政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4873 号  2018・11・24(土)

2018/11/24

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4873号
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       2018(平成30)年  11月24日(土)



             中国を兵糧攻めにする?:加瀬英明

        バノンと郭文貴が「法の支配財団」:宮崎正弘

            中国の逃れられない弱み:櫻井よしこ    
                                                                                                                                話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4873号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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中国を兵糧攻めにする?
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       加瀬 英明

中国を兵糧攻めにする? 先端技術の中国流出を阻む米国の戦略

米中貿易戦争――あるいは関税戦争をめぐって世論がかまびすしいが、米中 関係のごく一部しか見ていない。

マスコミは木を見て、森を見ないのだ。

トランプ大統領は中国の共産体制を崩壊させることを決意して、中国と対 決してゆく方針を固めた。

習主席は面子にこだわって、関税戦争を受けて立っているが、中国経済が アメリカ市場に依存しているために、すでに蹌踉(よろめ)いている。

いまではワシントンで、ついこの間まで親中派だった国務省、主要シンク タンクも、中国と対決することを支持している。アメリカの中国観の地殻 大変動だ。

トランプ大統領が中国という“悪の帝国”を倒す戦略の中核にあるのが、テ クノロジーだ。

同盟諸国とともに、先端技術の中国への流出を阻む、兵糧攻めにするの だ。関税戦争や、軍拡競争は脇役になる。

かつてレーガン大統領が、“悪の帝国(イービル・エンパイア)”と極め付け たソ連を追いつめたのも、アメリカを中心とする、自由世界のテクノロ ジーの力によるものだった。

中国はテクノロジー後進国だ。宇宙ロケットを打ち上げられても、ジェッ ト機のエンジンをつくれないので、ロシアから買っている。

中国の指導部は何千年にもわたって、中華思想による知的障害を患ってき たために、弱い相手は呑み込むものの、まともな対外戦略をたてられない。

力を持つようになると、慢心して、外国を見下すために、傲慢に振る舞う。

中華思想は、中禍思想と書くべきだ。ロシアは戦略が巧妙だが、中国は中 華主義の自家中毒によって、視野が狭窄している。

習主席は中国悠久の歴史から、学べないのだろうか。

オバマ政権は中国に対して宥和政策をとっていたが、中国はアメリカの弱 さだと見縊(みくび)った。

 習主席は3年前に訪米して、オバマ大統領と米中サミットを行い、ホワ イトハウスで行った共同記者会見で、中国が南シナ海で不法に埋め立てて 造成した7つの人工島を、軍事化することはないと、明言した。

 しかし、その後中国は7つの島に、ミサイルや、爆撃機を配備するよう になった。

 中国人は平然と嘘をつくが、アメリカ人は嘘をもっとも嫌っている。

 私はかねてから、中国人は昔から「吃(ツー)(食事)」「喝(フー)(飲 酒)」「嫖(ピャオ)(淫らな遊女)」「賭(トウ)(博打(ばくち))」「大 聴戯(チーティンシ)(京劇)」の五つを、生き甲斐にしていると、説いて きた。

 清朝の歴代の皇帝も、毛沢東、周恩来、江青夫人も、江沢民元主席も、 みな京劇マニアだった。

 京劇は甲高い声に、耳を聾するけたたましい音曲と、大袈裟な所作に よって、誇大妄想を煽る舞台劇だ。

 習主席が好む大規模な軍事パレードや、急拵(こしら)えの航空母艦を中 心とする大海軍や、絵に描いた餅のような「一帯一路」は、京劇の舞台装 置を思わせる。清朝を崩壊させた西太后も、京劇マニアだった。

 現在、中国海軍は艦艇数が317隻で、アメリカ海軍の283隻を上回 る。西太后が日清戦争前夜に、北京西郊の頤和園の湖岸に、巨額の国費を 投じて建造した、大理石の巨船の“21世紀版”だ。



