政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4963 号  2019・2・22(金)

2019/02/22

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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」4963号
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        2019(平成31)年  2月22日(金)



               面妖で奇怪な5角関係:宮崎正弘

            「しょっつる」は苦手?:渡部亮次郎

        こんなに違う皇室と清朝帝室の姿:櫻井よしこ

                       
                      話 の 福 袋
                        反     響
                      身 辺 雑 記





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面妖で奇怪な5角関係
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019)2月29日(火曜日)
         通巻第5996号   
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 面妖で奇怪な5角関係(ペンタ・リレーションズ)
 米国とタリバンの和平交渉はCPECの死活に関わり、そこにサウジが介入
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ややこしい関係を解きほぐしてみると。
まず米国とタリバンの和平交渉が続いている。両者はかなり前向きであ る。米国は地獄のアフガニスタンからさっさと撤退したい。タリバンは政 権の掌握が射程に入り、しかも中国と抜き差しならない関係にある。

危険極まりないアフガニスタンで銅鉱山を開発しているのは中国である。

タリバンが支配するアフガニスタンのカンダハル地方は長年にわたっての 無法地帯、一時は米国が総攻撃を仕掛ける作戦を練っていたが、途中で放 棄した。

いまも無法地帯にかわりなくアフガニスタン政府の統治が及んでいない。 この地方が、BLAの出撃基地となっている。BLAとは「バロチスタン 解放軍」。つまりパキスタンからバロチスタンを独立させるべく、武装闘 争を継続する過激武装組織で、六つあるといわれるバロチスタン武装グ ループのなかでも最大派閥だ。

州都のクエッタで中国人2人を誘拐・殺害し、グアダル港の中国企業の工 事現場を襲撃し、中国人労働者を乗せた車を爆破、ついに2018年11月23日 には、カラチの中国領事館に自爆テロを仕掛け、警官3名、自爆側4名、 合計7人が死亡した。

もともとバロチスタンの独立運動諸派が武闘に至ったのは当時のムシャラ フ大統領とBLA指導者の話し合いが、金鉱脈利権、銅鉱山開発などの問 題で折り合いが付かず、直後に(2006年8月)指導者ナワブ・アクバル・ ブジテがバロチスタンの山岳地帯で暗殺された。

パキスタン軍特殊部隊の仕業とされるが、パキスタンは関与を否定し、 「あれはインドの陰謀」と決めつけた。

バロチスタン州は、もともと独立国であり、いまもロンドンに亡命中の国 王がいる。パキスタンに帰属するとは考えておらず、パキスタン政府が中 国と結んだ、合計620億ドルものCPEC(中国パキスタン経済回廊プロ ジェクト=一帯一路の目玉)は、バロチスタン州の資源を収奪する悪魔の 仕業と認識している。

工事現場は危険に満ちており、しかも原油、ガスのパイプラインに鉄道、 ハイウェイ、そして光ファイバーの敷設工事がグアダールから延々と新彊 ウィグル自治区のカシュガルへの繋げるのだ。

パキスタン軍が1万5千、くわえて中国が雇用するプライベートアー ミー、さらに特殊部隊が警備に当たっている。クエッタでは中国人の個人 的外出は許可されず、警備兵つきの集団移動が日常の風景。


 ▼パキスタン軍も陰謀にかけては中国も舌を巻くほど

他方、パキスタンも無策ではない。18年12月、BLA指導者のアスラム・ バローチを潜伏先のカンダハル市で暗殺した。これは11月23日のカラチ中 国領事館自爆テロの報復作戦とされる。

この状況を改善するにはアフガニスタンのカンダハル地方の出撃基地化を 壊滅させる作戦の如何にかかっている、そのために米軍は、タリバンとの 交渉の後にいる中国に介入を期待しているという図式になる。

