政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4747 号  2018・7・21(土)

2018/07/21

                       
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4747号
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      2018(平成30)年7月21日(土)



              日朝正常化議連の怪:阿比留瑠比

              3時間以内の病院搬送:毛馬一三

     認識せよ、力が支配する世界への変化を:櫻井よしこ
                 
             
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4747号
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日朝正常化議連の怪
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    阿比留 瑠比


約10年ぶりに活動を再開した超党派の日朝国交正常化推進議員連盟 (衛 藤征士郎会長)が、どうにも怪しい。会合に招いた講師の顔ぶれか ら、 尋常ではない。

6月21日の会合の講師は、平成14年9月の小泉純一郎首相(当時) の初 訪朝時の交渉役だった田中均元外務審議官と、在日本朝鮮人総連合会 (朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」の金志永・平壌支局長だった。

田中氏は最後の2回分の日朝交渉の記録を外務省に残さず、安倍晋三首 相に「外交官として間違っている」(25年7月、日本記者クラブ主催の 党首討論会)と指摘された人物である。また、金氏はこの日の会合で「拉 致問題は既に解決済みだ」と主張したという。

今回、11日の会合に講師として呼んだのは、元外務省国際情報 局長の孫 崎享氏だった。孫崎氏は日本固有の領土である尖閣諸島(沖縄県 石垣 市)や竹島(島根県隠岐の島町)に関してそれぞれ中国、韓国寄りの 持 論を説き、鳩山由紀夫元首相のブレーンとされている。

政府がこれから北朝鮮との命懸けの交渉、駆け引きに臨もうというとき に、政府方針と明確に異なる意見を共有して、どうするつもりなのか。首 をかしげたくなるが、10年前に日朝議連が訴えていたことを振り返る と、当然かとも思う。

日朝議連はもともと20年4月、自民党の山崎拓元副総裁と民主党の岩 國 哲人(てつんど)元副代表らが会談し、「北朝鮮への圧力路線は成果を 生まなかった」として発足を決めた。その岩國氏は同年5月、こう語って いた。

「日本国民は拉致問題に拉致され、自縄自縛に陥っている」

すさまじい拉致問題軽視発言だが、岩國氏は衛藤氏らとともに日朝議連 副会長に納まる。会長に就いた山崎氏は訪朝を模索し、北朝鮮への融和政 策を唱えた。6月に米国が北のテロ支援国家の指定解除に踏み切ると、こ う歓迎した。

「一番利益を受けるのは日本であり、足を引っ張ることは許されない。 冷静沈着に判断し、国際協調を乱さない方がいい」

このとき衛藤氏も「小さな一歩かもしれないが、確かな一歩を踏み出し た」と指定解除を肯定的に評価し、北朝鮮への経済制裁継続を批判している。

だが、テロ支援国家の指定解除とその後の経済制裁緩和・解除の結果は どうだったか。北朝鮮は拉致被害者を帰すどころか、自由気ままに核・ミ サイル開発を進めてきた。

逆に現在、北朝鮮が米国との対話路線に転換し、米朝首脳会談が実現し たのも、日本が主張する圧力路線をトランプ米政権が採用し、強力に軍事 的・経済的に圧力を加え続けた結果ではないか。

10年前には、安倍首相(当時は前首相)と山崎氏の間でこんな言葉の応酬 があった。

安倍前首相「有力者も含め多くの議員が、政府より甘いことを言うのでは 交渉にならない。経済制裁はそろそろ考え直した方がいいという意見は、 百害あって一利なしだ」

山崎氏「全然逆ではないか。幼稚な考えだ」

10年前に見た光景と同じことが、再び繰り返されるのだろうか。今度の日 朝議連には、自民党の二階俊博幹事長や岸田文雄政調会長、竹下亘総務会 長らも顧問として名を連ねているが、経緯をよく理解した上で参加したの かどうか。

いずれにしろ、日本国内が割れて喜ぶのは、北朝鮮であるのは間違いな い。(論説委員兼政治部編集委員)産経ニュース



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3時間以内の病院搬送
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      毛馬 一三

