政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4912 号  2019・1・2(水)

2019/01/02

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わたなべ  り やうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4912号
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        2019(平成31)年  1月2日(水)



            日本企業にマネが出来るか:宮崎正弘

          リハビリって、再び生きること:向市眞知

      横暴中国に抗議し、日本人を取り戻せ:櫻井よしこ               
                     
                      話 の 福 袋
                       反     響
                      身 辺 雑 記

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日本企業にマネが出来るか
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)12月30日(日曜日)弐
          通巻第5934号  
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 こんなリスク、日本企業にマネが出来るだろうか
  米軍シリア撤退のあと、中国は150社、20億ドル投資で再建プロジェクト
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すでに中国では「シリア再建プロジェクト・フェア」が開催されている。 驚き桃の木山椒の木。

習近平の目玉「シルクロード」の一環である。

フェアにはじつに200社の中国企業が参加し、その投下を予定しているプ ロジェクト費用は20億ドル。道路改修工事、ハイウェイ工事、もちろん抜 け目なく光ファイバー網設置等々。


米軍はシリア撤退を表明しており、その空白は地域の不安定化をもたらす ことになるが、さて、こうしたリスクもなんのその、中国は空白市場へ 真っ先に乗り込んでビジネスを展開する構えにある。

中東石油に依存する中国と、中東への興味を希釈させて、「インド太平 洋」へ目を向けた米国の姿勢の違いは明瞭である。

米軍の撤退日程は未定とはいえ、安全保障面からの対応を急いでいるトル コ、イスラエルの動きを横目に、シルクロードの一環として、中国はシリ アへの再進出を虎視眈々とねらうわけだ。

内戦勃発前の中国とシリアの貿易は往復で24億ドルだった。

内戦中、中国はシリアと距離を置いたものの、ロシアのアサド梃子入れに 間接的に協力しつつ、裏でのISに武器供与を続けていた。

同時にISに加わったウィグル族の若者達の動向に神経を配らせ、ISと は裏の連絡網があったと言われる。

リビアでカダフィ政権が転覆したとき、中国は3万6000人の労働者、エン ジニアを引き揚げたが、なぜそれほどの人数が紛争地域にいたかといえ ば、リビアで100ものプロジェクトを請け負っていたからだった。
 このような冒険的リスクを取ることに躊躇しない中国。日本企業にマネ が出来るだろうか?
        
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1835回】            
 ――「只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に満たされて居る」――諸橋 (8)
諸橋徹次『遊支雜筆』(目?書店 昭和13年)

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もう少し、新文化運動に対する諸橋の考えを追ってみたい。

諸橋は、これまでみてきた「新文化運動を社會的に實現する方法」とは別 に、「實はもう一つの運動がある」と指摘する。それを「消極的の運動」 とし、「新文化運動の精神に反對するものを破壞すると云ふ運動であ」る。

「其の一は、過去の?――孔子の?に對する所の反對で」、「其の二は、支 那の擬制、就中家族を主とした擬制の破壞であ」る。

先ず「其の一」だが、「支那の?」は断固として「孔子の?」であるとい う考えに反対するもので、その中心は後に共産党創立者の1人で初代総書 記の陳独秀など。孔子批判は陳独秀が初めていうわけではなく、代表例と しては明代の李卓吾――吉田松陰を大いに刺激した『焚書』を著す――が挙げ られるが、彼らは歴史的・文化的には異端者として扱われている。如何に 極端な振る舞いであれ、それは個人の範囲に止まっていた。だが諸橋が 「彼地で遭遇した事は、少なくとも個人的ではない」。団体、それも「或 る一部分の大きな團體の勢力」による動きだった。

たとえば1920年の「10月にありました陝西省の孔?問題」と「11月浙江省 の全國?育會に起こつた讀經の問題であります」。前者は孔子の誕生日に 陝西女子師範学校の新文化運動論者の教頭が、偶像崇拝は無意味で孔子は 時代に合わないから恒例の孔廟参拝を中止した。また陝西省で多くの学校 で教員が反孔子ストライキを敢行し、これに同調した学生を当局が「炮烙 の刑に處したと云ふ」。

