MOBIKE」も27億ドルの投資とともに消えてしまった。

 車(タクシー、トラックなど)を呼び出して手数料を取るオペラーター 「DIDI」は昨師走に倒産した。

560億ドルの損失だったが、直前まで株式上場を準備していた。

オンライン上の金貸しはP2P(ピエル・トゥ・ピエル)と呼ばれ、最盛 期には3500社が乱立、推定で1670億ドルのローンが組まれた、

借り手の逃亡、不正、市払い、個人破産などが続出し、大手の「魔袋」 は、当局から詐欺容疑の捜査を受けている。

かくしてベンチャービジネスも黄昏期を迎えている。ところが中国は感度 が日本人とことなる。夢を追う投機が後をただず、2018年だけでも新たに 1070億ドルが投じられた。

例外はアント・フィナンシャル社(アリペイの子会社)で、140億ドルの 資金はシンガポール政府系のテマサク、マレーシア政府系ファンド KHAZANAH、そしてカナダの年金基金、米国のウォバーグピンカス などが出資に応じた。

混沌状態に陥ったことだけは確かなようだ。

   
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
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 日本人を奴隷として売買したポルトガル船、イエズス会
  なかには傭兵として大暴れした日本人もいた

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ルシオ・デ・ソウザ著、岡美穂子訳『大航海時代の日本人奴隷』(中央公 論社)
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支倉常長が遣欧使節団として伊達政宗から派遣されたルートは、大航海時 代のスペイン、ポルトガルが開拓した航路だった。マニア、メキシコのア カプルコ、キューバを経てポルトガルのリスボンへ入港した。

伊達使節団の随員は乗組員を入れて200人前後もいたが、経由地のマニ ラ、アカプルコなどで多くが脱落、あるいは逃亡、あるいは現地女性と結 婚し住み着いた。

後に高山右近らがマニラに追放されると、そこにはすでに2000人もの日本 人コミュニティが形成されていた。

支倉常長がスペイン各地を回ったときの随行は30人に減っていた。もっと も当初から全員が西欧を目指したわけではなく、なかにはマニラへ帰国す るポルトガル商人や宣教師、武器商人、そして奴隷売買の仲買人らも乗り 込んでいた。

本書はこの奴隷について教会の記録を丹念にしらべた、歴史の裏側の真実 である。

大航海時代とキリスト教バテレンの関係は、よく歴史書でも語られてきた が、日本人奴隷に関しての研究はほとんどなかった。秀吉が発令した、後 に鎖国の前哨となるキリシタン追放は、この宣教の陰に隠れた闇商売に怒 りを発したことが大きかった。

この時代のイエズス会を活写した白眉は渡辺京二『バテレンの世紀』である。

スペインの教会に残る婚姻記録などから、最初の東洋人奴隷の消息が分か るのは、早くも1551年だという。

まだ信長の出現はなく、種子島への鉄砲漂着は1543年だから、南の島々に は、海賊にくわえて奴隷商人も出没していたことになる。

本書の調べでは、1570年代には夥しくなり、名前から判断して日本人と推 察できる。年代的に言えば信長が切支丹伴天連の布教を大々的に認めた時 代に合致する。その後の研究でも奴隷の出身地が豊後に集中している記録 がある。

これまでは伴天連大名として有名な大友氏が積極的に領民を売買してきた とされた。ところが本書では薩摩との戦闘に敗れた大友氏の領内から薩摩 が拉致し、マカオから来ていた奴隷売買船に売り渡したのではないかという。

ゴアからマラッカ、マカオ、そしてマニラが重要航路だった。そこにはイ エズス会の影響が強く存在していた。

イエズス会が『イエズス軍』という性格を併せ持ったことは拙著『明地光 秀 五百年の孤独』のなかでも書いた。

しかもポルトガルを追われたユダヤ人の改宗者が大量に紛れ込んでいた。 初期のころ、かれらが奴隷を購入し、家事手伝いなどに従事させた。そし て改宗ユダヤ人が宣教使節にも出自を偽って紛れ込んでいた。伊達をそそ のかして政変を企てたソテロも、改宗ユダヤ人だった(田中英道説)。こ れらの事実経過も拙著には書き込んだが、その時点で本書の詳細な記録を 読んでいなかった。

