政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4833 号  2018・10・15(月)

2018/10/15

                       
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4833号
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       2018(平成30)年  10月15日(月)


                        柴山発言、どこが「バカ」か反応:阿比留瑠比

               マレーシア政府、逃亡ウィグル人を:宮崎正弘

                    バラ色に描く韓国の悲劇:櫻井よしこ 

                    
                                                        話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4833号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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柴山発言、どこが「バカ」か反応
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         阿比留瑠比

子供の頃、友人らと「バカと言う者がバカだ」と言い合った覚えがある人 は少なくないだろう。共産党の宮本岳志衆院議員が3日、自身のフェイス ブックに書き込んだこんな言葉を見てふと記憶がよみがえった。

「またバカが文部科学大臣になった。教育勅語(ちょくご)を研究もせず に教育勅語を語るな!」

これは、柴山昌彦文科相が2日の就任後の記者会見で、明治天皇が人が生 きていく上で心がけるべき徳目を簡潔に示した教育勅語に関し、次のよう に述べたことへの反応である。

「アレンジした形で、今の例えば道徳などに使える分野が十分にあるとい う意味では、普遍性を持っている部分がある」

「同胞を大切にするとか、国際的協調を重んじるといった基本的な記載内 容について、現代的にアレンジして教えていこうと検討する動きがあると 聞いており、検討に値する」

宮本氏がどれほど深く教育勅語を研究してきたのかは寡聞にして知らない が、この柴山氏の発言がどう子供じみた「バカ」という悪口と結びつくの だろうか。

 政府は平成29年3月の閣議では、教育勅語を「憲法や教育基本法に反 しないような形で教材として用いることまでは否定されていない」とする 答弁書を決定している。

新閣僚を「欠陥商品」

また、現在は安倍政権を激しく批判している前川喜平元文科事務次官も、 初等中等教育局長当時の26年4月の参院文教科学委員会でこう答弁して いる。

「教育勅語の中には今日でも通用するような内容も含まれており、これら の点に着目して活用することは考えられる」

当時の下村博文文科相も「教育勅語の内容そのものについては、今日でも 通用する普遍的なものがある」と述べており、柴山氏の発言は従来の政府 見解と特段異なるわけではない。

宮本氏は、2日のフェイスブックでも第4次安倍改造内閣の顔ぶれについ てこう「口撃」していた。

「在庫期間が長すぎて埃(ほこり)の被った商品や、すでに欠陥が明らか になった商品ばかりの品揃(しなぞろ)え」

閣僚たちを「埃の被った商品」「欠陥商品」と決めつけるのも品がなくど うかと思う。ともあれ、宮本氏は以前から過激な物言いを続けてきた。

6月16日のフェイスブックには、先の通常国会を延長する政府・与党の方 針について「さあ、(予算委を)開くがいい、『この世の地獄』というも のを体験させてあげよう」とおどろおどろしく記していた。きっと地獄に ついても真摯に(しんし)研究を重ねてきたのだろう。


新閣僚を「欠陥商品」

また、現在は安倍政権を激しく批判している前川喜平元文科事務次官も、 初等中等教育局長当時の26年4月の参院文教科学委員会でこう答弁している。

「教育勅語の中には今日でも通用するような内容も含まれており、これら の点に着目して活用することは考えられる」

当時の下村博文文科相も「教育勅語の内容そのものについては、今日でも 通用する普遍的なものがある」と述べており、柴山氏の発言は従来の政府 見解と特段異なるわけではない。

宮本氏は、2日のフェイスブックでも第4次安倍改造内閣の顔ぶれについ てこう「口撃」していた。

「在庫期間が長すぎて埃(ほこり)の被った商品や、すでに欠陥が明らか になった商品ばかりの品揃(しなぞろ)え」

閣僚たちを「埃の被った商品」「欠陥商品」と決めつけるのも品がなくど うかと思う。ともあれ、宮本氏は以前から過激な物言いを続けてきた。

6月16日のフェイスブックには、先の通常国会を延長する政府・与党の方 針について「さあ、(予算委を)開くがいい、『この世の地獄』というも のを体験させてあげよう」とおどろおどろしく記していた。きっと地獄に ついても真摯に(しんし)研究を重ねてきたのだろう。

共産党議員の道徳観

宮本氏だけではない。共産党では28年6月のNHK番組で、当時の藤野保 史(やすふみ)政策委員長が防衛費について「人を殺すための予算」と発 言し、事実上更迭されたこともある。吉良佳子(よしこ)参院議員は26年 10月、ヒトラーのちょびひげを施した安倍晋三首相の写真をツイッターに 投稿していた。