脳の病気も心臓の病気も怖い。父親が68歳で、また私のすぐ下の弟も45歳 で、「脳溢血」で亡くなった。家系が高血圧症みたいで、私自身も40歳を 境に血圧が閾値を越えるようなったため、以後病院の血圧降下剤を朝夕服 用している。子供の頃から偏頭痛持ちで、加齢と共に頭痛に襲われる度 に、「脳溢血」ではないかと身が縮む思いがする。

今は、大阪市総合医療センターで月1度、同センター脳神経外科の外来診 察を受けている。診察毎の問診、血圧測定に加え、定期的に血液検査や CT検査を受けて、「とくに症状に問題はない」との診断結果が出ると、 ホット胸をナデ降ろす。

診察担当の安井敏裕医師が、以前大阪市総合医療センター3Fの「さくら ホール」(定員350人)で開かれる市民公開講座で講演した。その講演の 演題が、なんと「もし脳卒中になったら」だった。脳卒中になった本人が あれこれ手筈できる訳はないので、<脳卒中になった肉親を発見したら、 家族はどうしたらいいのか>、であろうと考えた。

定期診察のとき、安井医師に探りを入れてみた。部長はパワーポイントを 使用して約1時間講演する予定だと説明したあと、腰を抜かすようなこと を告げた。

<脳溢血で倒れたら、2時間59分以内に専門病院に搬送してください。3時 間以内だと助かる可能性は大です。3年くらい前にその時間内だと助かる 薬が出たからです>と述べた後、<大切なことは、倒れた時間をしっかり 確認し、それを医師に必ず知らせることが必須条件。搬送後の各種検査に は最低でも1時間かかります。一刻を争うことをしっかり認識していて欲 しいです>。安井敏裕医師は今度の講演でよく話したいと言っていた。

3時間が勝負の時間か。そういえば、元NHK同期記者の石岡荘十氏も、 本欄で「脳溢血」「心筋梗塞」は、3時間内に病院に搬送されれば、救命 率は高いと書いていた。

そこで、「3時間の搬送」とは内容が少し異なるが、石岡氏が日本一メル マガ「頂門の一針」に掲載した「異端の心臓外科医」を、同メルマガの許 諾を得て転載することにした。心臓手術で生を与えてくれた一人の医師が 浮かび上がる。命の尊さを考えるのにいい機会だと思うからである。

◆「異端の心臓外科医」

            石岡荘十

この病院には、日本の北の端、南の涯から、1人の医師のウデを信じた患 者が群がっている。そう、大袈裟ではなく患者が群がって来る感じなのだ。

10月29日、日曜日の午後、小田急相模大野駅に隣接したホテルの最大ホー ルに、どっちかといえば、飾りつけ豪華な会場の雰囲気に似つかわしくな い高齢者が続々と参集した。その数520人。「考心会」のメンバーであ る、といっても誰もわからない。「心臓手術後の生活を考える会」の創立 10周年の総会である。

「考心会」の会員は現在なんと1000人。その共通点は、かつて同じひとり の心臓外科医の“手にかかった”患者だということだ。南淵宏明医師に胸を 切り開かれたという“過去”を持っている人たちである。心臓手術経験者の 患者の会としては、多分、最大だろう。

南淵宏明医師は10年前、神奈川県大和市にある大和成和病院で心臓手術を 始めた時から、自分が手がけてきた患者の“予後”、つまり手術後の生活が どうなっているか、そこまで面倒を見るのが心臓手術外科医の責任だと考 えている。現在、同病院の心臓外科部長。

といっても、南淵医師がその日集まった元患者の全員を覚えているわけ は、当然ない。患者にとって自分の執刀医はただ1人、彼だが、彼にとっ ては、記憶の限界を超える患者1人ひとりを覚えていられるはずはない。