後者は全国教育会議における浙江省による「毎週日曜日に學生に經學の本 を讀ませよう」との提案に対し、同省の学生が会場に押しかけて「(伝統 的な学問である)經學は奴隷教育である、復辟?育である、君臣?育であ る。之を復活するは新文化運動の精神に反する」と気勢を挙げたというのだ。

こういった「從來の歴史も何も無視して、只五四以來風氣が一變したと信 ずる新文化の諸君の態度は」程なく「取消」ということになった。新文化 運動に対し諸橋は、「兎に角、如何に新文化と云ふものと過去の??と云 ふものが衝突して居るかと云ふ一面が是で分かるかと思ひます」と。

「新文化の消極運動の他の一つは、新文化運動の中核」であり、それは 「過去の擬制、家族を中心として居る擬制に對する猛烈な反對」である。
「支那は御承知の通りに世界一の家族國」であり、美点もあれば「又幾多 の缺點も確かにあ」る。「家族問題の中心と申せば必然的に婦人の問題が 關係」し、婦人解放・男女同権に突き当たり、勢い現実離れした議論・運 動が展開されてしまう。その中には「不眞面目な部分もありますが」、 「家族を中心とした擬制に對する反對、即ち家族の問題」に対しては「兎 に角眞劍」ではある。

かくして諸橋は新文化運動を、「新文化運動の中核の問題は個人の解放、 人權の擁護、人格の尊重――一言で申せば個人の解放を絶叫するのであ り」、そのことが「英米の文化が新文化運動に歡迎せられる最大の原因で あります」と総括する。

遠い昔を振り返るまでもなく、辛亥革命から続く社会の混乱を見れば 「??、政治、一として固定する所がない中に、獨り完全に固定して昔か ら今に大した變化のないのは家族を中心とした擬制、隨つて其の擬制によ つて維持さられてゐる家族制度の強さ」である。

ところが「新文化運動の鋭鋒は当にこの一番健全である一番固定的である 家族制に向つて突貫して居る」。

その結果は「自分の矛を以て自分の盾を破る」、つまりは「支那社會を崩 壞して了」う危険性を孕んでいる――これが新文化運動に対する諸橋の見解 だった。

      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)「西郷隆盛の征韓論と日露関係」

19世紀の日本の日韓関係は日露関係の反映と云えるでしょう。西郷はその ために警鐘を鳴らしたのです。

彼は亡くなりましたがその予想は当たり、日本は独立を守ることが出来ま した。

日本は米国使節の来訪で開国したと云いますが実際は17世紀から北方か らロシアの侵略を受けていました。

ロシアのピーター大帝は、東方へ遠征隊を送り、一部はロサンゼルス近辺 にまで達しました。しかし沿海州では清朝の勢力が強かったので、カム チャッカ半島にペトロパブロフスカ市を建設し、そこから千島経由で南下 してきました。そしてゴローニン事件、高田屋嘉兵衛事件などを起こした のです。

樺太は既に間宮林蔵が大陸から切り離された島であることを確認し、日本 国の領土の標柱を立てています。この時間宮林蔵は対岸の清朝の警備司令 官と会い、ロシア人がまだ現れていないことを確認しました。

しかしその後、清朝が衰退するとロシア人が南下し、樺太島に上陸し、日 本人と争いになったのです。その結果が1875年の樺太千島交換条約です。 なお1861年にはロシア軍艦が対馬を占領しましたがこれは大英帝国が軍艦 を出して威嚇し追い払ってくれました。