「国家権力が国民に特定の価値観を押し付けることは、憲法の定める思想 良心の自由を侵すことにほかなりません」

「(道徳は)さまざまなことを経験し学習することによって、自主的判断 で選び、形成していくもの」

共産党はこう主張し、小中学校における道徳の教科化に反対している。だ が、「自主的判断」で独自の道徳観を形成したらしい共産党議員の今日の 言動をみると、より教育勅語の精神や道徳の教科化が重要だと思えてく る。(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】




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マレーシア政府、逃亡ウィグル人を
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月13日(土曜日)弐
        通巻第5856号    <前日発行>
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(速報)
  マレーシア政府、逃亡ウィグル人をトルコへ送り出した
   中国の強圧をはねのけて人道尊重。トルコも受け入れ歓迎
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 過酷な弾圧を逃れてウィグル族の若者らが決死の逃避行を続けている。
すでに数千、数万のウィグル人はカザフ経由などでトルコ入りした。過激 派はイラク、シリアのISキャンプに志願した。

2014年以来、ウィグルから雲南省など山道、けものみちを越え、別のルー トと辿ってタイにたどり着いた数百のウィグル人はタイの収容所に暮ら し、国際社会は一日も早いトルコへの帰還を呼びかけてきた。

ラビア・カディール女史が率いる「世界ウィグル会議」も様々な機会を通 じて、国際機関に必死に訴えてきたが、タイ政府は2015年に、このうちの 200人を中国へ強制送還した。

タイの無慈悲な行為に国際社会は批判をやめず、最近はロヒンギャを弾圧 したスーチーと並べて批判してきた。

タイの収容所から11人のウィグル族が脱走し、マレーシアへ入国していた。

マレーシア政府はこれらの亡命希望者をトルコ政府と秘密交渉のすえに、 トルコへ送り届けたことが10月12日までに分かった。

 マハティール新政権は、いかなる中国からの恐喝や強要をも無視して、 人道主義に基づく決断をなしたことは、高く評価される。

     
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)森敬恵「子育て講座」〜歌の調べにのせて。
 ソプラノ歌手・森敬恵先生の歌唱とともに「子育てを語る講座」を下記 のとおりご案内します。

ご興味の方は是非ご来場下さい。お知り合いで子育て中の方にも、是非ご 紹介下さい。

            記

題名:「子育て講座 〜歌の調べに乗せて」
日時:10月27日(土) 14:00〜16:00
場所:京成線・青砥駅徒歩5分・シャミコ会館(葛飾区立石6-35-10)
入場:2,000円、先着50人
講師:森敬恵・・・ソフラノ歌手
演奏曲:浜辺の歌、四季の歌、赤とんぼ、小さな木の実、遥かな友に
問合せ:080-5024-0900こども未来塾 メール:balance7@hb.tp1.jp
こちらもご覧ください! http://www.sdh-fact.com/CL/mori.pdf
     (「史実を世界に発信する会」 茂木弘道)



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(読者の声2) 国体論について。「国体」が分からないと云う意見があ ります。小生もその一人でした。そこで次のように考えて見ました。
 従来、国体とは天皇を中心とする我が国固有の在り方と云われているが はっきりしない。そこでより明確にするため、日本民族の生態を支える基 本政策と考えた。

そしてこの基本政策を連続性と連帯性、民族共同体の公私に機能的に区分 して見ました。すると連続性の公は天皇崇敬、私は先祖崇拝、連帯性の公 は国民国防、私は家制度、共通の価値観が教育勅語になりました。

これらは明治時代に憲法や民法で明文化されましたが、先祖が多くの苦難 を経て数千年かけて形成してきたものです。

私はこれを従来の国体論と区別して、国態基本政策と呼ぶべきか、と思っ ています。

これを図示すると「丼」という文字になります。教育勅語が真ん中の点で す。覚えやすいと若い人に好評です。

戦後、占領軍はこの国態基本政策の重要性を知って破壊しました。

思い当たると思います。だから今人口が減少し、国防に苦しんでいるので す。したがって国難の解決はこの国態を回復することです。他にありません。
なお生存は現実であり思想や文化運動ではありません。国態はリベラルの 平等や人権などの妄想的な価値観とは関係がありません。この理解による と、国態基本政策は長い歴史のある諸民族がそれぞれ持っているもので す。日本民族だけではありません。

ただし内容はそれぞれに固有ということです。

以前、国体学会の帰りにイタリア人のロマノ・ウルビッタ先生にこの考え をお話したところ、賛成されました。イタリアにも当然国態があるからで す。(落合道夫)

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(読者の声3)「沖縄、台湾、そのはざまの尖閣 ―中国の覇権・侵略を 阻止せよ―」の緊急集会のご案内です