天正少年使節の遣欧団はヴァリアーノ(イエズス会宣教師、法螺吹きの一 面があった)の斡旋でポルトガル、スペイン、ローマを訪問したが、各地 で彼らは日本人奴隷を目撃している。なかには売春窟に売られた日本人女 性もいた。

「1560年代に来日した多くのポルトガル船は女性奴隷を乗せて出港し、彼 女たちはマカオへ送られた後、さらにマラッカやゴアまで運ばれていっ た」(72p)。

その後、ポルトガル、スペインに残る教会の記録にも夥しい日本人が発見 された。

「1570年代の後半には、ある程度まとまった集団的な(日本人コミュニ ティの)観察が可能なほどに、リスボンには日本人や中国人が居住してい た」(153p)。

イエズス会は表面的には奴隷貿易に反対したとされた。

 しかし「イエズス会は奴隷売買のプロセスにおいて、紛れもなく一機能 を担っており、それを秀吉は見逃さなかった」(175p)。
 本書はじつに貴重な歴史への証言である。
      

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★読者の声 ★READERS‘ OPINIONS ★どくしゃのこ 
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(読者の声1)今回の新元号は、御名御璽のない段階で発表しただけでな く、一介の首相が畏れ多くも、今上陛下と皇太子殿下に数日前から無用の 拝謁を強行するなど、本誌3月30日号「読者の声」に掲載された「武蔵の 国住人・桜田義士」氏の「逆賊僧道鏡や足利義満にも匹敵する国賊的行 為」であり「安倍内閣は皇室を私利のために利用する君側の奸」との指摘 のとおりです。

更にあろうことか、記者会見にて我国の歴史を千四百年未満と勝手に半分 に短縮するなど言語道断、過去のどの左翼政権よりも反日的です。統一地 方選ならびに参院選は自民党に臣民挙って怒りの鉄槌を下さねばなりませ ん。(東京都・Y生)


(宮崎正弘のコメント)新元号は『令和』。報道の過熱ぶりはイベント化 していました。

『万葉集』の巻五に「太宰帥大伴の卿の宅に宴してよめる梅の花の歌三十 二首」にある、「初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和ぎ、梅 は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお ら)す」から選んだ由です。

なぜ、古事記からではなく、万葉からなのか、奇怪です。

これで歴代元号は出典が漢籍からという古来よりのしきたりを改め、つま り唐風を改めて、国学が興隆したように、「中国よ、さらば」と気概を示 したことになるのでしょうか。

 「令月」は嘉辰令月、よき月という意味もあるようですが、巧言令色の 「令」でもあり、命令の「令」、律令の「令」です。シナ官僚制度の残滓 が残ります。

しかし「和」は大和(大和)の和であり、とりあえずは両立する構成。新 元号の手続きは、歴史と伝統を無視しての強硬ぶり、やはりおかしな国に なったものです。

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(読者の声2)新元号に関して賛否両論がいろいろと発せられています。 一つ気になる事があります。新元号発表の数日前に中国で令和が商標登録 されたということです。

ずっと前に登録されていたのなら偶然の一致とも言えますが、発表直前な のでおそらく情報が漏れていたのでしょう。こういったことの是非もあり ますが、中国に漏れたということは恐ろしいことです。軍事・外交の情報 が洩れたら大変なことになります。(當田晋也)


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(読者の声3)前号記事によれば中国発金融恐慌に「備えよ」ということ ですが、具体的にどうすれば良いのかご教示下さい。(読者多数)

