政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4879 号  29188・11・30(金)

2018/11/30

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4879号
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       2018(平成30)年  11月30日(金)



            難問山積、激動の極東情勢:杉浦正章

         ウガンダでも中国企業襲撃が頻発:宮崎正弘
       
     迫る御代替わり、国柄を知る機会とせよ:櫻井よしこ
                                 
                                                                                                                                 話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4879号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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難問山積、激動の極東情勢
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       杉浦 正章

「米中第2次冷戦」は長期化へ

北方領土「五里霧中」、邪道の韓国

 今年もはや師走が目前となったが、日本を取り巻く環境は地殻変動を起 こす前触れのような様相を見せている。まず大きな潮流を見れば米中関係 の潮目が変わり、米中両超大国が「第2次冷戦」ともいうべき状況に突入 した。

日本は多かれ少なかれ影響を受ける。一見、首相・安倍晋三との関係が良 好に見えるロシア大統領プーチンは、核心の領土問題で一歩も譲らぬ姿勢 をあらわにした。隣国韓国の大統領文在寅は、人気が落ちそうになると竹 島・慰安婦で対日世論を煽る邪道路線だ。

まさに「四面楚歌」のごとき様相だ。来年の干支は己亥(つちのとい)で 足元を固めて次の段階を目指す年だが、次の展望は五里霧中と言わざるを 得まい。

米ソ冷戦に勝った米国は、トランプが「一国主義」を前面に打ち出し、 「アメリカ・ファースト」で国を率いると宣言。この方向は一方の超大国 中国を刺激し、習近平は「一帯一路」構想を合い言葉に、臆面もなく地球 俯瞰型の勢力拡大に打って出た。

中国の歴代皇帝がそうしたように、「皇帝」習近平は陸路と海路で西進を 開始した。2017年10月19回の共産党大会で採択された党規約には、「共に 話し合い、共に建設し、共に分かち合うという原則を遵守して『一帯一 路』建設を推進する」と明記した。覇権主義が芬芬(ふんぷん)とにおう 大方針である。

9月30日には「航行の自由作戦」遂行中の米艦船に中国の艦艇が45メー トルまで接近するという異常事態を現出させた。

こうした動きをとらえて米副大統領ペンスは、2017年の国家安全保 障戦 略の「中国は米国の安全と繁栄を侵食することで我々のパワー、影響 力 に挑戦している」との立場を再確認。同時にペンスは「中国は米国の最 先端技術を盗み、西太平洋地位域から米国を排除して、同盟国支援を妨げ ようとしている」と強く批判した。これらの発言は、明らかに敵対国同士 の応酬段階のように見える。

 こうして米中対立は長期化する可能性が高い情勢となって来た。米政 府はキッシンジャーの隠密外交で1971年から始まったニクソン政権に よ る対中融和策から転じて、対決路線に大きく舵を切った。

ここで注目されるのは目前に迫ったブエノスアイレスでの主要20か国 首 脳会議である。G20は11月30日から12月1日の2日間開かれるが、米中は 水面下で首脳会談の下準備をしている模様だ。

この米中首脳会談が決裂す れば米中対立は修復不能の状態となることが 確実であり、両国とも薄氷を 踏むような調整をしているに違いない。し かし、中国が一帯一路路線を転 換する気配はなく、唯一の超大国として 君臨してきた米国も、トランプが そう簡単には引き下がるとは思えな い。大きな構造的な潮流は、米中冷戦 の継続だろう。

一方、安倍との個人的な関係を棚上げするかのようにプーチンは北方領 土で強硬姿勢を貫く構えだ。ロシア国内でのプーチン人気を押し上げるこ とになったのは、紛れもなくクリミア・セヴァストポリの編入である。ロ シアの領土は世界の総陸地の11.5%を占め世界第一を誇るが、大地主が境 界線に異常なこだわりを見せるのと同じで、国家も土地があるほど卑しく 固執する傾向がある。おまけに極東安保上の戦略が絡む。これに対して安 倍は4島のうち歯舞・色丹の2島先行返還でゆく方向に舵を切ったかのよ うに見える。

