政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4690 号  2018・5・19(土)

2018/05/19

                                  
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4690号
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      2018(平成30)年5月19日(土)



          露呈した中国経済の2つの欠陥 宮崎正弘

            米朝会談へ神経戦が最高潮:杉浦正章

           国民の支持が期待できない:櫻井よしこ
    
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4690号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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露呈した中国経済の2つの欠陥
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)5月18日(金曜日)弐
         通巻第5704号 
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 米中貿易戦争で露呈した中国経済の2つの欠陥
  ZTE(中興通訊)が経営危機、中国企業はドル建て外債に依存
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トランプ政権が華為技術(ファウェイ)とZTE(中興通訊)に制裁を 課し、両社の製品は事実上アメリカ市場から締め出された。そのうえ ZTEはイランにも不正に輸出していたことが発覚し、以後七年間の取引 停止処分をうけた。

仰天の事態は、アメリカから半導体部品がこなくなったため、ZTEはス マホの生産が出来なくなったことである。つまり、ハイテクの中枢部品は 中国製ではなかった。この致命的欠陥が露呈したのである。

中国は対米交渉に劉?を派遣し、なにがなんでも、ZTE倒産をさけるた めに、妥協案をいくつか提示している。そして切り札の王岐山がワシント ンに乗り込む。

一方、ドル不足に陥ったため海外企業の買収が軒並み頓挫したが、海外で 展開する「一帯一路」プロジェクトも、海外送金が規制されているため、 工事中断、工事撤退も目立つ。ハリウッド買収を狙った万達集団も、ウォ ルドルフアストリアホテルからトランプタワーのニュージャージーのマン ションを買った安邦保険も海外資産の売却を余儀なくされた。

こうなるとIMFのSDR通貨入りし、世界のハードカレンシー入りした はずの人民元の限界が同時に露呈した。

企業はドルを必要とするため、海外市場でドル建て社債を起債をするよう になり、ドル資金の調達を急ぎだした。首鋼集団は5億ドルの社債、中国 東方航空に到っては500億円の円建て社債。ことし1−4月だけでも 870億ドルを海外で起債し、外貨をかき集めて運転資金に回していたこ とが分かった(日本経済新聞、2018年5月18日)。

中国経済の順風満帆は、突然吹いた「トランプ突風」にあおられて、近く の港に避難せざるを得ない難破船の如しである。


         
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米朝会談へ神経戦が最高潮
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        杉浦 正章

米「半年以内の核搬出」要求

北「体制の保障と平和協定」で瀬踏み

6月12日に開催予定のトランプと金正恩の米朝首脳会談に向けて、神経戦 が展開されはじめた。分析すれば米国が、「完全なる非核化」を要求し、 北はこれを拒否した上で体制の保障を求めている構図が浮かび上がる。

米国は北に対して核弾頭や大陸間弾道弾を半年以内に国外に搬出するよう 要求、その代償としてテロ支援国家指定の解除と金正恩体制の存続をちら つかせているようだ。しかし金正恩が命と守る核兵器を半年以内に搬出す る可能性はゼロに近く、米提案は駆け引き材料に過ぎまい。溝が埋まるに はほど遠い。

北朝鮮は16日、米韓空軍の定例合同訓練を理由に、南北閣僚級会談の中 止を一方的に通知し、第1外務次官金桂官が談話を発表した。談話は「大 統領補佐官のボルトンをはじめ、ホワイトハウスと国務省の高位官僚は 『先に核放棄、後に補償』方式を触れ回りながら、リビア核放棄方式だの 『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』だの、『ミサイルの生化学武器 の完全放棄』だのという主張を厚かましく繰り返している」と米国の要求 を批判。

「これは対話を通じて問題を解決しようとするものではなく、本 質にお いて大国に国を丸ごと任せきりにして、崩壊したリビアやイラクの 運命 を尊厳高い我々に強要しようとする甚だ不純な企てだ」と強調した。 さ らに金桂官は「一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、首脳 会談に応じるかどうかも再考せざるを得ない」と首脳会談再考も示唆して いる。

