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頂門の一針

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頂門の一針4865 号  2018・11・16(金)

2018/11/16

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4865号
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       2018(平成30)年  11月16日(金)



      中国は前車ソ連の轍を踏むことになるのか:加瀬英明

       危うい歯舞、色丹の「2島先行返還論」:杉浦正章

              韓国の左翼革命政権に:櫻井よしこ                                                                                                                                                                       話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4865号
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中国は前車ソ連の轍を踏むことになるのか
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              加瀬 英明

米中貿易戦争――あるいは関税戦争をめぐって世論がかまびすしいが、米中 関係のごく一部しか見ていない。

トランプ大統領は中国の共産体制を崩壊させることを決意して、中国と対 決してゆく方針を固めた。

習主席は面子にこだわって、関税戦争を受けて立っているが、中国経済が アメリカ市場に依存しているために、すでに蹌踉(よろめ)いている。

いまではワシントンで、この間まで親中派だった国務省、主要シンクタン クも、中国と対決することを支持している。アメリカの中国観の地殻変動だ。

トランプ大統領が中国という“悪の帝国”を倒す戦略の中核にあるのが、テ クノロジーだ。同盟諸国とともに、先端技術の中国への流出を阻む、兵糧 攻めにするのだ。関税戦争や、軍拡競争は脇役になる。

かつてレーガン大統領が、“悪の帝国(イービル・エンパイア)”と極め付け たソ連を追いつめたのも、アメリカを中心とする、自由世界のテクノロ ジーの力によるものだった。

中国はテクノロジー後進国だ。宇宙ロケットを打ち上げられても、 ジェット機のエンジンをつくれないので、ロシアから買っている。

中国の指導部は何千年にもわたって、中華思想による知的障害を患って きたために、弱い相手は呑み込むものの、まともな対外戦略をたてられな い。力を持つようになると慢心して、外国を見下すために、傲慢に振る舞う。

中華思想は、中禍思想と書くべきだ。ロシアは戦略が巧妙だが、中国は 中華主義の自家中毒によって、視野が狭窄している。

中国は今世紀に入ってから、かつてのソ連と同じように、自壊への道を 進むようになっている。ソ連は1991年に崩壊した。

効率が悪い計画経済によって病んでいたのに、無人のシベリア沿海州の 開発に国力を浪費し、東ヨーロッパの衛星諸国という重荷をかかえたうえ に、第3世界に進出するのに力を注いだために、アメリカとの競争に耐え られなくなって、倒壊した。

クレムリンの最高指導者は、非科学的なマルクス主義の予言に従って、 ソ連が世界を支配するという使命感にとらわれて世界制覇を急いだため に、墓穴を掘った。

習主席も「偉大なる5000年の中華文明の復興」という、自らの掛け 声に 陶酔して、見せかけだけが壮大な「一帯一路」計画と、大海軍の建設 を 強行しているが、第2次大戦後にソ連が歩んだ道程によく似ている。

中国は分離独立闘争を恐れて、新疆ウィグル自治区や、チベットをはじ めとする西域や、中部や、北部に過大な投資を行っている。

「一帯一路」計画は、アジアからヨーロッパまで70ヶ国近くを、“幻 (ま ぼろし)の中華圏”に取り込もうとする杜撰(ずさん)きわまる大計画だ が、マレーシア、ミャンマー、パキスタンなど多くの諸国で、すでに挫折 するようになっている。

ソ連は1950年代から60年代にかけて、日本についで経済成長率 が高かっ た。私はソ連が1957年にアメリカに先駆けて、人工衛星『ス プートニ ク』を軌道に乗せた時に20歳だったが、よく覚えている。その 4年後に 世界最初の有人衛星飛行を行って、アメリカの朝野を震駭させた もの だった。

ソ連では1970年代に入ると、少子高齢化が進むようになって、旺盛 な高 度成長を支えた、豊富な安い労働力が失われるようになった。中国で も 同じことが、起っている。

私はかねてから、中国人は昔から「吃(ツー)(食事)」「喝(フー)(飲 酒)」「嫖(ピャオ)(淫らな遊女)」「賭(トウ)(博打(ばくち))」「大 聴戯(チーティンシ)(京劇)」の5つを、生き甲斐にしていると、説いて きた。

清朝の歴代の皇帝も、毛沢東、周恩来、江青夫人も、江沢民元主席も、 みな京劇マニアだった。

京劇は甲高い声に、耳を聾するけたたましい音曲と、大袈裟な所作に よって、誇大妄想を煽る舞台劇だ。

習主席が好む大規模な軍事パレードや、急拵(こしら)えの航空母艦を中 心とする大海軍や、絵に描いた餅のような「一帯一路」は、京劇の舞台装 置を思わせる。清朝を崩壊させた西太后も、京劇マニアだった。

現在、中国海軍は艦艇数が317隻で、アメリカ海軍の283隻を上回 る。 西 太后が日清戦争前夜に、北京西郊の頤和園の湖岸に、巨額の国費を 投 じ て建造した、大理石の巨船の“21世紀版”だ。



              
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危うい歯舞、色丹の「2島先行返還論」
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              杉浦 正章

プーチンは国後、択捉の現状固定狙う

日露首脳会談の焦点は言うまでもなく、北方領土問題であったが、首相・ 安倍晋三の成果を急ぐ姿勢が目立ち、プーチンに「技あり」を取られかね ない側面が生じた。なぜかと言えば日本が「四島返還」より「歯舞、色丹 の2島先行」に傾斜したと受け取れるからだ。

