政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4864 号  2018・11・15(木)

2018/11/15

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4864号
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       2018(平成30)年  11月15日(木)



     トランプが直面する「決められない政治」:杉浦正章

           こんどはマダガスカルが。。:宮崎正弘

               外国人観光客の急増:川原俊明

      これからの日中関係を決める首脳会談:櫻井よしこ

                                                                                                                                    話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4864号
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トランプが直面する「決められない政治」
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              杉浦 正章

院舞台に攻防段階へ突入b独尊政治が極東外交にも影

中間選挙の結果米国は、民主党が下院を奪還し、多数党が上院は共和党、 下院は民主党という「ねじれ議会」となった。この大統領と下院の多数派 が異なる政治状態は、戦後の議会ではレーガン政権、ブッシュ政権、オバ マ政権で生じている。とりわけオバマ政権の2期目は、「決められない政 治」で有名だが、トランプも多かれ少なかれ「決められない」状況に落ち 込むだろう。

2年後の大統領選は、奇跡の逆転でトランプ再選がないとは言えないが、 その可能性は低い。勢いづいた民主党が反トランプの攻勢をかけることは 必定であり、大統領弾劾の事態もあり得ないことではない。米国の政治は 流動化の傾向を強くする。

民主党にとっては8年ぶりの下院奪還であり、ねじれを利用してトランプ 政権への攻勢を強め、大統領の弾劾訴追も視野に入れるとみられる。その ための圧力は、法案の成立数となって現れるだろう。

米議会における法案成立数は毎年通常400〜500本で推移しているが、議会 がねじれた政権ではその数が著しく減少する。レーガンの成立率は6%、 ブッシュ4%、オバマ2%といった具合だ。

法案は通常、上下両院でそれぞれ同時期に審議され、内容が一本化されて 成立の運びとなる。民主党は今後ポイントとなる重要法案の成立を阻むも のとみられ、トランプは議会対策で苦境に陥る公算が強い。とりわけ下院 が主戦場となる。民主党の狙いは言うまでもなく2年後の大統領選挙でト ランプを引きずり下ろすことにある。2年間でトランプをボロボロにし て、再起不能にしようというのだ。

民主党はトランプの弱点を突く戦術を展開するものとみられる。弱点は山 ほどある。外交では北朝鮮の金正恩やロシアのプーチンとの親密ぶりばか りを露骨に誇示して、同盟国である日本やカナダをないがしろにして、高 関税をちらつかせる。

内政では元女優との不倫に口止め料を支払ったのが露呈したかとおもう と、女性やマイノリティに対する侮辱的な発言。議会が指摘する「嘘つき 政治」は日常茶飯事である。

よくこれで大統領職が務まると思えるほどの問題ばかりが山積している。 他国に対する制裁関税も、製造業が大不況で息も絶え絶えのラストベルト 地帯にこびを売るものにほかならない。トランプは国全体を見る視野よ り、自分への支持層だけを大切にしているかに見える。

「我々はグローバリズムを拒絶し、愛国主義に基づき行動する」という発 言は、国際協調路線とは決別しているかに見える。現実に環太平洋経済連 携協定(TPP)や、地球温暖化対策の「パリ協定」からの離脱表明は、 釈迦も驚く唯我独尊ぶりだ。

この結果米国民に分断傾向が生じている。国内に医療制度や移民問題をめ ぐって対立が生じているのだ。もともと共和党支持層は地方の有権者や白 人が多く、民主党は若者や、有色人種、女性が支持する傾向が強い。

本来なら複雑な社会形態を統合するのが米大統領の重要な役割だが、トラ ンプは分断が自らを利すると考えているかに見える。よくこれで大統領が 務まると思えるが、米国政治の懐は深く、弾劾などはよほどのことがない 限り実現しそうもないのが実態だ。

米国では大統領と議会の多数派が異なることを分割政府(divided government)と言う。米国の政治制度の特質は、大統領と議会の多数派が 異なる分割政府の常態化を前提として政治運営や立法活動が複雑な駆け引 きの下に行われる。

大統領が利害調整を行はざるを得ない場面が過去の政権でも見られた。そ の傾向が常態化するのであろう。さすがに心配なのかトランプはさっそく 「ねじれ」状態を踏まえ、「いまこそお互いが一緒にやるときだ」と述 べ、民主党に連携を呼びかけたが、ことは容易には進むまい。

トランプの政治姿勢が続く限り、西欧や日本などの同盟国の国民は心理的 な離反傾向を強めかねない。そうすれば喜ぶのはプーチンや習近平だけで あろう。トランプの対中対立路線が原因となる米中離反は、中国による対 日接近姿勢を強めており、国家主席習近平の来年の訪日など今後交流が強 まる傾向にある。

トランプの唯我独尊政治は、単に米国内にとどまらず、極東外交にも大き な影を落としているのだ。しかし大統領が誰であれ、日米関係は重要であ り、同盟関係を堅持し、通商関係の維持向上を図るべきであることは言う までもない。



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こんどはマダガスカルが。。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)11月14日(水曜日)弐
        通巻第5889号   
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こんどはマダガスカルが「あの国」に狙われた
 カヌー漁業へいきなり近代漁船330隻を投入、大統領のスキャンダルに発展
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マダガスカル? 地球の何処にある?

