政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4838 号  2018・10・20(土)

2018/10/20

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4838号
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       2018(平成30)年  10月20日(土)



          またも「トランプ・ショック」:宮崎正弘

            インスリン注射不要の夢:渡部亮次郎

             米政権を日本は支えよ:櫻井よしこ         
                                                                                            話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4838号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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またも「トランプ・ショック」
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月19日(金曜日)
        通巻第5863号    <前日発行>
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またも「トランプ・ショック」。こんどはUPU(万国郵便連合)を離脱
  中国は安い郵便制度を悪用し、貿易赤字の裏ルートで活用している。
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101月17日、トランプ政権は突如、UPU(万国郵便連合)からの離脱を 検討しているとした。一年ほどかけて交渉し、成果があがらなければ、米 国郵便制度を他国が利用して儲けているだけで米国が一方的な負担を強い られているのだから、新しいレートを設定して対応するとし、離脱期限を 2020年1月1日と発表した。

まさに「アメリカ・ファースト」政策の一環、しかし、ここまで徹底して やるとは想定外の方針発表である。

全米商工会議所はただちに歓迎声明、なぜなら流通を担うのUSPS(米 国郵便公社)のほかに、Fedex,DHLなど、国外からの荷物を万国 郵便制度の義務から、米国内では無料で配達してきたため、不満が募って いた。

ちなみにUSPSは、赤字が累積しており、3万人の解雇、土曜配達の取 りやめなど削減措置をとってきたが(それはサービスの低下を招いた)、 向こう10年間に、さらに230億ドルの赤字が予想されている。

もとよりUPUは1874年に制定され、現在、アンドラ、台湾などをのぞき 192ヶ国が加盟している。制度の悪用とは、たとえば日本で切手を貼った 國際郵便物は相手国では無料配達が義務つけられている。

この制度を活用するのが、例によって「あの国」。貿易外の事実上の貿易 に転用し小口貨物を、小分けして大量に発送し、米国の配達は他人の褌を 利用する。つまり実質的なビジネスを展開しているからだ。「これは中国 の対米黒字3750億ドルの統計以外のものであり、不公平極まりない」とト ランプ政権は言う。
        
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)ファン・ビンビン主演の映画で重慶爆撃を描く「反日映 画」が上映中止となったようです。
これは自業自得ではないでしょうか。快哉を叫びたくなりました。
 脱税容疑で100日も拘束され、146億円という天文学的罰金を支払 わなければいけなくなった女優は、中国共産党のスケープゴーツという見 方も出来ますが、そもそも彼女はこれから映画に主演も出来ないのでは?
    (HJ生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)そもそも重慶爆撃は蒋介石が南京を捨て武漢も諦 め、重慶に逃げ込んだため日本が行ったものの効果は薄く、東京裁判で も、この重慶爆撃は取り上げられませんでした。
被害の写真は捏造が多く、第一、日本が戦ったのは蒋介石軍であって、共 産軍はそのとき延安の洞窟に逼塞していたのではありませんか?
それを日本が一方的に悪とする政治宣伝の映画であり、製作した中国映画 界も、政府の支援があったからでしょう。
ですからファン・ビンビン主演が理由だとか、脱税への反省からという理 由ではなく、25日から訪中する安部首相を前に、こうした反日映画の上 映はまずいという政治的判断が大きいと思います。


 
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インスリン注射不要の夢
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      渡部 亮次郎

2006年8月、京大の山中伸也教授が、人の皮膚から採った細胞に4つの遺伝 子を入れて培養したら、万能細胞ができた。iPS細胞=人工多能性幹細胞 と言うそうだ。

万能細胞から、神経細胞、心臓細胞、臓器細胞、血液細胞、軟骨などが作 られ糖尿病や心臓病に使えるとされている。

自分の皮膚から採った細胞だから、自分の体に入れても拒否反応がない。 ノーベル賞だという声が上がって本当に受賞した。細胞や臓器の再生へ、 万能細胞の研究競争が激化するだろう。

