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頂門の一針

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頂門の一針

2018/05/18

                                  
□■■□──────────────────────────□■■□ わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4689号
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      2018(平成30)年5月18日(金)



                     「徘徊」は「いいあるき」?:馬場伯明

                  「国民の支持が期待できない:櫻井よしこ

                       米朝会談へ神経戦が最高潮:杉浦正章

           「痴呆」から「認知症」へ:向市眞知
    
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4689号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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「徘徊」は「いいあるき」?
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         馬場伯明

世界で最も有名な「徘徊(haunt)」は「共産党宣言(1848)」の冒頭で あろう。「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している。共産主義という妖怪 が」である。

では、今徘徊とは何か。「どこともなく歩き回ること(広辞苑)」とあ る。認知症の人(以下、Aさん)が道に迷う状態に徘徊が使われてきた。

2018/3/25の朝日新聞は1・2面で「徘徊」行動を特集し、国・地方・地域 のボランティアによる見守り・支援活動などを紹介した。

記事によれば、散歩に出たAさんは「目的を持って歩いている」というの だ。「道がわからず怖かったが家に帰らなければと意識していた。徘徊で はないと思う」と。本人にそう言われば「そうかな・・」とも思う。

Aさんは、自宅を出たときは散歩するという目的を持ち徘徊するつもりな どなかった。「記憶障害」のために外出した目的を忘れ、「見当識障害」 により自分のいる場所がわからなくなり、「理解・判断力の障害」で、 「道順を尋ねる」という適切な行動がとれなかったのである。

それでも、Aさんは、後で(!)考えたとき、Aさんの状態が他人に徘徊と 言われるのは適切ではないと思っているらしい。それらを受けてか、全国 で徘徊という言葉を使わない事例が増えているという。典型例である東京 都国立市では 徘徊を「いいあるき」と表現している。市報「くにたち」 から転載する(2016.9.5 第1131号)。

《みんなで参加しよう!認知症の人の見守り・SOSネットワーク「いいある きネットinくにたち」。模擬訓練を実施します。ひとりで外出し道に迷っ てしまう認知症の方を地域で見守るために「声かけ模擬訓練」を実施しま す。国立市では、「徘徊」と言わず「いいあるき」?「迷ってもいい、安 心できる心地よい歩き」と表現しています》。

また、日本認知症本人ワーキンググループ(鳥取市)は「認知症の人の外 出を過剰に危険視して監視や制止をしないで」と訴え、名古屋市の西部い きいき支援センターは、啓発冊子のタイトルを「認知症『ひとり歩き』さ ぽーとBOOK」とした(2014)」らしい。

さらに、大牟田市は「安心して徘徊できるまち」から「安心して外出でき るまち」に変え、状況に応じ「道に迷っている」などと言い換えている。 認知症の本人の声(要望)を尊重したと、ある。

そこで、朝日新聞は宣言する(2018/3/25)。《今後の記事で、認知症の人 の行動を表す際に「徘徊」の言葉を原則として使わず「外出中に道に迷 う」などと表現することにします。今後も認知症の人の思いや人権につい て、本人の思いを受け止め、様々な側面から読者のみなさんとともに考え ていきたい》と。また同時に《(徘徊を)使用する立場(の団体や個人)を 批判する趣旨ではない(編集委員・清川卓史)》とも。少し胡散臭い・・。

しかし、ちょっと待ってほしい。それで、ほんとにいいのだろうか?

徘徊では、行動や状態を判定する人(主体)とタイミングに違いがある。 Aさんは「散歩しているうちに道に迷ってしまった」と(あとで)認識を 話し、健常者のBさんは「(彼は今)うろうろと歩き回っている」と(そ の場で)徘徊していると認識するのである。

Aさんが徘徊状態にあった「そのとき」を(正常に戻った)後で「徘徊で はないと思う」と言うのは、同情はしたいが、間違いであろう。また、表 で徘徊を「いいあるき」と言い換えても、裏の「悪い歩き」という事実が 透けて見える。いくら言い・書き換えても事実は一つだ。「いいあるき」 は偽善的な表現であると言えよう。

単なる言い換えは事実からの逃避・言葉の遊び・繕いである。王様が裸で あれば(正確に)裸であると言った子供の方が正しい。事実を隠蔽する目 先の「猫だまし」では解決から遠い。