なにしろパキスタン軍情報部も陰謀にかけては中国も舌を巻くほど巧妙・ 狡猾である。

しかし、パキスタン経済は極貧のまま、中国からの借金を返せない。

イムラン・カーン(パキスタン首相)は訪中し、救済を要請した。李克強 首相は「両国関係は全天候型であり、あらゆる協力を惜しまない」と発言 したものの、約束した緊急支援の20億ドルはまだ送金されていない。

2月17日、サウジアラビアのサルマン皇太子がイスラマバードを電撃訪問 した。

すでにカーン首相はサウジを2回訪問し、50億ドルの緊急支援を得たが、 こんかいの正式訪問でサルマン皇太子は、7つの契約書に署名し、合計 200億ドルのプロジェクト支援を表明した。皇太子は18日インドを訪問し てモディ首相と会談。20日に北京を訪問する予定という。

かくしてインド、パキスタンの宿命の対立に、パキスタン支援の中国とサ ウジの主導権争い、そこにアフガニスタンと和平交渉を進展させようと意 気込む米国という、面妖極まりない南アジアの相関図が見えてきた。
 
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読者の声 ☆どくしゃのこえ ★READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)習近平と対決できるのは日本しかないのではないか?
 私は、習近平がヂンギスカンの生まれ変りだといふ話を聴いたことがあ る。確かに彼の強引なやり方を見てゐると、「さもありなん」といふ気が する。その強引なやり方で、世界はすくみあがってゐるかのやうだ。頼み の綱の「世界の警察官」も過去のものとなったし、「正義の味方」の国連 も、中国に篭絡されて役に立たない。

特に中国は、戦後弱体化した日本に目を付け、スパイを大量に日本の政財 界に送り込んで思ふやうに操ってゐる。そして具体的には、中国が太平洋 への進出の邪魔になる尖閣諸島を何としても奪取しようとしてゐるではな いか。

これは数百何前に起きた元寇の再来である。これに対して我が国は如何に して対処すべきであるか。

それは一に懸って、憲法を改正し、外敵の侵入に備へることである。反論 のある方は、堂々と反論されたい。(IK生)


  ♪
(読者の声2)2月19日の「フロント・ジャパン」はホスト福島香織、ゲ ツト宮崎正弘の両氏でお送りします。福島さんは中国の現実についての 突っ込んだ解析、宮崎さんはフィジー取材から帰国されたばかりで「南太 平洋のマグロを狙う中国」が話題の基軸となる予定です。なお先週放送さ れた「習近平はいま何を狙うか」は宮崎、福島両氏にくわえて、石平、田 村秀男、渡邊哲也、坂東忠信氏らが参加して白熱の3時間討論となりまし た。以下のユーチューブでご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4-6yqgFLYKo
  (日本文化チャンネル桜)


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(読者の声3)貴通5995号、「NZ政府のファーウェイ排斥」の記事に関し まして、先生に質問があります。 

もし、これが国際産業スパイ合戦であるなら、普通は「お互い様」である はずと思うのですが、米国製(或は日本製)の機器・部品は、中国には入 り込んでいないのですか? 

それと各国は、足並みを揃えて、「ファーウェイ製品の禁止」に出ました が、「実害報告」はまだ聞きません。国家秘密を盗まれたので、公表でき ないということなのでしょうか?

一方的に各国は中国に「やられっ放し」なのでしょうか? 情けない なぁ、と思う次第です。 (KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)米国は公式的にファーウェイを「スパイ機関」と 認定し、証拠が揃ったかどうかは明らかにせず、しかし孟晩舟を起訴し、 カナダに身柄引き渡しを、これまた公式に要求しました。

要するに「証拠を揃えてからでは遅すぎる」というわけでしょう。

日本は官庁も企業も個人も学界もデータがほぼ盗まれていますが、防御策 を講ずるだけで、証拠を集めて中国に対抗するために在日スパイを摘発し たりの行動が見られません。スパイ防止法がないとは口実であり、ほかの 法律ででも、やろうと思えば出来ることです。伊藤忠社員が一年も拘束さ れているわけですから、微罪でも何でも構わず、在日中国人を十名ほど拘 束するべきで、それくらいの証拠を警察は日頃の調査でリストくらいは 持っているでしょう。