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バノンと郭文貴が「法の支配財団」
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(20118年)11月23日(新嘗祭)弐
         通巻第5900号  
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 バノンと郭文貴が「法の支配財団」(1億ドル)を設立
  海航集団の王健の謎の事故死、カショギ殺害の真相などを徹底調査へ
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トランプ大統領の前戦略官兼上級顧問だったスティーブ・バノンが、米国 に亡命中の郭文貴と組んで「法の支配財団」を設立する。

資金は1億ドルで、目的は中国の「海航集団」(HNAグループ)の CEOだった王健の謎の事故死、ジャメル・カショギ殺害の真相、そして 英国で殺害されたロシアのセルゲイ・スクリパル事件の背後などを徹底究 明する調査に資金を投入する。

とくに注目されるのはインターポール総裁だった孟宏偉が北京に呼び出さ れたまま拘束され、総裁ポストを離れさせられた事件は、2018年5月にフ ランスのプロバンス地方を旅行中に崖から転落死した王健(海航集団の CEO)との関連など、謎だらけの伏魔殿の真相解明が目的だというから には、中国にとって、さぞや不愉快な事態だろう。

海航集団は王岐山が深く関わる新興のコングロマリットで、ローカルな飛 行機会社からヒルトン・ホテルチェーンの大株主などに躍進し、世界的な 注目を浴びてきた。有利子負債が12兆円ほどあるといわれ、このところ は海外資産の売却を急いできた。香港の一等地(啓徳空港跡地の住宅開 発)の不動産も処分した。

郭文貴は2014年に米国に亡命し、以後はテレビやユーチューブなどで習近 平、王岐山らの怪しげな金銭スキャンダルを次々と暴き、米国メディアを 通じて世界に中国共産党幹部の不正資金環流、海外蓄財などを告発してきた。

他方、中国は郭文貴が香港で保有する海通証券の株式(時価11億ドル) を凍結し、対決姿勢を強めていた。海通証券は上海と香港に上場する証券 大手である。
   
  
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)カルロス・ゴーンの所業の数々、凄まじい公私混同です ね。まるで金正恩の独裁と変わらない、こういうトップの独走を、なぜ日 産はこれまで内部告発もせずに放置してきたのでしょうか。
 これが忖度尊重に偏る日本社会の悪弊でしょうか。(NG生、横浜)

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(読者の声2)日産の株を持っていましたが、投げ売りしました。このス キャンダルはレバノン商人の末裔であるゴーンという、カネの亡者が引き 起こした悪辣な経済犯罪です。貴誌でも、ぜひ日本的経営の観点から、こ の問題の重大性を説いて貰いたいと思います。
   (TY生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)カルロス・ゴーンの逮捕劇に関して多くのご意見 を頂きましたが、不正な蓄財、使途不明金という金銭スキャンダルに眼を 奪われてしまうと、背後にあるフランスとの確執の本質が見えてこない。 もっと奥深い構造があって、初動記事、第一報のゴーンの申告誤魔化は印 象操作でしょうね。



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(読者の声3)貴誌前号パキスタンの債務不履行ですが、戦後だけでも十 数回、デフォルトをやらかして、外貨準備は800億ドルくらいのはず。
 
人口は日本の2倍以上の2億8千万もいて、軍隊は65万人という異 様な 軍事志向のくにですね。しかも援助最大は日本の筈、デフォルトで日 本 の損害は中国より大きいのでは? (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)20年ほど前にパキスタンを10日ほどかけて1周し たことがありますが、当時はまだ治安もよく、難民の街ペシャワール (武器の密造と密輸で悪名高い町です)からカイバル峠にも行くことがで きました。

ただし2名の兵隊がライフルをもってジープに乗り込んできました。観光 客の護衛です。その後、カイバル峠は観光客を受け付けていないと聞いて おります。

 日本の援助は下記の通りです。

(1)有償資金協力(2015年度まで,E/Nベース) 9859.9億円(2015年度 実績50億円,E/Nベース)