国立市が徘徊を「いいあるき」と表現するのも、事実と違うので不適切で ある。おそらく、国立市職員の心の中は「いいあるき:?」ではないかと 私は邪推(!)する。なお「『いい歩き』をめざす会」は問題がない。

朝日新聞の徘徊記事は、本質的な問題提起ではなく、言葉の使い方の問題 である。いわば、朝日得意(!)の「言葉の遊び」だ。「適切な言い換え 表現がない」と書く。ここで、「迷走」は世間でよく使われている。徘徊 は「迷走し、迷い歩くこと」である。徘徊を「迷歩(めいほ←私的造 語)」に換えれば案外うまく行くかもしれない。

ところで、そもそも徘徊の原因症状である「認知症」という言葉も変であ る。表意文字である漢字の使い方が間違っている。

認知とは、物事を「正しく認識し知る」ことである。だが、認知できない 状態の症状が認知症と定義されている。本来、認知失調症や認知障害症な ど認知できないという意味の語が必要である。

認知症方式なら、統合失調症は統合症、栄養失調症は栄養症となる。一 方、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は病名や症状を表す語で正しく構成され ている。腸管出血性大腸菌感染症も同様である。

兵庫県のNPO法人播磨オレンジパートナーは「歩く目的あり。徘徊と言わ ないで!」と「認知症を『ニンチ』と言わないで!」の缶バッジを2つ 作った。ほら見ろ!認知・失調症状を認知症と名付けたために認知(ニン チ)が真反対の嫌われる語になってしまった。本末転倒である。

本題の徘徊に戻る。徘徊を他の言葉に言い換える人は心が優しく善意の人 が多い気がする。その善意を尊敬する。しかし、善意であるがゆえに徘徊 する人を逆に無意識のうちに傷つけることもある。なぜか。現実は言葉だ けでは動かないからだ。

徘徊論議が長くなり、何か徘徊状態になってきた。まとめを書く。
1.徘徊を、いいあるき、ひとり歩き、外出などと、偽善的な言葉でごま かすべきではない。認知症も認知失調症などの正しい表現にすべきだ。

2.「王様は裸だ」という子供に学び偏見に正しく向き合うべきだ。単な る言い換えでは解決しない。事実と中身が大事。善意や同情を無意識に押 し付ける人もおり、徘徊する人が傷つけられてしまうこともある。 

3.認知症への薬物治療も進展している。徘徊は認知症に伴う行動・心理 症状を表すBPSD (behavioral and psychological symptoms of dementia)の一つだ。一刻も早い徘徊の治療方法の確立を祈る(*1)。

高齢に向かう健常者の最大の悩みは「認知症になる恐怖」であるという。 膝の痛みや耳が遠くなる症状などより「人間としての自分が失われる」認 知症(認知失調症)の方がより怖い。私もまさにそうだ(*2)。

折しも、中国とロシアの党はC・マルクス生誕200年記念行事で高揚してい る。朝日新聞は「万国の『徘徊』老人よ、団結せよ!」ではなく「万国の 『いいあるきの』老人よ、団結せよ!」と偽善的な煽動を行なうのだろう か。(2018.5.15 千葉市在住)

(追記)
(*1)中島京子は小説「長いお別れ(2015)」で、認知症・徘徊の父を我 がことのように、我が腕に抱くように綴った。GPS携帯・携行騒動の悲喜 劇も。「長いお別れ(Long Good Bye)」とは認知症のことである。

(*2)足腰は超元気だが頭は不安な私。明日はわが身かも。「認知症鉄道 事故裁判(高井隆一2018)」を読んだ。認知症の父の線路立入妨害(死亡 事故)の損害賠償裁判でJR東海に最高裁で逆転勝利する8年間の貴重な実 録。しかし、明日!全国各地で100人が線路に入ったら・・・。国の「介 護の社会化」という掛け声が空しく響く。(了)

 
            
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「国民の支持が期待できない
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       櫻井よしこ


  「国民の支持が期待できない、国民民主党」

民進党代表の大塚耕平氏と希望の党代表の玉木雄一郎氏が「穏健保守から リベラルまでを包摂する中道改革政党」として、「国民民主党」を結成す る。私はこの原稿を5月7日の国民民主党設立大会前に書いているのだが、 新党の綱領や政策の一言一句を読まずとも、これまでの経緯から彼らは期 待できない絶望的な存在だと感じている。

