政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4751 号  2018・7・25(水)

2018/07/25

                       
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4751号
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      2018(平成30)年7月25日(水)



           危機において、何をすべきか:加瀬英明

               市場もまた奇々怪々:宮崎正弘 
        
       敵味方の区別つかないトランプ外交:櫻井よしこ                   
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4751号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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危機において、何をすべきか
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        加瀬 英明

危機において、何をすべきか スウェーデンが配布した小冊子

スウェーデンとロシアの間には、フィンランドの北部が、ひろがっている。

スウェーデンは、人口が1012万人で、フィンランドも平和国家だ。

今年5月21日に、スウェーデン政府は『戦争、あるいは危機において、何 をすべきか』と題する小冊子を、スウェーデン国民に配布した。

この小冊子は、国民に「敵国による侵略を蒙った場合に、全員が侵略者に 対して、あらゆる手段を講じて抵抗する」ように求め、「もし、わが国が 侵略された場合に、国民は最後まで戦い、絶対に降伏しない。抵抗をやめ るという情報が流れても、虚偽のものだから、いっさい信じてはならな い」と、述べている。

ヨーロッパでは、4年前にプーチン大統領のロシアが、ウクライナからク リミア半島を奪い、東部の内戦に介入しており、ロシアがさらに侵攻する のではないが、緊張がたかまっている。

スウェーデンのバルト海対岸の、冷戦後、ソ連から独立した小国のエスト ニア、ラトビア、リトアニアを守るために、米英独、カナダ軍部隊が進駐 するようになっている。

なぜ、スウェーデンが危機感に駆られているのか、冊子の序文が説明して いる。

「わが国では長期間にわたって、戦争に対する備えが、限られたものでし かなかった。

しかし、わが国を取り巻く世界情勢が大きく変化しつつあることから、政 府は防衛体制を強化すべきことを、決定した。

平時における防衛態勢を確立することが、戦時において国防を強靭化する ことになる」
 
もっとも、スウェーデンはロシアがすぐに侵攻してくることを、予想して いない。近未来に、アメリカが「アメリカ・ファースト」の世論に動かさ れて、米軍をヨーロッパから引き揚げてしまう可能性に、備えているのだ。

アメリカの政府国勢調査局は、白人の少子高齢化が進むかたわら、非白人 移民の流入によって、2040年代に入ると、白人が人口の50%を割ると予測 している。若年人口では、すでに非白人が多数を占めている。

アメリカは1980年に2億2000万人だった人口が、いまでは3億2000万人に 達している。とくにヒスパニック系の増加が著しい。

これまで白人が、アメリカが神の使命を授かった国であり、世界を導く責 任を負っていると、驕ってきた。非白人が増せば、このような重荷を担う 意識が失われてゆこう。

日本はどうだろうか? 米朝首脳会談のお蔭で、金正恩委員長がアメリカ を挑発せず、米朝交渉が進められようから、向こう5年は朝鮮半島で戦争 が起こらないだろう。

日本は大急ぎで、憲法を修正するとともに、防衛力を画期的に増強する時 間を、手にすることができた。天の恵みだ。

日本にとって、北朝鮮は本当の脅威ではない。

万一、北朝鮮が日本を攻撃しても、通常弾頭のミサイルによって、1、2 万人の死者が生じるかもしれないが、アメリカが圧倒的な軍事力によっ て、北朝鮮を壊滅させよう。

日本にとって深刻な脅威は、スウェーデンにとってのロシアに当たる中国だ。

いつまで、アメリカに縋れるだろうか?