アフリカ東海岸モザンビークの東沖合400キロに浮かぶ島。しかし「島」 とは言っても面積は日本の1・6倍、人口は2200万人強。大半の国民は一 日2ドルで暮らす最貧国。もとはフランス植民地だった。

突然、この国にスポットが当たったのは、テレビの旅行番組だった。

マダガスカルにしかいない「横っ飛びの猿」(ベローシファカ)、キツネ ザルなど珍しい動物とキノコのお化けのような木々がジャングルに群生す るという不思議。自然に興味の向き是非とも行ってみたいと思うかも知れ ない。かくいう筆者、1985年に一度、行っている(といっても正確に言う と、ヨハネスブルグの帰路、2時間ほどトランジットしただけですが)。

世界政治から、突然、マダガスカルが注目を浴びたのは「コバルト」だっ た。世界のコバルト消費量の48%が中国、20%が日本。スマホの急発展に よって、リチゥムイオン電池の需要が急伸し、その基幹のレアメタルがコ バルトである。

日本の企業も、コバルト輸入には神経質となっており、げんにコバルト価 格は過去3年で4倍に膨れあがっている。世界一のコバルト生産はコンゴ 民主共和国(昔のザイール)。鉱山経営のアメリカ企業から、中国はぽん と26億ドルのキャッシュを支払って筆頭株主となっている。

このコバルトがマダガスカルで生産されているのだ。日本企業もはやばや と住友商事がコバルト鉱山開発に手を染めている。コバルトは銅、ニッケ ル鉱に付随して産出されるので、精錬に高度の技術が必要とされる。

それまでは旧宗主国フランスも経済支援には投げやりで、なにしろ主要部 族だけで16。多くの部族語はボルネオあたりから漂着したマレー語が源流 とも言われる。統一言語がないため、フランス語と英語が公用語である。
ちなみ通貨単位は「アリアリ」。何もないのに在るとは、これ如何に?

政情不安、機能しない政府、憲法に基づかない政権交代など、要するに法 治主義とは何かが分かっていない人々が、この国を統治している。
地理学的には紀元前にアフリカ大陸から千切れ、インド亜大陸から、もぎ 取らてれ孤島となってしまい、世界との交流は少なかったため、独自の 動・植物が育った。沿岸部ではカヌーを改良したような小舟の原始的な漁 業が営まれている。


 ▼マダガスカルの基幹産業が壊れる

降って湧いてきた壮大無比のプロジェクトは、やっぱり「あの国」からで ある。

近代的漁船330隻がマダガスカルに投入されるという。総額27億ドル (マダガスカル史初の巨額)という漁業協定はマダガスカル政府ではな く、民間企業と北京政府系の中国企業コンソシアムとの間に署名され、し かもその企業は、当時のヘリー・ジャオナリマンビアニ大統領の息子が取 締役を務める会社である。

だれが考えても面妖な話、しかもこの協定にマダガスカル政府漁業省が一 切関知していない。民間企業は「マダガスカル経済発展推進社」とかの、 公的なニュアンスを匂わせる会社だが、実態は不明である。
 
署名式は9月5日、北京で行われた。しかも署名式の部屋の片隅にヘ リー・ジャオナリマンビアニ大統領が映っている証拠写真がメディアに よって報じられ、大統領は「私は知らない。なんの署名式だったのか、関 与していない」と誰もが嘘と分かる弁明。

同大統領はその2日後に辞任した。このため90日以内に大統領選挙が行わ れるが、下馬評でトップを走るのが、やはり、このヘリー・ジャオナリマ ンビアニ大統領なのである。

 中国が近代的漁船を大量に派遣して漁業を営めば、マダガスカルの漁業 資源はあらかたが取り尽くされる。なにしろ漁獲量の殆どは中国への輸出 に廻される契約となっているらしい(契約内容は公開されていない)。

地元漁民は小型ボート(エンジンもない)、沿海でしか操業できず、中国 の「漁業侵略」が始まったらひとたまりもなく失業するだろう。それでな くとも北部に住み着いた華僑を通して、地元民はその阿漕な遣り方を知っ ており、中国人が嫌いである。


 ▼中国の乱獲、独占は悪名高いゾ

『アジアタイムズ』(2018年11月12日)に拠れば、中国側の契約相手は七 つの民間の漁業、船舶、港湾開発など特定できない中国企業で、最初の三 年間に7億ドルを投じ、まず港湾と整備し、漁場を調査・観測し、保冷倉 庫や輸出設備を造成、地元漁民も一万人が雇用されるという薔薇色の青写 真が提示されている。

その後、14メートルの近代的な漁船には保冷設備を内蔵し、トロール方式 で漁獲効率をあげるというが、日本でも小笠原諸島近海で、赤珊瑚を根こ そぎ盗んでいった実績を誇る中国の漁船団は、近年、アフリカの海も荒ら し回っており、EU委員会の報告に寄れば、2017年度だけでも250万トン の魚介類を水揚げした。

マダガスカルのEEZ(経済的排他海域は、宏大であり、合法的にも中国 の船団が入ってくれば、海の生態系も変わる。

マダガスカルにおいて欧米の自然環境保護団体が多数活躍しており、彼ら が自然破壊に繋がると懸念を表明している。地元漁民の反対デモなどはま だ確認されていないが、数日中に大統領選挙の投票時を迎える。
大統領選挙、どういう結果になるか?
      
