政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4987号  2019・3・18(月)

2019/03/18

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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」4987号
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        2019(平成31)年  3月18日(月)



「拉致:朝鮮半島の闇、日本の闇」第26章:“シーチン”修一 2.0

       バングラデシュへ200億ドルを投資:宮崎正弘

   前向きな報じ方が多かった韓国大統領演説:櫻井よしこ         
                       
                      話 の 福 袋
                        反     響
                      身 辺 雑 記
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「拉致:朝鮮半島の闇、日本の闇」第26章
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        “シーチン”修一 2.0

ムショからムッシュー・ゴーンが奇抜なファッションで出てきた。それだ け見てもタダモノじゃないなあと思う。泣く子も黙る、情け知らずのコス ト・カッター、切れ味抜群、死屍累々、それでも「下請けの 涙の池で  イチニッサン」、どん底泥沼の日産を蓮の華のように甦らせたのだから、 何妙法蓮華経、神様、仏様、ゴーン様。永遠に「中興の祖」として記憶さ れるだろう。その功を私たちは忘れない、日本電装そっくりのファッショ ンとともに・・・

刑務所や拘置所、留置所では「3」が結構な意味を持つ。3日、3週間、30 日、3か月、300日、3年、30年・・・3日耐えれば3週間はもつ、3週間耐え れば30日、30日耐えれば3か月はもつということだが、この3か月≒100日目 あたりは独房暮らしでは結構しんどい。

逮捕後の最初の3週間は新聞も本も読めず、カレンダーと「房内心得」し か読むものがないので辛いが、まだ戦意はあるからどうにか凌げるが、 100日頃には戦意喪失、“拘禁ブルー”になり、娑婆が恋しくなって、とに かく保釈されたいなあと思いが募って、無実なのに検事のシナリオに沿っ てゲロったり、同志を売ったりすることは結構多いようだ。

(裏切りは自責で一生苦しむから割が合わない。新宿騒乱事件(1968年) で逮捕された道浦母都子の短歌に「爪立てて 同志よ黙秘をと 刻みきし  独房の壁 今宵誰が見む」とかいうのがあったが、その同じ事件でパク られたN(某企業の御曹司)は分離公判でいち早く執行猶予になった。そ の後のNは友人をほとんど失い、事件にはまったく触れず、まるで世捨て 人のようだった。同志を売るとろくなことはない。

なお、房の壁はカチカチで、運動場で拾って頭髪に隠して持ち込んだ釘で も歯が立たなかった。道浦の爪は相当硬度が高いようだ)

ゴーンさんは容疑を否認したままで“保釈を勝ち取った”。裁判では一審で ケリがつくのではないか。氏は年齢を考えると、さっさとお仕舞にしてビ ジネス界に復帰したいだろう。実刑でも功績を考えると懲役あるいは禁固 3か月、罰金20億円で、3か月拘留されていたから実際に刑務所に収監され ることはないし、保釈金プラス10億円で罰金は賄える。

必殺無罪請負人のヤメ検もずるずる最高裁まで持ち越すことは勧めないだ ろう。ゴーン氏は娑婆でまだまだニーズはあろうから、10億円なんぞすぐ に稼げるだろう。不動産のいくつかを売ればいいし・・・

まあ、ちょっと公私混同して脱線しただけよ、実業家にはよくあることだ わ、禊をすればOK、引きこもりするより、社会のためにあなたの桁違いの 能力を発揮すべきだと私は思うわ。ガンガン稼いで、ジャンジャン遣うの よ、貯め込むと嫉妬を買うから、アドバイスをしておくわ、良くって?