福沢諭吉は、「今の禽(きん)獣世界に処して最後に訴うべき道は、必死の 獣力に在(あ)るのみ」と説いている。




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市場もまた奇々怪々
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)7月23日(月曜日)弐
        通巻第5763号   
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市場もまた奇々怪々。国際情勢の複雑さは奇々怪々とするのは当然としても
  米中貿易戦争なのに、米国株が上がり、原油が上がり、しかし金価格 が下落
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トランプの仕掛けた米中貿易戦争の勃発によって、新局面が拓かれた。

中国株は2年前の最低値に接近しつつあり、また人民元は下落を続けてい る。対照的に米国株が上昇し、米国ドルが強くなり、はたまた原油相場は 高値圏に突入した。米中の金利差が縮小したため、中国から外貨がウォー ル街に還流している。

その一方で、金価格が下落している。

市場は微妙なかたちで世界情勢を反映する。

グローバリストは、トランプのNATO批判をこっぴどく批判し、訪英し て冷遇されたことを、まるで首を取ったようにはしゃいで報じた。

その後のヘルシンキにおける米ロ首脳会談は「大失敗だった」と、トラン プ批判のトーンも興奮気味である。

かねてから筆者はトランプの戦略は、究極的に中国を追い込むことにあ り、そのために同盟関係の組み換えを行っていると判断している。そのた めに、金正恩と会って、体制を保障する示唆を与え、核実験、ミサイル発 射実験の停止を約束させ、完全非核化まで制裁を解除しないと言明した。

北の中国離れを引き起こすのが初回会談の目的だった。そのことがわかっ ているからこそ、習近平は金正恩を3回も呼びつけ、その真意を確かめざ るを得なかった。

プーチンとの会談も、この長期的戦略の文脈の中で解釈すれば、ロシアの 孤立を救い、とにかくロシアを対中戦略の助っ人に迎えようとする努力な のである。開催前に、G8への復帰や制裁解除をほのめかしていたのも、 プーチンの心証を和らげるためだったと解釈できる。
 
したがって国際政治の専門家からみると、トランプ ー プーチン会談は 戦略的核兵器削減交渉の継続で合意しており、水面下ではシリア問題が話 し合われ、同時に北朝鮮とイランの非核化に対してロシアの合意を取り付 けたことをもって成果があったとみる。

トランプはクリミア併合によるロシア制裁解除も、G8への復帰も口にせ ず、しかし、対中国包囲戦略で、プーチンの支持を取り付けたのではない のか?

つまり米ロ首脳会談は、ロシアの態度を変えたという意味において成功で はなかったのか。


 ▼中国は外交的敗北を悟った

リアルな反応は、中国がすっかり米国批判をやめ、トランプ批判どころ か、中国国内の米国企業避難さえおさえて、静粛になっていることだ。つ まり、居丈高で傲慢な姿勢を大きく後退させ、とりわけ習近平の経済政策 の失敗を糊塗するため、意図的に沈黙を続けているのである。

もちろん、破産が近い経済状態に陥没してしまった中国は金融通貨政策で も、打つ手も希少となり、こんなときに米国批判を増強して、つぎの制裁 をかけられてはたまらないとする弱気な心理が作用している。

まもなく開催される北戴河会議では、長老たちが習近平の失政を批判して つるし上げを行うかもしれない。

それゆえ、習近平は雲隠れするかのようにUAE、セネガル、ルワンダ、 南アフリカ、そしてモーリシャスをめぐるたびに出て北京を留守にしたの である。
      
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
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 南北境界線の南で土地の値段が上がっている不思議
  金正恩は「クラシックで教養のある人物」と韓国人は錯覚した

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呉善花 v 加藤達也『韓国・北朝鮮はこうなる!』(ワック)
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対談の一方である呉善花女史に関しては、いまさら紹介する必要もないだ ろうけれど、相手の加藤達也氏は産経ソウル特派員時代に、報道記事が朴 権惠大統領の名誉棄損だなどと因縁をつけられて厭がらせの裁判となり、 最期に無罪を勝ち取ったサムライ記者である。