(読者の声4)御新著『青空の下で読むニーチェ』(勉誠出版)を拝読 し、その該博さに驚くばかりでしたが、とくに懐かしい人々の知られざる 逸話が混ざり、就中、西部邁さんについて適確な評価をなされており、こ れまで物足りないと思ってきた幾多の西部評のなかで、ようやく、冥界の 西部さんも満足されるであろう宮崎評に出会え、嬉しく思いました。
  (SO生、千葉県)
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(読者の声5)米朝会談予定のハノイからです。現在(18日午後1時)の ハノイは28度。テトで帰郷したときは日本で雪が積もっていましたから20 度以上の寒暖差となります。朝夕はまだ寒いですが、こちらはすでに 「春」という感覚です。

ハノイも通常は3月半ばまでは寒く、シナ国境付近の山では数年に一度 位、雪が降る(積雪はなし)のですが、現在のベトナムは地球温暖化その ものです。

一方、日本は氷河期の入口といったかっこうで、気象変動のボラティリ ティはちょっと前よりは高くなっているような気がします(もともとがそ んなものかもしれませんが)。

テト前、ハノイ周辺では酷い渋滞が発生していましたが、テト後の現在は 非常にスムーズに物流は動いています。

今回の米朝会談の北部ベトナムの物流への影響もほとんどないと予測され ます。ベトナムの航空市場も急成長しており、ベトナムからアメリカへの 直行便も就航するようです。大量輸送交通機関はハノイでは(バンコクの BTSのような)高架電車の完成にはいましばらく時間がかかりそうです が、駅などは次第に完成しつつあります。

ハノイ周辺部の交通網も元々は日本のODAによるハイウェイ建設が契機に なったのですが、道路の拡幅工事など工事中のところも多いですがだんだ んと形になってきました。

ところで、宮崎先生のチャンネル桜の「FRONTJapan」、「闘論!倒論!討 論!」またほかのテレビとかは、インターネットで即日で視聴できるので すが、宮崎先生の「青空の下で読むニーチェ」はキンドル(アマゾン)の 電子書籍がでていません。

電子書籍はユーチューブ動画などと同じくとても便利で、わたしは「AI監 視社会」「中国発の金融恐慌に備えよ」などウェブで購入して、キンドル の電子書籍を就寝前に読んだりしています。

ぜひ、「青空の下で読むニーチェ」も電子書籍をだしてほしいと希望しま す。特にニーチェは多くの人が登場し、今回の帰郷で購入を失念したのが 残念です。色々出版社の都合もあることでしょうが、海外の読者は電子書 籍版を欲していると思います。(R生、ハノイ)

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(読者の声6)20日は「竹島の日」東京大集会です。韓国に対し断固たる 措置を政治家に要求しよう。韓国は我が国の神聖な領土・竹島を不法占拠 しており、さらに日本海の呼称を東海に変えようとしています。
 島根県松江市では今年も「竹島の日 記念式典」が開催されます。関東 在住の有志も東京に相集いましょう。登壇する多数の政治家に断固たる措 置を熱く要求しよう!

            記

とき   2月20日(水)午後5時〜6時30分(4時30分開場)
ところ  参議院議員会館1階講堂(千代田区永田町1-1)
地下鉄・永田町駅1番出口すぐ
基調講演  下條正男先生(拓殖大学教授、竹島問題の世界的権威)
会費   無料
主催  「県土・竹島を守る会」(会長:諏訪邉泰敬。事務局長:梶谷萬 里子。
     東京支部長:村田春樹(090-7055-2500)
 事前連絡不要。参議院議員会館へ直接お越しください。入館証をお渡し します。

追加特記情報;日比谷公園にある市政会館(日比谷公会堂)の地下1階に 「領土・主権展示館」があり、竹島、尖閣、北方領土の資料が展示され、 書籍コーナーと映像コーナーが設けられております。貴重な資料(日、 英、中、韓語)が豊富にあります。竹島のカレンダーもあります。あまり 知られていないのか訪問者は少ないようです。(開館時間:平日の 10:00〜18:00です)(MK生、柏市)


