政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針5002 号  2019・4・2(火)

2019/04/02

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わたなべ りや う じらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」5002号
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        2019(平成31)年  4月2日(火)



           世界のGDPの320%が負債:宮崎正弘

            1万人の死んだ大気汚染:渡部亮次郎

        日本の国益に重なる台湾総統選挙:櫻井よしこ
               
                      話 の 福 袋
                        反     響
                      身 辺 雑 記

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世界のGDPの320%が負債
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019)4月1日(月曜日)
通巻第6033号 
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世界のGDPの320%が負債。大暴落の引き金はどうみても中国
  世界金融恐慌に備えは出来ていますか?
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世界のGDPの3・2倍の金額は債務である。これはもはや制御不能 (NOT CONTROLABILITY)である。

1997b年のアジア通貨危機は企業の負債超過が引き金を引いた。2008年の リーマンショックは怪しげなサブプライム・ローンだった。しかも高利に 釣られ、面妖なファンドを買わされていた中での多数は日本だった。

ジャンク債を巧妙に織り込んだ「金融商品」がウォール街の錚々たる証券 会社から売られたので、うっかり騙されたのだ。
 
2018年第4・四半期の統計で世界の負債総額は244兆2000億ドル(日本に換 算すると2京6862兆円)。

この内訳は各国の政府負債が65・2兆ドル、非金融部門の企業負債が72・ 9兆、銀行業界(証券、保険を含む)が60兆ドル、そして家計の債務は40・ 1兆ドル。この金額は2008年のリーマンショックから75%も増えている。 つまり世界経済は負債を増やすことで成り立ち、米国の赤字国債だけでも 22兆ドルに迫る。

中国の起業の負債はGDPの160%、ちなみに1988年の日本の企業負債は 132%だった。中国の家計の負債はGDPの51%もあって、これは住 宅ローン残高が主である。

 小誌がたびたび指摘したように中国はドル建ての社債に「チャイナ・プ レミアム」を上乗せされており、高利で売りまくっている。償還となる と、借り換えの社債をまた起債し、要するに手形のジャンプだから負債は 水ぶくれのように膨張している。

 問題は日本企業が借金を嫌い、むしろ内部留保を増やしているため、銀 行は貸し金の相手が不在。内部留保は466兆円ともいわれるが、金利の 高いファンドで運用しているところが多い。
 だから日本の財務内容も企業業績も健全であっても、中国発金融恐慌が 来ると直撃の津波を被ることになる。

 次の金融恐慌は時間の問題であり、のんびり中国経済は大丈夫と言って いる場合ではないが、すくなくともあなたは備えが出来ていますか?
賢者は危機に備えるというが、日本のメディア、官庁、金融界を見渡し も、のんびりしていますねぇ。

       
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1万人の死んだ大気汚染
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      渡部 亮次郎

霧のロンドンは日本の歌謡曲にもなっているほど有名だが、実際の霧はそ んなのんびりしたものではない。秋だった。ロンドン郊外で貸切バスが霧 に包まれて動きが取れなくなった。

興味から、外に出て驚いた。まるで牛乳瓶に飛び込んだみたい。上も下も 右も左も見えない。急に殴られても相手を確認する事は不可能だ。歌謡曲 でロンドン霧を称えた作詞家はロンドンへ行ったことが無かったに違いない。

このように濃い霧だから、ヨーロッパには悪魔がやってくるのも霧に乗っ て、凶悪犯も霧に紛れてやってくると考えられている。そんな話をフリー 百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で捜していたら「ロンドンス モッグ事件(Great Smog of 1952、London Smog Disasters)」が出てき て驚いた。

1952年にロンドンで発生し1万人以上が死亡した、史上最悪級の大気汚染 による公害事件だという。現代の公害運動や環境運動に大きな影響を与え た。日本で言えば昭和27年。高校生のころだったから知らずに育った。

ロンドンは冬に濃い霧が発生する事で知られている(実はこの霧も大気汚 染の一つ)が、19世紀以降の産業革命と石炭燃料の使用により、石炭を燃 やした後の煙や煤が霧に混じって地表に滞留する。