この2人が米朝会談以後の朝鮮半島の展望を語り合うという画期的な試み が本書である。

呉女史が口火を切る。

「このままだと、韓国は北に飲み込まれ、金正恩大統領が誕生。韓 国は 貧しい低開発国に転落します」

加藤氏が受ける。

「韓国と北朝鮮は日本の孤立化を狙っています。これから、まともな韓国 人は、『脱北者』ならぬ『脱南者』となって。。。。」。

大胆な予測は、いずれ韓国がアメリカに見捨てられ、北に併呑され、恐る べき金王朝の支配下に置かれる可能性があるという不気味さを伴う。この 予告を演繹すれば、日本にも難民が押し寄せることになるから他人事では ないのだ。では、そうしないために、日本と、アメリカはどうするべきな のかを探る。

なぜ韓国人が北に親しみを感じるのか、呉さんは、以下のようにも指摘する。

南北首脳会談で「あれだけ貧困な国であるにも拘わらず、卑屈さがなく 堂々としている金正恩の姿に『きわめて正常な人』と(韓国は)感じ入っ たのです。さらに、金正恩が、韓国人に懐かしさが感じられる古き良き言 葉を使っていたのが決定的でした」

このニュアンスは『暖かい朝鮮の言葉』であったため、クラシックで教養 のある人物だと、一種の幻覚症状に陥った。韓国人は「朝鮮のあるべき姿 を見た」となって平和ムードが一気に醸成されたというのである。

対日問題に関して、韓国人の思考回路には2つのトラックがあると加藤記 者が次の指摘をする。

「ツートラックとは、民族感情、歴史認識問題がひとつ。「もう一つは、 経済協力、あるいは安保協力。これについては別のトラックなんです。そ れぞれ、個別に話し合わなければいけないことだと言う」

日本側からみれば虫の良い話だが、韓国人はそうは思わないで「その遣り 方をずっと押しつけてくる」のだ。それは冷静に考え直さなくても、「二 枚舌」でしかなく、「反日」と同時に「用日」(日本を利用する)という 発想をする。

したがって呉女史が次のように分析を続ける。

「朴権惠の犯した罪はとても大きくて、反日、親中で出発しながら、日本 と協力して北朝鮮への圧迫を強めたと思いきや、また直ぐに反日を前面に 出すようになってしまった。政権最終末期には北朝鮮への本格的な瓦解工 作を水面下で強めていましたが右往左往するうちに最後にはスキャンダル にまみれて自滅して、文在寅政権を産み出してしまった」のである。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)ようやく貴著新刊の『習近平の死角』(育鵬社)を読了し ました。一貫して御著に流れる該博な知識と入念精緻な実地踏査に裏付け られた鋭い観察に、こんかいもまた圧倒される思いで感嘆するほかありま せんでした。
 読みながらつくづくと考えたのですが、もしシナ事変から大東亜戦争前 夜の時代に、貴兄が示されたような透徹した世界情勢の読み方を身につけ ている観察者が一人いてくれたら、日本はあの破局的な戦争に引き摺り込 まれなくても済んだのではないかととうい感慨が胸裡から去らないのです。
 「欧州の政情は複雑怪奇なり」として政権を投げ出すような為政者の側 にあって、なにをいうか、政治とはそうしたものだと、大兄なら泰然と説 明してやれたであろうに、とそんな感想も浮かんできたことでした。
 ともかく、これだけの世界史的洞察を示されているのに、こんにちの政 治家達は果たして、己の資格にふさわしいほどの洞察を学んでいるので しょうか。

考えてみますと、この炎天猛暑にも拘わらず肌に粟立つ思いがします。日 本の国家戦略不在の状況もすでに七十年を超えます。老生ごとき意見に耳 を傾けてくれる人が少ないのですが、貴著の推薦を懲りずに続けます。不 一。(KK生、世田谷)



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(読者の声2)保守系のネットチャンネルが次々と閉鎖に追い込まれてい ます。これは、事実上の左翼の検閲です。あるいは言論弾圧と言うべきか もしれません。

KAZUYAもやられました。対策を急がなければと思いますが、先生に は何かヒントがあるのでは? と思って投稿します。(NG生、江東区)


