政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4856 号  2018・11・7(水)

2018/11/07

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4856号
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       2018(平成30)年  11月7日(水)



「拉致:朝鮮半島の闇、日本の闇」第17章:“シーチン”修一 2.0

        麦の穂青し、空は一片の雲も留めず:加瀬英明

      これからの日中関係を決める首脳会談:櫻井よしこ

            あたる前に必ず「かする」:石岡荘十                            
                                                                                                 話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4856号
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「拉致:朝鮮半島の闇、日本の闇」第17章
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         “シーチン”修一 2.0

【措置入院」精神病棟の日々(108)】9/28は久し振りの快晴で、大いに 気分よく病院でリハビリに励んだ。9/30は午前中は秋晴れで「ああ、いい なあ」と感動したが、昼過ぎから雨、台風が来ているらしい。

「らしい」どころではなかった。10/1の1時半、ガタガタする音で目が覚 めると猛烈風雨で、大きなガラス戸が南風で圧迫され、ゆがんでいる。割 れたら我が「雀庵」は滅茶苦茶になるから慌ててガラス戸を1時間半も押 さえていたら、腕がおかしくなった。こんなに激しい台風は初めてだ。 「台風24号」、忘れまい。

朝見た屋上庭園は悲惨だった。11月3日あたりでようやく修復したが、物 干しの支柱が根元から折れていたのには驚いた。屋上のパノラマデッキは かなり傷んでいるが、骨折した膝が治るまでは手の施しようがない。

西日本豪雨、北海道大地震、猛暑・・・今年は大雨や大地震などの天災が とても多かった気がする。日本は世界有数の地震大国だが、長雨で地盤が ゆるんでいる時にM6〜7クラスの地震が起きたら地元の多摩丘陵のあちこ ちで土砂災害が発生するだろう。川崎市の「土砂災害警戒区域」でも住宅 はどんどん建っており、軟弱地盤や急勾配の斜面はパイルやコンクリート で補強されてはいるものの、時々ブルーシートで覆われていたりするか ら、「なんかなー、こんな所によー建てるわ」と思ってしまう。

インドネシアも地震大国だ。最近も大地震で大被害を蒙ったが、2008年頃 にインドネシアの古都ジョグジャカルタを中心としたジャワ島中部を訪ね たが、前年に「1000年に一度」という大地震があり、世界遺産でもあるボ ロブドゥール遺跡やプランバナン遺跡群が大きな被害に遭い、修復してい る最中だった。「そういうもの」と諦観するしかない。

ジタバタしたところで津波が東京湾を襲ったら首都圏の湾岸は潰滅、多摩 川も無事ではすまないだろう。

わが街は多摩丘陵と多摩川に挟まれた南北1キロ、東西1キロの猫の額のよ うなところだが、多摩川が氾濫したら多摩丘陵に逃げるしかないが、そこ に逃げても土砂崩れに遭うかもしれない。小生が子供の頃に山を削って 「長尾の切通し」が開通したが、先日は壁補修の大工事をしていた。左右 はいつ崩れてもおかしくないほどの急斜面だ。

天気と女とバカ・アカはどうしようもない、黙って耐える、凌ぐしかな い。自戒を込めて言えば、キチガイもやがては消えるから、我慢が肝心 だ。ダレモオランドは消えたし、デタラメルケルはフラフラだ。習近平、 プーチンも勢いがなくなってきた。

シーチンも満身創痍、リハビリのオネーサンはまるでサド侯爵夫人、情け 容赦しない。こうなればこちらはマゾを演じて楽しむばかりだ、「もっ と、もっとイジメテ・・・」。一方で薬局のオネーサンはとても優しい。 頭がいい女はイヤミが多いが、彼女は癒し系。花は桜、人は武士、女は癒 し系に限るな。