今回、新党に参加せず、無所属になった笠浩史衆議院議員(神奈川9区) は語る。

「昨年10月の衆議院選挙で私が民進党から希望の党に移ったのは、安保政 策と憲法改正について、民進党よりもよほど現実的で、日本の国益に適う 方向で対処しようとする政党だったからです。

あの時、希望の党に移った民進党議員全員が、玉木氏も含めて『政策協定 書』に署名しました。希望の党の公認を受けて衆議院選挙に立候補する条 件として、安全保障法制については、憲法に則り適切に運用する、つま り、安保法制は認めると誓約した。

また憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めることも誓約しまし た。民進党とはおよそ正反対の政策でしたが、私はその方が正しいと考え た。玉木氏もそう考えたから署名したのでしょう。

しかし、玉木氏らは事実上、元の政策に戻るわけです。希望の党で私たち は1000万近い比例票をいただいた。その人たちに一体どう顔向けできるの か。これでは信頼は失われます」

長島昭久衆議院議員(東京21区)も無所属を選んだ。氏は語る。

「国民民主党結成には三つの『ありき』があります。連合ありき、期限あ りき、参院選ありきです。連合は、民進や希望の、政党としての理念や政 策よりも、国会における連合の勢力を保つために、とにかく旧民進党勢力 を再結集しようとした。この連合の思惑が非常に強く働きました。

しかも連合は両党合併の方向をメーデーまでに明確にさせたかった。その 先にあるのは参院選です。労組代表の議席を守りたい連合と、連合の票が どうしてもほしい議員。後援会組織がしっかりしていない政治家ほど、実 際にどれだけあるかわからなくても連合票に頼ってしまう。こうした事情 が国民民主党結成の背後にあります」

現実に根ざしていない

玉木、大塚両氏を見ていると不思議な気持ちになる。両氏共に優れた頭脳 の持ち主なのに、政治家としてはなぜこんなに定まらない存在なのか。玉 木氏は東大法学部からハーバードの大学院で学んだ。財務省ではエリート コースの主計局で、主査を最後に、政界に転じた。

大塚氏は早稲田で博士号を取り、日銀に奉じたエリートだ。人間的に嫌味 は全く無い。玉木氏とは異なり、語り口も穏やかだ。

エリートでしかも若い世代の両氏が並んで新党構想を披露しても、一筋の 光さえも感じさせないのはなぜか。両氏の周りにさえ、財務省出身者と日 銀出身者の組み合わせから、政治を統べる能力など生まれるものかと侮る 声がある。

しかし、政治史を振り返れば、岸信介の後任は大蔵事務次官を務めた池田 勇人だった。池田から始まる宏池会政治を私は評価しないが、財務省や日 銀出身ゆえに希望が持てないというわけではない。

玉木、大塚両氏に期待できないのは、安全保障、福祉、加計学園に関わる 岩盤規制、憲法改正などおよそ全てにおいて、両氏の議論が現実に根ざし ていないからである。理念先行の、頭の中での空回りなのだ。

両氏の議論で私が本当に驚いた発言があった。今年1月17日、BSフジの 「プライムニュース」でのそれである。時間にしてみればごく短い発言 だったが、私はこれを聞いて、この人たちのような政治家は真っ平御免だ と、心底、思ったものだ。以下に再現してみよう。

大塚:あのぜひプライムでもキャンペーン張っていただきたいことがあり ましてね

反町理キャスター(以下反町):何ですか

大塚:それは憲法改正はね、最後は国民の皆さんが国民投票でお決めにな ることなので……(後略)

最終的に国民が決めるというのは正論である。だが、氏は続いて次のよう に語ったのだ。

大塚:ところが、もし国民投票を逐条でやらずに安倍さんお得意のパッ ケージでマルペケ付けさせられたら、これはね、かなりあのまずいことに なるし、これは私も厳しく……

反町:あ、そうか。そこはまだルールが決まってないんでしたっけ

玉木:いやあの、国民投票法上は基本的には……

反町:(かぶせるように)ひとつひとつのはずですよね

玉木:あのー……ひとつひとつ……やることが一応、義務づけられていたと思 いますが、ただ、ちょっと、詳細、いま私も忘れてしまったのですが……

大塚:あのー、そこは、確認、しますが、そのとにかくね、逐条であればね

「旧社会党のようになる」

このあと議論は他のテーマに移ったが、傍線(斜体)部分に注目していた だきたい。どう考えても大塚氏も玉木氏も、憲法改正は「パッケージ」で などできないということを知らなかった、或いは極めてあやふやな理解 だったとしか思えない。