とろろがプーチンはここにきてちゃぶ台返しに出た。安倍との首脳会談 でプーチンは、「日ソ共同宣言には日本に島を引き渡すと書かれている が、どの国の主権になるかは書かれていない」と言い出したのだ。まるで 日本に引き渡しても主権はロシアにあるという、荒唐無稽な屁理屈であ る。これは事実上プーチンに返す意図がないことを物語っている。

安倍が これに対して何も言わなかったのは、「2島先行返還」でも、な んとか実 現にこぎ着けたいとの思惑があるからだろう。「安倍さんは2 島で腹をく くった」という説まである。

しかし、情勢は2島といえども容易でない感じが濃厚だ。なぜならクリ ミア・セヴァストポリ編入で高まった人気で味を占めたプーチンが、自ら の保身を考えたら、2島といえどもロシア人が3000人も住んでいる 「領 土」を返したら一挙に人気が瓦解すると思ってもおかしくないから だ。

こうして北方領土問題は五里霧中となったのが実情だろう。安倍と プー チンは3年以内に平和条約を結ぶことで合意した。安倍の任期は 2021年 9月までだから任期中にと言うことだろう。安倍は「戦後70 年以上残さ れた課題を次の世代に先送りすることに終止符を打つという強 い意志を 完全に共有した」と発言したが、ここで期限を切っては、事実上 歯舞・ 色丹2島にとどまり、残る国後・択捉2島は永久に棚上げとなる心 配が ある。

一方、竹島では韓国の国会議員が上陸した。上陸について、外相・河野太 郎は、上陸にあたっては政府が関与している可能性もあるとして、韓国政 府の責任も問いただす必要があるという考えを示した。

韓国大統領文在寅 は人気が落ちそうになると、竹島・慰安婦で日本の神 経を逆なでして、国 民を煽り、人気を取る癖があり、こんな大統領を相 手にまともな会談など できるわけはない。安倍は当分「無視」 すべきだろ う。ただ河野の言う 「文在寅の責任」については、当然追及すべきこと だろう。



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ウガンダでも中国企業襲撃が頻発
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)11月28日(水曜日)
         通巻第5905号  
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ウガンダでも中国企業襲撃が頻発している
 水力発電建設現場では強盗、中国民間企業は「ガードマンが頼りない」
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ウガンダで、中国企業を狙った武装強盗団の襲撃事件が頻発していること が分かった。首都カンパラから50キロの地点で水力発電プロジェクトを推 進している中国企業の事務所が強盗に襲われ、9400ドルのキャッシュと、 コンピュータが盗まれた。4人のガードマンはまったく役に立たなかった。

中国の民間企業や中国人を狙った強盗は、ウガンダで過去数ヶ月に12件が 発生し、いずれもが武装しており金品を要求、ときにガードマンと組んで いたり、元従業員がからむ事件が多いという(サウスチャイナモーイング ポスト、2018年11月27日)。

ウガンダはアフリカの中でも治安が比較的よいとされてきたが、雇用の機 会が少なく、産業はなにもなく、蔓延るのは政府高官の汚職、役人の腐 敗。そして外国企業の進出をめぐる賄賂。国民の政治不信は普遍的である。

中国はウガンダへの一帯一路の目玉に道路建設と発電所をあげており、建 設労働者を派遣しているが、付随して民間企業も工場を建設したりしてきた。

ここへ来て「中国を狙う強盗団」という脅威を前に、中国政府はウガンダ 政府に対して、軍隊、警察による保護を要請し、その最大の理由に民間の ガードマン企業の頼りなさを挙げた。

 際にガードマンなどと言っても、武闘訓練もされておらず、警備のノウ ハウも知らず、強盗団の手引きをしているといった有様なのだ。
 中国の一帯一路も、末端では命がけという皮肉な現実に直面している。
    
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)貴誌「通巻第5903号」台湾選挙についての王、チャン両先 生のご高説を拝見しました。

そこで、わたくしなりに感じたことを両先生のご高説を箇条書きに引用し ながら書いてみます。

▼王先生引用(カギ括弧)

!)「台湾人が、中国との統一を目論む国民党を選ぶはずがない」、「自由 で民主的な社会を捨て、共産党の一党独裁の支配下に入ることである」普 通の人たちはそこまで深く考えていません。地方選挙ですから。