Kこと春琴様は結構サドっぽい。排水パイプを時々塞いでいたオイルボー ルを除去するために専用機械(ドレンクリーナ、写真↓)を使っている が、昔から先端ヘッドは32ミリだった。これを貫通させれば3か月はもつ のだが、60ミリのを使えば6か月はもつだろうと、初めて使ってみたが、 これが浅慮だった。地獄の4日間になってしまった。

http://www.asada.co.jp/product/dh150.html

何しろ1984年の新築以来初めて、カチカチのオイルボールに挑んだのだ、 怖いもの知らずで。左足と腰は痛むが不自由な右手でハンドルを回すしか ない。電動にすれば良かったとは思うけれど、グチったところでどうしよ うもない。10メートルを貫通させるために4万回転させた。Kにも手伝って もらったが、右腕はヘロヘロに。

そうした事情を知っているはずなのに、春琴様は気分と感情の気質やから 「佐吉、キッチンの換気扇、もう我慢できへん」とご機嫌斜めや。「堪忍 したって」と思うんやが、マゾの佐吉としては「はい、明日から掃除しま す」。

満身創痍のキチ〇イながらも赤い小さな火、闘志を燃やすのであった。 ま、一種の戦死やな。

戦死と言えば・・・小生には大中小の3人姉がいる。小生は67歳、池袋に 一人で暮らしている小姉は69歳。猛暑の7月25日あたりに孤独死した。近 所の人が「腐臭がする」と警察に連絡し、渋谷に住む長女のYが警官とと もにアパートに行ったが、「奥さんは見ない方がいい」という警官のアド バイスにより長女の旦那が確認した。かなりひどい状態だったようだ。

多分、熱中症で倒れ、そのまま死んだのだろう。とにかく早くお骨にした いということで、葬儀は略し、お骨上げだけに大中姉が行った。歩行困難 な小生は香典だけ贈った。

Yは3、4日おきに食糧をもって小姉を訪ねたが、その隙間の出来事だった ようだ。Yから手紙が来た。

<母は仕事中に骨折して、働けなくなり、家に引きこもるようになってか ら認知症が酷くなり、去年から発言がおかしくなったため、包括センター に相談したりしていました。

その感に貯金などの管理もできなくなり、お金をすべて使い切り、足りな くなると私にお金を貸してくれと言ってくるようになりました。今年に入 り金銭感覚がひどくなり、お金を貸してくれというのが毎週のようになっ て、いよいよ生活できないレベルになってきたため、区役所、包括セン ター、看護師、先生と相談し、認知症の検査を行い、生活保護の準備をし ていた最中に母が亡くなりました。

母は私を最後まで信用できなかったようで、私にすべてを任せることはさ せてくれませんでした。最後まで「自分でできる」と言っていました。結 局、それもできず、誰にも知られず、看取られず死んで行ってしまいまし た・・・>

小姉は4人きょうだいの中で不思議なほど変わっていた。勉強や読書をし ている姿を見たことがない。女子高校に進学したが、テスト前は「徹夜に 備えて」帰宅後にコタツで眠り、夜中に布団で眠っていた。

小生がアドバイスをすると「自分の頭の上のハエも追えないのに、余計な 説教するんじゃないよ」と声を荒げた。その手の言葉を使う友達がいたの だろう。卒業すると天下の博報堂に入社したが、1年にも満たずに辞めて しまった。

その頃、「お月様って一つしかないんだって。どこの国も一つずつ持って ると思っていたのに・・・」と言って小生を驚かした。「この人、一体何 者なんだ」と小生は思い、父母も同じ思いだったろう。園児が言えば可愛 いけれど、コピーライターなど変人が珍しくない博報堂でも「冗談かカマ トトぶっているのかと思っていたけれど、あの娘、マジだった。いくら何 でも・・・受付にも置けないし」と困惑しただろう。

人間離れしている。

そのうち不動産屋の長男坊と結婚した。創業者(長男坊の父親)はやり手 で、当時は建売住宅も手掛けており、羽振りも良かったが、創業者の跡継 ぎであるはずの長男坊は大卒ながら10年以上受験したものの宅建免許がつ いに取れなかった。カラオケは上手かったが・・・人間離れしている。

