政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針4721 号  2018・6・24(日)

2018/06/24

                         
□■■□──────────────────────────□■■□ 
わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4721号
□■■□──────────────────────────□■■□


      2018(平成30)年6月24日(日)



     中国は静かに、しかし着実に中東の油田を:宮崎正弘

     米朝山場、日本は官民あげて拉致解決を:櫻井よしこ

            パイナップルも無かった:渡部亮次郎          
           
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4721号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
               御意見・御感想は:
                  ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
                    下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/

    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中国は静かに、しかし着実に中東の油田を
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)6月23日(土曜日)弐
         通巻第5734号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

中国は静かに、着実に中東の油田をおさえ、中東秩序を壊乱している
 ホルムズ海峡に60%の原油輸入ルートを依存する日本の脆弱性
*********************************

日本はイランとオマーンに挟まれたホルムズ海峡に60 %の原油輸入ルー トを依存する。紅海ルートを含めると80%、そのうえガスをカタールに大 きく依存している。

この日本の資源ルートの脆弱性は過去半世紀にわたって有識者から指摘さ れているにもかかわらず、エネルギー依存源を多岐に分散していないのは 日本政治の貧困からか、戦略的発想が不得手だからのなのか。

対照的な対応をとるのが、いわずとしれた中国である。

米国のイラン制裁の余波でイランから撤収をはじめたフランスのトタル社 の鉱区利権は中国シノペックが横取りする。

中国はイラン、イラク、クエート、サウジアラビア、UAEからも大量の 石油を輸入している。

中東の地図をじっくり眺めてみよう。

 ホルムズ海峡からぐるりと時計回りにオマーン、イエーメンを回って西 南へ行くと「紅海ルート」の入り口。手前がソマリアの海賊が横行するア デン湾、そこからスエズ運河へ向かうタンカーや船舶はイエーメンとジブ チに挟まれるマンドス海峡(「パブルマンデブ海峡」が正式名称)を航行 し、サウジの西海岸の石油積み出し港ジェッダへ向かう。

サウジの石油は西海岸のカフジ油田が有名だが、長いパイプラインを西へ も敷設して、ジェッダからも輸出している。その先がシャルムエルシェイ ク、そしてエジプトのスエズ運河だ。シャルムエルシェイクはいまではロ シア人の保養地となっており、2年ほどまえにもロシアの飛行機が墜落 し、世界から注目を集めた。

この地図を地政学的に解釈すると次のようになる。

資源を一つのルートに依存するのは安全保障上からも危険極まりなく、嘗 て大英帝国が七つの海を支配して世界に覇権をとなえることができたの は、船舶が通過せざるを得ないチョークポイントを軍事的に抑えたからで ある。

今も英国はジブラルタルを抑え、シンガポールに拠点を構築している。
 
日本はマラッカ、ロンボク海峡に原油タンカーの航行ルートを依拠してい るが、その北が南シナ海で広大な海を中国が見張っている。


 ▲中国はなぜジブチに一万人の軍事基地をつくったのか

さてマンドス海峡ルートだ。

この狭窄な海峡の西が内戦中のイエーメン。しかもイエーメンの西南部は イランの支援を受けたシーア派の軍事拠点だ。この武装組織をサウジアラ ビアとUEAが空爆し、直近では地上軍も派遣したが、完全に制圧できて いない。イランからの武器はアデン湾あたりから陸揚げされている様子だ。

対岸のジブチは米軍海軍基地があり、その隣が中国の軍事基地である。国 軍が1万人規模で駐屯している。

中国が開発した南スーダンの原油も、700キロのパイプラインを通って、 ポート・オブ・スーダンに運ばれ、一日20万バーレルが紅海ルートを南下 して中国に運ばれる。なんのために中国軍がジブチにいるのか、もはや説 明の必要がないだろう。

中国は中東諸国に「一帯一路」をセットにしたプロジェクトの妙味と経済 発展を語り、イランもイラクもクエートも、カタールもUAEも中国の投 資を当てにする。ドバイの高級マンションは中国の温州集団が巨額を投機 した。

その上で中国は長距離ミサイルをサウジアラビアに供与して、サウド王家 に深く食い入り、サウジアラビアからも大量の石油を輸入している。あま つさえ中国はサウジアラビアから「砂」も買っている。大量の砂はセメン ト材料であるため、土木事業が旺盛な中国には必要だからだ。

こうした状況下にあって、トランプのアメリカは中東に興味を失いつつある。

なぜなら国内のシェールガス開発が成功し、原油とガスは自給自足が出来 るからだ。残る問題はイランの核武装阻止であり、トランプはオバマ前政 権が主導した「核合意」からあっさりと離脱した。欧州との亀裂は、この 措置にEU諸国が反撥してからだ。

サウジアラビアは米国が最後まで守ってくれるとは考えなくなった。

オバマ前大統領がリヤドを訪問したときは冷遇された。投資も先細りにな り、皇太子の呼びかけた文明国への脱皮のための近代化プログラムにも米 国は興味を示さない。

米国とサウジの冷却をチャンスと捉えたのがロシアだった。サウジ王と皇 太子は、頻繁にモスクワを訪問するようになった。


 ▲中東の基本構造はサウジとイランの対決だが。。。。。。

中東の基本構図はサウジアラビアとイランの対決である。

しかしトランプは、イランとの核合意離脱、エルサレムへの大使館移転を やり遂げたが、サウジのためというより、イスラエル対策であり、全米 600万のユダヤ票田の掘り起こしと、ユダヤ人実業家からの献金が副次 的狙いとみてよいだろう。

サウジはイランの西側の背後にあるアフガニスタン、パキスタンに支援お 手をさしのべているが、とくにパキスタンには巨額を寄付した世界最大の モスクを寄付したほか、核兵器開発の胴元となった。もしイランが核武装 すれば、サウジはパキスタンから相応分の核兵器を移転させるか、あるい はパキスタンから代理行為をさせるだろう。
 