憲法改正に関しては、第一次安倍内閣で国民投票法が成立し、国会法が改 められた。国会法第六章の二「日本国憲法の改正の発議」の第六十八条の 三に「区分発議」がある。それは、「前条の憲法改正原案の発議に当たっ ては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする」と定め ている。

つまり、項目毎の改正しかできないのである。だからこそ、自民党の改正 案は4項目に絞られているのではないか。野党第一党としての民進党は党 としての改正案もまとめられなかった。右から左まで意見が分かれすぎて いて政党としてまとまりきれなかったことに加えて、玉木、大塚両氏に見 られるように改正の手続きさえ、よく理解していない、つまり真剣に取り 組むことがなかったという結果ではないのか。

国会法改正から約10年、一括して憲法全体を改正できるとでも思っていた のか。この数年、憲法改正は日本国にとっての重要課題であり続けてき た。賛成でも反対でも、その基本ルールも知らずに議論する政治家の主張 や理屈など、信じられるものだろうか。

これ程不見識な彼らの近未来を、長島氏が厳しく語った。

「国民民主党が求心力を高められるとは思いません。行き詰まって、結局 枝野さんの立憲民主党に吸収される人々がふえると思います。そのとき彼 らは旧社会党のようになるのではないでしょうか」

私もそんな気がしてならない。

『週刊新潮』 2018年5月17日号 日本ルネッサンス 第802回



         
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米朝会談へ神経戦が最高潮
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        杉浦 正章

米「半年以内の核搬出」要求

 北「体制の保障と平和協定」で瀬踏み

6月12日に開催予定のトランプと金正恩の米朝首脳会談に向けて、神経戦 が展開されはじめた。分析すれば米国が、「完全なる非核化」を要求し、 北はこれを拒否した上で体制の保障を求めている構図が浮かび上がる。

米国は北に対して核弾頭や大陸間弾道弾を半年以内に国外に搬出するよう 要求、その代償としてテロ支援国家指定の解除と金正恩体制の存続をちら つかせているようだ。

しかし金正恩が命と守る核兵器を半年以内に搬出する可能性はゼロに近 く、米提案は駆け引き材料に過ぎまい。溝が埋まるにはほど遠い。

北朝鮮は16日、米韓空軍の定例合同訓練を理由に、南北閣僚級会談の中止 を一方的に通知し、第1外務次官金桂官が談話を発表した。談話は「大統 領補佐官のボルトンをはじめ、ホワイトハウスと国務省の高位官僚は『先 に核放棄、後に補償』方式を触れ回りながら、リビア核放棄方式だの『完 全かつ検証可能で不可逆的な非核化』だの、『ミサイルの生化学武器の完 全放棄』だのという主張を厚かましく繰り返している」と米国の要求を批判。

「これは対話を通じて問題を解決しようとするものではなく、本質におい て大国に国を丸ごと任せきりにして、崩壊したリビアやイラクの運命を尊 厳高い我々に強要しようとする甚だ不純な企てだ」と強調した。

さらに金桂官は「一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、首脳 会談に応じるかどうかも再考せざるを得ない」と首脳会談再考も示唆して いる。

 これに対しトランプは「われわれは何の知らせも受けていない。様子を みてみよう」と述べ、北朝鮮の今後の出方を見極める考えを強調した。さ らにホワイトハウス報道官のサンダースは、米朝首脳会談について、「重 要な会談だ」と指摘し、準備を進める考えを示す一方で「トランプ大統領 は、困難な交渉には慣れていて、その準備も整っている。

ただ、北朝鮮が会いたくないのなら、それでもいい。その時は、最大限の 圧力をかけ続けるだけだ」とすごんで見せた。北朝鮮が対話を選ばなけれ ば、圧力を強める考えを示して、けん制したことになる。

 しかし、“口撃”の厳しさは半島民族の“特性” であり、隘路を探してい ることは間違いない。その一つとして、韓国大統領文在寅を通じてトラン プの説得を要求している可能性が高い。