(読者の声7)平成の大演説会Vol.29を開催いたします。

平成の大演説会Vol.29強い国日本へ中共は一帯一路構想を打ち出し、韓国 はありもしない「慰安婦」問題、「徴用工」問題を持ち出し、北朝鮮とは 拉致問題を抱えている。外敵迫る今、日本は強い国にならなければならな い。そして、北朝鮮と闘う手段の一つとして、朝鮮総連への破産申し立て を提案する!
                  記
弁士   稲田朋美氏(元防衛大臣、衆議院議員)加藤健氏(アジア調査 機構代表)
とき   平成3年2月25日(月)6時45分開会
ところ  文京シビック・小ホール(文京区春日1−16−21)
協力費  2000円(主催 展転社)



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「しょっつる」は苦手?
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      渡部 亮次郎      

「しょっつる」は秋田の冬を代表する名物鍋。標準語でいえば「塩汁」。 秋田弁では「汁」が「つゆ」になり「つる」に訛る。ただし私の生まれた 旧八郎潟沿岸では材料の海魚が獲れないから「しょっつる」は造らない。

だから、おかしな事に秋田生まれの私が「しょっつる」を初めて食べたの は40歳を過ぎてから、秋田市川反(かわばた)の料亭だった。もう塩辛も食 べられるようになっていたから結構、「美味い」と思った。

「しょっつる」の「汁」だけは瓶詰めで東京・日本橋「三越」でも売って いて、向島(下町)生まれの家人が好物のようで、冬になると「東京しょっ つる鍋」を食べる。秋田では名物ハタハタを使うが、無い時は適当な魚を 入れる。

「しょっつる」は秋田の冬の名物、伝統的にはハタハタで作る魚醤。現在 作られている「しょっつる」はハタハタに限らず色々な魚で作られてい る。ハタハタ料理にも付き物。

一般的にはハタハタもしくはタラと豆腐、長ネギと一緒に鍋で煮る 「しょっつる鍋」が有名。「きりたんぽ鍋」など、他の料理の味付けにも 用いられ、ラーメンのスープに(特に隠し味として)使われる場合もある。

創作和食の店ではドレッシングや付けダレなどに混ぜる(いずれも隠し味 として)などの工夫も見られる。

しょっつる=魚醤は魚を塩とともに漬け込み、自己消化、好気性細菌の働 きで発酵させて出た液体成分が魚醤。黄褐色〜赤褐色、暗褐色の液体である。

熟成により、特有の香りまたは臭気を持つが、魚の動物性タンパク質が分 解されてできたアミノ酸と魚肉に含まれる核酸を豊富に含むため、濃厚な うま味を有しており、料理に塩味を加えるとともに、うま味を加える働き が強い。また、ミネラル、ビタミンも含んでいる。

日本では、近代的な食生活において、塩分濃度が高く風味が独特な魚醤 は、醤油やうま味調味料の普及により一般家庭での使用は減っているが、 いくつかの地方には魚醤を用いる文化が残っており、郷土料理などに利用 されている。

主なものでは、秋田で「しょっつる」(塩汁)のほか、能登で「いしる」 (魚汁)、香川で「いかなご醤油」が製造され、地元を中心に使用されて いる。この他1990年代後半ころから伝統的製法とは異なる製法が開発さ れ、商品が製造販売されている。

そのひとつに「ほっけ醤油」がある。北海道・寿都(すっつ)町 北海道 日本海、寿都名産のほっけを塩漬けにし、じっくり自然発酵させた天然発 酵・本醸造の調味料(魚醤)。

ほっけ醤油「寿都のだし風」は地元商工会・寿都水産加工業組合所属メー カーで組織する寿都魚醤醸造委員会が立ち上げ、製造販売している。ほっ け醤油を使った各種一夜干しなども販売。また、伊豆諸島でくさやを製造 する際に用いられるくさや液も魚醤の一種であると考えられる。