こうした状況で明治を迎えたのです。ロシアは清朝の弱体を見て満洲に目 を付け、朝鮮半島経由で日本を狙ってきました。南北からの挟撃です。
西郷隆盛の征韓論は、朝鮮がロシアの手に落ちることを恐れたからといい ます。朝鮮半島は大陸から日本に突きつけられた短刀と云われた地政学的 な要衝です。

西郷の心配は的中します。日本はその後清朝が属国朝鮮をロシアに与える ことを恐れて日清戦争を戦い朝鮮を独立隔離しました。それでもロシアが 国王幽閉など朝鮮に手を伸ばしたので戦争を避けるための満韓交換を提案 しました。

これは満洲全土はロシアが支配し、その代わり日本は朝鮮を勢力下に入れ るというものでした。しかしロシアは拒否しました。やはり日本侵略を 狙っていたのです。

しかしロシア政府高官は戦後後悔しています。

最後は日露戦争となりました。当時の日本の軍事力はロシアに比べると、 大人と赤ん坊で問題にならなかった。だから国民は富国強兵を大方針とし 全国民は驚くほど一致団結したのです。その裏に対ロシア恐怖があったこ とを忘れてはなりません。

それが明治人の精神だと思います。その独特の気概が中村草田男の「降る 雪や明治は遠くなりにけり」であったのでしょう。

したがって西郷は国際的な視野を持っていたと思います。彼の最後の言葉 は、「もうよか」だったそうですが、当時の日本社会には巨大な情報 ギャップがあったのです。

彼はそれを埋めるための人柱になったのです。戦死した薩摩の勇敢な青年 達と共に惜しまれることでした。
今再び国難を迎えた日本人は明治の先人の対外警戒一致団結を想起して頑 張らなければなりません。(落合道夫)

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(読者の声2)貴著『青空の下で読むニーチェ』(勉誠出版)ですが、評 判が良ろしいようですね。愛読者としても嬉しいことです。

『月刊日本』に宮崎さんへのロングインタビューがありましたが、『正 論』の今月号でも二ページの書評が出ていました。

 読みかけだった貴書の、読み方のヒントになりました。
   (KY生、京都)

      
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リハビリって、再び生きること
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        向市 眞知


「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしま いました。しかし、この用語がとてもくせものです。皆がこの用語の前向 きなところにごまかされ、便利に安易に使ってしまいます。

医師は最後の医療としてリハビリにのぞみをつなげる言い方をします。家 族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患 者様もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。リハビリとは 「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広 い概念です。

病院にはリハビリテーション科があり、そのスタッフには理学療法士、作 業療法士、言語聴覚訓練士という、国家資格をもった専門技師がそろって います。身体機能回復訓練に携わるスタッフです。医師が「リハビリ」と いう用語を使う場合にはこのようなリハビリテーション科のスタッフによ る訓練をさすだけではなく、「再び生きる」心構えをもちましょう、とい う意味を含んでいる場合が多いのです。

しかし、患者様、家族様のほうはリハビリは療法士がするものと思い込ん でいるケースが多いように思います。よく言われるのに「リハビリが少な い」、「リハビリをしてもらえない」というクレームがあります。療法士 がするものだけがリハビリなら、診療報酬上点数がとれるのは一日20分か ら180分です。

「リハビリを受けさせたいから入院させてほしい」とよく言われますが、 一日の何分の1かの時間のリハビリだけで「再び生きる」道のりを前に進 むことはむずかしいものです。あとの時間をベッドに寝ているだけでは何 の意味もありません。「リハビリのために入院している」というだけの安 心感の意味しかありません。

いくら日本一の理学療法士の訓練をうけたといっても、患者本人が「リハ ビリをする(再び生きる)」心構えになっていなければ、空振りに終わっ てしまいます。マヒした身体に対して、拘縮してしまわないように理学療 法士が外から力を加え訓練をすることはできます。でも、訓練が終わって 身体を動かさなければもとのもくあみです。

