政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4693 号  2018・5・22(火)

2018/05/22

                                
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4693号
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      2018(平成30)年5月22日(火)



          「イラン核合意」からの離脱:宮崎正弘

        淀川河底に「俳人蕪村の生家」: 毛馬一三

         朝鮮半島勢力巡る歴史的闘い:櫻井よしこ

           
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4693号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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「イラン核合意」からの離脱
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)5月21日(月曜日)
         通巻第5707号 
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トランプの「イラン核合意」からの離脱、次に起こることは何か?
  仏トタルが撤退すれば「イランのガス油田開発利権」はCNPCが引 き継ぐ
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2015年に欧米とイランが合意に達した「イラン核合意」とは、究極的なイ ランの非核化ではなく、反対に将来のイランの核武装に含みを持たせるザ ル法に近い。

トランプ政権の分析によれば、不用意極まりないものとされ、2025年以降 には制限も段階的に解消されてしまう内容だった。

なぜなら濃縮ウランの備蓄を減らすことしか謳われておらず、技術が保全 される。弾道ミサイルの開発は制限されておらず、さらにはイラン系のテ ロリスト支援を制限できない。トランプは批判したように、「イラン核合 意は絵空事」だったからである。

しかしオバマが最終的に署名し、じつは欧米メジャーは欣快として一斉に イランに戻った。欧米メジャーがイランの原油ならびにガス鉱区の開発に 勤しんできた。イランと欧州諸国との貿易は十倍に膨らんだ。

トランプは再びイランへの制裁強化に踏み切った。

そうなると自業自得になって欧米にはねかえる。だから反対論が欧州諸国 には根強い。なぜなら開発途次の油田の利権を失いかねないからだ。
メルケルもマクロンも、トランプに対して執拗に「イラン核合意に復帰せ よ」と呼びかけるのだ。

 だがトランプは正反対に制裁を強化した。離脱声明(5月8日)直後の 10日にはUAEの9個人と団体にドル調達網を遮断するための制裁を講 じた。在米の資産凍結がムニューチン財務長官から発表された。

これはイランの革命防衛隊の中枢部隊とされる「コッズ部隊」がUEAの 金融機関などにダミー口座を設け、イラク、シリア、レバノンなどの過激 テロ組織に資金を流し、武器を調達したと見られるからである。

すでに直撃を受けたのは仏トタル社。イランで開発途中の天然ガスプラン トは10億ドル、この九割にあたる9億ドルを米銀からの借り入れで行って きたため、事業の継続が危ぶまれる。はやくも仏トタルの利権は中国の CNPC(中国石油天然気集団)が引き受けると観測されている。

中国はイランにおいてい、「一帯一路」(BRI)プロジェクトの一環と してすでに鉄道工事を始めており、さらに昨年9月に100億ドルの信用供 与を行った。イランと中国の貿易額は2017年度に370億ドルの実績があ る。主として、中国への原油輸出である。

しかしイランが核武装となれば、中東の軍事バランスは劇的に変わるだろう。

イスラエルは80発以上の核兵器を保有すると観測されるが、イランが核武 装に乗り出せば、サウジアラビアは瞬時に核武装できる。

なぜなら膨大な開発資金を供与してパキスタンに核武装させたうえ、その うちの20%程度を、いつでもパキスタンはサウジへ渡すという秘密の合 意があるからだ。パキスタンは現在、80−120発の核兵器を保有すると米 国情報筋は推定している。


中東地図はイランが支援するイラク、シリア、レバノンが反イスラエル闘 争を繰り広げており、またイエーメンはイランとサウジアラビアの代理戦 争の様相、カタールはサウジなど周辺国から貿易を遮断され孤立、これで シリアが片付けば、つぎにレバノンに戦火が飛び火する危険性が高い。



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淀川河底に「俳人蕪村の生家」
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        毛馬 一三

江戸時代の俳人与謝蕪村の生家は、淀川の河底に埋没しているのは間違い ないのですが、一体河底の何処に埋没させられて仕舞ったのでしょうか。 詳しい場所は未だ不明です。

確かに、大阪毛馬の淀川堤防に「蕪村生誕地」と書いた「記念碑」が建立 されてはいます。しかし「蕪村生誕し幼少を過ごした生家」は、この場所 ではないことははっきりしています。