アジア、特に東南アジアの沿岸部を中心に、日本、中国なども含め、いく つかの文化圏で用いられており、特にタイをはじめとする東南アジアで は、塩を除けば、ほぼ唯一の塩味の調味料で、非常に多くの料理に用いら れる。また、これらの文化圏の中には、なれずしを作る伝統を残している 地域もある。

東南アジアでは、タイのナンプラー、ベトナムのヌックマム(ニョクマム とも) が世界的に有名である。他にも、フィリピンのパティス(patis)、 カンボジアのトゥック・トレイ、ラオスのナンパー(nam paa)、ミャン マーのンガンピャーイェー(ngan-pya-ye)、インドネシアのケチャップ・ イカン (kecap ikan) などがある。中国の広東省やマカオの魚露(ユーロ ウ)も地元で広く使われている。

これらの言葉はおおむね「魚の水」という意味である。福建省福州で?露 (キエロウ、1文字目は魚編に奇)といい、厦門のケチャップ(鮭汁)の 「鮭」と同じく塩辛を意味する語と、「露」を組み合わせている。


歴史的には、古代ローマにおいてもガルム(ラテン語: garum)と呼ばれ る魚醤が使われていた。現在でもアンチョビーペーストやサーディンペー ストがある地帯は、かつてはアンチョビやサーディンの魚醤油が使われて いた痕跡である。

ケチャップは、トマトから作られるトマトケチャップが有名になっている が、ケチャップの語源は、福建省や台湾の「鮭汁」 (kechiap) という魚 醤をさす言葉であるとする説が有力である。

もともとの製法は地域によりかなり異なっており、生の魚を塩漬けにした り、干物にして用いるもの、特定の魚種だけを使う場合や網にかかった魚 をみな使う場合、オキアミなどを原料とする場合がある。

基本的に、用いる魚の種類によって、大きな魚の場合には内臓、頭、ヒレ などを、アンチョビなど利用価値の低い小型の魚の場合には、丸ごとを用 いる場合が多い。

原則として、魚を大量の塩とともに漬け込み、そのまま数ヶ月以上発酵さ せる。熟成が進むと、魚の形が崩れ、全体が液化してくる。その液化が進 んだものを、漉して用いる。

熟成の度合いは地域によって異なり、熟成度が少なく、魚の香りの強いも のから、熟成が進みチーズのような発酵した匂いが中心のものもある。魚 と塩だけで熟成させるものの他に、これに野菜や香草類を加えて味を調え るものもある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008・11・11



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 こんなに違う皇室と清朝帝室の姿
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          櫻井よしこ

加藤康男氏の『ラストエンペラーの私生活』(幻冬舎新書、以下『私生 活』)は、私たちがいま「中国」と呼ぶあの大きな国を統治してきた権力 者、彼らの価値観や倫理の、余りにも日本と異なる実態を描いていて興味 が尽きない。

日本の皇室、さらには社会の実権を握りながらも皇室を権威として敬う政 界や経済界の日本人と、漢民族か否かを問わず、清朝、国民党、中華人民 共和国を統治した・皇帝・と彼らを取り巻く大陸の人々の価値観は水と油 である。

映画にもなった清朝最後の皇帝溥儀(ふぎ)について知るのにとりわけ重要 な書籍は、溥儀の家庭教師を務めたスコットランド人、R・F・ジョンス トンの『紫禁城の黄昏』だろう。

日本語訳は当初岩波文庫から出版されたが、これは渡部昇一氏によって 「岩波文庫の名誉を害する」「非良心的な刊本」と断じられた。翻訳の間 違いに加えて、「政治的意図」と思われる編集で、ジョンストンの意図が 正しく伝えられていないからだ。日本の溥儀及び満州国との関わりについ て事実に迫りたい人は、中山理氏が訳し渡部氏が監修した祥伝社の上下2 冊『完訳 紫禁城の黄昏』を読むのが良いと思う。