これに対しトランプは「われわれは何の知らせも受けていない。様子を みてみよう」と述べ、北朝鮮の今後の出方を見極める考えを強調した。さ らにホワイトハウス報道官のサンダースは、米朝首脳会談について、「重 要な会談だ」と指摘し、準備を進める考えを示す一方で「トランプ大統領 は、困難な交渉には慣れていて、その準備も整っている。

ただ、北朝鮮が 会いたくないのなら、それでもいい。その時は、最大限 の圧力をかけ続け るだけだ」とすごんで見せた。北朝鮮が対話を選ばな ければ、圧力を強め る考えを示して、けん制したことになる。

 しかし、“口撃”の厳しさは半島民族の“特性” であり、隘路を探してい ることは間違いない。その一つとして、韓国大統領文在寅を通じてトラン プの説得を要求している可能性が高い。

米韓首脳会談は22日に予定され ており、北朝鮮が米韓合同航空戦闘訓 練『マックスサンダー』を理由に南 北閣僚級会談を一方的に中止したの は、米韓首脳会談に向けた思惑がある からにほかならない。

その意図は韓国を動かして、米国との首脳会談の際 の北朝鮮の立場をよ り正確に説明させようとしているのかもしれない。既 に北朝鮮は韓国と の閣僚級会談を中止することで、F22などの戦略兵器が 朝鮮半島に飛来す ることを望んでいないという意思を明確に示している。

 金正恩は北朝鮮の立場をあらかじめ文在寅を通じてトランプに伝達して け ん制しているのだろう。

そもそも北朝鮮の狙いは今年早々から明白だ。正月に金正恩は対話攻勢 に転じて、まず米国の同盟国である韓国の取り込みを図ってきた。金正恩 と文在寅の会談で準備段階を終え、いよいよトランプとの会談に向けた総 仕上げ段階に入っているのだろう。

北は体制の保障と平和協定締結を最終 目標としている。また一連の言動 は米朝会談で主張する予定の重要なメッ セージを米側にあらかじめ伝え て、瀬踏みをしているのだろう。これに対 して米側も半年以内の核搬出 という“高値”をふっかけて、妥協点を模索し ているのが現在の図式だろう。


       
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国民の支持が期待できない
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       櫻井よしこ

「国民の支持が期待できない、国民民主」

民進党代表の大塚耕平氏と希望の党代表の玉木雄一郎氏が「穏健保守から リベラルまでを包摂する中道改革政党」として、「国民民主党」を結成す る。私はこの原稿を5月7日の国民民主党設立大会前に書いているのだが、 新党の綱領や政策の一言一句を読まずとも、これまでの経緯から彼らは期 待できない絶望的な存在だと感じている。

今回、新党に参加せず、無所属になった笠浩史衆議院議員(神奈川9区) は語る。

「昨年10月の衆議院選挙で私が民進党から希望の党に移ったのは、安保政 策と憲法改正について、民進党よりもよほど現実的で、日本の国益に適う 方向で対処しようとする政党だったからです。あの時、希望の党に移った 民進党議員全員が、玉木氏も含めて『政策協定書』に署名しました。希望 の党の公認を受けて衆議院選挙に立候補する条件として、安全保障法制に ついては、憲法に則り適切に運用する、つまり、安保法制は認めると誓約 した。また憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めることも誓約し ました。民進党とはおよそ正反対の政策でしたが、私はその方が正しいと 考えた。玉木氏もそう考えたから署名したのでしょう。しかし、玉木氏ら は事実上、元の政策に戻るわけです。希望の党で私たちは1000万近い比例 票をいただいた。その人たちに一体どう顔向けできるのか。これでは信頼 は失われます」

