政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4687 号  2018・5・16[水)

2018/05/16

                                  
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4687号
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      2018(平成30)年5月16日(水)



         中国、ついに切り札「王岐山」を:宮崎正弘

   米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題:櫻井よしこ

      今世紀最大の政治ショー米朝首脳会談:杉浦正章                                        
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4687号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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中国、ついに切り札「王岐山」を
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)5月14日(月曜日)
         通巻第5701号 
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 中国、ついに切り札「王岐山」を米国へ派遣
  劉?副首相では頼りにならない(?)。米中貿易戦争
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劉副首相はワシントンで軽くあしらわれ、協議の成果は何一つなかった。 米中貿易戦争回避という特別任務は、彼の方には重すぎた。

それもそうだろう、米国の対中貿易協議の交渉団の布陣は、これほど対中 タカ派をよく揃えたと感心するほどにライトハイザーUSTR代表、ナバ ロ通商政策局長、その後に控えるのがムニューチン財務長官とロス商務長 官だ。

彼らはトランプの姿勢に共鳴している男たちなのである。


米国の中国に対しての強烈な要求は202尾年までに対米輸出を2000億ドル 減らせというもので、具体的な工程を求めている。

でなければ1300品目に対して制裁関税を掛けると、脅しなのか、本気 なのか、この基本線を譲る構えはない。

北京での米中経済協議は物別れに終わり、5月第2週に中国はふたたび 劉?副首相をワシントンに派遣したが、たんなる経済学者相手に交渉して も政治力がなければ交渉の決断は無理とばかり、冷遇されている。

そこで中国共産党は、とっておきての切り札、王岐山国家副主席をワシン トンに派遣して、中国交渉団のトップに据えるかまえ。これまでアメリカ からの受けも良く、対米交渉の責任者だった王洋は、すでに飾りのポスト でしかない政協会議主席に回されており、蚊帳の外である。しかし王岐山 が渡米して、はたして何処までの進展があるか?

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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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 「朝鮮侵略」などと言われたが、ようやく明かされた秀吉の朝鮮出兵の真実
  キリスト教の野望を潰えさせたばかりか、スペインは日本の脅威に備えた

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平川靜『戦国日本と大航海時代』(中公新書)
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折しも日本政府はユネスコに対して「潜伏切支丹」を世界遺産に登録する ように本格的な働きかけをなし、登録が確実視されている。

熊本県、とくに天草の島西南部と、長崎県の長崎市外海、平戸などに散在 するキリスト教会、長崎市内の大浦天主堂など12の教会は切支丹伴天連が 禁止された時代を生き延び、マリア像を貝殻などに偽装して「隠れ信者」 を集めたという。

評者(宮崎)はこれらの教会をほとんど見ているが、天草の隠れ教会は岸 壁に位置していたり、外海の各地でも美観をほこる場所にひっそりと建っ ている。この因縁からか遠藤周作文学記念館は、外海の崖っぷちに建つの である。

しかし、なぜ禁教に至ったかを日本政府は先に国際社会に説明しなければ ならないだろう。「世界遺産」をこのまま登録されては、日本がまるで時 代錯誤的な宗教弾圧国家と誤解されないからだ。

日本は当初、キリシタンバテレンに寛大だった。

本書はかかるべくして書かれた、正当な歴史書である。あの大航海時代 に、世界を荒らし回ったスペインとポルトガル。しかし日本は世界最強の スペインの侵略を跳ね返したばかりではなかった。スペインは植民地化し 軍事拠点としていたフィリピンで厳重に武装を固め、日本からの攻撃に震 えながら備えたのだ。

こうした真実は長きにわたって歪められて解釈されるか、無視され続けた。

近年、キリスト教の宣教師たちが侵略の先兵だったことは広く知られるよ うになった。貿易の利を吹聴しつつ、ホンネはキリスト教の武装集団を日 本国内に組織化し、いずれ国家を転覆して日本をまるごとキリスト教の植 民地にする。日本に運ばれる珍品は、ときに彼らが倭寇も顔負けの海賊行 為を働き、ほかの貿易船から盗んできた。ようするに南蛮船とは海賊船と 同義語でもあった。