しかし、言語訓練はそうはいきません。本人が声を出そう、話そうとしな ければ訓練になりません。「絶対話すものか!」と口をつぐんでいる患者 様に訓練は意味をなしません。まずは声を出してみよう、話してみようと いう気持ちになるように心理的にリラックスしてもらうことから訓練を始 められると聞きました。

このことからわかるように、リハビリは本人次第なのです。そしてやはり リハビリも療法士と患者様の協同作業です。療法士さんの訓練の20分が終 われば、患者様自らがもう一度リハビリのメニューをくりかえしてやって みることや、家族が面会時間に療法士に家族ができるリハビリを教えても らい、リハビリの協力をしてみるなど、何倍にもふくらませていくことが リハビリの道のりなのです。

療法士さんまかせにしないこと、繰り返しやっていくこと、退院しても療 法士さんがいなくてもリハビリ、再び生きる道のりは続いていること、そ れを実行するのは自分であることを忘れないでいてほしいと願っていま す。2006年4月の診療報酬改定で更にこの認識が重要になってきています。

療法士による機能回復訓練が継続してうけられる回数の上限が疾病により 90日〜180日と定められました。これ以上の日数の訓練を続けても保険点 数がつかないことになりました。医療機関は保険がきかなくなればリハビ リを打ち切らざるをえません。

患者様も10割自費で料金を支払ってまでリハビリを続けることはできない でしょう。リハビリは入院の中でしかできないものではなく、退院しても 自宅でもリハビリを続けていくいきごみが大切です。
                     (ソーシャルワーカー)




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横暴中国に抗議し、日本人を取り戻せ
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          櫻井よしこ

中国共産党機関紙「人民日報」系で、国際版もある「環球時報」のもの凄 い社説から、中国の正体が見える。

12月1日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長、孟 晩舟(もうばんしゅう)氏が米国の要請によってカナダで身柄を拘束され た。11日に保釈されたが、現在も24時間監視態勢下に置かれ、カナダから 出国もできない。米国への引き渡し手続きはこれからだろうが、中国は政 府を挙げて引き渡し阻止に動いている。

「環球時報」は孟氏逮捕当初から非常に強い関心をもって何本もの社説を 掲げているが、直近の12月15日のそれは中国得意の政治的恫喝の典型だった。

一連の主張から読みとれる中国の特性こそ、彼らが世界で力を確立すれば するほど国際社会に浸透させようとする価値観であろう。私たちはいま、 その正体をじっくりと見つめる好機を与えられている。その第一の点が、 中国の司法は米国やカナダの司法とは異なるという主張だ。

たとえば環球時報はこう書いた。

「中国がカナダ人二人を拘束したことを、米加両国はどういう理由で違法 だと言えるのか。結局我々の司法は全く異なる。米国やカナダで違法だか らといって中国でもそうだとは言えないだろう」

続いて、環球時報は次のように警告する。

「司法権は一国の主権の重要な構成要素だ。中国にいるすべての外国籍の 者は、その母国の法律によって守ってもらえるなどという幻想を抱くかわ りに、中国の法律に従わなければならない」

中国の体制は外の世界とは異なるのだ、米国流もカナダ流も欧州流も日本 流も、中国には一切通じない。そのことを外国人は認識せよ、というこの 強い自我意識は、昨年10月の共産党大会で、中国が世界最強の国になる 2049年には、中華民族が世界の諸民族の中にそびえ立ち、中国共産党の教 えで世界を指導するとしたあの宣言に通ずる考えだ。それを彼らは「人類 運命共同体」と表現したが、その本心は中国主導の世界の確立ということだ。

21世紀の大中華思想の恐さ

12月13日の社説は、孟氏が拘束されたあと、まるで報復のような形でカナ ダ人二人が拘束された件について、こんな主張も展開する。

「中国で拘束されたカナダ市民二人に関しては保釈請求の審理を開催して やるなど、開かれた透明な司法手続きが行われるべきだと米加両国は考え ている。中国では法体系も情報発信の在り方も異なる。そのようなことは できないと、彼らはよく知っているはずだ。従って(米加両国と同件につ いて)意思の疎通をはかるのは困難だ」

