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頂門の一針

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頂門の一針4898 号  2018・12・19(水)

2018/12/19

                        
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4898号
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       2018(平成30)年  12月19日(水)



          インフルエンザの常識・非常識:石岡荘十

          南アジアは「インド経済圏だ」:宮崎正弘    

       友好の中でも、中国に塩を送り過ぎるな:櫻井よしこ

         

                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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インフルエンザの常識・非常識
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        石岡 荘十


正直言って、「インフルエンザとは何か」、関心を持って集中的に学習し 始めた。まず気がついたのは、今までインフルエンザに関して持っていた 知識・感覚、“常識”が、いかにいい加減で、非常識なものだったかという ことである。

と同時に、専門家の話をきいたり本を読んだりすると、ことによると国家 を滅亡させる引き金ともなりかねないほどの猛威を振るう“身近な”病につ いていかに無知であるかを思い知らされる。

まず、

・病名について、である。

「インフルエンザ」はなんとなく英語のinfluenceから来たものと思って いたが、その語源はイタリア語の「天体の影響」を意味する「インフルエ ンツァ」であった。中世イタリアでは、インフルエンザの原因は天体の運 動によると考えられていたからだそうだ。

・「スペイン風邪」は濡れ衣

歴史のなかでインフルエンザを疑わせる記録が初めて現れるのは、もっと ずっと前の紀元前412年、ギリシャ時代のことだったという。その後もそ れと疑わせるインフルエンザは何度となく起こっているが、苛烈を極めた のは1580年アジアから始まったインフルエンザで、全ヨーロッパからアフ リカ大陸へ、最終的には全世界を席巻し、スペインではある都市そのもの が消滅したと記録されている。

より詳細な記録は1700年代に入ってからで、人類は以降、何度もパンデ ミック(世界的大流行)を経験している。なかでも、史上最悪のインフル エンザは「スペイン風邪」である。

というとスペインが“震源地”、あるいはスペインで流行ったインフルエン ザだと誤解されがちだが、発祥は、じつは中国南部という説とアメリカの どこかで始まったという説がある。

が、確かなことは1918年3月、アメリカ・デトロイト、サウスカロライナ 州、そして西海岸で姿を現したということだ。

その頃世界は第1次世界大戦の真っ只中にあり、アメリカからヨーロッパ 戦線に送られた兵士を宿主としたウイルスがヨーロッパ席巻の端緒を開い た。大戦の当事国は兵士が病気でバタバタ倒れている事態を隠蔽し続けた といわれる。
ところが参戦していなかったスペインでは情報統制を行わなかったため、 大流行がことさらフレームアップされ伝わったのではないか、と推測され ている。「スペイン風邪」はとんだ濡れ衣なのである。

・第二波の毒性をなめるな

スペイン風邪の猛威は、その後2年間、第2波、第3波---と毒性を強めな がら津波のように襲い掛かり、猖獗を極めた。第2波の初期、アメリカ東 海岸から公衆衛生担当者が国内担当者に送ったアドバイス。

「まず木工職人をかき集めて棺を作らせよ。街にたむろする労働者をかき 集め墓穴を掘らせよ。そうしておけば、少なくとも埋葬が間に合わず死体 がどんどんたまっていくことは裂けられずはずだ」(『アメリカ公衆衛生 学会誌』1918)積み上げられた死体の山を「ラザニアのようだ」と表現す るほどだった。

毒性が弱い新型インフルエンザの場合はこんなことにはならないと言うの が今の見方だが、少なくとも秋口と予想される第二波がこの春よりはるか に強烈なものとなる可能性は否定できない。これが常識である。なめては いけない。

・「寒い地域の病気」はウソ

つい先だってまで、インフルエンザは寒いところで流行るもの、と思い込 んでいた。ただ、それにしては夏になってもじりじりと患者が増え続ける のはどうしたことか。そこで、先日「ウイルスは季節に関係なく拡散して いるのではないか、と疑わせる」と根拠もなく書いたが、最近の定説は私 の山勘どおりだった。

インフルエンザは熱帯地域でさえ年間を通して穏やかに流行っている。だ が熱帯ではマラリアやデング熱など、臨床症状がインフルエンザに似てい るので、インフルエンザと診断されなかった可能性が否定できないとい う。人口当たりの死亡率は温帯・寒帯地域より高いという報告さえある。


日本では、新型インフルエンザは冬であるオーストラリアなど南半球に 移っていったという一服感が支配的だ。世界中で笑いものになった日本の あの“マスクマン”も見かけなくなった。マスコミもあの騒ぎをお忘れに なってしまったようだ。

しかし、ウイルスは日本だけでなく北半球のイギリス、ドイツでも決して 衰えてはいとWHO(世界保健機関)に報告している。いまや新型インフ ルエンザは「地域の寒暖に関係なく1年を通して穏やかに流行している」 というのが常識である。

記憶に新しい水際検疫作戦は、世界の非常識だったことを最近になってし ぶしぶ認め、方針転換に踏み切ったが、日本国内の企業は秋口に備えてマ スクの買いだめに走っている。