山中教授は、何年かしたら、人工細胞ができると言う。激しい競争がある からだ。

しかし、4つの遺伝子は、癌細胞から採っているので、人に応用すると思 わぬ事故になる可能性があると言う。

山中氏は、神戸大→大阪市立大→カリフォルニア大と研究を続けて、世界初 の万能細胞を作った。

人工細胞は、糖尿病、心筋梗塞(しんきんこうそく)、脊髄損傷(せきず いそんしょう)などの治療に使える。
http://www2.ocn.ne.jp/~norikazu/Epageh3.htm

このうち糖尿病治療への展望について専門家に聞いて見ると、うまくすれ ばインスリン注射が要らなくなる可能性があるという明るい見通しがある らしい。

糖尿病は、食べたものを血肉にするホルモン「インスリン」が膵臓から十 分に出てこないため、溢れた栄養(ブドウ糖)が血管を内部から攻撃した 末に小便に混じって出る病気である。小便が甘くなるから糖尿病。

糖尿病それ自体ではなかなか死なないが、内部から血管を糖分で攻撃され ると、脳梗塞、心筋梗塞、盲目、足の切断、癌多発といった
「合併症」を招いて、寿命より10年は早く死ぬ。

栃木県にある自治医科大学内分泌代謝科の石橋俊教授によると、駄目に なった膵臓や膵頭を何らかの方法で丈夫なものを移植すれば問題は一挙に 解決し、インスリン注射も要らなくなる。

しかし日本ではドナーが不足し、膵頭を調整する試薬の供給がストップし たりして、こうした治療を受ける患者は2桁どまりだ。

そこで注目されたのが、インスリン「製造工場」ともいえる膵ベーター細 胞の再生治療だったがヒトの受精卵の仕様に付随する倫理的制約や拒否反 応が壁になって進んでいなかった。

そこへ登場したのが山中教授の万能細胞。ヒトES細胞から膵ベーター細胞 を作る研究は壁に突き当たったが、山中教授のiPS細胞なら、自分の皮膚 から出来た物だから拒否反応も倫理的な問題も起きない。

問題は今回できた4つの遺伝子が、がん細胞からとっているので、人に応 用すると思わぬ事故になる可能性があることだ。石橋教授は「この問題が 解消されれば、実用化は意外に早いかも知れない」と言っている。

資料:(社)日本糖尿病協会関東甲信越地方連絡協議会機関紙「糖友 ニュース」91号(2008・7・1)  執筆 08・06・28




     
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米政権を日本は支えよ
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     櫻井よしこ

「中国と対峙する米政権を日本は支えよ」

マイク・ペンス米副大統領が10月4日、アメリカの有力シンクタンクのハ ドソン研究所で行った演説は凄まじかった。トランプ政権が中国の脅威を どれ程深刻にとらえているか、また中国に対してどれ程厳しい戦いを展開 しようとしているかを世界に周知させた演説だった。

米中はまさに「新たなる冷戦」(米クレアモント・マッケンナ大学ケック 国際戦略研究所所長、ミンシン・ペイ氏)の中で鎬を削っていることを示 すもので、日本は政府も民間も、このアメリカの決意を十分に理解し日本 の国益につなげなければならない。

ペンス氏は演説の冒頭、ハドソン研究所中国戦略センター所長のマイケ ル・ピルズベリー博士の名前を口にして、研究所に招かれたことに謝意を 表明している。

ピルズベリー氏は3年前に、『China2049』を世に問うた。日本語に も訳された同書はワシントンに一大旋風を巻き起こした。著書の中で氏 は、自身が米政府の一員として長年中国と関わり、一貫して手厚い保護と 援助を中国に与えるようアメリカ政府の政策を立案してきた体験を詳述し ている。

豊かになれば中国はアメリカのように自由で民主的な国になりたいと望む に違いないと信じて援助してきたが、中国はアメリカの考え方や価値観に は反対の立場であり、中国がアメリカのようになりたいと考えることなど 期待できないとの結論を下している。自身も含めてアメリカは中国に騙さ れていたという痛恨の思いを、援助と裏切りの生々しい具体例を挙げつ つ、氏はこれでもかこれでもかとばかり書き連ねたのだ。

ピルズベリー氏の個人名を敢えて演説冒頭で口にしたペンス氏は、明らか にピルズベリー氏の中国体験に学んでいると考えてよいだろう。

余談だが、ピルズベリー氏を最初に日本に招いたのは、私の主宰するシン クタンク、「国家基本問題研究所」である。2010年の国際セミナー、「イ ンド洋の覇権争い・21世紀の大戦略と日米同盟」で日米中印の国際会議を 開催し、副理事長・田久保忠衛氏の長年の友人である中国専門家のピルズ ベリー氏に声をかけたのだ。