異教徒の宣教師が日本に上陸して布教を始めたのは九州が最初だった。大 友氏、島津氏、そして長州では大内氏がめずらしくもあった異教に寛容 だった。なにしろデウスと日本の神様が似ているという故意に歪曲された 解釈がまかり通ったからだ。マリアは観音様に模された。

いくつかの領内では仏教寺院が破壊され、仏僧らは強く抗議していた。に もかかわらず信長はキリスト教の布教に異様なほど寛容だった。

信長は比叡、石山ならびに伊勢の一向一揆に手を焼いており、この当面の 敵に対応するためにキリスト教を利用しようとした。

 信長が派手に演出して正親町天皇も列席した「馬揃え」(軍事パレード) は、お祭りだったという浅薄な解釈があるが、この馬揃えには宣教師の ウォリヤーノ(イエズス会インド管区巡察師)も招かれていた。驚くべ し、天皇と異教宣教師が同席したのである。それ以前に正親町天皇は、伴 天連追放の綸旨をだしていたにも拘わらず。

平川氏は、これを「このパフォーマンスは諸大名向けというに留まらず、 まさに天皇とイエズス会の上に信長が君臨するというメッセージ」だと解 釈する。

「ザビエルが来日してから、わずか40年にして、日本のキリシタン人口は 約20万人あるいは30万人に達したといわれている。この勢いに気をよく したイエズス会は、切支丹大名を支援して日本をキリスト教国に改造する ことを構想していた」。

 そのうえ日本人を拉致し、アジアからインドへ奴隷に売り飛ばして巨富 を稼ぎ出した。戦国大名の何人かをキリスト教で洗脳し、当該藩内では寺 院を打ち壊した。まさにキリスト教の野望、とどまるところがなかった。
 あまつさえキリスト教になった大名を煽動して、シナ侵略の手先につか えば、日本の武士の戦闘力は高いから、きっと役に立つと述べている宣教 師らの本国への報告文書が、次々と発見されている。

秀吉は早くからその脅威を認識していたが、全面禁止に到らなかったの は、かれらが運んでくる文明の利器、世界情勢に関する鮮度の高い情報が 必要だったからである。

しかし「朝鮮出兵によって日本は、朝鮮および明国の軍隊と干?(かん か)を交え、それと前後して、世界最強といわれたスペイン勢力にも服属 を要求するなど、強硬外交を展開した。朝鮮出兵という、日本による巨大 な軍事行動は、スペイン勢力に重大な恐怖心を与えた」

フィリピンに駐在したスペイン提督はマニラに戒厳令を敷いたほどで軍事 大国としての日本の存在は以後、世界史に登場することになる。

フロイスやヴァリヤーノよりも強烈な野心を研いで日本侵略の野望を捨て なかったのはコエリョだった。コエリョは日本準管区長であり、日本にお ける信者獲得実績を誇大に報告して成績を上げることにも夢中だった。
 「コエリョは大量の火縄銃の買い付けを命じるとともに、有馬晴信や小 西行長などの切支丹大名に反秀吉連合の結成を呼びかけた」うえ、「フィ リピンの総督や司教に対して援軍派遣を要請した」

むろん、コエリョの要請をマニラのトップは拒否した。戦っても日本の軍 事力に勝てるという自信がなかったからだ。

家康の時代になっても、キリスト教宣教師らは野望を捨てていなかった。
 家康に巧妙に近付き、御追従と嘘を繰り出しつつ、何としても布教権を 獲得しようと多彩な工作を展開した。

日本をキリスト教国に仕立て直し、スペイン国王の支配下におく企みは進 行した。ただし、「日本の強大な軍事力を前にして、武力による征服は不 可能と悟った」がゆえに、「布教による日本征服」という遠大な方針に切 り替えたのだ。

