政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4836 号  2018・10・18(木)

2018/10/18

                      
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4836号
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       2018(平成30)年  10月18日(木)



              大きすぎて潰せないが:宮崎正弘

            首相は為政者の義務感から:杉浦正章

            バラ色に描く韓国の悲劇:櫻井よしこ

              何故の軽減税率導入か:前田正晶                   
                                                         話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4836号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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大きすぎて潰せないが
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月17日(水曜日)
        通巻第5861号   
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 ギリシアに比べると「大きすぎて潰せないが、救済もできない」
  イタリア政府、EUと対立激化。次のEU最大の課題に
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 10月14日、EU委員会はイタリアに「EUの決めたルールに従え」と勧 告した。イタリアの財政赤字目標はEU水準の3倍。なにごとも楽天的な イタリアとて、すべてEUの基本方針に逆らっているわけではなく、利用 すべき所はちゃんと利用している。BREXITとは、異なり、そう簡単 にEU離脱というわけにはいかない。

ギリシアに比べると「大きすぎて潰せないが、救済もできない」。イタリ アの債務はGDPの131%、失業率はつねに10%を超えている。

 しかもイタリアではEUに反感を覚える愛国的なポピュリズム運動がま すます勢いを増大させており、移民排斥の「5つ星運動」が第一党となっ た。同党は過半数には達しなかったが、「頑張れイタリア」(ベルルス コーニ元首相系)と「同盟」(旧「北部同盟」)と保守連立政権を担って いる。

イタリア政界で左翼は大幅に退潮した。コンテ政権は、左翼リベラルの多 いEU主流(ドイツ、仏蘭西)とイタリアの政治的スタンスは明らかに違 う。とくにサルビーニ副首相は、公然とEUに反旗を翻してきた。

難民受け入れはドイツが積極的だったが、それが裏目に出てバイエルン州 という左翼の牙城でメルケル与党が敗北を喫し(10月14日)、保守党の 「ドイツのための選択肢」がはじめて議席を得た。ドイツの姿勢も変わり つつあるが動きが緩慢である。

イタリアは半島の東西から難民が押し寄せる。

東海岸は冷戦終結後に、アドリア海からアルバニア難民が、西はシチリア などを経由してリビア、チュニジア、アルジェリアからどんどんやってくる。

シリア難民がピークだった時期はギリシアの島々に漂着し、先進国はかれ らを救援せざるを得なかった。イタリアも又、アフリカからの難民を手厚 く救援しなければならず、政治の大きな課題となっていた。

それまでは中国人の不法移民対策に予算とエネルギーが割かれたが、中国 人はイタリアで自給自足的であり、問題は学校と公共サービルの分野に限 られた。

北アフリカからの難民はテント、医療から再教育、給食と、なにからなに まで面倒を見なければならず、財政赤字が拡大し、肝腎のイタリア人が公 共福祉の恩恵にあずかれないではないかとする不満が昂じていたのだ。


           

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首相は為政者の義務感から
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      杉浦 正章

首相は為政者の義務感から決断ー消費税10%

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残る任期3年を前にして最大級の決断である。為政者は誰も国民に嫌われ る増税などしたくはあるまい。首相・安倍晋三の消費増税10%の決断には 為政者としての義務感が濃厚に存在する。タイミングとしても絶妙であっ た。リーマンショック級の事態がない限り、実施は確実だ。来春の統一地 方選挙や夏の参院選挙への影響を最小限に食い止めるにはこの時期を選ぶ しかあるまい。

来年10月の引き上げを1年前に公表する狙いについて、選挙への影響を最 小限にとどめることを挙げる論調が多い。しかし、ことはそう簡単ではあ るまい。新聞や民放はおそらく参院選を来年秋の増税に向けての選択選挙 と位置づけ、絶好の反自民キャンペーンを張るだろう。従ってボーダーラ インの自民党候補は落選の危機にあるとみるのが正しいだろう。野党に とっては久しぶりの追い風となる。参院選は“負け”をどこまで食い止める かの選挙となろう。

安倍の決断について新聞は「財務省に押し切られた」との見方が強い。確 かに、財務省には来年引き上げる以上、来年度予算案の準備のためにも首 相の早期表明が不可欠との見方が強かった。消費税は景気に左右されにく く、年5・6兆円の税収増は大きい。ただ一省庁の思惑で一国の首相が不人 気の源となる大きな政治決断をするだろうか。これは、疑問である。