やはり、この際の世界の常識は、WHOのホームページで確認するしかな いと私は考えている。

   
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南アジアは「インド経済圏だ」
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)12月17日(月曜日)
          通巻第5919号  
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 南アジアは「インド経済圏だ」。静かに捲土重来を期すニューデリー
  モルディヴ大統領がモディ首相と会見、当選以来初の外国訪問はイン ドだった
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モルディヴの新大統領ソリは、12月16日にニューデリー入りした。
親中派のヤミーン前大統領を大差で破って、大統領ポストを射止めたソリ は、初めての外遊先を中国ではなく、インドとした。このことは、南アジ アにおける地政学の地殻変動を物語る。

 ソリは12月17日にニューデリーでモディ首相らとインド政府要人と 会見し、18日にタージ・マハールを見学後、帰途につく予定。

 モルディヴは、空港拡張工事、並びに首都マーレと海の上を結ぶ海上橋 梁など合計13億ドル(モルディブのGDPは30億ドル)の「借金の 罠」に落ちて、南の珊瑚礁にある印度空軍基地を追い出す構えにあった。 背後に中国の暗躍があり、中国は借金のカタにモルディブの16の岩礁を 借り受け、突貫工事で埋めたてて人口島を建設し、軍事基地かする野望が あった。

 モルディブは、この中国からの借金の返済に窮しており、先例は隣国ス リランカが、借金を返済できずにハンバントタ港を99年にわたる中国の 租借を認めざるを得なかったように、先にこの財務問題を解決する必要が ある。

ソリはインドからの立て替え返済を要求しており、インドは捲土重来を 期すために相当大胆な措置を講じるだろうと予測される。

前述スリランカにおいても親中派ラジャパクサ元大統領の首相への返り 咲き「政変」は、七週間にわたる国会の紛糾後、最高裁勧告によりラジャ パクサ元大統領は首相就任を断念した。背後にインドのロビィ工作があっ たことは明らかである。

インドが次に対策を講じるのは中国と国境紛争をかかえるブータンへの 梃子入れ。

そしてマオイスト政権に転覆し反インド姿勢を鮮明にしているネパール、 さらにはミャンマーとの国境近くに位置するチッタゴン港の近代化工事と 開発を中国企業が行っているという安全保障上の脅威の存在。

実質的には、それほどの中国の進出ぶりを脅威視しており、南アジアの地 域リーダーとしての立場を回復するためにも、インドは静かな影響力行使 を続けている。
       
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1828回】              
 ――「只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に満たされて居る」――諸橋 (1)
諸橋徹次『遊支雜筆』(目?書店 昭和13年)

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諸橋轍次(1883年〜1982年)といえば、1925年から72年まで37年の歳月 をかけて『大漢和辞典』(全15巻)を完成させたことで知られる漢学者で ある。

『遊支雜筆』の出版は盧溝橋事件勃発の翌年だが、冒頭の「小序」によ れば「今皇軍が朝な夕な君國の爲に勇戰奮鬪して居らるるところ」には、 大正7(午)年、9(申)年、10(酉)年の3回にわたって訪れている。 かつて見聞した「遺跡が、今度の事變によつて如何樣に轉變するかは豫斷 を許さぬ」。だが変化したとして「此のささやかな記録でも、後日訪古の 資料となることもあらう」と、出版社から声を掛けられたこともあって、 「敢えて20年前の殘夢を茲に公にすることにした譯である」そうな。

世界最初の本格的漢和辞典作りに37年も取り組み、しかも完成寸前を戦 災で焼かれながら再度取り組み、殆んど失明寸前まで目を酷使しながら完 成させたという謹厳実直を絵にかいたような漢学者であるだけに、これま でに見た政治家や経済人などとは違った視点からの記述がみられる。

 3回の旅行記を合わせたものだが、じつは何年に旅行した時のものな の か必ずしもハッキリしない。そこで敢えて年代は記さないことにし、大 正7(1918)年、大正9(1920)年、大正10(1921)年の4年間に跨る旅 行記として見ることにした。

 ここで当時がどんな時代であったかを知っておくのも、旅行記を読み進 むうえで参考になろうかと思うので、簡単に記しておく。

 先ず日本だが、シベリア出兵、米価暴騰をキッカケとして富山から関西 各都市に米よこせ運動が拡散、第1次世界大戦休戦条約が成立し、西園寺 と牧野を講和使節としてパリに派遣(大正7年)。パリにおける講和条約 調印、シベリア撤兵開始、普通選挙論台頭(大正8年)、「尼港事件」発 生を受け同地占領、経済恐慌発生(大正9年)、ワシントン軍縮会議、

安 田善次郎・原敬暗殺(大正10年)。一方の中国は激動が続いた時代だ が、 後への影響を考えるとロシア革命の影響を受け雑誌『新青年』を軸 にして 新文化運動が活発化(1918年)、五・四運動(1919年)、陳独秀 による社 会主義青年団組織(1920年)、中国共産党の成立、孫文大総統 就任(広東 政府成立)と孫文・マーリン会談(1921年)――まさに物情騒 然たる時代の 中で諸橋は大陸を旅行したということになる。