トランプはアリバイ証明的にシリアにミサイルを59発お見舞いしたが、 事前にロシアに通知していたので、標的とされた場所には誰もいなかった。

この打算的外交を知っているネタニヤフイスラエル首相も、モスクワに近 付いてバランスを取り、さらには中国と軍事技術の提携に走って相当密接 な関係を築いている。イスラエルはヨルダン、レバノンに展開しているヒ ズボラ、ハマスなどイラン代理兵の軍事拠点をミサイル攻撃しているが、 これは間接的にはサウジの安全保障にも寄与するからサウジは米大使館の エルサレム移転に反対しなかった。

不思議なことにエジプトも黙っていた。つまりアラブ諸国はパレスチナ支 援などと口では唱えているが、もはや政治生命をかけて支援するほどの問 題ではないのである。

イランは周囲を囲まれ、孤立したかに見える。

ところが背後から支援の手をさしのべ、武器を供与し、石油を堂々と輸入 しているのが中国であり、イランにも、サウジにもシリア同様に手を伸ば しているのがロシアという輻湊した構造になる。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━
米朝山場、日本は官民あげて拉致解決を
━━━━━━━━━━━━━━━━━━


            櫻井よしこ

「金正恩が話のできる男かどうかは、私は会って1分で判断できる」。ト ランプ米大統領は記者会見でこう語った後、カナダでの先進7か国首脳会 議を早めに切り上げて、シンガポールに向かった。

この記事が皆さんの目にとまる頃、史上初の米朝首脳会談の結果が吉か凶 か、明らかになっているだろう。

世界最強国の大統領と、世界で最も多くの嘘をついてきた国のひとつ、北 朝鮮の独裁者が合意に達するには、北朝鮮が核・ミサイルの廃棄を確約し なければならない。許されざる人道問題である拉致を、「被害者全員の帰 国」を大前提として解決しなければならない。

北朝鮮に核・ミサイルを放棄させられなければ、ただでさえ、すでに崩壊 しているといわれる国際社会の核拡散防止条約(NPT)体制は、さらに 悪化し、核保有国が次々にふえる世界になってしまうだろう。また、拉致 を解決できなければ、究極のテロの前で、世界は無力化する。

この二つの問題のいずれも、北朝鮮の3代にわたる政権が元凶である。彼 らは自身の栄華と生き残りのためにあらゆる悪に手を染めてきた。常識も 良識も通じないが、生き残りのための状況分析には、鋭い嗅覚を持つ人々だ。

だからこそ、昨年9月23日、ステルス性が高く、60トンもの爆弾を運べる B─1B爆撃機2機を米軍が北朝鮮の元山上空に飛行させたとき、そして正 恩氏らが、貧弱な防空態勢ゆえに2機の飛来にまったく気付かなかったと き、彼は本気で米軍の斬首作戦を恐れ始めた。それ以降、人が変わったよ うに核やミサイルの実験を控えるようになった。

国民の命や生活よりも自身の命を最も心配する正恩氏に対しては、その弱 点をつけばよい。十分な軍事力と強い意思に基づく戦略を保持して、しか し、友好的な笑みを忘れずに、初回の会談をこなすのが、一番よい。

日本がすべきこと

この点について6月10日、交詢社の第10回オープンフォーラムの基調講演 で河野太郎外務大臣が語った。

「日本には多くの誤解に基づく解説が溢れています。トランプ政権内にポ ンペオ国務長官とボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の、対 北朝鮮宥和派と強硬派の対立があるなどと言われていますが、それはあり ません。米国政府内で基本方針は共有されています。最大限の圧力という 言葉をトランプ大統領が使わなくなったので宥和策に傾いているとの指摘 も間違いです。北朝鮮が核を放棄しない限り、現行の制裁は緩めない。た だ、交渉のテーブルにつこうとしている今だから、『最大限の圧力』と言 わないだけです」

12日からの米朝首脳会談の行方は、会談前日の段階でも予測困難な面はあ るにせよ、河野氏の見通しは日本にとって心強い。6月7日に安倍晋三首相 と行った共同記者会見でのトランプ氏の言葉にも期待する。

トランプ氏は「拉致問題は、首相にとって重要なことだと理解している。 首相の望みに沿って、絶対に、絶対に北朝鮮との議題にする」と強調した。

客観的に見て、私たちはいま、拉致の解決に最も近づいている。1977年か ら78年にかけて、久米裕さん、横田めぐみさん、増元るみ子さんらが次々 に拉致された。それから41年、ご両親や兄弟姉妹、多くの日本人がどれ程 心を焦がしても、被害者を取り戻せなかった。だからこそこの機会を逃し てはならない。

トランプ大統領との共同記者会見で安倍首相は「北朝鮮と直接向き合い、 話し合いたい。あらゆる手段を尽くしていく決意だ」と「決意」という言 葉を5度、口にした(『産経新聞』6月8日)。

北朝鮮との話し合いに備えて日本がすべきことは多い。まず、日本の世論 を背景にして北朝鮮に迫ることだ。核・ミサイル問題が正しい方向で解決 に向かうとき――このこと自体を確認するのにかなり難しい作業が必要で容 易ではないが、それが担保されたとして――国際社会は北朝鮮への制裁緩和 に向かうだろう。

トランプ氏はすでに、北朝鮮が戦略的に完全非核化の道を選べば、繁栄す る未来が開ける、北朝鮮には支援が与えられるが、その資金は米国ではな く、韓国や中国、日本が払うだろうと語っている。米国のみならず、中 国、ロシア、韓国も含めた国際社会は日本に支援せよと迫るだろう。その とき、しかし私たちは拉致被害者全員を帰さない限り、資金は出さない と、声をひとつにして主張すべきだ。

これまでの日本の世論、朝日新聞をはじめとするメディア、野党や親北朝 鮮の人々の主張を思い出せば、このような場面になると必ず、彼らは「日 本だけが取り残される」と批判し、だから早く援助の輪の中に入れと言う であろう。いまでも「圧力と言い続ける安倍政権は蚊帳の外」「北朝鮮に 会ってももらえない」という批判がある。

「全員」帰国を

なんという浅慮であろうか。正恩氏を対話の席に導いたのは、斬首作戦も あり得ると、正恩氏に認識させた米国の圧力戦略である。その必要性を繰 り返し、トランプ氏に説いたのが安倍晋三首相である。蚊帳の外というよ り、対北朝鮮戦略の重要な部分を担ってきたのが安倍政権だ。