「台湾人が戒厳令下で自由を奪われ、弾圧されて生きていたのはついこの 前のこと」普通の台湾人は、そんな昔のこと考えていません。日本時代に 日本人がヤッタことは覚えています。

!)「言葉巧みに台湾を手に入れようと目論む中国に、自ら跳びこむことを 選ぶ人たちがいるとは全く信じがたい」

それがいるんです。それこそが現実的な台湾人なんです。

!)『台湾人のなかに、かつての国民党支配下で培われた「強いもの、長い ものに巻かれろ」という生き方や、「遠い将来のことより、目の前の安全 と利益を大事にする」傾向がまだまだ根付いていたのかもしれない』

これこそ、今の台湾人そのものの生き方です。現状維持路線です。でもこ の状態がいつまでも続くとも考えていません。

!)「台湾独立運動の先輩達は、台湾人の性質や立場を理解しながらも、い や、そうであるからこそ、台湾人の自立のために、身を賭して理想の実現 に取り組んできた。」

率直な台湾人でしたら「アンタにそんなこと頼んでないよ。」というかも しれません。

▼チャン先生引用(カギ括弧)「意外だったのは、いくら台湾人がバカで も現政権に失望しても、民衆が汚職まみれの国民党に投票するはずがない と思っていた」

全然意外じゃありません。民進党も同じように汚職まみれだと思って い ます。現に陳前総統の件もありますし。それからアンディ先生がよく使 われる「外省人」ということばは日本でしたらヘイトスピーチになりかね ません。

若い人たちの中には両親のどちらかが「外省人」であったり、あるいは兄 弟姉妹のだれかが「外省人」と結婚している人がたくさんいます。
▼お二人のご高説を拝見して思ったのは、台北市長当選者です。この人こ そ今の台湾人が必要としている状態なんです。

支持者には台湾人もいれば、「外省人」もいる。若者が多いです。緑でも なければ、藍青でもない。白なんですが、灰色です。現状維持の象徴で す。そして国民融和の象徴です。柯市長の風貌は典型的な台湾人、まこと に垢抜けていません。田舎くさいひとです。でも、毎日まじめに勤労に励 む、実直な台湾人そのものです。

▼海外で台湾独立運動を目指す台湾人の方々は郷里の地に帰って定住し、 そこに経済基盤を築いて、一般庶民の息を肌で感じてその高貴な理想に邁 進していただきたいと思います。(浪子)


(宮崎正弘のコメント)たいへんユニークなご意見をうかがえました。 「外省人」という表現がヘイトスピーチという譬喩も初めて聞きました。

       
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迫る御代替わり、国柄を知る機会とせよ
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             櫻井よしこ

「迫る御代替わり、国柄を知る機会とせよ」

天皇皇后両陛下の各地へのお出ましが続いている。今年、雨の園遊会では お二人で大きなビニール傘を一緒にさされていた。お二人は寄り添われる ように歩まれ、お言葉をかけられ、慈愛に満ちた視線を人々に注がれる。 そのご様子をメディアは「この行事への」或いは「この地への」、「最後 のご出席」「最後の行幸啓」と報じる。

あと数か月で今上陛下は本当に譲位なさり、新天皇が即位される。御代替 わりが近づいている。

日本にとって、東京五輪よりはるかに大事なのが御代替わりだ。日本の国 柄を体現する、重要な歴史の一局面である。世界の元首百数十人を迎え て、広く世界に日本国を印象づける好機である。

だが、政治家もメディアも世論も、御代替わりについてあまり考えていな いと懸念するのは、心配しすぎだろうか。光格天皇以来200年振りのご譲 位を機に、日本の国柄への理解を内外において深めようという熱気が感じ られない。

そんなときに日本政策研究センターが『解説 即位の礼・大嘗祭』(以下 『解説』)という60頁余の小冊子を出版した。御代替わりのさまざまな儀 式を通して、皇室とはどんな存在か、皇室を戴く日本はどんな国か、ここ に至るまでにどんな歴史を辿ったのかを、非常に簡潔かつ適切にまとめて いる。来春に迫った御代替わりと、日本の深く長い歴史を認識するのに格 好の教科書である。以下『解説』の内容を紹介する。

