政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4943 号 2019・2・2(土)

2019/02/02

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わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」4943号
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        2019(平成31)年  2月2日(土)



        北京交通大学都市化研究センターは:宮崎正弘

                    元号と私:前田正晶

        原発輸出を助け、技術を継承せよ:櫻井よしこ              
                         
                      話 の 福 袋
                        反     響
                      身 辺 雑 記



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北京交通大学都市化研究センターは
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月31日(木曜日)弐
         通巻第5957号     
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 北京交通大学都市化研究センターは研究成果を発表
  中国新幹線(高速鉄道)は借金も「高速増殖」させた
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昔々、日本の国鉄は慢性的赤字、士気の弛緩、親方日の丸、労働組合の過 激化と国民から総スカンを食ったストライキなどの理由で赤字経営を続けた。

侃々諤々の議論のすえに民営化され、累積債務は「国鉄清算事業団」に移 された。その債務残高は24兆円だった。

中国の鉄道は世界一の営業キロを誇り、12万7000キロ。このうちのおよそ 2割(2満5000キロ)が、新幹線(中国は「高速鉄道」という)である。

先ごろ発表された北京交通大学都市化研究センターの研究によれば、「中 国新幹線(高速鉄道は)は借金も「高速増殖」させた」として、累積債務 を707億ドル(邦貨換算78兆円)と見積もった。

同センターに拠れば、黒字区間は「北京―上海」と「北京―広州」の2つだ け。ほかはすべて赤字。ちなみにコストvs効果計算で、北京―上海の乗 客はキロあたり4800万人、もっともひどい赤字区間は「蘭州―ウルムチ」 で、キロあたり230万人。ちなみに日本のJRの新幹線のそれは平均でキ ロあたり3400万人。

この無謀とも発狂的とも言える鉄道建設は、悪性のスパイラルへ向かって 暴走、突進を続け、幽霊都市を建設して業界を存続させてきたように、国 有企業の中国鉄道建設と系列の企業群の延命だけが目的だったのか。
  
2005年からつもりに積もった累積赤字78兆円というのは、日本の旧国鉄の 赤字の3倍規模にあり、近未来におこるであろう、恐怖のシナリオが見え てきた。



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元号と私
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前田正晶


1月30日の産経に曽野綾子さんが「透明な歳月の光」の中で“最近テレビを 見ていて、少し気になることがある。何かというと、「これが平成最後 の」という形容詞がつくのである。”と指摘されていた。その傾向は私も 感じていた。私の分析では「事前に元号が変わる時期が解ったいたのが初 めての事なので、そういう表現をしているだけのことで、御代代わりへの 便乗的だ」となっていた。より私風に言えば「マスコミらしい軽佻浮薄振 りだ」ともなる。

ところで、31日の「記念日の特集」では何年目になるかの計算の基礎には 全て西暦を使っていたのを、お気付きの方がおられるかと思う。それは、 例えば「昭和8年生まれの私が平成31年の今年では何歳になっているか」 を計算するとなると、簡単にはできないと思っているからだ。即ち、昭和 8年には25を足すと西暦1933年となる。次は平成31年からは12を引くと 2019年になるという仕掛けだ。そこで2019−1933=86と、目出度く86歳 だったと解るのだ。西暦の方がこういう計算が楽にできると言いたいだけ のことなのだ。

私は1972年にアメリカの会社に転進した結果で、報告書や経費伝票という か何から何まで日付けは西暦でなければならない世界に入ってしまった。 初めのうちは多少戸惑いはあったが、馴れてしまえばこの方が記憶するの でも何でも単純化できたので楽だった。その世界に22年も滞在してしまえ ば、何時の間にか西暦でしか考えられないようになっていたのだった。例 えば、W社に転じたの1975年だったが、それが昭和50年だったという意識 が殆どなかったのだ。

こんな事を述べていけば、如何にも私が元号軽視論者のように見えるかも 知れないが、そうではなく西暦の方が計算がしやすかったと言いたいだけ のことだ。そこで、新元号となった後の心配して見よう。新元号による年 を西暦に換算する時には「XX何年に18を足せば良いのかな」などと、今か ら計算の基礎を用意しておこうかな等と考えている。


  
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原発輸出を助け、技術を継承せよ
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         櫻井よしこ

日本国の土台のあちこちが液状化し始めているのではないか。危惧すべき ことの筆頭が中央省庁の官僚の劣化である。

厚生労働省の勤労統計調査が15年間も不適切に集計されていた。同統計は 月例経済報告など政府の経済分析に関わる基幹統計で、雇用保険の失業給 付もこれを基に算定される。それが2004(平成16)年以降ごまかされてい たというのだ。

従業員500人以上の事業所は全て調査しなければならないところを、東京 都の場合、対象事業所1400社の内、実際に調査していたのは約3分の1にと どまる。悪質なのは、全数調査に見せかけるために、統計上の処理が自動 的に行われるようプログラミングした改変ソフトまで作成されていたこと だ。当事者たちは不正をよく認識していたのだろう。