「一度支那の地に遊んだ人は屹度同じ感じに打たれて歸ります」と、印 象的な書き出しだ。

「傾いた古塔や破れた城壁に充たされた支那の各地を旅行しますと、萬人 が萬人、皆破國(亡國ではありません)の俤といふ淋しい印象を抱くので あります」。田舎、「或は過去の都跡といふ樣なところへでも參ります と、其處には何一つ生き生きした氣分はありません」。まさに「一圓の光 景は只敗殘と、荒涼と、そして寂寞との空氣に滿たされて居るのです」と いうから、諸橋が目にした光景は陰々滅々としたものだったらしい。

水の都と讃えられる蘇州で孔子廟を訪ねると、「驚くことには牀板一圓 は鳥の糞ではありませんか。梁の上、額の裏、無數の蝙蝠が飛びあるい て、(中略)どう見てもお化け屋敷としか思はれぬのであります」。聖人 中の聖人を祀る孔子廟の無残な姿が凡てを表している。

 歴史の長い名刹は「殆んど豫想の外に淋しい感じが湧いてゐます」。 「其處に僧が居ります。僧といつても乞食より汚い」。かくして「異國の 旅人には只何となく、『こゝは破國である。こゝに來たものは破國の淋し い俤を偲ばなければならぬ』といふ囁きが聞えるやうな氣がするのであり ます」。

 それにしても旅行の初っ端から諸橋が目にした光景は、無残極まりな い。幕末以来の旅行記で亡国といった表現は数多く目にしたが、「破國」 の2文字は初めてだろう。

      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)宮脇淳子氏との対談本『本当は異民族がつくった!  虚構 国家中国の真実』

と宮脇氏の著作『モンゴルの歴史〜遊牧民の誕生からモンゴル国まで』 の読了後感です。

この対談本は2015.12発行の『中国壊死 〜百年変わらない腐敗の末 路』 の改題版。『中国壊死』は発売直後に既に読了していた。たまたま宮 脇 淳子氏の著作『モンゴルの歴史〜遊牧民の誕生からモンゴル国まで』を 読了したタイミングで宮脇淳子氏との、この対談本の出版を知り、即 AMAZONにて予約購入・読了したばかり。

本書は前著の内容を殆ど変更せず改題したとのことであるが、その内容 の鮮度とともに面白さも失なわていない。3年前にはまだトランプ 大統 領は存在せず、習近平も「はえとトラ叩き」つまり政敵の排除 作業中で あり、独裁体制は未確立だった。

3年前の12月発行の前著ではその直前11月に習近平が発表した一帯 一 路構想への言及は無理だったとしても、AIIBのシナの意図 (鉄とセメ ントなどの過剰生産物の一掃と過剰労働力の転用)を正確に捉 え、その末 路を予言されているのは、さすがチャイナウォッチャー としての宮崎先 生の面目躍如と言える。

宮脇氏のモンゴル学者としての著作『モンゴルの歴史』もすでに11月 24日の本メルマガで宮崎先生も書評済みであるが、小生も本対談本の読 了前に丁度読み終えたばかりである。

余談ながら、本書を図書館で借り出したところ巻頭に宮脇淳子氏から奥 山篤信氏への謹呈のサインがあり、奥山氏が図書館へ贈呈されたも のと 思われる奇縁に恵まれた。   

本書はモンゴルの古代から現代まで の通史として、恐らく世界に一冊し かない世界的偉   業と言える。こ の偉業も師であり夫君である岡田 英弘氏の存在が大きく寄与しているのであろう。

岡田英弘と言えば、かって王岐山が岡田氏の著書を絶賛し、人にも読むこ とを薦めたという。嘘に嘘を重ねたシナ人自身の書く歴史ではなく、日本 人の書いた本当の歴史に現代のシナ人指導者も魅了されたのだろうか。

岡田氏、宮脇氏ともに世界的歴史学者であることはシナ人も認めるとこ ろだが、日本のいわゆる東洋史学界という左翼に支配された閉鎖集団から は両氏とも無視され村八分状態だったとは、宮脇氏自身の講演でも 耳に した。

日本の東洋史学が司馬遷の「史記」や歴代王朝の歴史書という嘘に嘘を 重ねた資料を金科玉条としており、現代でも毛沢東が政治的に改竄 した 通りの中国近現代史を教科書にしといると宮脇氏も指摘されて いる。
日本の東洋史学会という蛸壺学会の未来は中共の消滅と運命を共にするし かないのかも知れない。

なおモンゴルがあの時代に中央アジアからヨーロッパにまたがる世界帝国 を築き得たのは何故かという疑問に対する小生の答えはこうである。
まずモンゴル騎兵の強さは勿論であるが、歴代ハーンが征服地の略奪を許 したことが最大の理由だろう。略奪には食料だけでなく、婦女子が含まれ る。これで血気に逸る若い騎兵たちの食欲と性欲は存分に満たされたろう からである。
(ちゅん)。

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(読者の声2) 貴誌前第5918号の書評:北影雄幸『天皇論の名著』 で、 「天皇制廃止論をかくと期待して岩波書店」とありますが、現在の政府も その傾向があると思われる。

『天皇陛下の御退位に伴う式典についての考え方(案)』を読むと、正殿 「松の間」見取り図に、天皇に総理が対峙している。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/taii_junbi/dai2/siryou2.pdf