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1819回】        
 ――「支那の國ほど近付いてあらの見ゆる國は無し」――關(3)
關和知『西隣游記』(非売品 日清印刷 大正7年)

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じつは清朝八大親王の1人である肅親王善耆は、「男装の麗人」「東洋の マタハリ」と呼ばれた川島芳子こと金璧輝の父親である。母親は肅親王善 耆の第四側妃。芳子には2人の妹がいたが、下の妹の愛新覚羅顕?は『清 朝の王女に生まれて』(中公文庫 1990年)に金璧輝が川島芳子になった 理由を、「父が日本人を利用して清の復辟を祈願していたため、当時父に 取り入っていた川島浪速という日本人に、連れられて行きました」と記す。

川島「お雇い外人」として末期の清朝で警察官の養成に当たったが、その 際、肅親王善耆やその娘婿に当たる蒙古王公のカラチン王と親交を結んだ。

清朝崩壊後、北京を離れ旅順鎮遠町十番地に移り住んでいる。おそらく關 和知らは、この鎮遠町十番地に肅親王善耆を訪れたのだろう。

1912年、川島は肅親王善耆を擁して第1次満蒙独立運動を計画するが、日 本政府の命令で計画は頓挫する。その後、1916年(大正5)年に第2次大 隈内閣の進める「反袁政策」の下で第2次満蒙独立運動を画策するが、日 本政府の方針転換と袁世凱の死で失敗に終わった。

1922(大正11)年の肅親王善耆の死を『清朝の王女に生まれて』は、「父 は北京をでる時、(清朝崩壊と亡命の悲哀を綴った)詩を作って、それっ きり北京の土は踏みませんでした。復辟(退位した皇帝を再び復位させる 事)運動にも失敗して、わずか享年57歳で、亡命の地旅順に在って最後の 息を引き取ったのです」と記す。

關ら6人は1917(大正6)年10月から12月にかけて旅行しているところか らみて、一行が面会し当時の肅親王善耆は、第2次満蒙独立運動失敗の失 意に落ち込んでいた頃と思われる。

「日本人を利用して清の復辟を祈願し」ていた肅親王善耆である。はたし て清朝復辟のために日本人と見たら誰彼となく「人を動かす」ような言辞 を弄していたのだろうか。

肅親王善耆の次は反日運動を考えたい。

 「支那人の日本人に對する惡感は依然として存在」するばかりか、最近 では盛んになってきて、「往々にして我が威令を輕じ、時に反抗的態度に 出づ」。たとえば「埠頭に於ける苦力のストライキ」であり、「荷馬車曳 のストライキ」であり、「日本婦人に對する支那車夫の侮辱」などだ。

その責任を考えると、やはり「日本に於ける我政府の對支方針が、單に支 那の歓心を買ふを以て能事とする、所謂親善主義なるもの」にある。それ というのも、日本側の微温的な対応が相手側に「帝國の威信を輕ずるの弊 を誘致」してしまったからである。その一例として鄭家屯事件を挙げ、事 件を曖昧な形で収束させてしまったことが「帝國政府自ら輕ずるの甚だし き一例」とする。

鄭家屯事件とは、1916(大正5)年8月に日本人売薬店員と中国兵のささい な口喧嘩が発端となって遼寧省鄭家屯で起こった両国軍衝突事件。

日本軍が同地を占領した後、当時の大隈重信内閣は中国側の司令官の懲戒 に加え、南満洲・東部内蒙古の必要地点への警察官の駐在を要求した。じ つは1900年の北京で起こった義和団事件(北清事変)を機に結ばれた北京 条約によって、日本は欧米諸国と同じように自国民保護のために軍を駐留 させる権利を得ていたのである。

当時の両国関係を簡単に振り返っておくと、1915(大正4)年1月、日本が 提出した対華21カ条要求をめぐる交渉がはじまったものの、日本はイギリ スの抗議を受け、要求の一部を取り下げた。

この対応が、日本がイギリスの圧力に屈したことであり、延いては中国側 の日本に対する軽侮・蔑視的態度を誘発するとの考えが当時の陸軍から生 まれる。
その筆頭が、袁世凱に密着していた陸軍支那通の代表的存在の坂西利八郎 らしい。
  
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)スー・チーから「人権賞」を取り上げるそうです。
(引用開始)「【AFP=時事】国際人権団体アムネスティ・インターナ ショナル(Amnesty International、本部=英ロンドン)は12日、ミャン マーの実質的最高指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi) 国家顧問に授与していた同団体最高の賞を撤回したと発表した。アムネス ティは、同国軍のイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)への残虐行 為に対し、スー・チー氏が「無関心」だと指摘している」(引用止め)。
 欧米の基準がかくも胡散臭い見本のようなものですが、それなら大江健 三郎からも「ノーベル文学賞」を取り下げて貰いたいですね。
  (NB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)スー・チーは英国で教育を受け、しかも配偶者が 英国情報部の男性だった。だから「配偶者が外国人の人物は大統領には馴 れない」というミャンマーの憲法の前に、大統領にはなれないが、最高実 力者として君臨できる。

英国はこれでミャンマーを操れると過剰な、というより支配者の僭越な論 理で動かそうとしたわけで、こんどはスー・チーが言うことを聞かないか ら批判しているわけでしょう。欧米の身勝手な、一方的なご都合主義です。

ノーベル平和賞はもっとも面妖ですが、オバマ前大統領の受賞こそ噴飯も のではありませんか? 来年の「ノーベル平和賞」は、ところで、ラビィ ア・カディール女史に授与してほしいものです。



