政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針4928号  2019・1・18(金)

2019/01/18

                                           □■■□──────────────────────────□■■□ 
わたなべ りや うじらう のメイ ル・マガジン「頂門の一針」4928号
□■■□──────────────────────────□■■□

        
        2019(平成31)年  1月18日(金)



       悪意に満ちた国連委員会の対日非難:加瀬英明

           波乱含みの今年の極東情勢:杉浦正章

          「アラブの冬」の時代に突入:宮崎正弘

        新年に考えた日本の問題あれこれ:櫻井よしこ        
                    
                      話 の 福 袋
                       反     響
                      身 辺 雑 記


━━━━━━━━━━━━━━━━
悪意に満ちた国連委員会の対日非難
━━━━━━━━━━━━━━━━


           加瀬 英明

8月に、スイス・ジュネーブで国連人種差別撤廃委員会が「対日審査会」 を行い、慰安婦、韓国人・朝鮮人に対するヘイトスピーチ、委員会が先住 民とみなすアイヌ・沖縄県民、朝鮮学校問題などを取りあげて、3日にわ たって日本を嬲(なぶ)りものにした。

私はこの討議の一部を動画で見たが、どの委員も日本が性悪な国として、 こき下ろした。

戦前の国際連盟が本拠だった「パレ・ウィルソン」(パレは宮殿)で開か れ、会合での対日非難は悪意にみちたものだった。

韓国の委員の鄭鎮星(チョンジュソン)女史は「性奴隷(セックス・スレイ ブ)」といって、「慰安婦の残酷な状況は、当時の文書、映像、証言など 多くの証言によって、裏付けられている」と、日本政府代表団に迫った。

アメリカの黒人女性のマクドゥガル委員は、日本政府代表団が反論したの に対して、慰安所を「強姦所」と呼び、「事実を議論すべきではない。こ れは女性の尊厳の問題だ。慰安婦の大多数が韓国人だった」と、詰め寄っ た。事実は、大多数が日本女性だった。

ベルギーのポッソート委員は、日本において韓国・朝鮮人が迫害されてお り、「日本に住む40万人の韓国・朝鮮人の大多数が、植民地時代に強制的 に日本に連行された」と、攻撃した。事実は同じ国だったから、自由に往 来できたために、より豊かだった日本本土に、仕事を求めて移ってきたの が、正しい。

コンゴ民主共和国をはじめ、諸国の委員がつぎつぎと日本を誹謗した。

このような国連委員会が世界の世論をつくって、日本の名誉を大きく損ね てきた。

委員会の会合は、荒唐無稽としかいえないにもかかわらず、日本政府代表 団が一つ一つ、丁寧に答えていた。私は代表団を率いた大鷹正人外務審議 官や、法務省員の苦労を心からねぎらいたいと思った。

私も英語屋だが、大鷹審議官の英語は流暢で、素晴しかった。ところが、 日本政府の代表が「お詫びし、償い金を支払っている」といって、委曲を つくして答えるほど、弁解しているように見えた。

私だったら弁明に終止せずに、相手を積極的に攻撃して、その歪んだ根性 を叩きなおそうとするだろう。

韓国の委員には、「韓国が独立を回復してから、貴国の国軍は日本の旧軍 の制度を受け継ぎましたが、国軍の将兵の性処理のために、『慰安婦 (ウィアンプ)』と呼ぶ女性たちが働く売春施設を、つくっていました。 『慰安婦(いあんふ)』は旧日本軍とともに姿を消したはずなのに、韓国軍 に長いあいだにわたって存在しました。慰安婦がそんなにおぞましいもの だったら、どうしてこの日本語を韓国語として発音をして、使っていたの ですか?」と、たずねたかった。

アメリカの委員には、「アメリカでは1960年代に入るまで、黒人は選挙権 を認められず、白人と黒人の性関係が犯罪とされ、水飲み場、便所から、 食堂まで区別されて、ひどい差別を蒙っていたし、今でも苦しんでいま す。日本が先の大戦を戦って有色人種を解放したおかげで、黒人が白人と 同等の公民権を勝ち取ったのではないですか?」と、質問する。

委員会が国際連盟を創設することを提唱した、アメリカ大統領の名を冠し た「パレ・ウィルソン」で開かれたのも、皮肉だった。

ウィルソン大統領はアメリカ南部のジョージア州とサウスカロライナ州で 育ち、有色人種が優生学的に劣っていると説いた、人種差別主義者だった ために、ウィルソンが創学者のプリンストン大学では、学生たちがその銅 像の撤去を求め、アメリカ議会が創立したシンクタンク「ウィルソン・セ ンター」を改名すべきだという運動が、行われている。

