政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4918 号  2019・1・8(火)

2019/01/08

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わたなべ  り やうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4918号
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        2019(平成31)年  1月8日(火)



       アメリカ人の中国旅行に「渡航注意」:宮崎正弘

                何でも民間に疑問:眞邊峰松

        韓国大法院判決、恐るべき反日の理屈:櫻井よしこ
                                          
                     
                      話 の 福 袋
                       反     響
                      身 辺 雑 記
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アメリカ人の中国旅行に「渡航注意」
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月6日(日曜日)
          通巻第5942号  
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米国、アメリカ人の中国旅行に「渡航注意」を勧告
  22日からのスイス「ダボス会議」で王岐山がトランプと会談へ
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1月22日からスイスのダボスで開催される「世界経済フォーラム」(いわ ゆる「ダボス会議」)にトランプ大統領の出席が決まっているが、中国か らは王岐山(国家副主席)がチームを率いて駆けつける。

「消防夫」の異名をもつ王岐山は、自らが関連する海航集団の財政スキャ ンダルのためしばらく鳴りを潜めていたが、昨秋から発言を開始し、広州 の国際会議に登場、つづいて師走にはシンガポールの「ブルームバーグ経 済フォーラム」に登壇し、「米中摩擦はゼロ・サムゲームではない」と発 言を繰り出すようになった。

ダボスで王岐山はトランプと会談し、差し迫った3月1日締め切りの猶予 期限前に、米中貿易摩擦の解決案を最終的に提示すると観測されている。
 しかし新年早々に中国中央銀行が22兆円もの流動性発動をアナウンスし たため、人民元下落が予測され、その下落率によっては高関税分を相殺す る効果がある。投資家は人民元を売ってもドルが買えないため、日本円と 金へポジションを移行している。

一方、カナダで拘束されているファーウェイの孟晩舟CFOの裁判が2月 6日から開始される。中国は無言の圧力をかけ、既に13人のカナダ人を拘 束した。

米国籍の中国滞在者にも、この圧力が及んでおり、拘束はされていないが 数名が二重国籍を理由に出国禁止処分となって米国へ帰国できず、ジョ ン・ボルトン補佐官はツィッターで、早く帰国させるべきだとのメッセー ジを発進している。

米国当局はアメリカのパスポートを持つ国民に対して「中国への渡航注 意」を警告した。
       
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読者の声(1) どくしゃのこえ  READERS‘OPINIONS
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(読者の声1)貴誌の3日付でしたか、皇居一般参賀で宮崎さんも2時間 半並ばれたと書かれていましたが、小生は5時間でした。

それも正門の閉鎖時間が延び、さらには天皇ご一家のお出ましが、最後に 陛下の希望によって、午後4時にも行われました。

 メディアはこのことを伝えていません。あの寒い中に五時間並んでも誰 も帰る人はいませんでした。(MA生、千葉)



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(読者の声2)弐ヶ月ほどツンドク状態だったのですが、貴著『AI管理 社会・中国の恐怖』(PHP新書)を時間をかけて読みました。

いやはや、びっくりすることばかり、北朝鮮のハッカーがアジアや中東の 銀行にウィルスを侵入させ、すでに数十億円引き出したとか、ホテルの顧 客リストから米国連邦政府職員のリストまで中国が盗み出したとかの事件 が連続することは新聞で知っていても、その背後に中国の一貫した国家戦 略があることを、貴著は先駆的に啓蒙的に叙述されていて、非常に参考に なりました。

会社の同僚にも回覧します。重要な本だと思います。(HI生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)ゆうちょ銀行のATMが4日から5日早朝に掛け て停まりました。米国のマリオット・ホテルは3億8300万人分の個人情報 が盗まれたと発表しています(当初5億人の被害を下方修正)。

 小生、海外ではときおりマリオットならびに系列のウェスチン、シェラ トンに宿まることがあるので、ひょっとしたらパスポート番号が盗まれた のか気がかりです。

 米国は中国の技術窃取阻止のため超党派議員が「枢要技術安全室」をホ ワイトハウス内に設置する法案を提出しています。日本は、この対策でも 周回遅れ(それも五周ほど遅れています)。
      (読者欄は下段につづきます)
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1839回】           
 ――「只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に満たされて居る」――諸橋 (12)
諸橋徹次『遊支雜筆』(目?書店 昭和13年)

