政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4680 豪  2018・5・9[水)

2018/05/09

                                  
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4680号
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      2018(平成30)年5月9日(水)



              米朝の偶発的軍事衝突:加瀬英明

         「小義」では崩せぬ安倍一強体制:杉浦正章

    米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題:櫻井よしこ

        「非関税障壁でアメリカの自動車が:前田正晶
 
           大城バネサ「長良川悲恋」:馬場 伯明

              
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4680号
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米朝の偶発的軍事衝突
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     加瀬 英明

米朝の偶発的軍事衝突 現憲法では国民を守れない

私は米朝首脳会談が行われないか、物別れに終わっても、アメリカが北朝 鮮に軍事攻撃を加えることは、まずないと思う。

すると、ここしばらく手に汗を握るような朝鮮半島危機が、続いてゆくこ とになる。

日本としては、平和の惰眠を貪ることから目覚めて、ミサイル迎撃システ ムを強化し、敵基地を攻撃する能力を整備して、鬼のいぬ間に大急ぎで洗 濯に励むべきである。

トランプ大統領は、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験しするか、核実験を 行ったら、軍事攻撃を加えると脅しながら、北朝鮮に対して海上封鎖を行 うことになろう。かつて、1962年のキューバ・ミサイル危機に当たって、 ケネディ政権がキューバに対して海上封鎖を断行して、成功した前例があ るから、アメリカ国民は喝采しよう。

そうなると、アメリカと北朝鮮の間で、偶発的な軍事衝突が起こる可能性 が高まろう。

アメリカはその場合に、日本に相当な被害が生じても、北朝鮮に全面攻撃 を加えることになる。日本という肉を斬らせて、北朝鮮という骨を断つのだ。

1年ほど前に、ペンタゴン(国防省)のアドバイザーが来日した時に、私 の事務所を訪れて、「われわれが北朝鮮を攻撃すれば、金正恩政権は面子 にかけて、かならず韓国、日本に攻撃を加えよう。日本に飛来する第1波 のミサイルをすべて迎撃して破壊することはできないから、日本は耐えて もらうほかない。しかし、2波はけつして撃たせないから、安心してほし い」といった。

現状では、日本は北朝鮮が日本へ向いて発射してくる、多数の弾道弾に対 して、国民を守る能力はまったくない。PAC3ミサイル迎撃ミサイル・ システムが北海道から沖縄まで17ユニット配備されているだけだから、 国土の100分の1すら守ることができない。

日本を守るためには、アメリカに縋(すが)るほかないのだ。

日本国憲法は「平和憲法」と呼ばれているが、もともとアメリカが占領下 で、「アメリカの平和」のために、日本に押し付けたものだ。私たちは 「日本の平和」を守るためには、まったく役に立たないことを、覚らなけ ればならない。

それにしても、どうして原水爆禁止協議会(原水協)の諸兄姉が立ち上 がって、ミサイル迎撃システムを増強することを、政府に強く要求しない のだろうか。



       
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「小義」では崩せぬ安倍一強体制
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          杉浦 正章

 “四人組”の仕掛けは空振り
 
「春雨や食われ残りの鴨が鳴く」は一茶の名句だが、自民党内は小泉純一 郎を中心とする“ノーバッジ四人組” が、「グワッ!グワッ!ワッ!」と なにやら姦(かしま)しい。どう見ても疝気筋のOBが「安倍降ろし」を始 めようとしているかのようだ。

そこには国民に通用する「大義」はなく、個人的な恨み辛みを晴らそうと する「小義」しかない。小義で国政の中枢を攻撃しても説得力はない。9 月の自民党総裁選で安倍3選という流れを変える力にはなるまい。

まず四人組の発言を検証する。姦しい筆頭は何と言っても小泉。それも親 子で姦しい。親は「3選は難しい。信頼がなくなってきた。何を言っても 言い逃れ。言い訳と取られている」だそうだ。この発言から分かる小泉の 政治判断は「信頼がなくなってきたから3選は難しい」だが、一体誰の信 頼がなくなったのか。

国民に聞いたのか。それともTBSやテレビ朝日の情報番組の軽佻(けちょ う)浮薄な報道の請け売りなのか。息子の小泉進次郎も「全ての権力は腐 敗する」だそうだ。

英国の歴史家ジョン・アクトンの言葉の請け売りだが、アクトンは専制君 主の権力はとかく腐敗しがちであるということを言ったのであり、民主主 義政権の批判では更々ない。学校で習ったの政治学用語などをそのまま 使ってはいけない。現実政治にそぐわない。青いのである。