私だったら、委員たちに「パレ・ウィルソン」の名を改めることを、提案 しただろう。

 このように愚かしい委員会で、日本政府の代表が暴れれば、世界のマス コミが取り上げて、日本の主張が理解されることだろう。



━━━━━━━━━━━━
波乱含みの今年の極東情勢
━━━━━━━━━━━━


        杉浦 正章

2回目の米朝会談が焦点

今年の極東情勢を太筆書きで展望すれば、まさに波瀾万丈とも言える要素 に満ちている。米国と中国の覇権争いは貿易摩擦からハイテク分野にまで 拡大、冷戦に近い様相を示そうとしている。日本は好むと好まざるとにか かわらず米中双方をにらみながら立ち位置の決定を迫られる。逆に日本の 立ち位置が、米中対立を激化させるか緩和させるかの要素となりうる情勢 でもある。

中国の経済力の拡大で世界情勢は歴史的な転換が始まろうとしている。中 国はやがては米国経済に追いつき追い越すエネルギーを秘めており、かつ ての秦・漢・隋・唐・宋・元・明・清がその興隆期には世界帝国の様相を 示したように、多かれ少なかれ極東のパワーとしての存在感を強めるだろ う。中国のインターネット人口は、およそ8億人に達し、現在人口の57.7% が頻繁にインターネットを利用している。中国は事実上のネット王国と化 しており、今後のIT世界での影響力は増大こそすれ、縮小しないだろう。

米国が現在保持している圧倒的な覇権を脅かす要素は中国だけだろう。し かし日米同盟が強固である限り、中国のパワーは減殺されるだろう。トラ ンプが昨年末以来指向している世界的な貿易戦争は深刻化する様相があ り、日本としても対応が迫られる。日米貿易協定交渉について、トランプ 政権は自動車分野で対米輸出の数量規制を要求する可能性が高いとの見方 がある。

米政府筋は「日本が数量規制に応じないなら、追加関税を発動する可能性 も排除できない」とすごんでおり、油断はできない。

日本としての対応策は規制の範囲を物品以上に広げないように、ヨーロッ パと連携して対米交渉に臨むことだろう。ただ米国の貿易赤字の47%は 対中貿易によるものであり、日本は9%にすぎない。中国の深刻さに比べ れば、日本は安倍とトランプの会談に持ち込めば、政治決着がつく可能性 が強い。大騒ぎしすぎて、不必要な波紋を巻き起こすことは避けなければ なるまい。

朝鮮半島情勢は韓国大統領文在寅の対北融和路線で変質してきており、米 国の圧力も利かなくなりつつある。こればかりは一国の外交方針であり、 干渉しようがない。そのうちにロマンティスト文在寅が描く夢が、現実の 壁にぶつかるのを見守るしかあるまい。日韓関係の悪化は戦後繰り返して きたことであり、特異な現象ではない。相手が折れるのを待つのが歴史が 証明する最良の方法だ。「半島民族は悪い」と言ったのは田中角栄だが、 半島民族の複雑な感情は常に外交に反映される要因だろう。

対露関係はラブロフが漏らした本音に尽きる。ロシアの本音とは4島返還 どころか、2島も難しいという立場だ。もともと戦争で獲得した領土が返 還された例など、世界的に希有なことであり、沖縄返還くらいしかない。

対米関係だからこそ返還が可能になったのである。対ロシアでは、とても 一筋縄ではいかない。返還されるとすればロシアが国家として疲弊して、 日本に売りつけるような場合だろう。さもなくば中ロ関係が極度に悪化し て、日本に支援を求めるような情勢になった場合だろう。

極東情勢を見つめた場合、中国は北朝鮮の戦略的価値が致命的に重要であ ることに気付いている。従って北が日本や米国に接近することをあらゆる 手段を使って阻止するだろう。朝鮮労働党委員長金正恩は10日までの訪中 で習近平と会談し、2回目の米朝首脳会談に向け、「国際社会が歓迎する 成果を得るために努力する」と意欲を表明した。習はこれを評価し、後ろ 盾として支援する姿勢を鮮明にした。対外強硬路線を取るトランプ米政権 と対等に渡り合いたい中朝両国の思惑が一致したかたちだ。対米的に連携 を誇示しているかのようである。