(宮崎正弘のコメント)小生儀、活字世代につき、最新のツィッターもで きず、そもそもスマホも持たないため、御指摘のネットチャンネルとかは 見たこともないので、コメントをしようがありません。悪しからず。
 とはいえ、政治家ならびに政治集団にとって、既存のメディアを超える ツィッターはこれからも最大のメッセージ伝達の武器であり、政治の中枢 を担うだろうという予測は確乎として持っております。
 
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1764回】          
――「支那人は巨人の巨腕に抱き込まるゝを厭はずして・・・」――中野(20)
  中野正剛『我が觀たる滿鮮』(政?社 大正4年)

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中野の説くように「滿鐵及び滿鐵附屬地は我國に取りては滿洲の全部」と はいえ、実態的には「關東州を除きては、僅かに數條の滿洲鐵道あるのみ」。

だが、「最近に支那が内蒙古及び、之に接近せる地域」を次々に開放して いる。ならば「?々國家に代りて我國民の發展を誘導すべき重責を課せら れた」る満鉄は、これら開放地域との間に路線建設につとめるべきだ。な んにせよ「鐵道の尻切れ」は意味をなさない。満鉄は内蒙古への発展を策 す一方で南下して北京・天津を抑え、外蒙古方面からのロシアの進出を牽 制することによって「攻勢的經濟經營」を展開できるのである。

 「斯く新に開放せられたる各地は、一として我が勢力範圍たる南滿及び 内蒙と重要の關係を有」していないわけだはない。そのうえに「滿洲に於 る我唯一の經濟的策源地が、彼の南滿鐵道なるを思へば滿鐵會社の重責」 は極めて重い。

 南下するロシアと日本とを武力衝突させ、両者の均衡を図ることで中国 本土の安全を図ろうとするのが袁世凱政権の一貫した近隣外交だと指摘し た後、「外蒙を把握したる露國が、漸々内蒙を壓せんとするに至りし今日 に於ても、日本は猶日露協約を信頼して、彼に南侵の意あるを疑はず」。

だから袁世凱の狙った日露衝突は起きそうにない。そこで袁世凱は次の一 手を打った。「蒙古の一部を開放して列國を誘」い込み、ロシアを抑え日 本を関東州と満鉄附属地に逼塞させようというのだ。

日本としては、これを好機に開放地まで鉄道を延伸させるべきだ。だが 「蠢爾として進まざること從前の如」しでは、「我勢力範圍の實權は、他 の獨逸、英國、米國の如き經濟的實力によりて奪ひ去らるゝを覺悟せざる 可からざるなり。要するに今回の蒙古一部開放は、支那が露國を懼れ、日 本を憚るが故に決行せしものなり」。

「日露協約を信頼して、彼に南侵の意あるを疑はず」「蠢爾として進まざ ること從前の如」「我勢力範圍の實權は、他の獨逸、英國、米國の如き經 濟的實力によりて奪ひ去らるゝ」「支那が露國を懼れ、日本を憚る」など という中野の見解を並べて見ると、今日まで続く日本米中・対ロ(ソ連) 政策の軌跡を暗示しているようだ。どうやら日本外交は、一貫して失敗か ら学んでこなかったということか。

中野の主張は満州に止まってはいない。日本も門戸開放・機会均等を掲げ るわけだから、袁世凱政権による開放を欧米列国のために喜ぶと同時に、 この際、日本は「此等開放地に實力を入れ」、ロシアに外蒙の、英国にチ ベットの開放を逼るべきだ。

そこまで踏み切らない限り、「我國は列國と支那外藩に於て、經濟的實力 を角する」ことなど不可能だ。「滿洲より蒙古に向ひて」、我が国が経済 進出するための使命の「殆ど過半滿鐵會社の上にあ」るわけだから、「特 許殖民會社の性質」を存分に発揮させなければならない。