それでも溥儀についての真実の全容が中々見えない中で、加藤氏が幾つも の驚くべき事実を『私生活』で描いた。一言で言えば、溥儀は節操を欠く 人物だった。彼の一生を翻弄した苛酷な運命を勘案すれば、致し方ないこ とであったかもしれないが、彼は運命の節目節目で幾度か驚くべき変身を 遂げている。

満州国皇帝として即位した溥儀は1935(昭和10)年に、また40(昭和15) 年に日本を訪れた。昭和天皇と会い、母宮節子(さだこ)皇太后のあたたか いもてなしも受けた。

日本の皇室の在り様は紫禁城における謀略渦巻く世界とは別天地だったに 違いない。初の来日で溥儀は皇室に強い憧れを抱き、「日本の天皇家と一 体となることを自ら希望し、天皇家の祖神である天照大神を満州国帝室の 祖神とすることを望んだ」(『私生活』)。

溥儀の変節

無論、日満一体化で皇室と融合すれば、関東軍の溥儀への姿勢はより恭し くなるとの期待もあっただろう。それにしても祖国の神を差し置いて日本 の皇祖神を戴きたいとの発想は理解し難い。満州国は憲法も国会もない生 まれたばかりの国家だったが、目指すところは五族協和の下の王道楽土 だ。そこに日本の天照大神を祀るのは無理がある。

そもそも溥儀の夢は大清国の皇帝に戻ること、復辟(ふくへき)だった。日 本近現代史研究家の波多野勝氏は『昭和天皇とラストエンペラー』(草思 社)で、溥儀は日満一体化を主張することで、自らの夢、復辟を諦めたこ とになったと強調している。

加藤氏は溥儀の変節を克明に辿った。ソ連に抑留されたときにはソ連賛歌 を口にしソ連女性との結婚を望んだ。毛沢東の中国に身柄を移されたとき には、またもや豹変した。状況次第で立場を変える溥儀の人生が、多くの 裏切りに満ちていたのは致し方ないかもしれない。彼は肉親をも信じるこ とができなかった。

溥儀初来日の35年当時、その2年前に日本では皇太子(今上陛下)が誕生 し、国全体が明るい雰囲気に包まれていた。満州国に戻った溥儀は、自分 に子供がいないことを気にし始めた。実弟の溥傑(ふけつ)が嵯峨侯爵家の 長女、浩(ひろ)と結婚すると、「溥傑に男子が生まれたら、自分は殺され る」と弟宮一家を恐れるようになった。後嗣なき自分は、跡目相続を狙っ ているに違いない弟宮夫婦に命を狙われていると、本気で恐れた。

なぜ彼には後嗣がなかったのか。溥儀が暮した紫禁城には大勢の宦官や女 官が仕えており、溥儀は宦官相手の放埒な性や、多数の女官相手の爛熟し た性にふけった。これまで明らかにされなかったこうした私生活を、具体 的に描いたのが加藤氏だ。

64(昭和39)年、中国共産党に指示されて、溥儀は自伝『わが半生』を書 いている。同書は中国当局の描きたい歴史であり、頭から信じるのは危う いが、その中に16歳で、同年齢の美しい后を娶り、初夜を迎えた場面の描 写がある。

「赤いとばり、赤いふとん、赤い着物、赤いスカート、赤い花、赤い頬…… 一面に溶けた赤いロウソクのようだった。私は非常にぎこちない感じで、 坐っても落ち着かず、立っても落ち着かない。私はやはり(自分の居住す る宮殿の)養心殿がいいやと思い、そこで戸をあけて帰ってしまった」

溥儀の自伝が伝えるのはそこまでだ。その先を加藤氏が追跡した。「(彼 は)養心殿に行って太監と夜明けまで遊んだ」「養心殿には王鳳池(おう ほうち)がただちに呼ばれ、朝まで2人が親密な夜を過ごしたこと」は多 くが証言している、と。

天国と地獄の差

王鳳池は美しい女人よりもなお美しいと伝えられる宦官である。溥儀は一 目で王鳳池に心を奪われ、彼に導かれて宦官との魔界の性に入った。これ では跡継ぎを授かるはずがない。