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 諸橋やら宮崎滔天の指摘を素直に受け取るなら、とてもじゃないが「同 文同種」などというインチキが罷り通るわけはないのだが、それが声高に 叫ばれしまった。堪え性のない日本人の弱点を見透かされた、ということ なのか。

 諸橋は「曾て私自身が交際を得た學者の三樣の死」を示しながら、思想 方面に於いても「皆己がじし自分の立場を取り得るといふ一つの幅の廣 さ」を語ろうとする。

 1人は「湖南の學者葉?輝」で、「民國革命が始まつて間もなく、彼は 舊思想の持ち主であるといふ單純な理由を以て?殺され、財産まで没収」 されてしまう。1人は「北京大學の?授李大?」で、北京のロシア大使館 において「新しき共産黨の持ち主であるといふ意味で殺されました」。残 る1人は「篤実の樸學者王國維といふ人」で、「時勢の日に日に非なる實 情に憤慨して、遂に北京西城の最も景色の好い萬壽山の麓の昆明池の中に 身を投じて死んだのであります」。

 つまり1人は「古き思想の持主なるが故に殺され」、1人は「新しき思想 の持主なるがゆえに殺され」、1人は「時勢と相容れざるの故に自ら身を 投じて殺して居る」――この3例から「支那民族の思想の幅の狹さ」を考え ることは「恐らくは誤」だ。じつは「支那の人々は實は有ゆる思想に對し て、之に順應し、又之に耐へ忍ぶ幅の廣さを持つて居る」という。

 およそ人間が思いつく思想のほとんどが萌芽を見た春秋戦国時代以来、 「混亂せる思想の中に在つて、支那民族は平然と能く之にへ忍んで來 た」。「(思想の)新しきも古きも打つて一丸となして、支那民族は左程 多くの思想混亂を來たして居らない」。一般には赤化が言われるが、「或 は一時政策的に或は方便的に赤化の形を取ることはあるかも知れませぬ が、安價に之に陶醉するといふが如きことは、恐らくは無からうと考え る」。「此の點は洵に不徹底な所ではあるが、一面又支那の民族の強い所 であり、不死身であると云はるゝ所以でもある」。

 諸橋が「赤化の形を取ることはあるかも知れませぬが、安價に之に陶醉 するといふが如きことは、恐らくは無からうと考え」た記したのは、満州 事変が勃発する1年前の昭和5(1930)年のこと。

それから5年が過ぎた1935年、林語堂は「長期間にわたる苦しい思索、読 書、内省の結果」えられた「自己の観点を披瀝」し、「たとえば共産主義 が支配するような大激変が起ころうとも、社会的、没個性、厳格といった 外観を持つ共産主義が古い伝統を打ち砕くというよりは、むしろ個性、寛 容、常識といった古い伝統が共産主義を粉砕し、その内実を骨抜きにし共 産主義と見分けのつかぬほどまでに変質させてしまうであろう。そうなる ことは間違いない」(『MY COUNTRY AND MY PEOPLE』=『中国=文化と思 想』講談社学術文庫 1999年)と記した。この当時、共産党は?介石軍の 追撃から逃れ、やっと延安にたどり着いたのであった。

 それから14年が過ぎた1949年、中華人民共和国という共産党独裁国家が 誕生する。
1950年代に入る毛沢東の独裁化が進み、1958年の大躍進政策強行で、それ は頂点に達する。一時後退した毛沢東の権力も1966年に始まった文化大革 命によって一層の強化をみるものの、1978年には事実上否定され、?小平 は新たな国是(金儲け第一主義)を掲げて国民を鼓舞する。
「貧乏は社会主義ではない。儲かる者は貪欲に儲けろ」。そして今や一帯 一路に「中国の夢」である。

 20世紀半ば以降、あの国は「方便的に赤化の形を取」って歩んだ。それ とも共産主義の「内実を骨抜きにし」てしまったのか・・・
いったい中国共産党って何なんデスカ?
    