(2)無償資金協力(2015年度まで,E/Nベース) 2649.4億円(2015年度 実績54.57億円 E/Nベース)

(3)技術協力実績(2015年度まで,JICAベース) 558.7億円 (2015年 度実績 24.12億円 JICAベース)

 つまり償還して貰うべき融資は83億ドルということで、中国の620 億 ドルと比べると、低いですね。IMF管理に入れば、日本の債権も80% カットということになりかねませんが。。。。

       
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中国の逃れられない弱み
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      櫻井よしこ

「米中対立、中国の逃れられない弱み」

11月9日にワシントンで米中外交・安全保障対話がもたれた。米国側から ポンペオ国務長官、マティス国防長官、中国側から楊潔篪(ようけっち)共 産党政治局員、魏鳳和(ぎほうわ)国防相が参加した。

この閣僚会議は、昨年、習近平主席が米国を訪問した際に、トランプ大統 領と合意して設置したものだ。昨年6月に第1回目が開かれ、今回が2回目 となる。

ポンペオ氏が、「米国は中国との新冷戦を望んでいないし、封じこめるつ もりもない」と発言し、楊氏が「中国は改革と平和発展の道にとどまり続 ける」と答えたこの対話は、互いに関係を損なわないよう、相手の意図を 探り合い、それなりに繕ったことを窺わせる。しかし、内容に踏み込んで みれば、現在の米中関係の厳しさは明白だ。

明らかな対立点は、南シナ海、台湾、人権、北朝鮮の各問題である。南シ ナ海問題では米国側は中国による島々の軍事拠点化に強い懸念を示した。 国務省はメディア向けの説明の中で、以下のように重要なことを明らかに している。

「米国は、中国が南沙諸島の人工島に配備したミサイルシステムを取り除 くよう要求し、全ての国々は問題解決に強制や恫喝という手法をとっては ならないことを確認した」

中国がフィリピンなどから奪った南沙諸島を埋め立てて軍事拠点を作って 以来、このようにミサイル装備を取り外せと具体的に要求したのは、恐ら く初めてだ。トランプ政権が一歩踏み込んで要求したと見てよいだろう。

そのうえで、米国側は従来どおり、国際法に基づいて南シナ海の航行と飛 行を続けると明言している。

これに対して楊氏は、南シナ海に配備した施設の大部分は民間用だと、 白々しくも主張し、米国が「航行の自由」を掲げて軍艦を派遣するのはや めるべきだと反論している。

異常に男児が多い

台湾問題について、中国が台湾と国交を結んでいる国々に働きかけ、次々 に断交させて台湾を孤立させている手法を、米国は批判した。すると、楊 氏は「台湾は中国の不可分の領土の一部だ」と主張し、魏氏も「中国は如 何なる犠牲を払っても祖国統一を維持する。米国が南北戦争で払ったよう な犠牲を払ってでもだ」と強い口調で語っている。

南北戦争は、1861年から4年間も続いた激しい内戦だった。犠牲者は60万 人以上とされる。それ程の犠牲を払っても、中国は台湾の独立を許さない と力んだのだ。

イスラム教徒であるウイグル人に対する弾圧、虐殺についても米中両国の 溝は全く埋まっていない。北朝鮮の核に関しても、明確な核の放棄までは 北朝鮮に見返りを与えないとする米国と、核廃棄と援助を同時進行で行い 条件を緩和することもあり得るとする中国側の立場は、完全に合致するこ とはない。

11月末に予定される米中首脳会談への瀬踏みの米中閣僚会議だったが、両 国の基本的対立が解決に向かうとは思えない。

習主席は、自身にその力さえあれば、終身、中国の国家主席の地位にとど まることができる道を開いた。選挙によって指導者が入れ替わる民主主義 国と較べて、優位に立っていると、習氏は思っているであろう。だが、11 月の中間選挙でトランプ氏の共和党が下院で民主党に過半数を奪われ相対 的に力を弱めたとはいえ、民主党は共和党よりはるかに保護主義的で人権 問題にも厳しい。トランプ政権以降に希望をつなぐのは早計というもので あろう。