むしろ、冒頭指摘したように為政者としての義務感がそうさせたのであろ う。もともと2017年の総選挙の公約は「保育・幼児教育の無償化」であ り、当時からそのための財源には消費税を充てるしかないと指摘されていた。

消費税の税率10%への引き上げについては、過去2回延期してきている。当 初は15年10月に引き上げられる予定を1年半延ばした。次に17年4月に予定 されていたが、2年半先送りされた。今回は3度目の正直ということになる。

景気への影響については、今後駆け込み需要が生じるが、先が1年間と長 いため分散傾向を見せるだろう。19年の税率アップで景気は一時的には下 降するが、2020年の東京オリンピックは持ち直しのきっかけとなることが 予想される。おそらく政府も経済界も暗雲を断ち切るためにオリンピック という明るい舞台をフルに活用することになろう。

もちろんオリンピックが終われば不況感が漂う可能性も否定出来まい。五 輪特需の終了で雇用が減り、建築・不動産バブルが弾け、五輪までに目 いっぱい売った商品が市場にあふれて飽和状態になる恐れがあるからだ。 官房長官・菅義偉は「リーマンショックのようなものがない限り引き上げ る」と不退転の決意を表明している。経済危機が来ない限り引き上げはう ごかないだろう。

各党は公明党が事実上賛成の立場だ。1日の首相との会談で代表山口那津 男は増税を支持する姿勢を示し、安倍も「必ず実行する」と約束した経緯 がある。その他の野党はおおむね反対で。与野党対決ムードは高まろう。

  
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バラ色に描く韓国の悲劇
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     櫻井よしこ

「南北協力の道をバラ色に描く韓国の悲劇 偏向報道が目に余る日本の韓 国化も心配だ」

韓国の著名な言論人、趙甲濟氏がこんなことを呟いた。「韓国人の考える 能力、理解力が低下しています。わが国が直面する危機について、どれだ け発信してもわかってもらえない」。

趙氏は昭和20年、日本で生まれたが、家族と共に韓国に引き揚げた。私は 折に触れ、氏と対談をしたり意見交換したりしてきたが、氏が生まれ故郷 の日本に対して、好意とわだかまりを混在させていると感ずることがある。

日本へのわだかまりは、韓国への思いの深さと朝鮮民族としての誇りと背 中合わせなのだと感ずる。その趙氏が、韓国人の考える能力が劣化してい ると、日本人の私に語ったことに、痛ましさを感じずにはいられなかった。

なぜ、彼はそのように言うのか。それは彼らの祖国、大韓民国を消滅に追 いやってしまうかもしれない政策を文在寅大統領が次々に実施しているに も拘わらず、韓国民がそのことに気づかないからだ。言論人として、趙氏 がどれだけ警告を発しようが、韓国民はそんなことにお構いなく、文氏に 高い支持を与え続けているからでもある。

文氏の支持率は、氏が南北朝鮮首脳会談を行い、北朝鮮の金正恩朝鮮労働 党委員長との親密な関係を宣伝する度に上がってきた。まるで北朝鮮のメ ディアであるかのような韓国のテレビ局や新聞社は金、文両氏の笑顔と抱 擁を大きく報じ、南北協力の道をバラ色に描き、民族統一の夢を抱かせる。

しかし、2度行われた首脳会談の合意、「板門店宣言」(4月27日)も 「平壌共同宣言」(9月19日)も決してバラ色ではない。むしろ一方的に 北朝鮮に有利で、韓国の悲劇を招く内容だと断じてよいだろう。

4月の板門店宣言をより具体化し、強調したのが9月の平壌共同宣言だが、 その中で最も重要視されているのが、南北間の軍事的敵対関係の解消であ る。そのために彼らは軍事分野に関する合意文書を別に作成し、10月1 日、早くも実施に移したのだ。

なんと、非武装地帯(DMZ)や板門店の共同警備区域(JSA)で地雷 の除去を始めたのだ。20日以内にすべての地雷を取り除き、それから5日 以内に監視所や火力兵器を撤収し、10月末までに完全に非武装化する。さ らに11月からは軍事境界線の上空を飛行禁止区域とし、この一帯での軍事 演習はすべて取りやめるともいう。

