政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4845 号  2018・10.27(土)

2018/10/27

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4845号
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       2018(平成30)年  10月27日(土)



                    蕪村公園横の「毛馬の閘門」:石田岳彦
                           
       労働力の質の問題が何故生じるのか:前田正晶

               お邪魔虫共産党:渡部亮次郎

       首相は中国の人権問題に言及せよ:櫻井よしこ

                                                                                            話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4845号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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蕪村公園横の「毛馬の閘門」
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       石田 岳彦


阪急千里線の柴島駅(本筋から思い切り離れますが「柴島」を初見で「く にじま」と読める人がどれだけいるでしょうか。)から天神橋筋六丁目駅 へ向かい、淀川にかかる鉄橋を渡る際、左側奥、淀川大堰の向こう側に大 きな「水門」が見えますが、その水門には「毛馬こうもん」と白抜きで大 きく書かれています。

「こうもん」を漢字で書くと「閘門」です(ちなみに「毛馬」は地名で 「けま」と呼びます)。

最近は警察署にも建物の壁に「けいさつ」と平仮名で大きく書いていると ころがありますが、「閘門」と書いても読めない人が多いので、「こうも ん」と平仮名で書いているのでしょうか。

もっとも、警察署と違い、読みだけ知ったところで何をやっている施設か は分からないと思いますが。

それはさておき、阪急千里線を通勤経路にしている私にとって、毛馬の閘 門は見慣れた存在でしたが、近くにまで行く機会はありませんでした。

平成20年春、毛馬の閘門が国の重要文化財に指定されることになったとい うニュースを聞いた私は、これをよい機会と毛馬の閘門に行ってみまし た。我ながらミーハーです。

毛馬の閘門に行くには、天神橋筋六丁目駅(阪急千里線、地下鉄堺筋線・ 谷町線)から北上し、淀川にかかる長柄橋の南詰めから河川敷に出て、更 に5分ほど東へ歩きます。

河川敷は公園になっていて、堤防上には歩道も整備されていて、歩いてい て楽しい道ですが、天神橋筋六丁目駅からは20分以上の歩きになり、大阪 市内ということを考えると交通の便の悪い場所といえるでしょう(私がな かなか行く気になれなかった理由もこれです。)。
 
現地に設けられていた説明板によると、閘門というのは、水位の異なる 川、運河等の間で船を行き来させるため、両側に水門を設けた水路で、毛 馬の閘門の場合、大川(低)と淀川(高)との間の高低差を調整して船を 通すために建造されたものです。

淀川から大川に入る場合、まず、水路内の水位を淀川に合わせたうえ、淀 川側の水門のみを開けて船を水路に入れたうえで閉じ、水路内の水を抜い て、水面の高さを大川と同水位に下げた後、大川側の水門を開けて船を通 過させるという仕組みになっています。

逆に大川から淀川に行く場合には、大川側から水路に船を入れたうえ、水 を補充して水路面を淀川と同水位にまで上げてから、淀川側の水門を開放 することになります。

なお、そもそも隣り合っている2つの川の水面に何故、極端な高低差があ るかといえば、本来の淀川の流れは大川の方で、現在の淀川のうち毛馬よ りも河口側の部分(新淀川)は明治時代に治水上の必要で人工的に作られ たためだそうです。

ちなみに現在の毛馬の閘門は3代目で、私が毎朝見かけている「毛馬こう もん」もこの3代目にあたります。今回、重要文化財に指定されたのは、 初代と2代目(今は船溜になっているそうです)で、このうち初代の閘門 は、3代目のすぐ近くに見学用として整備されていました。

初代閘門の水門は2つの扉が観音開きになる方式で(なお、現役の3代目 の閘門は門扉が上下して開閉するシャッター方式だそうです。)、現在は 半開きの状態で固定されています。最近になって塗りなおされているよう で、水色の大きな扉が鮮やかです。

北側の淀川側の水門は、近くにある堤防から一段低いところにあり、階段 で下まで降りることもできますが、降りたところに柵が設けられていて、 その先の水門をくぐることはできません。

もっとも、南側にある大川側の水門(淀川側に比べてかなり小型です)は 開放されていて、そちら側から(旧)水路(当然のことながら現在では水 路に水は流されていません。)の中に入ることができ、更に進んで淀川側 の水門をくぐることもできます。北側の柵はいったい何のためでしょうか。

水路の中央に見学用の通路が設けられていて、その両側は何故か芝生に なっていました。先ほどの柵といい、「こうもん」のペイントといい、こ の芝生といい、大阪市はよく分からないことに、金と手間を使います。

水路といっても船が通り抜けることができるだけのスペースですから、幅 もそれなりにあり、スペース自体はちょっとした広場並みです。両側の側 壁はレンガ造りになっていて、ところどころに鎖が取り付けられていま す。係船環と呼ばれる船を繋ぐためのものだそうです。水路に水を注入ま たは排出するときに船が動かないようにするためでしょうか。

近くには初代閘門の付属施設として建設された洗堰(水が堰の上を越えて 流れるタイプの堰)も残っています。淀川(新淀川)から大川に流れ込む 水の量を調節するためのものだそうです。なかなかシックなデザインですね。

大阪市やその近郊にお住まいの方であれば、天気のよい休日にでも、広々 とした淀川の河川敷や与謝蕪村公園の横を歩きつつ、ちょっと「毛馬の閘 門」に寄ってみられるのも悪くないでしょう。(終)



        
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お邪魔虫共産党
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    渡部 亮次郎

中国では幹部でも汚職がばれれば死刑になる。それでも幹部の汚職が引き もきらない。いくら共産主義に共鳴しても、私欲とは人間の本能に等しい ものだからである。

こうした目で中国を見ていれば、共産党が政権を掌握している限り人権尊 重や政治の民主化なぞは絶対実現しないと思うのが普通だが、経済の改革 開放が進むのに比例して民主化が進むはずだと考える人々がいる。特にア メリカの人たちに多い。

中国が何故、共産革命に成功したか。それは国家権力を手中にしようとし た毛沢東の策謀が成功したからである。国家の形態は何でも良かったが、 とりあえず貧民が国民の大多数だったので、「金持ちの財産を分捕り、皆 で平等に分配しよう」と言う呼びかけに合致したのが共産主義だった。

共産主義政府の樹立が毛沢東の望みではなかった。真意は権力の奪取だっ た。日中戦争の終結で、日本軍の放棄して行った近代兵器を手中にして蒋 介石と国内戦争を続けた結果、蒋介石は台湾に逃亡した。毛沢東は昭和 24(1949)年10月1日、中華人民共和国建国を宣言した。