この悪しきごまかしは04年度の自民党小泉政権のときに始まり、民主党政 権時代も経て、現在の安倍政権で見つかったということだ。

国の政策の基礎となる統計をごまかすとは、誇り高かったはずの日本の中 央省庁は中国並になりつつあるのか。政権が代わっても、日本は官僚が優 秀だから揺るぎないと言われた時代は、過去のものだというのか。

米国では政権交代の度に公務員が入れ替わる。重要な地位にある人ほど交 代する。日本では自民党政権でも民主党政権でも官僚はほぼ代わらない。 だからこそ中央官僚は責任をより深く自覚しなければならない。彼らが国 家国民に対する責任を果たそうとせず、隠蔽やごまかしに走れば、日本の 未来は確実に蝕まれる。

官僚の無責任と政治家の無責任が重なり合えば、事態は絶望的だ。いまそ のような危機が生じているのがエネルギー政策、電力政策である。

気概無き政治家

産業基盤も民生の安定も、電力の安定的供給に大きく依存する。電力の安 定供給が断たれたとき、たとえば昨年9月、北海道地震で何が起きたか。 全道が電力停止(ブラックアウト)に陥り、畜産農家の乳牛の3分の1が死 ぬなど、損害を蒙った。当時の、泊原子力発電所が稼働していれば全道ブ ラックアウトなど起きなかっただろう。だが、泊原発を再稼働させよとい う声は出てこなかった。

なぜか。まず政治家は、票にならないどころか、落選の要素にさえなりか ねない原発問題で発言などしないからだ。気概無き政治家の下では、資源 エネルギー庁や経済産業省の官僚も身の安全を優先し、発言しない。原発 反対の日本のメディアの多くは泊原発が存在することさえ報道したくない ようで、実質無視した。

現在、日本の原発は、原子力規制委員会の不条理な規則によって、動けな い状況下に置かれている。国のエネルギー計画にも原発についての明確な 方針は盛り込まれず、再稼働は進まず、新設は計画さえされない。

これでは、日本の原発技術者は働く場所を失う。技術の継承が止まり、原 子力産業は基盤を失う。わが国はエネルギー供給の安定性を失い、産業基 盤は崩壊する。停電が度重なり民生は不安定化し、世界の潮流とは真逆に CO2を大量に排出し続ける。

それでも政府は問題の本質に向き合おうとせず、ごまかしの一手を打っ た。高速増殖炉「もんじゅ」の件である。政府は16年12月、もんじゅの廃 炉を決定し、フランスの次世代高速炉「アストリッド」の開発に協力する ことで技術継承を可能にすると説明した。

東京大学大学院教授の岡本孝司氏は、そもそももんじゅとアストリッドで は目的やシステムが異なると、指摘する。もんじゅは発電しながらプルト ニウム燃料を生産するが、アストリッドは発電ではなく高レベルの放射性 廃棄物処理のための設備だ。

アストリッドで日本の高速増殖炉技術を継承すると強弁したのは、日本の 技術断絶への懸念や、そのことへの批判を封じるためだったのであろう。 その証拠に、18年11月、フランス政府がアストリッド計画の凍結を伝えて きたとき、エネ庁も経産省も後継炉をどうするのかについて説明さえしな かった。高速増殖炉の技術を、日本はこのまま放棄するのか。

国内で原発技術を継承できなければ海外にプラント輸出して、輸出先で日 本人技術者を温存すればよいとも、政府は説明する。しかし、その道もい ま、閉ざされつつある。

今月17日、日立製作所が、イギリスのアングルシー島で進めていた2基の 原発新設計画を凍結する方針を発表した。総事業費約3兆円のうち、2兆円 を英国側が負担し、残りは日立と日本の電力会社、英国企業の三者が出資 して補う計画だった。それが今回、日本で資金が集まらず、断念せざるを 得ないという。

原発建設のコスト

日本の原発輸出はおよそ悉(ことごと)く挫折している。三菱重工のベトナ ム及びトルコへの原発輸出も厳しく、日立のアラブ首長国連邦(UAE) への輸出は韓国に奪われ、リトアニアへの輸出も凍結された。これ以上、 後退する余裕は日本にはない。ここで政府が後押しするべきだ。

日本政府が動かないのは、政府もメディアも、従って世論も、海外におけ る原発建設のコストについて誤解しているからではないか。東京工業大学 特任教授の奈良林直氏が説明する。