いま、首相は、「日朝平壌宣言に基づき、不幸な過去を清算して国交を正 常化し、経済協力を行う用意がある」と、北朝鮮に向けて発表している。 2002年9月、小泉純一郎首相(当時)が金正日国防委員長と発表した右の 宣言は、実は「拉致」には直接触れていない。

ただ、第3項に日本国民の生命と安全にかかわる懸案について、北朝鮮側 は、「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後 再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」と書いてあ るだけである。

この部分は拉致被害者を指しているとも解釈できるが、もう拉致はしない というだけでは不十分で、被害者は全員返してもらわなければならないと いう世論をこそ盛り上げたい。

だが、「全員」とは何人か。帰国した人々が全員かどうかをどう確認でき るのかと問う声もある。日本側に「全員」についての明確な情報があるわ けではないため、このような疑問が生ずるのも自然であろう。しかし、帰 国者全員から聞き取り調査をして、拉致された被害者の情報を収集するこ とで、「全員」帰国を北朝鮮が誠実に実施したかどうかは検証できる。そ のことを確認した後、初めて私たちは国交正常化交渉に入れる、それまで は入らないという国民の意思が、ここでも大事である。

そのうえで、「国交正常化の後」日本の援助は行われるという平壌宣言第 2項を実施していくという道筋を受け入れたい。

こうした点について、揺るがない国民世論をいまから固めておきたいものだ。
『週刊新潮』 2018年6月21日号 日本ルネッサンス 第807回



━━━━━━━━━━━
パイナップルも無かった
━━━━━━━━━━━


    渡部 亮次郎

朝と昼の食事のあとは果物を必ず食べる。だから秋は楽しい。果物の種類 が豊富だからだ。冬が近付くとみかんに混じってときどき供されるのがパ イナップルだ。

南国の果物だから生まれ育った秋田では子ども時代はお目にかからなかっ た。敗戦後、缶詰を初めてたべて美味しかった。しかし生を食べたのは大 人になって上京後である。

アメリカから返還される前に特派員として渡った沖縄では畑に植わってい るのを沢山見たが、なぜか食べなかった。今、東京のデパートで売られて いるのは100%フィリピン産である。

「ウィキペディア」によれば、パイナップルの原産地はブラジル、パラナ 川とパラグアイ川の流域地方。この地でトゥピ語族のグアラニー語を用い る先住民により、果物として栽培化されたものである。

15世紀末、ヨーロッパ人が新大陸へ到達した時は、既に新世界の各地に伝 播、栽培されていた。 クリストファー・コロンブスの第2次探検隊が1493 年11月4日、西インド諸島のグアドループ島で発見してからは急速に他の 大陸に伝わった。

1513年には早くもスペインにもたらされ、次いで当時発見されたインド航 路に乗り、たちまちアフリカ、アジアの熱帯地方へ伝わった。

当時海外の布教に力を注いでいたイエズス会の修道士たちは、この新しい 果物を、時のインド皇帝アクバルへの貢物として贈ったと伝えられる。

次いでフィリピンへは1558年、ジャワでは1599年に伝わり広く普及して 行った。605年にはマカオに伝わり、福建を経て、1650年ごろ台湾 に導入 された。

日本には1830年東京の小笠原諸島・父島に初めて植えられた。1845年に オランダ船が長崎へもたらした記録もある。

パイナップル(レユニオン)は植付け後15〜18か月で収穫が始まる。自然 下の主収穫期は、たとえば沖縄では7〜9月と11〜翌年2月である。

1年を通した生産面の労働力の分配や缶詰工場の平準化を図り、植物ホル モンであるエチレンやアセチレン(カーバイドに水を加えて発生させ る)、エスレル(2-クロロエチルホスホン酸)、を植物成長調整剤として 利用し、計画的に花芽形成を促して収穫調節を施している。

栽培適地は年平均気温摂氏20度以上で年降水量1300mm内外の熱帯の平地か ら海抜800mくらいまでの排水の良い肥沃な砂質土壌である。

世界生産量の約5割がアジア州で、残りの5割はアフリカ州、北アメリカ 州、南アメリカ州の間でほぼ均等に分かれている。

2002年時点のFAOの統計によると世界生産量は1485万トン。1985年時点に 比べて60%以上拡大している。主要生産国はタイ (13.3%)、フィリピン (11.0%)、ブラジル (9.9%)、中国 (8.6%)、インド (7.4%)、コスタリカ、 ナイジェリア、ケニア、メキシコ、インドネシアである。

1985年の世界総生産は923万トンで、主産地はタイ、フィリピン、ブラジ ル、インド、アメリカ、ベトナムなどである。日本では沖縄県が主産地で 2002年時点では1万トンである。

1985年から2002年までのシェアの推移をたどると、米国のシェアが6%から 2%までじりじり下がっていることが特徴である。既に米国は上位10カ国に 含まれていない。2012・11・06


                
━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

 ◎会津松平家の初代藩主は徳川秀忠の子で保科家に養子になった保科正之ですが、保科正之の男系子孫は7代藩主までで、8代藩主からは養子でした。9代藩主の松平容保は15歳まで江戸で暮らしていました。松平容保は水戸徳川家6代の徳川治保の男系子孫です。

会津松平家は3代藩主が松平姓と三つ葉葵の紋の永代使用を許されて徳川一門になりましたが、徳川家・松平家から養子を迎えることができるようになったので、保科正之の男系子孫を複数の分家にして会津藩に残そうとしなかったのかもしれません。加賀前田家が三つも分家を用意していたのと対照的です。

松平容保が京都守護職に就任したことが、後々会津家に禍根を残すことになりますが、もし容保が保科正之の男系子孫で会津生まれだったら、違う判断をしたようにも思えます。京都守護職に反対した会津藩家老に西郷頼母がいますが、その養子が小説『姿三四郎』のモデルとなった西郷四郎です。

逆賊とされたこともあった会津藩ですが、皇室はそう思ってなかったようで、白虎隊の兵士だった山川健次郎の姉は明治天皇のフランス語通訳と皇后の女官を務めましたし、昭和天皇の弟の秩父宮のお妃には松平容保の孫の節子が選ばれてます。(まこと)