政界ラスプーチンのように陰湿な印象を受ける古賀誠も「首相は改憲あり きだ。憲法9条は一字一句変えない決意が必要だ」と安倍の改憲志向を攻 撃する。これこそノーバッジが発言すべきことだろうか。

口惜しいのならバッジを付けて「改憲反対党」を結成してから言うべきこ とではないか。それとも民放から“お呼び”がかかるように、アンチ安倍を 売り物にしているのだろうか。

 山崎拓の「財務相が辞める以外に責任の取り方はない」は、独断。福田 康夫は自身が旗振り役だった公文書管理法に触れ、「いくら法律やルール をつくっても守ってくれなきゃ全く意味がない。政府の信用を失う」と述 べ、財務省による公文書改ざんなどを批判した。これも自分の冴えなかっ た政権を棚に上げた難癖だ。

口裏を合わせたような安倍政権批判発言の連続だが、その狙いはどこにあ るかだが、おそらく“政局化”の瀬踏みであろう。導火線に火を付けて自民 党内の反安倍勢力をたきつけようというわけだ。

しかし、“仕掛け”はしても肝腎の党内は全く呼応しない。導火線は湿って 進まないのだ。せいぜい村上誠一郎あたりが反安倍の牙城TBS時事放談で 「日本が崩壊しようとしている。

政治と行政が崩壊しつつある」と太った腹を叩いて呼応しているが、誇大 妄想が極まったような発言にはよほど馬鹿な視聴者しか喜ばない。そこに は大義がなくて個人的な憎しみだけをぶつけても共感は沸かない。

 
一方で、党執行部も沈黙していては安倍から疑われると考えてか、3選支 持論が盛んに出始めた。幹事長・二階俊博は「安倍首相支持は1ミリも変 わっていない。

外交でこれだけ成果を上げた首相はいない」と持ち上げた。なぜか眼光だ けは鋭い副総裁・高村正彦に至っては「日本の平和と安全にとっても、安 倍首相は余人を持って代えがたい」と持ち上げられるだけ持ち上げた。

そもそも安倍支持の構図を見れば、細田、二階、麻生の3大派閥が 支持 しており、これだけで人数は197人に達する。これは405人の自民党国会議 員の半数に迫っている。シンパを含めれば3分の2は固い。

これに対して岸田文男ハムレットは、禅譲路線を走るべきか戦うべきかそ れが問題じゃと優柔不断。もっとも戦うにしてもとても過半数はとれる情 勢にはなく、戦うことに意義があるオリンピック精神でいくしかない。し かし、この路線が政治の世界では通用するわけがない。無残な敗北は、将 来の芽を自ら摘んでしまう。46人では多少は増えてもいかんともしがたい のだ。

将来もくそもないのは石破茂だ。もっと少なく総勢20人の派閥では総裁選 出馬に必要な推薦人20人を自前で確保できない。自分は数えないから 19人しか推薦人がいないのだ。1人や2人は集まるだろうが、それでは とても安倍には歯が立たない。

TBSもテレビ朝日も的確な分析が出来るコメンテーターがゼロで、放送法 違反すれすれの反安倍色の強い情報番組をやっているが、昔から民放テレ ビの無能さは度しがたい。

加えて安倍政権は安倍の外交指向に近隣諸国の情勢が作用して、外交日程 が押せ押せになっている。極東緊張緩和が大きく動こうとしている。9日 には東京で日中韓首脳会談とこれに合わせて日中、日韓首脳会談がそれぞ れ行われる。

約2年半ぶりとなる会談は北朝鮮の完全な非核化に向けた具体策や、米朝 首脳会談に向けた連携を確認する。5月下旬には日露首脳会談。6月8 日、9日には先進7か国首脳会議がカナダで開催される。

同月中旬までには米朝首脳会談が予定され、これに加えて日朝首脳会談も 浮上するだろう。マスコミは内閣支持率が30%台に落ち込んだと批判する が、外交で持ち直すだろう。そもそも30%台などは通常の政権だ。佐藤政 権などは長期に30%台だった。

こうした重要な外交日程を前にして野党が国会で、つまらぬ森友だの加計 だので安倍の足を引っ張れば朝日や民放がはやし立てても、世論からブー メラン返しに合うだろう。

既に昨年の総選挙が証明したとおりだ。野党は追及すべき外交、政策課題 は山積しており、モリだのカケだのと無為無策のまま6月20日の会期末を 迎えるべきではない。しかし、結果的には安倍は終盤国会を乗り切るだろ う。そうすれば、9月の総裁選挙まで3か月。安倍は事実上有利な態勢の まま総裁選に突入する公算が大きい。最近安倍はいい顔になってきた。