総理でなく、今上陛下が新天皇に譲位の旨を伝えれば、儀式は一日で終 わる。それなのに、譲位でなく退位させることの意志が明白である。現行 憲法第一条に「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とある から、「譲位」などと勝手なことは許さない、国民の代表である総理が 「退位」の寿詞を述べる以上のことを友人に話したら、キチガイ扱いされ ました。(TA生、川崎市)

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(読者の声3)週末の読書で、宮崎正弘さんの「青空の下で読むニーチェ」 を読む。途中ではあるがめちゃくちゃ面白い書物だ。大学生時代にニー チェを生半可に齧った覚えがあるが、宮崎さんのこの本を読んでニーチェ の深さにハマって「知的極楽感」を満喫している最中。絶対お勧めの一冊 (石平)

      

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友好の中でも、中国に塩を送り過ぎるな
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                          櫻井よしこ

米中新冷戦が進行する中で、対米関係で窮地に陥った中国との日中首脳会 談が10月26日に行われた。これまでの首脳会談では、およそいつも日本が 攻めこまれていた。今回は初めて日本が中国に注文をつけ得る立場で臨ん だ。安倍晋三首相は日本優位へと逆転したこの状況を巧く活用したと、評 価してよいだろう。

日中間には日本国の主権に関わる案件として尖閣諸島や東シナ海のガス田 問題等がある。日本の名誉に関わるものとして慰安婦問題をはじめとする 歴史問題がある。安全保障及び経済問題として、米国共々膨大な被害を 蒙っている最先端技術や情報などの知的財産の窃盗問題がある。事実この 問題ゆえに、米国は中国に貿易戦争を仕掛けた。同盟国との協調という点 からも、日本が中国に厳しく言わなければならない立場だ。

産経新聞外信部次長の矢板明夫氏は、これらに加えて人権問題こそが最重 要案件だと指摘する。
「米国議会は共和・民主の超党派で、イスラム教徒のウイグル人100万人 以上が強制収容され、拷問や虐待で多くが死に追いやられている現状を指 摘し、中国政府の行為は人道に対する罪だと主張しています。安倍首相 も、ウイグル人に対する人権弾圧について習近平国家主席に抗議すべきで す。その前に8人の日本人に対する人権弾圧に抗議すべきです」

中国政府は日本人8人をスパイ容疑で逮捕しているが、どう見ても彼らが スパイであるとは思えない。百歩譲って、たとえスパイであったとして も、彼らは日本のために働いたのであるから、安倍首相は彼らの早期釈放 を中国側に求めるべきだと、矢板氏は強調する。

中国政府はこれまで何人もの日本人をスパイ容疑で逮捕してきたが、逮捕 された人々が本当にスパイであると納得できる十分な情報を日本側に提示 したことはない。「日本人スパイ」の摘発は政治的要素が大きいと指摘さ れているだけに、安倍首相は同件をまっ先に持ち出さなくてはならないと の指摘は正しい。

日中外交の重要な転換点
今回安倍首相は李克強首相との会談でウイグル人弾圧に関して、「中国国 内の人権状況について日本を含む国際社会が注視している」と注文をつけ た。中国政府の血走った人権弾圧を明確に問題提起したことは、これまで の対中外交にはなかった。

日中外交の重要な転換点となるだろう。
邦人8人の安全についても、習氏との会談で前向きの対応を求め、「中国 国内の法令に基づき適切に対処する」との言葉を引き出した。恐らく、早 期の解放が期待されるのではないか。

尖閣諸島問題については、中国公船が尖閣の排他的経済水域(EEZ)に 侵入し続けていることについて状況改善を要求した。
中国が海警局を設置して、尖閣諸島周辺海域への侵入を激化させたのは
2013年だ。

今回の首脳会談は海警局の公船がわが国の海に侵入し始めて以降、初めて の公式訪問だ。この機会に何も言わなければ、中国の領海侵犯を黙認する ことになる。首相が状況改善の要求をつきつけるのは当然なのだが、非常 に大事なことだった。

首脳会談の発言は、その後の外交の基本となる。首相が指摘した件は今 後、日中間の議題となり続ける。とりわけ、習氏の来年の訪日は今後の日 中関係における重要事項だ。さまざまな条件が話し合われるとき、尖閣の 海の状況改善という日本の要求は、必ず取り上げられ続ける。

中国側の無謀、無法な侵入をその度に批判し続けることが大事だ。
知的財産権についても、安倍首相は習、李両氏に問題提起した。興味深 かったのは、知的財産権について更なる改善を図ることが重要だと安倍首 相が中国側に求めたその席で、安倍、李両首相が高齢化社会への対応につ いて大いに話が合ったという点だ。

つまり、知的財産権の侵害という根本的かつ最重要の厳しい問題を提起し ても、日中首脳の対話が盛り上がった、波長が合ったということは評価し てよいのではないか。

中国の少子高齢化は、日本よりもはるかに厳しい。わが国は高齢国家の最 先端を走っているが、国民皆保険も、年金制度や福祉制度も一応整えてい る。中国はこれらの準備が殆んど整わないまま、世界最大規模の少子高齢 化を最速で迎える。