南淵医師はその日の記念講演で、こう言う。

「お集まりの皆さん全員を、正直言って全部覚えているわけではありませ ん。ですが、これはやばいぞって、冷汗をかきながら必死になって手術し た患者さんのことは良く覚えています。今日ここにいらっしゃる○○さんと か---。あれは危なかった(笑)。大部分の皆さんのことを覚えていない ということは、大部分はうまくいったということです。もしい
ま不具合がありましたら、このあと遠慮なく言ってください」

考心会は、年1回総会を開き、その都度、南淵医師を始め、ほかの医師や 看護師も出席して、術後・予後の相談に乗っている。もちろん無料だから か、長い列ができる。それだけでなく、あちこちで患者が医師にせがんで 一緒に記念写真まで撮っている。これは同窓会では、と思わせる風景であ る。 

南淵医師は奈良医科大学出身。まあ、はっきりいって、わが国の医師の キャリアでいえば、「うん?」という出自だが、彼は飛び出した。それも 流行のアメリカではなく、オーストラリア、シンガポールで修行を積む。

というと、わが国では、「なーんだ、そんな国で?」と思うかもしれない が、心臓手術に関しては、かの国はじつはわが国の心臓外科技術を遥かに 超えるとんでもない先進国なのである。

わが国のレベルは先進国の中では最低、という現実は知られていない。国 民は、日本はアジアの先進国だと思わされている。だから帰国した彼を、 受け入れない、叩く、排除する。いじめである。この国の業界は一旦、医 局を飛び出した医者は受け入れない掟がある。

しかし、たまたまいろいろあってたどり着いた今の病院で、10年前、心臓 外科部門を創設、年間数百例という手術実績とその成功率で群を抜き、そ の合間を縫って、あろうことかタケシの番組に出演して業界告発まがいの 発言を繰り返し、軟派の週刊誌に週1連載エッセイ(週刊現代「異端のメ ス」)を書き、業界内幕の実態暴露に近い本を続々出版。

こんなことをすれば村八分になるのは当然だけど、心臓手術で人工心肺を 使わず、心臓を動かしたまま細い血管の縫合をやってのけるバイパス心臓 手術(オフポンプ)の実績を重ねて、特にこの分野で名を成す。

で、「あいつは一体何者だ」と業界だけではなく、その評判は心臓に不安 を抱える素人にまで関心をもたれる存在となった。だが、相変わらず業界 では“異端”である。

つまり業界の常識から言えば「変わり者」なのだが、患者の気持ちから言 えば、この人しかないと思うのは当たり前だろう。それが本文冒頭の現象 をもたらしている。

地域住民が、いつも頼りにしている立派な建物の病院に駆け込んでも、心 臓病に関する限り、まともな治療、特に外科治療をできるところは稀であ る。治療が難しい患者が来ると手に負えない。そこでどうするか。

「そうだあの心臓病専門病院に転送しよう」ということになる。リスクを 回避しようと逃げまわっているのだ。そんな患者が、大学病院から、それ も東北の大学病院からヘリコプターで南淵医師のいる病院に送られてくる こともある。珍しいことではない。
 
南淵医師は、48歳。身長180センチを超える大男だ。指も、これが心臓外 科医かと思わせるほど太い。だが、繊細な感覚の持ち主、と見た。患者に 接する笑顔は少年のそれである。

本メルマガ618号(11/3)で紹介した、心臓手術では世界屈指といわ れ、数少ない応援団のひとり、京都大学医学部の米田正始心臓外科教授 は、こう言う。

「彼とは考え方が同じです。ほかでは手に負えない手術だからこそやりが いがある」と。

            
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認識せよ、力が支配する世界への変化を
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            櫻井よしこ

 ドナルド・トランプ米大統領は、6月8、9日にカナダ・ケベック州で開 かれた先進7か国首脳会議(G7)に遅れて現われたうえ、2日目は午後の 会議に出席せずに早く帰った。

鉄鋼・アルミの輸入制限拡大、制裁関税問題などで、他の6か国と相容れ ず「6+1」の対立となったのは周知のとおりだ。居心地の悪さから抜け出 したその足で、トランプ氏は朝鮮労働党委員長の金正恩氏に会うためシン ガポールに向かった。