実は「蕪村の生家」が、冒頭に記したように、淀川堤防から眼下に見える 「淀川の川底」に在るのは事実です。なぜ淀川の川底に埋没されたので しょうか。これは追々。

徳川時代の淀川は、よく手入れが行われていましたが、明治維新後は中々 施されていなかったのです。ところが、明治18年に淀川上流の枚方で大水 害が起き、下流の大阪で大被害を受けたことをきっかけに、明治政府が やっと淀川の本格的改修に乗り出しました。

その際明治政府は、単なる災害防止ためだけではなく、大阪湾から大型蒸 気船を京都伏見まで通わるせる航行で「経済効果」などの多目的工事に専 念することを決めました。

そのために淀川の河川周辺の陸地を大幅に埋め立て、それまでの小さな淀 川を 大きな河川にする大改修を立案したのです。

これに伴い、旧淀川沿いにあった「蕪村生家」地域は埋め立ての対象とな り、すべて「河川改修工事」によって川底に埋められて仕舞いました。

さて、明治政府は関西の大型河川・淀川を大改修するため、オランダから 招いた河川設計者・デ・レーケとフランス留学から帰国していた設計士沖 野忠雄とを引き合わせ、「淀川大改修」の設計を依頼しました。

明治政府の依頼を受けた2人は、「大改修工事」の設計を創り上げ、明治 29年から工事を開始しました。

とにかくこの大型改修設計は、大阪湾に京都の宇治川や桂川、奈良からの 木津川を中津川に合流させ、一気に淀川として大阪湾に繫ぐ、巨大な設計 でした。

そうすれば貨物蒸気船を大阪湾と京都を結んで航行させることが出来、逆 に京都・枚方などで大水害が起きた場合でも大量の水量をさらりと、大阪 湾に流すことが出来るのです。2本立ての「効果狙いの設計」でした。

勿論、上流の災害で流出してくる「土砂」が、大阪に被害を与えないため 「毛馬閘門」設計も創りました。

これが淀川から大阪市内に分岐させる「毛馬閘門」の設計主旨だったので す。この「毛馬閘門」からは、淀川本流から分岐して大阪市内へ流れる河 川を設計しました。その河川の名を「大川」と名付けたのです。

この「大川への分岐設計」で、上流の水害に伴う土砂流失の回避は実現 し、大阪の上流からの防災は、今日まで護られているのです。

このように2人による設計書は、世界の河川工事技術水準に準じたもの で、明治政府が施工した「河川大改修工事」としては全国的に見ても画期 的なものでした。

同工事は、明治29年から明治43年まで行われ、設計通り完成しました。

ここから本題。この「河川大改修工事」によって、与謝蕪村が生まれ、幼 少を過ごした大阪市都島区毛馬町(摂津国東成郡毛馬村)は、跡形もなく 淀川に埋没させられ、深い川底に沈んで仕舞いました。

明治政府の強制でしたから、当時の住民は仕方なくそれに従ったようです が、川幅も660?(従来の30数倍)となり、浅かった河の深さも5?の 巨大河川に変容したのです。

この住居埋没の強制工事で、前述の如く、蕪村の生家(庄屋?)は勿論、 お寺、菜の花畑、毛馬胡瓜畑跡などの、当時の地域の様子は皆目全くわか りません。今は淀川の毛馬閘門近郊にある蕪村記念碑から、淀川の眼下に 見える川底が「蕪村が幼少を過ごした生家地域」だと想起出来るだけで、 寂しい限りです。

淀川近郊の蕪村家(庄屋)の後継者の方といわれる毛馬町の家を訪ね、 「家歴」を伺いました。しかし、「地図」も無いし、お寺も埋没して「過 去帳」もないために、蕪村生誕地が淀川の河底にありことは間違いないで すが、今でもどのあたりの河底にあるのか分かないのです。」という答え が返って来ただけでした。

「蕪村生誕300年記念」を、2016年に迎えました。大阪毛馬町の「蕪村公 園」を通り過ぎて、「毛馬閘門」と「蕪村記念碑」ある淀川堤防の上から 眼下に流れる「淀川」を見ながら、その河底に蕪村生誕地があることを想 いつつ、蕪村が幼少期をここで過ごしたのかと、瞑想することが、よくあ ります。