 日本の将来にかかわる大いなる使命を担っているにもかかわらず、「我 滿蒙經營にして毫も進むことなからん」ばかりか、「特許殖民會社の性 質」に胡坐をかいて民業を圧迫する始末であり、いまや満鉄は「弊政の中 心」になり果てている。

「進んで蒙古方面にまで經濟的發展をなさゞる可からざるの時運に際會 せ」るこの時期に、「特許殖民會社」の根本に立ち返り、満蒙・中国本部 はもとより、「外蒙、西蔵に進み、翻つて直隷を相通ずべきは、今日我國 民の忘る可からざる所にして、滿鐵は實に其誘導の責任を免るゝ能はざる なり」。
まさに満鉄とは「我無能なる外交の缺漏を補ふべく?々巧妙なる活動をな すべきに非ずや」。だが、「我國の植民政策は、周到なる研究と、敏捷に して巧妙なる手段とを缺き」、タテマエに拘泥こそすれ「實に官僚式を其 儘なりと云ふを得べし」。「我無能なる外交の缺漏を補ふ」に「實に官僚 式を其儘なり」では・・・暗澹。
《QED》  

    
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敵味方の区別つかないトランプ外交
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          櫻井よしこ


「敵味方の区別つかないトランプ外交で欧州情勢が激変する可能性に現実味」

6月上旬、カナダでの先進7カ国首脳会議(G7)に出席したトランプ米大 統領は孤立した。「6対1」のサミットと表現されたG7の2日目午後の会合 を欠席して、トランプ氏は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長に会うため にシンガポールに向かった。

7月11、12日の両日、ベルギーでのNATO(北大西洋条約機構)首脳会 議に臨んだトランプ氏は、ここでも多くの問題を残した。会議の前には、 NATO各国首脳に宛てて「貴国の国防費がなぜこんなに少ないのか、米 国国民に説明できない」「米国とNATOの関係はもはや持続可能ではな い」など、類例のない表現で相手国を非難する手紙を出していた。

首脳会議では、「米国が世界の貯金箱と思われている状況を止める」決意 を、改めて示した。

NATO諸国は2014年、ロシアがクリミア半島を奪ったことに警戒を強め 軍事力を高めるために、少なくとも各々のGDPの2%を軍事費に充てる と決定したが、その2%条項が守られていないとして、トランプ氏は NATO諸国を非難していたのだが、今回の首脳会議で、4%という新し い数字を突然打ち出した。

NATO首脳の間には、トランプ氏がどこまで本気なのかと疑う声もある が、4%以前の、もっと深刻な問題があるのではないか。

前述のように、カナダでのG7では価値観を共有するはずの先進諸国を非 難して、価値観の全く異なる正恩氏に会いに行った。ベルギーでの首脳会 議では同盟国を非難して、最終的にロシアのプーチン大統領に会いに行く。

集団安全保障の考え方で成り立つ世界最大規模のこの軍事同盟はそもそも 旧ソ連(ロシア)を共通の敵と位置づけて組織されたものだ。トランプ氏 は完全に味方と敵の区別がつかなくなっていると思われる。

トランプ氏の「アメリカ・ファースト」は、これでは「アメリカ・アロー ン」になってしまう。米国は同盟国、あるいは友邦国として信ずるに足る 国かとの疑問が、米国にコミットし頼ってきた国々から出始めたことを、 最も喜んでいるのは中国とロシアであろう。

そうした中、ロシアはハイブリッド戦争を進める。これは「非対照的」で 「非伝統的」な力の行使によって、相手国の民主主義的体制を破壊してい く戦争のことだ。具体的にはサイバーアタックや偽情報の拡散、政治的プ ロパガンダの拡散などである。NATO諸国にとってロシアの脅威は、も はや軍事力だけではないのである。