首脳会談を終えて、「私は彼(金正恩氏)をとても信頼している」とコメ ントし、会談翌日には「もはや北朝鮮の核の脅威はない」とSNSで呟いた。

米韓合同軍事演習中止にまでつながったトランプ氏の楽観は、しかし、物 の見事に粉砕された。6月29日、NBCテレビは、北朝鮮の非核化の意思 に疑問ありとして、米政府当局者の「北朝鮮が米国を騙そうとしている明 確な根拠がある」との声を報じた。衛星写真から北朝鮮の核関連施設が拡 張され、建設が進んでいるのが明らかになった。

そうした中、ポンペオ国務長官が7月6日、北朝鮮を三度訪れ2日にわたる 協議に臨んだ。平壌の順安(スナン)空港で会見したポンペオ氏は一連の 会談はすべて「非常に生産的」だったと語った。

しかし氏が飛び立ったあと、北朝鮮の朝鮮中央通信は「米国側の『強盗的 な要求』を北朝鮮が受け入れざるを得ないと考えているなら、それは(ア メリカの)致命的な誤りだ」という、ポンペオ氏の説明とは正反対の論評 を発表した。

自身の発言が「強盗的な要求」と非難されたにもかかわらず、平壌から日 本に直行したポンペオ氏は、こう弁明した。

「北朝鮮は誠実だった。実際にそうだった。報道を、いちいち気にしてい たら気が狂う。ギャングスターのような要求をしたと言われたが、世界は ギャングスターだらけだ」

「敵と味方」の区別

今回の協議でも北朝鮮が完全な非核化(CVID)に応じないであろうこ とは明確になった。非核化実現の意思があれば核兵器解体についての議論 が当然なされるはずだ。だがポンペオ氏は「騙された」ことを認めない。 「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)紙は7月2日の社説で 「ヨンビョンでの活動拡大は金(正恩)が首脳会談での果実を、非核化に 踏み出すことなしに手にしたことを示す」としてトランプ外交の失敗を指 摘した。

トランプ氏は今月の11日から2日間、ベルギーでNATO(北大西洋条約 機構)首脳会議に出席するが、氏はNATO諸国に軍事費増額を要求する 手紙を送付済みだ。

NATOはロシア(旧ソ連)の脅威に対処するために西側諸国が1949年に 創設した。どの国であれ加盟国への攻撃は自国への攻撃と見做して、全加 盟国が互いに守り合う集団的安全保障の仕組みがNATOだ。

トランプ氏は、そのNATOは米国におんぶに抱っこだ、自国防衛なのに 十分な軍事費を払っていない、と非難する。2014年3月、ロシアがクリミ ア半島を奪い、東ウクライナに軍事侵攻したとき、NATO諸国は自国の GDPの2%を国防費に回し、うち20%以上を軍備や装備の充実に使うと 合意した。合意を守ったのは、米国(3.57%)、ギリシャ(2.36%)、英 国(2.12%)、エストニア(2.08%)の4か国で、EUの盟主、ドイツは 1・24%、フランス1.79%、カナダ1.29%などにとどまる。

こうした状況にトランプ氏は怒り、NATO諸国の首脳になぜ基準を満た せないのかと、非難する書簡を出した。世界最大規模の軍事予算を使って いる米国としては当然の不満であろうが、その怒りを認めても解せないの は、NATO諸国との首脳会議後に、ヘルシンキで米露首脳会談を行うこ とだ。

トランプ氏はカナダでのG7に先立って、ロシアをG7に復帰させるべきだ と語った。フランス政府高官は、クリミア半島はロシアに併合されたまま でロシア復帰の条件は整っていないと批判し、メルケル独首相もメイ英首 相も同意見を表明した。

前述のようにGDP比2%の条項はそもそもウクライナ侵略で、ロシアが クリミアを奪ったことが直接のきっかけだった。トランプ氏はこの2%条 項を守らないといってNATO諸国を非難する一方、その原因を作った プーチン大統領とは「うまくやれそう」だとして首脳会談に臨むというの である。