人民も共和も中国語には無い。日本語だ。畏友加瀬英明氏の説明だと、中 国語には人民とか共和と言う概念が無いのだそうだ。北朝鮮はそれに民主 主義が加わって嘘が深化している。

権力は掌握したが、人民への約束を果たす手段が無い。とりあえず人民公 社と大躍進政策が当時のソ連をモデルに実施されたが、農民は生産意欲の 低下とサボタージュで抵抗。

結果として食糧不足に陥って各地で飢饉が発生。餓死者は1500万人から 4000万人と推定されている(「岩波現代中国事典」P696)。

毛沢東の死(1976年)後2年、失脚から3度目の復活を遂げていたトウ小平が 経済の開放改革を断行。開放とは日本など外国資本の流入を認め、改革と は資本主義制度への転換を意味した。

4つの近代化を掲げたのだ。工業、農業、国防、科学技術の近代化であ る。今のところ実現に近付いているのは軍事の近代化である。

トウ小平は政治の近代化だけは断乎として拒否した。肥大化した経済が政 治(共産政府)を圧倒する危険を回避したのである。だから第2天安門事件 には反革命の匂いを嗅ぎ、断乎、弾圧した。

しかし発展する資本主義にとって共産党政府による様々な統制は邪魔以外 の何物でも無い。工場用地の確保一つとってみても、土地すべての国有は 障害でしかないが、自由にならない以上、共産党幹部を「買収」する以外 に方法が無い。

したがって多発する共産党幹部による汚職事件はいわば構造的なことで あって、客観的にみれば「事件」ではなく「日常茶飯事」に過ぎない。

しかも冒頭に述べたように「私欲」は本能のようなものだ。所有を否定す るのが共産主義の思想でも「本能」には勝てっこない。つまり共産主義体 制化で経済だけを改革開放すれば汚職簸自動的に起きるし、共産党幹部に すれば、現状を変更するメリットは全く無いわけだ。

汚職は時たましか発覚しない。摘発で死刑になるのは不運な奴で政府の知 るところではないのだ。かくて中華人民共和国政府は汚職にデンと腰を下 ろした政権。民主化を抑え、人権無視の批判など絶対耳に留めない。耳が 左右に付いているのは右から聞いたら左から逃す為にあるのだ。2010・12・5

            
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首相は中国の人権問題に言及せよ
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          櫻井よしこ

米中新冷戦が深まりつつある。

10月10日、米共和党上院議員のマルコ・ルビオ氏と同党下院議員のクリ ス・スミス氏が「中国に関する議会・行政府委員会」の年次報告書を発表 した。

ルビオ氏らは中国政府が100万人以上の少数民族、とりわけウイグル人を 再教育施設に強制的に収容している、中国は北朝鮮と並ぶ弾圧国家で、南 アフリカのアパルトヘイトさながらの人種差別国家であると激しく非難した。

さらに、習近平国家主席の下で人権を巡る状況は幾何級数的に悪化してお り、2022年に予定されている北京での冬季五輪開催を見直すよう国際オリ ンピック委員会に申し入れ、獄中にある経済学者のイリハム・トフティ氏 を来年のノーベル平和賞候補に推薦する予定だと語った。

318頁に上る大部の報告書は、中国は経済大国になっても一党独裁をやめ ず、民主化もしない国だと、歴史的経緯を辿りながら告発している。その ような国に対してアメリカは、「常に政治犯について言及せよ」、「米中 2国間協議では必ず人権を議題に加えよ」、「相互主義を強調せよ」など と17項目にわたって、中国との戦い方を詳述している。

報告書の約半分が人権問題に割かれ、人権弾圧の具体例が列挙された。 ぎっしりと書き込まれた中に、世界ウイグル会議総裁のドルクン・エイサ 氏の母、アヤン・メメットさん(78歳)が、今年5月収容所で亡くなった ことも記されていた。

エイサ氏が世界ウイグル会議の事務総長を務めていた2012年、私はシンク タンク「国家基本問題研究所」の「アジアの自由と民主化のうねり 日本 は何をなすべきか」と題した国際シンポジウムに、ウイグル、チベット、 モンゴルの三民族の代表を招いた。そのとき、世界ウイグル会議を代表し て参加したのがエイサ氏だった。氏は中国から逃れ、ドイツ国籍を取得し て、現在ドイツに住んでいる。

息子が海外で中国政府を非難しているという理由で、78歳の母を中国は収 容所に追いやるのである。エイサ氏を罰するためであるのは明らかで、高 齢のメメットさんは劣悪な環境の中で息絶えた。他の多くの高齢者たち、 幼い子供たち、病気を患っている人々も収容所で次々に命を落としてい く。年次報告書はそうした事例を生々しく書き連ねている。

メメットさんは人生の最後の段階でどれほどの苦しみを味わったことだろ うか。エイサ氏の悲しみと怒りは如何ばかりか。国際社会はこのような仕 打ちを許さない。ルビオ氏らは習近平政権によるウイグル人らイスラム教 徒弾圧を、「人道に対する罪」ととらえて糾弾を続けている。

対中強硬策

ルビオ氏らが記者会見した同じ日に、米司法省も対中強硬策に踏み切っ た。中国の情報機関である国家安全省の幹部、シュ・ヤンジュン氏を起訴 したのだ。彼は4月1日にベルギーで逮捕、収監されていたが、米国の要求 で10月9日、米国に引き渡された。日本ではあまり報じられなかったが、 この事件は米中関係を大きく変えるものとして専門家の間で注目された。

産経新聞外信部次長で中国問題専門家の矢板明夫氏が語る。

「米国が第三国に中国人犯罪者の引き渡しを要求したのは、これが初めて です。米国が引き渡し条約を結んでいる国では、今後、中国は諜報活動が できなくなるわけです。中国は極めて深刻にとらえていると思います」

矢板氏の説明はざっと以下のとおりだ。シュ氏は2013年12月頃からGEア ビエーションなどに狙いを定め、技術者らを費用丸抱えで中国に招き、最 新技術の窃盗につなげようとした。GEアビエーションはGEの子会社だ が、他にも航空産業最大手の企業など数社が工作対象にされていたという。

矢板氏はなぜシュ氏がベルギーに行き、逮捕されたかに注目する。シュ氏 を監視していたアメリカの情報工作員が、今年春、ベルギーでアメリカの 技術者に会い情報を盗むという話を持ちかけ、シュ氏を呼び出すことに成 功したのだという。アメリカがシュ氏をおびき出したのだ。それだけ積極 的に攻めの手を打って、中国人スパイを摘発したのはなぜか。

現在進行中の米中貿易戦争では、アメリカは主に三つの要求を中国に突き 付けている。?為替操作の禁止、?アメリカを含む諸外国の情報や技術の窃 盗の禁止、?労働者を安い賃金で働かせる奴隷労働の禁止である。