 私たちはこの数年間、東シナ海、南シナ海における中国の暴挙に激しく 対抗して、各種の講演会、集会を開いてきました。しかしながら中国の覇 権侵略はますます深刻化しています。

つきましては尖閣・沖縄をはじめとした日本の領土、日本と同じくアジア の自由民主主義国家である台湾を断乎として守るため、下記の通り集会を 開催します。是非ご参加の程宜しくお願いします。

                   実行委員会 代 表 宮崎正弘
                     同   委員長 飯田康夫
HP   http://minamishina.sakura.ne.jp/

                  記 
 
日時  10月27日(土)午後2時開会(午後1時30分開場)
場所  文京区民センター 3階A会議室
    メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩5分 都営三田線「春 日駅」徒歩2分
参加費 1,000円 *事前の参加申込は不要です。
講演  宮崎正弘(ジャーナリスト)
    仲村 覚(日本沖縄政策研究フォーラム理事長)
    王 明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)
    藤井厳喜(国際政治学者)
来賓挨拶 自由インド太平洋連盟代表(ウイグル・南モンゴル・チベット など)
事務局(03)5840−6460



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バラ色に描く韓国の悲劇
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                        櫻井よしこ

「南北協力の道をバラ色に描く韓国の悲劇 偏向報道が目に余る日本の韓 国化も心配だ」

韓国の著名な言論人、趙甲濟氏がこんなことを呟いた。「韓国人の考える 能力、理解力が低下しています。わが国が直面する危機について、どれだ け発信してもわかってもらえない」。

趙氏は昭和20年、日本で生まれたが、家族と共に韓国に引き揚げた。私は 折に触れ、氏と対談をしたり意見交換したりしてきたが、氏が生まれ故郷 の日本に対して、好意とわだかまりを混在させていると感ずることがある。

日本へのわだかまりは、韓国への思いの深さと朝鮮民族としての誇りと背 中合わせなのだと感ずる。その趙氏が、韓国人の考える能力が劣化してい ると、日本人の私に語ったことに、痛ましさを感じずにはいられなかった。

なぜ、彼はそのように言うのか。それは彼らの祖国、大韓民国を消滅に追 いやってしまうかもしれない政策を文在寅大統領が次々に実施しているに も拘わらず、韓国民がそのことに気づかないからだ。言論人として、趙氏 がどれだけ警告を発しようが、韓国民はそんなことにお構いなく、文氏に 高い支持を与え続けているからでもある。

文氏の支持率は、氏が南北朝鮮首脳会談を行い、北朝鮮の金正恩朝鮮労働 党委員長との親密な関係を宣伝する度に上がってきた。まるで北朝鮮のメ ディアであるかのような韓国のテレビ局や新聞社は金、文両氏の笑顔と抱 擁を大きく報じ、南北協力の道をバラ色に描き、民族統一の夢を抱かせ る。しかし、二度行われた首脳会談の合意、「板門店宣言」(4月27日) も「平壌共同宣言」(9月19日)も決してバラ色ではない。むしろ一方的 に北朝鮮に有利で、韓国の悲劇を招く内容だと断じてよいだろう。

4月の板門店宣言をより具体化し、強調したのが9月の平壌共同宣言だが、 その中で最も重要視されているのが、南北間の軍事的敵対関係の解消であ る。そのために彼らは軍事分野に関する合意文書を別に作成し、10月1 日、早くも実施に移したのだ。

なんと、非武装地帯(DMZ)や板門店の共同警備区域(JSA)で地雷 の除去を始めたのだ。20日以内にすべての地雷を取り除き、それから5日 以内に監視所や火力兵器を撤収し、10月末までに完全に非武装化する。さ らに11月からは軍事境界線の上空を飛行禁止区域とし、この一帯での軍事 演習はすべて取りやめるともいう。

朝鮮問題専門家である西岡力氏が警告した。

「韓国側が一方的に武装解除するのに対して、北朝鮮側はミサイルも核も 基本的に保有したままです。北朝鮮は軍事境界線に沿ってすくなくとも長 距離砲340門を配備済みです。首都ソウルは十分射程の範囲内です。これ まで韓国軍は情報監視能力を備えた哨戒機を飛ばし、北朝鮮側の不穏な動 きをキャッチしてきました。

必要なら精密打撃能力を誇るミサイルで攻撃可能な態勢が整っていまし た。しかし哨戒機の飛行をやめるわけですから、万が一、北朝鮮が攻撃を かけてきても分かりませんから、防ぎようもありません。北朝鮮には哨戒 能力はまったくないのですから、一方的に韓国側が譲って、ソウルを明け 渡すわけです」