メキシコやインディオを残虐な方法で殺戮し、植民地支配を拡げてきたス ペインは、フィリピンまで征服し、次のシナ大陸進行の橋頭堡を確保する ために日本を征服するという基本構想をすてた。

臨時フィリピン総督なったビベロが、日本各地をまわって、「要塞堅固な 城郭に驚嘆し」(中略)「日本の軍事力の強大さ、強硬な日本外交を肌身 に染みて感じていた」からに他ならない。

つまり「日本を征服するどころか、逆にマニラが日本によって征服される のではないかとすら恐れていた」。

 家康は新興勢力だったイギリスとオランダを重宝し、彼らが「布教を条 件としない」のであれば、貿易を認める。それが平戸と出島だった。

こうして明らかとなってきたことは、秀吉の正確な国際情勢の認識と対応 の迅速さであり、戦後、日本の歴史学が閑却した朝鮮出兵の真実が明らか になったことである。

また秀吉のあとを継いでキリストの布教に潜む野心を把握していた?川は 布教の許可には慎重な態度を崩さず、一方で折から台頭してきた英国とオ ランダの情報を分析してバランスを取り、とくにオランダを貿易で徹底利 用した。

当時の日本の指導者には歴史を冷静に客観的に判断できる、確かな目が あったことである。

ともかく信長がキリスト教の宣教師を保護し、布教を認めた背景を理解す るには、当時の政治学的な状況を勘案しなければならない。信長の行く手 を阻んだのは比叡であり、雑賀であり、しかも寺社勢力は武装していた。 信長自身は法華経を信じていた。比叡の軍事力を殲滅するには新興宗教の 力が必要だったうえ、かれらがもたらした火縄銃という、新兵器の魅力も 大きかった。

秀吉が前期にキリスト教に寛大だったのは、信長の後継として、外国から もたらされる文明の利器と、マニラを経由して入ってくる国際情勢の ニュースだった。しかし宣教師らを通じて得た情報とはキリスト教の布教 の裏で、日本の美女をおびただしく拉致し、売春婦として西欧に運んだこ とであり、また同時に一神教の凶悪な侵略性だった。

切支丹伴天連の大名だった高山右近は、領内の寺社仏閣を破壊する凶暴性 を示し、やがてキリスト教徒が日本を侵略する牙を研いでいることを秀吉 は知って追放に踏み切った。

家康はもともと浄土宗の信者である。

三河時代から一向一揆の反乱に手を焼いて、大樹寺に助けられて以来、浄 土真宗をいかに政治に取り入れるかに腐心し、同時に家康はスペイン、ポ ルトガルとは異なった一派が勢力を拡げている事情を英国人ウィリアム・ アダムスとオランダ人のヤン・ヨーステンから知った。

それゆえキリスト教の布教を認めず、しかし貿易のために英国には平戸を 解放し、オランダ人も通商だけに専念するとする理由で長崎出島の活用を 許した。

布教は御法度だったが、天草では反徳川の不満分子が反乱を起こしたた め、これをようやくにして鎮圧し、以後は「鎖国」として、キリストを封 じ込めたのである。

明治政府は、文明開化を鮮明にしてキリスト教の布教も許さざるを得なく なったが、同時に防波堤が必要であり、国内のナショナリズムを高めるた めに日本古来の神道の復活を奨励し、薩摩や水戸では過激な廃仏毀釈がお きた。かようにして宗教とは政治とが一体となれば、イランのような狂信 的イスラム国家を産むように、政治と宗教は切り離すことが近代の政治の テーマとなった。

いずれにせよ、本書は今日までのキリスト教を誤解してきた迷妄を打ち破 る快心作ではないかと思う。
             

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米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題
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             櫻井よしこ


  「米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題 「リビア方式」による 解決可能性を示唆か」

4月17日の日米首脳会談で、ドナルド・トランプ米大統領は安倍晋三首相 に、「極めて高いレベルで北朝鮮と直接対話している」と語り、その後記 者団が「金正恩氏と直接話しているのか」と問うと、「イエス」と答え た。マイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官が3月30日から4月1日の 復活祭の連休を利用して訪朝したのだという。