産業スパイ活動

右の三要素によって中国は輸出製品を安く製造し、アメリカをはじめ世界 の強豪と競っているが、これこそ途方もなく不公正、不公平だと、トラン プ大統領は考えている。だからトランプ氏は中国製品に制裁関税をかける のだ。

三つの要求のうち・が不可能になれば、独自の技術を生み出す能力がない 中国は壊滅的打撃を受ける。中国の製品はおよそ全て、日本やアメリカな どから奪った技術により製造されており、中国は経済的に行き詰まる。

トランプ政権はまさにそこを狙っているのである。シュ氏をアメリカに連 行し、中国の産業スパイ活動は断じて許さないという強い姿勢を誇示した のと同じ日、トランプ政権は対米投資規制の詳細を発表した。

8月には外資によるアメリカへの投資を規制する新たな法律が成立してい たが、航空エンジン・部品、アルミニウム精錬、石油化学、ナノテクノロ ジーなど、情報通信や軍事などの27産業にわたって米企業を保護する内容 だ。たとえ少額出資であっても、外資は事前に申請しなければならない。 その意図は明らかに中国マネーから米企業を守ることである。

こうした矢継早の措置を10月4日のペンス副大統領の厳しい演説に重ねる と、米国が中国に対してどれほど強い警戒心を抱いているか、明白に見て とれる。

そしていま、米議会がウイグル人に対する中国の人権弾圧を「人道に対す る罪」として糾弾しているのである。同盟国の日本が米国と同一歩調を取 るべき場面である。

他方、中国は日本に的を絞って微笑外交を展開中だ。天安門事件の当時を 想い出す。世界から経済制裁を受け、追い詰められた中国は、「制裁の環 の最も弱い部分」が日本だと見定めて微笑外交を展開、日本はまっ先に制 裁を解除し、天皇皇后両陛下にご訪中をお願いした。中国は日本を利用し て世界の制裁を打ち破り、その後、尖閣諸島を中国領とする法律を作るな ど、今日の横暴な中国の正体を見せ始めた。

日本は同じ間違いを犯してはならない。安倍首相は、いまこそ米国とより 強く協調せよ。今月の訪中では、首相はウイグル人弾圧について言及する ことを避けてはならない。
『週刊新潮』 2018年10月25日号 日本ルネッサンス 第824回


 ◎「パンダより尖閣」 安倍首相が中国に通告すべき数々の“事案” 長谷川幸洋氏「直ちに撤退要求を」 

 安倍晋三首相は25日午後、中国への公式訪問に出発する。26日に習近平国家主席、李克強首相とそれぞれ会談し、「北朝鮮の非核化」などに向けた連携を確認する。米中新冷戦で苦境に立たされている中国は、パンダ外交などで「日中蜜月」を演出する構えだが、甘い顔は禁物だ。共産党独裁国家は、東・南シナ海の覇権を強め、他国の知的財産権を侵害し、国内の他民族への人権侵害も指摘されている。識者からは、日本が決然とした姿勢で、中国に改善を迫るべきだとの意見が出ている。

 「日中両国は、この地域の平和と繁栄に大きな責任を有している。首脳間の往来を重ねると同時に、ビジネス協力、スポーツなど、あらゆるレベルで両国民の交流を飛躍的に強化し、(平和友好条約の発効から40年を迎えた)日中関係を新たな段階へと押し上げていく」

 安倍首相は24日の所信表明演説で、こう意気込みを述べた。国際会議への出席を除き、日本の首相が中国を公式訪問するのは約7年ぶりだ。

 今回の訪中では、金融危機で互いの通貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」の5年ぶりの再開や、日本への「新たなジャイアントパンダ貸与」などについて両国が合意する見通しだ。さらに、日本国内で批判の強かった中国へのODA(政府開発援助)について、今年度の新規案件限りで終了する方針を伝える。

 これまで、日本を声高に非難してきた感のある中国だが、日本のODAによる貢献を国内メディアに積極的に伝えるよう指導するなど、一転、「歓迎ムード」をアピールしている。

 夕刊フジの連載「ニュースの核心」(毎週金曜)での的確な国際情勢分析が注目される、ジャーナリストの長谷川幸洋氏は「米中が『ガチンコ対決』になるなか、中国とすれば『日本との友好関係を演出したい』という思惑があるのだろう。日米同盟の離反工作という面もある。通貨スワップ再開は、中国に便宜を図るという意味が強いが、関係改善の象徴にしたいのではないか。対中ODAはもっと早く打ち切っても、おかしくなかった。ODA終了は当然だ」と語る。

 米中対立は、貿易戦争からエスカレートし、いまや「新冷戦」といえる状態となっている。

 マイク・ペンス米副大統領は今月4日、ワシントンでの講演で、米中の歴史を振り返りながら、現在の中国共産党政権による政治や経済、外交、軍事、人権問題など、幅広い分野での政策を批判した。

 ペンス氏は、中国の東・南シナでの軍事拡大路線を具体的に指摘し、「米軍は国際法の範囲内で作戦行動を続けていく」「威圧されたり、撤退することはない」と強い決意を示した。知的財産の侵害についても、「中国の治安当局が、最先端の軍事計画を含む、米国からの大規模な技術盗用の首謀者だ」と言い切り、人権問題では「過去10年間で、150人以上のチベットの僧侶が抗議の焼身自殺をした」「100万人ものイスラム教徒のウイグル人を投獄した」などと、迫害の実態を暴露した。

 米国は、日本にとって唯一の同盟国である。安倍首相と、ドナルド・トランプ大統領は信頼関係を築いており、頻繁に連携を図っている。平和友好条約発効40年という節目の訪中だが、安倍首相は自由主義国の代表として、中国の「軍事的覇権主義」や「知的財産侵害」「人権問題」について、習氏に通告すべきではないのか。

 前出の長谷川氏は「中国は『微笑外交』を仕掛けてくるだろうが、安倍首相は甘い顔をせず、対応すべきだ。少なくとも、『沖縄県・尖閣諸島周辺に来ている軍艦や公船、漁船をただちに撤退しろ。威嚇はやめろ』と堂々と要求し、これを世界に公表すべきだ」と提言する。長谷川氏は、26日発行紙面の連載「ニュースの核心」で、さらに詳しくこの問題を論じている。

 人権問題でも、安倍首相や、同行する河野太郎外相は、共産党指導部に迫るべきではないか。

 評論家の石平氏は「中国には、チベット族やウイグル族への激しい弾圧のほか、漢民族の知識人、弁護士らへの人権侵害もある。普遍的価値である人権問題について、米国と歩調を合わせて、安倍首相は『弾圧をやめないと、世界が中国を許さない』と伝えるべきだ。人権侵害を許してはならない。そうすることで、日本は中国に対して優位な立場になることができる」と話した。