カネと無縁の小生は3月6日に確定申告の書類を税理士に送った。40年近く 確定申告をしているが、今年は税務署から申告用紙が届かず、「歳だし、 キチ〇イだし、骨折もして廃車寸前だから納税免除なのかもしれない」と 思ったりしたが、情け容赦しない泣く子も黙る税吏がそんな温情をするわ けはないわなあと考えていたら、「そうか、税理士が小生に代わって去年 からネット申告し、それで用紙が来ないのだろう」と思い至った。

で、慌てて書類と数字をまとめて簡易書留で税理士に送ったというわけ。 ゴーン氏と違って納税額はクズみたいなものだが、決まりは決まりだから 仕方がない。税理士は小生が起業した時からお世話になった先代の息子さ ん。先代は亡くなってしまったが、息子さんがクライアントを引き継いで おり、生前贈与などでもお世話になっている。

確定申告は小生でもできるが、書類に「税理士のハンコ」があれば、税理 士と税吏はグル(税吏は退職後に税理士になったりする。取材でお世話に なった四谷税務署の署長さんとは仲良しになったが、退職後に四谷で税理 士事務所を開業した。記者はいろいろな人と仲良しになれるのがいい)だ から、すんなりいくのだ。ハンコの威力は抜群。2代目の税理士には以下 のことも書き添えた。

<昨秋9月3日に自転車でこけて左膝を複雑骨折し、酷い目に遭いました。 腰痛もあってヨタヨタ、ヨロヨロです。3月10日には「生前葬」(お別れ の会 or 感謝の集い)を催します。

相続は家内一人にし、孫1人につき100万円の教育費を与えようと思ってい ます。手続きをお願いできますか。

確定申告もあと1、2年でしょう。家内は「古稀まで生きて」と言っており ます。DIYで棺を作り、セレモニー業界をアッ!と驚かせ、My Coffinブー ムを世界に広めたら、もう満足です。ハハハハハ・・・>

古稀までは コキコキシコシコ 生きてみる(修)

相変わらずの愚作だ。

隔離部屋と庭園の掃除、パノラマ展望台の修繕を終え、3月9日は墓掃除、 10日は法事。どこかへ消えてしまったビートルズの3枚組CDの代わりにベ ストヒット27曲を1枚に収めたCDを8日にブックオフで入手したから、なす べきことの95%は終わった。キャロルの火事付き解散コンサートCDを残す だけで気に入りのCDは全部そろった。

いい気分で生前葬を迎えられそうだ。長くなったので今回はこれで終わり にします。(つづく)2019/3/9

       
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バングラデシュへ200億ドルを投資
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)3月16日(土曜日)
   通巻第6019号  
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 サウジ、パキスタンに続き、バングラデシュへ200億ドルを投資
  中国とのバランス回復が主目的。イスラム圏の安定目指す
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バングラデシュの主力産業は繊維、縫製加工、中国資本の工場が約500 社、100万人のミシン女工を雇用している。バングラデシュは世界最貧国 の一つだが、出稼ぎ労働者による送金で外貨収入の30%近くを占める。

 最大の援助国は日本である。しかしJICAの職員10人がダッカでテロ リストに殺害されて以来、バングラへの派遣を尻込みする日本人若者が増 え、次々と投資を拡大する中国とは対比的である。

バングラデシュからサウジアラビアへの出稼ぎは2017年ピーク時に280万 人。ついでインド、フィリピンと続いたが、原油代金下落によるサウジの 不況入りによって陸続と出稼ぎ組は帰国しはじめた。とくにフィリピンで は出稼ぎ組の帰国をドゥテルテ大統領自らが空港に出向き慰労した。

2016年10月、習近平はBRICS会議の帰路、バングラデシュを公式訪問 し、1320メガワットの発電所建設に16億ドルなど、合計260億ドルのプロ ジェクトをぶち挙げて大歓迎された。そのなかにはチッタゴン港の近代化 も含まれていたが、後者のプロジェクトはバングラデシュ政府が断ったと いう。

直前にインドはバングラデシュに対して20億ドルの信用供与を約束してい たが、中国はいきなりインドの10倍以上の金額を提示し、ハシナ政権の度 肝を抜いた。しかし例によってプロジェクトは遅々として進まず、大半は 具体化せず、中国の誠意のなさに苛立って、サウジアラビアと水面下の交 渉を続けてきたのだ。