なるほど、だから彼らは、南シナ海の島々の領有権問題でハーグの常設仲 裁裁判所が下した、フィリピンの訴えを全面的に支持し中国の領有権を全 否定した判決を「紙クズ」だと言って無視したのであろう。

そもそも司法制度が異なるのだから、米国ともカナダとも、さらに国際社 会とも解り合うことは不可能だと言っているのである。そのうえで彼らは 要求する。

「カナダ及び米国の外相は中国のこうした原則を十分に弁(わきま)えてお くべきだ」(15日社説)

彼らの中・長期的目標である21世紀の大中華思想の恐さを肝に銘じておこ う。威嚇したかと思えば、「環球時報」は同じ社説で恥ずかし気もなく、 こうも言う。

「異なる国々の間の意思の疎通は相互尊重に基づくべし」

全く同感だ。そうしてほしいが、中国には相互尊重の考えが欠落していて 自国尊重しかない。だから結局最後は予想どおり恫喝で終わる。

「カナダは米国の支持があるからといって何かが変わると思ってはならな い。台湾問題での火遊びは北京には何の圧力にもならない。オタワよ、中 国の手には何枚ものカードがあることを覚えておけ。北京の意向に逆らえ ばいいことはないぞ。米中問題には距離を置くのが一番だと弁えろ」

人口約3600万人、GDP1兆6530億ドル(約187兆円)と、中国と比べれば 小振りとはいえ、カナダはG7の一員だ。立派な民主主義の国をこんなふ うに脅すのである。裏を返せば、中国は死に物狂いだということだ。

なんと言ってもファーウェイは中国を代表するハイテク企業だ。「産経新 聞」の報道によると、世界170か国・地域で事業を展開中だが、現在も非 上場を貫いている。創業者は人民解放軍出身の元軍人で、74歳の任正非 (にんせいひ)氏だ。人民解放軍、さらには共産党と一体化している人物 だ。その娘が孟氏で現在46歳、事実上、任氏の後継者と見られている。

世界一の国にはなれない

ファーウェイをはじめ、中国の通信大手企業が世界に張り巡らせつつある のが、第5世代の移動通信システム(5G)だ。中国はすでに5Gの基地局 を世界各地に張り巡らし、その数は米国のそれの10倍にもなるとの数字も ある。米国は必死に巻き返しており、欧州諸国も日本も、米国と共に ファーウェイ及びもうひとつの中国のハイテク通信企業、中興通訊 (ZTE)の排除に乗り出した。国や社会の在り方、自由や民主主義の擁 護を考えれば、当然だろう。

10月4日に米国のペンス副大統領が凄まじい演説をした。その直後に共和 党上院議員のマルコ・ルビオ氏らが民主・共和両党の合意の下で対中非難 の声明を出した。その中で中国の不公正、非人道的な体質を非難し、中国 社会はジョージ・オーウェルの小説「1984」のようだと論難した。米中の 戦いは単なる貿易戦争ではなく、次の時代の世界の在り方をめぐる戦い だ。米国は行政府も立法府も、「1984」のような国になり果てようとする 中国の意図を挫きたいのである。

5Gのハイテク通信で世界を制覇すべく、中国共産党はファーウェイや ZTEを国ぐるみで後押しするが、ハイテク通信で世界の最前線を走った としても、世界一の国にはなれないだろう。彼らはハイテク通信を何のた めに利用するのか。自国民を支配するのと同様に世界を支配する道具にす るのではないか。ハイテク通信で自由な情報の流れを実現するわけでもな い。自由な発想も創造も許さない。その反対に、21世紀の今日、いわば終 身皇帝を誕生させるなどバカバカしい所業を許している。