【写真】
習氏との会談では、安倍首相に決然とした姿勢を示してほしい(共同)
習近平氏(ロイター)
<https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181026/soc1810260007-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto>https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181026/soc1810260007-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto
【Zakzak】2018.10.26〔情報収録 − 坂元 誠〕


 内側から見てきたアメリカが抱える労働力の質の問題:


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労働組合とは如何なる存在か
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この点を以下の挿話(カタカナ語ならば「エピソード」だ)をを使って表 してみよう。ここには経験談と伝聞(secondhand)と二種類がある。

先ず経験談では、1988年にW社のある事業部のマネージャーから副社長ま での30数名の集団に混じって我が国でデミング賞を獲得している(TQC
に優れた)工場を2週間かけて勉強の為に回った時のことだった。一行がトヨタの系列の工場 を「カンバン主義」を学びに訪れたのだった。私は視察団の一員として参 加していたのだったが、工場見学する我々の最後尾についてこられた工場 の方が「今日は面白いことを準備してありますから」と私に囁かれたの だった。

それは後で分ったのだが、確かに「面白い」どころではない大変な企画 で、私は「流石にトヨタで、そこまで熟知しておられたか」と感嘆させら れた演出だった。見学が終わった後で講堂のようなところで質疑応答に なった。我が方には“Question asking team”が組織されており、質問は準備されていた。ところが、司会役の工場長 が壇上に並んだ人たちを紹介して「私の右側が工場の幹部で、左側が組合 の幹部」と述べられたところで、我が方は大いに動揺して「何で我々の面 前の壇上に組合員如きが並ぶのか」と憤慨したのだった。

この時点で工場の方が私に囁かれたことの意味が理解できた。多くの方に は直ちに理解できないかも知れない出来事だろうが、「苟も副社長兼事業 本部長以下の幹部が顔を揃えた席に、組合員の代表が同席して質疑応答を するのか」という怒りなのである。解りやすくズバリと言えば「身分が違 うだろう。ふざけるな」とでも表現すれば良いのかも知れない。アメリか では労働組合とはそういう位置づけになっていると言うこと。

私は既に会社側と労働組合とは別個の存在であると指摘したが、「別個」 とはこのような身分の違いだったのである。海外経験が豊富なトヨタはこ のような「企業社会における文化の違い」を十分に認識された上での演出 だったのだ。だからこそ「流石」と恐れ入った次第だった。通訳として ずっと一緒に旅をしてきた2人の通訳の女性たちも少し戸惑っていたが、やがてアメリカ側も落ち着い て質疑応答は穏やかに進行したのだった。勿論、帰りのバスの中で私から 敢えて「文化の違い」の解説を試みておいた。

労組の委員長は本社ビルの外にいた:

次は伝聞である。これも非常に印象的で、後難を恐れずに言えば「我が国 の大企業の経営者と雖も、両国の間に存在する文化の違いをご存じではな かった」という良い(悪い)例だと思う。それは、ある我が国の大企業の 社長さんがアメリカの関係先のCEOとの会談をする運びとなって、アメリカに出張されたそうだ。その際 に「労働組合の委員長とも会談したいので」とお願いして快諾を得ていた のだそうだ。

ところが、CEOとの会談が無事に終わったが、彼からも周囲にいた誰からも労働組合の 「ロ」の字も出てこなかったのだそうだ。この際、社長さんが単身で出向 かれたか否かは措くとして、何のお知らせもないとはおかしいと思われた し、あるいはキャンセルになっていたのかとすら考えたのだそうだ。壮麗なる本社ビルを出てみるとそこの外の階段に敝衣を身にまとった 男が座っていたのだそうだ。その男が「貴方はXXさんですか。私がお約束を頂いた委員長のQQです」と名乗ったのだそうだ。

当惑した社長さんは取り敢えず挨拶は返したが「何故この本社ビル内の然 るべき場所でお待ち頂けなかったのか」と当然の疑問をぶつけられたそう だ。ところが、委員長の答えは「滅相もない。我々如きが本社ビル内に立 ち入って、貴方のような方をお待ち申し上げることなどあり得ないので す」だったそうだ。私には十分にその答えが意味するところは理解でき る。だが、我が国の常識からすれば「それはないだろう」となるだろう。

だが、これがアメリカにおける労働組合の企業社会におけるstatus
だと言えば解りやすいか。これこそが、私が指摘してきた「別個の存在」 の意味を具体的に表す一例であると思って採り上げた次第だ。彼らが自分 たちの社会が決めたというか、法的に定められた地位をどう考えているか はここで論じようとは思っていない。かかる違いがあるのがアメリカの企 業社会の文化であると認識して頂ければ幸甚だ。


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労働力の質の問題が何故生じるのか
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           前田正晶

この点は先日採り上げた「我が国とアメリカの労働組合の違い」のところで、「組合員の仕事は年功序列というか勤務年限によって一段ずつ上の段階に 上がり、そこで時間給も昇給していく仕組みになっているのだ。我が国と の大きな違いは「彼らは時間給制度の下で働いている」のである。」

という表現で概要を説明しておいたのだった。この表現は「言うなれば、 こういう形でアメリカの労働力の質が決して高くないのは何故か」という 解説を密かに埋め込んでおいたつもりだった。かかる実態は、アメリカの 企業の外におられる方に対しては、会社側が敢えて見せようとも思わない だろうし、また一度や二度アメリカの工場の現場を見学したところで「な るほど、そういうことだったか」と認識できるような性質ではない」ので ある。

即ち、私が「別個な存在」と表現したのは、組合員たちは“union card
”という身分証明証を得て何らかの業界横断の職能別組合員となって就職 することから始まるのだ。私が教えられた限りのことでは、新入りは先ず 雑役というか場内の清掃作業員から始めて、時が経つにつれて段階的に上 の(というか熟練を要するような)地位というか仕事に就けるようになっ て行くのだ。既に何度も指摘したことで、組合員は時間給(hourly age)であるから、仕事が高度化した技術を求めていくのと勤務年限に 伴って、自動的に昇給していくのだ。

即ち、ここには年功序列制があって、技術が向上したかどうかとは別なこ とで昇給はしていくのである。私はこの辺りに問題があると思っている し、会社側の者たちもその点は十分に認識している。勿論、、経験者から の指導もあるだろうが、アメリカの現場には非常に良く出来た「作業のマ ニュアル」が用意されていて、英語が解る限り(英語が理解できれば)誰 にでも仕事のやり方が解るような、嘗ては多くの日本からの工場の訪問者 が感動した指示書が常備されているのだ。