ところで本題。淀川近郊の蕪村家(庄屋)は、大阪毛馬町に在る「淀川神 社」の氏子でした。このため年間の祭事や祈願の折は、この「淀川神社」 に父母と一緒に蕪村「幼名―寅」は、参詣に通ったことが、江戸時代の慣 習から推察出来ます。

また蕪村が、毛馬村を出奔し江戸へ下る決意を固めた時、氏子の立場から 「淀川神社」に参詣し、将来の生き方を祈願したことは、当然のことと考 えられます。

そこで、今の「淀川神社」の境内に、蕪村生誕300年の前年の12月21 日、協賛者のお力を頂いて高さ1m60?の銅製の「蕪村銅像」を建立しま した。

今年28年1月からは「蕪村生誕300年の年」でした。そこでこの年の1月23 日午後1時から大勢の人たちや外国ウクライナの女性も「淀川神社」に集 まって、「蕪村銅像建立の除幕式」を行いました。

望郷の念の強い「蕪村」は、この「生誕地参詣神社に銅像が建立する」こ とに喜んでくれて帰郷して呉れているでしょう。また「淀川神社」も、 「蕪村参詣神社」として、後世に伝承されるでしょう。

どうか「蕪村銅像」の拝観にきて頂くよう心からお願い致します。

 取材先:国交省近畿地方整備局淀川河川事務所


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朝鮮半島勢力巡る歴史的闘い
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       櫻井よしこ

「朝鮮半島勢力巡る歴史的闘いが展開中も日本の野党は政治責任を果たし ていない」

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の動きが派手派手しい。5月7日から8 日、妹の与正氏と共に中国の大連を訪れた。習近平国家主席と共におさ まった幾葉もの写真を北朝鮮の「労働新聞」に掲載し、米国に対して「僕 には中国がついているぞ」と訴えるのに懸命である。

懐の窮鳥を庇うように、中国共産党を代弁する国営通信社の新華社は「関 係国が敵視政策と安全への脅威をなくしさえすれば核を持つ必要はない」 と正恩氏が語ったと伝えた。

習氏は8日、トランプ米大統領に電話し、「米国が北朝鮮の合理的な安全 保障上の懸念を考慮することを希望する」と語った。正恩氏を囲い込み、 米国の脅威から守ってやるという中国の姿勢であろう。

9日には北朝鮮の招待でポンペオ米国務長官が平壌を訪れ正恩氏と会談、 北朝鮮に拘束されていた米国人3人は解放されて、ポンペオ氏と共に米東 部時間で10日未明にワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した。

トランプ大統領から早速、安倍晋三首相に電話があった。米国人3人の解 放に祝意を述べた首相の思いは、日本人拉致被害者の上にあったことだろう。

この間の9日、東京では日中韓の首脳会談が開催されたが、日本と中韓の 間にある大きなギャップは埋めきれていない。会談後の記者会見で安倍首 相は朝鮮半島情勢への対応を三首脳で綿密に話し合ったと述べたが、日米 の主張する「完全で検証可能な、不可逆的な核・弾道ミサイルの廃棄」 (CVID)という言葉も、北朝鮮への圧力という表現も三首脳の口から は出なかった。

拉致について安倍首相は、「早期解決に向けて、両首脳の支援と協力を呼 びかけ、日本の立場に理解を得た」と述べたが、中韓両首脳は拉致には共 同記者発表の席で言及していない。彼らの発言は徹底して自国の国益中心 である。

中国の李克強首相は朝鮮半島の核に関して、「対話の軌道に戻る」ことを 歓迎し、経済に関しては「自由貿易維持」を強調した。北朝鮮の核問題は 時間をかけて、話し合いで折り合うべきだというもので、軍事力行使をチ ラつかせる米国への牽制である。自由貿易に関する発言も、米国第一で保 護貿易に傾く米政権への対抗姿勢だ。

韓国の文在寅大統領は、日中双方が板門店宣言を歓迎したと語った。拉致 にも慰安婦にも触れずに言及した板門店宣言は、二分されている朝鮮民族 の再統一を前面に押し出したものだ。「北朝鮮の非核化」ではなく、米韓 同盟の消滅をも示唆する「朝鮮半島の非核化」を強調するものでもある。