人間を抑圧する中国は、米国や日本、欧州諸国のように人間を羽ばたかせ る陣営には金輪際、勝てない。米中のせめぎ合いは日中の戦いでもある。 そのことを念頭に、安倍晋三首相も菅義偉官房長官ももっと発言してよい のである。中国にスパイ容疑で拘束され、情報開示もないまま、有罪判決 を下されていく日本人8人の即時釈放を要求すべきだ。中国の蛮行を許し てはならない。大きな声で抗議すべきなのだ。
『週刊新潮』 2018年12月27日  日本ルネッサンス 第833回


           
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重 要 情 報
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 ◎抱負とは言ったものの中身は願望か:前田正晶

何となく、世間では年頭に当たって抱負を述べねばならないような気配だが、遺憾ながら最早当方には抱負などなく「こうなってくれれば良いのだが」という願いは多々ある。

先ずは一昨年から持ち越した「気象病」と、それがもたらしたのだろう自律神経失調症からの脱出を挙げたい。お陰様で先月辺りからは凝りと全身の筋肉痛対策で毎週のように受けていたブロック注射を受けずとも過ごせるところまで復調(自然治癒?)した。だが、未だ相変わらず週に1〜2度は動きたくなくなる虚脱感が襲ってくる。あれもこれも順調に老化したことが原因かも知れないが、永年お世話になっているSクリニックに毎週のように通わないで済む生活がしたい。

次は前立腺肥大がもたらしているらしい頻尿で、特に夜間における頻発がないようになれば安眠できるので、ここからの脱出が非常に望ましい。三つ目になるのは先月アレルギー性鼻炎ではなく蓄膿症だったと判明した悩みから解放されること。

SクリニックのS医師にご紹介頂いた耳鼻咽喉科に通いだしたお陰で、11
月辺りから始まっていた臭いがない世界からは脱出出来つつあり、あと一歩だと思えるところまで来た。その効果はテイシュペーパーの需要を促進しないで済んでいることか。

最後にして最も重要な願いは(英語の講釈を忘れなければ“last but not the least”などと言うが)「何とか体調が整って、ここから最短でも100分はかかる藤沢市湘南台まで弟がお世話になっている介護付老人ホームに様子を見に行けるようになること」である。昨年の10月辺りからの体調の不備で、とてもあそこまで行く勇気が出なかったし、頻尿も私を引っ込み思案にしていた。更に、国際医療研究センター病院の循環器内科の医長先生に「日頃の行動範囲を逸脱した行動は控えるように」と言われたのも効いていた。

以上のように一寸見た感じではささやかな願いと望みばかりだが、当人には自力だけでは何ともならぬ難関ばかりだと思っている。尤も「復調できるか否かは精神力の問題である」という鋭い指摘をされる方もおられるが。何れにせよ、心身共に努力せねばならない2019年のようだ。兎に角一所懸命にやろう。

 ◎1945年から見てきたアメリカと我が国の関係:前田正晶

私はアメリカの会社に転進した当座はアメリカ対日本の間柄は「親会社と 子会社の関係かな」と思わせられていた。それは、私は早くからアメリカ 人との接触があったので、一般の方々よりもアメリカという国とアメリカ 人には馴染みがあったので、上司や同僚との対話では彼らがそのように見 ていると感じていたのだった。

そこで子会社論だが、新卒で雇って頂いた会社は大手紙パルプメーカー直 轄の販売部門の子会社で「子会社とは如何にあるべきか」を十分に経験し ていた。因みに、そこでは全くアメリカとも英語とも無縁の国内市場向け の営業の仕事を17年続けてきたのだった。

念の為に確認しておくと、私は我が国とアメリカの間には安全保障条約が あって、言わばアメリカの核の傘の下に我が国が保護されているというこ とを否定しようというのではなく、多くのアメリカ人の間には安保条約な どほとんど意識されておらず、多くのビジネスマンたちは1970年代までは 「日本は言わばアメリカの子会社的存在で、親会社であるアメリカの意向 に対しては従順に従うのが当然ではないか」と考えているような印象が濃 厚だった。換言すれば、専門家であるかその関連の仕事をしていない限 り、アメリカ人は安全保障条約には関心が低いのである。