問題はここから先にあるのだ。これまでに何度述べたか解らないが、USTR の代表だったカーラ・ヒルズ大使が1994年に「アメリカの労働力の質を高める為には識字率の向上と初等教育の徹 底が必要」と言われた事を想起して頂きたい。工場の管理職は言う「読め ない奴がいるので」なら未だ良い方で「読んだ振りをしやがる奴がいるの で」と。折角優れたマニュアルが用意されていても「読めない」のではど うしようもないのだ。そういう層に属する者もいれば、トランプ大統領が 排除しようとされた海外からの英語もままならず移民もいるのがアメリカ の組合なのである。

問題はここまでで終わってはいない。私は年功序列制で職位も上がれば時 間給も上がっていくと指摘した。ということは「敢えて向上心に燃えて自 らの職場での敢えて「スキル」と表現するが、言い方は悪いが「努力しな くとも時間給は上がっていく」のである。「簡単にこういう環境下にある 組合員たちを奮い立たせる為には何をすべきか」については、我が社は 色々と創意工夫して彼らを叱咤激励もしたし、何故に品質を向上させねば ならないかを機会があるごとに説いて聞かせたし、褒めるべき時は褒めて きた。

また、各シフト明けの組合員に残業料を支給して一堂に集めて「君たちは これまでも素晴らしい仕事をしてきてくれたが、世界の市場にその地位を 確立し、世界の#1のサプライヤーになる為には君等のより一層の努力が必要である。事業部 の命運は君たちの双肩にかかっているし、我々は君等ならばやって見せて くれると確信している」といったようなプレゼンテーションを丸一日かけ てしたこともあった。兎に角「品質なくして成功もなく、job ecurityもない」と説き続けた。


ある時、組合員の中でも最もボス的な存在で工場の管理職たちがその扱い に苦心惨憺していた大男が、偶々出張で現場にいた私に「今仕上がってい る紙を見てくれ。俺は問題があると思うが、班長が『何でも良いから沢山 生産すれば良いのだ』という主義で合格品にする気だ。お前の意見を聞か せてくれ」と申し出てきた。それは私も一目見て「規格外品」と判定し た。そこで私は直ちに技術サービスマネージャを現場に呼んで判断を求めた。

勿論、規格外品と判定したのだったが、彼が何事にもまして感激したこと は「あの男がそこまでの品質についての意識を持ってくれるに至ったか。 我々の積年の組合員たちの意識改革の努力が結実したとは」という点だっ た。これは決して過ぎた昔の自慢話をしているのではなく、「アメリカの 労働力の質の問題は彼ら組合員たちの質の問題でも理解力の有無ではな く、如何に彼らの意識を改革していくかにも大いにかかっている」という 経験談を述べているのだ。

彼らに目的意識を持たせ、向上心を植え付けて、何を為すべきかを説いて 聞かせる努力を怠れば、何時まで経っても輸出市場での地位は確立できな いし、輸入品の流入を防ぎきれない事態が生じるという意味である。


                  
         
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重 要 情 報
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 ◎矢張り我が国の英語教育には問題がある:前田正晶

四大私立大学の学生は:

「“swearwor”って何ですか」と言ったのだった。卒業後には海外の去る著 名な競技の本部に就職したいという希望があるという壮大な希望を持つ学 生を紹介された時のことだった。彼はその為には兎に角英語の力を付けね ばならないと自覚していた。紹介者は「英語の力を試してあげて欲しい」 と言われたので、試しに「“swearword”とはどういう言葉を指すか承知し ているか」と尋ねてみた。やや意地が悪い質問であり、学校教育では教え ていないだろうとは解っていた。

矢張り、キョトンとした表情で「何のことですか」が答えだった。そこで もう一段突っ込んで「スラング(=slang)との区別が付けられるか」と やってみた。解っていないだろうとは解っていたのだが。スラングは兎も 角、swearword(=汚い言葉)はある一定以下の教養しか身に付いていな い人たちや、そういう言葉を日常的に多用する階層の者たちと交流がある と、自然に覚えて使ってしまうものなのだ。それは自分から「私は無教養 です」と名乗りを上げているのと同じで、私が常に用いている表現の「支 配階層の仲間入りは先ず不可能」となるのだ。

私には最早最近の中学から大学までの英語教育がどのようになっているか の実態を知る機会もないが、こういう語法があることを教育課程の何処か で教えておくべきだと思っている。そうしておかないと、何も知らずにア メリカでもUKにでも「語学留学」などと称して出掛けていった場合に「そ れが使っても真似てもいけない言葉である」とは知らずに、私が使うなと 指摘して来た“you know”と同じように「これは便利だ」とか「何となく 格好が良いな」と思い込んで真似て使ってしまう危険性が高いのだ。

始めから「swearwordは使ってはならない」と知らされていれば真似てし まう危険性も薄らぐとは思うのだが。しかも、困ったことに、我が国では 未だに「俗語」か「隠語」か「符丁」である“slang”を、汚いか下品な言 葉(swearword)と錯覚を起こしている人たちが多いのである。私はスラ ングは「汚い言葉」とは違うというような教育を学校でしておくべきだと 信じている。でも、教えるべき先生方がハッキリとご存じでなければ、ど うにもならないだろうが。

アクセント:

先頃の世界ヴァレーボール大会でのことだった。試合開始前に厳かに対戦 する両国の国歌が演奏されていた。その際には「国歌演奏につき全員ご起 立を」と英語のアナウンスが流れる。ここでは「細かい揚げ足を取るな」 と批判されそうなことを言うが、英語では例えば“National vanthem of Japan”のように言う。この表現自体には何の問題もないのだが、アクセン トの付け方が困るのだ。それは男性の声でのアナウンスでは、“
of”にハッキリとアクセントを置いてしまっていた。これはアメリカやUK などの支配階層には軽蔑されかねないアクセントなのだ。

私が敢えて指摘したことは「“of”は前置詞であるからアクセントを置いて 発音しない方が普通に教養がある階層の英語」であり、精々聞こえるか聞 こえないくらいに「オフ」か「フ」程度に言えば十分なのである。あの男 性のアナウンサーのように声高らかに「ナショナルアンセム・オブ・ジャ パン」とはしない方が教養のほどを示せるのだ。

このようなアクセントの付け方は中学校辺り(いや、今日では小学校か) で、初めて英語を教える時に正しく仕付けておかないと身に付かないので ある。ましてや、それが教養の程度を示すことになるとは、子供たちには 想像も出来ないだろう。