富裕層以外の中国人をざっと10億人とすると、彼らの老後は真に厳しく惨 めなものとなると予測され、大国中国の土台を蝕む要因となる。
中国経済の舵取り役である李氏が大いに参考にしたいのが日本の事例であ るに違いない。そして、多くの人は忘れているかもしれないが、安倍首相 はもともと厚生族だ。

社会保障や年金制度について恐らく誰よりも詳しい。その安倍首相の話 に、習氏よりずっと合理的な思考の持ち主だと言われる李氏は、熱心に耳 を傾けたに違いない。両首脳の話が弾んだのは、今後の日中関係に一筋の 明るい光を投げかけている。

米国はどう受けとめるか
他方、懸念すべきは一帯一路への日本の協力である。一帯一路は「第三国 民間経済協力」と名前を変えて登場し、日本の企業各社がコミットしたか に見える。

日中双方の企業が共同で第三国にインフラ投資をするという覚書が52件も 交わされ、その合計金額は180億ドル(約2兆160億円)と報じられた。

さらに、安倍首相は3兆円をこえる大規模通貨スワップ協定を結んでし まった。3.1兆ドル(約348兆円)の外貨を保有するといいながらも、対外 負債を引くと中国の外貨準備は実質マイナスだ(『産経新聞』10月26日、 田村秀男氏)。

スワップ協定が実際に発動されるような事態とは、中国経済が潰滅状態に 陥るということで、スワップ協定は政治的な意味合いが強いものの、習氏 は日本の姿勢を心強く思うだろう。

片や中国と冷戦を戦い、中国の力を殺ぎたいと願う米国はどう受けとめる か。日本にとって米国は最重要の国だけに、米国への事前事後の説明とそ の理解が欠かせない。

新冷戦の中での日本の生き残りの必須条件は、同盟国であり価値観を同じ くする米国との関係を緊密に保つことだ。他方、中国は共産党が潰れない 限り恐らく本質的には変わらない。

日本の路線とも決して交わることはない。だからこそ、中国とは必要な関 係は維持しつつも、彼らに塩を送り過ぎないことだ。
日本も米国も、旧ソ連でさえ、中国が演じ続けた「か弱い存在の振り」を

信じて中国を援助してきた。だが彼らは十分に自力をつければ、助けてく れた国に対しても牙を剥く。安倍首相と日本への厳しい非難から笑顔へと 急転換した中国の思惑は明らかだ。彼らの笑顔はうすい表面の皮一枚のも のと心得て、日本は戦略を読み違えてはならない。中国への過度の肩入れ は国益を損なう。


                      
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重 要 情 報
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 ◎気が付けば今年最初の大学フットボールの試合観戦だった:前田正晶

佐藤隆一さんには申し訳ないのですが、早稲田の実力負けに終わりまし た。今年は学院出身者が多かったことが良くなかったようです。

何分にも、長年支持してきた日本大学フェニックスが出場しない関東大学 リーグ戦を見に行く意欲もなかったし、未だにマイナースポーツの域を脱 し切れていないフットボールでは、甲子園ボウルまでテレビ中継もないの では観戦がなかったのは当然だったかも知れない。

16日はNHKがラグビーを優先した結果なのだろうかBSになってしまった甲 子園ボウルを見ていた。試合が始まって気が付いたのだが、何処で何に注 目すべきかが思い出せずにボンヤリと関西学院大学ファイターズの最初の オフェンスを眺めていた。

ここで試合の結果も述べておけば、37対20で関学の勝利だった。面白かっ た点はタッチダウンの数では4対3の僅差だったことか。

この辺りで気付いたのだが、今では関東ではなく東日本の大学を代表して 出てきたのが、早稲田大学ビッグベアーズだったことだった。後難を恐れ て忌憚のないことを言えば、フェニックスがいないリーグ戦をかなり苦し んで勝ち上がってきた早稲田では、立命館大学パンサーズを相手にして例 年のような激戦を切り抜けてきたファイターズに分があるのだろうと考え ていた。と言うか、両校とも見たこともなかったにも拘わらず「ファイ ターズの勝ち」と閃いていた。

昨日の内から多くの新聞とテレビが「悪質タックルの被害者の奥野選手が MVP」と騒ぎ立てていたが、確かに2年生QBの奥野は如何にも関学らしい巧 みなクオーターバッキングを見せていた。ここで本筋を離れたことを言っ ておくと「あれは奥野は既にボールを持っていなかったし、プレーも終 わっていたので『悪質タックル』と言うよりも『レイト・ヒット』と言う か『遅れたクオーターバックへのチャージ』と称する方が正確だろうし、 責任は悪質だったあのプレーを指示した監督とコーチにある」と思っている。

本論に戻ろう。関学は最初のシリーズで綺麗なタッチダウン(TD)を獲っ て奥野を中心にした攻撃力を見せて、関学の優勢を見せつけた。早稲田も 負けずに直ぐに綺麗に一本獲って同点に持ち込んだが、前半はこの一本に 終わって実力差を見せつけられてしまった。私は矢張り「西高東低」の流 れは変わっていないと感じていた。特に目立ったのが、早稲田は解説者の 元立命館大学監督の米倉が再三指摘していた関学オフェンスの定番的なラ ンプレーを止め切れていなかった辺りは、スカウティング不足か準備の不 足かと疑わせてくれた。