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読者の声(2)  どくしゃのこえ  READERSOPINIONS
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(読者の声3)最近、貴誌の投稿欄で、ユダヤ人問題がときおり論じられ ていますが、宮崎さんは三十年ほど前に『ユダヤに拘ると世界が見えなく なる』(二見書房、絶版)というベストセラーを書かれましたね。読んだ 記憶が甦ります。
『ユダヤの陰謀論』は存在しないという論証でしたが、鮮烈な記憶、目か ら鱗が落ちました。最近のユダヤの動きをいかにご覧になっていますか?
   (SY生、三鷹)


(宮崎正弘のコメント)ほかにも『ユダヤ商法と華僑商法』など書いてい ますが、そもそも『ユダヤ陰謀論』はフランスの古文書捏造の天才達がつ くりあげ、それをロシアの秘密警察が採用して、ホグロムというユダヤ人 虐殺の正当化に利用し、さらにそれがナチズに援用された経過があります。
当時「日独伊三国同盟」の関係から、日本陸軍が翻訳して「シオンの議定 書」説が、一時期日本でも拡大しましたが、いまは偽書扱いが常識になり ました。



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(読者の声4)正月休みを利用して、宮崎正弘先生が出演された討論番組 や解説番組を十数本、みました。近くに書店がないものですから(図書館 も遠い)、ユーチューブはまさに教養の宝庫と言えます。
 三時間番組は長いと思いますが、パネラーの皆さんがそれぞれの得意分 野から要領よく説明されるので、あっという間です。
 とくに宮崎先生の話は図解が多い上、刺激的なアイディアの開示が連続 し、とても為になりました。これからもどんどん出演していただきたいと 思います。
  (NB生、秋田)


(宮崎正弘のコメント)ユーチューブは世界中で見られるようで、小誌の 愛読者にはずいぶんと海外在住者が多いようです。よく投書をいただく読 者にはベトナム、マレーシア、カナダ、オランド、フィンランド、ドイツ 在住の皆さんです。
 さて次回の小生の出演は18日の「フロント・ジャパン」(日本文化 チャンネル)で、ホストは上島嘉郎さんの予定です。



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(読者の声5)ケニアがやはり「中国の借金の罠」に落ちて、モンバサ港 の使用権を中国に奪われそうだというニュースに接しました。
 この問題も、貴誌で取り上げて下さい。
   (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)週末に発売予定の拙著新刊(宮崎正弘『日本が危 ない! 一帯一路の罠』(ハート出版)に世界の債務および償還絶望状況 をかなり詳しく書き込みましたので、是非ご参考に。



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(読者の声6)枝野代表の「立憲民主党」が伊勢神宮を参拝したそうで す。あ、彼も日本人だったのと安堵し、見直したのですが、党内、支持者 からは『自民党のマネ』とか、批判が集まり大炎上した由です。
とくに有力支持者のキリスト教徒等が「政教分離に反する」と大反対の声 を挙げ、国会で自民党を追い詰めるどころではない様相です。
    (RH子)


(宮崎正弘のコメント)枝野代表は日本人だったのですね。伊勢神宮は毎 年恒例、4日に首相の参拝があります。境内は神々しい雰囲気があって、 嘗て来日したおりに神宮を流れる五十鈴川で禊ぎをうけたアンドレ・マル ロォが、「このバイブレーションはなんだ」と叫んだという話を思い出し ました。



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何でも民間に疑問
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    眞邊 峰松


私のマスコミに対する不信感・大衆迎合体質への嫌悪感が一層増大してき た。 

果たして、国家の将来を考えるべき時期に、本筋の議論と離れ、質的には 枝葉末節の問題に国民を巻き込んで彼らの主張が、“社会の木鐸”、“オピ ニオンリーダー”の役割というのは、どこに存在するのだろうか。

私も、必ずしもマスコミ人の全てが、課題を単にワイドショー的に取り上 げてばかりいるとまでは言わないが、もう少し冷静・客観的に問題を整理 し報道するべきだと考える。


ところで、「行為する者にとって、行為せざる者は最も苛酷な批判者であ る」とは、ある書物の言葉。 同書でこんな話が続く。


「ナポレオンの脱出記」を扱った当時の新聞記事である。幽閉されていた ナポレオンがエルバ島を脱出した。兵を集めて、パリへ進撃する。


パリの新聞がこれを報道する。その記事の中で、ナポレオンに対する形容 詞が、時々刻々に変化していく。 最初は“皇位簒奪者”。 次いで“反乱 軍”〜“叛将”〜“ナポレオン”、 やがて“祖国の英雄”。 

そして、ナポレオンがパリに入城した時には、一斉に“皇帝万歳”の記事で 埋められた。オポチュ二ズムとセンセーショナリズムのマスコミの実態が 浮き彫りにされている」。 まさに、その通りだという感がする。