カショギ事件のほとぼりも冷め、ハシナ首相は2月にリヤドを訪問し、サ ルマン国王と会見した。

100メガワットの太陽光発電への投資、チッタゴン近郊の工業特区建設と バイオ薬品の共同開発プロジェクトなどおよそ200億ドルの投資が決まった。

 地政学的にはチッタゴンが最重要であり、インド洋を扼し、ベンガル湾 航路の死活を制することが出来る。中国海軍にとってはマラッカからミャ ンマーの西海岸に港を建設し(チャウッピューが最有力候補)、ついで チッタゴン、スリランカのハンバントタはすでに海軍基地化が進み、モル ディブからパキスタンのグアイダール、その先がてジブチに造成した中国 軍初の海外基地へと繋げる。


▲バングラの頭痛のタネはロヒンギャ避難民だ

ミャンマーから逃げてバングラデシュに入ったロヒンギャはおよそ90万 人、スーチー政権は国際的な非難に晒され、窮地に陥った。孤立したミャ ンマーの政治空白に入り込んだのは中国だった。

ところでロヒンギャ難民をかかえるバングラデシュは、国連や支援団体を 通じて、いまのところ53万人を難民キャンプに収容している。不衛生で下 水設備などあるはずがなく伝染病で死亡する犠牲が絶えず、急ごしらえの 墓所もあちこちに出来た。

この事態に対処するためバングラデシュ政府は、新しいキャンプ兼職業訓 練センターを建設し、雇用に活用する方針に切り替えた。そのためベンガ ル湾の無人島を開発し、ここに10万人の難民を収容して、工業団地とす る。すでに造成工事は開始されている。

ジュネーブの国連、人権ウォッチ委員会は14日に人権状況の年次報告を発 表し、ロヒンギャ問題を引き続き深刻な問題としたが、同時に中国新彊 ウィグル自治区における100万人の強制収容所を人権侵害の典型として報 告した。
https://www.state.gov/j/drl/rls/hrrpt/humanrightsreport/index.htm#wrapper

国連ジュネーブのキュリエ米大使は、イスラム諸国に対して「同胞が虐待 されている現実を前に、なぜ中国非難に立ち上がらないのか」とし、最 近、エルドアン大統領が中国の遣り方を「人類の恥」と非難したが、この トルコの路線変更を高く評価した。

     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評BOOKREVIEW  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 孔子の「心」は中国になく、日本にあった
  日本人は『論語』の「愛」を体現し、中国人は「儒教」に「権力」を 求めた

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石平『なぜ論語は「善」なのに、儒教は「悪」なのか』(PHP新書)
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渋沢栄一は「右手に算盤、左手に『論語』」と言った。

二宮尊徳は「経済のない道徳は戯事だが、道徳なき経済は犯罪だ」と書き 残した。

出光佐三は「道徳には美がある、モラルには美がない」との箴言を残した。

意味するところはモラルはルールでしかなく、道徳は不文律の人間のみち である、ということだろう。

儒教はたしかに道徳を説いたが、それはルールの強制であり、モラルの法 化とも言える。

『論語』は心のあり方、人間の精神を説いた。つまり儒教と論語は基本の ところが異なるのである。

しかし学校でも家庭でも道徳を教えなくなったため現代日本人は道徳どこ ろか、モラルさえなくした。典型例を挙げれるなら、地下鉄やバスの「優 先席」である。身体障害者、妊婦、老人が優先する座席とは、本来なら一 般席であっても、尋常な人間なら席を譲った。いまはルールを設け、優先 席を人工的に作ったが、すると若者は一般席では老人に席を譲らない。い やいや、そればかりか優先席にふんぞりかえる若者は老人が前に立ってい ても平然としている。

日本人に道徳がいまも生きているとは思えない。情けない世情である。

 さて本書の著者、石平氏の大活躍については、いまさら記述する必要は ないだろう。次々とアイディアが沸き出ずるように、旺盛な創作意欲の噴 出がある。それも新作毎に新しい分野への挑戦があり、おろそかにして読 み飛ばすことが出来ない。論壇で重要な位置をしめるようになったことは 慶賀に堪えない。