結局、創業者が亡くなって、不動産屋は名義を借りてアパートの管理業務 がメインになったが、長男坊は本来はオーナーに渡すべき金をかき集めて 失踪、小姉は「私は不動産屋のカネに目がくらんだのよ」と嘆いていた が、いつまでもクヨクヨするタイプではなかった。

小姉はスーパーの品出し(陳列)やラブホのベッドメーク/清掃のパート で一女二男を育て上げたが、父親の血筋なのか、長男は永らく失踪中、次 男はケータイは繋がるが居所は不明、この二人はお骨上げにも来なかった。

で、結局は孤独死。小姉は独り暮らしでも、それを寂しく思うこともな かったのではないか。目の前の課題、つまり衣食住をどうするか、金をど う工面するかだけが課題で、それ以外のことは関心外だったのではない か。本能だけの動物みたい。

大姉と中姉は小姉からずいぶん無心されたようだ。気の弱い中姉は1000万 円ほど巻き上げられたろう。先日、大姉に会ったが、小姉の話はまったく 出なかった。二人とも内心では小姉とは関わりたくないという気分だった ろう。

10月31日で発狂&措置入院2周年を祝った「キチガイを自認しているキチ ガイ」の小生が偉そうなことは言えないが、小姉は相当な変人奇人ではな かったか。血筋にそういうDNAがあるのかもしれない。

そう言えば膝の手術で退院した・・・真実は「病室を一歩でも出るときは 看護師を呼べとうるさく干渉され、これ以上入院していると発狂しかねな いから無理にでも退院する」という強行退院だった9月16日は、因縁の日 でもある。1971年のこの日、小生はお縄を頂戴した。「転んでもただでは 起きない」から獄中で読書と執筆の習慣を身に付けた。

ケガをして入院して得たものは何か。Kと心が繋がり(修復し)始めたこ と、無理にでも生かそうとする(患者の死ぬ権利を認めない)高齢者医療 の現場を見たこと、終活を急がないと自裁する機会を失うという焦り、な どか。

前回9/17に続いて本号も「番外編」になってしまった。いくつか川柳モド キを書いて擱筆する。

・安倍晋三 多くの民は 蚤の心臓 消費増税 日本はまた死ぬ
(バランス、バランスと言うが、心臓が止まったらどないすんねん。手術 する前に蛇口を締めるとかすることはいっぱいあるやろて)

・沖縄は 老いたサヨクの 吹き溜まり 革マル、中核、諸派越冬
(前科が多すぎてシャバには戻れない人が多い。沖縄なら何となく暮らせ るようである。中核の兵隊だった小生の経験では飯代、交通費、雑魚寝だ けれど寝床はある。タニマチは普天間移転に反対する軍用地地主なのかど うか・・・知りたいね)

・老人呆けやすく ガクッとなりやすし 貢献 交流 恋で元気に
(バイアグラ、エディケア、マカ、スッポン、朝鮮人参、マムシ、ハ ブ・・・効くのかなあ。友人曰く「修ちゃん、相手を変えないとダメよ」)

同志諸君!君たちはどう生きる?どう死ぬ? That is the question. 最 期はカッコヨクしたいが、のう。腐乱死体はどうもなあ・・・老いはいつ でも初舞台やからナカナカ難しいもんやで。(つづく)2018/11/5




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麦の穂青し、空は一片の雲も留めず
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            加瀬 英明

来年5月に全国民が慶祝に涌きかえるなかで、126代の天皇陛下が即位さ れる。

天皇は日本を統べて下さる要(かなめ)であり、民を安ずる使命を授かった 御存在である。

皇室の無い日本を想像することが、できるだろうか。

天皇は他国の君主と違って覇者ではなく、敵対する者が存在しない。古 代・中世の一時期さえ除けば、武力を用いたことがなかった。

天皇は日本でもっとも謙虚な人であり、日本の国柄が結晶した方であられ る。日本の祭り主として2000年余にわたって皇祖を祀り、つねに国民の幸 せと平和を祈ってこられた。