10月4日にペンス副大統領が行った演説の対中批判の厳しさについては、 10月18日号の本誌当欄でもお伝えしたが、米国で超党派勢力が結束して中 国に本気で怒っている理由は、習氏が高らかに謳い上げた「中国製造 2025」という大目標にある。

中国は経済的にも軍事的にも世界最強の国となり、科学、技術の全分野に おいて世界最先端の地位を確立すると誓った。だがそのための手段は知的 財産の窃盗であり、騙しであり、恫喝に他ならない。こんな不公正な中国 に、世界最強国の地位を明け渡してはならない、という米国の闘争心が掻 き立てられたのだ。

中国が米国に取って代り、中国風の支配構造の中に組み込まれることな ど、我々日本にとっても願い下げだ。だが、そんな時代は恐らくやってく るまい。

フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏は今年5月、シンクタ ンク「国家基本問題研究所」創立10周年の記念シンポジウムで、全世界の 人口学者の一致した見方だとして、中国は基本的に異常事態の中に在る と、以下のように語った。

長年の一人っ子政策と女児よりも男児優先の価値観により、中国では女児 100人に対して男児118人が生まれている。通常の100対105乃至106に較べ て異常に男児が多い。結果、人口学的な不均衡が生じ、現時点でも3000万 人の男性が結婚相手を見つけることができないでいる。

「非常に脆い国」

他方中国の教育水準は全体的に見れば低く、若い世代の高等教育進学率は 6%だ。日本や欧米先進国のそれに較べれば非常に低い。

人口の出入りで見ると、すべての欧州諸国、加えて日本も、流入人口が流 出人口を上回っている。だが中国は違う。中国の統計は信頼できない面も あるが、通常使われる数字によると、毎年150万人が中国から外国に流出 している。彼らの多くが中国には戻らない。だが流出する彼らこそ、中国 人の中で最も活力があり、開明的な人々である。

トッド氏が結論づけた。

「こうして考えると、中国は大国ですが、非常に脆い国なのです。将来的 に危機を回避できない国であると、考えています」

北京発、原田逸策記者の非常に興味深い記事が11月10日の「日経新聞」に 掲載されていた。中国が産児制限の撤廃を検討中という記事だ。中国の現 在の出生率1.3が続くと、今世紀末までに中国の総人口は現在の13億人強 から約6億人に半減する。他方、現在3億2000万人の米国の総人口は4億 5000万人に増えるというのだ。

となると、習氏が高らかに謳い上げたように、2030年前後までには経済 (GDP)で米国を追い抜くことができるとしても、今世紀後半には再び 逆転される可能性があるという。

日本は米中の戦いに、そこまで考えて対処しなければならない。日本の選 択は短期的に見て米国との協調、同盟路線を続ける以外にないのだが、 中・長期的展望を考えてみても、やはり答えは同じになる。

隣国中国とのつき合い方は、中国が共産党一党支配をやめない限り、最大 限の警戒心を持って対処するということに尽きる。
『週刊新潮』 2018年11月22日号 日本ルネッサンス 第828回

      
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重 要 情 報
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 ◎【正論】 「非軍事こそ平和」は無責任だ 元駐米大使・加藤良三

安全保障政策の中におけるサイバー、宇宙、電子戦、それらの手段としての人工知能(AI)などのウエートが飛躍的に高まっている。にもかかわらず日本の対応が米中露などに比べ著しく出遅れているとの懸念をよく耳にする。事実とすれば由々しきことである。

 ≪日本しか通用しない魔よけの札≫

日本が出遅れていることにはいろいろ理由があるだろうが、決して無関係ではないと思われることの一つに、日本のメディアやアカデミアに見られる「軍事(ミリタリー)忌避症候群」とでも称すべきものがある。
 かつて三木武夫内閣から鈴木善幸内閣にかけて「平和」とは即、「非軍事」のことであるというのが政府の立場になっていた。