(宮崎正弘のコメント)こればかりはみなさん御自身の判断にお任せします。
先人達の実践例として掲げますと、金を買う。ドルで蓄える。箪笥預金に 移す。高級ブランド品を買う(時計ならローレックスとか)。底値になった 優良株を仕入れて2年は寝かせる等でしょうか。

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(読者の声4)産経のコラムにドナルド・キーンは本当に三島由紀夫と親 しかったのかとありましたが、会員制月刊誌『テーミス』今月号にキーン 氏は、世評と異なってCIA要員であり、日本兵の尋問に左翼史観であ たっていた証言など、またホモの疑惑などが報じられています。

ドナルド・キーンをよく知っておられる宮崎先生は、どのような感想で しょう。(GH生、小田原)


(宮崎正弘のコメント)北区滝ヶ原の老舗商店街近くに終の棲家。サイデ ンステッカー氏とは仲違いばかりだったと言われましたが、サイデンさん の追悼会では「ライバル意識はあったかも知れないが、仲よかったです」 というのがキーン氏の釈明的な追悼の挨拶でしたね。

 前にも書きましたが、三島を翻訳しつつ大江健三郎、安倍公房とも親し いという均衡感覚。やっぱり世渡りがユダヤ人らしもあり、文壇政治なの です。三島さんは、そのことは見透かしていたと思います。

            

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村の渡しの船頭さんは 今年六十のお爺さん
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              渡部 亮次郎

「村の渡しの船頭さんは 今年六十のお爺さん 年を取つてもお船を漕ぐと きは 元気いつぱい櫓がしなる それ ぎつちら ぎつちら ぎつちらこ」

「船頭さん」の一番。「かもめの水兵さん」などと同じく作詞は武内敏 子、作曲は河村光陽。

太平洋戦争直前(1941年)に発表された歌で、「六十のおじいさんです ら、村のためお国のために休む暇なく働いているのだから、君たちも早く 立派な人間になってお国のために尽くしなさい」というメッセージが込め られているそうだ。

このような童謡にさえ、そうしたメッセージがこめられる時代だったんで すね。それにしても60歳のおじいちゃんですら働いている、とは…。うーむ。

あの時代戦争だったから、老若男女のうち若い男は戦場に赴き、女性が社 会を運営していたのだから「老人」が働くのは当然だった。いまに労働力が 少なくなってきたら80歳でも働かなくてはならなくなるかもしれない。

今の日本で「60」を老人と考える人は僅かだろうが、昭和16年、今から70年 前は少なくとも60歳は「老人だったのである。

常連投稿者・平井修一さんの調べによると、世界各地での定年事情をニー ルセン・カンパニー合同会社が調べている。オンライン調査で2010年9月 に、アジア太平洋、欧州、中南米、中東、アフリカ、北米の世界53カ国2 万6000名以上を対象に実施した。主な調査結果は以下の通りだ。

■「年寄り」は70代から

何歳からが年寄りだと思うか、という質問に対し、日本では「70代」 (54%)、世界平均では「60代」(34%)という回答が最も多い。

一方、「80代」からが年寄り、と考えている人の割合が高いのは、北米 (43%)、中南米(35%)、欧州(32%)で、日本(4%)と比べても非 常に高い数値となっている。2012・11・03

英語です。

In a village there lived an old man who is at the age of sixty
He has long been working as a ferryman of riverboat
Certainly he is very old, but once he is on his boat
He is full of energy and finely rows the boat
The oar is now creaking and creaking a lot

     
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緊迫した状況が生まれている北朝鮮情勢
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            櫻井よしこ

「緊迫した状況が生まれている北朝鮮情勢 日米主導の制裁をこのまま続 けるべきだ 




2月末のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談決裂後、金正恩朝鮮労働党委 員長の足下が不穏である。