今回の首脳会談からは3か国が足並みを揃えて懸案を解決する姿勢より も、同床異夢の様相が浮き彫りにされた。

10日の電話会談でトランプ氏は、北朝鮮問題で「日本はビッグ・プレー ヤーだ」と述べたという。いま、朝鮮半島勢力を巡って日清戦争前夜と いってもよい歴史的な闘いが展開中だ。朝鮮半島を中国が握るのか、米国 が握るのか、そのせめぎ合いの最前線に私たちはいる。

日本の命運を大きく揺るがすこの局面で叡知を集め、対策を練り、何とし てでも拉致被害者を取り戻し、北朝鮮の核、ミサイル、生物兵器をなくす べき時だ。日本全体が団結することなしには達成できない課題である。

だが、国会審議を拒否して半月以上も連休した野党は、国会審議に戻った かと思えば、まだ、加計学園問題をやっている。立憲民主党の長妻昭氏は 「疑惑は深まったというよりも、予想以上に深刻だ。徹底的に腰を据えて 国会でやらないといけない」と語った。

だが、獣医学部新設は既得権益と岩盤規制を打ち破る闘いで、改革派がそ れを打ち破っただけのことだ。長妻氏の非難は的外れである。朝鮮半島大 激変の最中、国民を取り戻し、国民の命を守るにはどうすべきかを論じ、 実行しなければならない。野党の多くは政治の責任を果たしていない。

『週刊ダイヤモンド』 2018年5月19日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1231 


       
  
       
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重 要 情 報
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 ◎米朝首脳会談 壮大で愚かな「政治ショー」で終わる可能性 

トランプ米大統領は5月17日、米朝首脳会談で北朝鮮が非核化を受け入れれば金正恩体制を保護する用意があると言及した。だが、北朝鮮は過去にも南北の非核化宣言に調印しながら、核関連施設の立ち入り調査をめぐる米朝交渉を拒否し、自ら反故にした歴史がある。果たして、今回は米朝首脳会談を成功させ、北朝鮮の非核化を証明する段階まで進展させることはできるのか。朝鮮半島問題研究家の宮田敦司氏が予測する。

北朝鮮の非核化実現には多くのハードルがある。例えば、北朝鮮が核を完全に廃棄したことを証明するためには、米国や国際機関の調査団が様々な施設に立ち入って調査を行う必要があるという点である。


北朝鮮では重要な施設の多くが地下に建設されている。韓国国防部(国防省)によると、北朝鮮には8200の軍事関連の地下施設があり、これらの施設の総延長は547kmになるという(出所/「中央日報」電子版、1998年12月9日)。

これらの施設を全て調査するためには、かなりの時間と人手が必要となるわけだが、北朝鮮がすべての施設の調査に応じることは考えにくい。重要な施設については調査を拒否するだろう。

地下施設の調査については、米国には苦い経験がある。

1998年11月から1999年3月にかけて、核関連施設の疑惑があった金倉里地下施設に対する立入調査(査察)をめぐり米朝で交渉が行われた。北朝鮮は要求を拒否し続けたが、最終的に食糧60万トンを支援することで交渉は決着した。それから2か月後、金倉里地下施設で調査が行われた。しかし疑わしいものは何も発見されなかった。

このように疑惑のある施設を一つ調査するために、多くの時間と費用が浪費されることになる。今後の非核化の過程で同じ事が起きないとは言えない。金倉里の例と同様に、疑惑のある施設の調査を行うために、何も発見できない恐れがあっても見返りを北朝鮮へ提供せざるを得なくなるだろう。

 ◆成果を焦るトランプ大統領

トランプ大統領と金正恩委員長が首脳会談で「朝鮮半島の非核化」と「朝鮮戦争の終戦」に「合意」したとしても、実現させることは簡単なことではない。具体的な工程表を作り、それを実行に移すために米朝は様々なレベルで協議を重ねることになるわけだが、その過程で北朝鮮は、先に述べた個別の施設の調査とは別に、大規模な経済支援を要求するだろう。