このような教育がキチンと出来ていないからこそ、JRを始めとする多くの 鉄道会社の車内放送に、クリステル・チアリのような出鱈目なアクセント を付けた英語を流して恥じないのである。それは何度の指摘したし、海外 に住んでおられるある同胞の方も帰国された際に「“Please change your trains here for 何とかかんとかライン.”のような場合に、アクセントを 置いてはならない “for”を「フォーア」のように言っているのは異常だ」と厳しく指摘してさっ た。私は彼女の発音は国辱的な英語であると何度も指摘したが、彼女を起 用する鉄道会社は増える一方だ。英語教師の方々の奮起を促したい。

文法:

TOEICなどなしょうもないテストに現を抜かしている暇があれば、もっと 正確に誤りがないような文法の教え方をすべきだと敢えて言っておきた い。小売店や食堂等で「営業中」と言いたくて“OPEN”というカンバンをぶ ら下げておくのは良いが、未だに多い誤りに「閉店」と言いたくて “CLOSE”という札を下げている店が多いのは、何とも情けない文法教育の 至らなさだろう。既に「閉じている」のだから過去形の“CLOSED
”となるべきだという最低限の常識が解っていないのが悲しい。

それともう一つに「午前10時」と言いたくて“AM 10:00”というように日 本語の語順でAMを前に持ってきているカンバンが誠に多いのだ。この辺り も、学校教育の英語で「初歩の初歩」として叩き込まれているべきことで はないのか。間違っているという点では、“GRANDOPEN”と同じである。 “open”では動詞の原形であって、ここでは動名詞(=gerund)にして “OPENING”とした方が良いのだ。



 ◎4843b号所載の、前田様の「海外には恐ろしい事件が多い」には、同感 し、また考させられました。;北村維康

恐ろしい事件とは、普段は平和な日常生活に於いて、それに予期もせぬ事 件が唐突に起きた場合に、それは「恐ろしい」事として我等にショックを 与へる訳です。想へば、第2次世界大戦は、恐ろしい事件の集合体でし た。日本軍がある朝突然に、真珠湾に停泊中の米軍の艦船に攻撃を加へた のは、米軍と米国民にとっては、寝耳に水の恐ろしい事件でした。ナチス ドイツが600万人ものユダヤ人を虐殺したのも、恐ろしい事件でしたし、 また米軍が、広島、長崎に原爆を落として、何十万人もの罪のない非戦闘 員を一瞬のうちに殺害したことも、恐ろしい事件でした。しかし、そ
れらの恐ろしいことは終り、平和が日本に回復してからの数十年は、「平 和が当り前で、殺戮は異常なことだ」といふ定説が、特に敗戦国日本には 広く流布され、現代の我々もそれに慣れて来ました。

しかしながら、国際政治に於いては、例へばシナによる「日本を俺のもの にしてやらう」といふ野望は相変らずといふか、ますます増加して今日に 至り、日本のマスコミもその野望を忖度して、ことさらに日本に対して冷 酷な態度をとることが常態化してをります。台湾の列車事故でも、その車 両を作ったのは日本の会社だといふことを、「嬉しさうに」報道する有様 です。しかし、「日本人も世界平和と言ふぬるま湯にいつまでも浸かって ゐてはいけない」と警鐘を鳴らしたのは、『悪の論理』を書いた倉前盛通 氏でした。

しかし確かに前田様の仰るやうに、現在のサウジアラビアや、勿論シナに もみられるやうな、阿漕で残虐なやりかたは、ここ最近のできごとではあ ります。

但しその火種は、ずっとくすぶり続けてきたといふべきでせう。

明治以来、日本が目指したのは、「道義国家」としての成り立ちであり、 その延長線上に、人種差別撤廃、欧米によるアジアの植民地支配からの解 放といふ理想が、大東亜会議でも掲げられました。来る我が国の憲法改正 も、その理想を踏まえたものでなければなりません。さればこそ、「海外 の恐ろしい事件」を根絶やしにする、「世界平和の発信国である」日本が 21世紀に持つ平和国家としての意義を明らかにするものなのだと思ふのです。

 ◎内側から見てきたアメリカが抱える労働力の質の問題:前田正晶

労働組合とは如何なる存在か:

この点を以下の挿話(カタカナ語ならば「エピソード」だ)をを使って表 してみよう。ここには経験談と伝聞(secondhand)と2種類がある。

先ず経験談では、1988年にW社のある事業部のマネージャーから副社長ま での三十数名の集団に混じって我が国でデミング賞を獲得している(TQC
に優れた)工場を2週間かけて勉強の為に回った時のことだった。

一行がトヨタの系列の工場を「カンバン主義」を学びに訪れたのだった。 私は視察団の一員として参加していたのだったが、工場見学する我々の最 後尾についてこられた工場の方が「今日は面白いことを準備してあります から」と私に囁かれたのだった。

それは後で判ったのだが、確かに「面白い」どころではない大変な企画 で、私は「流石にトヨタで、そこまで熟知しておられたか」と感嘆させら れた演出だった。見学が終わった後で講堂のようなところで質疑応答に なった。

我が方には“Question asking team”が組織されており、質問は 準備され ていた。ところが、司会役の工場長が壇上に並んだ人たちを紹介 して 「私の右側が工場の幹部で、左側が組合の幹部」と述べられたところ で、我が方は大いに動揺して「何で我々の面前の壇上に組合員如きが並ぶ のか」と憤慨したのだった。

この時点で工場の方が私に囁かれたことの意味が理解できた。多くの方に は直ちに理解できないかも知れない出来事だろうが、「苟も副社長兼事業 本部長以下の幹部が顔を揃えた席に、組合員の代表が同席して質疑応答を するのか」という怒りなのである。解りやすくズバリと言えば「身分が違 うだろう。ふざけるな」とでも表現すれば良いのかも知れない。アメリか では労働組合とはそういう位置づけになっていると言うこと。

私は既に会社側と労働組合とは別個の存在であると指摘したが、「別個」 とはこのような身分の違いだったのである。海外経験が豊富なトヨタはこ のような「企業社会における文化の違い」を十分に認識された上での演出 だったのだ。だからこそ「流石」と恐れ入った次第だった。通訳として ずっと一緒に旅をしてきた2人の通訳の女性たちも少し戸惑っていたが、 やがてアメリカ側も落ち着いて質疑応答は穏やかに進行したのだった。勿 論、帰りのバスの中で私から敢えて「文化の違い」の解説を試みておいた。

労組の委員長は本社ビルの外にいた:

次は伝聞である。これも非常に印象的で、後難を恐れずに言えば「我が国 の大企業の経営者と雖も、両国の間に存在する文化の違いをご存じではな かった」という良い(悪い)例だと思う。それは、ある我が国の大企業の 社長さんがアメリカの関係先のCEOとの会談をする運びとなって、アメリ カに出張されたそうだ。その際 に「労働組合の委員長とも会談したいの で」とお願いして快諾を得ていた のだそうだ。