石平氏は「聖徳太子は仏教を取り入れたが、同時に輸入された儒教は日本 で定着しなかった」と『なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか』 で述べ、また前作(『中国人の「善」と「悪」はなぜ逆さまなのか』)で は、中国人の精神の基軸になるのは一族(宗族)イズムであると説かれた。
 
本書の急所は、「儒教」と『論語』は別々の存在であり、孔子の心を体現 したのは日本であって、中国では儒教は、残酷な「礼教」に化け、人々を 暴力的に支配し、また儒教に「権力」を求めた。この箇所が中国人の認識 する儒教の本質である。

文革の煽りで石さんの両親は田舎へ下放され、幼年時代の石少年は四川省 の田舎、祖父の下で育った。祖父は漢方医で、『論語』を徹底的に石少年 に教え込んだ。暗記するほどにそれを覚えたが、文革最中の或る夜、祖父 が秘かに『論語』を燃やしていた。後難を怖れたからで、『論語』を持っ ているだけでもつるし上げの対象となったからだ。

四川省から北京大学へ入学した頃、中国には自由の風が吹き始めていた。
 「哲学専攻の私たちは当然のように、孔子や儒教などよりも、ルソーや フランス革命の理想、そしてサルトルに心酔していた。儒教でいう『仁義 礼智信』よりも、『自由平等人権』などの言葉がわれわれの心を捉えた」 (20p)

「『論語』には、人間性の抑制や人間の欲望の否定を唱える言葉など何一 つなく、ましてや女性の『守節』や『殉節』を(礼教のように)奨励する ような表現はどこにも見あたらない。そのかわりに、孔子が『論語』の中 で盛んに語っているのは『愛』(仁)であり『恕』(思いやり」であり、 親の気持ちを大事にする意味での『孝』なのである」(29p)。
 日本留学を思い立ち、神戸で生活し始める。

「日本にきてからわずかひと月で、私は『礼』に満ちている社会の中で生 きる実感を得」た。日本では礼節、こころのぬくもりがあり、「故子供の 頃に祖父から教わった「論語の言葉と同じような暖かさを(市井の人々 が)持っていた」(35p)。

すなわち「儒教とは結局、孔子が没してから三百数十年後に、孔子とは まったく関係のないところで作られた一種の政治的イデオロギーであり、 権力の奉仕するための御用教学なのである」(142p)。

だから儒教は論語とは無縁であり、「「論語」は大いに読まれるべきであ るが、儒教とは単なる過去からの負の遺産であり、廃棄物として捨ててお くべき」であると、ハッとするような指摘がある。
 中国および中国人の理解に大いに役に立つ。

       
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1872回】            
 ――「劣等な民族が自滅して行くのは是非もないこつたよ」東京高商(12)
東京高等商業學校東亞倶樂部『中華三千哩』(大阪屋號書店 大正9年)

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この若者は「何ぞその臥薪嘗胆の悲痛なる」と綴り、「主として支那が直 接關係する領土方面」における「國耻」に同情を寄せている。

さらには「各種の方面に於て或は鐵道の敷設經營、鑛山の採掘事業の投 資、かうした場合にも歐米人なら必ず利?折半で隱當だが日本人は大抵の 場合四分六分だといふ、しかもいろんな有利な密約なんかを劍を以て強迫 して定めると訴へられた時僕はむしろ彼らに同情したくなる」と、日本の 強圧姿勢を前にして受け身になる中国側に同情を示す。

若者が2つの同情を寄せてから12年が過ぎた昭和6(1931)年の春――数か月 後には満州事変勃発する――、日本における英語学の祖とされる市川三喜は 北平(北京)を旅し、「北平で新教育によって名高い孔徳学校を参観」し た際の思いを次のように綴った。

「日本に対しては国恥地図が小学四年の室にかけてある」のを見て、「阿 片戦争やなんかはおかまい無しの、日本を目標としたものだ。よき支那人 を作る為には、其自尊心養成に必要なら、国恥地図も是非無いとしても、 そんなら各国からうけた恥を大小の順に並べるがいい。さしあたって突か かる目標なる日本に対しての反感を養うべく琉球までを、奪われた、此恨 不倶戴天なんて焚きつける事は、教育をして人間を作る機関から切り離 し、国家の道具製造場と化す苦々しい態度だと思う」のであった。