朝鮮問題専門家である西岡力氏が警告した。

「韓国側が一方的に武装解除するのに対して、北朝鮮側はミサイルも核も 基本的に保有したままです。北朝鮮は軍事境界線に沿ってすくなくとも長 距離砲340門を配備済みです。首都ソウルは十分射程の範囲内です。これ まで韓国軍は情報監視能力を備えた哨戒機を飛ばし、北朝鮮側の不穏な動 きをキャッチしてきました。必要なら精密打撃能力を誇るミサイルで攻撃 可能な態勢が整っていました。しかし哨戒機の飛行をやめるわけですか ら、万が一、北朝鮮が攻撃をかけてきても分かりませんから、防ぎようも ありません。北朝鮮には哨戒能力はまったくないのですから、一方的に韓 国側が譲って、ソウルを明け渡すわけです」

こんな状況が眼前に出現しているのに、なぜ韓国の国民はおかしいと思わ ないのかと、趙氏は嘆くわけだ。氏は韓国人の考える能力を問題視した が、実は韓国メディアの発信する情報の偏りこそが問題だ。韓国のメディ ア界は偏向報道の見本のような状況に陥っている。正恩氏が恰も心優しい 優れた指導者であるかのような報道しかしない。北朝鮮の脅威も伝えない ために、韓国人は事実を認識できないのだ。

私は韓国情勢を心配しながら、日本の現状についても同様の危惧を抱く。 日本のメディアの目に余る偏った報道で日本が韓国化しつつあるのではな いかと、心底心配だ。

『週刊ダイヤモンド』 2018年10月13日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1251




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何故の軽減税率導入か
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     前田 正晶


安倍総理が19年10月からの10%への引き上げ実行を表明されて以来、各テ レビ局が一斉に「10%に引き上げて軽減税率の8%を導入すれば」という 特集を組んでいる。私は「軽減税率とは部数がアメリカほどではないにも せよ激減しつつある新聞社の悪足掻きか程度」にしか考えていなかった。 だが、未だ細目は決定していないとは言え、テレビ局の努力?のお陰で、 あのような複雑且つ不明解な制度を現実に導入すれば、途方もない混乱が 生じるだろうと思わせては貰えた。

軽減税率が食べ物にも適用されるとは風の便りには聞いていたが、これを 聞いた瞬間に思ったことは「回転寿司と牛丼店ではお持ち帰りが激増して 商売が上がったりになりはしないか」という点だった。だが、テレビに登 場する専門家の方々のご意見を伺えば、事はそんなに簡単な問題ではな く、小売や食料品店等の現場には収拾不可能な混乱が生じるのは必至だそ うだが、それも尤も至極だと思うに至った。

私はかかる軽減税率の細目を考え出したのは財務省の頭脳明晰な官僚の 方々だろうとは思うが、彼らが何処まで小売業やそこに至るまでの流通機 構の現場の実態をご承知なのかと疑いたくなった。簡単に言えば「末端の 商店街で掴み銭を天井から吊した笊に投げ込んでいるような家族経営の魚 屋か八百屋等に、10%と8%の仕分けが出来るようなキャッシュレジス ターを20万円補助するから設置せよと言うのか」なのである。枝野は 「津々浦々の人々にまでクレデイットカードを持てというのか」と喚いて いたが、遺憾ながら一理はあると思う。

財務省に「上げよう」と言われれば、官僚以下にしか物事と言うべきか、 小売業や末端での商いの実態をご存じとは思えない自民党の議員たちは一 も二もなく承知して、来年10月からの引き上げに賛成せざるを得ないのか などと考えてしまった。もっと細かいことを言えば、現在使われている キャッシュレジスターに内在されたソフトが10%と8%を自動的に仕分け 可能なような設定になっているのかと問いかけたくなってくる。それとも 新製品の購入になるのかと言うことだ。

そういうことも問題にすべきだろうが、軽減税率を導入することによって 1兆円も税収が減ってしまうことが適切かどうかを財務省も総理もどのよ うにお考えかも、気になってしまう。「我が国の不健全な財政状態では15
%に引き上げても不足で、EUと言うか北欧の諸国並みにまで持って行くべ きだ」という説は何年も前からあったではないか。それにも拘わらず、軽 減税率導入とは如何なることなのかと、税収のことなど何も解らない私 だって考えさせられてしまう。