長島昭久衆議院議員(東京21区)も無所属を選んだ。氏は語る。

「国民民主党結成には三つの『ありき』があります。連合ありき、期限あ りき、参院選ありきです。連合は、民進や希望の、政党としての理念や政 策よりも、国会における連合の勢力を保つために、とにかく旧民進党勢力 を再結集しようとした。

この連合の思惑が非常に強く働きました。しかも 連合は両党合併の方向 をメーデーまでに明確にさせたかった。その先にあ るのは参院選です。 労組代表の議席を守りたい連合と、連合の票がどうし てもほしい議員。 後援会組織がしっかりしていない政治家ほど、実際にど れだけあるかわ からなくても連合票に頼ってしまう。こうした事情が国民 民主党結成の 背後にあります」

現実に根ざしていない

玉木、大塚両氏を見ていると不思議な気持ちになる。両氏共に優れた頭脳 の持ち主なのに、政治家としてはなぜこんなに定まらない存在なのか。玉 木氏は東大法学部からハーバードの大学院で学んだ。財務省ではエリート コースの主計局で、主査を最後に、政界に転じた。

大塚氏は早稲田で博士号を取り、日銀に奉じたエリートだ。人間的に嫌味 は全く無い。玉木氏とは異なり、語り口も穏やかだ。

エリートでしかも若い世代の両氏が並んで新党構想を披露しても、一筋の 光さえも感じさせないのはなぜか。両氏の周りにさえ、財務省出身者と日 銀出身者の組み合わせから、政治を統べる能力など生まれるものかと侮る 声がある。

しかし、政治史を振り返れば、岸信介の後任は大蔵事務次官を 務めた池 田勇人だった。池田から始まる宏池会政治を私は評価しないが、 財務省 や日銀出身ゆえに希望が持てないというわけではない。玉木、大塚 両氏 に期待できないのは、安全保障、福祉、加計学園に関わる岩盤規制、 憲 法改正などおよそ全てにおいて、両氏の議論が現実に根ざしていないか らである。理念先行の、頭の中での空回りなのだ。

両氏の議論で私が本当に驚いた発言があった。今年1月17日、BSフジの 「プライムニュース」でのそれである。時間にしてみればごく短い発言 だったが、私はこれを聞いて、この人たちのような政治家は真っ平御免だ と、心底、思ったものだ。以下に再現してみよう。

大塚:あのぜひプライムでもキャンペーン張っていただきたいことがあり ましてね

反町理キャスター(以下反町):何ですか

大塚:それは憲法改正はね、最後は国民の皆さんが国民投票でお決めにな ることなので……(後略)

最終的に国民が決めるというのは正論である。だが、氏は続いて次のよう に語ったのだ。

大塚:ところが、もし国民投票を逐条でやらずに安倍さんお得意のパッ ケージでマルペケ付けさせられたら、これはね、かなりあのまずいことに なるし、これは私も厳しく……

反町:あ、そうか。そこはまだルールが決まってないんでしたっけ

玉木:いやあの、国民投票法上は基本的には……

反町:(かぶせるように)ひとつひとつのはずですよね

玉木:あのー……ひとつひとつ……やることが一応、義務づけられていたと思 いますが、ただ、ちょっと、詳細、いま私も忘れてしまったのですが……

大塚:あのー、そこは、確認、しますが、そのとにかくね、逐条であればね

「旧社会党のようになる」

このあと議論は他のテーマに移ったが、傍線(斜体)部分に注目していた だきたい。どう考えても大塚氏も玉木氏も、憲法改正は「パッケージ」で などできないということを知らなかった、或いは極めてあやふやな理解 だったとしか思えない。

憲法改正に関しては、第一次安倍内閣で国民投票法が成立し、国会法が改 められた。国会法第六章の二「日本国憲法の改正の発議」の第六十八条の 三に「区分発議」がある。それは、「前条の憲法改正原案の発議に当たっ ては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする」と定め ている。