紫禁城はまた、聞くだに恐ろしい刑罰で満ちていた。西太后や溥儀らは、 気分次第で些細なことにも死ぬ程の罰を与えた。青竹による「尻二百叩 き」など序の口だ。手抜きは同罪とされるため、刑の執行は苛烈を極め た。最もひどい刑罰は「数枚の綿紙を水に浸し、それで口や目、耳、鼻を ふさぎ、棒で殴り殺す」[気斃(きへい)]の罰だそうだ。

溥儀は「憂さ晴らし」として、絶対服従しかない宦官らに度々厳罰を与え た。いきなり鞭を持ち出して打ち据える。2月の極寒の中で冷水を浴びせ 続け凍死寸前まで追い詰める。「地面に転がっている馬糞を食べてみろ」 と命じて実際に食べさせる。宦官の口中に放尿するなど、虐待と異常行動 を繰り返した。

「抵抗出来ないものを虐待して愉しむという溥儀の悪癖」は日本国の文化 からすればおぞましい限りだ。

私は『私生活』を読んで、加藤氏のもう一つの作品、『慟哭の通州』(飛 鳥新社)を思い出さずにはいられなかった。支那人による日本人虐殺の地 獄の実態はここでは触れない。ただ言えるのは、溥儀がどれ程「日満一体 化」で皇祖神天照大神を祀りたいと望もうとも、溥儀ら大陸の支配者ら と、「国民に寄り添い民と共にある」日本の皇室との間には、天国と地獄 の差があることだ。

「記紀」にあるように、わが国を創り給うた神々の末裔とされてきた皇室 は、民を大切にしてきた。わが国のその時々の権力者は実権を握るもの の、常に皇室、天皇を権威として戴いてきた。近代国家を目指した日本 は、皇室中心の日本国を立憲君主国、天皇は「君臨すれども統治せず」と 位置づけた。日本のこの国柄をこそ大事にしたいと『私生活』を読んで感 じたものだ。
『週刊新潮』 2019年2月21日号 日本ルネッサンス 第840回

            
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読 者 の 発 言
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◎沖縄で2月25日に、米軍海兵隊を普天間基地から辺野古基地に移設するために、辺野古基地の埋め立てを行ふことの是非を問ふ県民投票が行はれるさうだ。

この投票自体は、政治的、法的な拘束力はなく、単なる参考に留めるためのものなのだが、まるでお祭り騒ぎのやうに、県外、または国外から、「『反対』に〇をつけろ」といふ宣伝班が大挙して押し寄せてゐるらしい。

これについて思ふことは、「民主主義」の美名に隠れてしてゐるであらうこれらの宣伝活動が、実は「沖縄県民主主義」ではなく、「県外・国外活動家主主義」であるといふことである。

「民主主義」とは、明治天皇の「五箇条ノ御誓文」の冒頭に示された「広ク会議ヲ興シ、万機公論ニ決スベシ」にもみられるやうに、本来日本的なものであるのだから、日本が大東亜戦争に敗北して、占領軍から無理矢理に押し付けられたデモクラシーなどは、本来は其の必要はなく、心ある日本国民は「でもくるしい」と反発したといふ話も聞く。

民主主義とは本来、いかなるものか。本当の「民」のこころを静かに聞くとき、それは朝日新聞のコラムの名前のやうに、「天の声は人が語ること」なのである。決して県外、国外サヨクの部外者の罵声、ダミ声ではないのだ。(北村維康)

◎トランプ大統領とDPRK金正恩委員長との2度目の会談:前田正晶

トランプ大統領は当初は「完全で後戻りしない非核化」を目指して、将に 歴史的な金正恩委員長との会談に臨んだはずだったが、この会談は言わば 顔合わせに終わり具体的な成果に乏しかったというのが大方の専門家の見 方だった。この件やロシアゲートのような事案を捉えて、トランプ大統領 の外交的な力量やら個人的な能力を云々する向きがある。だが、彼は19ヶ 項目の公約のうちの16はその強引とも言える手法で完遂しているのだ。