こんな状況が眼前に出現しているのに、なぜ韓国の国民はおかしいと思わ ないのかと、趙氏は嘆くわけだ。氏は韓国人の考える能力を問題視した が、実は韓国メディアの発信する情報の偏りこそが問題だ。韓国のメディ ア界は偏向報道の見本のような状況に陥っている。正恩氏が恰も心優しい 優れた指導者であるかのような報道しかしない。北朝鮮の脅威も伝えない ために、韓国人は事実を認識できないのだ。

私は韓国情勢を心配しながら、日本の現状についても同様の危惧を抱く。 日本のメディアの目に余る偏った報道で日本が韓国化しつつあるのではな いかと、心底心配だ。

『週刊ダイヤモンド』 2018年10月13日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1251



      
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重 要 情 報
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◎アメリカの取締役会とは:前田正晶

今や21世紀の時代で戦後も70年以上も経ったのであるから、我が国の取締役会がアメリカのそれとは大きくその性質も機能も構成も異なっているとご承知の方は多いと思うが、ここにあらためてアメリカの取締役会とは如何なる存在かを述べて見ようと思う。

先ず第一にアメリカでは新卒で入社した社員が順調に昇進して取締役に任じられることは先ずないと言って誤りではない。即ち、言ってみれば「新卒で採用されてから懸命に努力して優秀な成績を残して社員から取締役に任命されるような出世コースはない」のがアメリカの会社組織なのである。そもそも「取締役会」(=Boardof directors、略してBOD)は実務を担当する「会社側」とは別個な機能を有する存在で、構成している取締役(=directors of theboard)のほとんどが社外の人物なのである。

私が理解しているBODの機能は「会社側の運営を大所高所から言わばカタカナ語で言う「チェックする」か「監視」し、その他の重要な任務推して会社側から提案される会社の実務運営上の提案や新規の投資計画等を審議して決済する」ものなのである。その構成員は、例えばW社の取締役には同じワシントン州内の最大の雇用主(employer)であるボーイング社の会長やシアトル最大の銀行のCEO等々の有力財界人や大手法律事務所の弁護士が入っているのだった。

念の為に確認して置くが、W社のオウナーファミリー出身のCEOであるジョージ・ウエアーハウザーはBODの会長を兼務していたと同時に、当時はワシントン州に本社を置いていたボーイング社の取締役でもあった。

従って、我が国のように、新卒の社員がその会社の取締役になることを目指していくというような目標にはならないのが、アメリカの株式会社における取締役なのである。ジョージ・ウエアーハウザーの姪であるボーイング社の副社長、ニコル・パイアセッキさんは往年のウエアーハウザーの役員でもあった。

副社長兼事業本部長以下の我々社員にとってはBODとは厳しいと言うか怖い存在で、そこに提出する事業の拡張や設備投資案等々を準備には事業部を挙げてそれに集中的に作業していた。極端な表現を用いれば「お客様との対応は最低限に止めることを厭わない場合すらあった。兎に角、全員で資料の取り揃え、如何なる表現で起案すれ承認されるかの討論に全員で没頭していたものだった。そして、審議される当日は全員が固唾をのんで、結果が知らされるのを待っていたものだった。

私のような東京勤務の者が実際にその準備に加わった事は数回しかなかったが、その凄まじい緊張感は他の場面では経験できないものがあった。事業部の命運がかかったような重大な大仕事なのだから、承認された時の達成感と喜びはまた格別だった。

では、アメリカの株式会社では何を以て出世とするかという疑問があるだろうと思う。何度か述べてきたが、製造業では新卒の定期採用もなければ、我が国のような新卒の新入社員を教育する習慣はない。必要によって即戦力となる経験者を中途入社で集めた世界であるし、言うまでもないが「今やIvyLeague等の有名私立大学のMBAが所謂スピードトラックに乗って早い時点でマネージャーの肩書きを得て昇進し、その先にあるのが副社長であり、概ね事業部長を兼務する要職に任命されるで世界である。

しかも、その事業部長と雖も部内から昇進することもあるが、ある日突然他社から転進してきたかヘッドハンティングされた者が着任することも日常茶飯事である。また、上層部が将来は事業部長に昇進させる候補者としている者がMBAではないような時には会社側が命じてハーバード等のビジネススクールに派遣するか自費で行かせるか、短期コースで学ばせて有資格者にすることもある。繰り返しなるが、仮令副社長に任命されても、その先に取締役という席が待っている訳ではないのがアメリカである。

一口に「我が国との文化の違い」と言ってしまえば簡単だが、アメリカのビジネス社会では誰でもが懸命に勉強して、新卒で入社した会社で懸命に努力すれば、我が国のように順調に段階を踏んでに昇進して取締役に任じられるのではないのがアメリカなのである。



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身 辺 雑 記
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15日の東京湾岸は曇天。すっきりしない。


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創刊日:2004-01-18  
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