国際社会が直面する新たな戦いは「文化が戦場」となり、音楽や映画がそ の有力手段となるといわれている。たとえばNATOの一員であるラトビ アを見てみよう。

小国ラトビアは歴史的にソ連に支配され、次にドイツ、そして再びソ連の 支配下に置かれた。ラトビアが民族国家として自立したのはソ連崩壊後の 4半世紀ほど前のことで、安定した国民生活が可能になったのは、 NATOの枠内に入って以降にすぎない。

ラトビアの人口の約3割が人種的にはロシア人だ。彼らはロシア語を母国 語とし、ロシア文化を守りつつ暮らしている。プーチン氏はラトビアはロ シア領だと主張し続ける。ロシア、そして中国も全く同様だが、「自国民 擁護」の旗を掲げて他国を脅かすのが常だ。人口の3割がロシア人という 事実は、クリミアに多くのロシア人が住んでいることが侵略の口実のひと つになったように、ラトビアを再びロシアの支配下に置く理由として十分 活用されるだろう。

こうした中、トランプ氏は、クリミアはロシア領、理由はそこに多くのロ シア人が住んでいるからと語っている。トランプ外交で欧州情勢が激変す る可能性が現実となりつつある。

『週刊ダイヤモンド』 2018年7月21日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1240

          
       
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重 要 情 報
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 ◎フジテレビのバイキングの要らざる介入か:前田正晶

このところ数日続けてフジテレビのバイキングでこの件を面白おかしく、 さも「真相はこうだ」と言わんばかりに採り上げている。特に司会の坂上 忍が強引に取り仕切って自分で持って行きたい方向にしようとして、ゲス ト・コメンテーターやレギュラーメンバー的な連中に何かを言わせている のだ。

それが私には問題を日大にとって悪い方向に仕向けようとすら聞こえるこ とが多々ある。私にはフェニックスほどの運動部の経験がない者に何かを 語らせるのは無理があると思って聞いている。

24日には関東大学1部の15校(日大を除くから15になる、念の為)の監督 会が関東学連に対して「日大から提出された改革書を本日までに開示しな ければこちらにも考えがある」という、如何にも日大との対戦をボイコッ トするかの如き意志の表明があったと、寧ろ大袈裟に聞こえる形で採り上 げていた。坂上もそうだが、彼らは「日大をリーグ戦に復帰させれば、ま たもや悪質なタックルをしないという保証がない。

それでは可愛い部員たちが傷つけられそうだという監督会の懸念は解る」 と言いたいようだった。これは尤もなようでおかしな主張だと思って聞い ていた。

どちらかと言えば、私は日大フェニックスを擁護する方の立場だが、それ にしてもおかしなこじつけだと思う。先ずは日大以外の15校が綺麗でフェ アーなプレーしかしないという前提に立っていることがおかしいのだ。多 くのフットボール経験者が認めていることは「フェニックスは元々反則が 少ない綺麗なフットボールやるテイームだ」ということ。

関学戦であの危険なプレーをやれという指示を出した内田前監督と井上
前コーチが学連に除名された以上、危険なプレーの元が絶たれたという解 釈がないようなのも不思議な気がする。

坂上もレギュラーメンバーたちも内田氏も井上氏も未だ指示を出したと認 めていないと言い募るが、第三者委員会も学連も認めていたとの事実を完 全に忘れているような議論だと思う。バイキングがどれほどの視聴率を維 持し、何処の人がこの一連の特集を深い興味を持って見ているかは知らな いが、素人が寄ってたかって論議することにどれほどの意味があるかは疑 問だと思う。

瀬在幸安元総長まで担ぎ出して田中理事長を批判するようなことをやって いたが、私は日大フェニックスと日本大学全体の運営問題がそこまで結び ついているとは思えないのだ。私にはフジテレビが何を目指してこの問題 を追い続けているのかがもう一つ解らないが、あのように問題を素人が集 まって面白おかしく語っていては、新監督に内定している橋詰功氏も良い 迷惑かも知れないと思うのだ。だが、監督会があそこまで依怙地になって いる背景に何があるのかの方が、余程気懸かりだが。