安倍は56年の日ソ共同宣言の「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行 い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す」に回帰し て、とりあえずは二島返還で平和条約交渉を先行させる構えを垣間見せて いる。しかし、したたかなプーチンが先行返還と言っても他の2島を返還 する可能性はゼロに近いと見るべきだろう。

問題は、56年共同宣言に盛られた北方領土は「歯舞群島と色丹島」だけで あり、国後、択捉への言及がないことだ。ロシアの「二島での食い逃げ」 は当然予想できることである。にもかかわらず2党返還で平和条約を締結 することになれば、ロシア側は日本の譲歩と国内的に喧伝する意図があり ありだからだ。なぜならプーチンはかねてから「国後、択捉は議論の対象 にならない」と主張してきており、それが実現したと受けとれるからだ。

 あきれたことにプーチンは、歯舞群島と色丹島についても「日本に引き 渡された後の2島に日露どちらの主権が及ぶかは共同宣言に書かれていな い。今後の交渉次第だ」と、引き渡した後もロシアの主権が及ぶという姿 勢を貫こうとしている。したたかにも交渉のハードルを上げてロシアの主 権を主張する意図がありありだ。クリミア併合で国内の評価が急上昇した “甘い汁”を北方領土でもう一度という魂胆が垣間見える。

プーチンは国際的にウクライナの領土と見なされていたクリミア自治共和 国、セヴァストポリ特別市をロシア連邦の領土に加えることに成功した。 1991年にソビエト連邦が崩壊し、ロシア連邦が成立した後、ロシアにとっ て本格的な領土拡大となった。北方領土で譲歩すればクリミアで得た国民 の評価を、一挙に灰燼に帰することになるのが構図だ。

さらに重要なのはロシアには北方領土を日本に渡せば、米軍が常駐しない までも、一朝有事の際は島々が米軍の不沈空母となりかねないと言う危惧 がある。地政学的には極東における日米の安全保障上の立場を強化するこ とになる。当然予想される事態だ。

 最近の対露交渉で懸念されるのは、プーチンの「食い逃げ」である。 プーチンの狙いは、日本の経済協力であり、その発言から見る限り領土問 題での譲歩は、そぶりすら見せていない。日本側には通算22回も会談する のだから「めどくらい立つだろう」との期待が強いが、表だって目立つの はプーチンのしたたかさだ。安倍の会談の目的は領土問題だが、プーチン には会談すること自体を重視しているかに見える。

加えて、プーチンは10月に公的な会合で「日露間に領土問題は存在してい ない」と言明、交渉姿勢を分析すれば「ゼロ回答」ばかりが透けて見え る。今後安倍は、月末のブエノスアイレスでの主要20か国首脳会議でも首 脳会談を行うし、来年には早い時期に訪露する方針である。

ロシア経済は原油価格の低迷によって2015年、16年と2年連続で景気後退 に陥ったものの、価格の持ち直しで2017年の同国の実質国内総生産が前年 比で1.5%増え3年ぶりのプラス成長を達成。2018年も2年連続のプラス成長 が見込まれている。

したたかなプーチンは堅調なロシア経済を背景に強気の外交姿勢を維持す るものとみられ、突き崩すのは容易ではあるまい。安倍としては、来年夏 には参院選があり、急進展があれば別だが、対露外交はよほどの進展がな い限り選挙のプラス材料にはなりにくいのが実情だ。



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韓国の左翼革命政権に
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     櫻井よしこ

「韓国の左翼革命政権に、妥協は無用」

親しい韓国人の友人のひとり、洪熒氏が憤って言った。

「日本の人達は文在寅政権と韓国を同一視しています。保守勢力を中心 に、多くの韓国人が文政権のやり方に怒っていることを、日本のメディア は伝えてくれません。我々は文政権の下で起きている異常事態に、日本人 と同じくらい怒っているのです」

洪氏は現在、日本で刊行されている新聞、「統一日報」の論説主幹を務め ているが、かつて、在日韓国大使館の公使だった。日本との関わりはかれ これ40年になる。

10月30日、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に、「元 徴用工」4人への損害賠償金として4億ウォン(約4000万円)の支払いを命 じた判決、10月11日の国際観艦式に日本の海上自衛隊の旗を掲げないよう に要求した一方で、豊臣秀吉軍を破った李舜臣(イスンシン)の旗(抗日 旗)を韓国軍艦に飾ったこと、2015年末に国際社会が注目する中で日韓両 外相が発表した、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決の蒸し返し など、文政権の横紙破りは非常識極まる。

洪氏は、心ある韓国人は皆、文政権の暴挙を恥じている、日本の政府も国 民も、韓国国民と文政権を同一視しないで対韓政策を考えるべきで、そう しなければ事態はますます悪い方向に進む、と懸念する。

まず、明確にしておくべき点は、今回の韓国人元労働者への補償に日本の 政府も企業も全く責任はないということだ。1965年の日韓請求権・経済協 力協定の第2条は、「国及びその国民(法人を含む)」の請求権問題は、 「完全かつ最終的に解決されたこと」を日韓両国が確認すると明記してい る。賠償などの請求権問題は、個人のものも法人のものも全て解決済みだ と両国政府が確認したのである。