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(読者の声2)「日本文化チャンネル桜」から番組のお知らせです。
番組名:「闘論!倒論!討論!2018日本よ、今...」
テーマ:「中東の真実2018 Part2」

<放送予定>11月17日(土)夜公開
日本文化チャンネル桜。「YouTube」「ニコニコチャンネル」「Fresh!」 オフィシャルサイト
インターネット放送So-TV
<パネリスト:50音順敬称略>
加瀬英明(外交評論家)、?山正之(コラムニスト)、田中宇(国際情勢 解説者)
藤和彦(経済産業研究所上席研究員)、馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モル ドバ大使)
宮崎正弘(作家・評論家)、吉川圭一(グローバル・イッシューズ総合研 究所代表)
司会:水島総(日本文化チャンネル桜 代表)
(日本文化チャンネル桜)



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(読者の声3)拓殖大学海外事情研究所 澁谷司教授の「中台関係と台湾 統一地方選挙」講演会のお知らせです。

中国経済が逼迫し、国家的デフォルトが、中国の国家的危機が迫ってきて います。

また11月24日に台湾で行われる統一地方選挙の結果で中台関係・日台関係 にも大きな影響が出てきます。

現代中国政治・中台関係の専門家で、拓殖大学海外事情研究所教授の澁谷 司先生が中国政治経済の現状、そして、台湾統一選挙の結果を分析し、中 台関係について語ります。

            記

とき   11月25日(日) 18時30分〜20時30分(開場:18時)
ところ  文京シビック5階会議室A+B(文京シビックセンター内)
講師   澁谷 司(しぶや つかさ)先生 拓殖大学海外事情研究所教授 
演題   「中台関係と台湾統一地方選挙」
参加費  事前申込:1500円(当日申込:2000円)事前申込の大学生:500円
高校生以下無料
【申込先】 11月24日21時迄にメール又はFAXにて(当日受付も可)
 FAX 0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主 催】  千田会
 www.facebook.com/masahiro.senda.50
 FAX 0866-92-3551 E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
【後 援】 新しい歴史教科書をつくる会 岡山県支部

【講師略歴】一般社団法人日本戦略研究フォーラム www.jfss.gr.jp で澁 谷司の「チャイナウォッチ」連載中。1953年東京生まれ。東京外国語大学 中国語学科卒。同大学院「地域研究」研究科修了。2004〜05年台湾・明道 管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。東京外国語大学や国際教養大学 等でも教える。拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長を務め、 現在は拓殖大学海外事情研究所教授。専門は現代中国政治・中台関係・東 アジア国際関係論。
 主な著書に『2017年から始まる!「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波 社)、『人が死滅する中国汚染大陸』・『中国高官が祖国を捨てる日』・ 『戦略を持たない日本』(いずれも経済界新書)がある。


        
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外国人観光客の急増
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   川原 俊明

最近、電車を利用していると、必ず外国人観光客を見かけます。

私は、政府が目標としている「2020年東京オリンピックまでに外国人観光 客2000万人」が実現されつつあるのを肌で感じています。

大阪では、舞洲にカジノを中心としたリゾート総合施設の計画があり、こ れが実現すれば、まちがいなく政府の目標が達成されるでしょう。

さて、ここで最近話題になっているのが、外国人観光客のお土産として注 目を浴びている日本の商品です。いくつか挙げてみましょう。

まず、炊飯器です。特に、米を主食とするアジアの人々にとって、日本の 炊飯器は、とても性能がよく大人気だそうです。関西空港でも、炊飯器が 入った箱を積み上げて運んでいる中国の方たちをよく見かけます。

次に、爪切りです。海外では、ニッパー式の爪切りが主流みたいで、日本 の爪切りのように、コンパクトに折りたためて、しかも切った爪を収納で きるのは、非常に珍しいようです。それに、非常に良く切れるとの評判です。

最後に、最近特に注目を浴びているのが、消せるボールペン、フリクショ ンペンです。

皆様ご存知でしょうが、特殊なインクを使用することで、ペンに付いてい るチップで軽くこすると、あら不思議、消えてしまうのです。一定の摩擦 熱をインクにあたえることで消えるみたいです。日本には、とてもカラフ ルな色が揃っており、1箱単位で買って行かれる方も珍しくないそうです。

これらの商品が外国人に喜ばれているのを聞いて、日本人の私としては、 非常に誇りに思うと同時に、お土産として母国に持って帰っていただくこ とは、アピールするのが苦手な日本人にとって、これ以上の宣伝はないと も思います。(弁護士)
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これからの日中関係を決める首脳会談
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            櫻井よしこ

「これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史から 脱せるか」

10月23日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は 「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数 の全国紙に掲載した。

中国政府は100万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押 し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷 問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。

米議会はマルコ・ルビオ上院議員らが中心になって、民主、共和両党が結 束し、中国政府に問題をつきつけた。米議会は中国の凄まじい人権弾圧を 「人道に対する罪」と定義し、国際社会に告発した。

2022年の冬期五輪の 開催地に予定されている北京を他の都市に変更する よう、国際オリンピッ ク委員会に要請し、中国で国家分裂罪で無期懲役 の判決を受けて獄中にあ るイリハム・トフティ氏を来年のノーベル平和 賞に推薦するという。