来年2月24日、ご譲位に向けてまず、政府が「天皇陛下御在位三十年記念 式典」を主催し、この後、一連の行事が続く。4月30日に「退位礼正殿の 儀」が執り行われる。これによって陛下のご譲位(政府はこれをご退位と 言っている)が国民に宣言される。

ご譲位は江戸時代の光格天皇以来のことで、約200年間、事例がなかった ために、どのような関連儀式があるのかについて現行の皇室典範には規定 がない。そのために先例を基本にして、今回、新たに国の儀式として創設 したという。柱は二つ、内閣総理大臣から陛下への「奉謝」と天皇陛下の 「おことば」である。

皇室に批判的な勢力

首相が国民を代表して天皇陛下に感謝の気持ちを捧げ、天皇陛下がご譲位 に際してのお気持を表明される。天皇陛下の「おことば」は、本来、「譲 位宣命(せんみょう)」と呼ばれ、譲位に際しての大事な核を成していた。 しかし、平成のいま「譲位宣命」ではなく「おことば」と平易な表現にさ れたわけだ。

今上陛下のご譲位が宣言された翌5月1日には、皇太子さまが第126代天皇 に即位なさる即位の礼が国の儀式として行われる。即位の礼の行事は、ご 即位当日に行われるものと、それから約半年後の秋に行われるものに大別 される。

ご即位直後の行事が「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見の儀」だ。

周知のことだが、三種の神器は簡単にいえば、鏡と剣(つるぎ)と勾玉(ま がたま)。正式に言えば草薙剣(くさな ぎのつるぎ)と八坂瓊勾玉(やさか にのまがたま)、それに八咫(やたの)鏡(かがみ)である。

また「剣璽」とは三種の神器のうちの二つ、剣と勾玉を意味する。従って 「剣璽等承継の儀」は新天皇がこの二つの神器を受け継がれる儀式という 意味だ。

残るひとつ、八咫鏡は最も神聖な神器として賢所に奉安されており、儀式 で動かされることはない。

さて、ここで『解説』は大事なことを指摘している。旧皇室典範では「天 皇崩スルトキハ皇嗣即チ践祚シ祖宗ノ神器ヲ承ク」と書かれており、この 規定に基づいて「剣璽渡御(とぎょ)の儀」が行われる決まりになっていた。

ところが昭和天皇崩御による御代替わりが起きたとき、皇室に批判的な勢 力が現行憲法に定めている政教分離(憲法20条)を盾に、「渡御」はまか りならぬと主張し、政府は「渡御」という表現を「承継」に変えざるを得 なかったというのだ。

また「剣璽渡御の儀」には「等」の一文字が加えられ、前述のように「渡 御」も否定され、「剣璽等承継の儀」となった。本来、剣と勾玉の二つの 神器を意味していた剣璽が「等」の一文字が入って「御璽(ぎょじ)」(天 皇の印、おおみしるし)、「国璽(こくじ)」も含まれる意味に拡大され た。つまり「皇位」とともに新天皇に伝わるべき由緒ある物の継承という 建前になった。

「剣璽渡御」は皇室の由来を、剣と勾玉に象徴される、深く豊かな日本の 神話につなげる意味合いが濃かったが、その色を薄める結果になった。

皇室に批判的な勢力は、剣璽は神話に基づく。従って政教分離の趣旨に反 する、国の儀式として不適切だとも主張する。

世界は感動している

だが、神話と宗教は異なる。どの民族にもどの国にも、国の誕生と民族生 成物語としての神話がある。神話の否定は、民族の精神性や文化の否定 だ。民族のルーツを断ち切るようなものだ。国家というものは伝統や宗教 的な価値観を一切合切排除してしまえば、もはや成り立つものではないだ ろう。

昭和天皇崩御の時の大喪の礼を振りかえると、政教分離という言葉が飛び 交っていた。憲法20条第3項は「国及びその機関は、宗教教育その他いか なる宗教的活動もしてはならない」と定めている。これを表面的、機械的 にとらえて宗教性が強いとして、大喪の礼への国の関わりを批判する声が あった。たとえば葬場殿の儀は宗教儀式だとして、国ではなく、皇室の公 的行事として行われた。