若者が「國耻」に同情を寄せたのは大正8(1919)年。一方、壮者の市川 が学校は「国家の道具製造場と化」し、「さしあたって突かかる目標なる 日本に対しての反感を養うべく琉球までを、奪われた、此恨不倶戴天なん て焚きつける」と憤慨したのは昭和6(1931)年――同情から憤慨へ。一介 の若者に対するに第一級の英語学者である。経験、識見、社会的影響力に 大きな違いはあれ、同じような事象を捉えながらも、真反対の反応を示 す。この間に過ぎた年月は僅かに12年に過ぎないものの、やはり12年の間 に両国を取り巻く内外状況が激変したということだろう。

だが、こうは考えられないだろうか。同情も憤慨も支那=中国に対する過 度の思い入れに起因している。そうなって欲しくないから同情し、そうで はないだろうと思うから憤慨する。どちらにしても心情的には根っ子は同 じだ。

ここで甚だ飛躍するが第2次世界大戦、ことに中国戦線において重要な役 割を演じたアルバート・C・ウェデマイヤー将軍が綴った『第二次大戦に 勝者なし  ウェデマイヤー回想録(上下)』(講談社学術文庫 1998 年)の冒頭に掲げたアメリカ初代大統領のJ・ワシントンの「訣別の辞」 を挙げておきたい。

「国家政策を実施するにあたってもっとも大切なことは、ある特定の国々 に対して永久的な根深い反感をいだき、他の国々に対しては熱烈な愛着を 感ずるようなことが、あってはならないということである。(中略)他国 に対して、常習的に好悪の感情をいだく国は、多少なりとも、すでにその 相手国の奴隷となっているのである。

これは、その国が他国に対していだく好悪の感情のとりこになることで あって、この好悪の感情は、好悪2つのうち、そのいずれもが自国の義務 と利益を見失わせるにじゅうぶんであり、(中略)好意をいだく国に対し て同情を持つことによって、実際には、自国とその相手国との間には、な んらの共通利害が存在しないのに、あたかも存在するかのように考えがち になる。一方、他の国に対しては憎悪の感情を深め、そこにはじゅうぶん な動機も正当性もないのに、自国をかりたて、常日ごろから敬意をいだい ている国との闘争にさそいこむことになる・・・(以下略)」。

大正8年の同情から昭和6年の憤慨へ・・・「熱烈な愛着」から「根深い反 感」へ。《QED》
    
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 読者の声 READERS‘ OPINIONS  どくしゃのこえ 
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(読者の声1) 貴誌通巻第6018号(読者の声2)で稲村正治氏が、「ま た、なぜ天皇を名乗ったのかは、云われているように中国の皇帝に対抗し て名乗ったのではなく、本当に人間が神になるものと捉えていたからこ そ、天皇と名乗ったのです」とお書きになられました。

気持ちは理解しますが、私は以下の宮崎市定氏の説が正鵠を射ていると思 います。

1.「おおきみ」(大王または王)は尊称、つまり現代日本語での「殿 下」、「陛下」に相当するものである。
2.「天皇」は称号である。

3.「天皇」は、元々は「天王」であったものが、「天皇」と書き改めら れた。根拠は、以下のとおりである。

(1)もともと「天皇」なら読み方が「てんこう」のはずである。
(2)三国時代と隋王朝の時代の間は、中国が小国に分れた南北朝時代で あり、中原全体を支配した王がいなかった。
   そのため、諸王の内で最も有力な王を「天王」と呼んだ。「天王」 はもともと仏教用語で仏教の守護者である王のことを言った。
   南北朝時代は仏教が有力であったためこの呼び名が流用されたので あろう。
(3)隋の時代になり、皇帝という呼び名が復活し、皇の方が王より格が 上なので、日本では「天王」を「天皇」と書き方を改めたが、読み方は変 えなかった。