日本政府は当時、念には念を入れて日韓間の議事録も交わした。その中 に、請求権に含まれるもの、つまり、全て解決済みとされるものは何かに ついて八項目にわたる説明がある。戦時徴用労働者の未払い賃金と補償も 含まれており、解決済みであることを二重三重に明記している。

徴用工ではなかった

安倍晋三首相が、判決直後に間髪を入れず、「国際法に照らしてあり得な い判断だ」と述べたのは当然なのである。一方で首相は重要なことを指摘 した。この裁判の原告4人は徴用工ではなく、「旧朝鮮半島出身の労働 者」だと語った。これこそ大事な点である。

これまで、韓国側は無論、私も含めた日本のメディアはみな、4人の原告 を「元徴用工」だとしてきた。日韓両政府もそのように呼んできた。司法 の場で徴用工と言われてきたことをそのまま信用してきたわけだ。

徴用とは「国家権力により国民を強制的に動員し、一定の業務に従事させ ること」(広辞苑)だ。一旦発せられれば国民は拒否出来ない。

朝鮮半島での戦時労働動員には三つの形態があった。第一は1939〜41年に 企業の募集担当者が朝鮮に渡り実施した「募集」である。

第二が42年から44年9月までの期間、朝鮮総督府が各市・郡などに動員数 を割り当て、行政の責任で募集し民間企業に割り振った「官斡旋」であ る。お役所が仲介した募集だが、職場や職種について納得いかなければ断 る自由があった。

第三が、44年9月から45年3月ごろまで発動した「徴用」である。

原告4人はいずれも募集に応じた労働者だった。4人の内の二人は43年9月 に平壌で日本製鉄(新日鉄住金の前身)の工員募集広告を見て応募し、面 接に合格して、募集担当者に引率されて渡日し、大阪製鉄所の訓練工と なった。

もう一人は41年、大田(テジョン)市長の推薦で勤労奉仕の「報国隊」に入 り、日本製鉄の募集に応じ、担当者に引率されて渡日し、釜石製鉄所の工 員となった。

最後の一人は43年1月、群山府(現在の群山市)の指示で募集に応じ、日 本製鉄募集担当者の引率で渡日、八幡製鉄所工員となった。

つまり、4人とも徴用の始まる44年9月以前に、募集に応じて日本に働きに 来た労働者である。彼らは民間企業と契約を結んで渡日した。戦争が長引 くにつれて日本の男性の多くが徴兵され、国内産業を支える人手不足が顕 著になっていた状況の下、彼らに対する待遇は総じてよかった。

4人が徴用工ではなかったことをつきとめたのは、シンクタンク「国家基 本問題研究所」研究員で朝鮮問題の専門家、西岡力氏である。氏はこの事 実を韓国大法院の判決書で発見した。日本の常識で判断すれば、間違った 事実に基づく韓国大法院の判決は無効なはずだ。ただそう考えるのは日本 人だけで、韓国側は募集も官斡旋も全て強制的な徴用だと主張しているた め、全く、話が通じない。

一切の妥協は不要

それでも、安倍首相が国会の場でこの事実を明らかにしたことは非常に重 要である。黒を白と言いくるめる韓国のやり方と、そのような手法を駆使 する文在寅政権のいかがわしさを、鋭く抉り出して見せたからだ。

文政権下の韓国で進行中の事態は教育、軍、司法、外交のいずれにおいて も通常の法治国家では考えられない異常なものだ。一連の事柄は韓国がも はや真っ当な民主主義の国などではなく、社会主義革命のまっ只中にある と認識すれば納得がいく。

革命勢力は、秩序の全て、条約も契約も常識も紙クズのように破り捨て る。現在、文政権が行っているのがまさしくそれだ。彼らは日本に不当な 判決をつきつけ巨額の資金をむしり取り、日本を貶めようとする。

洪氏は、革命政権の文氏が日本を不条理に責めたてるように、韓国の大半 の国民に対しても親北朝鮮社会主義革命を押しつけると指摘する。

このような文政権に対し、韓国内で反対の狼煙が上がり始めた。

「大将(ジェネラル)の会である星友会が、このままでは北朝鮮に韓国が席 巻されるとして、文政権の対北宥和策に警告を発しました。9月21日には 民間人3000人が文氏を与敵罪で告発しました。有罪になれば死刑しかない 重い告発です。元大使の外交官らが文政権は韓国の安保体制を蹂躙してい るとして『弾劾』の声明文を発表しました。当初大使30人で始まった告発 ですが、参加希望の元大使らが次々に集まり、50人までふえました。いざ となると弱腰の外交官でさえ、文政権に反対表明をするようになったので す。日本のメディアはなぜこうした事を伝えないのでしょうか」

と洪氏は語る。

今回の「旧朝鮮半島出身労働者問題」は、このような全体像の中でとらえ るべきで、革命志向の文政権に一切の妥協は不要なのだ。同時に日本は、 韓国が近未来には敵対する存在となることを肝に銘じ、憲法改正をはじ め、日本の地力を強める施策を急ぐのがよい。
『週刊新潮』 2018年11月15日号 日本ルネッサンス 第827回


              
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重 要 情 報
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 ◎『週刊正論』2018-11-14(メーリングリスト配信)より抜粹

2.【朝鮮半島藪睨み・番外編】朝鮮半島問題のエキスパート、産経新聞 編集委員、久保田るり子氏が「週刊正論」に緊急寄稿!
【旧朝鮮半島出身労働者裁判、文在寅政権が欲する「日韓関係の破たん」】