トランプ氏の本心

ペンス氏はトランプ大統領と習近平国家主席は過去2年足らずの間に「強 い個人的絆」を築いたと語る一方で、「今日、私は米国民が知るべきこと を語りに来た」として、「北京は国ぐるみであらゆる政治的、経済的、軍 事的手段を使い、さらに宣伝戦を通して米国内で影響力を強め中国の国益 につなげようとしている」と、約1時間にわたって強烈な非難の言葉を連 ねた。

現在のアメリカの対中政策はトランプ大統領が昨年12月に発表した「国家 安全保障戦略」で明らかなように、それ以前の政権の対中政策とは異なる と、ペンス氏は強調する。

右の戦略を現場の戦術に置き換えて説明した「国家防衛戦略」は、中国と ロシアの脅威を、「略奪的経済政策」「周辺諸国を恫喝し続ける」などの 強い表現で非難し、アメリカの敵は、「テロではなく、中露両国」だと位 置づけ、とりわけ中国に対する警戒心を強く打ち出す内容だった。

ここで、多くの人は疑問を抱くに違いない。この戦略報告の前には、トラ ンプ氏は習氏をカリフォルニアの自身の別荘、マララーゴに招き(昨年4 月6日)、その後の11月8日にはトランプ氏が北京を訪れ、歯の浮くような 賞賛の言葉を習氏に贈った。また、戦略報告の後、今年に入ってからは中 国に制裁的関税をかける一方で、北朝鮮の非核化を巡って中国の助力を期 待し、またもや習氏を度々ほめ上げた。トランプ氏の本心はどこにあるの か、と迷うのは当然だ。

トランプ氏の言葉と行動が往々にして一致しないために、アメリカの対中 政策の真実が何処にあるのかを測りにくいのは確かだが、この2年間の 「実績」を辿っていくと、トランプ政権はいま、本気で中国と対峙しよう としていると見てよいだろう。

ペンス氏は、アメリカも賛成して中国を世界貿易機関(WTO)に参加さ せたのが2001年であり、これまでの17年間にアメリカは中国に巨額の投資 を行い、その結果中国のGDPは9倍に成長したと説明する。

他方、中国共産党は、自由で公正な競争というアメリカが大切にする価値 観とは相容れない関税、割当、自国産業への不公正な補助金、為替操作、 企業への強制的技術移転の要求、知的財産の窃盗などの不公正な手段で応 じてきたとし、いま、「中国製造2025」というスローガンを掲げて、25年 までに世界の最先端産業の90%を中国がコントロールしようとしていると 論難する。

ロボット、バイオ、人工知能

ペンス氏は具体的にロボット、バイオ、人工知能の分野を挙げて、中国が アメリカに対して優位に立ち、支配を確立するために、如何なる手段を講 じてもアメリカの技術や知的財産を盗み取ろうとしていると、強く反発した。

軍事的にも、中国はかつてない程大胆な挑戦を続けているとして、日本が 施政権をもつ尖閣諸島の事例にまっ先に触れた。南シナ海でアメリカの イージス駆逐艦「ディケーター」が「航行の自由」作戦を行っていると、 中国海軍の駆逐艦が40メートルの近さにまで異常接近した事例にも言及 し、アメリカはこんなことには屈しないと息巻いた。

中国の言論弾圧、宗教弾圧にも具体的に触れ、国民全員を監視する中国 は、社会をジョージ・オーウェルの世界にしようとしているのだと喝破した。

貧しい発展途上の国々を借金漬けにして、港や鉄道などのインフラを取り 上げてしまう債務の罠についても豊富な具体例を列挙して中国の手法を非 難した。

また、アメリカに対しては、アメリカ国民に影響を与え、トランプ氏以外 の大統領を選ばせようと情報工作をしており、中国政府が「米国社会分断 のために、正確かつ注意深い打撃を加えるよう」指示を出していると語っ ている。そのために、自由の国アメリカに、中国はラジオ局を30局以上設 立し、中国のテレビ放送は7500万人の視聴者を獲得している、その影響は 大きいと警告する。