 ◎前田正晶様へ

いつも貴兄のカタカナ語に対する薀蓄、毎回興味深く拝見しております。
と同時に全くその通りだといつも共感しております。

特に元都知事の石原氏は都知事としては毀誉褒貶がありましたが良くやっ たと思っております。

しかし英会話はダメなのに、妙に話の中に難しいカタカナ語を入れ煙に巻 いておりました。尊敬できませんでしたね。

現知事小池氏は英会話の達人とかで、やたらカタカナ語を入れます。
最初の頃ダイバーシティ(diversity)を多用した時は、英語に素養の無 い小生「お台場の街」かと思いました。多くの人々は戸惑ったのではない かと思います。

今でも老人は(少なくとも私の周囲の)理解しておりません。

どうも小生が推量するに本当の英語の出来ない人で、カッコをつけようと する人に多いようです。貴兄のように本当に英語の分かる方は使いませ ん。ぢゃんとした、立派な日本語を使います。

小生が気に入らぬ言葉は「レガシー」です。遺産という立派な日本語があ ります。

貴兄の益々のご健勝を祈念いたします。都内・松村 隆彦

      

 ◎私は冷静に「コロンビアに勝ったと浮かれている場合ではない」:
前田正晶

改めて落ち着いてあの勝利を振り返ってみよう。私は率直に言って次の ように考えていた。

勝ったのは大いに結構かだとは思うが、申し訳ないことに「我が代表は予 選リーグで1度でも勝てれば上出来だと思え」と予告したほど期待してい なかったので、望外の出来事だったとは思う。だが、テレビ局のように浮 かれて、次のセネガルにまで勝てると思い込まない方が無難だと思う。何 とか勝ってくれと祈っていれば良いのだ。

理由は簡単で、あのコロンビア相手の試合では両方で3点も入ってはいた が、流れの中で取れた(取られた?)点はなかったのだ。それ即ち、我が 方は「キチンとした点を取る形が出来ていなかった(乃至は作らせてくれ なかった)」ということに他ならないのだから。テレビ中継的に言えば 「セットから点を取った」となるのだが、私はそれだけでは評価できない。

悔まれることは、前半に先に点を取った後で香川から左サイドを上がって きたペナルティー・エリアに入った乾に、あれ以上はないというほど良い 斜め前方へのパスが出た時に、私はこの1点を取れば勝てるかなと思った ほど、綺麗な点を取る形が出来ていた。

だが、乾は外した。彼は未だ未だ 信ずるには足らないと思わせた。とい うよりも、あのパラグアイ戦だった かで乾が余りに綺麗に点を取ったの で、マスコミが勝手に過大評価し国民 というかサポーターに期待を持た せただけのことだと思う。

あのような点を取れる形を作れるのが香川の特徴だが、解説者もその長所 に触れず、勿論新聞もテレビも認めなかった。あの試合が負けていれば大 方の責任は乾にあると決めつけたいほど勿体ない失敗だった。

一言だけ乾 を擁護してやれば「余りに良いパスが来ると『外したらどう しよう』と瞬 間的に非常に気になるものだ」という辺りだ。私はあの場 面であれだけの パスを出した香川のセンスを評価したい。より厳しく言 えば「今や昔日の 面影がない本田にあのようなパスを出す力は残ってい ない」となるだろう。

私は現在のあの代表テイーム(私は「寄せ集めである以上、単独テイーム より力が出ないことがある」という説を信奉している)は中心となって所 謂「ゲームメーキング」をする(と言うか出来る)者が不在であるという 問題を抱えていると思って見ている。

解説者もマスコミも柴崎がどうの誰 がどうのと言うが、「強力にテイー ムを引っ張って攻める形を組み立てて いる者がいるか。これなら決める という裏を取ったパスなり、バックスピ ンをかけた縦パスを出している 者がいるのか」と問いたい。

コロンビア戦では失礼かも知れないが、偶々本田が綺麗なCKを蹴って大迫 が上手く合わせたとは言え、安心して見ていられる往年の遠藤保仁のよう なキッカーでありパスを出して組み立てる者がいないのが不安材料だ。但 し、デイフェンスは長友を始めとして安定感がある者で固めてあるので、 あのFKからの1失点で済んだと評価している。だが、守っているだけでは 勝てないのだ。だから、私個人の好みである香川真司を外すなと主張する のだ。

私の偽らざる評価では「大迫君は未だそこまでの領域には達していない。 あの1点がW杯で(何試合出たか知らぬが)初の得点だというのでは褒めす ぎだ。確かに良く戻って守ってもいるし、懸命に動いているが、あのポジ ションに置かれた者は数少ないチャンスを全て決めて「なんぼ」だと思っ ている。

率直に言えば、確実性を上げてくれなくては駄目だ。現在の代表 テイー ムにはそこまでの存在になれそうな強靱な当たりに対応する力と体 格を 備えた者は不在だ。大迫君の一層の精進に期待したい。

と言うことは、依然として今回のW杯では過剰な期待は禁物だという意味 だ。セネガル代表はほとんどの者が欧州のリーグにいるというから、コロ ンビアのような個人技頼みのバラバラのサッカーではないのかも知れな い。遺憾ながら、現在の私の体調ではあの真夜中の試合開始では中継を見 る体力はないと危惧する。故に、得意の「閃き」を活用できるかどうか見 通し不明である。




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

24日の東京湾岸は曇天。

沖縄の梅雨明けが23日気象庁から発表された。東京は何日か。待たれる。

隣りの第3亀戸中学校では土曜で休校なのにうるさい。芝生の校庭に4面 のコートを作ってテニスの練習。女子だからか嬌声で五月蠅い。100人近 い父兄も立って観戦してい た。どこ の家庭でもわが子の健やかな成長を 願っているのだ。午後3時 に は 雨に なった。その前に当然、洗濯物を 取り込んだ。

私は大酒飲みだが呑み始めは午後6時、焼酎3合と決めている。時所構わ ずに?むといわゆるアルコール中毒になると思ってている。午後8時半就 寝、午前4時半起床。朝食後、8時前、散歩に出発。

アル中になった高校の同級生は今年、肺炎で死んだ。享年83。私は脳梗塞 でだろ う。100を超えてから。
                      読者:5576人
                          