残念ながら、所詮は早稲田は関学の敵ではなかったようで、アナウンサー がしきりに強調したハワイ出身の優秀な日系人(なのだろう)レシーバー も結局は関学の準備万端のデイフェンスに勝てなかった。早稲田の主将は 率直に「実力差」を認めていたが、遺憾ながらその通りだと思う。私には 早稲田のベンチは最後まで「どれが出るプレー(ヤードを獲得できるとい う意味)かを見極めていなかったようだし、デイフェンスでは関学の変幻 自在のプレーコールに対応できていなかったように見えた。

それもこれも、早稲田は強敵がいなくて緩い関東のリーグ戦での王者に過 ぎなかったのだという気がしてならない。こんな事を言っているのは、矢 張りフェニックスが出場停止となったことに対する繰り言に過ぎないと 解っている。そのフェニックスは2019年には甲子園ボウルには出られるこ とがない往年の2部からの再出発になるのだ。それにしても、早稲田は何 で左投げのQBばかりを養成してく
 ◎アフリカ系アメリカ人の身体能力を見せつけられた:前田正晶

17日夜は、これも矢張りNHKがBSでしか中継しようとしないフットボール のジャパンXボウルの試合を観戦していた。そこで掲題のように「今更な がらアフリカ系アメリカ人の優れた身体能力と運動神経」をイヤと言うほ ど見せつけられた結果になった。あの富士通フロンテイアーズ対IBMビッ グブルーの対戦は、私が日頃から疑問を呈しているというか「何故日本人 だけのクラブがないのか」というラグビーのトップリーグか日本代表と同 じような外国人依存の傾向が今までより一層顕著になっていた。

私は事ラグビーに関してはそれを回避して欲しいとは言っていないのであ り、日本人だけのテイームを結成したら世界に何処まで通用するかが見た いだけなのである。ラブビーの場合には所謂アフリカ系の選手は少ない が、野球、陸上競技(マラソンを含めて)、バスケットボール、ヴァレー ボール等々ではアフリカ系の人たちの存在というか、その類い希な身体能 力、体幹の強さ、(生まれ持った?)運動神経の発達が近年益々スポーツ の世界を圧倒し始めているのだ。

フットボールはそもそも我が国では頭に「アメリカン」という、私に言わ せて貰えば要らざる接頭語が付けられているが、アメリカが発祥の地であ る競技なのでその水準はNFLが示すように、我が国とは比較できないほど 高いところにある。それだけではなく、NFLでも大学のNCAAにも多くの優 れたアフリカ系の選手たちがいるのも事実である。NFLの水準がどれほど 高いかといえば、未だ嘗て我が国の最高水準にある選手たちでも、その リーグのテイームに採用された例がないことからも明らかだ。

言葉を換えれば、そのNFLには採られなかったような白人を含めたアメリ カ人の選手が我が国にやって来て大学やXリーグなどでプレーすれば、少 なくとも我が国の水準からすれば「超」を付けても良いだろう水準にある 事を示す活躍をするのである。その良い例が昨夜の試合でMVPを獲得した 富士通のトラショーン・ニクソンというアフリカ系ランニングバック (RB)は言うなれば2〜3試合分とでも言えるような「ランプレー」による ヤード数を稼いでいた。IBMのデイフェンスは最後まで彼を止めきれな かったのだった。

しかも、このニクソンという選手は昨年までは「ラインバッカー」(だっ たか)という守備側のプレーヤーだったのだが、その才能を見抜いた藤田 ヘッドコーチが攻撃側のRBに転向させてその能力を開花させたのだそう だ。げに恐ろしきはアフリカ系の選手たちの適応能力と身体能力だと痛感 させてくれた走りっぷりだった。富士通ではそのニクソンを上手く使った QBも新加入の白人のアメリカ人だった。またIBMのヘッドコーチ兼QB兼オ フェンスコーデイネーターも白人だった。私はラグビーとは違った意味 で、今度益々アメリカ人を採用してテイームの強化を図る傾向が出てくる だろうと思いながら眺めていた。

そういう視点から17日夜の試合を見ていると、フットボールのように外国 人 (アメリカ人という方が正確だろうが)を採用する傾向が出てくるだ ろう が、既にバスケットボールではアメリカの大学でレギュラーを張っ ている 八村のようなアフリカ系の父親を持つ選手が抜群の才能を発揮し ている。 陸上競技のトラック種目には既に2人の何時かは10秒を切るだろ うと期待 されるアフリカ系の父親を持つ100 m走者が出ているではないか。

私はこのような現象と17日夜のフットボールの試合を見て、スポーツの世 界 では(陳腐な表現だが)選手の国際化が蔓延していくのではないかと 思わ せられていた。言うなれば「時代の変化」だろうし、「止められな い次元 に達した時の流れ」なのである。私は外国人選手が増えることに 色々と批 判的なことを言うが、昨夜のトラショーン君のような素晴らし いランプ レーを見せて貰えるのならば、それを単純に「素晴らしい」と 割り切って 楽しんで見ていれば良いのかも知れないとも考えている。