世界の中で日本以外にこういう考え方を取る国は多分ない。世界主要国の「平和」とは「非侵略」(non−aggression)のことであって、「非軍事」(non−military)ではない。アメリカで安全保障問題について最もナイーブな大統領だといわれ、引退後も北朝鮮との関係に関与し、1990年代から一貫して融和的な解決を求め続けているジミー・カーター氏でも、自身が関わった中東和平キャンプ・デービッド合意成立の際のスピーチで「平和とは決して与えられるものではない。それは闘い取る(wage)ものである」と述べている。

翻って、日本では今も「平和=非軍事」という「魔よけの札」が通用しているのかと訝(いぶか)しくなることがある。例えば日本学術会議は所管する研究(リサーチ)から「軍事」の要素を排除している。内閣総理大臣を議長とする「総合科学技術・イノベーション会議」において防衛大臣は常設メンバーになっていない。

軍事と民生を分ける基準は何なのか。武器とは何か。「鉛筆で核の設計図を書けるから」「自転車で戦術核の1個くらい運べるから」これらは核兵器システムの一部だというのは非常識だろう。
サイバー技術は「軍用」にも「民生用」にもなり、また「攻撃」「防御」いずれにも使える技術であるに違いない。この種の技術の研究開発から「軍事」を排除するという発想がよく理解できない。

 ≪技術研究開発の制約は危険≫

増大する地球の人口を養うには不断の技術開発が要る。日本はその要請に応えられる数少ない国の一つだろう。それ以前に、日本が「国際社会で名誉ある地位を占め」、一目置かれる国であり続けようと願うなら、可能な限り制約を排して、持てる技術と頭脳を最大限に活用するしかないではないか。

今後とも生み出される先端技術の殆(ほとん)どは「両用(汎用)」のものであろう。軍事目的で開発される技術が民生技術に転化し、逆に民生目的で開発される技術が軍事用に転化するケースは引きも切らないだろう。

軍用と両用(汎用)の厳密な区別をつけ難い客観情勢の下で、研究開発のスポンサーの中に軍がいるといった観念的な基準によって、自国の技術研究開発に自ら「拘束衣」をかぶせるというのは、国家安全保障政策の観点から見て寧(むし)ろ危険とさえ言える考え方ではなかろうか。そう思う理由は次のようなものである。

 (1)日本は引き続き抑制的で実効性ある国防態勢を維持すべきである、と筆者は一貫して思っている。が、今の世界情勢の中にあって前述の軍事、非軍事峻別(しゅんべつ)主義に立って日本国内および同盟・友好国主宰の重要な研究開発から身を引くべきだという思い込みは、日本の正統な防衛努力に水を差すものではないか。

 (2)一旦「非軍事」だということになって進む研究開発の成果は、それが軍事的に機微な意味合いを持つものであっても、緊張感を欠いたまま望ましくない相手に「海外流出」してしまわないか。

 (3)そして日本の産業のあるべき発展の芽を摘むことにならないか。その結果、日本の国力がそがれ、日本が衰えるとき、誰か責任を取る用意や覚悟はあるのか−。

 ≪国を支える総合力を揺るがすな≫

筆者が1965年に初めて渡米した頃、日本に比べ何もかもアメリカが上に見えた。水洗トイレ、シャワー、集中暖房を備え、清潔で公衆道徳が断然高い国だと思った。当時、日本の公衆道徳は敗戦の後遺症があって甚だ悪かった。

それ以降の日本は様変わりである。その間の筆者の一貫した印象は「衣食足りて礼節を知る」というのは真理だということである。今、日本は世界で何十年かにわたり最も「好感度」の高い国であり、それを支えてきたものは経済・技術・文化力を包含した国の総合力だろう。今の日本があるのは「衣食足りた」が故のことで、その根本が揺らいだらどうなるか考えて、不安になることがある。