米韓首脳会談は22日に予定されており、北朝鮮が米韓合同航空戦闘訓練 『マックスサンダー』を理由に南北閣僚級会談を一方的に中止したのは、 米韓首脳会談に向けた思惑があるからにほかならない。

その意図は韓国を動かして、米国との首脳会談の際の北朝鮮の立場をより 正確に説明させようとしているのかもしれない。既に北朝鮮は韓国との閣 僚級会談を中止することで、F22などの戦略兵器が朝鮮半島に飛来するこ とを望んでいないという意思を明確に示している。金正恩は北朝鮮の立場 をあらかじめ文在寅を通じてトランプに伝達してけん制しているのだろう。

そもそも北朝鮮の狙いは今年早々から明白だ。正月に金正恩は対話攻勢に 転じて、まず米国の同盟国である韓国の取り込みを図ってきた。金正恩と 文在寅の会談で準備段階を終え、いよいよトランプとの会談に向けた総仕 上げ段階に入っているのだろう。

北は体制の保障と平和協定締結を最終目標としている。また一連の言動は 米朝会談で主張する予定の重要なメッセージを米側にあらかじめ伝えて、 瀬踏みをしているのだろう。これに対して米側も半年以内の核搬出という “高値”をふっかけて、妥協点を模索しているのが現在の図式だろう。


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「痴呆」から「認知症」へ
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      向市 眞知

有吉佐和子の小説「恍惚の人」でボケ老人が話題になって、何年が経つで しょうか。「ボケ」も「痴呆」もやはり不適切な呼び方だと思います。や はり「認知症」「認知障害」が、用語としては適切と思います。
 
<脳生理学によれば、脳の神経細胞は140億個というとんでもないたくさ んの数だそうです。しかし、実際に働いているのは40億個だけ。脳は20歳 頃に発達を終え、脳のピーク時の重量は1400gだそうです。20歳のピーク を過ぎると、1日に10万個ずつ脳の神経細胞がダメになっていき、脳細胞 の数は日に日に減少。
 
1日に10万個、1年365日で3650万個が失われていき、10年で3億6500万個が 失われ、30年で約10億個が失われる計算になります。すなわち20歳で40億 個働いていた脳の神経細胞が50歳で30億個になり、80歳で20億個になる。 つまりピーク時の重量より100gも重量が減るのです。>

この話を知った時、物忘れがひどくなって当たり前と納得してしまいまし た。一生懸命考えても考える脳の量が減っているのだから、思い出せない し覚えられなくて当然と思ってしまいました。人の名前が出てこない、ふ と用事を思いついて立ってみたものの「さて何をするつもりだったの か?」わからなくなってしまう。まさしく老化の入口なのでしょう。

しかし、「認知症」となるともっともっと記憶の障害が強くなるわけで す。よく言われるように自分が朝ごはんを食べたことさえも忘れてしま う。とすれば、一瞬のうちに自分のしたことを忘れてしまうという、とて もつらい体験のなかで暮していることになります。
 
1週間前の記憶、昨日の記憶、今朝の記憶も忘れてしまう。自分のしたこ とを忘れて記憶していないということは、記憶喪失に近い感覚で、体験の 積み重ねができないことになります。

すなわち毎日毎日新しい体験ばかりが自分に降りかかってくるという、緊 張とストレスの連続の中で生きてゆかねばならないことになります。そん な認識の中で生きている高齢者の辛さをまずわかってあげてほしいと思い ます。

「認知症」の人が、それぞれの脳に残された能力の範囲で一生懸命に世界 を認識しようとしている。私達からみればその世界が非現実的でまちがっ ている世界であっても、高齢者からすれば他に考えようのない現実なので す。それを頭から否定されたらどうしてよいかわからなくなって、混乱に おちいってしまうことになります。
 
「認知症」の人への対応の奥義は「(相手を)説得するより(自分が)納 得する」ことです。しかし、だんだんと世の中の決まりごとを超えた行動 をとりはじめるのが、「認知症」や「精神科疾患」の特長です。客観的に 見ればありえない話が患者さんを支配します。

もの取られ妄想とか、しっと妄想といわれる行動です。たとえば妻が「こ こに置いてあった財布を知らないか?」と夫にたずねたとします。夫が 「知らないよ。見なかったよ。」と答えます。