しかし、米朝会談を行っても非核化での進展は困難だろう。昨年6月のシ ンガポール会談では、トランプが記者団に、「非核化のそのプロセスをす ぐに始める」と述べたものだが、半年たっても何らの進展もない。北はト ランプをまんまとだまして時間稼ぎをしたのであり、しびれを切らしたト ランプが対話モードから対決モードへと切り替える可能性も否定出来ない。

日本としてはこの米朝関係の展開を注視して、もし進展への流れが生じた ら、タイミングを逃さずに日朝対話に踏み切る必要があろう。20年は米大 統領選挙の年であり、再選を目指すトランプが外交攻勢に出る可能性があ る。というのも内政では民主党が下院で多数を握っており、大きなことが できないからだ。

外交・通商での成果を狙う可能性が高いとみなければなるまい。その際、 派手な展開ができるのは極東外交であり、動向から目を離せない。米 CNNテレビは14日、米朝の協議に詳しい関係者の話として、トランプか ら朝鮮労働党委員長の金正恩にあてた書簡が先週末、ピョンヤンに届けら れたと伝えた。

トランプは今月初め、2回目の米朝首脳会談について「そう遠くない将来 に設定する」と意欲を示している。さらにCNNは、北朝鮮の金正恩側近の 金英哲副委員長が訪米して、2回目の米朝首脳会談の調整にあたる可能性 があると報じた。何らかの展開が予想される。これに先立ち国務長官ポン ペオは13日の米CBS番組のインタビューで、米朝再会談の時期について 「いま私たちは詳細を詰めているところだ」と述べている。



━━━━━━━━━━━━━
「アラブの冬」の時代に突入
━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)11月9日(金曜日)
        通巻第5884号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの「アラブの春」から7年が経過したが、いま「アラブの冬」の時代に突入

サウジアラビア、周辺国の援助継続不能。イエーメンとの戦費も無理に
*********************************

ジャメル・カショギ殺害でサウジ王家は世界的な批判に晒されているが、 もっと切実な問題はサウジの財政破綻である。

サウジは潤沢なオイルマネーのおかげで、豊かな教育、福祉サービル、健 康保険も充実し、外国人労働者も高給が取れた。

「この余裕を再び回復できるには原油価格が1バーレル@87ドルとならな ければ行けない」(『フォーリン・アフェアーズ』、2018年11月・12月 号、マルアン・ムアシェル氏の寄稿)。

状況が激変したのは2014年からの原油価格大暴落だった。

とくにヨルダン、エジプトへの支援が難しくなった。先月のイムラン・ カーン(パキスタン首相)のリヤド訪問でも60億ドルの財政支援を約束し たと伝えられたが、本当に実行されたのか、どうか。予定していた「アラ ムコ」の上場は不可能となり、資金をかき集める手だてをなくした。アブ ドラ皇太子の指導力が陰った。
 サウジがイエーメンとの戦争に費やしているのは毎月60億ドルから70億 ドルにも達しており、最大で年間800億ドルを超えるカネが砂漠に消えて いる。

高価な武器と傭兵による。

このため国内の福祉、社会サービス、教育無償化などのプログラムの実行 ができなくなっている。国民の不満を逸らすために女性の自動車運転を認 めるなど小細工も講じているが社会全体の擾乱気配は深化している。

サウジの国内バラマキは年間300億ドル、クエートは国民各自に@3500ドル を給付した。オマーンは道路掃除など公共事業に3万の雇用を無理矢理つ くりだし、優秀な若者には奨学金の無料交付なども続けた。すべてが物理 的に継続不能となった。

中東全体で失業率は30%前後とされ、とくに産油国でないエジプトとヨル ダンは、サウジ、クエート、UAE等からの支援で社会保障を維持してき た。財政悪化状態はサウジとUEA、オマーンなど同じである。

産油国が周辺国を金銭的に支援するプログラムが継続可能という展望がない。

このためエジプトは120億ドルの償還が出来ずIMF管理となり、ヨルダ ンではデモが発生し、クエートも社会擾乱の兆し、これらの国々へ出稼ぎ にでていたフィリピン人が最近は大挙して帰国している。

あの「アラブの春」から七年を閲し、民主化どころか、状況は泥沼。原油 価格高騰の局面にはあるが、1バーレル@100ドル時代の到来は想定しにく い。産油国のどこが最初に「第2のベネズエラ」となるか?  