ところが、CEOとの会談が無事に終わったが、彼からも周囲にいた誰から も労働組合の 「ロ」の字も出てこなかったのだそうだ。この際、社長さ んが単身で出向 かれたか否かは措くとして、何のお知らせもないとはお かしいと思われた し、あるいはキャンセルになっていたのかとすら考え たのだそうだ。壮麗なる本社ビルを出てみるとそこの外の階段に敝衣を身 にまとった 男が座っていたのだそうだ。その男が「貴方はXXさんです か。私がお約束 を頂いた委員長のQQです」と名乗ったのだそうだ。

当惑した社長さんは取り敢えず挨拶は返したが「何故この本社ビル内の然 るべき場所でお待ち頂けなかったのか」と当然の疑問をぶつけられたそう だ。ところが、委員長の答えは「滅相もない。我々如きが本社ビル内に立 ち入って、貴方のような方をお待ち申し上げることなどあり得ないので す」だったそうだ。私には十分にその答えが意味するところは理解でき る。だが、我が国の常識からすれば「それはないだろう」となるだろう。

だが、これがアメリカにおける労働組合の企業社会におけるstatusだと言 えば解りやすいか。これこそが、私が指摘してきた「別個の存在」 の意 味を具体的に表す一例であると思って採り上げた次第だ。彼らが自分 た ちの社会が決めたというか、法的に定められた地位をどう考えているか はここで論じようとは思っていない。かかる違いがあるのがアメリカの企 業社会の文化であると認識して頂ければ幸甚だ。

労働力の質の問題が何故生じるのか:

この点は先日採り上げた「我が国とアメリカの労働組合の違い」のところ で、「組合員の仕事は年功序列というか勤務年限によって一段ずつ上の段 階に上 がり、そこで時間給も昇給していく仕組みになっているのだ。我 が国との 大きな違いは「彼らは時間給制度の下で働いている」のである。」

という表現で概要を説明しておいたのだった。この表現は「言うなれば、 こういう形でアメリカの労働力の質が決して高くないのは何故か」という 解説を密かに埋め込んでおいたつもりだった。かかる実態は、アメリカの 企業の外におられる方に対しては、会社側が敢えて見せようとも思わない だろうし、また一度や二度アメリカの工場の現場を見学したところで「な るほど、そういうことだったか」と認識できるような性質ではない」ので ある。

即ち、私が「別個な存在」と表現したのは、組合員たちは“union card
”という身分証明証を得て何らかの業界横断の職能別組合員となって就職 することから始まるのだ。私が教えられた限りのことでは、新入りは先ず 雑役というか場内の清掃作業員から始めて、時が経つにつれて段階的に上 の(というか熟練を要するような)地位というか仕事に就けるようになっ て行くのだ。既に何度も指摘したことで、組合員は時間給(hourly  wage)であるから、仕事が高度化した技術を求めていくのと勤務年限に 伴って、自動的に昇給していくのだ。

即ち、ここには年功序列制があって、技術が向上したかどうかとは別なこ とで昇給はしていくのである。私はこの辺りに問題があると思っている し、会社側の者たちもその点は十分に認識している。勿論、、経験者から の指導もあるだろうが、アメリカの現場には非常に良く出来た「作業のマ ニュアル」が用意されていて、英語が解る限り(英語が理解できれば)誰 にでも仕事のやり方が解るような、嘗ては多くの日本からの工場の訪問者 が感動した指示書が常備されているのだ。

問題はここから先にあるのだ。これまでに何度述べたか解らないが、USTR の代表だったカーラ・ヒルズ大使が1994年に「アメリカの労働力の質を高 める為には識字率の向上と初等教育の徹 底が必要」と言われた事を想起 して頂きたい。

工場の管理職は言う「読め ない奴がいるので」なら未だ良い方で「読ん だ振りをしやがる奴がいるの で」と。折角優れたマニュアルが用意され ていても「読めない」のではど うしようもないのだ。そういう層に属す る者もいれば、トランプ大統領が 排除しようとされた海外からの英語も ままならず移民もいるのがアメリカ の組合なのである。

問題はここまでで終わってはいない。私は年功序列制で職位も上がれば時 間給も上がっていくと指摘した。ということは「敢えて向上心に燃えて自 らの職場での敢えて「スキル」と表現するが、言い方は悪いが「努力しな くとも時間給は上がっていく」のである。「簡単にこういう環境下にある 組合員たちを奮い立たせる為には何をすべきか」については、我が社は 色々と創意工夫して彼らを叱咤激励もしたし、何故に品質を向上させねば ならないかを機会があるごとに説いて聞かせたし、褒めるべき時は褒めて きた。

また、各シフト明けの組合員に残業料を支給して一堂に集めて「君たちは これまでも素晴らしい仕事をしてきてくれたが、世界の市場にその地位を 確立し、世界の#1のサプライヤーになる為には君等のより一層の努力が必 要である。事業部 の命運は君たちの双肩にかかっているし、我々は君等 ならばやって見せて くれると確信している」といったようなプレゼン テーションを丸一日かけ てしたこともあった。兎に角「品質なくして成 功もなく、job securityもない」と説き続けた。

ある時、組合員の中でも最もボス的な存在で工場の管理職たちがその扱い に苦心惨憺していた大男が、偶々出張で現場にいた私に「今仕上がってい る紙を見てくれ。俺は問題があると思うが、班長が『何でも良いから沢山 生産すれば良いのだ』という主義で合格品にする気だ。お前の意見を聞か せてくれ」と申し出てきた。それは私も一目見て「規格外品」と判定し た。そこで私は直ちに技術サービスマネージャを現場に呼んで判断を求めた。

勿論、規格外品と判定したのだったが、彼が何事にもまして感激したこと は「あの男がそこまでの品質についての意識を持ってくれるに至ったか。 我々の積年の組合員たちの意識改革の努力が結実したとは」という点だっ た。これは決して過ぎた昔の自慢話をしているのではなく、「アメリカの 労働力の質の問題は彼ら組合員たちの質の問題でも理解力の有無ではな く、如何に彼らの意識を改革していくかにも大いにかかっている」という 経験談を述べているのだ。

彼らに目的意識を持たせ、向上心を植え付けて、何を為すべきかを説いて 聞かせる努力を怠れば、何時まで経っても輸出市場での地位は確立できな いし、輸入品の流入を防ぎきれない事態が生じるという意味である。


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身 辺 雑 記
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27日の東京b湾岸は浅野うちは曇天。今日はインフルエンザの予防接種を受ける。

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  • 名無しさん2018/10/27

    傷を消毒しない新しい外科治療



     「どんな傷でも消毒してはいけない」と高野弘之医師は断言する。「これまでの消毒法は間違っていたのです」 これには耳を疑う人がほとんどであろう。私たちは、小学校の時から、「傷から黴菌が入るので、きちんと消毒しましょう」と習ってきた。だから怪我をしたら赤チンやオキシフルなどで消毒していた。それが全く、要らないとは・・・・では、どうしたらいいのだろうか?