G7で対立して正恩氏に会いに行く。NATO諸国を叱りとばしてプーチ ン氏に会いに行く。共通の矛盾が見てとれないか。トランプ氏には「敵と 味方」の区別がつかないということだ。

日本ができること

いま世界で起きているのは大きな価値観の戦いである。トランプ氏の頭の 中では秋の中間選挙が最も重要なのだろうが、国際社会は約100年振り に、自由を掲げるアメリカの価値観が専制政治を掲げる中国の価値観に 取って代わられようとする局面に直面しているのだ。アメリカ主導のパッ クス・アメリカーナが揺らぎかけ、中国主導のパックス・シニカの時代に 引き摺り込まれようとしている。ルールを基本とする世界から、力を基本 とする世界へのシフトが起こりつつあるのだ。中国的な価値観を受け入 れ、自由や民主主義を弾圧しているのが北朝鮮やロシアである。

従って米朝関係も中国ファクターを入れて考えると分かり易い。正恩氏は 「朝中はひとつの家族のように親密で友好的」で、「朝中はひとつの参謀 本部の下で緊密に協力」すると語っている。トランプ氏も「中国との貿易 問題を協議するときは北朝鮮のことも考える」と語っている。

米国が北朝鮮問題で梃摺(てこ)ずることは中国にとって大歓迎だ。北朝 鮮が無茶な要求をすればするほど、アメリカは中国の協力を必要とする。 今回の北朝鮮によるポンペオ氏に対する強盗呼ばわりも、中朝が示し合わ せて行った可能性がゼロではないだろう。折しも米中両国は、互いに制裁 関税に踏み切った。まさに戦争である。

この局面で日本にできることは多い。アメリカが成し遂げようとしている ことは、不公正な貿易で利益を上げる中国的手法の排除であろう。そのよ うなことはTPP(環太平洋経済連携協定)にとどまりさえすれば、多国 間の枠組みの中で出来たことだ。

だが、トランプ氏はそのことに気づかない。それだけに安倍晋三首相の役 割は大きい。欧州連合(EU)は日本との経済連携協定(EPA)に11 日、署名すると正式決定した。日本が主導したTPPは合意済みだ。これ らの枠組みを早く発効させて、中国中心になりかねないRCEP(東アジ ア地域包括的経済連携)に先行し、価値観を同じくする国々との連携を広 めることが大事だ。
『週刊新潮』 2018年7月19日号  日本ルネッサンス 第810回


    
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重 要 情 報
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 ◎子供の命を守るなら:北村維康

学校なんかにゃ行かせるな

熱中症を防ぐなら

濡れたタオルを首に巻け

弱い子供は虐められ

誰あれも責任とりゃしない

そこは偽善のふきだまり

9条でお国が守れるか

守れるはずがないだらう

憲法変へるその日まで

学校なんかにゃ行かせるな

 
 ◎英文をどのように作るのか:前田正晶

19日も少し触れたことだが、1975年3月にウエアーハウザーに転進して日 系人でワシントン大学出身のMBAのBJ氏に厳しく教えられたことが「英語 は易しいというか簡単な単語を数多く使いながら、極力短い文章で表現す るように。

但し、アメリカ人の思考体系は異なるのだから『ここは詳細に言わずとも 解ってくれるだろうとか、こちらの言わんとするところを察してくれるだ ろう』などと勝手に決めて細部まで触れないような文章は書かないこと。 そこまで詳細に言う必要があるかないかを自分で決めるな」だった。

一読すると、何となく矛盾したように聞こえるが、この点が本当に要注意 なのである。その辺りは微妙な表現になるが「彼らは行間を読んだり、書 かれていないか言われていないことを『多分こう言いたかったのだろう』 などと読むような芸当は絶対と言って良いほどしない頭脳構造の持ち主な のである」と知るべしなのだ。