11月の中間選挙を控え、なんとしても成果をあげたいトランプ大統領と、親北朝鮮路線を貫く文在寅大統領は北朝鮮の要求に応じるだろう。

問題はその費用の負担を日本に求めてくる可能性が高いことだが、日本としては北朝鮮を利するだけの納得のいかない要求は跳ねのけるべきだ。北朝鮮は国営メディアを通じて日本を非難するだろうが、米国や韓国のような甘い顔を見せてはならない。

「非核化」や「終戦」を実現するためには膨大な手続きと時間が必要となるため、トランプ大統領の在任中に実現することはないだろうから、トランプ大統領在任中に著しい成果が出ていなかった場合、次期大統領の対北朝鮮政策は大きく変わることになる。

これは韓国でも同様で、文在寅大統領の融和政策が次期大統領に継承されない可能性は大いにあり得る。つまり大統領が交代したら、米朝首脳会談と南北首脳会談での合意は自然消滅し、また元の状態に戻るのだ。

 ◆北朝鮮に騙されてはいけない

北朝鮮は狡猾だ。国民を弾圧し人権を蹂躙することで政権を維持している金正恩の政治家としての能力には疑問があるが、政権を支えているエリート、特に北朝鮮外務省の対米交渉を担当してきた外交官の能力はあなどれない。

今回のシナリオも北朝鮮外務省が作ったものだろう。今年2月、過去の米朝交渉で頭角を現していた崔善姫北米局長が外務次官に就任した。これは崔善姫氏が2月の時点で、対米交渉の総指揮を執るとともに、交渉の表舞台に出てくることが確定していたことを意味する。

北朝鮮の狙いは米国と友好関係を結ぶことではなく、あくまでも体制保証を取り付け、実利(大規模な経済支援や投資など)を獲得することにある。「非核化」や「終戦」はそのための謳い文句であり、生存戦略の一端にすぎない。

 ◆北朝鮮の弱点

北朝鮮は自国に有利な状態で対話が続いている間は、米国と韓国に融和的な姿勢を取り続けるかもしれないが、米国と「友好関係」を維持することは、建国以来70年近く掲げてきた国是ともいえる「反米」のスローガンを自ら否定することになり、国民に我慢を強いるための最大の大義名分を失うことを意味する。

現在の北朝鮮は国外からの情報流入により、外国文化への憧れなど国民が様々な価値観を持つようになったため、ただでさえ反体制勢力が生まれやすい環境にある。このような環境下での「親米」の維持は、国民の意識を一層変化させ、秘密警察による力による統制と、思想教育による精神的な統制だけでは、国民の自由に対する欲求を抑えきれなくなる危険がある。

このように、北朝鮮には国外からの情報流入と食糧不足により、労働党と国家による国民統制が弛緩を続けているという弱みがある。長きにわたる経済制裁が特権階層から末端の階層に至るまで、様々な立場の人々の不満を高めている可能性は高い。このため北朝鮮は、一般国民を懐柔するための食糧や、特権階層を懐柔する資金の獲得に躍起になるだろう。

北朝鮮との交渉では、こうした弱みを突いて譲歩を引き出せるかどうかが重要なポイントとなるだろう。そのためには、北朝鮮のペースに乗せられることを回避しなければならないのだが、既に北朝鮮のペースに乗っているトランプ大統領と文在寅大統領にそれを求めるのは無理だろう。

経済制裁をこのまま継続するほうが金正恩政権の内部崩壊を促進し、政権崩壊後(朝鮮民主主義人民共和国崩壊後)の朝鮮半島北半分の地域から、(これから進められる米朝会談を経るよりも早期に)核兵器と弾道ミサイルを除去することができる可能性が高い。経済支援を与え、金正恩政権を延命させただけで、交渉が決裂する可能性のほうが高いからだ。

しかし、トランプ大統領と文在寅大統領はそうは考えていない。自分の在任中に目標を達成することができると確信しているだろう。

現実を直視しない大統領によって開かれる米朝首脳会談は、さきの南北首脳会談と同様に、米国と韓国の外交史上、最も壮大かつ愚かな「政治ショー」の幕開けとして歴史に記録されることになるのかもしれない。