つまり、項目毎の改正しかできないのである。だからこそ、自民党の改正 案は4項目に絞られているのではないか。野党第一党としての民進党は党 としての改正案もまとめられなかった。右から左まで意見が分かれすぎて いて政党としてまとまりきれなかったことに加えて、玉木、大塚両氏に見 られるように改正の手続きさえ、よく理解していない、つまり真剣に取り 組むことがなかったという結果ではないのか。

国会法改正から約10年、一括して憲法全体を改正できるとでも思っていた のか。この数年、憲法改正は日本国にとっての重要課題であり続けてき た。賛成でも反対でも、その基本ルールも知らずに議論する政治家の主張 や理屈など、信じられるものだろうか。

これ程不見識な彼らの近未来を、長島氏が厳しく語った。

「国民民主党が求心力を高められるとは思いません。行き詰まって、結局 枝野さんの立憲民主党に吸収される人々がふえると思います。そのとき彼 らは旧社会党のようになるのではないでしょうか」

私もそんな気がしてならない。
『週刊新潮』 2018年5月17日号 v 日本ルネッサンス 第802回


      
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重 要 情 報
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 ◎【正論】 中国の「関与」が米朝会談を壊す 文化人類学者 静岡大学 教授・楊海英

 トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が6月12日、シンガポール で両国史上初の首脳会談を行う。習近平中国国家主席も会談に合わせて現 地入りする可能性があるとの報道も出ている。朝鮮戦争(1950〜53年)の 休戦協定の署名当事者である米中、それに北朝鮮の3カ国首脳がそろい踏 みすることになれば、新しい地殻変動が東南アジアから始まるかもしれない。

 ≪攪乱されたインドネシアと台湾≫

シンガポールは65年8月にマレーシアから分離独立した国家である。東西 2つの陣営が激しく対立し合っていた61年、マラヤ連邦は反共・反中国 の姿勢を鮮明にしつつ、マレーシア連邦へと拡大する構想を練っていた。

これに反発した中国系住民は独立してシンガポールを建国したが、同じ民 族だからといって親中国的な政策を取ることはなかった。北京は、自身の 社会主義制度に関心を示さない「華僑同胞」を「裏切り者」と罵倒し、隣 国のインドネシアに接近した。インドネシアもマレーシアの成立に反対し ていたことから、当時のスカルノ大統領は毛沢東の急進的な共産主義制度 を称賛した。

中国は国家主席の劉少奇をインドネシアに派遣し、国家主導の社会主義政 策の推進を強力に推し進めることで合意した。しかし、中国の露骨な内政 干渉と革命思想の輸出を「危機」と見なした青年軍人はクーデターを発動 し、華人と共産党員らを武力で排除する「9・30事件」が勃発。犠牲者は 数十万とも100万ともいわれているが、中国政府による過剰な内政干渉 と、華人による経済的利権の独占が事件の要因であったことはほぼ定説と なっている。

シンガポールは隣国の惨劇を間近で目撃しているので、常に北京の覇権主 義的行動を警戒してきた。それでもシンガポールは政治の舞台に選ばれる ことが多い。

2002年からアジア太平洋地域の安全保障の枠組みに関する「シャラ対話」 が同国で開催されてきた。また、15年11月7日には、「2つの中国」の指 導者、台湾の馬英九総統と中国の習主席が国共内戦終結後、実に66年ぶ りに握手した。

2人とも「1つの中国」という原則を確認し合ったものの、やがて馬英九 氏は下野したし、世界は「二つの中国」が併存しているという歴然とした 事実を再認識した。習近平政権への過剰な傾斜さえなければ、国民党が政 権を失うことはなかったと、その後台北を訪れた私に、現地の知識人たち はそう語っていた。