それがスモッグと呼ばれる現象を起こして呼吸器疾患など多くの健康被害 を出していた。1950年代までの100年間にも10回ほどの大きなスモッグが あったが、その中でもっとも健康被害が大きくなったのが1952年である。

1952年12月5日から10日の間、高気圧がイギリス上空を覆い、その結果冷 たい霧がロンドンを覆った。

あまりの寒さにロンドン市民は通常より多くの石炭を暖房に使った。同じ 頃、ロンドンの地上交通を路面電車からディーゼルバスに転換する事業が 完了したばかりだった。

こうして暖房器具や火力発電所、ディーゼル車などから発生した亜硫酸ガ ス(二酸化硫黄)などの大気汚染物質は冷たい大気の層に閉じ込められ、 滞留し濃縮されてpH2ともいわれる強酸性の高濃度の硫酸の霧を形成した。

この濃いスモッグは、前方が見えず車の運転ができないほどのものだっ た。特にロンドン東部の工業地帯・港湾地帯では自分の足元も見えないほ どの濃さだった。

建物内にまでスモッグが侵入し、コンサート会場や映画館では「舞台やス クリーンが見えない」との理由で上演や上映が中止された。同様に多くの 家にもスモッグは侵入していた。

人々は目が痛み、のどや鼻を傷め咳が止まらなくなった。大スモッグの次 の週までに、病院では気管支炎、気管支肺炎、心臓病などの重い患者が 次々に運び込まれ、普段の冬より4,000人も多くの人が死んだことが明ら かになった。

その多くは老人や子供、慢性の患者であった。その後の数週間でさらに 8,000人が死亡し、合計死者数は12,000人を超える大惨事となった。

この衝撃的な結末は大気汚染を真剣に考え直す契機になり、スモッグがす ぐそこにある深刻な問題であることを全世界に知らしめた。

イギリスでは多くのすす(煤)を出す燃料の使用を規制し、工場などが煤 を含んだ排煙を出すことを禁じる新しい基準が打ち出され、1956年と1968 年の「大気浄化法(Clean Air Act)」と、1954年のロンドン市法(City of London (Various Powers) Act 1954)の制定につながった。2008・01・30


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日本の国益に重なる台湾総統選挙
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         櫻井よしこ


「日本の国益に重なる台湾総統選挙 親日派の若き政治家は健闘できるか」

台湾が中国の支配下に入るかどうかは、インド・太平洋の地政学を揺るが すほどの影響を及ぼす。

わが国に物資を運ぶ大型船やタンカーが台湾海峡を通過できるのはそれが 公海だからだ。台湾が中国に領有されれば、同海峡は中国の内海となる。 日本の瀬戸内海のようなものだ。日本の船は通りにくくなるだろう。いわ んや米国の軍艦などへの影響は大きく、インド洋から西太平洋にかけての 米軍の作戦行動に大きな負の影響が出るのは避けられない。

トランプ米政権が台湾支援策を次々に打ち出してきたのは、南シナ海への 北東の出入口である台湾と、南西の出入口であるシンガポールを支援し、 南シナ海を自由の海として守りたいとする戦略ゆえだ。

米国のみならず、日本にもあらゆる意味で決定的な影響を及ぼす台湾情勢 だが、その台湾で来年1月、総統選挙が行われる。現職の民主進歩党、蔡 英文総統の支持率は低迷しており、中国との統一を望む台湾国民党が政権 を奪還する可能性が現時点ではかなり高い。

中国とほぼ一体だとみるべき国民党が政権を握れば、実質的な中台統一に つながると考えてよいだろう。国民党の最有力候補とされる高雄市長の韓 国瑜氏の持論は、中国との交流による景気刺激策重視である。

台湾に関して『汝、ふたつの故国に殉ず』(角川書店)を上梓したノン フィクション作家の門田?将(かどた・りゅうしょう)氏は、来年の台湾 総統選挙は日本の国益に重なる選挙であり、日本人はわが事として見守る べきだと語る。