日本は、「これまで見たことのない韓国」と向き合っていることを、我々 はそろそろ気づくべきだろう。いわゆる徴用工裁判で韓国大法院(最高裁 判所)が下した賠償判決についても、その背景をじっくりと分析する必要 がありそうだ。文在寅政権は今月中に慰安婦問題に関する日韓合意の象徴 であった「和解・癒し財団」も解散しようとしている。「慰安婦」「徴用 工」の2つの歴史問題で日本に「挑戦状」を突きつける韓国。そこには韓 国という国家の変質事情がありそうだ。文在寅政権はなぜいま、日本から 「絶縁状」を出させたいのか―。

■文政権が日韓関係を軽視する理由

現在の文在寅政権が最優先する課題は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長 の年内ソウル訪問である。文氏の9月の平壌訪問で決まった金委員長のソ ウル訪問は、「特別なことがない限り年内」(文大統領)とされてきた。 文政権は何としてでもこれを実現しようとしている。

トランプ大統領との第2回米朝首脳会談を控え、年内に金委員長の史上初 のソウル訪問を実現すれば、文大統領の名声は朝鮮半島史にその名を刻む ことになる。それは文政権が至上命題とする「南北連邦制」の実現に向け た大きな一歩となり、韓国国民は熱狂して「分断の時代」が終わったと実 感し、朝鮮戦争の終戦は自動的に成立して、韓国は世界に「朝鮮半島の平 和」を謳うことができる、というわけだ。

そのための「金正恩委員長への招待状」には、?韓国は対北制裁で結束し てきた「日米韓」の枠組みを捨てた?ソウル訪問には「将来の対北巨大支 援マーシャル・プラン」という対価がついている。そして、これらを裏書 しなければならない。?のプランはすでに出来上がっている。履行の始 まった「板門店宣言」である。すべてが履行されれば100兆ウォン(約10 兆円)と試算される規模だ。?の日米韓の枠組みからの離脱は、相手国で ある日米から「絶縁状」を取るのが望ましい。対日では「歴史問題」、対 米では「同盟より民族」を優先した形を取らなければ韓国世論の情緒に マッチしないからだ。

文政権は昨年5月のスタート以来、「慰安婦」と「徴用工」で日本を挑発 してきた。日韓合意は破棄や再交渉を求めないとしたが、身内の有識者に よる「検討タスクフォース」を作って非公開の外交記録を点検させた。明 らかな外交慣習破りだった。結果、日本と朴槿恵政権の間に「以後、性奴 隷との文言を使わないとの裏合意があった」などと発表、そして日本の拠 出した10億円に充当する同額を政府が予算執行するという奇策に出たのだ。

徴用工問題も、明らかなウィーン条約違反である釜山の徴用工像建立計画 は実現させなかったが、文大統領は就任100日演説で「個人の民事的な (賠償請求)権利は残っている」と述べて日本を刺激し、徴用工慰霊祭に は政府の閣僚を参加させるなど、徴用工活動家に手厚い配慮をみせてきた。

文大統領は昨夏、早々と大法院長に韓国法曹界切っての左派裁判官を地方 裁判所長官から大抜擢した。新大法院長の金命洙(キム・ミョンス)氏 は、韓国労働界のナショナルセンター「全国民主労働総連盟」(民主労 総)、その傘下の全教組(全国教職員労働組合)の擁護者だ。

民主労総や全教組こそが、文政権誕生を作った「ロウソク革命」と呼ばれ た朴槿恵弾劾デモの主力勢力だった。というわけで、韓国では金大法院長 就任をもって「徴用工は賠償ありき」とみられていきた。さらに司令塔と なった金院長の人事で大法院に左派の裁判官が急増したのを受け、徴用工 審理が始まり、10月末の判決となった。着々と進んだ段取りをみて「まる でセットプレーだな」と感想を述べた司法関係者もいる。

■主体思想派が牛耳る大統領府

いま、韓国保守派は危機に瀕している。収賄や職権乱用で訴追され32年の 懲役判決を受けた朴槿恵氏だけでなく、元大統領の李明博氏も収賄、背 任、職権乱用で収監されている。文在寅氏は韓国の民主政権は金大中、盧 武鉉、文在寅の3政権と明言するほど「歴代保守の否定」を厭わない人物 である。

言い換えれば文政権は北朝鮮と対峙してきた米韓同盟基軸の韓国政府を認 めていない。文氏はいわゆる「民主化世代」で、朴正熙時代に反政府運動 (運動圏)を行い、自身も学生運動で逮捕歴がある。80年代の運動圏は北 朝鮮の主体思想に心酔した主体思想派(主思派)が急増した。

文氏の率いる韓国大統領府(青瓦台)は、秘書官ら幹部約60人の約6割が 主思派なのである。中心人物は大統領秘書室長の任鍾晳(イム・ジョンソ ク)氏で、彼は80年代の全大協(全国大学生代表者協議会=日本の全共闘 に相当)会長、つまり主体思想派の代表格だった。青瓦台幹部ナンバー2 の政務首席秘書官も全大協出身、大統領演説秘書官は任鍾晳氏の後輩なの である。

「彼らの世界観に日韓友好も米韓同盟もない。司法は革命の道具だ。そう いう人間たちが青瓦台を牛耳った。彼らは国際社会の反応など全く意に介 さない」(韓国人ジャーナリスト)