御代替りが、来年5月に迫っている。そのために、私はあらためて天皇の 存在について考えた。

昭和20(1945)年のアメリカは「天皇を処刑せよ」という世論で沸騰して いた。

だが、日本は惨憺たる敗戦を蒙ったにもかかわらず、どうして天皇を戴く 国のかたちを、守ることができたのだろうか。

大西瀧次郎中将を偲ぶ

私は9月に同志とともに、靖国神社の靖国会館において、『大西瀧治郎中 将を偲ぶ会』を催した。

大西海軍中将といえば、昭和19年10月にフィリピンにおいて、最初の神風 特攻隊を編成して送り出したことから、「特攻隊の父」といわれてきた。

当日、200人あまりが「偕行の間」に集まったが、その前に昇殿参拝した。

私は代表して、次の祭文を捧読した。

「謹んで大西瀧次郎海軍中将の御魂と、先の大戦中に散華された英霊に申 し上げます。

わが国は先の大戦を自存自衛のために、国を挙げて戦ったのにもかかわら ず、連合国に『ポツダム宣言』を受諾することによって敗れましたが、世 界史にまったく類例がない特攻作戦を空に海に敢行することによって、連 合国の心肝を寒からしめ、名誉ある条件付き降伏を行うことができました。

『ポツダム宣言』は、『われらの条件は左の如し。われらは左の条件から 逸脱することなし』と述べて、『日本国軍隊の無条件降伏』のみを要求し ています。

特攻作戦こそは、高貴な日本精神を発露したものでありました。特攻隊員 と、アッツ島から沖縄まで戦場において玉砕した英霊の尊い犠牲によっ て、わが国の2600年以上にわたる美しい国体が護られて、今日に至ってい ます。

日本国民は特攻に散った英霊が悲惨な亡国から、日本を救って下さったこ とを忘れません。御遺志を継いで日本を守ってゆきますことを、お誓い申 し上げます」

日本が国民を挙げてよく戦ったために、連合国が昭和20(1945)年7月26 日に『ポツダム宣言』を発することによって、連合国側から和平を申し出 た。トルーマン大統領はこの4日前に、アメリカ陸海軍(まだ空軍はな かった)に、「オリンピック作戦(オペレーション・オリンピック)」と名 づけた九州上陸作戦を、11月に実施するように命じていた。

アメリカ統合参謀本部は、7月はじめに「対日計画案」を大統領に提出し て、日本本土侵攻作戦に500万人の兵力を必要とするが、日本は1947(昭 和22)年まで戦い続け、アメリカ軍死傷者が100万人を超えようと見積っ ていた。

そのためにトルーマン政権は、前政権が日本に「無条件降伏」を強いる方 針をとっていたのを改めて、条件付降伏を求めることを決定した。

今日では多くの国民が特攻隊や、最後まで戦った将兵が徒死(むだじ)に だったというが、日本の悠久の国のかたちが、この尊い犠牲によって守ら れたのだった。

先の対米戦争はアメリカの不当な圧迫を蒙って、已(や)むに已(や)まれず に戦ったものだった。

和平派だった東郷茂徳外相と、戦後、『カレント』を創刊された賀屋興宣 蔵相は、『ハル・ノート』に接して、もはや已むなしとして、開戦の詔勅 に副署した。

 『海ゆかば』の合唱

偲ぶ会は、東映の協力によって、バリトン歌手・斎藤忠生氏の先導によっ て、『海ゆかば』の合唱から始まった。

特攻隊員が整列をして水盃を戴くと、次々と離陸して、敵艦に命中する か、対空砲火によって、海面に激突する実写が上映された後に、東映若手 男優3人が特攻隊の飛行服に、日の丸の鉢巻を締めて登壇して、1人1 人、特攻隊員の遺書を朗読した。