夫の答えに対して通常妻は「おかしいなあ、どこへ置いたのかなあ。」と 自分の態度を修正するのです。しかし、「認知症」となると自分の態度が 修正できません。夫の「知らない。見なかった」という答えに対して「お かしい?!私の財布をとったな?!かくしたな?!」と思い始めるのです。
 
今のところ「認知症」に対する効果的な治療は見つかっていません。まず 周りの者が「認知症」を理解し、対処のしかたを身につけることが現実的 な道です。そして、その対処の仕方を授けてくれるのが、医療や介護の専 門家です。

「老人性認知症疾患センター」という相談機関があります。精神科のある 総合病院などに設置されており、大阪全域の場合、9ヶ所の病院にありま す。ここでは、「認知症」についての診断と、医療・福祉サービスの情報 提供を行っています。まずしっかりと診断を受けないことには対処方法も 立てられません。

介護保険をはじめ福祉サービスをうける場合も、入院や施設入所をする場 合も、すべて医師の診断書がなければ利用できないことをご存知でしょう か。診療をうける必要を感じない「認知症」の本人を診察につれて行くこ とが最大の難関となります。もし高齢者に認知症状を疑われたら、本人の 身体に関する訴えに注意しておきましょう。

「もの忘れがひどくなった」とか「夜ぐっすり眠れない」という症状は、 案外本人も自覚しているものです。それを理由に「受診」をすすめてみま しょう。最近は「精神科」という看板ではなく、「もの忘れ外来」という 看板をあげている病院もふえてきています。

「おしっこの出が悪い」でも何でも構いません。ご本人の訴えをもとに医 師に診てもらうチャンスを作り出してください。精神科でなくても内科系 の開業医でも「認知症」の理解はあります。受診にこぎつければ、医師は 検査や服薬をすすめてくれます。

「おかしい」と気付いた家族が、本人の診察の前か後かに医師へ本人の在 宅の様子を伝えておけば医師は上手に診察をしてくれます。家族の方々も 皆それぞれに生活があるのですから、その生活までもが脅かされる問題行 動が続く場合には、施設の利用も考えていかざるを得ないと思います。                              (了)
             大阪厚生年金病院 ソーシャルワーカー

             
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重 要 情 報
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 ◎台湾のビール缶に「旧日本軍」で炎上、真相は親中派の工作活動
by 黄文雄『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学 院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、 評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国 人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

● 台湾ビール缶に旧日本軍のイラスト、「台湾ネットユーザーが反発」と 中国メディア

台湾ビールの限定パッケージが、中国統一派の標的にされたようです。台 湾ビールから発売されている「金牌」というブランドが発売した、期間限 定パッケージに描かれているイラストが問題視されました。発端は、中国 統一派によるFacebookへの投稿です。以下、記事を引用します。

あるネットユーザーが22日、フェイスブック上で『台湾ビールの新しい包 装に、媽祖(※編集部註:中国沿海部を中心に信仰を集める道教の女神) と旧日本軍のイラストが描かれている。媽祖に対する著しい侮辱であり、 これは植民地時代の記念なのか、それとも植民地時代に戻りたいのか』と し、イラストが描かれた缶パッケージの写真を紹介するとともに、拡散を 求めたことを伝えた。

このことを最初に報道したのは中国系メディア「環球網」でした。ここで は上記のような内容のほかに、台湾は蔡英文総統を筆頭に媚日に懸命に なっているのはおかしいと、台湾を糾弾しているような内容になっていま す。以下、一部を引用します。

不?,“媚日”的??在?内一直?受争?,网友曝光的台啤最新包装只是其 中个例,??的事情在台湾并不少?。

媚日の話題は台湾で議論になり続けており、今回の問題もほんの一例に過 ぎない。

早先,台湾?方防空部?在屏??施?兵?式自主???,被曝直接用上了 日??歌,?官兵反映后,才??更??台湾??。

先日は台湾の防空部隊が屏東で実施した閲兵式の自主訓練で日本の軍歌が 用いられたことが暴露された。

此外,在今年初,一直宣称反核的民?党当局又被曝180度大?弯,??放 日本核灾地区食品,一???内??炸了?。不少?内民众痛批,“反核的 ?要?放核食?那?反什?核?都吃到核食了!”,更有网友直指“蔡英文媚 日已?没有底?了!”