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)韓国「偽徴用工」裁判の判決後の文在寅大統領は最高裁と 首相に責任を押し付けひたすら逃げ回る、まさに朝鮮の伝統芸。韓国人と は議論にならないのは有名ですが、筑波大の古田博司教授によると、いく ら事実を提示して議論しようにも「韓国に対する愛はないのかー!」と喚 き散らすだけなのが韓国の学者です。

愛の反対は憎悪ではなく無視だというのが今の日本政府の対応を見ている とわかります。韓国側の理不尽な要求や「日韓両国で知恵を出し合って」 などという韓国政府高官のふざけた発言には即座に反論する河野外務大臣 と菅官房長官。アメリカ財務省による韓国の銀行に対する「恐怖の電話」 と連動しています。

日本政府の韓国に対する「戦略的放置」は外務省のホームページを見ると よくわかります。トップページ > 国・地域 > アジア > 大韓民国とた どっていくと、「おすすめ情報」
として出てくる動画があります。

「未来志向の日韓関係を目指して(2016年版)」岸田外相の時代です。
https://www.youtube.com/watch?v=15O17McJaJs

内容は1965年の国交正常化から日本がどれだけ韓国を支援してきたか、ま た韓国側も日本側の対応を受け入れてきたことを説明。

しかし動画の再生回数がたったの 4314回というのはひどいもの。Youtube で次の動画として出てくる河野外務大臣会見(11月6日)は115,353回。冒頭 はイラン関連。3分40秒から徴用工関連の質疑。河野外務大臣の発信力が 期待されているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=fJEOKWXvVoY

外務省のサイトに戻りますが、韓国の略史はたったこれだけ。
・3世紀終わり頃に氏族国家成立 
・三国時代(高句麗,百済,新羅)(4世紀頃〜668年)
・統一新羅(676年〜935年) 
・高麗(918年〜1392年) 
・朝鮮(1392年〜1910年)
・日本による統治(1910年〜1945年)を経て,第2次大戦後,北緯38度以 南は米軍支配下に置かれる。 

・1948年大韓民国成立。同年,朝鮮半島北部に北朝鮮(朝鮮民主主義人民 共和国)が成立。

せっかく日本が独立させた「大韓帝国」はなかったことになっている。
今の韓国を見て「国の体をなしていない」と政治家が批判していますが、 「大韓帝国」も李朝の看板を変えただけで、日本としてもなかったことに したいのかもしれません。

二国間関係を説明する部分は韓国に対する愛情などゼロ、離婚調停中のよ うな状態。
『日韓間には困難な問題があるが,これらを適切にマネージし,様々な分 野で協力を進め,日韓関係を未来志向で前に進めていくことが重要。』
 外交青書も同様、日韓関係は『日韓両国の連携と協力はアジア太平洋地 域の平和と安定にとって不可欠である、以下略』。

一方、日台関係は『日本にとって台湾は、自由、民主主義、基本的人 権、法の支配といった基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を 有する重要なパートナーであり、大切な友人である』と最大限とも言える ほどの高評価。

ネットでは「最悪のタイミングで最悪の選択をする」韓国が次はどんな 手をうってくるのかに期待と注目が集まっている状態といってもいいほど。

軍事政権時代の韓国をボロクソに批判し北朝鮮を「地上の楽園」と持ち 上げた朝日新聞。文民政権になるや韓国内の親北派と連携し、韓国の味方 を装いながら日韓関係に亀裂を入れようと教科書問題・慰安婦問題・徴用 工問題と火のないところに火をつけ、ついには日韓関係は破綻寸前。ゾル ゲ事件以前から戦争を煽りコミンテルンの走狗だった朝日としては大いに 胸を張って自慢できることでしょう。(PB生、千葉)


      
━━━━━━━━━━━━━━━
新年に考えた日本の問題あれこれ
━━━━━━━━━━━━━━━


         櫻井よしこ

「新年に考えた、日本の問題あれこれ」

元旦、各紙の社説を読み較べた。まず「読売新聞」である。兎に角、長す ぎる。内外の事情に万遍なく触れているが、何か特別に心に残る発信があ るわけでもないのが残念だった。