この説を宮崎先生は昭和40年頃に提唱されましたが、一般には認められま せんでした。

この説を傍証するものとして、大宝律令で、「すめらみこと」を内政では 「天皇」、宮中祭祀では「天子」、外交では「皇帝」と呼ぶと規定しました。
 日清戦争開戦の詔勅でも日露戦争開戦の詔勅でも「大日本帝國皇帝」の 名で渙発されています。三つの呼び方を天皇で統一したのは昭和になって からです。(當田晋也)

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(読者の声2 貴誌前号にあった投資家のジム・ロジャースが「日本経済 はもはや望みがなく、衰退、自滅に向かう」などと悲観的見解をのべてい るそうです。

じつに、いやな意見ですが、今年秋に予定されている消費税増税はどう考 えてもおかしいと思います。

 『クライテリオン』でも反対の論陣を張っているようです。
https://the-criterion.jp/backnumber/s01_201812/
 世界経済の悪化も懸念されている今、安倍首相、本気でやるのでしょう か?(HT生、大田区〜

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(読者の声3)次回の「千田会」は黄文雄先生講演『韓国レーダー照射事 件でわかった、日本を見くびる韓国の愚かさ』。

12月20日に発生した、韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管 制レーダー照射事件。常識的な抗議を行った日本に対し韓国側は筋が通ら ぬ弁明を繰り返しているが、何故この様な事態が起きてしまったのか。日 本を見くびる韓国の愚かさについて、評論家の黄文雄先生が多角的な視点 から冷静に語ります。

           記

とき   3月23日(土) 18時30分〜20時30分(開場:18時10分)
ところ  文京シビック5階会議室C(文京シビックセンター内)
       東京都文京区春日1-16-21  03-3812-7111
講師    黄文雄先生
演題    『韓国レーダー照射事件でわかった、日本を見くびる韓国の 愚かさ』
参加費   事前申込:1500円(当日2000円、学生:500円、高校生以下 無料)
懇親会   21時〜23時頃 参加費:事前申込3500円、当日申込4000円
申込先   22日21時迄にメール又はFAX(当日受付も可)(懇親会は 21日21時迄)
      FAX 0866-92-3551 
E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
主 催   千田会 https://www.facebook.com/masahiro.senda.50
 https://twitter.com/Masahiro_Senda



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前向きな報じ方が多かった韓国大統領演説
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              櫻井よしこ

「前向きな報じ方が多かった韓国大統領演説 私の印象はむしろ底意地の 悪い日本非難だ」



文在寅韓国大統領の「3・1運動記念式」での演説を前向きに報じたメディ アが多かった。

「時事通信」は「日本批判を控えた」とし、「毎日新聞」は「文大統領 『協力の未来』強調、対日批判避ける」の見出しで「直接の対日批判を控 え、『朝鮮半島の平和のため、日本との協力も強化する』と日韓協調を呼 びかける内容」だと伝え、「朝日新聞」は「外交摩擦を避ける姿勢を示し た」と報じた。

私の印象は異なる。文演説を貫く思想と論理に「対日批判を控えた」など の論評は当たらない。むしろ、まつわりつく底意地の悪い日本非難だった と感ずる。

氏はざっと次のように語っている。

「日帝(大日本帝国)は独立軍を『匪賊』、独立運動家を『思想犯』と見 做し弾圧した。このときに『アカ』という言葉もできた。これは民族主義 者からアナキストまで、全ての独立運動家にレッテルを貼る言葉で、日帝 が民族を引き裂くために用いた手段だった」

日本の敗戦で朝鮮は独立した。彼らはそれを「解放」と呼ぶが、文氏は 「解放された祖国で『日帝警察の出身者』が『独立運動家をアカとして追 及し、拷問』した」と演説している。

日本が「民族を引き裂く手段」を朝鮮社会に埋め込み、それが独立後も生 き続けたと主張したのだ。「多くの人々が『アカ』と規定され」「家族と 遺族は反社会的の烙印を押された中で不幸な人生」を送り、現在もその呪 いが続いているというのが文氏の非難だ。