【写真】 北朝鮮の狙いは米国と友好関係を結ぶことではない(AFP=時事) 
<https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180521/soc1805210007-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto>https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180521/soc1805210007-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto
※  宮田敦司氏 元航空自衛官、ジャーナリスト−1969年、愛知県生まれ。1987年航空自衛隊入隊。陸上自衛隊調査学校修了。北朝鮮を担当。2008年日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。著書に「北朝鮮恐るべき特殊機関」(潮書房光人社)がある。http://president.jp/search/author/%E5%AE%AE%E7%94%B0%20%E6%95%A6%E5%8F%B8
【ZakZak】  2018.5.21 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 
 ◎気懸かりな話題である:前田正晶

事は遂にというか、漸くというか知らないが、この全テレビ局と新聞を挙 げての日本大学フェニックス批判と非難の問題は、内田正人監督の辞意表 明にまで立ち至った。

これに対しては既に何名かの評論家は「遅きに失した」と評しておられ た。日本大学の部外者でありながら長年のフェニックスの支持者としては 実に心が痛む話題である。先日は「危機管理学部があるではないか」と指 摘したが、如何につ手打つ手が遅く、また関西学院大学側を納得させてい ないのも問題を必要以上に悪化させた気がする。

だが、部外者の私にも気になることがある。それは事がここまで大きく なってしまうと、インターネットと言うべきかSNSの時代と言うべきか知 らないが、出来事の真実が何であったかとか、体育会とは如何なる存在で あるかとか、(アメリカン)フットボールとは如何なるルール、があって 試合が展開されているのか、監督(英語ではhead coach と言われるが) や攻と守のコーチたちが果たす役割がどうなっているか等々の細部をご存 じでない方たちが論評されるようになってしまったので、誰が何を
論評しているのかに混乱さえ見えるような気がしている点だ。

そうは言いたいのだが、何れにせよあの関学のQBに対するタックルは許さ れるべきことではなく、如何に私でも擁護などとてもできる性質ではな い。内田監督は「何故あのようなことになったか」と「壊してこいとの指 示を本当にしたのか」等々の回答については書面で為されると記者会見で も語られた。だが、事が起きた6日から本日で2週間では如何にも遅すぎる という批判は免れないだろう。だが、密かに語られていると聞く「あそこ までに至った事情」は、誰も黙して語らないようだ。

内田監督のあの空港での記者会見について何処の局だったか、危機管理の 専門家の意見として「あの日大カラーのネクタイの色は良くない」と「監 督が3度も『カンサイ学院』(正しくはローマ字でもKWANSEI と表記され る「カンセイ学院」である)と言われた」と報道していた。

私もこの関学の正式名称の誤りは気になったが、事ここに至っていれば不 注意の誹りも免れまいと思ったし、厳しく言えば「非礼の極みである」と なるだろう。

なお、内田監督の為に一寸擁護しておくと「ビジネスマンの服装学では 『赤は先方を刺激する色であり、難しい交渉事の席につく場合は避けるべ きである』とされているし、これは常識である」のだ。

私はあのネクタイの色は「赤」ではないが、多少刺激的になりはしないか とは一目見て感じた。だが、日本大学の色であり、それ故に見逃しても良 いかと判断した。私は在職中にクレームの補償問題の交渉の場合などには
スーツまで茶系統にして何とか穏便に済まそうとしていたものだった。

私は一刻も早く日本大学がこの問題を関西学院大学ファイターズのみなら ず、マスコミが創り出した世論をも満足させるような解決策を打ち出して 欲しいと希望している。

現状のままでは内田監督が何を言おうと、マスコミは許さないで非難攻撃 を続けるだろう。そうでもないと、一部のマスコミ論調では「廃部」など という極端な説もあるのだから。私は既に、処置としては最低でも「今年 の秋からのリーグ戦の出場禁止で2部リーグに落とす」を予測している。

私は戦後間もなくからの70年以上のフットボールのファンとしては、矢張 りフェニックスは監督とコーチの顔触れを一新してでも、喩え2部落ちで あろうと何だろうと存続して、捲土重来を期して貰いたいものだと望んで いる。



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身 辺 雑 記
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22日の東京湾岸は快晴。

東京湾岸は21日も快晴。家人に乗ってもらった車椅子を転倒防止用として

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創刊日:2004-01-18  
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発行周期:不定期  
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