中国の許容し難い点をおよそすべて列挙して、トランプ政権はアメリカの 国益を中国の略奪的行動から守る決意だと、ペンス氏は強調した。どう考 えても、アメリカの価値観と中国のそれは合致しない。突き詰めれば突き 詰める程、相違は大きくなる。米中の冷戦は長期化するとの前提に立っ て、アメリカと歩調を合わせる局面である。それが日本の国益につなが る。トランプ氏の言葉に惑わされず、アメリカ政府の政策をじっと見るべ きときだ。
『週刊新潮』 2018年10月18日号 日本ルネッサンス 第823回


     
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重 要 情 報
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 ◎クレデイットカード物語:前田正晶

アメリカでは「クレデイットカードも持てないようでは、金融機関に経済 的に信用されていないことだ」と言われていた。だが、21世紀の現代では Alipayなどという決済方法が現れたし、スマートフォンその他でも小売店 で通用するようになって、クレデイットカードどころではない時代に突入 した。そういう時代の変化はさて措いて、この際クレデイットカードでの 経験を回顧してみよう。

当方がお世話になっていた日本の会社は旧富士銀行の系列にあったので、 何時の間にやらかの格式高きダイナースクラブの記名の法人として個人名 のカードを与えられていた。ところが、1972年6月末を以て辞職してアメ リカの会社に転出することになり、富士銀行の支店にカードの返却を依頼 した。

すると窓口で「アメリカの如何なる会社に転出するのか」と尋ねられ、当 時はアメリか第5位の紙パルプメーカーのM社と告げ、偶々手元にあった会 社概要を提示した。すると「それならば個人会員に切り替えましょう」と なって、企らまずして晴れて格式高き個人会員に昇格してしまった。寧ろ 呆気にとられた思いだった。

その後、1975年に業界第2位というか常にトップスリー以下とはならな かったW社に転じて数年経った後で、 American Expressのアメリかと日本 の両方の事務所から頼んでもいないこれまた格式高き「ゴールドカードが 自宅宛に送られてきた。狐につままれたような思いがしたので、東京の事 務所に「頼んでいないよ」と苦情を言うと「W社の社員の方だから資格十 分」などと言って受け入れるように半ば懇願された。流石CIAの国アメリ カで、何処かで個人情報を入手したのだなと察した。

尤も、我が事業部の副社長などは事業部の本部長に昇進した後で、「州内 の取引もない複数の支店からローン付のATMのカードやクレデイットカー ドが送ってこられた」と言っていたが、アメリカ国内ではかかる個人情報 を集めては一定以上の信用がある会社の幹部にはそういうことをしてくる ものらしいのだった。

と言うのは、当時のW社は無借金経営で格付けは AAA(=トリプルA)だっ たのだから、その社員も信用されていたのだろう。でも、どうやって個人 情報まで入手するのだろう。

しかし、我が国では相変わらずクレデイットカードの取得には細かい申込 書への記載が必要だし年収も書かねばならず、審査も几帳面に行われてい るようだ。そういう事情がありながら、カード払いにすれば軽減税率適用 ともなれば、カード取得を目指す人が増えるだろうし、そうなれば審査す る方も大変だろうと思う。

そうかと言って、アメリカのように何処かから個人情報を入手して一方的 にカードを送りつけるという方式など取れまい。もしも「カード払いで 云々」などとなれば、予期せざる混乱が生じるのではないのかななどと密 かに懸念している。


 ◎何故データを改竄するのだろう:前田正晶

またかと思った報道だった。だが、一瞬「KYBって何処の会社?」かと困 惑させられた。データ改竄などということをする以上は、昨日今日に出て きた会社ではないだろうとは考えたが、この社名には全く心当たりがな かった。

それにしても、我が国の製造業の会社の品性は何処まで下落すれば気が済 むのかなと落胆させられた。と同時に、何故そういうことをしたのが露見 するのかなと、不思議に感じていた。内部告発か?