田原総一朗だったと思うが「総理に何故消費税率引き上げを躊躇うのか」 と尋ねたら「選挙に負けるからだと言われた」と語っていた。だから、軽 減税率導入で負けないようにしようとお考えかなと、疑いたくなってしま う。私には単一の税率の方が解りやすいし、末端での混乱もなく実施しや すいように思えるのだが。


         
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重 要 情 報
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 ◎神道とは、古来から日本人の文化や習慣の底に脈々と流れてきた感性と言えます。神道は、全国にたくさんの神社があって神への信仰を中心としていながら、確立した教義体系を持たず、教典、戒律がありません。

フランスの社会学者のエミール・デュルケムは、宗教とは「信念」と「儀礼」の2つの柱で成り立っていると言いました。デュルケムの言う「信念」とは、バイブル、コーラン、仏典などの教典を通して知的に考えていこうとする信仰のことです。

ところが、1960年になると、米国の社会学者ロバート・ニール・ベラーが、神との実際交流の場である「儀礼」のみでも宗教は成り立つと提唱しました。教義、経論、理念がなくても、デュルケムの言う「信念」がなくても、宗教は成り立つということです。

神道はもともと「儀礼」宗教です。日本人は正月には振袖を着て初詣に行き、お守りを買い、おみくじを引き、初日の出を拝み、七五三に神社に参拝しますが、それは、どこかに聖なるものを敏感に感じ取ってきてたからです。教えられなくてもなんとなく知っていたのです。

「神道は自然の霊性を常に理解しているがゆえに人間と神との間をそのように[西洋主義的一神教のように]分離せしめない。人間でなく、自然が神社を拡大して普遍的神霊の聖堂たらしめている」(J,メーソン『神ながらの道』)

「日本の風土のこの空気そのものの中に何ものかがあると思う。この大気中の神々しい何ものかを感得することこそが神道の感覚である。」(小泉八雲「杵築」)

神道以外の宗教は心の宗教ですから教典があって広まりやすいのですが、神道は感性の宗教ですから、教典が書けません。それ故わかりにくいところがありますが、それは、人の感性が、心より繊細で玄妙なるもので、人によって異なる感覚的なものであるからなのでしょう。(まこと)

 ◎昭和大学出身の医師にご意見を伺った:前田正晶

東京医大に続いてという訳でもあるまいが、今度はマスメディアは昭和大 学が入試で不正をしたと取り上げて騒ぎ始め、医学部長が記者会見で謝罪 をされたが「不正とは認識していなかった」と回顧された。

偶々機会があったので、昭和大学ご出身と承知していた医師に「ご災難で すね」と持ちかけてみた。穏やかな先生は「昭和大学ではキチンと入試の 成績の順通りに定員を合格させている。現在騒ぎ立てられているのは、そ れ以外の補欠合格等についての案件であり、大学側は不正ではないと認識 しているとは承知していた」とニコニコしながら述べておられた。先生は 更に「わが校は私立大学ですからねー」とまで言われた。

私には承るだけで、昭和大学がある程度以上の年月続けてきたことが「不 正であるか否か」などは判定も出来ないし、大学の方針に何の関係もない 患者が異見を差し挟む余地はないと思っている。そこで先生に「ご参考ま でに」と申し上げたことは、以前にYM氏から聞かされていた「アメリカの MBAの中には何も会社の経営だけではなく、病院や学校等の運営を専門に するコースがあり、運営の実務を担うのは元はと言えば名医であったり、 大権威の教授がなるものではない」という「文化の違い」をお話し申し上 げた。

私はこのように現場と経営を分離させている辺りに、如何にもアメリか的 な合理主義があるように思えるのだ。こういう合理主義と昭和大学の件が どう関連するかは別にして、私が30年以上も親しくさせていただいている 某有名私立大学の50代々半ばの教授が「私が引け目に思っていることは、 私の社会人年齢は22歳で大学院に進んだ時点で止まってしまったことで す」述懐されたのが非常に印象的だし、そこまで言われる謙虚さに大いな る感銘を覚えた次第。ここまでで、私が何を言いたいかを読み取っていた だきたい。

読売巨人軍と高橋由伸監督:

既に懸念は表明しておいたが、本日から始まるクライマックスシリーズと やらの最終戦では、私は読売が広島を圧倒して日本シリーズ出場どころか それを制覇までしてしまう危険性(私から見れば可能性ではない、念の 為)があると懸念しているのだ。それは、広島の投手陣が読売と比較した 場合に不安定であるということ。大瀬良が菅野と並んで最多勝のタイトル を取ったなどというが、大瀬良には菅野のような抜群の安定性は望めない し、テレビで見たインタビューでも「不安感満載」と感じていた。