そのうえで、藤田幸生・特攻隊戦没者慰霊顕彰会理事長(元海幕長)、劇 映画で大西中将を演じた父・故鶴田浩二氏の令嬢で、女優の鶴田さやか氏 らが、短い挨拶をした。

講話が終わった後に、壇上に戻った3人の若手俳優と、参会者が『同期の 桜』を合唱したが、全員が頬を涙で濡らした。

参会者が、再び『海ゆかば』を合唱することによって、閉会した。

特攻作戦は、大西中将が発案したのではなかった。昭和19(1944)年7月 にサイパン島が失陥すると、少壮将校から海軍部内に敗勢を挽回するため に、特攻を行いたいという声が、澎湃(ほうはい)として起った。特攻作戦 が採用され、特攻兵器の開発が始まっていた。

 私には特攻について、多くの関係者の話をきいてまとめた英文の著書が あるが、特攻作戦は長い歴史によって培われた、日本国民の愛国心と熱誠 が表われたものだった。

会が始まる直前に、実行委員の一人のF君が、「冒頭で『君が代』を斉唱 しましよう」というので、私は反対した。特攻隊が出撃する時には、『海 ゆかば』が合唱されたが、『君が代』が歌われたという例は、きいたこと がない。

『海ゆかば』は、防人(さきもり)を司る兵部少輔だった大伴家持(西暦 717年〜785年)の歌で、『万葉集』に収録されている。『万葉集』 は私たちの魂の故郷(ふるさと)である。『君が代』は平安朝初期の『古今 和歌集』にある祝歌(ほぎうた)で、悲壮な出撃にふさわしくなかったのだ ろう。

閉会する前に、F君から「聖寿万歳によって、会を締め括りましよう」と 耳打ちされたので、私は「それはやめましよう」と答えた。

大西中将の自刃後に、淑恵夫人がインタビューで、中将が戦争末期に「天 皇は国民の前に立たれるべきなのに、女官に囲まれている」と憤ったと 語っており、部下に「この戦争は国民ではなく、天皇の側近たちが敗れた のだ」と、切り捨てたという証言がある。

天皇家は京都の御一家であって、武家の棟梁ではない。私たちにとって、 天皇は文化的な存在である。

特攻について1冊だけ、本をあげるようにといわれたら、『麦の穂青し』 (勉誠出版)を勧めたい。特攻隊員の遺書が集録されている。全家庭に1 冊常備したい本だ。

題名は、昭和20年4月29日に九州から飛び立った23歳の特攻隊員が、出撃 寸前に書いた遺書からとっており、「1215搭乗員整列。進撃は1300より 1630の間ならん。空は一片の雲も留めず。麦の穂青し」という 短いもの で、心の動揺なく出撃したことが証されている。進撃時間は沖縄 の上空 に着く時間を見積ったものだ。

 語らざる悲しみもてる人あらむ

天皇皇后両陛下が平成24年に、イギリスに行幸啓された。

その時に、前大戦中の元イギリス兵捕虜が、沿道に並んで、抗議行動を 行った。

 この時に、皇后は大戦後イギリス軍の捕虜となって、処刑された国人 (くにびと)を思いやられ、和歌をよまれた。

 「語らざる悲しみもてる人あらむ母国は青き梅実の頃」という御製を拝 して、私は「麦の穂青し」を思って、恐懼した。

 終戦の日ごとに、テレビで玉音放送の録音が流されるが、「朕は茲(こ こ)に国体を護持しえて」と仰言せられるのを謹聴するたびに、特攻に、 玉砕に殉じた先人たちを誇りたいと思う。


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これからの日中関係を決める首脳会談
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            櫻井よしこ

「これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史から脱 せるか 」

10月23日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は 「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数 の全国紙に掲載した。

中国政府は100万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押 し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷 問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。

米議会はマルコ・ルビオ上院議員らが中心になって、民主、共和両党が結 束し、中国政府に問題をつきつけた。米議会は中国の凄まじい人権弾圧を 「人道に対する罪」と定義し、国際社会に告発した。

2022年の冬期五輪の開催地に予定されている北京を他の都市に変更するよ う、国際オリンピック委員会に要請し、中国で国家分裂罪で無期懲役の判 決を受けて獄中にあるイリハム・トフティ氏を来年のノーベル平和賞に推 薦するという。