                         
□■■□──────────────────────────□■■□ わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4721号
□■■□──────────────────────────□■■□


      2018(平成30)年6月24日(日)



     中国は静かに、しかし着実に中東の油田を:宮崎正弘

     米朝山場、日本は官民あげて拉致解決を:櫻井よしこ

            パイナップルも無かった:渡部亮次郎          
           
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4721号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
               御意見・御感想は:
                  ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
                    下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/

    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中国は静かに、しかし着実に中東の油田を
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)6月23日(土曜日)弐
         通巻第5734号  
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

中国は静かに、着実に中東の油田をおさえ、中東秩序を壊乱している
 ホルムズ海峡に60%の原油輸入ルートを依存する日本の脆弱性
*********************************

日本はイランとオマーンに挟まれたホルムズ海峡に60 %の原油輸入ルー トを依存する。紅海ルートを含めると80%、そのうえガスをカタールに大 きく依存している。

この日本の資源ルートの脆弱性は過去半世紀にわたって有識者から指摘さ れているにもかかわらず、エネルギー依存源を多岐に分散していないのは 日本政治の貧困からか、戦略的発想が不得手だからのなのか。

対照的な対応をとるのが、いわずとしれた中国である。

米国のイラン制裁の余波でイランから撤収をはじめたフランスのトタル社 の鉱区利権は中国シノペックが横取りする。

中国はイラン、イラク、クエート、サウジアラビア、UAEからも大量の 石油を輸入している。

中東の地図をじっくり眺めてみよう。

 ホルムズ海峡からぐるりと時計回りにオマーン、イエーメンを回って西 南へ行くと「紅海ルート」の入り口。手前がソマリアの海賊が横行するア デン湾、そこからスエズ運河へ向かうタンカーや船舶はイエーメンとジブ チに挟まれるマンドス海峡(「パブルマンデブ海峡」が正式名称)を航行 し、サウジの西海岸の石油積み出し港ジェッダへ向かう。

サウジの石油は西海岸のカフジ油田が有名だが、長いパイプラインを西へ も敷設して、ジェッダからも輸出している。その先がシャルムエルシェイ ク、そしてエジプトのスエズ運河だ。シャルムエルシェイクはいまではロ シア人の保養地となっており、2年ほどまえにもロシアの飛行機が墜落 し、世界から注目を集めた。

この地図を地政学的に解釈すると次のようになる。

資源を一つのルートに依存するのは安全保障上からも危険極まりなく、嘗 て大英帝国が七つの海を支配して世界に覇権をとなえることができたの は、船舶が通過せざるを得ないチョークポイントを軍事的に抑えたからで ある。

今も英国はジブラルタルを抑え、シンガポールに拠点を構築している。
 
日本はマラッカ、ロンボク海峡に原油タンカーの航行ルートを依拠してい るが、その北が南シナ海で広大な海を中国が見張っている。


 ▲中国はなぜジブチに一万人の軍事基地をつくったのか

さてマンドス海峡ルートだ。

この狭窄な海峡の西が内戦中のイエーメン。しかもイエーメンの西南部は イランの支援を受けたシーア派の軍事拠点だ。この武装組織をサウジアラ ビアとUEAが空爆し、直近では地上軍も派遣したが、完全に制圧できて いない。イランからの武器はアデン湾あたりから陸揚げされている様子だ。

対岸のジブチは米軍海軍基地があり、その隣が中国の軍事基地である。国 軍が1万人規模で駐屯している。

中国が開発した南スーダンの原油も、700キロのパイプラインを通って、 ポート・オブ・スーダンに運ばれ、一日20万バーレルが紅海ルートを南下 して中国に運ばれる。なんのために中国軍がジブチにいるのか、もはや説 明の必要がないだろう。

中国は中東諸国に「一帯一路」をセットにしたプロジェクトの妙味と経済 発展を語り、イランもイラクもクエートも、カタールもUAEも中国の投 資を当てにする。ドバイの高級マンションは中国の温州集団が巨額を投機 した。

その上で中国は長距離ミサイルをサウジアラビアに供与して、サウド王家 に深く食い入り、サウジアラビアからも大量の石油を輸入している。あま つさえ中国はサウジアラビアから「砂」も買っている。大量の砂はセメン ト材料であるため、土木事業が旺盛な中国には必要だからだ。

こうした状況下にあって、トランプのアメリカは中東に興味を失いつつある。

なぜなら国内のシェールガス開発が成功し、原油とガスは自給自足が出来 るからだ。残る問題はイランの核武装阻止であり、トランプはオバマ前政 権が主導した「核合意」からあっさりと離脱した。欧州との亀裂は、この 措置にEU諸国が反撥してからだ。

サウジアラビアは米国が最後まで守ってくれるとは考えなくなった。

オバマ前大統領がリヤドを訪問したときは冷遇された。投資も先細りにな り、皇太子の呼びかけた文明国への脱皮のための近代化プログラムにも米 国は興味を示さない。

米国とサウジの冷却をチャンスと捉えたのがロシアだった。サウジ王と皇 太子は、頻繁にモスクワを訪問するようになった。


 ▲中東の基本構造はサウジとイランの対決だが。。。。。。

中東の基本構図はサウジアラビアとイランの対決である。

しかしトランプは、イランとの核合意離脱、エルサレムへの大使館移転を やり遂げたが、サウジのためというより、イスラエル対策であり、全米 600万のユダヤ票田の掘り起こしと、ユダヤ人実業家からの献金が副次 的狙いとみてよいだろう。

サウジはイランの西側の背後にあるアフガニスタン、パキスタンに支援お 手をさしのべているが、とくにパキスタンには巨額を寄付した世界最大の モスクを寄付したほか、核兵器開発の胴元となった。もしイランが核武装 すれば、サウジはパキスタンから相応分の核兵器を移転させるか、あるい はパキスタンから代理行為をさせるだろう。
 
トランプはアリバイ証明的にシリアにミサイルを59発お見舞いしたが、 事前にロシアに通知していたので、標的とされた場所には誰もいなかった。

この打算的外交を知っているネタニヤフイスラエル首相も、モスクワに近 付いてバランスを取り、さらには中国と軍事技術の提携に走って相当密接 な関係を築いている。イスラエルはヨルダン、レバノンに展開しているヒ ズボラ、ハマスなどイラン代理兵の軍事拠点をミサイル攻撃しているが、 これは間接的にはサウジの安全保障にも寄与するからサウジは米大使館の エルサレム移転に反対しなかった。