「今も、攻撃する道具としてアカという言葉が使われており、変形した 『イデオロギー論』が猛威をふるっている。一日も早く清算すべきは、こ のような代表的な親日残滓です」

どう読んでもこれは、「対日批判を控え」「日韓協調を呼びかける内容」 ではないだろう。文氏の批判は反日にとどまらず反米にも通ずる。朝鮮半 島を巡る国際政治の力学を、従来の「日米韓vs中北」から「日米vs中 北韓」の構図に変える意図が読み取れる。

3月1日のインターネットの「言論テレビ」で朝鮮問題の専門家、西岡力氏 が解説した。

「文演説に先立つ2月27日に、韓国の第一野党である自由韓国党の代表選 挙が行われました。3人の候補者は、文政権は安全保障で北への武装解除 を進め、経済では社会主義政策を取る亡国政権だ、これでは韓国も自由民 主主義体制も滅びると、激しく非難しました。彼らは文政権の思想的基盤 は共産主義に近いと疑っています。そのような中で展開される『アカ』批 判は日帝そのものだという反撃が、先の文氏の3・1演説なのです」

文氏が訴えたのは、日本統治が終わっても憎むべき親日派は清算されずに 韓国に残り、反共勢力、親米勢力に化けて(朴正煕元大統領のような)軍 事政権を作った。自分がその勢力を一掃するのだという決意に他ならない。

それに対して、保守派は文氏の動きの背後には結局、北朝鮮、「アカ」が いると突きつける。さらにそれに対して、その表現こそ日帝の影響を受け た親日派の証拠だというのが、文演説の真意だ。文氏は決して日本に配慮 しているのではない。西岡氏の指摘だ。

「文氏は一方で、大きな嘘もついています。1919(大正8)年の3・1独立 運動の参加人数を202万人、死者は7500人だったと演説しました。実は韓 国の国立機関、国史編纂委員会が2月20日に最新の研究成果として、デモ 参加者は103万人、死者は934人と発表しました。文氏は国立機関の調査結 果を無視して、それに倍、または8倍の大きな数字を言ったわけです。対 日歴史戦はまだまだ続ける執念深さがあるのです」

ちなみに朝日新聞も専門家で構成する国史編纂委員会報告を無視して文氏 同様、死者7500人と報じた。こちらは間違いか、大嘘か。教えてほしい。

『週刊ダイヤモンド』 2019年3月16日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1271

        


◎4選ありかなしかの問題ではあるまい:前田正晶

二階幹事長の予期せぬ「余人を以て代えがたし」発言があって、俄に安倍 総理の四選ありかなしかの議論が発生してきた。二階幹事長が本当は如何 なる人物で何が狙いかなどは私には解るわけはないが、そういう視点から この国内外の情勢が難しい時期にあって、後継者を決めて欲しくはないと 思って聞いた。

国内の情勢を見れば「人口減少と少子高齢化」があり、「好景気が続いた と歓迎される割りには(経営者の判断が悪いのか内部留保にばかり専念 し)賃金の上昇が鈍き未だにデフレ気味の状態から脱却し切れておら ず」、「(黒田日銀総裁は)金融緩和と低金利状態に固執し」、「マスコ ミと野党連合は政権のあら探しこそが我が使命と心得て、憲法改正阻止に 奔走し」等々の状況が続いている。安倍内閣もこれらに懸命に戦ってこら れたが、後継首班も引き続きこれらの処理に当たっていかねばなるまい。

だが、それと同等乃至はそれ以上に頭を使い労力を惜しんではならない事 項に「外交問題」があると思う。安倍総理は四方八方に気を配られて世界 中の多くの国とその首脳との外交に専念された効果は確かに完璧ではな かったと思うが、挙がっていると思う。中でも世界中で最も難物かと私が 思っているトランプ大統領との間には恐らく世界のどの指導者にも出来な かった好関係を確立されていたと評価して良いと思っている。