「朝日新聞」は「権力のありかを問い直す」として、事実上、朝日定番の 安倍政権批判を展開した。

小見出しのひとつが「弱い国会を強くせよ」である。これには大賛成だ。 米国議会と較べると日本の国会の余りにもお粗末な働き振りに、ウンザリ する。米国議会では共和、民主両党が少なからぬ案件で激しく対立する。 その一方で、国益のために超党派で協力して仕上げる法案や行政府(ホワ イトハウス)への働きかけも非常に多い。私は日本国民だが、米議会の動 きによくぞやってくれたと双手をあげて支持する法案や採決は少なくない。

たとえば共和党のマルコ・ルビオ上院議員と同党のスミス下院議員が共同 議長としてまとめた中国に関する年次報告書である。同報告書で米国議会 は、中国政府が100万人以上のウイグル人を強制収容し「アパルトヘイト さながらの公的な人種差別政策」をとっていると非難した。

今年1月4日には上院情報特別委員会の副委員長、民主党のウォーナー上院 議員と前出の共和党ルビオ氏が、中国などによる先端技術窃取防止に向け て、ホワイトハウスに「枢要技術安全室」を専門部局として設置するよ う、超党派の議員団をまとめて法案を提出した。

いずれも非常に大事な案件だ。この種の働きを日本の国会はどれだけ見せ てくれているだろうか。私たちが目にしてきたのは、あの膨大な時間を浪 費したモリカケ論争であり、また「安倍首相の下では憲法改正は論議しな い」という理屈にならない理屈で、国会議員としての責任を放棄してし まった姿だ。

こんな惨憺たる現実があるからこそ、朝日の「弱い国会を強くせよ」とい う小見出しに賛成するのだが、この小見出しは「働かない国会を働く国会 にせよ」と変えるのがよいのではないか。

憲法改正案を発議せよ

朝日の社説は、終わり近くになって安倍首相非難の“朝日流予定調和”に落 ち着き、訴える。首相の解散権を何とかしたい、「権力の淵源(えんげん) は、主権者たる国民である」と。

本当に国民を主権者だと朝日が考えているのなら、尋ねたい。なぜ、国会 による憲法改正の発議に反対するのかと。改正案の是非を決定するのは、 国民なのである。国の形の根幹について、国民が最終的に判断する。これ こそ、究極の主権の行使であるが、戦後70年余り、国民はただの一度も主 権行使の機会を与えられていない。

社論として朝日が憲法改正に反対しているのは承知しているが、「主権者 たる国民」の「主権」をそれ程大事に思うなら、主権を発揮する機会とし ての、憲法改正の是非を問う国民投票に賛成してほしいものだ。国会は国 民主権を実現せよ、その具体例として、憲法改正案を発議せよと叱咤して ほしいものである。

「日経新聞」は日本の景気は戦後最長の74か月の拡大を記録する、消費税 増税は手厚すぎる程の対策を講じており、消費の腰折れリスクは小さい と、安心材料を提示し、人手不足は生産性向上のチャンス、日本の社会的 政治的安定は突出している、と明るい要素を書き出した。

確かに日本の景気はよいのだ。加えて人の心の在り様に景気は大きく左右 される。朝日のように何でも悪い方へ、暗い方へと考えていては景気も悪 くなり、問題解決の道も狭まるだろう。それでも、1000兆円を超える国の 借金を考えると、心配にならない道理はない。大胆で有効な解決策を示し てほしいと、日経には要望するものだ。

そんな思いで「産経新聞」に辿りついた。「平成は『敗北』の時代だっ た」という書き出しにハッとした。論説委員長の乾正人氏が数字を列挙し て説いている。平成元年、日本の国内総生産(GDP)は世界全体の 15%、米国は28%だった。いま、日本は6%、米国は25%だ。

同じく、かつて世界上位50社(時価総額)中、日本企業は32社を占めてい たが、今やトヨタ1社のみだ。30年前の実績はもはや信じ難い。産経は、 増えたのは国債という名の借金だけだと、厳しく現実を指摘する。

「平成時代の敗北」の原因を、産経は3点、挙げた。?戦後の経済復興によ る慢心、?政治の不安定と混迷、?中国への支援、である。

とりわけ?が取り返しのつかない失敗だったと説く。日本の大規模援助で 中国は、今や日本に脅威をもたらす軍事力及び経済力の基盤を築いた。日 本の甘い対中政策で中国は、天安門事件当時の世界の制裁網を解いて再び 世界に受け入れられた。