少々議論が飛躍するが、私は基本的に今の“何でも民間”の風潮に反対だ。
私自身の体験から言っても、国の役人の省益あって国益なし、自分たちの 徹底的な権益擁護には、実は本当に癖々した。 まさに国を誤る輩だ、何 とかならんのか、という気分にもなった。


しかし、国家公務員というに相応しい立派な人士をも身近に知る私として は、少々誤弊のある言い方かも知れないが、敢えて言えば、こと“志”とい う点においては、真に心ある役人に比し得る民間人は、そう多くなかろう とも思う。
 

これも個人資質・能力というよりは、やはり、退職までの30年を超える 永年の職務経験、職責の持つ私自身に染み込んだ体質的なもの、職業の匂 いのようなものかも知れない。
  

私には、特にかっての余裕ある民間経営の時代ならともかく、現下の利潤 一点張り、効率一点張りの時代に、現役の企業人で、常日頃から“公益と はなんぞや”の視点から物事を考察したことがある人物が、そう数多いと はとても思えない。


とりわけ、最近の風潮となっている企業利益の増加のみに邁進し、その過 程で中高年の自殺者の激増など、社会不安を増幅してきたリストラを闇雲 に推進してきた企業経営者を見るにつけ、その観を否めない。 


このような中で、果たして、現在のマスコミの論調のように“何でも民間 人登用”“何でも民間感覚“ということが果たして正しいのだろうか。                            (了)


     
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韓国大法院判決、恐るべき反日の理屈
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           櫻井よしこ

韓国大法院(最高裁判所)が10月末及び11月末に下した朝鮮人戦時労働者 問題に関する判決書にはとんでもないことが書かれている。

「とんでもない」という意味は、単に日韓両政府が1965年に合意した日韓 請求権協定に違反するというだけではない。それよりもはるかに深刻で国 際法軽視の対日非難であるという意味だ。

12月7日、インターネット配信の「言論テレビ」で女性の論客5人と男性の 論客1人の構成でこの問題を中心に2時間にわたって論じた。男性ゲスト は、いま朝鮮問題で引っ張り凧の西岡力氏だ。

韓国大法院の判決を貫く主張は「日本統治不法論」である。日本の有志の 弁護士が仮訳したものを参考に、私たちが問題にした韓国最高裁判決の最 重要のくだりは以下の部分だ。

「原告らの損害賠償請求権は、日本政府の朝鮮半島に対する不法な植民地 支配および侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前 提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権(である)とい う点を明確にしておかなければならない」

判決は続いてこう述べる。

「原告らは被告を相手に未支給賃金や補償金を請求しているのではなく、 上記のような慰謝料を請求しているのである」

判決の他の部分には、原告らは日本で同様の裁判を起こして敗訴している が、日本の司法判決は受け入れられない、その理由は日本の判決が「日本 の朝鮮半島と韓国人に対する植民地支配が合法であるという規範的認識を 前提に」しているからだと書かれている。

そのうえで、「日本での判決をそのまま承認するのは、大韓民国の善良な 風俗や、その他の社会秩序に違反する」というのだ。

頑として譲らないこと

日本の朝鮮統治は不法だと決めつけ、日本側の主張は全く受け入れないと いうわけだ。西岡氏が指摘した。

「新日鐵住金を訴えた原告4人は募集に応じて普通に日本に来て、普通に 企業で働いて、給料を貰った。未払い給料があったとしても、それらを清 算する機会は戦後2回もあった。彼らは無事に帰国し、怪我もしていな い。だから韓国政府も彼らには特別な支払いはしていません。しかし、日 本統治が不法だったからという理屈をいま持ち出して、慰謝料が発生する と言っているのです」

慰謝料という理屈を適用すれば、およそすべてが対象となる。日本統治下 で日本語を習わせられた、神社を参拝させられた、姓名を変えさせられ た、精神的に苦しんだなど、何でも慰謝料請求の根拠とされるだろう。

このような要求を日本につきつける土台となる論理が日本統治不法論だ。 日韓基本条約と日韓請求権協定の締結までに日韓両国政府は延々14年間も 交渉を重ねた。当時も日本の韓国統治は合法だったか否かが激しく議論さ れたのは確かだ。互いに折り合えず交渉は長引いた。そこで双方が智恵を 働かせた。