ルビオ氏らは同盟国にも、中国非難の同じ隊列に加わるよう求めている。 米中間で進行中の貿易戦争の背後には両国の価値観の相違がある。ウイグ ル人に対する不条理な弾圧はそのひとつである。日米安保条約によって同 盟国として結ばれている日本にとって、価値観の闘いで、米国と共同歩調 をとらない理由はない。その意味で日本の政府も国会議員も、いま、ウイ グル問題で声を上げるべきである。

トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ 氏が殺害された。サウジ政府によるカショギ氏殺害の、人権無視の酷
いや り方はもはやどの世界にも受け入れられない。

一人のジャーナリストの殺 害事件が、サウジ皇太子のムハンマド・ビ ン・サルマン氏の地位を危うく している。米国とサウジの関係に亀裂が 生じ、サウジの影響力が低下し、 イスラエルとの連携も弱まり、イラン が得をし、結果として中東情勢が揺 らぐ深刻な展開になりかねない。

人権問題が世界情勢を大きく左右する要素になる中で、中国はサウジより も遙かに残酷な拷問死の山を築いてきた人権弾圧国家である。日本の政治 家が中国に抗議の声を上げない方がおかしいのである。

たとえウイグル問題がなくとも、日本政府には中国の人権弾圧について発 言しなければならない事情がある。8人もの日本人が中国にスパイとして 囚われている。彼らがスパイであるなどとは信じ難い。中国側は容疑を裏 付ける詳しい情報を全く示していない。これまでにも中国が日本人をスパ イ容疑で拘束した事例はあるが、いずれも濡れ衣と言ってよい事例だった。

26日(本稿執筆は23日)の、実に7年ぶりの日中首脳会談で安倍晋三首相 が何を語り、何を語らないかで、これからの日中関係が決まる。首相は日 中首脳会談を望みながらも中国が首脳会談実現の条件としてつきつけた要 求に屈しなかった。中国側が欲し、日本側も欲した首脳会談でも、同じよ うに妥協しないことが日本の国益を守る道だ。

日本側が中国側に求めるべきことは、まず第一に日本国民の人権と命を守 るという意味で、前述の8人の日本人救出である。次に尖閣諸島海域に定 期的に侵入する中国の公船について1ミリも譲らずに抗議することだろ う。そうしなければ尖閣海域における中国の行動を黙認し、中国が領土を 奪うことを認めることになる。第三に中国の知的財産の窃盗への抗議だ。 米中貿易戦争で米国の側につく意思を示し、同時に日本が被っている損害 について、これ以上許さないとの決意を示すためである。

最低限こうした点をおさえることができれば、首相の対中外交は成功だ。 それができて初めて中国に騙され続けるという長年の日中関係から脱する ことも可能になる。

『週刊ダイヤモンド』 2018年11月3日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1254


            
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重 要 情 報
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 ◎我が国では相手の立場を考え過ぎているのでは:前田正晶

13日に「我が国の政府は弱気に過ぎないか」と題して論じたので、今回は22年以上もアメリカの大手メーカーの一員として対日交渉の席に就いていた立場から見た経験から、私が見た「我が国の交渉の仕方」をあらためて振り返ってみよう。そこには言うまでもないが歴然とした相互の文化と思考体系の違いがあったのだ。そこで、先ずはアメリカ側にいたからこそ見えてきた我が国の交渉の方法を採り上げてみる。

*相手側の顔を立てる:

必ずしもこの点を強く意識しておられたのではないと思うが、アメリカ側から見ていると「折角、遙か8,000 km以上を飛んで来られたのであるからその申し入れを無下に拒否するのではなく、何とかご一行の顔を立てて何らかのお土産を差し上げねばならないのでは」と苦慮しておられる場合が多々あったと思う。

非常に有り難いご配慮なのだが、彼らには絶対的に「結果を出すか、出さねばならない」という考え方であり、「顔を立てる」(save one’s face
との表現はあるが)という文化が遍く存在している訳でもないので、日本までやって来た目的が達成できていないのであれば、さしてそのご苦労とご厚意には感謝しないのである。

*落とし所を探る:

上記と同様の彼らの思考体系からして、所期の目的以外のところで交渉を纏めてしまおうとは先ず考えていないのである。飽くまでも初志貫徹を目指しているのである。ここには、私が日頃から主張している「アメリカ人を相手にした場合に論争と対立を怖れてはならない。堂々と自己乃至は自社の主張を展開しよう」も入ってくると思っている。

*足して2で割る:

これも同様の考え方で、アメリカ側が¥100で売り込んできたのに対して、日本側の予想と言うか受け入れ可能な線が¥95であった場合に中間を採って「¥97.5で如何か」というような打診をされることが間々ある。良くお考え頂いてはいるとは解っていても、これも受け入れられないのだ。「我々は¥100で買わせようとしてきたのである」と考えるのがアメリカ式で拒絶するのが普通だ。

ここで余談を一席。私がアメリカの会社に転進する切っ掛けを作ったことになったUKの大手メーカーの日本代表者だった日系カナダ人N氏はは親御さんが関西出身だったので、見事な関西弁なのだが「アメリカ人もUK人もこのようににべもなく拒否しても、相手の目の前でシレッとして『気悪うせんとまた会おうや』という意味で、“Don’t feel bad. Let’s
see each other again.”と言うものだ。日本人もこれくらいに物事を割り切らないと」と指摘していた。

*「これを言うことで失うものがない」は受け付けられない:

アメリカ人の思考体系では、私が見ていても「ゲーム感覚では」と疑いたくなったほど気安く「これを言うことで失うものはない」とでも思い込んでいるのかと思わせるほど強気で主張することが多い。こういうものの言い方は彼らの間では通用するが、日本側には屡々「高飛車な姿勢である」とか「強引過ぎる」とか「こちらの善意に付け込んできている」と解釈されて、感情的にさせてしまうこともあった。

私は彼らにはゲーム感覚もなく、彼らとしてごく普通の交渉の仕方であると思っていると解っている。時には、そのように強気に出て相手の反応を見てから次ぎなる作戦を立てるということもある。アメリカ側の一員として敢えて言えば「この戦法にご立腹なきよう」とお願いするだけだ。要するに、「一方的ではないか」と言い返せばそれまでのことである。

玉砕戦法:

これまでに何度も繰り返し指摘して来たことだが、アメリカ側は「二の矢」か「三の矢」を準備して臨んでくるのが普通だが(これが、私が指摘するcontingency planである)、日本側はそこまでの備えができておらず、嫌な表現だが玉砕になってしまうことが間々あった。時には「逆櫓」まで準備して交渉の席に就かれる方が良いと思う。

*交渉の権限:

アメリカ側は担当副社長乃至は事業部本部長が来ていない限り、交渉の席上で提示した条件の変更、または足して2で割るような妥協はあり得ないのだ。しかし、日本側には担当役員や事業部長が出ておられることが多いので、その場で変更が話し合われることがある。アメリカ側では、例えば製品の価格のような性質の交渉でマネージャー程度が妥協しても良いというような権限は与えられていないのである。要するに、彼らは「妥協はできないし、してはならない」者たちなのであると心得ておかれると良い。

ここで、話題を変えて如何に自己主張をするかを考察しておこう。

肝腎な事は「アメリカのビジネスの社会では如何に文法的に正確な表現で美文であっても、自分の意見ではない第三者の意見か伝聞を述べたのでは評価されない」という原則である。ここには「会議や会合等の場で自分の意見を主張しない者は、その場にいないのと同然の見なされる」という見方である。要するに「アメリカの会社では交渉事や部内の会議等の場で、明確に自分の意見述べて参加しない者は評価されない」ということだ。

私は国際的な交渉を実際に経験して「これは簡単なことであるが、このようにして自分の意見を主張すると、それに対する反論も意見も出て来るので、多くの場合にそこから討論が始まるのがアメリカの(ビジネスの)世界だから、自分の意見を主張する以上、異論や反論に対する討論の準備と心構えが必要である」と認識できたのだった。私は遺憾ながら我が同胞は自らが主張した結果というか反論が来るのを怖れておられる方が多いと感じたことが多々あった。

その交渉事の席ではアメリカ側に負けないような「討論馴れ」というか自分の意見の理論的根拠を十分に準備しておくことが必要となるのだ。これは私が主張する「論争と対立を怖れずに」と同じことである。何分にも彼等は学校教育で"debate" を学んできているから、彼らの意見が根拠に乏しいような性質でもあっても、それを論破するのには当初は苦労させられたものだった。

十分に心得ておいて頂きたい事は「彼等の世界は個人が単位で、その各個人が独自の意見を持って当たってくるのが、我が国との大きな文化の違いである点」である。この点が認識できていないと「彼と意見が対立して議論が噛み合わず感情的な論争にでもなって、仲違いしてしまうことになったらどうするか」というような不安感に悩まれるようなのだ。だが、彼等が感情的になることは先ず考えられず、激しい討論が終わった後では「良い議論だった」と笑顔で握手して終わるのが普通なのである。

この辺りも彼我の文化の違いの一つだった。結論的は「白熱した議論をして万が一にも仲違いなどになってしまうことを怖れずに、自分を前面に出して意見を述べていく場慣れと度胸を養って、論争に負けしないようになることを心掛けていくことだ」と信じている。このように感情を排して堂々と自己主張を展開することが外国との交渉でも勝ち抜くための「鍵」を握っていると思う

 ◎我が国では相手の立場を考え過ぎているのでは:前田正晶

13日に「我が国の政府は弱気に過ぎないか」と題して論じたので、今回は 22年以上もアメリカの大手メーカーの一員として対日交渉の席に就いてい た立場から見た経験から、私が見た「我が国の交渉の仕方」をあらためて 振り返ってみよう。そこには言うまでもないが歴然とした相互の文化と思 考体系の違いがあったのだ。そこで、先ずはアメリカ側にいたからこそ見 えてきた我が国の交渉の方法を採り上げてみる。

*相手側の顔を立てる:

必ずしもこの点を強く意識しておられたのではないと思うが、アメリカ側 から見ていると「折角、遙か8,000 km以上を飛んで来られたのであるから その申し入れを無下に拒否するのではなく、何とかご一行の顔を立てて何 らかのお土産を差し上げねばならないのでは」と苦慮しておられる場合が 多々あったと思う。

非常に有難いご配慮なのだが、彼らには絶対的に「結果を出すか、出さね ばならない」という考え方であり、「顔を立てる」(save one’s face
との表現はあるが)という文化が遍く存在している訳でもないので、日本 までやって来た目的が達成できていないのであれば、さしてそのご苦労と ご厚意には感謝しないのである。

*落とし所を探る:

上記と同様の彼らの思考体系からして、所期の目的以外のところで交渉を 纏めてしまおうとは先ず考えていないのである。飽くまでも初志貫徹を目 指しているのである。ここには、私が日頃から主張している「アメリカ人 を相手にした場合に論争と対立を怖れてはならない。堂々と自己乃至は自 社の主張を展開しよう」も入ってくると思っている。

*足して2で割る:

これも同様の考え方で、アメリカ側が¥100で売り込んできたのに対し て、日本側の予想と言うか受け入れ可能な線が¥95であった場合に中間を 採って「¥97.5で如何か」というような打診をされることが間々ある。良 くお考え頂いてはいるとは解っていても、これも受け入れられないのだ。 「我々は¥100で買わせようとしてきたのである」と考えるのがアメリカ 式で拒絶するのが普通だ。

ここで余談を一席。私がアメリカの会社に転進する切っ掛けを作ったこと になったUKの大手メーカーの日本代表者だった日系カナダ人N氏はは親御 さんが関西出身だったので、見事な関西弁なのだが「アメリカ人もUK
人もこのようににべもなく拒否しても、相手の目の前でシレッとして『気 悪うせんとまた会おうや』という意味で、“Don’t feel bad. Let’s
see each other again.”と言うものだ。日本人もこれくらいに物事を割り 切らないと」と指摘していた。

*「これを言うことで失うものがない」は受け付けられない:

アメリカ人の思考体系では、私が見ていても「ゲーム感覚では」と疑いた くなったほど気安く「これを言うことで失うものはない」とでも思い込ん でいるのかと思わせるほど強気で主張することが多い。こういうものの言 い方は彼らの間では通用するが、日本側には屡々「高飛車な姿勢である」 とか「強引過ぎる」とか「こちらの善意に付け込んできている」と解釈さ れて、感情的にさせてしまうこともあった。

私は彼らにはゲーム感覚もなく、彼らとしてごく普通の交渉の仕方である と思っていると解っている。時には、そのように強気に出て相手の反応を 見てから次ぎなる作戦を立てるということもある。アメリカ側の一員とし て敢えて言えば「この戦法にご立腹なきよう」とお願いするだけだ。要す るに、「一方的ではないか」と言い返せばそれまでのことである。

玉砕戦法:

これまでに何度も繰り返し指摘して来たことだが、アメリカ側は「二の 矢」か「三の矢」を準備して臨んでくるのが普通だが(これが、私が指摘 するontingency planである)、日本側はそこまでの備えができておら ず、嫌な表現だが玉砕になってしまうことが間々あった。時には「逆櫓」 まで準備して交渉の席に就かれる方が良いと思う。

*交渉の権限:

アメリカ側は担当副社長乃至は事業部本部長が来ていない限り、交渉の席 上で提示した条件の変更、または足して2で割るような妥協はあり得ない のだ。しかし、日本側には担当役員や事業部長が出ておられることが多い ので、その場で変更が話し合われることがある。アメリカ側では、例えば 製品の価格のような性質の交渉でマネージャー程度が妥協しても良いとい うような権限は与えられていないのである。要するに、彼らは「妥協はで きないし、してはならない」者たちなのであると心得ておかれると良い。

ここで、話題を変えて如何に自己主張をするかを考察しておこう。

肝腎な事は「アメリカのビジネスの社会では如何に文法的に正確な表現で 美文であっても、自分の意見ではない第三者の意見か伝聞を述べたのでは 評価されない」という原則である。ここには「会議や会合等の場で自分の 意見を主張しない者は、その場にいないのと同然の見なされる」という見 方である。要するに「アメリカの会社では交渉事や部内の会議等の場で、 明確に自分の意見述べて参加しない者は評価されない」ということだ。

私は国際的な交渉を実際に経験して「これは簡単なことであるが、このよ うにして自分の意見を主張すると、それに対する反論も意見も出て来るの で、多くの場合にそこから討論が始まるのがアメリカの(ビジネスの)世 界だから、自分の意見を主張する以上、異論や反論に対する討論の準備と 心構えが必要である」と認識できたのだった。私は遺憾ながら我が同胞は 自らが主張した結果というか反論が来るのを怖れておられる方が多いと感 じたことが多々あった。

その交渉事の席ではアメリカ側に負けないような「討論馴れ」というか自 分の意見の理論的根拠を十分に準備しておくことが必要となるのだ。これ は私が主張する「論争と対立を怖れずに」と同じことである。何分にも彼 等は学校教育で"debate" を学んできているから、彼らの意見が根拠に乏 しいような性質でもあっても、それを論破するのには当初は苦労させられ たものだった。

十分に心得ておいて頂きたい事は「彼等の世界は個人が単位で、その各個 人が独自の意見を持って当たってくるのが、我が国との大きな文化の違い である点」である。この点が認識できていないと「彼と意見が対立して議 論が噛み合わず感情的な論争にでもなって、仲違いしてしまうことになっ たらどうするか」というような不安感に悩まれるようなのだ。だが、彼等 が感情的になることは先ず考えられず、激しい討論が終わった後では「良 い議論だった」と笑顔で握手して終わるのが普通なのである。

この辺りも彼我の文化の違いの一つだった。結論的は「白熱した議論をし て万が一にも仲違いなどになってしまうことを怖れずに、自分を前面に出 して意見を述べていく場慣れと度胸を養って、論争に負けしないようにな ることを心掛けていくことだ」と信じている。このように感情を排して 堂々と自己主張を展開することが外国との交渉でも勝ち抜くための「鍵」 を握っていると思う。