今年始めには、原発反対を主張してきた民進党当局が日本の原発事故被災 地域の食品輸入を認めようとして台湾で大きな議論が巻き起こり、市民か ら痛烈な批判が出た。

● 台湾金牌啤酒新包装?“日本皇?” ! 台网友怒了:?是要回殖民?代?!

● 台湾ビール缶に旧日本軍のイラスト、「台湾ネットユーザーが反発」と 中国メディア (レコードチャイナ)

この記事が荒唐無稽なことは分かっていながらも、福島県産の食品への侮 辱は、やはり看過できないものがあります。

中共メディアの「偽ニュース」が伝えた嘘

中国では、『人民日報』で掲載されるニュースは信用できないということ は常識です。すべて当局の都合のいいように作られたもので、「人民日報 騙人民(人民日報は人々を騙す)」との言い方まであります。国民党に都 合のいいように事実を捻じ曲げる姿勢は、メディアにおいてだけでなく、 あらゆる面で見られることから、中国文化は「騙しの文化」とも言われて います。

人民日報の国外版にあたる「環球網」も、フェイクニュースを流布するメ ディアとして有名です。これら中国のメディアは、中国共産党宣伝部の喉 舌として知られ、党中央部の意向を分析するフェイクニュースの大本営と しての価値しかありません。

また、この報道を受けて、台湾のアップルデイリーでも同じような報道が なされましたが、アップルデイリーの記事は台湾ビール側の言い分も掲載 しています。

「日本軍の軍服と媽祖を同時に描くのは媽祖への侮辱ではないかとの意見 があるが、どう説明するのか」という質問に対して、台湾ビール側は、日 本軍の軍服を描いたわけではなく、イラストの人物がかぶっている帽子に 描かれているのは媽祖廟のロゴであり、日本軍のマークではない。事前に 許可も取っているし、媽祖を侮辱するなどととんでもないことだ。印刷が 小さいから誤解を招いたのかもしれないと、釈明しています。

● 啤酒罐身竟印日本皇軍? 台啤喊冤稱誤會大(台湾アップルデイリー)

実際にイラストを確認すれば一目瞭然ですが、このイラストが日本軍の軍 服には全く見えません。どれだけ悪意を持ってこのイラストを見ても、日 本軍の制服には見えません。この荒唐無稽な言いがかりを拡散させたいの は統一派の人々ですが、台湾内ではあまり相手にされていません。台湾で は、皮肉を交えて、どちらかというと人民解放軍の制服に似ているという 人もいたとか。

台湾では、統一派による日本批判がちょくちょくあります。2017年4月に 起こった八田與一像破壊事件、この事件についてはこのメルマガでも取り 上げたことがありました。

2017年9月に起こった台湾大学流血事件、これは中国の歌番組の収録が台 湾大学で行われる予定でしたが、台湾大学の学生が番組側が大学名を「国 立台湾大学」から「台北市台湾大学」へと勝手に名称変更したことに対し て、統一工作の一環だと抗議したのがきっかけとなり、八田與一像を破壊 した中華統一促進党のメンバーが学生たちを殴ったことで事件へと発展し たものです。

統一派勢力は、台湾内でいろいろと姑息な活動をしていますが、なかなか 成果が挙げられず、焦っているのかもしれません。その結果が、今回の台 湾ビール批判へと繋がったのかもしれませんが、これはあまりにバカバカ しい言いがかりだったことから、台湾でもこの話題に注目する人は少な かったようです。怖いのは暴力です。

台湾への恫喝は、反中意識を高めるだけ

今回のように、メディアを利用した見え見えの言いがかりは無視すればい いだけですが、像を破壊したり学生を棍棒で殴ったりという暴力に発展す ることだけは避けたい事態です。暴力沙汰となり、警察が介入し、国際的 にも注目を浴びることが、統一派の狙いだからです。統一派はあの手この 手で攻めてきます。しかし、台湾人は彼らの挑発に乗らずにすべてを静観 していればいいのです。

台湾では、統一派と見なされる「中国人華僑」は、国民党政権が消えてか ら主に中国政府と手を組んで、反蔡英文活動を中心に工作を行っていま す。この工作が「反日」とともに、「反台独」を目的にした破壊活動です。

戦後、中国から台湾にどっと入ってきた難民の武装集団が、台湾で華僑王 国を築き、そのまま70年間にわたって台湾を支配してきました。しかし、 時代は変ってきています。例えば、38以下の青年に「もし中国が武力侵攻 してきたらどうするか」と聞くと、実に70%以上が祖国防衛に尽くすと答 えています。