広島の投手陣は不思議なところがあり、昨シーズンの最多勝投手の野村を 見ても「この投手が何で最多勝が取れたのか」と不思議に思えたほど迫力 がないひ弱な存在だった。今年の大瀬良も健闘はしていたが、田中以下菊 地、丸、鈴木、松山、新井、野間等々の打者に助けられていただけのこと で、未だ未だ成長の途上にある投手で、調子に乗っている若手の岡本を除 いて経験豊富な打者が多い読売のバッターを、短期決戦で抑えきれるのか と不安だ。彼に続くのだろうジョンソンも今年は安定感に欠けていたし、 野村も九里にも同様な不安が残る。

そういう予想よりも私にとっての最大の関心事は「このまま読売が勝ち上 がって、日本シリーズも勝ってしまった場合には実質的には詰め腹を切ら されたような高橋由伸監督がどうなってしまうのだろうか」という点だ。 まさか原辰徳の監督就任が保留状態であり、ドラフト会議にも「球団顧 問」だったかの肩書きで出ると伝えられているのも、まさか策で安全弁 (contingency plan)が付けられているのではあるまいなとは思う。だ が、成り行きには大いに興味ある。念の為にお断りしておくが「読売が勝 つように」とは露ほどにも期待してはいないのである。


 ◎16日の対ウルグアイ戦の観戦記:前田正晶

16日夜の試合は大変面白く且つ興味深くテレビ観戦させて貰えた。「これ ならば勝てる」と閃きではなく確信させて貰いながら見ていた。恐らく我 が代表のサッカーをあれほど面白いと思いながら見たのは初めてのこと だっただろう。内容にも色々と考えさせられた点が多かった。その辺りを 思いつくままに振り返ってみよう。得点や失点の経過等はどうぞ新聞やテ レビの報道でご覧願いたい。


森保監督の起用:

何故日本人の監督を起用することを躊躇っていたのだろう。当方は「W杯 の時の西野監督と言い、今回の新任の森保監督と言い、何故外国人監督よ りも良い結果が出るのだろうか」と思いながら観戦していた。特に田嶋会 長が敢えて解任した前任者のハリルホジッチ氏の頃の暗い印象しかなかっ た全日本代表が、あれほど溌剌且つ楽しそうにサッカーをやっていたのは 何故かなと痛感していた。あの当時の暗さは何も「監督とのコミュニケー ションが云々」という問題ではなかったのではないかと思わせられた。

世代交代:

アナウンサーもマスコミも「若手の活躍」と囃し立てるが、私がしきりに 主張してきた「世代交代」を森保監督が実行した結果が昨夜を含めて3試 合連続して勝てたという最大の原因の一つだろうと思わせられた。私には ハリルホジッチ前監督も協会も南野、堂安、中島将等々を使えるとは評価 していなかっただけではなかったかとしか見えなかった。使ってみれば、 あれだけ強豪のウルグアイを相手に一歩も引かずにやって見せたのだか ら、彼らをロシアのW杯で使ってみたら結果が出たのかも知れないなとま で思わされた。

今頃になって言うのは些か恥ずかしいが、私は中島翔のサッカーには閃き を感じさせられていたし、あの恐らく代表の中で最も小柄に見えながら、 技のスピードが速く身のこなしも巧みなフェイントのかけ方等を見れば 「ひょっとすればひょっとするのではないか」と評価はしていた。だが、 自分がそうだったから言えるのだが「小柄」という点から前監督も協会も 「本格的に使ってみよう」とまで踏み切れなかったのかだろうと解釈して みた。だが、昨夜の出来では「使えること」は立証されたようだった。そ ういう意味では南野も堂安も同様だろう。

正確だったパス回し:

16日夜の我が代表の出来が良かった点で特に目立ったのが「非常に正確且 つ的確なパス回しが出来ていたこと」で、短期間に方々から集めた若手の 間で「良く合っていた」ことが素晴らしいと思った。「良く合っていた」 というのは、私が嫌う妙なカタカナ交じりの日本語にすれば「コミュニ ケーションが取れていた」という意味である。あの正確さで日本独特の敏 捷性で動き回れては、「個人の強烈な身体能力依存型」のサッカーをやっ ていたウルグアイが付いてこられなかったのも無理はないと思う。