「日本では原発1基の建設費は数千億円、それが生み出す電力は数兆円 で、メーカーのリスクは低いのです。一方、海外では原発建設費とその後 の数十年の設備維持費、人件費を含む費用の合計、つまり総事業費の交渉 となります。ここをごちゃまぜにして数兆円に膨らんだなどとメディアが 報道し、結果、政府も企業も尻込みし、世論も反対に傾くのです。建設費 と総事業費を峻別することが大事です。そのうえで総事業費は政府が債務 保証しなくては輸出は進みません。UAEで日本が韓国に敗れたのは、韓 国政府が債務保証をしてわが国政府はしなかったからです」

政府の後押しなしには海外での競争には勝てないのである。

いまわが国は膨大なお金を太陽光発電に費やしている。総発電量のわずか 5%しか供給できていない太陽光発電に、今年度私たちは電力料金に上乗 せして3.1兆円を支払う。固定価格買い取り制度の下、太陽光発電はまだ 増えるため、太陽光電力には2050年度までの総額で90兆円を支払うと予想 されている。こんな膨大な額を、国際標準よりはるかに高い太陽光電力に 払うことは合理的なのか。

日立の原発輸出に必要なのはわずか9000億円だった。原発輸出を国益の視 点でとらえ、政府は支援に踏みきるべきであろう。

世界原子力協会は、50年までに世界には1000基の原発が稼働し、うち200 基が中国だと予想する。世界は脱化石燃料で原発に移行しているのだ。日 本は全力でわが国の原子力産業の崩壊を防ぐべきだ
『週刊新潮』 2019年1月31日号 日本ルネッサンス 第837回


         
       
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重 要 情 報
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 ◎カタカナ語を濫用するな、スピードスターはSpeed starじゃないの だ:前田正晶

またかと言われようと何だろうと、気になるカタカナ語のおかしさを挙げ ていこう。スポーツ中継の解説者は仕方がないとしても、新聞社やテレビ 局の者どもはこれくらいの英語が解っていないのは困ったもので、彼らが おかしな言葉を使うから、罪なき一般大衆が誤解してカタカナ語を嬉しそ うに使うのだと思って怒っているのだ。

スピードスター →英語の綴りは speedster でジーニアス英和でもOxford
でも「スピード狂」のことだと真っ先に出てくる。即ち、「車を高速度で 運転する人」である。決して彼らが誤認識しているような「俊足の人」か 「足が速いスター選手」という意味でもない。今回伊藤純也が海外に移籍 するようになってその紹介の記事の見出しが「スピードスター」だったの は、明らかにSpeed star という英語を勝手にでっち上げたのだろう。

メンタル →英語では mentalだが、彼らは「精神力」の意味で使っている ようだ。先ず、間違いはこれは形容詞であって名詞ではないことだ。名詞 にして使いたいのならば後に strengthを付けたくなる。だが、Oxfordを 見ると mental の意味は connected with or happening in the mind
とあり、その後に strength を付けても「精神力」の意味にはなりそうも ない。プログレッシブ和英によれば「精神力」は emotional
strength と出てくる。何れにせよ、形容詞を名詞のように使うのは誤り。

フィジカル →これは physical のことだが、これも形容詞だ。「体の強 さ」か「体力」を言いたいのならば、矢張り strengthの手助けが必要と なるだろう。だが、「メンタル」と同様に戸籍を得てテレビでは誤用され たこのような言葉がまかり通っている。テレビ局でも新聞社でも、関係者 は子供の頃から大学まで曲がりなりにも英語の勉強はしたのだろう。そし て、単位も落とさずに卒業できたのだろう。もう少しだけで良いからしっ かりしろよ。

レベルアップ

→これも酷い言葉だ。既に何度も採り上げてきたので、今更という気はす る。だが、矢張り濫用を止めろと言っておきたくなる。選手たちも報道関 係者も堂々とこのカタカナ語を使って「一層練習を積んで技術を向上させ て上達する」という意味に使うが、これはそのまま英語にはならないの だ。言うのならばto improve my level of skill or technique
とでもなるところだ。日本語だと承知で国内で使っている限りは問題ない が、海外に行って使ってはならないのだ。

ベストを尽くす

→英語擬きと日本語の合成語である。これも何度も槍玉に挙げてきた。何 故「最善の努力をします」とか「出来る限りのことをやります」と言って はいけないのだろうか。ここでも困ったことに「ベスト」はgood か well という形容詞の最上級である。学校では「形容詞形のままでは名詞の代わ りには使えない」ということを教えていないのだろうか。英語だと
I’ll do the best. で通じてしまうだろうが、ジーニアス英和には名詞形 で使えるとは出ている。

Oxfordにも名詞形で使えるとあるが、「通常は前に the を付けろ」とあ る。尤もだ。矢張り英語とは面倒くさい言葉だと思わざるを得ない。




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身 辺 雑 記
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2日の東京湾岸は快晴、爽快。

1日夜は赤坂の料亭で、知り合いの社長にご馳走になった。元外交官も 一 緒。国際情勢に話が弾んで久しぶりに楽しかった。
                          読 者:5587人                           

                         



                      
           
            
                     



 


       
       

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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