私の経験でも、確かに我が国の中間の需要家や最終ユーザーには「デー タ」の提示を求められる会社が多かったのは事実である。この点は既に既 に指摘したが、製紙のような装置産業では1日24時間の操業で年間では少 なくとも連続で350日以上は生産を停止したりしないものだ。そのような 連続操業をしている機械の何時何処のどの時間帯の物性値(データ)を求 めておられるのかと何時も疑問に思っていた。

先日も述べたが、1日に500 tonも造ってしまう製品の物性値の何処を採れ ば500 tonを代表するデータになるのかという疑問である。1枚の物性値の 表が全体を代表できまいと言う意味だ。

データ論も兎も角、KYBとは何者かをWikipediaで検索してみた。そこで知 り得たことは、カヤバ工業株式会社がKYB株式会社に社名を変更していた のであり、それはその昔の萱場製作所だったのだった。

しかも、そういう免震装置では国内の65%もの占有率を誇っているとも知 り得たのだった。なるほど、一昔も二昔から流行した「近代
的」且つ海外にも通用するような社名の変更だったようだ。我が紙流通業 界でも歴史と伝統に輝いていると思っていた「XX商店」という社名を「XX 紙商事株式会社」というように近代化したところが何社もあった。

神戸製鋼が改竄でマスコミに大きく採り上げられた一番手だったように記 憶するが、その時の解説に「スペックを実際の需要で要求されている物性 値よりも高めに設定しておけば、実際の製品がその規格を多少下回ってい ても実害がないような安全策を採っている企業がある」とあった。ありそ うな話だとは思って聞いた(読んだ)が、それでは「最初から達成不可能 のようなスペックを設定するとは不可解な」と受け止めていた。

しかも、現実に物性値のデータを改竄せねばならないような製品が出来て しまうとは、「技術の日本」がそこまで劣化していたのかと嘆かわしく 思った。同時に疑ったことは「経営陣が生産の現場でそういう製品を造っ てしまう状態にあることを知りながら意図的に看過していたのではない か」という点だった。もしそうであれば、それは経営者の劣化であるし、 生産技術も劣化したことになるのではないかと、深刻に受け止めていた。

余談だが、それにつけても感じたことは「例によって例の如くに謝罪の記 者会見とやらに登場したKYB社の社長さんの偉そうな顔付き」だった。私 は日本とアメリカの両方の会社勤めを経験して見えてきたことは「我が国 の会社の役員はその地位が上がっていくのに伴って実務から離れていき、 威張った顔付きになって行くこととだった。

同時に、「偉そうな顔をする人たちほど内容が空疎なことしか言えない嫌 いがある」という点だった。

思うに、我が国の会社では偉くなればなるほど実務と現場から遠ざかって 行く傾向があるようだが、アメリカの会社では副社長兼事業本部長と雖も 現実に担当 する得意先を抱えているし実務も担当し、1年365日飛び回っ ているので極めて多忙な のである。

従って、常に現実を直視せざるを得ないので、部下や取引先を相手にして 偉そうな顔をしている暇がないようなのだと思って見てきた。これ即ち 「文化の違 い」である。疑えばキリがないが「KYBの社長さんも現場から 遠ざかっておられたので はなかったな」などと考えている。


 ◎三井E&S造船が中国合弁ぶち上げ、物産の参画に業界騒然! 2018/10/20

「われわれは自前主義は捨てました。三井造船(現三井E&Sホールディン グス〈HD〉)が100周年を迎えた昨年には、はっきりその方針でいくと決 めていた」

今年8月下旬、三井E&SHDの造船事業会社である三井E&S造船の古賀哲郎社 長が語っていた覚悟は本物だったようだ。10月11日、三井E&S造船は、来 年4月に中国の民営造船最大手である揚子江船業と造船合弁会社を設立す ると発表した。

合弁会社では、三井E&S造船の設計力や建造ノウハウと、日本の3分の1〜5 分の1という中国の安価な人件費を背景とする揚子江船業の建造力を生か し、まずはばら積み貨物船の建造から始める。

それだけではない。将来的には大型のタンカーや、液化天然ガス(LNG) 船の建造ももくろむ。特にLNG船は、大気汚染対策に躍起となり、LNGの輸 入を急増させている中国には必須の船だ。中国は自国の物流は自国の船で 行うという「国輸国造」の方針を掲げているから、なおさらである。さら に、調達面でも親会社を含めた共同化なども検討する考えだ。