このことから、中国による台湾への恫喝は、逆に反中意識を高めるだけで す。また、蔡英文総統や頼清徳行政院長の「実務台独」政策に対する口撃 は、「効果なし」とみなされています。実際に中国の軍事力は、南シナ海 における行為や台湾に向けた軍事演習を見ても分かるように、たいしたこ とありません。中国は、それをいかにも大げさに宣伝するから、「張子の 虎」状態となってしまうのです。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中 国・韓国の真実」』2018年5月1日号の一部抜粋です。



黄文雄この著者の記事一覧
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓 国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日 本周辺で何が起きているかがわかる!

【写真】● 台湾ビール缶に旧日本軍のイラスト、「台湾ネットユーザーが 反発」と中国メディア − 
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【Mag2 News】 2018.05.04 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎輸入自動車に20%の関税をかけて国内産業を保護しよう:前田正晶

ウオールストリートジャーナルが「トランプ大統領が輸入される自動車に 20%の関税を賦課することを計画している」と報じていた。善意で解釈す れば「何としても苦境に喘ぐデトロイトを輸入車を閉め出す作戦であらた めて保護し、同時に貿易赤字削減対策の一環としようとする一石二鳥の政 策であり、トランプ大統領が掲げる『アメリカファースト』の精神が滲み 出ている」と思わせてくれる。

20%とは極めて高率であるが、私にはトランプ大統領がこの数字に至るま でに慎重且つ綿密な市場調査や当該輸出国の自動車輸出政策を実施された 結果であるかどうかなどは知る術もない。望むらくは20%が英語に言う The number was not grabbed out from the air. 即ち、偶々大統領の 脳裏に閃いた数字でない根拠がある値であることだ。この高率では、もし もアメリカが本当にこれだけの関税を実行すれば、我が国も欧州の大手 メーカーも痛手を被るだろう事は想像に難くない。

誰にでも読めそうなこの関税の裏にある狙いはと言えば「トランプ大統領 が就任早々から推してきたメキシコ等の国外で車でも何でも生産してアメ リカに輸出するのではなく、アメリカ国内での job (これを「雇用」と 訳すのは誤りだ!)を増やす為に生産拠点をアメリカ国内に移せ」という ことだとしか考えられない。視点を変えれば「デトロイト等の所謂ラスト ベルトでは雇用状態も芳しくないので、自らの支持層を支援しようとの大 統領の先を見据えた魂胆が丸見えだ」と、なるのではないか。

その限りでは公約を忠実の実行して行かれる大統領は立派であるが、それ らを確実に現実のものとしていく為には「何事も何者も自分の行く手を遮 らせない」というトランプ大統領の固い固い決意のほどが見えてくる。そ れはそれでアメリカ国民、就中プーアホワイト以下の大統領を支持する労 働者階級の階層にいる連中にとっては歓迎すべき事だろう。

だが、私が思うには我が国やドイツとうの自動車メーカーがアメリカ国内 に工場を新設できて沢山の組合員を雇用できるまでには数年は要するので はないだろうか。それまでには貿易赤字が目に見えて減少するとは考えら れないし、日本車や欧州車の熱烈な需要家たちは多少高額になろうとも、 アメリカ産よりも性能が優れた車を買い続ける事もあるだろうとはお考え にならなかったのだろうか。

私は飽くまでも国内の製造業を保護されて、世界の対アメリカ輸出国と 「アメリカファースト」の旗印を掲げて戦っていくおつもりなのかと疑っ ている。国内のユーザーや最終需要者たちが、自分の好みに合った製品を 購入する時に「貿易赤字」までを考慮して行動する国民なのかとお考えに なったことがあるのか。彼らはトランプ大統領と同様に「自分が良けれ ば」と「自分の好みと主張は譲らない」アメリカ人の集団なのである。私 は成り行きを見守るだけにしていこうと当面は考えている。




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身 辺 雑 記
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18 日の東京湾岸は快晴、爽快。

南側の硝子戸を開けると開けると心地よい風が入ってくる。5月半ば今が 一番良い季節だ。

17日の東京湾岸は終日、薄曇り。隣の中学校ではリレーなど運動会の練習 をしている。
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