「成功の犠牲」という言葉がある。近年のアメリカにはそれを身に染みて感じている人がいるだろう。日本もこれまでの「成功の犠牲」に身を窶(やつ)すことのないよう、わが身を顧みるべき時だろう。(元駐米大使・加藤良三 かとう りょうぞう)
【産經ニュース】 2018.11.23 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎読売巨人軍の常套手段:前田正晶

テレビも新聞もカルロス・ゴーン氏問題ばかりなので、ここはそこを離れ て少し軽い話題を採り上げてみたい。

野球シーズンが終わってトレードだの何だのと騒がしくなってきた。その 中 でも私には目立つのが、監督が原辰徳に替わった読売のやり口だ。お 気付 きの方がおられるだろうが、この球団は他のテイームでFA宣言した ある程 度以上の実績があって年齢を考慮しても未だ使えそうな者や、今 シーズン に苦しめられた外国人選手などを好条件を提示して引き抜いて しまうので ある。これを来年の備えての強化策などと甘い見方をしては ならないのだ。

これは見方にもよるが、極めてアメリカ式のやり方で「他社(他球団でも 同じだが)に行って大活躍される危険性があれば、自社で採用して活用す るか、場合によっては飼い殺しにしても良い」という人事作戦なのであ る。私は実際にそういう例を見てきた。

そういう視点で見れば、読売巨人軍がこれまでに何名の他球団のFA
宣言をした選手を獲得してきたかをお考え願いたい。その連中の中で二軍 乃至は補欠扱いされてきた者がどれほどいたかである。今年の最悪の例で は、中日でホームラン王となったゲレーロに4億円という好条件を提示し て獲ってきたまでは良かったが、彼を何試合先発メンバーで使ったかとい うことだ。前年並みのホームランを打ったかということ。

ただ今は広島の3連覇の立役者の一人である丸佳浩に対して働きかけて、 ロッテと条件で争っている。勿論、丸君は優秀な打者だし守備にも優れて いるが、セントラル・リーグの他球団に行かれては困るという意向で好条 件を提示したので、今やパシフィック・リーグのロッテだけが競争相手で 残ったのだと私は見ている。だが、読売には今何名の外野手がいるかを考 えて見ろと言うこと。彼らはそれに飽き足らず、今度はオリックスを出て アメリカ帰りの中島宏之(3億5千万円)を獲ってきたのだ。衰えが見える 中島を内野の何処で使うというのか?

私は読売のこういうやり方が嫌いなのだが、一度読売に在籍すれば年俸も 高いし、辞めた後も色々と第二の生活を援助している例が多いので、惹か れるものが多いのだと思っている。という次第で、丸君が読売の甘言に乗 せられそうだと懸念するのだ。あーあ。


 ◎中近東のサッカーから考えれば;前田正晶

私はこれまでに何度かサッカーのW杯の地区割りに触れては「何故中近東 を我が国と同じアジアに入れるのか。ヨーロッパの諸国が支配するFIFAで は中近東勢を厄介払いしたくて、どう考えても不合理な東南アジア諸国ま で入っているアジア地区に押しつけたのだ」と嘆いていた。

中近東勢を嫌う最大の理由は「彼らのプレー振りは陰険だし、言うなれば 小汚い反則が多くて不愉快だから」とでも言えば良いか。そういうプレー 振りが彼らの本性を現しているかの如きだと解釈しているのだ。

なお、私は中近東には友人も知り合いもなく、中近東の人たちについて何 かを論じる場合は全て伝聞か、中近東駐在経験者の商社マンから聞いた経 験談が基になっている。そこで、サッカーの試合振りに彼らの本性の一部 か大部分が現れていると解釈した次第。

その内容はと言えば「相手側の選手と当たっても当たられてもいなかった のに倒れ込んでもがき苦しんでみせる」ようなことを平気でやるのです。 それは試合時間を浪費させて早く勝ち試合を終わらせようとしているか、 またはその間に全員が休憩を取れるようにするとかいう為にやるのだ。