続く大喪の礼では、宗教色をなくすため鳥居が除かれた。日本の伝統に基 づけば穏やかに行われるべき自然なことが批判されたが、政教分離につい ては最高裁判例がある。『解説』から引用する。

まず、憲法が禁じる「宗教的活動」とは「国およびその機関の活動で宗教 とのかかわり合いをもつすべての行為をさすものではな」いと最高裁は判 断している。

憲法が禁じているのは、社会的、文化的諸条件に照らして、「かかわり合 いが相当とされる限度を超えるもの」であり、「行為の目的が宗教的意義 をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等にな るような行為」だと限定されている。

最高裁判例は、政府が特定の宗教を援助したり、反対に圧迫したりするこ とは許されないが、常識の枠内での政治と宗教の融合は禁じてはいないと いう意味だろう。むしろ日本人の自然観と宗教観の美しい融合に、世界は 感動している。それを象徴していたのが大喪の礼である。イスラエルのヘ ルツォグ大統領(当時)は次のように語っていた。

「昭和天皇の御喪儀を通じ、日本の偉大な伝統に接し、深い感銘を受け た。……皮相な現代の世にあって良い伝統を近代化の中に維持していること に敬意を表する」

御代替わりに関連して、日本の歴史や国柄を学びたいものだ。
『週刊新潮』 2018年11月29日 日本ルネッサンス 第829回


            
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重 要 情 報
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 ◎29日には物の弾みで半日で6箇所を回った:前田正晶

まさか自分でこういう事態を招くことになるとは夢想だにしていなかった ので、13時半に帰宅した時には昼食も摂っていなかったことも手伝ってか 疲労困憊だった。その半日の大活躍を振り返ってみよう。恐らく多忙だっ た在職中でも、半日でこれほど多くの先を尋ねたことはなかった気がする。

最初は10時の約束で訪れた新宿駅西口の銀行の支店だった。用件は有り余 り試算をどう処理すれば良いかという真剣な(?)な相談だった。「嘘を 言うな」と何処かで声がする気もする。

11時に支店を出てJR新宿駅に向かって、高田馬場駅前の耳鼻咽喉科に再診 に行こうと山手線のプラットフォームに。この駅は残酷で、この15
番線に上がるエスカレーターもエレベーターもない。心拍数をコントロー ルする薬を服用している身には地獄の責め苦だ。

11時半前に耳鼻咽喉科の医院に到着すると、前回の初診の時とは違って待 合室がガラガラで、直ちに呼ばれるという幸運。アレルギー性鼻炎が一向 に収まらないのは温度・湿度の変化に老化したのだろうか体が付いていけ ないだけとまた同じ事を言われ、鼻からの吸入を終え処方箋を頂いて外に 出る。出た途端にまた鼻水が出てくるという状態。次のバスは12時37分な ので、その45分間の有効活用を図ろうと直ぐ目の前のジムに入って入浴す ることにした。

ゆっくりと寛いでから駅前の書店で週刊文春を購入して戻れば、丁度バス が来たところ。次には我が家の近所の調剤薬局に回らねばならないので、 我が家の直ぐ近くのバス停で下車して薬局まで2〜3分歩くと、早くも13
時を回っていた。薬局はそれほど混雑しておらず短時間で終了。外に出 て、「そうだ、この際週刊新潮も買ってみるかとファミリーマートに立ち 寄った。ここで家内に連絡すると、我が家の反対側にあるイオン系のマイ バスケットでの買い物の指令が来た。

そのマイバスケットに入って漸く空腹である事に気が付いた。それはそう だろう。朝から動き回って水一杯も飲んでいなかったと言いたいが、ジム では風呂を出た後で水は少し飲んであった。そこにワッフルが4個入った ケースが30%引きとなっていたので迷わずに購入し、他の指令された買い 物を終えて家に帰れる態勢が整った。そこから歩きながら数えてみれば、 6箇所も回っていたのである。最早普段は2箇所回ってもヘトヘトになるの に、気が付けば6軒とはよくぞ弱った体が保ったものだと、我と我が身を 褒めたやりたくなった。

帰宅して遅い昼食を終えた後で、どっと疲労感が襲ってきた。それならば 横にでもなって休んでいれば良いものなのに、矢張り貧乏根性というか 「毎日更新」に忠実なのか自分でも判断できないが、こうして記録に止め ておこうと思い立った次第だ。明日の体調がどうなってしまうだろうか と、書き終えて(打ち終えてか?)漸く気が付いたのだ。大丈夫かな?!