繰り返して言うと、この辺りが日本人の思考体系との大きな違いであり 「忖度」などはしてくれないと知るべきだ。

BJ氏は「であるから、なるべく微に入り細をうがって、簡単な単語を沢山 使って、しかも冗長にならないように、しかも場合によっては多少単調 (monotonousという言葉だった)に陥っても短い文章を沢山続けるという ような表現方法もあるのだ」と解き明かしてくれた。

彼が更に念を押した点は「易しいというか簡単な単語を使え。俗に言う big wordは避けよ」だった。これは簡単なような難しい話で、どれが易し くて難しい端語かの判断は容易ではないと思う、特に我が国の学校教育で 単語を覚える教育をされてきた方々には。因みに、彼はこういう話は全て 見事な日本語で語るのだった。

ここで手前味噌と言われそうなことを。その点では、私は中学1〜2年程度 の教科書の音読・暗記・暗唱を続けてきたので、その程度の単語が数多く 流れの中でどのように使われているかが頭の中に入っていたので、比較的 容易にBJ氏の教えに従うことが可能だった。と言うよりも「簡単で易しい 単語」しか覚えていなかった結果になっていたのだった。それが結局アメ リカ人の中にいてもそう苦しまなくても済んだことになったと思っている。

更に、某商社で個人指導した若手には上記のBJ氏の教えに沿ったような形 で、会話まで教え込んでみた。すると、かなり進んだ後で彼が「何故、そ んなに簡単な単語ばかり使ってそんなに難しいことがスラスラと言えてし まうのですか」と言ったのだった。そこに気が付いた彼はそこまで見破る だけの力が付いてきたと言うことだと思う。少し謙遜して言えば、私には そういう英語しか使えないのであろうか。

先日も知人との英語論の中で、私は近頃は(最早そう滅多に英語を話す機 会もないが)「外国人に綺麗な英語を話しますね」と褒められた(社交辞 令を言われた)時には、何となくおちょくられたような気分になる時が あって「貴方だって努力すれば、私くらいの美しい英語が話せるようにな るよ」と言い返して、大いに受けることがあると言った。すると「それを 英語ではどのように言うのか」と尋ねられた。

答えは “Your English could be as good (or beautiful) as mine, if you tried(made your best effort).”辺りかなだった。聞かれた方は「な るほど、易しい単語ばかりしか出てきていないようだ。それでもそう言え るのが面白い」と感心して貰えた。

繰り返して言うが、私はこういう表現しか出来ないのだが、それでもアメ リカ有数の支配階層の会社に20年以上もリタイヤーするまで勤めることが 出来たのだった。願わくは、上記を自慢話と思わないで頂きたいのだ。

 ◎4744号の渡辺好造様の「日本語をなぜ“片仮名文字”にする」に思う: 前田正晶

このようにカタカナ語の濫用を戒める渡邊好造様の評論は、私のような長 年のカタカナ語排斥論者には非常に有り難いと感謝したい思いで拝読。し かしながら、私は英語の視点から見て論じておりますので、カタカナ語の 濫用は我が国の英語教育の至らなさと、日本語の破壊に繋がる漢字文化の 否定が気に入らないのです。

それに肝腎の問題点として採り上げたいことは「日本語には漢字の熟語が あるので、少ない字数で含蓄の多い表現が可能ですが、英語の単語にはそ ういう機能がないことが分かっていない連中が、無闇矢鱈にカタカナ語と して使いたがることが あります。

例えば、渡辺様も30語の中に採り上げておられた「コラボレーション」な どがその一例です。私はこういう言葉があるとは承知しておりましたが、 20年以上に 及んだアメカの会社勤めで使ったこともなく、使われたのを 聞いた(見た)経験が なかったと記憶します。

それが、我が国では何処のテレビ局が言い出したのか、有識者様が使われ たのか知りませんが、「コラボ」という短縮形まで出来てしまう始末。こ れと同じ事 を表現せよと言われたら、私は迷わず 「to work together with 誰それ」 としたと 思います。