また、反則をした者がその場からボールを持ち去って相手が直ちにFKをで きないようにしようとする。小汚い所業だと断じる。また相手を止めきれ ないと解れば、審判に見えないように脚をかけて倒すことなどを平気でや る連中なのだ。我が国のサッカーのようなフェアープレーとは趣を大いに 異にするのだ。

また、スローインの際などには、実際にボールがタッチラインを割った遙 か前までジワジワと投げる標的となる味方の選手を探す振りをして前進す るなどは日常茶飯事。

それでけに止まらず、タックルの代わりに相手選手を手で掴んで引き倒し たりするのも彼らの特技だ。イエローカードや一発退場のレッドカードが 出されるような振る舞いは避けて、兎に角小汚い反則を仕掛けてくるし、 大柄な体格を活かして体当たりをするのも彼らの特技である。

それだけではない。「中東の笛」と呼ばれた中近東の諸国のレフェリーが 吹く極めて自国寄りに偏った判定も有名だ。これは一時世間を騒がせたボ クシング連盟の前会長の山根某氏が批判された「奈良出身選手びいき」ど ころではなかったのだ。

こういう連中が多いのが中近東の特徴だから、カルロス・ゴーン氏の場合 も確かに赴任後は目覚ましい実績を挙げられたが、着任時にそもそもがレ バノン人と聞いた時に、何の合理的な理由も根拠もなく「何処か胡散臭い な」と感じたまでです。勿論、今回堰を切ったかのようにマスコミが暴き 立てている旧悪や、所得隠し(なのでしょう?)をやるような人物だとは 想像もできなかった。いえ、気にもかけいなかったというべきだろうし、 年俸の額は法外だとまでは考えていなかった。

自動車産業界ではあの体たらくのGMのCEOでさえ34億円というだから、 我々紙パルプ産業界とは別の世界だと認識していた。ウエアーハウザーで はオウナー・ファミリーの8代目CEOのジョージでさえ、80年代の為替が ¥200円だった年に160万ドルだった程度で地味なのである。ジョージの2 代後で他社から引き抜いてきたCEOは、90年代末期に業界の専門機関に “CEO of the Year”に2年連続で選ばれても、年俸2億円でストックオプ ションが12億円程度に過ぎなかった。

私は今となってはゴーン氏にも問題はあるとは思うが、営業報告書に虚偽 の記載を許していたあの書類を作った人たちが「虚偽」を知らなかったは ずがないと見ているので、日産自動車という会社の統治能力ではなく「管 理能力」というか英語にすれば“administration”担当部署は何をやってい たのかなと思い、会社としての機能を疑いたくなって来るのだ。

同時に憂いていることは「世界最高水準の技術力を誇る我が国の大手製造 会社が、どうしてこうも続けておかしな統治能力の欠如というか振る舞い を振りを見せるのか」なのである。日産自動車の場合はフランスのルノー との関係がどうのと案ずるよりも「ゴーン氏とその関連の醜聞が世界を駆 け巡っていることの方が遙かに重大な案件だ」と不安に思わせられている。

余談だが、検索をかけると西川廣人社長も前川喜平元文科省次官と同じ開 成高校のから東大というご経歴のようなのだ。「それがどうした」という ようなこと かも知れないが信頼できるのかとつい思ってしまう。

私は以前に「西川廣人社長の顔 相が日産の社長にしては貧相」と書いた ことがあった。それが、今回は多少引き締 まっては来たと見えた。だ が、あの坊主頭に近いようなヘヤースタイルは、大会社の社 長にしては
品位に乏しいと思って見ていた。

因みに、私はマスコミではないから「容疑者」という接尾語は使っていない。




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身 辺 雑 記
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24日の東京湾岸は曇天、やがて晴れるか。

23日の東京湾岸は快晴、爽快。

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創刊日:2004-01-18  
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