ルビオ氏らは同盟国にも、中国非難の同じ隊列に加わるよう求めている。 米中間で進行中の貿易戦争の背後には両国の価値観の相違がある。ウイグ ル人に対する不条理な弾圧はそのひとつである。日米安保条約によって同 盟国として結ばれている日本にとって、価値観の闘いで、米国と共同歩調 をとらない理由はない。その意味で日本の政府も国会議員も、いま、ウイ グル問題で声を上げるべきである。

トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ 氏が殺害された。サウジ政府によるカショギ氏殺害の、人権無視の酷いや り方はもはやどの世界にも受け入れられない。

一人のジャーナリストの殺害事件が、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・ サルマン氏の地位を危うくしている。米国とサウジの関係に亀裂が生じ、 サウジの影響力が低下し、イスラエルとの連携も弱まり、イランが得を し、結果として中東情勢が揺らぐ深刻な展開になりかねない。

人権問題が世界情勢を大きく左右する要素になる中で、中国はサウジより も遙かに残酷な拷問死の山を築いてきた人権弾圧国家である。日本の政治 家が中国に抗議の声を上げない方がおかしいのである。

たとえウイグル問題がなくとも、日本政府には中国の人権弾圧について発 言しなければならない事情がある。8人もの日本人が中国にスパイとして 囚われている。彼らがスパイであるなどとは信じ難い。中国側は容疑を裏 付ける詳しい情報を全く示していない。これまでにも中国が日本人をスパ イ容疑で拘束した事例はあるが、いずれも濡れ衣と言ってよい事例だった。

26日(本稿執筆は23日)の、実に7年ぶりの日中首脳会談で安倍晋三首相 が何を語り、何を語らないかで、これからの日中関係が決まる。首相は日 中首脳会談を望みながらも中国が首脳会談実現の条件としてつきつけた要 求に屈しなかった。中国側が欲し、日本側も欲した首脳会談でも、同じよ うに妥協しないことが日本の国益を守る道だ。

日本側が中国側に求めるべきことは、まず第一に日本国民の人権と命を守 るという意味で、前述の8人の日本人救出である。次に尖閣諸島海域に定 期的に侵入する中国の公船について1ミリも譲らずに抗議することだろ う。そうしなければ尖閣海域における中国の行動を黙認し、中国が領土を 奪うことを認めることになる。第三に中国の知的財産の窃盗への抗議だ。 米中貿易戦争で米国の側につく意思を示し、同時に日本が被っている損害 について、これ以上許さないとの決意を示すためである。

最低限こうした点をおさえることができれば、首相の対中外交は成功だ。 それができて初めて中国に騙され続けるという長年の日中関係から脱する ことも可能になる。
『週刊ダイヤモンド』 2018年11月3日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1254



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あたる前に必ず「かする」
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      石岡 荘十


旧聞に属すが、ベテラン俳優若林豪さんが2008年3月5日、倒れた。 若 林さんは小林幸子特別公演「天勝物語」で小林扮する天勝の師匠松旭斎 天一役で、名古屋市の御園座に出演していた。

しかし、若林さんの体調は思わしくなく、「セリフもよく入っていなかっ た」という。この日も昼の部に出演したが、本番を終了直後に病院に向 かった。医師の診察を受けて手術が行われた。
 
病名「慢性硬膜下血腫」というのは、脳の血管が切れて脳を覆っている硬 膜とその下の脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫す る病気だ。

病名は違うが同じ脳疾患で、脳の血管がつまったり、破れたりして、その 先の細胞に栄養が届かなくなる「脳卒中」で倒れることを、昔から業界で は「あたる」といい、一過性の前ぶれを「かする」という。

つまり「あたる」前に必ず「かする」前兆がある。

したがってこの段階で、“適切な”治療を受けていれば、頭蓋骨を開くとい うような恐ろしい経験をしなくとも済むかもしれないのだ。

新聞やテレビの報道を総合すると、座長の小林幸子さんは、「2日ほど 前、若林さんが小林の楽屋に顔を出し、セリフが引っかかっちゃってゴメ ンネと謝りに来た。その時は、『長いセリフで大変でしょう』ってお話し はしました。