    「流水で傷口を洗うだけです」 これには昔の消毒法に捕らわれている医師、保健師も絶句するはずである。



     普通、傷口を消毒した後は、ガーゼを当てて、さらに包帯をする。ところが、「ガーゼ、包帯をしてはいけません。傷口にくっつき、治りが遅く、ひどくなります」と高野医師は言う。ではどうしたらいいのでしょうか?



     高野医師の指導は次の通りである。



    「台所用のラップを用意します。それで傷口をくるむのです」



    ポリラップでくるむのなんて、啞然とするが、高野医師は笑顔でこう言う。



    「これで跡形もなく傷はきれいに治っていきます」



    これまでの傷治療の常識は、傷口を殺菌消毒する。乾燥させて、軟膏を塗って、ガーゼを当てて、包帯をする。これらを全て「やってはいけない」と言うのである。



     乾燥させてはいけない。薬を塗ってもいけない。ただラップで覆うだけとは・・・・びっくりするばかりである。さらに高野医師はスライドで完治した例を示し、本当に傷は跡形もなく消えているのである。



    「もっともおすすめは火傷の治療です。これまでは、自分の皮膚を剥いで移植するのが常識でした。しかし、パッチワークみたいに醜く跡が残ります。成長期なら、成長と共に張り替え手術が必要です。それにはあまりにも過酷です。火傷も水で洗いラップで覆えば、全く跡も残らず、健康な皮膚が再生するのです」



     この謎は、千島・森下学説が解明している。つまり、傷口や火傷面の細胞は、いったん万能細胞に戻り、改めて各体細胞に再生するからである。殺菌用の消毒剤は、その万能細胞を、殺し、傷つける。そのため治療しても醜い傷跡やケロイドが残るのである。



    (10日寝込むと10年老ける)



     日本の寝たきり老人は、実は「寝かせきり老人」である。70歳以上で入院して寝たきりだと、1日で1年老ける。専門医は恐ろしい警告をしている。その最大の理由は、筋肉の衰えである。「使わねば衰える」が全てを語る。それは人体のあらゆる組織、臓器、器官に言える。だから、誤解を恐れずに言えば、「老人に楽をさせてはいけない」のである。完全介護などもってのほかである。ところが、日本の介護は、箸の上げ下げから、上膳据膳までやってあげる。極端に言えば、老人は口を開けるだけで食べ物をスプーンで入れてくれるのである。介護士たちは、何から何まで面倒見るのが介護だと教えられている。だから、疑問に思わないのである。介護施設で働く人によれば、1日百人もの身体を洗うという。これは重労働である。自分の身体くらい自分で洗わせたらどうだろうか。日本の寝たきり老人の数は、欧米の約5倍と世界最悪である。それが介護ビジネスの市場となっている。



    (北欧は天国、日本は地獄)



     完全介護の最大の弊害は、年寄りに依存心を植え付け、さらに、大問題は運動機能が衰えることである。つまり、筋肉が衰えるのである。それは生活能力の衰えに直結する。足が衰え、車椅子になり、手も衰えて、ベッドに寝たきりになる。保険会社に勤める人が北欧の老人施設を視察してこう断言した。「あちらは自立させることが目的で天国、日本は自立させないので地獄。北欧は笑顔が明るいが、日本は顔が死んでいる」



     アメリカは病人大国と言われるが、100歳以上は日本の3倍もいる。さらに、日本の百寿者は寝たきり介護が多い。これに対して、アメリカは自分で自分のコーヒーを入れたり、散歩したり、元気である。この違いはジム・トレーニングなどの習慣の違いである。つまり、年寄りは背が縮み、腰が曲がる。それは、筋肉の衰えが原因である。だから、アメリカでは、高齢になるほど本気で筋トレを行う。老後の蓄えは「貯金」より「貯筋」である。



     もう一つの致命的過ちは、朝昼晩三食と2回のおやつである。1日5食の食習慣は間違っている。「沢山食わせて、早死にさせろ」と言うのが日本の介護行政なのである。

  • 名無しさん2018/10/27

    天皇家の財産に勝手に手をつけてええんか?私ら国民は勘違いしてへんか? 

    http://gekiokoobachan.jp/blog-entry-440.html

    安田氏の素性は謎のまま / 解放された疑惑のジャーナリスト

    http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68739151.html

    安田純平の親の千羽鶴が韓国のビョル(星)!両親「千羽鶴を折って待った」・日本の千羽鶴ではない!http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7263.html

    ”韓国人のウマル”を名乗った安田純平氏、解放。韓国政府の主権を守るためにも、帰国先は慎重であるべきhttps://samurai20.jp/2018/10/umaru/

    韓国人とは違う?日本人にある遺伝子、Y染色体(父系)とミトコンドリア(母系)「ハプログループ」を調査。あなたは、どれに当てはまりますか? 

    https://www.multilingirl.com/2018/09/humanmitochondrialDNAhaplogroup.html

    1分で「がん細胞」を破壊し、副作用もない「光免疫療法」。注目の世界的研究者に単独取材! 

    https://www.houdoukyoku.jp/posts/10637

    中国少数民族

    https://www.google.co.jp/search?tbm=isch&q=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%B0%91%E6%95%B0%E6%B0%91%E6%97%8F&backchip=g_1:%E6%96%B0%E5%9E%A3+%E7%B5%90%E8%A1%A3&chips=q:%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%B0%91%E6%95%B0%E6%B0%91%E6%97%8F,online_chips:%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%82%A6&sa=X&ved=0ahUKEwiv8c7Y2KLeAhUPh7wKHW_rBVcQ4VYIJSgB&biw=1097&bih=531&dpr=1.75

    韓国で学ぶ世界史がすごい!

    http://hatekorea.blog.fc2.com/blog-entry-348.html

    コリアン(朝鮮民族、韓国人・北朝鮮人)が認めたがらない歴史的事実

    https://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/e1f0897014374e5340858dfb7f826ce8?fm=entry_awp_sleep

    少数民族の「血」を薄めろ…結婚奨励金の贈与や特別待遇を“餌”に、漢民族との混血奨励進める中国の狡猾さhttps://www.sankei.com/west/news/140919/wst1409190078-n1.html

    日本の水道をすべて多国籍企業に売り渡す自民党

    http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-2044.html

    ロバート・ケネディ・ジュニアが政府による水銀/自閉症スキャンダルの隠蔽を暴く

    http://www.asyura2.com/08/health14/msg/186.html