文大統領は平壌訪問に韓国国旗「大極旗」は持参せず「統一旗」だけを携 えた。南北首脳会談では統一旗と人共旗(北朝鮮国旗)だけが翻った。最 近、ソウル市内のデモでは米国の星条旗と日本の旭日旗が破られている。

徴用工判決はこうした環境のなかで下されたのである。現在、沈黙する文 大統領だが、いずれ「韓国は司法の判断を尊重する」とするだろう。慰安 婦問題と同様、有識者による対応の協議を始めるとしており、政府があい まいな態度を取る中で第二、第三と賠償判決が出続けることになると予想 される。

日韓関係の本当の危機は、これから始まる。

くぼた・るりこ 東京都出身。成蹊大学経済学部卒、産経新聞入社後、 1987年、韓国・延世大学留学。1995年、防衛省防衛研究所一般課程修了。 外信部次長、ソウル特派員、外信部編集委員、政治部編集委員を経て現 職。2017年から國學院客員教授。著書に「金日成の秘密教示」(扶桑 社)、「金正日を告発する―黄長燁の語る朝鮮半島の実相」(産経新聞 社)など。月刊「正論」に「朝鮮半島藪睨み」を連載中。

【週刊正論ML】2018-11-14  〔情報収録 − 坂元 誠〕

 ◎世に言う「悪質タックル問題」についての警視庁の決定:前田正晶

警視庁はこの日本大学フェニックスの監督の指示によると疑われた「悪質 タックル問題」を立件しない決定を下した。そこで、この問題を私なりに 考えて見た。

長年のフットボール愛好者としてはマスメディアが付けたこの見出しは不 当であるとまではいわないが、大いに疑問である。あれは“late hit”とい う反則で、プレーを終えてしまって無防備状態になっているQB乃至は他の プレーヤーに当たりに行ってしまうことを指している。俗語では「アフ ター」となっている反則であると思っている。何故か私にはそこだけ捉え れば、マスコミが挙っての報道ほど「悪質」とは思えないのだ。

それはそれとして、あの訴訟は当たられた関西学院大学のQBの親御さんが 起こした案件であったはずだ。「立件せず」報道ではそこが示されておら ず、専ら内田前監督が宮川に「潰しにいけ」と指示しなかったという点に 焦点が絞られていた。しかも、親御さんの奥野氏は「宮川には寛大な措置 を」とまで願い出ている。

しかしながら、原告の問題は措くとして、私が考えても複雑であり面倒く さそうな事態になってきたように思えてならない。先ずは内田氏だが、昨 日は「不当解雇」と訴えて出るのではと言ったが、既に訴えておられたと 報じられていた(聞いていた)記憶もあったし、既に本日だったかに口頭 弁論があるというところまで来ていた。訴えられた相手が日本大学である ところが凄いと思う。

次の複雑さは日本大学が委任した第三者委員会とその決定である。明確に 「内田監督の指示があった」としていた。更にその先にいるのが関東学連 である。ここも同様の判断をして内田監督と井上コーチを「除名」してし まっている上に、日本大学をリーグ戦出場停止としてしまっている。とな れば、一選手の行為を基にしてフェニックス全体の出場を禁じてしまった ことになってしまう。部外者が見ても面倒だなと思う事態だが、大体から して試合中の一プレーを告訴するのには無理があったと最初から気になっ ていた。

最後に最も気になるのが、宮川泰介君の「指示があった。追い詰められて 言われた通りにやった」という記者会見はどうなるのかという点だ。誰も があの告白を聞いて「真実を勇気を持って告白した」と解釈し、彼に同情 が集まり、支持者が出てきた。結果的にはフェニックスに復帰した。だ が、指示がなかったと警視庁が判断したのであれば、あの記者会見は何 だったのかという事態になりかねない。仮にもだが、護身の為に虚偽の発 言をしたとでも結論が出れば大変なことにならないか。

更なる問題とも思えるのは「あの一件を以て日本大学全体の問題としてマ スコミが面白おかしく捉え、田中理事長が記者会見を開かないことも大き く報じられて、恰も悪者の如き扱いになってしまった」点である。私には これから先に如何なる展開を見せるかは解らないが、この件の責任の所在 が何処の誰に落ち着くかが最大の問題であろうと思う。何れにせよ、十分 に関心を持たされた警視庁の決定だった。


 ◎『週刊正論』2018-11-14(メーリングリスト配信)より抜粹
2.【朝鮮半島藪睨み・番外編】朝鮮半島問題のエキスパート、産経新聞 編集委員、久保田るり子氏が「週刊正論」に緊急寄稿!
【旧朝鮮半島出身労働者裁判、文在寅政権が欲する「日韓関係の破たん」】

日本は、「これまで見たことのない韓国」と向き合っていることを、我々 はそろそろ気づくべきだろう。いわゆる徴用工裁判で韓国大法院(最高裁 判所)が下した賠償判決についても、その背景をじっくりと分析する必要 がありそうだ。文在寅政権は今月中に慰安婦問題に関する日韓合意の象徴 であった「和解・癒し財団」も解散しようとしている。「慰安婦」「徴用 工」の2つの歴史問題で日本に「挑戦状」を突きつける韓国。そこには韓 国という国家の変質事情がありそうだ。文在寅政権はなぜいま、日本から 「絶縁状」を出させたいのか―。

■文政権が日韓関係を軽視する理由

現在の文在寅政権が最優先する課題は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長 の年内ソウル訪問である。文氏の9月の平壌訪問で決まった金委員長のソ ウル訪問は、「特別なことがない限り年内」(文大統領)とされてきた。 文政権は何としてでもこれを実現しようとしている。