私だって時代には逆らわないようにする心の広さだって用意して観戦する 意志だってあるつもりだ。アメリカに行ってご覧なさい。プロスポーツの 世界の有名な選手は能力抜群のアフリカ系が圧倒的であり、そこではまた 彼らが素晴らしいプレーを見せてくれるのだ。アメリかではスポーツは素 晴らしい「エンターテインメント」の世界でもあるのだ。


 ◎この「頂門の一針」は、大変高度な、内容の濃いメールマガジンです が、読者の数が、5,587名から増えないのはとても残念です。

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主宰者より:ありがとうございます。


 
 ◎アフリカ系アメリカ人の身体能力を見せつけられた:前田正晶

17日夜は、これも矢張りNHKがBSでしか中継しようとしないフットボール のジャパンXボウルの試合を観戦していた。そこで掲題のように「今更な がらアフリカ系アメリカ人の優れた身体能力と運動神経」をイヤと言うほ ど見せつけられた結果になった。あの富士通フロンテイアーズ対IBMビッ グブルーの対戦は、私が日頃から疑問を呈しているというか「何故日本人 だけのクラブがないのか」というラグビーのトップリーグか日本代表と同 じような外国人依存の傾向が今までより一層顕著になっていた。

私は事ラグビーに関してはそれを回避して欲しいとは言っていないのであ り、日本人だけのテイームを結成したら世界に何処まで通用するかが見た いだけなのである。ラブビーの場合には所謂アフリカ系の選手は少ない が、野球、陸上競技(マラソンを含めて)、バスケットボール、ヴァレー ボール等々ではアフリカ系の人たちの存在というか、その類い希な身体能 力、体幹の強さ、(生まれ持った?)運動神経の発達が近年益々スポーツ の世界を圧倒し始めているのだ。

フットボールはそもそも我が国では頭に「アメリカン」という、私に言わ せて貰えば要らざる接頭語が付けられているが、アメリカが発祥の地であ る競技なのでその水準はNFLが示すように、我が国とは比較できないほど 高いところにある。それだけではなく、NFLでも大学のNCAAにも多くの優 れたアフリカ系の選手たちがいるのも事実である。

NFLの水準がどれほど高いかといえば、未だ嘗て我が国の最高水準にある 選手たちでも、そのリーグのテイームに採用された例がないことからも明 らかだ。

言葉を換えれば、そのNFLには採られなかったような白人を含めたアメリ カ人の選手が我が国にやって来て大学やXリーグなどでプレーすれば、少 なくとも我が国の水準からすれば「超」を付けても良いだろう水準にある 事を示す活躍をするのである。その良い例が昨夜の試合でMVPを獲得した 富士通のトラショーン・ニクソンというアフリカ系ランニングバック (RB)は言うなれば2〜3試合分とでも言えるような「ランプレー」による ヤード数を稼いでいた。IBMのデイフェンスは最後まで彼を止めきれかっ たのだった。

しかも、このニクソンという選手は昨年までは「ラインバッカー」(だっ たか)という守備側のプレーヤーだったのだが、その才能を見抜いた藤田 ヘッドコーチが攻撃側のRBに転向させてその能力を開花させたのだそう だ。げに恐ろしきはアフリカ系の選手たちの適応能力と身体能力だと痛感 させてくれた走りっぷりだった。富士通ではそのニクソンを上手く使った
QBも新加入の白人のアメリカ人だった。またIBMのヘッドコーチ兼QB
兼オフェンスコーデイネーターも白人だった。私はラグビーとは違った意 味で、今度益々アメリカ人を採用してテイームの強化を図る傾向が出てく るだろうと思いながら眺めていた。

そういう視点から17日夜の試合を見ていると、フットボールのように外国 人(アメリカ人という方が正確だろうが)を採用する傾向が出てくるだろ うが、既にバスケットボールではアメリカの大学でレギュラーを張ってい る八村のようなアフリカ系の父親を持つ選手が抜群の才能を発揮してい る。陸上競技のトラック種目には既に2人の何時かは10秒を切るだろうと 期待されるアフリカ系の父親を持つ100 m走者が出ているではないか。

私はこのような現象と昨夜のフットボールの試合を見て、スポーツの世界 では(陳腐な表現だが)選手の国際化が蔓延していくのではないかと思わ せられていた。言うなれば「時代の変化」だろうし、「止められない次元 に達した時の流れ」なのである。私は外国人選手が増えることに色々と批 判的なことを言うが、昨夜のトラショーン君のような素晴らしいランプ レーを見せて貰えるのならば、それを単純に「素晴らしい」と割り切って 楽しんで見ていれば良いのかも知れないとも考えている。

私だって時代には逆らわないようにする心の広さだって用意して観戦する 意志だってあるつもりだ。アメリカに行ってご覧なさい。プロスポーツの 世界の有名な選手は能力抜群のアフリカ系が圧倒的であり、そこではまた 彼らが素晴らしいプレーを見せてくれるのだ。アメリかではスポーツは素 晴らしい「エンターテインメント」の世界でもあるのだ。

 ◎社会的常識の欠如した団体を蘇生させるには:前田正晶

この件名をカタカナ語にすれば「ガバナンス」辺りになってしまうかも知 れない。実は、近頃色々と問題にされたというか話題になった、相撲界の 貴の岩騒ぎと体操協会の「パワハラとは認定できない」問題のことを言い たいのだ。