「国民党で一番人気の韓国瑜氏が主張するように、国民党政権ができれば 中国本土による投資拡大政策が採用されます。現在も中国資本は台湾に注 入され続けていますが、それでも、表面上、台湾人の社長を据えたりし て、カモフラージュしています。政権奪取となれば、一変して、大手を 振って中国資本が流入すると思います」

武力行使に至るまでもなく、台湾は実質的に中国に「所有」されてしまい かねないということだ。そのような事態を防ぐには、次の選挙で民進党が 勝つしかない。だが、蔡氏の支持率は、中国の習近平国家主席の唱える 「一国二制度」を「絶対に受け入れない」と拒否したことで8%上昇した ものの、まだ23%にとどまっている。

台湾の大手テレビ局TVBSの世論調査では、予想される国民党の候補者 4人に対して蔡氏が勝てるのは1人だけだ。このままでは民進党はどう見て も勝ち目がない。

そんな悲観的な見方が広がっていた中で、民進党の頼清徳氏(59歳)が出 馬することになった。頼氏の出馬宣言を、氏をよく知る評論家の金美齢氏 は、「民進党にショックを与えて、蔡氏をより強く支えるため」とみる。

門田氏は「民進党に対して、このまま、座して死ぬのかと、凄い圧力をか けた」とみる。

世論調査では、蔡氏に比べて頼氏の勝利の可能性は少し高い。頼氏なら国 民党候補者4人中、2人には勝てる見込みだ。

それでも民進党勝利の可能性は低いのだが、頼氏出馬がカンフル剤になる 可能性もある。

頼氏とはどんな人物なのか。

氏は2歳のときに父親が死亡、母親が6人の子供を育てた。氏は台湾大学医 学部を出て医師となった。台湾人意識が強く、日本が大好きで熊本地震の ときにはいち早く駆けつけた。

国民党による台湾人への圧政を批判し、台湾独立論を持論とする。悪名高 い「2・28事件」で国民党に殺された湯徳章氏を偲んで、「正義と勇気の 記念日」制定に力を尽くした。10カ月後の総統選挙の見通しは現時点でわ からない。ただ、この親日派の若い政治家の健闘を祈りたい。

『週刊ダイヤモンド』 2019年3月30日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1273



         
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読 者 の 声
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◎国語が固まってから外国語教えるべきだ:前田正晶

私は小学校までは国語教育を何はさておいても優先すべきだとの論者です。

ここにあらためてこれまでに何度も採り上げた私の日本の会社時代の2期 上と同期入社だった秀才の名言を再録してみます。

一橋出身のF氏は「日本語で満足に自己の思うところを言えないものが英 語が出来るようになる訳がない」と指摘しました。

東大出身で後年に親会社の専務となったたH氏は、非常に英語での交渉が 難しくなると私が進言した東南アジアの某国で発生したクレームの交渉に 単身で出向かれる前に「英語での会話による交渉は心配していない。要す るに基本的に英語とは何かが解っているかいないかの問題だから」と断言 されました。これも至言だと思って聞きました。交渉は無事成立 しました。

英語で思うように意思表示が出来るか否かは、基本的にこの両氏が言われ たような点に尽きると思うのです。日本語で自分の意志が的確に表現でき ない、あるいは物事が良く理解できない年齢の頃に、外国語を教えても無 意味だと言うことだし、その外国語が基本的に如何なるものか、即ち日本 語と何処がどう違うかが解っていれば、難しいビジネスの交渉でも出来る と言うことでしょう。




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身 辺 雑 記
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2日の東京湾岸は快晴、爽快。

4月に入って最初の日の東京湾岸は快晴。爽快に散歩ができた。散歩する 都立猿江恩賜公園は満開のソメイヨシノとユキヤナギで全面真っ白だ。当 に春だ。


「令和」が5月からの元号だそうだ。
                          読者:5587人

                         

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創刊日:2004-01-18  
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