これらインドネシアと台湾の現代史は、中国の介入が内政的にも外交的に も悲惨な結末をもたらす、という事実を雄弁に物語っている。

 ≪異質な北京との地域共同体に≫

かつては専制主義王朝・中国の朝貢圏内にあった東南アジア諸国の中に は、一党独裁の北京と運命共同体を築こうとする国が複数ある。ミャン マーはイスラム教徒少数民族のロヒンギャに対する弾圧を緩めておらず、 ウイグル人に対して反人道的な犯罪を続けている中国もそれを支援している。

カンボジアでは親北京のフン・セン政権が国内の野党を解散に追い込んだ し、タイ軍事政権も中国人民解放軍との交流を深め、国内の言論弾圧を強 めている。こうした現象は朝貢国と「宗主国」との一体化をもたらし、21 世紀の異質な地域共同体となってきている。

日本はシンガポールの「母体」であるマレーシアとの連携を強化すべきだ ろう。同国ではこのほど初の政権交代が実現し、92歳のマハティール氏が 首相の座に返り咲いた。彼は西洋列強による搾取の時代を経験し、石原慎 太郎氏との共著『「NO」と言えるアジア−対欧米への方策』の中では、 アジアの自立と日本型近代化の有効性を説いている。

マハティール氏が倒したナジブ前政権は過度に中国の「一帯一路」経済構 想に肩入れした結果、自国の経済を悪化させていた。経済的にも中国依存 の度合いが高くなれば、国家存続の危機に見舞われると主張したマハ ティール氏の訴えが奏功した側面もある。

 ≪北はどのような駒となるのか≫

 習主席が「獅子の国」(シンガポール)を訪問するとなれば、金委員長 は世界の2大巨頭と対面する。果たして老獪(ろうかい)な2人は、北朝 鮮の指導者をどのように駒として動かすのだろうか。

そもそも朝鮮半島が2つに分断したのも、中国が自国の軍隊を義勇軍と称 して派遣し、国連軍と対峙(たいじ)したためである。社会主義の「兄 貴」たるソ連は早くから「米帝国主義」との共存を図ろうとしたのに対 し、「弟分」の中国はずっと好戦的で、世界革命を起こして地球を真っ赤 に染めようとしていた。

そのため、旧朝貢圏内の朝鮮半島と東南アジア諸国の内政に干渉しては、 苦い思いを現地の人々に味わわせてきた。果たして、中国が関与した米朝 シンガポール会談は、建設的な結果を生み出すことができるのだろうか。 (よう かいえい)

【写真】 静岡大学の楊海英教授(寺河内美奈撮影)
http://www.sankei.com/column/photos/180518/clm1805180004-p1.html
【産經ニュース】 2018.5.18 11:00 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 
 ◎トランプ大統領とその対中近東政策:前田正晶

トランプ大統領は公約通りにイスラエルのアメリカ大使館をテルアビブか らエルサレムに移転させた。予想通りと言うべきか何と言うべきか、紛争 は起きた。

私は中近東における揉め事と言うかイスラエル、イスラム教徒というかパ レスチナ間の絶える事なき紛争について、在職中に某総合商社の2名の中 近東駐在経験者に色々と教えられていたものだった。現場を経験してきた 彼らの言うことは、アメリカのメディアの fake news ではないが、全く 我が国で報道されていることと違っている点が大きな特徴だった。

そこで、その1人に「何故あのような事態になるのか」と教えを乞うたと ころ「そういう質問が出ること自体、貴方が世界史を十分に勉強してこな かったということ。そんな人に語っても無意味だから、良く高校の教科書 でも読み直してきて下さい」と一蹴されてしまった。そこで引っ込んでい る訳にも行かないので、再度辞低くして依頼してみた。

結果としては語ってくれたが、現地ではパレスチナ人というかイスラム教 徒は「我らの聖地を彼らに不当に奪われたのだから、それまでにかかった 数千年をかけてでもこれから奪還すると固く誓っている。これは短期決戦 ではない。短期間の和平などということは彼らの眼中にはない。そういう 視点で見ていて、初めてあの長い紛争の実態が見えてくるものなのだ」と 解説された。「聞いてないよ」という思いだった。ということは矢張り不 勉強だったのか。