トランプ大統領との第2回米朝首脳会談を控え、年内に金委員長の史上初 のソウル訪問を実現すれば、文大統領の名声は朝鮮半島史にその名を刻む ことになる。それは文政権が至上命題とする「南北連邦制」の実現に向け た大きな一歩となり、韓国国民は熱狂して「分断の時代」が終わったと実 感し、朝鮮戦争の終戦は自動的に成立して、韓国は世界に「朝鮮半島の平 和」を謳うことができる、というわけだ。

そのための「金正恩委員長への招待状」には、?韓国は対北制裁で結束し てきた「日米韓」の枠組みを捨てた?ソウル訪問には「将来の対北巨大支 援マーシャル・プラン」という対価がついている。

これらを裏書しなければならない。?のプランはすでに出来上がってい る。履行の始まった「板門店宣言」である。すべてが履行されれば100兆 ウォン(約10兆円)と試算される規模だ。?の日米韓の枠組みからの離脱 は、相手国である日米から「絶縁状」を取るのが望ましい。対日では「歴 史問題」、対米では「同盟より民族」を優先した形を取らなければ韓国世 論の情緒にマッチしないからだ。

文政権は昨年5月のスタート以来、「慰安婦」と「徴用工」で日本を挑発 してきた。日韓合意は破棄や再交渉を求めないとしたが、身内の有識者に よる「検討タスクフォース」を作って非公開の外交記録を点検させた。明 らかな外交慣習破りだった。結果、日本と朴槿恵政権の間に「以後、性奴 隷との文言を使わないとの裏合意があった」などと発表、そして日本の拠 出した10億円に充当する同額を政府が予算執行するという奇策に出たのだ。

徴用工問題も、明らかなウィーン条約違反である釜山の徴用工像建立計画 は実現させなかったが、文大統領は就任100日演説で「個人の民事的な (賠償請求)権利は残っている」と述べて日本を刺激し、徴用工慰霊祭に は政府の閣僚を参加させるなど、徴用工活動家に手厚い配慮をみせてきた。

文大統領は昨夏、早々と大法院長に韓国法曹界切っての左派裁判官を地方 裁判所長官から大抜擢した。新大法院長の金命洙(キム・ミョンス)氏 は、韓国労働界のナショナルセンター「全国民主労働総連盟」(民主労 総)、その傘下の全教組(全国教職員労働組合)の擁護者だ。そして民主 労総や全教組こそが、文政権誕生を作った「ロウソク革命」と呼ばれた朴 槿恵弾劾デモの主力勢力だった。というわけで、韓国では金大法院長就任 をもって「徴用工は賠償ありき」とみられていきた。さらに司令塔となっ た金院長の人事で大法院に左派の裁判官が急増したのを受け、徴用工審理 が始まり、10月末の判決となった。着々と進んだ段取りをみて「まるで セットプレーだな」と感想を述べた司法関係者もいる。

■主体思想派が牛耳る大統領府

いま、韓国保守派は危機に瀕している。収賄や職権乱用で訴追され32年の 懲役判決を受けた朴槿恵氏だけでなく、元大統領の李明博氏も収賄、背 任、職権乱用で収監されている。文在寅氏は韓国の民主政権は金大中、盧 武鉉、文在寅の3政権と明言するほど「歴代保守の否定」を厭わない人物 である。

言い換えれば文政権は北朝鮮と対峙してきた米韓同盟基軸の韓国政府を認 めていない。文氏はいわゆる「民主化世代」で、朴正熙時代に反政府運動 (運動圏)を行い、自身も学生運動で逮捕歴がある。80年代の運動圏は北 朝鮮の主体思想に心酔した主体思想派(主思派)が急増した。文氏の率い る韓国大統領府(青瓦台)は、秘書官ら幹部約60人の約6割が主思派なの である。中心人物は大統領秘書室長の任鍾晳(イム・ジョンソク)氏で、 彼は80年代の全大協(全国大学生代表者協議会=日本の全共闘に相当)会 長、つまり主体思想派の代表格だった。青瓦台幹部ナンバー2の政務首席 秘書官も全大協出身、大統領演説秘書官は任鍾晳氏の後輩なのである。

「彼らの世界観に日韓友好も米韓同盟もない。司法は革命の道具だ。そう いう人間たちが青瓦台を牛耳った。彼らは国際社会の反応など全く意に介 さない」(韓国人ジャーナリスト)

文大統領は平壌訪問に韓国国旗「大極旗」は持参せず「統一旗」だけを携 えた。南北首脳会談では統一旗と人共旗(北朝鮮国旗)だけが翻った。最 近、ソウル市内のデモでは米国の星条旗と日本の旭日旗が破られている。

徴用工判決はこうした環境のなかで下されたのである。現在、沈黙する文 大統領だが、いずれ「韓国は司法の判断を尊重する」とするだろう。慰安 婦問題と同様、有識者による対応の協議を始めるとしており、政府があい まいな態度を取る中で第二、第三と賠償判決が出続けることになると予想 される。