いま米国の対北朝鮮外交はトランプ氏の意向を汲むポンペオ氏に加えて、 国家安全保障問題担当大統領補佐官のジョン・ボルトン氏が軸となって構 築されている。3氏共に、非核化の話し合いが失敗すれば、軍事オプショ ンもあり得るとの考え方だ。

ポンペオ氏は正恩氏と話し合いをした後の4月12日、上院外交委員会で行 われた国務長官への指名承認公聴会で、正恩体制の転換は考えていないと 明言すると同時に、非核化に関して、「見返りを与える前に恒久的かつ不 可逆的な成果を得ることを確実にする」と述べた。

米国側の一連の動きは北朝鮮問題が「リビア方式」による解決に向かう可 能性を示唆するのではないか。

これはリビアの最高指導者、カダフィ大佐が選んだ非核化の道である。カ ダフィ氏は秘密裏に大量破壊兵器の製造を進めていたが、2003年12月にイ ラクのサダム・フセイン元大統領が地中に潜んでいたところを米軍に拘束 されたのを見て、震え上がった。カダフィ氏はその3日後に大量破壊兵器 を放棄する意思を世界に宣言した。

CIAと英国の秘密情報組織、MI6の要員を含む専門家集団がリビア入 りし、核兵器、核製造に必要な関連物資、核運搬用のミサイル、製造施 設、一連の計画に関する書類など全てを押収、化学物質はリビア国内で米 英作業部隊の監視の下で破壊され、書類は全て国外に持ち出された。

カダフィ氏は全てを受け入れて生き延びた。但し、彼は10年にチュニジア でいわゆる中東の春と呼ばれる民主化運動が始まり、その広がりの中で11 年に群衆に殺害された。

正恩氏が核を放棄すれば、カダフィ氏やフセイン氏のように命を奪われる という言説があるが、右の2つのケースが伝えているのは全く別の教訓で はないか。フセイン氏は核兵器を持っていなかったが持っている振りをし て査察を拒否し、米軍に殺害された。カダフィ氏は核兵器製造を明らかに し、査察を受け入れ、8年間生き延びた。氏を殺害したのは前述したよう に、リビアの国民であり、それはカダフィ一族による専制恐怖政治が招い た結果だ。

2人の指導者の異なる運命を正恩氏が把握すれば、どちらを選べば氏の命 脈が守られるかわかるはずだ。

トランプ氏は安倍首相との共同記者会見でも「成果が期待できなければ米 朝首脳会談は実現しない。会談が実現しても実りがなければ退席する」と 語っている。正恩氏に圧力をかけ続け、米国の求める形の非核化実現を促 しているのだ。

安倍首相とトランプ氏は19日午前の共同記者会見で拉致問題についても 語った。トランプ氏は拉致被害者について、「日本に帰れることを大事に 考えている。私はこのことをシンゾーに約束した」と語った。救う会会長 の西岡力氏は語る。

「CIAは北朝鮮の情報当局にも接触しており、拉致被害者についても語 り合っていると思われます。その中で拉致被害者生存情報を得ているので はないでしょうか。その上で拉致被害者の帰国に言及しているのです。勿 論、甘い期待はできませんが、拉致問題解決に向けてよい兆しだと思います」

国際政治は動いている。多くの日本人の命と運命がかかっている。国とし てどう動くべきか、正念場である。日本の国会はもっとこうした大事な問 題に向き合うべきだ。
『週刊ダイヤモンド』 2018年4月28日・5月5日合併号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1229

            
          
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今世紀最大の政治ショー米朝首脳会談
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             杉浦 正章

 ポンペイオの“まき餌”に食らいついた金正恩

日本も拉致問題を棚上げしてまず正常化を


米大統領ドナルド・トランプと北朝鮮の労働党委員長金正恩による、今世 紀最大とも言える政治ショーが展開されようとしている。水面下での懸命 の駆け引きから垣間見える焦点は、いちにかかって北の「核廃棄の度合 い」と見られる。