懸念:

ここで私が密かに懸念することは「これから先に例えばアジアカップ戦な どでも、何時何処で誰を相手にしても昨夜と同程度の質が高いサッカーを やれるのか」という点である。ズバリと言えば「昨夜が出来過ぎであって はならない」ということで、常時あのようなサッカーが出来るのかという 意味である。それは「個人の身体能力依存で組織力に欠ける恨みがあった ウルグアイが相手だったから通用しただけ」となって貰いたくないのだ。 アジアには韓国のような「恨」を前面に打ち出して食い下がってくる相手 もいるのを忘れてはならない。

守備力:

新キャプテンの吉田麻也は3点も取られたことを反省していたようだが、 あれほどの強烈な個人の身体能力の高さと個人技と言うよりも「個人の体 格と体力依存」という我が国とは全く異質のサッカーを相手にして世代交 代組までを入れた顔ぶれであそこまでやれたのだから、そこまで反省しな くても良いと思う。世代交代組には長友や吉田のような蓄積された経験が ある訳ではないのだから、失点多さは今後の改善に待つしかないと思う。


ウルグアイのサッカー:

矢張りFIFAのランキングは当てにならないと言うことかも知れない。ウル グアイのサッカーの質を見ていると、私が日頃から批判しているアメリか のMLBの野球の質が「身体能力ショー」と化してしまったのを想起させら れた。南アメリカの運動選手たちは、アメリかで育ってきた連中のように 大学卒業までの間に「フットボール、バスケットボール、ベースボールに 親しみ、それぞれに適した身体能力を高めてきた」のである。

だが、南アメリカの連中は言わば「単能機」であって、どうしても身体能 力のみに依存するから深みがないのであると、私は批判的に見ている。ウ ルグアイの選手たちで私の見立てで目立った点は「GKがヘボで失点が多 かった」という辺りか。

結び:

なお「ウルグアイの単能機問題を指摘するのならば、我が国の運動選手た ちは如何に」と言われそうだが、それは別な問題だと思うので、ここでは 論じない。何れにせよ16日夜の勝利は立派な出来であり、選手たちと森保 監督を褒めて終わりたい。


 ◎何故カタカナ語にして使うのか:前田正晶

17日の産経新聞の「談話室」に元英語塾講師の方が「政府は何故インバウ ンドのようなカタカナ語を使うのか」という趣旨の投稿をしておられた。 この方の解釈では“inbound”(=インバウンド)とは手元の英英辞書に 「特に出発地点に戻る場合とある」と言っておられるのだ。実は、カタカ ナ語排斥論者の私は、訪日する人々を「インバウンド」とカタカナ語で表 現されていることに余り注意していなかった。恥ずかしながら、それが政 府が使う公用語だったとは全く知らなかった。

そこで、あらためて「インバウンド」を考えて見ることにした。極めて大 雑把に言って「我が国を訪れる外国人」と言っても、外交官もおられれ ば、仕事(商用)でやって来られる方もあるし、日本見物(観光)の人た ちもいれば、留学生も技能修習生いるだろう。それを十把一絡げにして如 何に表現するかと考えた時に、アメリカの入管で問いかけてくるように “Business or pleasure?”と割り切れないだろうから、全てを包含できそ うな「インバウンド」を選んだのかと考えた次第。

では“inbound”とはどういう意味かを手元のOxfordで調べてみた。お断り しておくが「この言葉はそもそも形容詞であり、巷で使われているインバ ウンドのように名詞形ではないのだ」と言うこと。そこには“travelling toward a place rather than leaving it”とあり、投稿者の辞書の解釈 とは異なるように思えた。そこで、Webster’s を見ればアッサリと “inward bound”とあった。そこでお馴染みのジーニアス英和を見れば 「[通例限定]《船・飛行機が》本国行きの、帰航の」とあっ
た。

2番目には「市内[国内]に向かう」とあった。この辺りまでで私も十分
に混乱させられた。と言うのは、“inbound”という言葉はWebster’sにあっ たように「内側に向けて」だろうと考えていたからだった。