 ◎未だに「論争と対立」を怖れているのか:前田正晶

対アメリカというかトランプ大統領との折衝:

この度アジア4ヵ国を回る一環でペンス副大統領が来日された。ペンス氏 は途中のアラスカので記者会見では“TAG”とは言わずに「日本では“Free
trade agreement”の交渉をする」と明確に言っておられた。折角、安倍総 理以下が知恵を絞って“Trade agreement on goods”だかと言われて国民を 安心させようとした努力をアッサリと反故にしていたのだった。尤も、テ レビでは音声は流れたが、字幕には“FTA”と言ったとは出なかったと思うが。

私は何も政府は余りにも生真面目で穏やかすぎて、アメリカ人との交渉事 では「論争と対立を怖れてはならない」という強気でも何でもない、彼ら の間ではごく普通の交渉の仕方ができていないと思って悔しがっている。 彼らを相手にしたならば感情的になることなく、飽くまでも自分の主張を 貫く姿勢を見せて、落とし所を探るとか、妥協点を模索してはならないの である。それは、彼らの辞書には「落とし所」もなければ「妥協」も載っ ていないからだ。

私はトランプ大統領が我が国が保有する対アメリカの貿易黒字を「不当で ある(英語は fair か unfairとなるが)」と主張していることは正確で はなく誤認識であるとすら考えている。

だが、彼の支持層の物事の理解力の程度を考えれば、あのような一方的で 連中にも理解できそうな表現を採るのは解らないでもない。だが、特に自 動車の輸入を非難されるような場合には、我が方は正々堂々と“Sir.
You are confusing yourself.”くらいは申し入れて良いと思っている。

私でさえ「トランプ大統領があのような高飛車な姿勢に出てこられるの が、相手側の譲歩を引き出す為の駆け引きであり常套手段である」と解っ ている。現にデトロイトでさえ日本車の輸入に関税を賦課して欲しいとい う請願はしていないと言うではないか。更に、トランプ大統領自身が「ア メリカ製の車は日本市場では売れないだろうと自覚しておられる」と語る 専門家もいるのである。

何度でも言うか、アメリカ人を相手にして「言われっぱなし」にしておけ ば「認めた」と看做されてしまうのだ。私はトランプ大統領を相手にして 「論争と対立」を怖れている場合ではないと思っている。その程度の議論 で決裂する安倍総理とトランプ氏の間柄ではないと思う。それにトランプ 大統領が問題にしているのは、品物を売った買ったで生じる赤字である。 貿易外収支は含まれていない。私はアメリカ側が国に対してGAFAが挙げて いる目に見えない利益を考えるべきだと主張して良いと思っている。


韓国大法院の徴用工問題についての不当な判決:

これに対する我が国の政府(矢張り外務省を含めたい)の対応は遺憾なが ら余りにも手ぬるいと思って見ている。そこに早速DPRKが付け込んで声明 の如きものを発表して我が国を真っ向から非難してきた。要するに「自分 たちにも分け前を取る資格がある」と言いたいようだが、これも不当であ るから無視することなく真正面から反論すべき事案であると思うのだ。理 由は簡単で「黙っていれば、DPRKの正当性を認めたことになってしまいか ねない」からだ。

確かに総理も官房長官も河野外相も韓国大法院の不当性を非難しておられ た。駐日韓国大使も呼び出して抗議されたと報じられた。この判決につい て文在寅大統領が未だに沈黙を守っていると報じられている。だが、果た してその姿勢が「我に利あらず、非がある」と自覚しての沈黙か否かは不 明ではないのか。

私はDPRK如きが声明を出したのならば、我が国の(何処が所管するのか知 らぬが)世界に向けての広報担当の部署で公式に「韓国は条約違反である と共に自ら約束した事柄をも忘却している。私はいっその事、NY TIMES やWASHINGTON POST紙等に全面広告を打って「韓国の不当性を訴える」の も一法ではないかとすら考えた。

あの判決の対象となった4名は志願者であり徴用工ではなかった、補償は 韓国の国内で実施されるべき事案である」とあらゆる手段で世界に向けて 公表するのが当然だと思っている。さもなければ、またしても後手となっ て彼らにUN等の場で我が国を非難する材料に使われると危惧するものだ。

まさか、安倍内閣は文在寅大統領が動くのを待ってそれから交渉しようと か反撃に出ようとして待っているのではあるまいな。私は総理や官房長官 等の記者会見での反抗や否定的声明では不十分であると懸念している。私 にはそうすることが外交的に誤りか否かは解らないが「こちらから国交断 絶というcontingency planまで懐に入れて、韓国に出向いて公式に『判決 の不当性と条約違反であり、我が国は絶対に認めない』と申し入れても良 いのではないか」とすら考えている。相手が情緒で動いてくるのだから、 こちらは正攻法でいくべきではないのだろうか。



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身 辺 雑 記
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15日の東京湾岸は快晴。

このところ好天続き。散歩は爽快だ。15日は夜に久々NHK大阪(JOBK)OB会 がある。その昔。角栄側近の横やりに無抵抗だった上層部の指示によりなされた政治部からの左遷だったが、出会った記者たちはとても気持ちのい い人ばかりだったのでこの会合が成立した。
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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
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