不思議なことにエジプトも黙っていた。つまりアラブ諸国はパレスチナ支 援などと口では唱えているが、もはや政治生命をかけて支援するほどの問 題ではないのである。

イランは周囲を囲まれ、孤立したかに見える。

ところが背後から支援の手をさしのべ、武器を供与し、石油を堂々と輸入 しているのが中国であり、イランにも、サウジにもシリア同様に手を伸ば しているのがロシアという輻湊した構造になる。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━
米朝山場、日本は官民あげて拉致解決を
━━━━━━━━━━━━━━━━━━


            櫻井よしこ

「金正恩が話のできる男かどうかは、私は会って1分で判断できる」。ト ランプ米大統領は記者会見でこう語った後、カナダでの先進7か国首脳会 議を早めに切り上げて、シンガポールに向かった。

この記事が皆さんの目にとまる頃、史上初の米朝首脳会談の結果が吉か凶 か、明らかになっているだろう。

世界最強国の大統領と、世界で最も多くの嘘をついてきた国のひとつ、北 朝鮮の独裁者が合意に達するには、北朝鮮が核・ミサイルの廃棄を確約し なければならない。許されざる人道問題である拉致を、「被害者全員の帰 国」を大前提として解決しなければならない。

北朝鮮に核・ミサイルを放棄させられなければ、ただでさえ、すでに崩壊 しているといわれる国際社会の核拡散防止条約(NPT)体制は、さらに 悪化し、核保有国が次々にふえる世界になってしまうだろう。また、拉致 を解決できなければ、究極のテロの前で、世界は無力化する。

この二つの問題のいずれも、北朝鮮の3代にわたる政権が元凶である。彼 らは自身の栄華と生き残りのためにあらゆる悪に手を染めてきた。常識も 良識も通じないが、生き残りのための状況分析には、鋭い嗅覚を持つ人々だ。

だからこそ、昨年9月23日、ステルス性が高く、60トンもの爆弾を運べる B─1B爆撃機2機を米軍が北朝鮮の元山上空に飛行させたとき、そして正 恩氏らが、貧弱な防空態勢ゆえに2機の飛来にまったく気付かなかったと き、彼は本気で米軍の斬首作戦を恐れ始めた。それ以降、人が変わったよ うに核やミサイルの実験を控えるようになった。

国民の命や生活よりも自身の命を最も心配する正恩氏に対しては、その弱 点をつけばよい。十分な軍事力と強い意思に基づく戦略を保持して、しか し、友好的な笑みを忘れずに、初回の会談をこなすのが、一番よい。

日本がすべきこと

この点について6月10日、交詢社の第10回オープンフォーラムの基調講演 で河野太郎外務大臣が語った。

「日本には多くの誤解に基づく解説が溢れています。トランプ政権内にポ ンペオ国務長官とボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の、対 北朝鮮宥和派と強硬派の対立があるなどと言われていますが、それはあり ません。米国政府内で基本方針は共有されています。最大限の圧力という 言葉をトランプ大統領が使わなくなったので宥和策に傾いているとの指摘 も間違いです。北朝鮮が核を放棄しない限り、現行の制裁は緩めない。た だ、交渉のテーブルにつこうとしている今だから、『最大限の圧力』と言 わないだけです」

12日からの米朝首脳会談の行方は、会談前日の段階でも予測困難な面はあ るにせよ、河野氏の見通しは日本にとって心強い。6月7日に安倍晋三首相 と行った共同記者会見でのトランプ氏の言葉にも期待する。

トランプ氏は「拉致問題は、首相にとって重要なことだと理解している。 首相の望みに沿って、絶対に、絶対に北朝鮮との議題にする」と強調した。

客観的に見て、私たちはいま、拉致の解決に最も近づいている。1977年か ら78年にかけて、久米裕さん、横田めぐみさん、増元るみ子さんらが次々 に拉致された。それから41年、ご両親や兄弟姉妹、多くの日本人がどれ程 心を焦がしても、被害者を取り戻せなかった。だからこそこの機会を逃し てはならない。

トランプ大統領との共同記者会見で安倍首相は「北朝鮮と直接向き合い、 話し合いたい。あらゆる手段を尽くしていく決意だ」と「決意」という言 葉を5度、口にした(『産経新聞』6月8日)。

北朝鮮との話し合いに備えて日本がすべきことは多い。まず、日本の世論 を背景にして北朝鮮に迫ることだ。核・ミサイル問題が正しい方向で解決 に向かうとき――このこと自体を確認するのにかなり難しい作業が必要で容 易ではないが、それが担保されたとして――国際社会は北朝鮮への制裁緩和 に向かうだろう。

トランプ氏はすでに、北朝鮮が戦略的に完全非核化の道を選べば、繁栄す る未来が開ける、北朝鮮には支援が与えられるが、その資金は米国ではな く、韓国や中国、日本が払うだろうと語っている。米国のみならず、中 国、ロシア、韓国も含めた国際社会は日本に支援せよと迫るだろう。その とき、しかし私たちは拉致被害者全員を帰さない限り、資金は出さない と、声をひとつにして主張すべきだ。

これまでの日本の世論、朝日新聞をはじめとするメディア、野党や親北朝 鮮の人々の主張を思い出せば、このような場面になると必ず、彼らは「日 本だけが取り残される」と批判し、だから早く援助の輪の中に入れと言う であろう。いまでも「圧力と言い続ける安倍政権は蚊帳の外」「北朝鮮に 会ってももらえない」という批判がある。

「全員」帰国を

なんという浅慮であろうか。正恩氏を対話の席に導いたのは、斬首作戦も あり得ると、正恩氏に認識させた米国の圧力戦略である。その必要性を繰 り返し、トランプ氏に説いたのが安倍晋三首相である。蚊帳の外というよ り、対北朝鮮戦略の重要な部分を担ってきたのが安倍政権だ。