解釈論はこれくらいにして、政府に言いたいことは「これほど様々な解釈 がある英語の言葉をわざわざ選んで公用に使うとは何事か」なのである。 更に追加すれば「もっと正確に『訪日客』か『来日者』といったような表 現にして、意味不明か意味が正確に取られにくいカタカナ語を使うのは即 刻お止めなさい」となるのだ。それでは不十分というのだったならば「商 用、観光その他の来訪者」とでもしたら良いじゃないかとでも言ってやり たくなる。

何れにせよ、マスコミが何でもかんでも「トラブル」で括ってしまうよう な「英語の単語の本来の意味を無視したような粗雑なカタカナ語を使って 表現するのは一国の政府がするべきことではないのではないか」と主張し ているのである。

因みに、“outbound”(アウトバウンド)はOxfordでは“travelling from a place rather than arriving in it”とある。何故、これで「夏休みや年 末に海外旅行をする人たち」を表現しないのだろうか。だから、カタカナ 語は辞めようと私は言うのだ。

 ◎何故の軽減税率導入か:前田正晶

安倍総理が19年10月からの10%への引き上げ実行を表明されて以来、各テ レビ局が一斉に「10%に引き上げて軽減税率の8%を導入すれば」という 特集を組んでいる。私は「軽減税率とは部数がアメリカほどではないにも せよ激減しつつある新聞社の悪足掻きか程度」にしか考えていなかった。

だが、未だ細目は決定していないとは言え、テレビ局の努力?のお陰で、 あのような複雑且つ不明解な制度を現実に導入すれば、途方もない混乱が 生じるだろうと思わせては貰えた。

軽減税率が食べ物にも適用されるとは風の便りには聞いていたが、これを 聞いた瞬間に思ったことは「回転寿司と牛丼店ではお持ち帰りが激増して 商売が上がったりになりはしないか」という点だった。だが、テレビに登 場する専門家の方々のご意見を伺えば、事はそんなに簡単な問題ではな く、小売や食料品店等の現場には収拾不可能な混乱が生じるのは必至だそ うだが、それも尤も至極だと思うに至った。

私はかかる軽減税率の細目を考え出したのは財務省の頭脳明晰な官僚の 方々だろうとは思うが、彼らが何処まで小売業やそこに至るまでの流通機 構の現場の実態をご承知なのかと疑いたくなった。簡単に言えば「末端の 商店街で掴み銭を天井から吊した笊に投げ込んでいるような家族経営の魚 屋か八百屋等に、10%と8%の仕分けが出来るようなキャッシュレジス ターを20万円補助するから設置せよと言うのか」なのである。枝野は 「津々浦々の人々にまでクレデイットカードを持てというのか」と喚いて いたが、遺憾ながら一理はあると思う。

財務省に「上げよう」と言われれば、官僚以下にしか物事と言うべきか、 小売業や末端での商いの実態をご存じとは思えない自民党の議員たちは一 も二もなく承知して、来年10月からの引き上げに賛成せざるを得ないのか などと考えてしまった。もっと細かいことを言えば、現在使われている キャッシュレジスターに内在されたソフトが%と8%を自動的に仕分け可 能なような設定になっているのかと問いかけたくなってくる。それとも新 製品の購入になるのかと言うことだ。

そういうことも問題にすべきだろうが、軽減税率を導入することによって 1兆円も税収が減ってしまうことが適切かどうかを財務省も総理もどのよ うにお考えかも、気になってしまう。「我が国の不健全な財政状態では15
%に引き上げても不足で、EUと言うか北欧の諸国並みにまで持って行くべ きだ」という説は何年も前からあったではないか。それにも拘わらず、軽 減税率導入とは如何なることなのかと、税収のことなど何も解らない私 だって考えさせられてしまう。

田原総一朗だったと思うが「総理に何故消費税率引き上げを躊躇うのか」 と尋ねたら「選挙に負けるからだと言われた」と語っていた。だから、軽 減税率導入で負けないようにしようとお考えかなと、疑いたくなってしま う。私には単一の税率の方が解りやすいし、末端での混乱もなく実施しや すいように思えるのだが。




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身 辺 雑 記
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18日の東京湾岸は薄曇り。

私は中学時代は秋田でドブロクを?んでいた。高校時代はおふくろが晩 酌として日本酒を薦めてくれた。父はのまなかった。大学とNHK記者時代 はウイスキー、今や焼酎オンリーである。宿酔しないのが良い。それに1 升1000円と安い。


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