国内状況の異常さ

そのとおりだ。では、日本はこれからどうすればよいのか。産経は「日米 安保さえあれば大丈夫だ、という思考停止」から脱せよと説いた。異論は ないが、思考停止から脱するためには現実に目覚めることが必要だ。日本 の現実がどれだけ酷いかを、国民が知らなければならない。

たとえば皇室を取り巻く状況である。あと10年もしない内に、多くの女性 皇族が結婚で皇籍を離れられ、皇族はいずれ皇后陛下の他、皇嗣殿下とな られた秋篠宮御夫妻と悠仁さまだけになる可能性がある。2700年近い皇統 を、悠仁さまがお一人でつないでいけるのか。万人が心配していることだ が、まだ手立ては講じられていない。
  
 国民が賢ければその国、その民族の未来は安心できるが、日本の教育は 賢い日本人を育てているか。最高学府である大学は今や半分近くが定員割 れで、中国人をはじめ、質を問わず留学生を掻き集めるだけだ。こんな教 育で賢い国民が育つのか。

国家は国土があって初めて成り立つが、その国土が売られ続けている。し かも、反日教育で育った中国人がその多くを買い続けている。すでに10年 も前から国土売却は問題視されてきた。なぜ、国会は外国資本による土地 購入を制限出来ないのか。

経済の基盤のひとつが安定したエネルギーの供給だ。産油大国のサウジア ラビアさえ、原子力発電の導入に熱心だ。中国は100万キロワット級の原 発200基の建造計画に加えて、この2年間で20万キロワット級の原発143基 を建てる。

脱CO2の視点から、中国だけでなく、国際社会の大勢が原発に向かって いるとき、なぜ、日本だけが原発から遠ざかり火力発電に傾くのか。

取り上げたいことはまだ多い。世界の多くの現実と較べて国内状況の異常 さを日本人が理解するとき初めて、この国に変化が生まれるだろう。日本 の抱える問題の多さに立ちすくみそうになる時もあるが、それだけ働く材 料があるのだと前向きに考えて、今年も問題提起していこう。
『週刊新潮』 2019年1月17日号日本ルネッサンス 第835回

      
━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

 ◎ New Koreatownには「何とかドッグ屋」が4〜5店あった:前田正晶

16日は事情があって私が命名したNew Koreatownの中でも最も賑わってい る大久保通りの、言うなれば職安通り側をバスにして一停留所分だけ歩か ざるを得ないことになった。歩き出した時刻は15時30分頃だった。言うま でもないことで終日の昼間である。それでも数軒の「何とかドッグ屋」に は物思わない若き女性たちがある程度以上の数群がって、恥ずかしくもな い様子で歩道上で立ち食いていたのだった。いきなり結論に持って行けば 「世も末だな」である。

まさか食べているところを覗き込む訳にも行かなかったが、どうやら嘗て の「アメリカンドッグ」にチーズだの何のと所謂トッピングをまぶした物 のようで、ケチャップなのか唐辛子かも知れない赤い物もかけられてい た。折角この道を歩くのだからと意識して店舗の数も調べてみたが、「ア リラン」の他には「33」というのもあれば「ジョンノ」等もあったよう だった。値段は概ね300円台のようだが、私は韓国勢はボロもうけをして いるのだなと思わずにはいられなかった。

兎に角、真っ昼間から公道の真ん中に群れを為して立ったまま食べている 有様はみっともない限りだと断じる。それを恥とも何とも思っていない若 き女性たちが将来如何なる日本の母親とになっていくのかなと難しいこと などを考える時、極端に言えば「暗澹たる思い」をさせられたのだった。 しかも、彼女らが嬉々として食べているのが「戦中の朝鮮人労務者への賠 償判決問題」と「レーダー照射の件」で我が国を「無礼呼ばわりした」韓 国の食べ物なのである。本当にウンザリだった。

仮令彼女らに道を説いても聞き入れはしないだろうし、「自分が好きな物 をわざわざ食べに来て何処が悪い」と反論されるのが関の山だろうと思 う。与謝野晶子ではないが、現状では私は「悲しからずや道を説く超後期 高齢者」の一人に過ぎないだろう。それにしても、私は我が国の政府は韓 国に対する対応の姿勢が弱すぎると慨嘆している。何度も言ったことで、 「菅官房長官の記者会見」辺りでブツブツ言っている程度では、文在寅に は「日本からは何ら反論がないようだ」と安心させるだけだろうよ。