それが、まさかこの前兆だったと思うと言葉もありません」と話したとい う。テレビの芸能ニュースでは「右肩がなんとなく下がっているような気 がした」と語っている。

このやり取りから判断すると、当時68歳の本人も54歳の座長もいい年、つ まり心臓疾患や脳疾患の“適齢期”だというのに、これが重大な病気の前ぶ れだと判断する知識をまったく持ち合わせていなかったようだ。

したがって、舞台を降りてでも病院に行くという発想には行き着かなかった。

「舞台に穴を開けられないと頑張ったのでは」と有名な仲間の芸能人が若 林さんの芸人根性を褒めたつもりで感想を洩らしていたが、バカ丸出しだ。

もし「あるいは---」と感じながら、無理を通そうとしていたのなら、こ の年代にとって残った人生で何が一番大切なことか、プライオリティー、 つまり優先順位について発想の転換が出来ていなかったということだろう。

変な言い方だが、ポックリいければまだいい方で、160万人以上が半身 マ ヒや言語障害という後遺症で苦しんでいる。

本人だけではない。家族が、大きな負担を強いられることを考えると、 「自分に限って---」などという根拠のない楽観は捨て去った方がいい。

救いは、心臓も脳も「あたる」前に「かする」、つまり前兆があるという ことだ。

その脳疾患の前兆は、
・ 片方の手足がしびれる
・ 持っているものをポロリと落とす、
・ 思っていることが言葉に出てこない、
・ ろれつがまわらなくなる
などなどだ。

心臓の血管(冠動脈)が狭くなる狭心症、完全に塞がる心筋梗塞も高齢者 に多い疾患だが、よくよく思い出すとほとんどの人にその前兆がある。

血圧が高い、胸が痛くなったり、なんとなく重苦しい感じがしたりするが 15分かそこらで治まるので、「ああよかった」とやり過ごす。

人によっては左の奥歯が痛くなったりうずいたりすることもあるが、この ように心臓から遠いところに違和感を覚える人もいる。

これを専門的には「放散痛」というが、大概の人はこれが心筋梗塞の前兆 であることに気づかない。

こんなときには、バカにせず、24時間緊急対応をしてくれる専門の医師 と検査体制の整った病院へ行って診察を受けることが大切だ。
 
私は、10数年前からかすった段階で診察を受け、診察券を確保して、こ れを外出のときも肌身はなさず携帯して歩いている。

そのくらいの心掛けがなければ、attackでよしんば一命をとりとめても、 半身不随では快適な老後は過ごせない。

よくよく振りかえると、ほとんどの高齢にかすって経験があるはずだ。 「ああ---」と思った以上に多くの高齢者が、膝を叩くに違いない。



           
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重 要 情 報
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 ◎もしかするとアメリカの産業界の実態に目覚めたのか:前田正晶

我が国のテレビはかなり一所懸命にアメリカの中間選挙(midterm electionsで良いらしいが)におけるトランプ大統領の懸命な(必死 の?)遊説の状態を採り上げて報じている。

主に回っておるのが自らの支持者が多いと聞くラストベルト言われている 地域だったが、最後にはそれ以外と思わせる民主党が強そうなところにも 行っているのは、危機感の表れでもあると専門家は解説する。

私が各所で行われた演説の内容に興味を感じた。特にNHKが特集したイリ ノイ州では人口を上回る8,000人が集まった田舎町の地方空港の格納庫で の演説が面白かった。私はこれまでに何度も「トランプ大統領は(アメリ カの産業界等々諸々の実態に)無知なのかあるいは不勉強か、あるいは十 分にブリーフィングを受けられて何事もご承知か、あるいはご承知であっ ても無知を装って強硬発言をしておられるのか」が分らないと指摘して来た。