日韓関係の本当の危機は、これから始まる。

くぼた・るりこ 東京都出身。成蹊大学経済学部卒、産経新聞入社後、 1987年、韓国・延世大学留学。1995年、防衛省防衛研究所一般課程修了。 外信部次長、ソウル支局特派員、外信部編集委員、政治部編集委員を経て 現職。2017年から國學院客員教授。著書に「金日成の秘密教示」(扶桑 社)、「金正日を告発する―黄長燁の語る朝鮮半島の実相」(産経新聞 社)など。月刊「正論」に「朝鮮半島藪睨み」を連載中。

【週刊正論ML】2018-11-14  〔情報収録 − 坂元 誠〕

 ◎『週刊正論』2018-11-14(メーリングリスト配信)より抜粹
2.【朝鮮半島藪睨み・番外編】朝鮮半島問題のエキスパート、産経新聞 編集委員、久保田るり子氏が「週刊正論」に緊急寄稿!
【旧朝鮮半島出身労働者裁判、文在寅政権が欲する「日韓関係の破たん」】

日本は、「これまで見たことのない韓国」と向き合っていることを、我々 はそろそろ気づくべきだろう。いわゆる徴用工裁判で韓国大法院(最高裁 判所)が下した賠償判決についても、その背景をじっくりと分析する必要 がありそうだ。文在寅政権は今月中に慰安婦問題に関する日韓合意の象徴 であった「和解・癒し財団」も解散しようとしている。「慰安婦」「徴用 工」の2つの歴史問題で日本に「挑戦状」を突きつける韓国。そこには韓 国という国家の変質事情がありそうだ。文在寅政権はなぜいま、日本から 「絶縁状」を出させたいのか―。

■文政権が日韓関係を軽視する理由

現在の文在寅政権が最優先する課題は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長 の年内ソウル訪問である。文氏の9月の平壌訪問で決まった金委員長のソ ウル訪問は、「特別なことがない限り年内」(文大統領)とされてきた。

文政権は何としてでもこれを実現しようとしている。トランプ大統領との 第2回米朝首脳会談を控え、年内に金委員長の史上初のソウル訪問を実現 すれば、文大統領の名声は朝鮮半島史にその名を刻むことになる。それは 文政権が至上命題とする「南北連邦制」の実現に向けた大きな一歩とな り、韓国国民は熱狂して「分断の時代」が終わったと実感し、朝鮮戦争の 終戦は自動的に成立して、韓国は世界に「朝鮮半島の平和」を謳うことが できる、というわけだ。

そのための「金正恩委員長への招待状」には、?韓国は対北制裁で結束し てきた「日米韓」の枠組みを捨てた?ソウル訪問には「将来の対北巨大支 援マーシャル・プラン」という対価がついている。そして、これらを裏書 しなければならない。?のプランはすでに出来上がっている。

履行の始まった「板門店宣言」である。すべてが履行されれば100兆ウォ ン(約10兆円)と試算される規模だ。?の日米韓の枠組みからの離脱は、 相手国である日米から「絶縁状」を取るのが望ましい。対日では「歴史問 題」、対米では「同盟より民族」を優先した形を取らなければ韓国世論の 情緒にマッチしないからだ。

文政権は昨年5月のスタート以来、「慰安婦」と「徴用工」で日本を挑発 してきた。日韓合意は破棄や再交渉を求めないとしたが、身内の有識者に よる「検討タスクフォース」を作って非公開の外交記録を点検させた。明 らかな外交慣習破りだった。結果、日本と朴槿恵政権の間に「以後、性奴 隷との文言を使わないとの裏合意があった」などと発表、そして日本の拠 出した10億円に充当する同額を政府が予算執行するという奇策に出たのだ。

徴用工問題も、明らかなウィーン条約違反である釜山の徴用工像建立計画 は実現させなかったが、文大統領は就任100日演説で「個人の民事的な (賠償請求)権利は残っている」と述べて日本を刺激し、徴用工慰霊祭に は政府の閣僚を参加させるなど、徴用工活動家に手厚い配慮をみせてきた。

文大統領は昨夏、早々と大法院長に韓国法曹界切っての左派裁判官を地方 裁判所長官から大抜擢した。新大法院長の金命洙(キム・ミョンス)氏 は、韓国労働界のナショナルセンター「全国民主労働総連盟」(民主労 総)、その傘下の全教組(全国教職員労働組合)の擁護者だ。

民主労総や全教組こそが、文政権誕生を作った「ロウソク革命」と呼ばれ た朴槿恵弾劾デモの主力勢力だった。というわけで、韓国では金大法院長 就任をもって「徴用工は賠償ありき」とみられていきた。さらに司令塔と なった金院長の人事で大法院に左派の裁判官が急増したのを受け、徴用工 審理が始まり、10月末の判決となった。着々と進んだ段取りをみて「まる でセットプレーだな」と感想を述べた司法関係者もいる。

■主体思想派が牛耳る大統領府

いま、韓国保守派は危機に瀕している。収賄や職権乱用で訴追され32年の 懲役判決を受けた朴槿恵氏だけでなく、元大統領の李明博氏も収賄、背 任、職権乱用で収監されている。文在寅氏は韓国の民主政権は金大中、盧 武鉉、文在寅の3政権と明言するほど「歴代保守の否定」を厭わない人物 である。