米国は北の核実験と核・ミサイルの完全なる廃絶を要求しているが、北は 安全保障上の脅威を理由に20発と言われる核弾頭を手放す気配はない。

さらに6月12日の首脳会談は、トランプが秋の中間選挙を意識して細部を 詰めない妥協に走る危険を内包している。

日本を狙う中距離核ミサイルなどは二の次三の次に回されかねない。日本 は天井桟敷から大芝居を見物していてはならない。会談成功に向けて堂々 と発信すべきだ。拉致問題は最大の課題だが、ここは関係正常化が先だ。 早期の日朝会談が望ましい。

 歴史に残る米中極秘会談の立役者は大統領補佐官ヘンリー・キッシン ジャーであった。1971年にニクソンの「密使」として、当時ソ連との関係 悪化が進んでいた中華人民共和国を極秘に2度訪問。

周恩来と直接会談を行い、米中和解への道筋をつけた。今回の立役者は国 務長官マイク・ポンペイオであった。そのしたたかさはキッシンジャーに 勝るとも劣らない。2回にわたる金正恩との会談で、おいしい“まき餌”を ちらつかせて金正恩をおびき寄せた。

ポンペイオは「北朝鮮が、アメリカの求める、完全かつ検証可能で不可逆 的な非核化に応じれば、制裁は解除され、北朝鮮で不足する電力関係のイ ンフラ整備や農業の振興など、経済発展を支援する。

アメリカ企業や投資家からの投資を得ることになる」とバラ色の未来を描 いて見せた。さらにポンペイオは「アメリカは、北朝鮮が、韓国を上回る 本物の繁栄を手にする条件を整えることができる」と北にとって垂涎の誘 いをかけると共に、トランプ政権が、北朝鮮の金正恩体制を保証する考え も伝えた。軍事オプションは当面使わないという姿勢の鮮明化だ。

 これだけのおいしい話しに乗らなければ金正恩は指導者たる素質を問わ れる。元国務次官補カート・キャンベルも「これにより対話や協議に向け て新たな道が開かれ、少なくとも短期的には核拡散のリスクが低減し、粗 暴な軍事オプションは後回しになるだろう」と展望した。

金正恩は「非核化協議に応ずる」と飛びついたが、非核化にもいろいろあ る。米国が目標に掲げているのは「朝鮮半島の完全なる非核化」なのであ るが、金正恩の狙いは現状のままで核開発プログラムを凍結し、その見返 りに国際社会からの経済制裁を直ちに緩和させるというものだ。

それは、米国が目標に掲げている朝鮮半島の非核化とは似て非なるもので ある。米国にとって非核化は、北朝鮮の核兵器プログラムと核兵器そのも のの完全な破棄を意味するのであり、トランプは正恩との会談では核兵器 の解体を速やかに進めるよう求めるだろう。この両者の見解の相違が事態 の核心部分であるのだ。

そもそも父の正日が1998年に核計画に着手して以来、金一族はプルトニウ ムを「家宝」のように営々として作り上げてきた。GDPが米国の1000分の 1しかない国が、国家よりも自分や一族の体制を守る手段として核を開発 してきたのだ。

米下院軍事委員長マック・ソーンベリーが「これまで北朝鮮は米国を手玉 に取ってきた。大統領は過度の期待を慎まなければならない」と看破して いるがまさにその通りだ。核イコール金王朝の存続くらいに思わなければ なるまい。

 
こうした状況下で開催されるトランプ・金会談の焦点はどこにあるのだろ うか。まず第一に挙げられるのは金正恩が米国や国際機関による完全な形 による検証に応ずるかどうかだ。

坑道には水爆実験用に新たに掘ったものもあるといわれる。それを完全に 破壊するかどうかが疑わしいといわれている。坑道の入り口だけを破壊し て、完全破壊を装う可能性があるからだ。また北が主張する「ミサイル開 発計画の放棄」は何の意味もない。現状が固定されるだけに過ぎないからだ。