私は1950年代末期から「相撲界は江戸時代からの歴史と伝統に輝く独自の (興行の)世界であり、彼ら独特の文化(言語・風俗・習慣を指す)を 持った集団であるので、我々が住む一般社会の常識から彼らを批判した り、彼らの言動のおかしさを云々しても意味がないのである」と唱えてき た。それだけに止まらず、あの興行の世界を「スポーツ扱いするのも誤り である」と主張してきた。

だが、この主張も意見も一向にマスコミに採り入れられることも、また大 きく採り上げられることなく60年以上も経ってしまった。私が指摘してき たことは、「その世界に中学を出た頃に弟子入りし、大人になるまでその 文化だけに接し来て成長し、大力士になった者たちの成れの果てが協会の 理事等の幹部なのだから、一般人の常識とはかけ離れた感覚しか備わって いない」ということだ。その世界では、現在では「暴力」という範疇に入 れられて社会的にも「悪」とされてしまった「殴ること」は教え方の手法 として存在してきたようなのだ。

そういう独自の文化を持つ歴史と伝統の世界で起きた「殴打事案」を地上 最悪の暴挙の如くに捉えて、貴の岩の「「殴打事件」を連日採り上げてマ スコミは騒ぎ、結局は引退せざるを得ないように追い込んでしまった。即 ち、彼ら独自の文化の中で起こった日常茶飯事のようなものかも知れぬ、 彼らが言う「可愛がり」的な行為を刑事犯罪のように一般社会の常識から 断じていたのは、私には滑稽に見るし、相撲界から言わせればもしかす ると「要らざる介入」だったかも知れないのだ。

この辺りに私が近頃推奨しているスポーツ界の上部団体の運営担当者には 「その競技の世界しか知らない過去の名選手を当てるのではなく、何 も アメリカの有名私立大学のビジネススクールでMBAポーツ選手を取得し て きた秀才を起用するまでの必要もないだろうが、せめて元選手であって も大企業で組織の長としての経験を積んできた者を起用すべきではない か」をあらためて推薦したいのだ。とは言っても、この高尚なる理想論は 相撲協会には通用することはないと思っている。

そこで、提案したいのは「体操協会の組織を運営する幹部にこそ上記のよ うな人物を当てるべきだ」ということだ。あの第三者委員会が「塚原夫妻 にはパワーハラスメントに該当する行為も言動もなかったと結論を出し た」という文章を自信なさげに読み上げていただけの専務理事は漫画以上 に滑稽だったし醜態だった。何処にも彼というか協会の意見も判断もなく なく、どれだけ体操界に通じているかも解らないような第三者という名の 弁護士の出した結論を朗読しただけだった。解りやすく言えば「無能」 だった。

ここでも「だから言ったじゃないか」と言ってやりたいのだ。営利事業で ある株式会社という組織の中で実務を担当したことも、組織の長として部 下を指揮した経験もない者たちを、過去の実績だけで理事だの常務に任命 するから、あのような事態を引き起こすのである。繰り返し指摘して来た ことだが、サッカー協会の優れた点は運営の責任者たちは皆一部上場会社 で管理職を経験してきた者ばかりで、「人と組織の使い方」を経験してき ている点である。

そういう管理職経験者が必要なのは何も体操協会だけではないようだ。 「辞任している私を除名するとは何事か」と喚くような会長を戴いていた ボクシング連盟だって同様な欠陥団体ではないか。私は何故マスコミは何 時まで経ってもそういう問題点を衝かないのかと、まだるっこしいと思っ て いる。もしかすると迂闊にそんなことを論じたら協会から「出入りか 取材禁止」にでもなるかと怖れているのかと疑っている。

私はこういう説を畏友のYM氏に「アメリカのビジネススクールには何もビ ジネスの運営のマスターだけではなく、病院や学校を運営する責任者を教 育するコースもある」と聞かされていたから唱えるのである。競技そのも のの運営と上部団体の統治と運営では、知識と経験が全く異なる性質であ るから、分離している辺りに如何にもアメリカ的な合理主義があると思っ て受け止めた。だから、失態ばかりの我が国の多くの上部団体にもお薦め したくなっただけのこと。だが、重ねて言うが「この理想論は相撲協会に だけは通用しない」と危惧するのである。

2020東京」オリンピックとパラリンピックも迫ったことでもあり、陸上競 技連盟 などはこのように考えても良い頃のような気もするし、外国にも 広く普及 した為に規則まで外国人向けにねじ曲げられ且つ改悪されてし まった柔道 だって、外国人と外国語で渡り合える人材を幹部に登用した 方が良くはな いかなどと勝手に考えているのだが、暴論だろうか?



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身 辺 雑 記
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19日の東京湾岸は快晴、爽快。



18日夜は、家人の次姉の招待で自由が丘の焼肉屋。但し血糖値を気にして3切れしか食べなかった。

散歩する自宅近くの都立猿江恩賜公園には銀杏が沢山植えられているがほ とんどが落葉して黄金の歩道を作っている。一種の贅沢だ。

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