 ◎New Koreatownには「何とかドッグ屋」が4〜5店あった:前田正晶

16日は事情があって私が命名したNew Koreatownの中でも最も賑わってい る大久保通りの、言うなれば職安通り側をバスにして一停留所分だけ歩か ざるを得ないことになった。歩き出した時刻は15時30分頃だった。言うま でもないことで終日の昼間である。それでも数軒の「何とかドッグ屋」に は物思わない若き女性たちがある程度以上の数群がって、恥ずかしくもな い様子で歩道上で立ち食いていたのだった。いきなり結論に持って行けば 「世も末だな」である。

まさか食べているところを覗き込む訳にも行かなかったが、どうやら嘗て の「アメリカンドッグ」にチーズだの何のと所謂トッピングをまぶした物 のようで、ケチャップなのか唐辛子かも知れない赤い物もかけられてい た。折角この道を歩くのだからと意識して店舗の数も調べてみたが、「ア リラン」の他には「33」というのもあれば「ジョンノ」等もあったよう だった。値段は概ね300円台のようだが、私は韓国勢はボロもうけをして いるのだなと思わずにはいられなかった。

兎に角、真っ昼間から公道の真ん中に群れを為して立ったまま食べている 有様はみっともない限りだと断じる。それを恥とも何とも思っていない若 き女性たちが将来如何なる日本の母親とになっていくのかなと難しいこと などを考える時、極端に言えば「暗澹たる思い」をさせられたのだった。 しかも、彼女らが嬉々として食べているのが「戦中の朝鮮人労務者への賠 償判決問題」と「レーダー照射の件」で我が国を「無礼呼ばわりした」韓 国の食べ物なのである。本当にウンザリだった。

仮令彼女らに道を説いても聞き入れはしないだろうし、「自分が好きな物 をわざわざ食べに来て何処が悪い」と反論されるのが関の山だろうと思 う。与謝野晶子ではないが、現状では私は「悲しからずや道を説く超後期 高齢者」の一人に過ぎないだろう。それにしても、私は我が国の政府は韓 国に対する対応の姿勢が弱すぎると慨嘆している。何度も言ったことで、 「菅官房長官の記者会見」辺りでブツブツ言っている程度では、文在寅に は「日本からは何ら反論がないようだ」と安心させるだけだろうよ。


 ◎9日夜のPrime Newsに思う:前田正晶

16ひ夜はMLBとNPBとの野球などは避けて、このフジテレビのBSの番組に勉 強させて貰っていた。「中間選挙後のアメリカ」との番組名になっていた が、私は出席者の木村太郎、デーブ・スペクター、中林恵美子のお三方が 持つ現実的な情報量待したのだった。私は普段は「内側から見たアメリ カ」などと称して偉そうなことを言って経験を語っているが、アメリカの 会社を離れて間もなく25年にもなるし、健康上も理由もあって12年10月に アメリカに行ったのが最後という状況で、最早最新のアメリカの事情には 疎いのである。どれほど変わってしまったかなどは知り得ないのだ。

特に木村太郎などは早くからトランプ候補の当選を予言していた数少ない ジャーナリストの一人だったし、豊富な経験と情報入手の速さに注目して きた。デーブ・スペクターについては嫌悪される方も多いと思うが、私は アメリカ人としての彼が持つ、言わば裏事情に近いような現実的な情報は 捨てがたいものがあると思っている。16日夜は控えていたが、達者な日本 語を駆使したアメリカ式ユーモアは、恐らく悪い冗談に聞こえて嫌ってお られる方がおられるのは十分に理解できる。

早稲田大学の中林教授も流石に10年も上院に勤めておられただけあって、 豊富な人脈も駆使した最新の情報を持っておられるので、聞くべきところ が多いと思って評価している。と言うよりも「内側からアメリカの国会を 見てこられた経験」が貴重だと思うので、私は大学の教授という範疇より も「アメリカ問題の専門家」だと思って聞いている。

お三方はいくつかの結論に導かれていたが、その中でも矢張り「中間選挙 の結果はトランプ大統領が眠そうな顔で翌日の記者会見で豪語されたよう に、共和党の勝利だった」とされた辺りに興味を惹かれた。中林教授も指 摘されていたが、トランプ大統領は選挙の終盤では上院で共和党候補が苦 戦気味の州のみを強行日程で巡回して演説を続けられたのは「上院を抑え ておけば、上院に任命権がある閣僚等を指名できることに加えて、従来か ら言われている岩盤の支持層があれば、2020年の再選が確保できるから」 という作戦だったのも、巧妙であったと思わせてくれた。