日韓基本条約第2条には「1910年8月22日以前に大日本帝国と大韓帝国との 間で締結されたすべての条約及び協定は、もはや無効であることが確認さ れる」とある。

1910(明治43)年8月22日は韓国併合条約の調印の日である。日本の韓国 併合はそれ以前の種々の条約、協定の積み重ねで、米英露など諸外国も認 めるものだった。従ってそれらはすべて国際法に適い合法だとする日本の 主張は当然だ。だが、日韓の外交関係を進めるために両政府は以下の案を 生み出した。

前述のように、1910年8月22日以前(中略)の条約及び協定は、「もはや 無効」としたのだ。

西岡氏が説明した。

「日本側にとっては、韓国は1948年に独立した、もはや日本は韓国を併合 していない、だから韓国併合の根拠だった1910年8月22日以前の条約も協 定も、もはや無効になった、それ以前は合法で有効だったという意味で す。他方韓国側は、『もはや』は副詞みたいなもので関係がない、だか ら、そんな言葉は無視して、当初から無効だったと解釈したのです」

両者の解釈が異なるときは、両国が合意した英文によって解釈することに なっている。英文は日本の解釈が正しいことを示している。

韓国側の主張は不当極まるが、不当判決が出されたいま、65年の協定で請 求権問題は「完全かつ最終的に解決された」と言うだけでは、日本側は闘 いきれないかもしれない。次なる一手も二手も準備する必要がある。

まず、法律上の問題だ。キモは頑として譲らないことだ。韓国弁護団は強 気で、12月4日、被告の新日鐵住金本社を訪れた。新日鐵住金側は韓国弁 護団を全く相手にしなかったが、彼らは要請書を置いて帰った。損害賠償 の履行方法や、賠償金の伝達方式を含む被害者の権利回復の措置につい て、今月24日午後までの返答を求める内容だった。

法的闘争の準備を

日本側が応じなければ、彼らは日本企業の資産差し押さえなどに着手する 可能性がある。日本側も報復の差し押さえ措置など法的闘争の準備を万全 にすることだ。

もうひとつは国際世論を意識した歴史戦への備えだ。日本統治の合法性と は別に、日本が朝鮮人労働者をどのように処遇していたかを事実に基づい て内外に知らせ、慰謝料要求などは筋違いであり不条理だと納得してもら えるだけの情報を十分に伝えておくことが、この種の歴史戦ではとても大 事である。その点において日本側は非常に手立てが遅れていると、西岡氏 は懸念する。

「現在の外交官は、当時の労働条件や賃金の支払い状況などについてよく 知りません。対照的に反日勢力の側は、実は彼らは日本人なのですが、80 年代から日本統治不法論を考え、その論理を磨き上げてきました。事実関 係については、すべてを反日的視点から資料収集しています。これら反日 日本人が韓国側に論理と資料を提供しているのです。彼らの資料は、私た ちの側が集めた資料や研究の10倍はあると言っても過言ではありません。 彼らの反日闘争は私たちよりずっと早くから準備されていたのです」

それでも日本の企業には、どれだけの賃金を朝鮮の誰々に支払った、朝鮮 の誰々はどの募集に応じて、どのような待遇を受けたといった資料が豊富 に残っている。事実こそ最も強い説得力を持つはずだ。こうした資料を早 く、全面的に公開すべきだ。

これから短期間に、反日学者を除く、少数ではあってもまともな学者や研 究者が、企業及び政府とも協力し、日本統治下の朝鮮人の扱いについての 実態を最速で明らかにし、韓国司法の不条理を訴えていかなければならない。
『週刊新潮』 2018年12月20日号 日本ルネッサンス 第832回

            

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重 要 情 報
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 ◎何故か原因不明の睡眠不足3日も続き、苦戦しております。その結果として投稿がお休みになっております。今夜こそは何とか解消せねばと思っております。(前田正晶)


 ◎九条川柳

 九条を守ったけれど皆死んだ

中韓の憲法にない第九条

九条に二項があるとは知らなんだ

宮城の窮状を見よ我が九条

               (北村維康)




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身 辺 雑 記
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常連の前田正晶さんの御投稿がこのところ無かったので心配だった。ようやく安堵した。

8日の東京湾岸は晴れ。
                      読 者:5587人
           
            
                     



       




       
       

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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