三井E&S造船は今年5月にオーナー系の造船専業会社である常石造船と業務 提携を結んだばかり。ただ、同社とは今後マーケットの拡大が見込まれる 東南アジアの需要を共に取り込んでいく模様で、今回の合弁会社とは協業 の範囲を異にするという。

日系造船が仕事を奪われる危機

実は三井E&S造船のこの決断、日本の造船業界をざわつかせている。常石 造船には提携交渉時に説明済みだったから問題は生じなかったが、ある造 船関係者によると、建造量日本一を誇るオーナー系の今治造船の関係者な どが不満を漏らしているという。

というのも、合弁設立に三井物産がかんでいるからだ。出資企業の一社と して名を連ねる上、営業まで担う。

市況の浮き沈みが激しい造船業界では、不況の際にいかに受注を確保でき るかが収益安定化のカギを握る。例えば川崎重工業は同じく中国に造船合 弁会社を持つが、その合弁相手は大手海運会社だ。そのため、「いつで も、ある程度安定した受注が確保できることが強み」(川重幹部)となっ ている。

三井E&S造船にとって船の発注の仲介に長けた商社という後ろ盾は大きい が、三井物産と取引のある日系造船会社にとっては脅威である。三井物産 は「うちの仲介先が今回の合弁会社に限られるわけではないし、業界から もそう受け止められている」とするものの、営業力、技術力、価格力の三 拍子がそろう合弁会社に仕事を奪われる恐れは否めない。

三井E&S造船にしても、今後、業界から嫌味を言われかねない状況だ。 今、日本勢は無茶な安値攻勢を仕掛けてくる中韓勢に適正な競争を促して いる。その旗振り役である日本造船工業会の会長を担っているのが何を隠 そう、加藤泰彦・三井E&SHD相談役なのだ。

これら波紋が生じる可能性を心得つつ、なお踏み出した一歩に三井E&S造 船の危機感が表れる。今年4月に三井E&SHDが誕生。造船の事業会社として 独立し、他部門への依存が許されなくなった同社は、いよいよ“強硬”な生 き残り策を講じ始めている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)(収録 中山)


 ◎何としても引き上げたいのか、軽減税率を導入したいのか:前田正晶

来年のことで鬼が笑う前に、色々と消費税率引き上げ関連の混乱が生じて いるようである。畏メル友で公認会計士のTS氏は「政府は軽減税率適用で 新聞を抱え込んだ」と指摘されていたが、私には財務省はあの手この手で 軽減税率導入を導入して、悪影響を食い止めようと懸命であるように見え る。そこで出てきた手が「クレデイットカード払い」である。苦肉の策の ように見えて仕方がない。

産経は小売店の規模によってはカード会社に支払う手数料の率に差がある ので、中小の店には有利ではないというような指摘をしていた。それもあ るだろうと思う。だが、私のアメリカでの経験では、カード会社によって 手数料の率が異なるので、何も小売店に限ったことではなく、一流ホテル でも敬して遠ざけるカード会社があるのだ。私が懸念することは「いざと なれば、それと同じ現象が我が国でも起きるのかな」ということ。

実は、予てからAという有力な会社のカードは敬遠されているとは方々で 聞かされていたのだった。そこで、2〜3のW社がコーポレート・レートを 得ているアメリか全国展開しているホテルでチェックインの際にM、D
のカードともにカウンターに並べて「どれを取るのか」と尋ねてみた。リ セプションの事務員が先ず「ノーサンキュウ」と言って弾き返してきたの がかのAだった。次が最もステータスが高いといわれるDだった。「何故嫌 うのか」と尋ねると「手数料が高すぎるから」だった。「なるほど、矢張 りそうだったか」と納得した。

このような事態が我が国でも発生するかどうかは予測できないが、少なく ともカード会社によっては手数料が高いことがあるのは間違いないようで ある。我が国でどれほどA社のカードが普及しているかは知らないが、少 なくとも来日するアメリカ人の中にはこのカードの保有者が多いことは考 えられる。

実は、W社も後年A社のカードをコーポレート・カードに指定したので、ア メリカ国内での出張旅費等の経費の支払いは全てAになっていた。



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身 辺 雑 記
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20日の東京湾岸は晴天。午後2時から会合がある。郷里出身で関東在住者の会。

19日は午後、大学病院で定期検診。特に問題はナシ。
                         読者:5587人


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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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