朝鮮問題の専門家、西岡力氏が3月22日にインターネットの「言論テレ ビ」で、北朝鮮の平壌を出発した保衛部の幹部5人、部長3人と課長2人が 姿を消したと報じた。彼らは3月19日に平壌を出発し、中国との国境に近 い新義州で昼食をとり、中朝国境の川、豆満江にかかる橋を渡り中国・丹 東に向かった。そこで中国に派遣されている保衛部員らと落ち合い北京に 向かうはずだったが、忽然と消えた。

保衛部はナチスの秘密国家警察、ゲシュタポと似た組織で政治警察部隊の ことだ。

北朝鮮は直ちに追っ手を出した。保衛部は信用できないとして、軍の工作 部隊である偵察総局の精鋭20人を中国に送り込んだ。元韓国公使で「統一 日報」論説主幹の洪熒(ホン・ヒョン)氏が指摘した。

「幹部の集団逃走は保衛部解体につながる程の衝撃でしょう。5人は家族 を置き去りにして逃げている。家族は間違いなく収容所送りでしょうか ら、余程切迫した状況だったはずです」

正恩氏は祖父も父もしなかった苛烈な粛清に走っている。叔父の張成沢氏 の処刑、母違いの兄、金正男氏の暗殺、自分を守る役割で自分に最も近い 保衛司令部、さらに党の組織指導部までをも粛清し始めている。

組織指導部とは正恩氏自身が作った党の中の党だ。重要政策の決定から幹 部の人事権、正恩氏に上げる情報の取捨選択まで行う。

5人の逃走から8日、北朝鮮は中国当局にも捜索を依頼し、偵察総局の面々 も、ホテルや食堂、民家まで徹底的に捜索しているが、杳として行方が知 れない。ここまでは事実で、これから先は西岡、洪両氏の推測である。

3月1日に北朝鮮臨時政府を作ったと「自由朝鮮」と名乗る勢力が宣言し た。彼らは2月22日にスペイン・マドリッドの北朝鮮大使館を襲い、コン ピュータを持ち去った。米紙「ワシントン・ポスト」が一部始終を詳しく 報道した。自由朝鮮は暗殺された正男氏の長男のハンソル氏をマカオから 脱出させて保護している勢力だが、マカオ脱出は中国当局の協力なしには 不可能だったとされている。

とすれば、保衛部幹部5人が逮捕されていないこととも、中国当局は関係 があるのか。洪氏は次のように憂う。
 「仮に自由朝鮮がハンソル氏を担いで臨時政府樹立を画策しているのな ら、失敗すると思います。それは王朝四代目になり、中国の傀儡ですから」

西岡氏の感想だ。

「もしも自由朝鮮の犯行だとすると、彼らはかなりの組織力を持ってい る。襲撃事件を起こした、それを米国紙に書かせた、マカオからハンソル 氏を救出した。脱北者だけではできないでしょう。米中共に正恩氏の核保 有を望んでいないことを考えると、一連の事件に何らかの工作がされた可 能性はあると思います」

正恩氏はハノイから戻って、すぐに初級宣伝活動家大会を開き、以下の3 方針を打ち出した。(1)米国とは長期戦になる、(2)自給自足を強め よ、(3)指導者(自身)の神格化をするな。

ハノイに出かける前は、党幹部らを前に、対米交渉は順調だ、もうすぐ (日本から)大金をとれる、もう少しの我慢だと言っていたのとは正反対 だ。金一家は常に自分たちを神のように崇めよと命じてきた。それがい ま、人民は首領を神格化せずに、つまり、首領にたよらず食べていけと 言っている。

北朝鮮の国民は1990年代に金正日氏の悪政で300万人が餓死した。彼ら は、「今回は黙って死ねない」と誓っている(「自由北朝鮮放送」代表、 キム・ソンジン氏)。何があってもおかしくない緊迫した状況が生まれて いる。日米主導の制裁が功を奏している。
『週刊ダイヤモンド』 2019年4月6日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1274



            
           
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読 者 の 声
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身 辺 雑 記
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8日の東京湾岸は予報に無かった雨。


読者:6001人

                          

                        

                          

                         


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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

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