いま、首相は、「日朝平壌宣言に基づき、不幸な過去を清算して国交を正 常化し、経済協力を行う用意がある」と、北朝鮮に向けて発表している。 2002年9月、小泉純一郎首相(当時)が金正日国防委員長と発表した右の 宣言は、実は「拉致」には直接触れていない。

ただ、第3項に日本国民の生命と安全にかかわる懸案について、北朝鮮側 は、「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後 再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した」と書いてあ るだけである。

この部分は拉致被害者を指しているとも解釈できるが、もう拉致はしない というだけでは不十分で、被害者は全員返してもらわなければならないと いう世論をこそ盛り上げたい。

だが、「全員」とは何人か。帰国した人々が全員かどうかをどう確認でき るのかと問う声もある。日本側に「全員」についての明確な情報があるわ けではないため、このような疑問が生ずるのも自然であろう。しかし、帰 国者全員から聞き取り調査をして、拉致された被害者の情報を収集するこ とで、「全員」帰国を北朝鮮が誠実に実施したかどうかは検証できる。そ のことを確認した後、初めて私たちは国交正常化交渉に入れる、それまで は入らないという国民の意思が、ここでも大事である。

そのうえで、「国交正常化の後」日本の援助は行われるという平壌宣言第 2項を実施していくという道筋を受け入れたい。

こうした点について、揺るがない国民世論をいまから固めておきたいものだ。
『週刊新潮』 2018年6月21日号 日本ルネッサンス 第807回



━━━━━━━━━━━
パイナップルも無かった
━━━━━━━━━━━


    渡部 亮次郎

朝と昼の食事のあとは果物を必ず食べる。だから秋は楽しい。果物の種類 が豊富だからだ。冬が近付くとみかんに混じってときどき供されるのがパ イナップルだ。

南国の果物だから生まれ育った秋田では子ども時代はお目にかからなかっ た。敗戦後、缶詰を初めてたべて美味しかった。しかし生を食べたのは大 人になって上京後である。

アメリカから返還される前に特派員として渡った沖縄では畑に植わってい るのを沢山見たが、なぜか食べなかった。今、東京のデパートで売られて いるのは100%フィリピン産である。

「ウィキペディア」によれば、パイナップルの原産地はブラジル、パラナ 川とパラグアイ川の流域地方。この地でトゥピ語族のグアラニー語を用い る先住民により、果物として栽培化されたものである。

15世紀末、ヨーロッパ人が新大陸へ到達した時は、既に新世界の各地に伝 播、栽培されていた。 クリストファー・コロンブスの第2次探検隊が1493 年11月4日、西インド諸島のグアドループ島で発見してからは急速に他の 大陸に伝わった。

1513年には早くもスペインにもたらされ、次いで当時発見されたインド航 路に乗り、たちまちアフリカ、アジアの熱帯地方へ伝わった。

当時海外の布教に力を注いでいたイエズス会の修道士たちは、この新しい 果物を、時のインド皇帝アクバルへの貢物として贈ったと伝えられる。

次いでフィリピンへは1558年、ジャワでは1599年に伝わり広く普及して 行った。605年にはマカオに伝わり、福建を経て、1650年ごろ台湾 に導入 された。

日本には1830年東京の小笠原諸島・父島に初めて植えられた。1845年に オランダ船が長崎へもたらした記録もある。

パイナップル(レユニオン)は植付け後15〜18か月で収穫が始まる。自然 下の主収穫期は、たとえば沖縄では7〜9月と11〜翌年2月である。

1年を通した生産面の労働力の分配や缶詰工場の平準化を図り、植物ホル モンであるエチレンやアセチレン(カーバイドに水を加えて発生させ る)、エスレル(2-クロロエチルホスホン酸)、を植物成長調整剤として 利用し、計画的に花芽形成を促して収穫調節を施している。

栽培適地は年平均気温摂氏20度以上で年降水量1300mm内外の熱帯の平地か ら海抜800mくらいまでの排水の良い肥沃な砂質土壌である。

世界生産量の約5割がアジア州で、残りの5割はアフリカ州、北アメリカ 州、南アメリカ州の間でほぼ均等に分かれている。

2002年時点のFAOの統計によると世界生産量は1485万トン。1985年時点に 比べて60%以上拡大している。主要生産国はタイ (13.3%)、フィリピン (11.0%)、ブラジル (9.9%)、中国 (8.6%)、インド (7.4%)、コスタリカ、 ナイジェリア、ケニア、メキシコ、インドネシアである。

1985年の世界総生産は923万トンで、主産地はタイ、フィリピン、ブラジ ル、インド、アメリカ、ベトナムなどである。日本では沖縄県が主産地で 2002年時点では1万トンである。

1985年から2002年までのシェアの推移をたどると、米国のシェアが6%から 2%までじりじり下がっていることが特徴である。既に米国は上位10カ国に 含まれていない。2012・11・06


                
━━━━━━━
重 要 情 報
━━━━━━━

 ◎会津松平家の初代藩主は徳川秀忠の子で保科家に養子になった保科正之ですが、保科正之の男系子孫は7代藩主までで、8代藩主からは養子でした。9代藩主の松平容保は15歳まで江戸で暮らしていました。松平容保は水戸徳川家6代の徳川治保の男系子孫です。

会津松平家は3代藩主が松平姓と三つ葉葵の紋の永代使用を許されて徳川一門になりましたが、徳川家・松平家から養子を迎えることができるようになったので、保科正之の男系子孫を複数の分家にして会津藩に残そうとしなかったのかもしれません。加賀前田家が三つも分家を用意していたのと対照的です。

松平容保が京都守護職に就任したことが、後々会津家に禍根を残すことになりますが、もし容保が保科正之の男系子孫で会津生まれだったら、違う判断をしたようにも思えます。京都守護職に反対した会津藩家老に西郷頼母がいますが、その養子が小説『姿三四郎』のモデルとなった西郷四郎です。

逆賊とされたこともあった会津藩ですが、皇室はそう思ってなかったようで、白虎隊の兵士だった山川健次郎の姉は明治天皇のフランス語通訳と皇后の女官を務めましたし、昭和天皇の弟の秩父宮のお妃には松平容保の孫の節子が選ばれてます。(まこと)