 ◎新宿駅西口に90分ほど滞在:前田正晶

24日は結局のところ意を決して、9時過ぎに出掛けることにした。バスや JRを乗り継いでいた時間を除けば、新宿駅西口付近に約90ほど滞在して4 箇所を回ったことになった。極力地上を避けてデパートの中を抜けるとか 地下街とビルの中にいるように努めたが、暑いことには変わらなかった感 触だった。9時45分頃に最初の目的地である地下の銀行に到着した時に は、メッシュが入った帽子の下は汗ビッショリだった。

ここでも怖かったことは「それほど暑くはないな」と受け止めていた感度 の鈍さだった。

西口の地下街は予想したよりも遙かに多くの人が動いており、つまらない 感想では「若い世代は偉いものだ」という辺りだった。面白いサービスだ と思ったのが、最初に入った銀行で冷凍された紙のおしぼりを渡されたこ とで、これで顔と首筋を冷やすことが出来たのは有難かった。

帰りにはまたこれからJRとバスを乗り継いでいく気にはなれず、御身大事 を図ってタクシーを利用したのだが、¥810は無駄な投資ではなかったと 思っている。

何れにせよ、思い切っておっかなびっくり出掛けたことで、これから先2 週間ほどは余程のことがない限り無理に遠出(と言っても精々新大久保駅 から新宿までだが)をしないでも済む状態に持って行けたので一安心と なった。それでも帰宅して初めて気が付いたのだが、ポロシャツは汗まみ れで着替えるのに手間取ってしまった。矢張りこの暑さは余程用心して対 応しないと思わぬ災害のもととなりそうだということだと再認識した。


 ◎トランプ氏がイランに警告、「さらに脅せば悲惨な結末招く」

[ワシントン/アンカラ/ロンドン 23日 ロイター] - トランプ米 大 統領は、イランが米国を一段と脅かすようなら、「ほとんどの国が過去 に経験したことの無い規模の」悲惨な結末を招くリスクを警告した。

ツイッターに投稿した。数時間前には、イランのロウハニ大統領がトラン プ氏に、敵対的な政策は「あらゆる戦争のもと」につながる恐れがあると 訴えていた。

言葉の応酬が過熱する中、双方には紛争回避を望む理由があるとの指摘も 出ている。

トランプ氏は、ロウハニ氏に宛てたメッセージで「米国を決して再び脅し てはならない。さもなくばほとんどの国が歴史上経験したことの無い規模 の結末を招く。暴力や死に関する正気の沙汰と思えない発言を支持するこ とはもはやない。注意せよ」と述べた。

ロウハニ氏は22日、自国の外交官らの会合で「イランとの平和はあらゆ る平和の母で、イランとの争いはあらゆる戦争の母だと、米国は認識すべ きだ」と述べた。国営イラン通信(IRNA)が伝えた。

ホワイトハウスの声明によると、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障 問題担当)は「イランがマイナス方向の動きに出れば、ほとんどの国が過 去に支払ったことの無いような対価を支払うことになると、トランプ氏が 語った」と述べた。

ポンペオ米国務長官は22日、イランの指導者は腐敗し不正な蓄財を行っ ていると述べ、イランは政府というよりも「マフィア」のようなものに よって運営されていると批判した。「長く無視されてきた国民の声を米国 は支持していく」とも述べた。

タスニム通信によると、イラン政府はポンペオ氏の発言について、国内問 題への干渉と指摘した。

23日の原油相場は、両国間の緊張激化を受け供給懸念が広がり上昇した。 北海ブレント先物LCOc1が一時、2%近く値上がりして1バレル=74.50 ドル。米WTI原油先物CLc1も同69.31ドルまで上昇する場面があった。