私にとっては未知の世界のことを解き明かされたのだから、それをそのま ま受け入れる他はないと思って拝聴した。だが、それが正しいのかどうか には意見の差し挟みようがないのだ。彼ら2人の解説では「第一次湾岸戦 争では不当だったのがクエートであって、クエートに不当に奪われた領土 の奪還を目指したフセインは間違っていない」となっていたのだった。

当時でも、アメリカが仕掛けたことと、マスコミ報道でも政治家の言うこ とでも、駐在経験者の解説と何故違うのかと訝ったものだった。

私には「中近東における紛争の実態はそういうことだったのか」と受け止 める以外はなかったと言うか、アメリカ発の報道と現地にいた者と視点が 変われば、かなり異なった絵が見えてくるものかと思っていた。



 ◎何故マスコミはあそこまで日大を採り上げて叩くのだろうか:前田正晶

兎に角、ここ数日はテレビを点ければ「日本大学フェニックスの悪質な タックル」の話題ばかりである。昨日辺りからはそこに西城秀樹の訃報が 加わって少しは緩和されたが、兎に角フェニックスなのである。それでは 長年のフェニックスの支持者としては些か憂鬱である。17日の午後には関 西学院大学のアメリカンフットボールの監督とデイレクターの記者会見な どは恐らく全局が中継していただろうと思う賑わいだった。

私はあのプレーには弁解も弁明の余地もないことで、日大側からは理屈も 何も言えない性質だと思っている。前回も述べたが「謝罪の文化」がある 我が国のことであるから、先ずは認めるべき事は認めて謝罪することから 入っていく必要があると考えていた。

ところが、関学に日大から昨日採り上げられた釈明文が届いたのは15日 だったと言われていたから、それでは如何にも遅すぎるとしか言いようが ない。マスコミ風に言えば「関学が怒りの会見」となったのも仕方がない だろうと思う。

日大には新設された学部に「危機管理学部」がある。それにしては今回の 危機については打つ手打つ手が遅すぎるのではなかったかと言いたくもな る。日大の側にも色々
とあのようなことになってしまった原因というか経緯については理屈めい たことが
あったかのようだ。だが、それを事ここに至って取り出して関学側に知ら せるという
のは余り得策とも思えない。関学には「信頼関係が崩壊した」とまで言わ せてしまった。

私も何があったかについては少しくらいは知り得た事柄もあったが、そん なことを今更採り上げても何の意味もあるまい。日大側が可及的速やかに 講ずべき手段を講じて、事態を解決の方向に持って行って貰いたいと思う だけだ。それが内田監督の謝罪なのか、#91が負傷した関学のQBとそのご 家族にお詫びに行くことなのかは知らな
い。ただ黙って成り行きというか日大の善処を見守っていくだけだ。


それにつけても違和感があるのはマスコミのこの問題の採り上げ方だ。産 経新聞などは日頃関東大学リーグ戦の試合の結果などは1行たりとも報じ たことがない割りには、今回はあの詳細な報道の仕方と日大の批判であ る。他の新聞もテレビ局も似たようなものである。私には彼らマスメディ アが何か日本大学に対して含むところでもあるのかとすら考えさせられて しまった。

だが、視点を変えれば、何となくマスメディアと野党連合の安倍内閣と加 計問題に関する不当な追及とその報道を、自分たちの手で片隅に追いやっ たかの感さえある。その点だけが今回の「悪質なプレー報道」におけるマ スコミの連中の取り柄かも知れない。



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身 辺 雑 記
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19 日の東京湾岸は曇天。

18日の東京湾岸は快晴。心地よいそよ風に吹かれながら家人に乗っても らった車椅子を転倒防止用に押しながら近くの都立猿江恩賜公園を散歩
した。しばらく見かけなかったホームレスの男性一人がごみ箱の横に座
っていた。
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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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