Collaboration は極めて固い文語調(我々は big word と呼びますが) で、日常でも社内の報告書でも使わないでしょう。私が示したように易し い言葉を多く 使って分かりやすく書くのがコツなのですから。

他にも奇異な感があるのは「ガバナンス」です。これも使った記憶はあり ませんし、聞いたこともなかったと思います。これは屡々「統治能力」と いう意味で 使われているようですが、どう考えても、Oxfordを見ても 「統治」でしょう。

大体か らして、「このような一つの単語で表現するよりも、沢山の言葉 を使って解りやす くせよ」と教えられました。

そうかと思えば、既に何度か採り上げた例ですが、grow という言葉を知 らなかったらしい我が同胞が Children become big. と会話の中で言われ たのを聞き ました。これはおかしな表現ですが、見事に字数を使って 「子供が大きくなった」と いう意味を表していました。

但し、時制は出鱈目でしたが。こういう言い換えの力を 養うべきで
あり、その為には単語をバラバラに覚えずに、例文を覚えて流れの中でそ の使い方を学ばせるべきなのです。そうすれば、一つの言葉がどのように 使い分けで きるかも解ってきました。

次に遺憾なことは意味の取り違えと誤読してカタカナ語化してしまう傾向 です。例えば「リベンジ」は松坂大輔が使い始めたのですが、この動詞は 目的語をと らねばならない動詞なので「誰に仕返しをするのか」を明ら かにするべきなのです。 渡辺様は例に挙げておられませんでしたが、ト ム・クルーズ主演の Mission Impossible を「インポッシブル」と表記す るのは酷すぎます。辞書を見ればアクセントを 「サ」に置い
て「インパサブル」に近い発音記号になっていますが。

こういう例は他に多数ありますが、それらは既に「和製英語(カタカナ 語)と造語」で採り上げたので省きます。だが、私は間違えたカタカナ語 をテレビ局が 濫用するのが寒心に堪えません。

例えば「フリップ」というのも最悪の例で、flipと いう単語に「表」と いう意味などありません。あれは疑いもなく flip chart の最初 の単語 をとって「表」か「図表」に使ったのでしょう。こういう頭の言葉を採っ た 例は無数にありますが、野球中継で「タイムリー」と言っているは嘗 ては「タイム リー・ヒット」だったものが、何時の間にか「タイム リー」になってしまったようで す。それを聞いた方が正しく理解するの も凄いと思いますが。

しかも、肝腎のMLBでは最早「タイムリー・ヒット」は使われていないよ うです。アメリカでの表現は「打点」を表す runs batted in を省略した RBIが使わ れて RBIdouble(打点を取った2塁打)のように言っているの を聞いたことがあり ました。

「シングル・ヒット」というのもおかしなカタカナ語で、これでは「1本 のヒット」という意味になってしまうでしょう。英語は base hit と言っ ているよう です。

また、機会があればカタカナ語を論じたいと思っております。


◎日本防衛費増の動き「仮想敵は中国」とロシア期待

北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、ロシアの脅威に対抗するために軍事 費を増加させる。足並みをそろえて、日本の防衛予算もGDPの2%を目標に 掲げる動きがある。ロシアは、日ロ関係が積極的に発展するなか、日本の 軍備強化は対中国が目的となるよう希望している。

ベルギーのブリュッセルで開催された今年のNATO首脳会議では、全加盟国 29カ国が、2024年までに加盟国の軍事支出を国内総生産(GDP)比2%をク リアする合意内容を実行する決意を表明した、首脳宣言を採択した。

NATOは多国分担金システムを取っている。NATO最新報告によると、米国の 軍事支出はGDPの3.5%。ドイツは同1.24%で、目標ラインに達していな い。トランプ大統領は、NATOの加盟国は自国の安全を守るため、国防能力 を強化するために、より多くの資金を投入すべきだと述べた。

NATOの報告によると、米国を除くNATO加盟国28カ国の軍事総支出合計は 3120億ドルで、米国はその倍にあたる推定6230億ドル。28カ国の合計GDP は、米国を上回る。