既に保有するミサイルと核爆弾の解体が不可欠なのだが、金正恩が「核大 国」と自認する以上、容易に核を手放すことはないだろう。

こうした核問題と並行して、極東の平和体制を構築するために、米政府内 には休戦協定を平和条約に格上げする構想がある。休戦協定は1953年7月 27日に署名され、「最終的な平和解決が成立するまで朝鮮における戦争行 為とあらゆる武力行使の完全な停止を保証する」と規定した。

しかし、「最終的な平和解決」(平和条約)は未だ成立していない。朝鮮 戦争の休戦協定は北朝鮮、米国、中国の間で署名されているが、韓国は署 名していない。

平和条約実現のためには、まず米朝で終戦を宣言し、ついで南北で終戦を 宣言する。そして韓国、北朝鮮。米国、中国で平和条約に署名し、これに 日本とロシアが加わって最終的には6か国の枠組みで平和条約を確立させ る方式が考えられる。

こうした構想は確かに極東情勢が行き着くべき終着点だが、ことはそう簡 単ではあるまい。紆余曲折をたどるに違いない。今後5月22日に米韓首 脳会談。5月26日に日露首脳会談。

6月8,9日に韓国も参加する可能性があるカナダでのサミット。6月12 日の米朝首脳会談へと激しい外交の季節が続く。モリだのカケだの政権を 直撃することのない話しに1年以上もこだわる野党も、時代を見る眼を問 われる。

集中審議に応じた自民党執行部の見識のなさも尋常ではない。集中審議な ら米朝会談をテーマとすべきではないか。野党も議論に参加すべきである。

安倍は12日の会談結果を早期にトランプから聞く必要があろう。日朝関係 は経済支援を米国が日本に頼る意向を示していることから、日本の対応が クローズアップされる時期が必ず来る。日本は拉致問題を抱えているが、 生存すら不明な拉致問題に拘泥していては物事は進まない。

ましてや拉致問題の解決をトランプに頼んでも二の次三の次になることは 否めない。いったん棚上げして日朝関係を正常軌道に乗せた上で、解決を 図るべきだろう。日朝関係を拉致問題調査団を派遣できるような状態にし なければ、未来永劫に拉致の解決はない。


          
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重 要 情 報
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 ◎北朝鮮、核実験禁止に向けた国際枠組み参画へ=国際機関代表部大使

[ジュネーブ 15日 ロイター] - 北朝鮮の韓大成・駐ジュネーブ国際機関代表部大使は15日、ジュネーブで開催されている軍縮会議で、北朝鮮が核実験禁止に向けた国際的な取り組みに参画すると表明した。

同大使は「核実験の停止とその追跡措置は世界的な軍縮のプロセスに重要で、北朝鮮は核実験の全面停止に向けた国際的な軍縮の取組みに参画する」と述べた。

ただ、こうした全面的な核実験の禁止を目指す、包括的核実験禁止条約(CTBT)については直接言及しなかった。

同大使はまた、「北朝鮮は南北朝鮮間関係の発展を達成するために和平に向けた取り組みを一段と押し進めるとともに、軍事的な緊張の緩和に努め、朝鮮半島における戦争の危険性を大きく引き下げる」と述べた。

【写真】5月15日、北朝鮮の韓大成・駐ジュネーブ国際機関代表部大使(写真)は、同国が核実験禁止に向けた国際的な取り組みに参画すると表明した。写真は2018年2月、ジュネーブで撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse) 
<https://jp.reuters.com/article/nkorea-nuclear-test-ban-idJPKCN1IG2GV>https://jp.reuters.com/article/nkorea-nuclear-test-ban-idJPKCN1IG2GV
【ロイター】 ワールド2018年5月16日 / 01:02 〔情報収録 − 坂元 

誠〕]]

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身 辺 雑 記
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16 日の東京湾岸は快晴。家人の実家の墓参のため茨城県鹿嶋市へ行く。

                          読者:5576人
              






        


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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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