 ◎前田正晶様へ

いつも貴兄のカタカナ語に対する薀蓄、毎回興味深く拝見しております。
と同時に全くその通りだといつも共感しております。

特に元都知事の石原氏は都知事としては毀誉褒貶がありましたが良くやっ たと思っております。

しかし英会話はダメなのに、妙に話の中に難しいカタカナ語を入れ煙に巻 いておりました。尊敬できませんでしたね。

現知事小池氏は英会話の達人とかで、やたらカタカナ語を入れます。
最初の頃ダイバーシティ(diversity)を多用した時は、英語に素養の無 い小生「お台場の街」かと思いました。多くの人々は戸惑ったのではない かと思います。

今でも老人は(少なくとも私の周囲の)理解しておりません。

どうも小生が推量するに本当の英語の出来ない人で、カッコをつけようと する人に多いようです。貴兄のように本当に英語の分かる方は使いませ ん。ぢゃんとした、立派な日本語を使います。

小生が気に入らぬ言葉は「レガシー」です。遺産という立派な日本語があ ります。

貴兄の益々のご健勝を祈念いたします。都内・松村 隆彦

      

 ◎私は冷静に「コロンビアに勝ったと浮かれている場合ではない」:
前田正晶

改めて落ち着いてあの勝利を振り返ってみよう。私は率直に言って次の ように考えていた。

勝ったのは大いに結構かだとは思うが、申し訳ないことに「我が代表は予 選リーグで1度でも勝てれば上出来だと思え」と予告したほど期待してい なかったので、望外の出来事だったとは思う。だが、テレビ局のように浮 かれて、次のセネガルにまで勝てると思い込まない方が無難だと思う。何 とか勝ってくれと祈っていれば良いのだ。

理由は簡単で、あのコロンビア相手の試合では両方で3点も入ってはいた が、流れの中で取れた(取られた?)点はなかったのだ。それ即ち、我が 方は「キチンとした点を取る形が出来ていなかった(乃至は作らせてくれ なかった)」ということに他ならないのだから。テレビ中継的に言えば 「セットから点を取った」となるのだが、私はそれだけでは評価できない。

悔まれることは、前半に先に点を取った後で香川から左サイドを上がって きたペナルティー・エリアに入った乾に、あれ以上はないというほど良い 斜め前方へのパスが出た時に、私はこの1点を取れば勝てるかなと思った ほど、綺麗な点を取る形が出来ていた。

だが、乾は外した。彼は未だ未だ 信ずるには足らないと思わせた。とい うよりも、あのパラグアイ戦だった かで乾が余りに綺麗に点を取ったの で、マスコミが勝手に過大評価し国民 というかサポーターに期待を持た せただけのことだと思う。

あのような点を取れる形を作れるのが香川の特徴だが、解説者もその長所 に触れず、勿論新聞もテレビも認めなかった。あの試合が負けていれば大 方の責任は乾にあると決めつけたいほど勿体ない失敗だった。

一言だけ乾 を擁護してやれば「余りに良いパスが来ると『外したらどう しよう』と瞬 間的に非常に気になるものだ」という辺りだ。私はあの場 面であれだけの パスを出した香川のセンスを評価したい。より厳しく言 えば「今や昔日の 面影がない本田にあのようなパスを出す力は残ってい ない」となるだろう。

私は現在のあの代表テイーム(私は「寄せ集めである以上、単独テイーム より力が出ないことがある」という説を信奉している)は中心となって所 謂「ゲームメーキング」をする(と言うか出来る)者が不在であるという 問題を抱えていると思って見ている。

解説者もマスコミも柴崎がどうの誰 がどうのと言うが、「強力にテイー ムを引っ張って攻める形を組み立てて いる者がいるか。これなら決める という裏を取ったパスなり、バックスピ ンをかけた縦パスを出している 者がいるのか」と問いたい。

コロンビア戦では失礼かも知れないが、偶々本田が綺麗なCKを蹴って大迫 が上手く合わせたとは言え、安心して見ていられる往年の遠藤保仁のよう なキッカーでありパスを出して組み立てる者がいないのが不安材料だ。但 し、デイフェンスは長友を始めとして安定感がある者で固めてあるので、 あのFKからの1失点で済んだと評価している。だが、守っているだけでは 勝てないのだ。だから、私個人の好みである香川真司を外すなと主張する のだ。

私の偽らざる評価では「大迫君は未だそこまでの領域には達していない。 あの1点がW杯で(何試合出たか知らぬが)初の得点だというのでは褒めす ぎだ。確かに良く戻って守ってもいるし、懸命に動いているが、あのポジ ションに置かれた者は数少ないチャンスを全て決めて「なんぼ」だと思っ ている。

率直に言えば、確実性を上げてくれなくては駄目だ。現在の代表 テイー ムにはそこまでの存在になれそうな強靱な当たりに対応する力と体 格を 備えた者は不在だ。大迫君の一層の精進に期待したい。

と言うことは、依然として今回のW杯では過剰な期待は禁物だという意味 だ。セネガル代表はほとんどの者が欧州のリーグにいるというから、コロ ンビアのような個人技頼みのバラバラのサッカーではないのかも知れな い。遺憾ながら、現在の私の体調ではあの真夜中の試合開始では中継を見 る体力はないと危惧する。故に、得意の「閃き」を活用できるかどうか見 通し不明である。




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

24日の東京湾岸は曇天。

沖縄の梅雨明けが23日気象庁から発表された。東京は何日か。待たれる。

隣りの第3亀戸中学校では土曜で休校なのにうるさい。芝生の校庭に4面 のコートを作ってテニスの練習。女子だからか嬌声で五月蠅い。100人近 い父兄も立って観戦してい た。どこ の家庭でもわが子の健やかな成長を 願っているのだ。午後3時 に は 雨に なった。その前に当然、洗濯物を 取り込んだ。

私は大酒飲みだが呑み始めは午後6時、焼酎3合と決めている。時所構わ ずに?むといわゆるアルコール中毒になると思ってている。午後8時半就 寝、午前4時半起床。朝食後、8時前、散歩に出発。

アル中になった高校の同級生は今年、肺炎で死んだ。享年83。私は脳梗塞 でだろ う。100を超えてから。
                      読者:5576人
                          

                         

                           

                          



                      
              






        


                         

                           

                          



                      
              






        


規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。