しかし、現在の世界には「一筋縄ではいかない」、「独断専行型であ り」、「強権発動型であり」、「自国第一主義であり」、「自らの任期を 恣意的に決めてしまう独裁者である」、「固有のイデオロギーに凝り固 まっている」等々の「個性が豊かである」などという簡単な表現では表し きれない強力な大統領なり、総理大臣なり、国家主席等々が多過ぎると言 えると思う。しかもここに掲げたような表現が当て嵌まるような指導者を 頂く諸国が、皆我が国の主要な関係先におられる状態なのだ。

私はこのような国内外の先の読みが難しく、如何なる手段と姿勢でその指 導者たちと付き合って良好な間柄を築き上げていくべきかが容易ではない 時期にあっては、外交面では未だ嘗てなかったような手腕を発揮できる政 治家こそが次代を担って欲しいと考えたくなるのだ。安倍総理はこれまで に内政面ではアベノミクスと黒田日銀総裁を活用されての異次元の金融緩 和等々で実績を残された上に、外交面でも八面六臂の活躍で我が国の価値 を高めてこられたとは思う。だが、未だ道半ばではないかと見る向きもあ るのだ。

であれば、私は次の総理大臣は諸外国の一筋縄では付き合いきれない首脳 に対して一歩も引かずに、可能ならば通訳を介さずとも1対1の交渉をしよ うではないかというほどの「外国と外国人慣れした、そこに度胸が備わっ た」人物であって欲しいと思うのだ。私は永年「英会話の上達に重要な点 の一つに慣れと度胸がある」と唱えてきた。外交の面でもこの要素は必須 であると同時に、付き合うべき相手の国の文化と思考体系にも精通してお くべきなのだ。経験上からも言うのだが、その点を弁えておかないと「な んでこういう齟齬を来したのか」と首をかしげる事態が発生するのだ。

と、ここまで言ってくると「石破茂氏は不適格だ」と言っているかの如く だろう。と言うことは「外務大臣を長く経験された岸田文雄氏こそが」と 主張しているように聞こえるかも知れない。問題は岸田外交が安倍外交ほ どの成果を挙げていたかということであると思う。だが、そこを云々する よりも「誰であっても、実際にその任に当たらせてみないことには、その 力量のほどは解らないのだ。私は「如何なる任務でも仕事などは誰にでも やらせて見れば出来るものだ。だが、やらせてみるまでは結果は解らない のだ。但し、その人物次第で成果が異なってくるだけのこと」と唱えてきた。

私をアメリカの会社に転進させる切っ掛けを作った日系カナダ人のGN氏は “良き聞けよ。Nobody is indispensable.なのだ。「自分以外にこの仕事 が出来る者などいない」などと自己過信した時点でその人物は終わりなの だ。”と常に説いて聞かせてくれた。このGN氏の説を当て嵌めれば、自民 党の内部には必ず、石破氏や岸田氏を凌駕する隠れた逸材がいるかも知れ ないのだし、この両氏にしたところで、実際に一国の指導者ともなれば、 二階幹事長が読み切れなかった能力を秘めているのかも知れないのだ。

だが、安倍総理の後を引き継ぐのはそれほど簡単なことではないだろう し、国の内外の情勢は現時点よりも遙かに難しい局面に向かって行くと予 測できる。次を狙うのならば「その時代を乗り切っていけるだけの力量を 備えておくこと」に十分に意識して研鑽を積んでおくべきであり、禅譲な どを期待している時ではないように思えるのだ。何しろ、我が国はアメリ カとは違って、ある日突然思いがけない外部から上司が登場する文化とい うか国ではないのだから。

 ◎宗教や教えは、無形の道にその淵源を発し、有形となり、言辞言説として表れて、人に恵みと福を与えるものですが、儒教は言辞言説のみになっているところがあるような気がします。(まこと)




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身 辺 雑 記
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18日の東京湾岸は快晴、爽快。

毎日散歩させてもらっている都立猿江恩賜公園で植込みのユキヤナギと辛 夷が白い花を咲かせ、見事だ。一足先に春が来た。


     
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