NATO加盟国の軍事増資はロシアにとって脅威となる。ロシア経済界の一部 にも、経済成長が芳しくないなかの軍事支出増加には、否定的な意見があ がっている。

ロシア、日本も防衛予算増加なら 理由づけは「中国」になるよう希望

同時に、ロシアは、NATOが軍事費を増やした後、アジア太平洋地域の主要 な交流国である日本が、防衛支出を増加させることに懸念を抱いている。 日本政府によると、日本の防衛費は18年度で5兆1911億円。17年度の名目 GDP548.1兆円の約0.9%にあたる。

5月、自民党は安全保障調査会と国防部会の合同会議を開き、防衛費につ いてNATOの目標「対国内総生産(GDP)比2%」を目安に、「必要かつ十分 な予算を確保」すべきとの提言をまとめ、同月中に安倍首相に提出した。

ブルームバーグによると、元防衛大臣である中谷元・安保調査会長は党本 部で記者団に対して、「日本は各国と比べて、あまりにも防衛費の割合が 少ない」とし、欧州の数値を参考にして提言に記入し、必要な予算の確保 につなげたいと語った。

NATO首脳会議にも、北朝鮮問題に対する共同宣言が含まれており、日本の 要望と一致している。宣言によると、「北朝鮮に対して断固とした圧力を 維持する」ことで同盟国が一致した。国連の対北朝鮮制裁の完全な履行 や、核・化学・生物兵器を放棄させる取り組みなどが含まれる。

VOAによると、多くのロシア外交官は、日ロの共通認識は中国の台頭だと 考えている。また、ロシアは日本が軍事支出を増やすことを目指す以上、 日本の仮想敵はロシアではなく中国であるよう希望している。

ロシアの副外相は最近、世界の主要経済国である日本が国防費を増加させ れば、その影響力は甚大だと表現した。日本とロシアの発展的関係を維持 するため、日本の防衛増強の理由が、ロシアに矛先が向かないことを確実 にしたいと語った。

ロシアのあるジャーナリストは、日本は、ロシアと中国が密接な関係にな ることを望んでいないため、プーチン政権が日本の懸念をうまく利用して いると分析している。

いっぽう、ロシアは北方領土での軍事展開を強化しており、基盤を構築し ている。同時に、領土紛争で引き続き日本と交渉し、日本を失望させない ようにしている。

ロシアの日本専門家は、プーチン大統領と安倍長官は非常に良い個人的関 係を築いており、領土問題を解決できるという期待を、日本に抱かせてい ると述べた。ロシアと日本のアプローチは、双方向的だと語った。

同氏は「日本も、日ロ関係を温和に保つ必要がある。北東アジアの状況で は、日本の置かれている状況が良いとはいえない。日中関係は悪く、半島 情勢も安定していない」と語った。

プーチン大統領と日本の安倍首相は頻繁に会談しており、日ロ関係は穏便 に保たれている。5月、ボリショイ劇場で「ロシアにおける日本年2018」 が開かれた際、両首脳は式典に出席した。その後も、モスクワやサンクト ペテルブルクなどの主要都市では、日本の絵画や写真展が開かれ、日本の ドラマも放送されている。(編集・佐渡道世)

【写真】
・ 7月14日、フランスのパリで行われた革命パレードに参加し、行進する 日本の自衛隊(在日仏大使館より引用)
http://img.epochtimes.jp/i/2018/07/18/t_bazvyp7z1wmixdllhbgy.png
・ 7月11日、ベルギーのブリュッセルで開かれたNATO首脳会談で、上空の 編成隊をながめる各国首脳たち(GettyImages)
http://img.epochtimes.jp/i/2018/07/18/t_oh5rkoi9pfuqwbqqjsaj.jpg
【大紀元】 2018年07月18日 17時00分 〔情報収録 − 坂元 誠〕



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身 辺 雑 記
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21日の東京湾岸は快晴、爽快。

20日の東京湾岸は快晴だった、爽快。
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