【ロイター】 2018年7月24日 / 00:06 〔情報収録 − 坂元 誠〕



 ◎気象庁は「一種の災害」と認めた猛暑:前田正晶

気象庁が災害と言い出したのを聞いて「なるほど、そう見做すのか」と何 となく安心した。私は23日「最早この高温を異常と見るのではなく、これ が普通なのだと認める方が」と述べたが、気象庁の見解はそれどころでは ないと認定していたのだ。

私はこの発表を聞き捨てにすることなく「事態はそれほど深刻なのだ」と 理解して対応すべきだと思っている。事実、連日報道されている熱射病に よる死者(死者だ!)と救急搬送された人の数は尋常ではない。明日はで はなく「今にも我が身か」と考えてみても良い状態だ。

23日は更に「甲子園の野球の会場の追加または変更」云々したが、本心は 「朝日新聞も高野連も本気で対策乃至は延期か中止を検討すべき段階に来 ているのだ」と言いたいのだ。

私は甲子園の野球ばかりを批判しているようだが、現実的に考えれば、こ の7月と8月の災害の如き高温が続くと予測される期間中には、全ての屋外 の催し物(イベントじゃない、念の為)やスポーツの大会は開催すべきか 否かを真剣に検討すべきだと主張したいのだ。

何処かの県で高校野球の試合時間をずらして夜間にしたと報じられていた が、そうしたところで地域によっては夜間でも30度台だ。昨23日観測史上 最高の41.1度を記録した熊谷では夜の7時の気温は32.4度と報じられてい た。35度よりは幾らかマシかも知れないが、異常な高温であるのは確か だ。そういう条件の下にあることを如何なる催し物と雖も、主催者は十分 に考慮し、決行か中止かを判断すべき時ではないか。

現に、何処だったかで高校野球応援の観衆から9人の熱中症患者が出たと 報じられていた。当に「だから言ったじゃないか状態」なのだ。また、愛 知県だったかではその催し物関連の商品(何でで「グッズ」と呼ぶのか) を買いたくて屋外に並んだ何千人の中ではバタバタと倒れた人が出たとい うではないか。私は並んだ人たちを責める前に主催者側に「あなた方は正 気か」と尋ねたい、イヤ非難し攻撃したい。

私は正直なことを言えば、朝日新聞と高野連に本大会の第1試合の開始の 時刻をオリンピックに倣って午前7時として、午前中は2試合で打ちきり、 午後は4時から2試合としたらどうかと提案しようかと考えていた。

だが、夜間でも30度台に止まっている地方が多いし、ましてや兵庫県で は、この考えも無意味かと思って控えていた。そこに気象庁が「一種の災 害」と発表したのでは、この程度の弥縫策では追い付かない事態だと判断 した次第。

23日は鼻風邪が抜けきらないままにジムに出掛けて見た。体は何とか動い た。それで午前11時過ぎに外に出てみても「何だ、大して暑くないじゃな いか」と感じて気楽に帰宅した。

ところが、東京の気温は39度だったというではないか。矢張り、高齢者
ともなると感度が鈍って39度を「暑くない」と受け止めてしまうようだ と、改めて認識したのだった。これは何処かの医師が警告しておられたよ うに「温度に対して感度が鈍る」のは本当に危険なことだ。矢張り外出は 差し控えるべきのようだが、24日はのっぴきならない用事がある。災害の 犠牲者にはなりたくない。如何すべきか悩ましい事態だ。



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身 辺 雑 記
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25 日の東京湾岸は曇天。24日夜、雨は降らなかった。

24日は定期検診のため大学病院へ。問題ナシ。次回は9月25日午前10時20分。

隣の第3亀戸中学校の芝生の校庭では炎天下の24日午後、テニス大会。多 くの父兄が日傘も差さずに観戦。見ているこちらが熱中症を心配して いた。

夕方6時近くなって男子生徒数人がやってきてテニスをしていた。これな ら安心してみていられた。

夕方、8階のベランダの内側にセミが1羽止まっていた。すぐ飛んで行った。

戴いた焼酎をに見尽くしてしまったので家人に1升1000円の紙パック入り を買ってもらった。
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