言い換えれば文政権は北朝鮮と対峙してきた米韓同盟基軸の韓国政府を認 めていない。文氏はいわゆる「民主化世代」で、朴正熙時代に反政府運動 (運動圏)を行い、自身も学生運動で逮捕歴がある。80年代の運動圏は北 朝鮮の主体思想に心酔した主体思想派(主思派)が急増した。文氏の率い る韓国大統領府(青瓦台)は、秘書官ら幹部約60人の約6割が主思派なの である。中心人物は大統領秘書室長の任鍾晳(イム・ジョンソク)氏で、 彼は80年代の全大協(全国大学生代表者協議会=日本の全共闘に相当)会 長、つまり主体思想派の代表格だった。青瓦台幹部ナンバー2の政務首席 秘書官も全大協出身、大統領演説秘書官は任鍾晳氏の後輩なのである。

「彼らの世界観に日韓友好も米韓同盟もない。司法は革命の道具だ。そう いう人間たちが青瓦台を牛耳った。彼らは国際社会の反応など全く意に介 さない」(韓国人ジャーナリスト)

文大統領は平壌訪問に韓国国旗「大極旗」は持参せず「統一旗」だけを携 えた。南北首脳会談では統一旗と人共旗(北朝鮮国旗)だけが翻った。最 近、ソウル市内のデモでは米国の星条旗と日本の旭日旗が破られている。

徴用工判決はこうした環境のなかで下されたのである。現在、沈黙する文 大統領だが、いずれ「韓国は司法の判断を尊重する」とするだろう。慰安 婦問題と同様、有識者による対応の協議を始めるとしており、政府があい まいな態度を取る中で第二、第三と賠償判決が出続けることになると予想 される。

日韓関係の本当の危機は、これから始まる。

くぼた・るりこ 東京都出身。成蹊大学経済学部卒、産経新聞入社後、 1987年、韓国・延世大学留学。1995年、防衛省防衛研究所一般課程修了。 外信部次長、ソウル支局特派員、外信部編集委員、政治部編集委員を経て 現職。2017年から國學院客員教授。著書に「金日成の秘密教示」(扶桑 社)、「金正日を告発する―黄長燁の語る朝鮮半島の実相」(産経新聞 社)など。月刊「正論」に「朝鮮半島藪睨み」を連載中。

【週刊正論ML】2018-11-14  〔情報収録 − 坂元 誠〕

 ◎世に言う「悪質タックル問題」についての警視庁の決定:前田正晶

警視庁はこの日本大学フェニックスの監督の指示によると疑われた「悪質 タックル問題」を立件しない決定を下した。そこで、この問題を私なりに 考えて見た。

長年のフットボール愛好者としてはマスメディアが付けたこの見出しは不 当であるとまではいわないが、大いに疑問である。あれは“late hit
”という反則で、プレーを終えてしまって無防備状態になっているQB乃至 は他のプレーヤーに当たりに行ってしまうことを指している。俗語では 「アフター」となっている反則であると思っている。何故か私にはそこだ け捉えれば、マスコミが挙っての報道ほど「悪質」とは思えないのだ。

それはそれとして、あの訴訟は当たられた関西学院大学のQBの親御さんが 起こした案件であったはずだ。「立件せず」報道ではそこが示されておら ず、専ら内田前監督が宮川に「潰しにいけ」と指示しなかったという点に 焦点が絞られていた。しかも、親御さんの奥野氏は「宮川には寛大な措置 を」とまで願い出ている。

しかしながら、原告の問題は措くとして、私が考えても複雑であり面倒く さそうな事態になってきたように思えてならない。先ずは内田氏だが、昨 日は「不当解雇」と訴えて出るのではと言ったが、既に訴えておられたと 報じられていた(聞いていた)記憶もあったし、既に本日だったかに口頭 弁論があるというところまで来ていた。訴えられた相手が日本大学である ところが凄いと思う。

次の複雑さは日本大学が委任した第三者委員会とその決定である。明確に 「内田監督の指示があった」としていた。更にその先にいるのが関東学連 である。ここも同様の判断をして内田監督と井上コーチを「除名」してし まっている上に、日本大学をリーグ戦出場停止としてしまっている。とな れば、一選手の行為を基にしてフェニックス全体の出場を禁じてしまった ことになってしまう。部外者が見ても面倒だなと思う事態だが、大体から して試合中の一プレーを告訴するのには無理があったと最初から気になっ ていた。

最後に最も気になるのが、宮川泰介君の「指示があった。追い詰められて 言われた通りにやった」という記者会見はどうなるのかという点だ。誰も があの告白を聞いて「真実を勇気を持って告白した」と解釈し、彼に同情 が集まり、支持者が出てきた。結果的にはフェニックスに復帰した。だ が、指示がなかったと警視庁が判断したのであれば、あの記者会見は何 だったのかという事態になりかねない。仮にもだが、護身の為に虚偽の発 言をしたとでも結論が出れば大変なことにならないか。

更なる問題とも思えるのは「あの一件を以て日本大学全体の問題としてマ スコミが面白おかしく捉え、田中理事長が記者会見を開かないことも大き く報じられて、恰も悪者の如き扱いになってしまった」点である。私には これから先に如何なる展開を見せるかは解らないが、この件の責任の所在 が何処の誰に落ち着くかが最大の問題であろうと思う。何れにせよ、十分 に関心を持たされた警視庁の決定だった。



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身 辺 雑 記
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16 日の東京湾岸は快晴、爽快。」

15日午後、家人に調髪してもらった。玄人はだし。こんな女性は珍しいだ ろう。

夕方には東京駅近くの中華料理店でNHK大阪のOB会。楽しかった.東大卒 が2人もいた。
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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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  • 名無しさん2018/11/16

    同じ記事を何回も重複して掲載する意図はなんですか?