 ◎「カニみたいに指を立てて」:前田正晶

私は掲題の曾野綾子さんが産経新聞に毎水曜日に寄稿されるコラム「透明 な歳 月の 光」を愛読している。曾野さんはアフリカ等の貧困の国を回っ て 屡々啓 蒙的に厳しいことを言われるが、時には独特のユーモアを籠め た 時代を批 判する独特の鋭い皮肉を言われるのが良いと思っている。私 が 曾野さんの コラムを好む背景には年齢が近いこと(確か当方が学校年 齢 で1期下だっ たと思う)と、我が母校と親戚関係にあるような大学の ご出 身である事の 影響もあると思う。

28日の「透明な歳月の光」でも私の興味を惹く事象を2つを述べていた。 その後者が「カニみたいに指を立てて」である。これだけは意味がわ か らないだろうが、曾野さんは「いい大人が同じように、カニみたいに指 を立てて喜ぶようになったら世も末だ。教師は子供たちに意味のわからな い動作は友達がやっても決してするな、とと教えなければならない」と 言っていた。私はこの「カニみたいに」は俗に言うじゃんけんのチョ キ の形である「ピースサイン」だと解釈した。

私にはこの曾野さんの指摘は将に我が意を得たりなのだった。私は我が国 で流行りまくっている何かと言えばチョキを出す動作が軽佻浮薄であり、 大衆迎合であり、自らを「非知識階級である」と声高らかに名乗りを上げ ているのと同じだと思って、忌み嫌っているし、そういうことをする非常 に多くの連中を軽蔑している。特に、集合写真や芸人などと共に写真を撮 る時には全員が例外なしに「チョキ」を出しているのを見せられると胸が 悪くなる、「何時から我が国民はこれほど低級化したのか」と。

だが、常に何だかんだと批判的なことを書いてきた私は、何故かこれまで に一度も「この(グーには負ける)チョキ出し」を批判してこなかった と、曾野さんの指摘を読んで深く反省した次第だ。話は本筋から逸れる が、ここに「グー」としたのもテレビが使う奇怪な用語で、彼らは「拳骨 で殴った」とは言うことなく何故か「グーで殴った」と言うのだ。それな らピースサインなどと言わずに「チョキサイン」と言えと言ってやりたく なる。

私は如何なる場面にあっても間違ってもチョキサインなど出そうとは思わ ない。それは自分はそれほど下らない流行に乗せられるような軽佻浮薄な 人種ではないという誇りがあるし、曾野さんが言われたように「意味がな い動作」をする理由も根拠も動機も見つからないからだ。私は「チョキサ イン」流行は矢張り「一億総白痴化」の一端であろうと解釈している。

曾野さんは更に「ゆるキャラ」がお好みでなかったようで、チョキサイン の批判の前に「ゆるキャラは愛らしいということになっていて(本当か? ぶざまなデブが多いけれど)どこかメルヘンチックだと思われている。し かし表現しているものは、ただ現実逃避の意味のない物語だけだろう。あ あいう怪物に駆け寄って写真を撮りたがるのは、せいぜい10歳くらいの子 供だろう。」と指摘された。そこから先が上記の「いい大人が」に続いて いくのだ。

実は、私もこの「ゆるキャラ」なるものが何故受けるのか、何故あそこま で持て囃されるのかがサッパリ解らなかった。もしかしてそれほど老化し たのか、時代に遅れたのかと疑ったことがあった。正直に言えば「何であ んな下らないものが・・・」と感じている。だが、自分が時代遅れだとは 考えたこともなければ、ゆるキャラなるものを見に行きたいとも思ってい ない。私には私の誇りがあるし、知識階級の1人としての矜持だってある のだから。




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身 辺 雑 記
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30 日の東京湾岸は快晴、爽快。午後は大学病院で内科の定期検診。

29日の東京湾岸は曇天。公園を散歩したのち、週刊文春と週刊新潮を買っ て帰宅した。しかし読むのはごく一部。
                       読者:5587人

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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