実に8割以上の達成率で、我が国の閣僚や議員たちに改めて「トランプ氏 に学べ」と言いたくもなろうというもの。この完遂度こそが彼の40%を超 えたとも言われている支持層に受けている最大の要因だろうと思わざるを 得ない。言うなれば、内政面では景気の盛り上がりと労働者層の“job” (何度でも言うがこれを「雇用」と訳すのは、アメリカの事情を知らぬ誤 訳である)を増やして、彼らの支持を不動のものとしたのだ。

ところが、積み残された3項目の中でも最重要項目と思われるこの完全な 非核化を2度目の会談の1週間前になって「急がない」と表明したのだっ た。専門家の中にはそのような予測をする者もいたが、この表明は矢張り “unpredictable”だったと言えると思う。トランプ氏は矢張り重大な公約 だった「メキシコ国境の壁の建設」は“get
it
built”と一般教書演説で確約した以上、如何に野党が反対しようとも議論 を呼んでいた非常事態宣言まで発令して強行する構えなのに、ここでは 「急がない」となってしまった。

中国との3月1日までの猶予期間を与えた貿易交渉でも、難航するとの見通 しが出てきたのを見て60日間の延期を仄めかしたのも、確かにそのような 予測をしていた専門家の言う通りかも知れないが、私には「あれあれ」の 感があった。確かに習近平主席は「原則を変える意思はない」と明言して いたので、知的財産権問題や中国の体制を変えるという案件では難航どこ ろか、中国が屈服しないだろう事が明白になったのでは、延期もあり得る かと思わせてくれる。

トランプ大統領はこれと思う重大な案件は周囲には任せずに自らが乗り出 して、強引と言われようと何だろうと実行してきた。その為には屡々大統 領令を発行して押し切ったし、関税の賦課が国会を通さずとも出来るとい う(浅学非才の私は知らなかった)大領の権限で実行してきた。だが、こ のところフジの夜のPrime
Newsに出演する専門家たちが論うように「貿易の実務と規制をご存じな い」という問題点はあるにはあるだろうし、私以外の方でも「その辺りを 無知なのか、あるいは承知しておられても押し切っておられるのが解らな い」と言って来たのだった。

だが、「最も上に立つ指導者が実務を端から端まで熟知している必要があ るか」という考え方もあるかと思う。即ち、上に立つ指導者は実務に練達 熟練した者を置いて、その者たちに「自らが定めた目的と目標を示して、 その通りに達成するように指示を与えれば済むこと」でもあるのだ。だ が、トランプ大統領は多くの公約を大統領自身が乗り出すことで達成して きた。専門家たちはそこには「トランプ大統領はその意に染まない進言乃 至は提案は採らないのだ」とも言っている。

また、多くの専門家の中には「今や習近平主席も金正恩委員長はトランプ 大統領与し易しと読んで、その交渉に臨んでくるのではないか」とまで 言っている者も出てきた。私は在職中には「交渉事では、相手がこちらを 舐めてかかるか侮っている気配を見せた時がこちらのチャンスである。何 故ならば、そういう相手は自分たちも知らぬ間に隙が出来ているから」と 考えてその場に臨んでいたものだった。

言い方を変えれば「習近平主席も金正恩委員長のトランプ大領の “unpredictability”を余程良く理解し認識してかかるべきでは」というこ とだ。但し、多くの専門家が危惧するように「今やトランプ大統領の周囲 には本当に実務に精通した専門職の閣僚がいなくなり、ペンス副大統領の みとなってしまっている事」が難点ではないのか。私は対中国と対金正恩 委員長及びDPRKとの交渉の結果を、トランプ大統領の“unpredictable”な 豪腕に期待して見守っていくしか無いと思っている。



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身 辺 雑 記
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22日の東京湾岸は快晴、爽快。

21日の東京湾岸は終日、快晴。

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