それでは「子会社とは如何なる存在か」を日本的に考察してみよう。私が 親会社の幹部から聞かされた最も極端な(解りやすい?)見方は「資本金 として投資している金額に対して銀行の定期預金を上回る率で配当さえし ていれば良いのだ」であり、子会社としては何とか8%配当をして親会社 の期待に応えていた。別な言い方では、1950年代では手形決済の時代だっ たので、子会社が振り出す約束手形が「日銀再割り適格と認められるよう 努力せよ」というのもあった。

他に子会社を利用する機能としては「決算期となった際に過剰在庫を一時 的に子会社宛に売り上げを立てて在庫を軽く見せる」ということもあった し、市況が好転した際などに先ず子会社に値上げを受け入れさせた形を 採って利益が上がったように見せる事も出来るという具合だ。その他には 一般的には親会社の定年かそれが近くなった管理職の受け入れという大事 な役目があるが、私がお世話になった会社にはそういう天下りは例外的に 少なかったと言える。要するに、子会社は多面的に重宝に使える存在であ ると言えるのだ。

だが、アメリカ側が上記のように日本市場は重宝にというか思うがままに 使えて、アメリカ製品を思い切り売り込めるという目論見は案外に早く崩 れてしまったのだった。私が知る限りの輸出担当マネージャーには「アメ リカの製品ほど優れた紙が出来ていない日本市場が、世界最新鋭のアメリ カの製品にクレームなどつけてくる訳がない」などと真顔で信じ込んでい た者もいた。だが、我が国の印刷・加工技術は短時日でアメリカを凌駕し てしまったのだった。

ある同業他社の担当者が嘆いた「本国では絶対に補償しないようなクレー ムでも受けていかないと、この市場には定着不可能になった」時が巡って きたのだった。しかも、紙パルプ産業界以外では日本市場に「世界最新鋭 のアメリカの設備で製造した世界最高の製品を買わないとは間違ってい る」というセールストークが通用しなくなって、アメリカの対日貿易赤字 がどんどんと膨らむ時代がやって来たのだった。アメリカは輸入依存国に なってしまったのだった。

その陰にはアメリカの自己過信もあるが、四半期決算などに頼る短期的な 視点でしか経済を見られないアメリカの欠陥が出ていたと言える。重ねて 言うと、子会社だったのは40〜50年前の日本対アメリカの輸出入の関係で あり、この点は先日のPrime Newsで猪口孝元東大教授が指摘されていたこ とだった。同氏は「トランプ大統領の対日観はもしかすると、この50年前 の実態というか事情に基づいているのではないか」と指摘されたが、私に 言わせて貰えば「日本子会社論」時代の見方かと危惧する。

それはそれとして、やや不安感があるが、私は今やトランプ大統領をどう のこうのと批判しているべき時ではなく、華為(中華の為という恐ろしい 社名だ)と中興通訊を排除するところまで指示され徹底的に中国と事を構 えようとする姿勢を支持しなくてどうするというのだ。私はアメリカ対中 国の冷戦か熱い戦なのかは知らないが、習近平が猪突猛進して世界に覇権 を求めている危険な状態は、何としても食い止めるべきなのだと信じてい る。それを先導するのはトランプ大統領以外に誰がいるのだ。私はトラン プ大統領礼賛派ではないが、貶している場合ではないと思う。



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身 辺 雑 記
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2日の東京湾岸も快晴。

真冬なのに東京は連日の晴天。生まれ育った秋田の冬は連日の吹雪。飛ば されて川に落ちそうになったこともある。そんなことを思い出すと冬だけ 東京は天国だ。

                           読者:5587人
                           



       




       
       

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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