しかも、トランプ大統領は移民の流入に厳しい姿勢を採り続けておられな がら、増大しつつある嘗ての(?)の少数民族だったヒスパニックとアジ ア系が多いプーアホワイト以下の層の支持を確保することに大いに意を用 いておられたのも、最初からそういう作戦であったか否かは私如きには不 明だが、巧みな戦法だったと思わせてくれた。この点もお三方が指摘され た重要なポイントだろう。

私は長年共和党支持(オウナーファミリーのCEOジョージ・ウエアーハウ ザーはブッシュ大統領(父)とイエール大学の同級生であり親交がある間 柄だったので、在職中から民主党にはほとんど関心がなかった。それだけ に止まらず、クリントン政権下では明らかに誤った政策である「日本がア メリカから製紙の原料のみを輸入して、世界最高の品質を誇る最終製品で ある紙類を輸入を増やさなければスーパー301条を適用する」などと脅迫 してきていたので、益々印象が悪かったのだ。

そこで16日夜の討論では「右派の政治家であるトランプ大統領に対抗上も 民主党内ではリベラル派というか左寄りの勢力が中心となってしまってき た。しかも、民主党内には次期大統領選挙に向けての有力な候補者がおら ず、第二のオバマと言われたオルーク氏も落選するなど人材難である点が 弱みである」との解説があった。確かに、画面に映し出された候補となり そうな人物たちも70歳台後半と高齢化しているか、無名過ぎる者ばかり だった。

ここまでを聞いていると「アメリカでは共和党がトランプ大統領を中心に 右傾した政党となって行く傾向が濃厚で、対する民主党はそんどんとリベ ラル化して行っている」そうなのである。と言うことは、ここでもアメリ カの二分列化が明らかになったということだ。しかも、トランプ大統領以 前は民主党支持だったはずの言わば非インテリ階級というか労働者層が 「トランプ大統領は孤立の関税を掛けて輸入を減らして自分たちを助けて くれた上で“job”(何度でも言うが、これを「雇用」と訳すマスコミはミ スリーディングである)を増やしてくれた」と言って共和党支持に回った と言える由だった。

私にはトランプ大統領が何処までそういう意図があって採った政策かは解 る訳もないが「アメリカが分裂しつつある」という見方の背景にはそうい う傾向があったのかとあらためて聞かされたのだった。私はアメリカが変 わって行きつつあることは理解できたが、その変化をトランプ大統領が意 図してもたらしのか、アメリカ国民(と言うか各州民)が変わって行った のかは解らない。トランプ政治は確かに成功しつつあるかの如きだが、依 然として好景気が続いているのはオバマの遺産であるとの見方は消えてい ないとも聞かされた。

木村太郎は「トランプ大統領はその公約の全てを実現させてきたが、未だ に未遂なのがメキシコとの国境の壁とオバマケアであると指摘していた。 だが、最初は「日本が不公平な貿易を続けていることの是正」と言った が、直後に2項目に変えてしまった。トランプ大統領は日本から“millions of cars”(数百万台と言えば良いか)が輸入されていながら、アメリカ産 の車を輸入しない」と言っておられたのは誤りだ
が、恐らく実態はご存じではなくて言われているのだとの指摘があった。

デーブ・スペクターは「トランプ大統領は(実態を)知らないのだろう が、知らせようと思っても聞かないだろう」と言っていたのには私は同感 だった。だが、スペクターのかかるアメリカ式ユーモアの類いの発言は 「不謹慎」だと聞いて嫌われる方は多いだろうと思う。

このような次第で、昨夜は自分の州内でのことしか知らないし、知ろうと 努力もしないアメリカ市民になったような感覚で、元アメリカの会社員は 興味を持って専門家が語るアメリカの最新の現状分析の話を聞いていた。 新鮮だったし、大いに勉強になった。ここまでを全部英語にするのは大変 だが、何とか訳して昔の同僚に送って意見を聞いてみたい気がするが、一 寸重荷か。




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

東京江東区は17日も快晴。爽快に散歩出来た。夜の焼酎がさぞかし
美味いことだろう。河野一郎とか前田正晶さんとか池尻さんとかには
理解不能だろう。池尻さんには御出身地九州の焼酎を沢山いただいて
いる。有難いことだ。
                           
                                         読 者:5587人
           
            
                     



       




       
       

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。