その点だが、この格納庫での喜色満面の演説ではアメリカ貿易赤字が巨額 である事については、何を思われたのかいきなり「日本が最も怪しから ん」と切り出し、中国、カナダ、メキシコ等は後回しになった。誰が聞い ても論旨は破綻していると思うだろう。だが、ラストベルトに入るだろう イリノイ州の田舎町で8,000人もの聴衆の何割がアメリカの貿易赤字が歴 史的にも何故したか、何処の国からの輸入方で肥大しているのかの実態を 心得ているだろうか。

長年の間アメリカの会社の一員として勤務してきた私は、一般論として 「アメリカ人が如何に自分の州以外のことに精通していないか、国際情勢 に対する関心が低いか、あるいは自分の州外に出て行った経験がない者が 数多くいること、新聞は言うなれば地方紙ばかりで州内の出来事を優先し 国際情勢を伝えるページが極めて少ない(現に第1次安倍内閣の総辞職は ベタ記事以下の扱いだった)」等々を承知している。ズバリ言えば、住民 の関心事は自分の現在の職の安定(job security)と(広い)州内の 状 況に興味が集中しているのである。

何処でも良いからアメリカの都会でも良いだろうし、インターステイトフ リーウエイの傍らにでも立って10分でも良いから走り去っていく自動車の 種類を調べてみると良い。私は「へー、アメリカでも乗用車も作っていた のだったか」と何度も痛感したものだった。それほど日本車、ドイツ車、 イタリア車等に加えて韓国車(ヒュンダイ等)ばかりが目立つのだ。これ がデトロイトが如何に時代に何にも取り残されているという悲しいまでの 証明となるだろう。

だが、私が感じたことはトランプ大統領その演説中にいきなり日本を持ち 出したのは「デトロイトをあそこまで追い詰めた日本が悪いのだ」と隣に ミシガン州・デトロイトがあるイリノイ州民に訴えてでたということだっ た。あの場に集まった連中が「何故ミシガン州・デトロイトの地盤があれ ほど沈下したか」の実情など知るまいと読み切って「車を沢山売り込んで きた日本が宜しくない」と強調された受けを狙われたのだと思った。

私は車の運転が出来ないので関心もないが、最早アメリカで自動車以外に Made in Japanの製品はほとんど発見できなくなっていた。それでもトラ ンプ大統領は知らん顔で一番に我が国を名指ししたのだった。私はこれ で取りも直さず、トランプ大統領は貿易赤字(trade deficit
)の中身がどのような国からの輸入で構成されていると先刻ご承知だっと いう証拠ではないかと思って聞いたのだった。この地域の住民がアメリカ の赤字の総額と、そこに占める中国と日本の比率など知る訳がないだろう。
シャツ等の衣類では間違いなく中国から輸入が多いのは明らかだが、その 原産地はわざわざ襟元か下部の左側についているタグを見ない限り容易に 解らないものだ。だが、大きな自動車は誰が見ても何処の国のものかは解 る。

何事についても、我が国民とは比較にならないほど大らか(=大雑把 な)アメリカ人には、その車がアメリカで作られた物か否かまでに細かく 注意して見ているとは到底思えないし良い車だから買ったと言うだろう。 故に、トランプ大統領の演説の持って行き方はかなり巧妙に仕掛けられて いると判断した次第。

私は内側から長年見てきたアメリカについては語って来たが、政治問題に ついて触れるようになったのは「それがビジネス上で問題なし」となった リタイア後のことである。また、今回ほど中間選挙をマスコミが事細かに 採り上げて報じるようになったのは初めて経験である。在職中に5回はそ の時期に会っていたはずだが、まるで気にしたことがなかったし、中間選 挙とは英語では何と言うのかと検索して確認したほど。お陰様で成り行き に大いに関心を持つに至った。偶にはマスコミにお礼を言ってこうThan  you so much. I really appreciate your effort.





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身 辺 雑 記
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7日の東京湾岸はあいにくの曇天。


毎日散歩をする近くの都立猿江恩賜公園。銀杏が黄色い葉を散らし始めて 秋の深まりを感じさせている。
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