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米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題
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              櫻井よしこ

「米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題 「リビア方式」による解決 可能性を示唆か」

4月17日の日米首脳会談で、ドナルド・トランプ米大統領は安倍晋三首相 に、「極めて高いレベルで北朝鮮と直接対話している」と語り、その後記 者団が「金正恩氏と直接話しているのか」と問うと、「イエス」と答え た。マイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官が3月30日から4月1日の 復活祭の連休を利用して訪朝したのだという。

いま米国の対北朝鮮外交はトランプ氏の意向を汲むポンペオ氏に加えて、 国家安全保障問題担当大統領補佐官のジョン・ボルトン氏が軸となって構 築されている。3氏共に、非核化の話し合いが失敗すれば、軍事オプショ ンもあり得るとの考え方だ。

ポンペオ氏は正恩氏と話し合いをした後の4月12日、上院外交委員会で行 われた国務長官への指名承認公聴会で、正恩体制の転換は考えていないと 明言すると同時に、非核化に関して、「見返りを与える前に恒久的かつ不 可逆的な成果を得ることを確実にする」と述べた。

米国側の一連の動きは北朝鮮問題が「リビア方式」による解決に向かう可 能性を示唆するのではないか。

これはリビアの最高指導者、カダフィ大佐が選んだ非核化の道である。カ ダフィ氏は秘密裏に大量破壊兵器の製造を進めていたが、2003年12月にイ ラクのサダム・フセイン元大統領が地中に潜んでいたところを米軍に拘束 されたのを見て、震え上がった。カダフィ氏はその3日後に大量破壊兵器 を放棄する意思を世界に宣言した。

CIAと英国の秘密情報組織、MI6の要員を含む専門家集団がリビア入 りし、核兵器、核製造に必要な関連物資、核運搬用のミサイル、製造施 設、一連の計画に関する書類など全てを押収、化学物質はリビア国内で米 英作業部隊の監視の下で破壊され、書類は全て国外に持ち出された。

カダフィ氏は全てを受け入れて生き延びた。但し、彼は10年にチュニジア でいわゆる中東の春と呼ばれる民主化運動が始まり、その広がりの中で11 年に群衆に殺害された。

正恩氏が核を放棄すれば、カダフィ氏やフセイン氏のように命を奪われる という言説があるが、右の2つのケースが伝えているのは全く別の教訓で はないか。フセイン氏は核兵器を持っていなかったが持っている振りをし て査察を拒否し、米軍に殺害された。カダフィ氏は核兵器製造を明らかに し、査察を受け入れ、8年間生き延びた。氏を殺害したのは前述したよう に、リビアの国民であり、それはカダフィ一族による専制恐怖政治が招い た結果だ。

2人の指導者の異なる運命を正恩氏が把握すれば、どちらを選べば氏の命 脈が守られるかわかるはずだ。

トランプ氏は安倍首相との共同記者会見でも「成果が期待できなければ米 朝首脳会談は実現しない。会談が実現しても実りがなければ退席する」と 語っている。正恩氏に圧力をかけ続け、米国の求める形の非核化実現を促 しているのだ。

安倍首相とトランプ氏は19日午前の共同記者会見で拉致問題についても 語った。トランプ氏は拉致被害者について、「日本に帰れることを大事に 考えている。私はこのことをシンゾーに約束した」と語った。救う会会長 の西岡力氏は語る。

「CIAは北朝鮮の情報当局にも接触しており、拉致被害者についても語 り合っていると思われます。その中で拉致被害者生存情報を得ているので はないでしょうか。その上で拉致被害者の帰国に言及しているのです。勿 論、甘い期待はできませんが、拉致問題解決に向けてよい兆しだと思います」

国際政治は動いている。多くの日本人の命と運命がかかっている。国とし てどう動くべきか、正念場である。日本の国会はもっとこうした大事な問 題に向き合うべきだ。

『週刊ダイヤモンド』 2018年4月28日・5月5日合併号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1229

             
           
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「非関税障壁でアメリカの自動車が
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            前田 正晶

未だに「非関税障壁でアメリカの自動車が売れない」と我が国を責めるの は戯言だ

私は5月5日にアメリカの我が国に対する貿易赤字問題を論じて下記のよう に指摘していたので、ここでは「我が国はアメリカというかトランプ大統 領とその側近に向かって下記のような主張をすべきであり、この程度のこ とを言ったくらいで失うものはない」と敢えて言おうと思う。

即ち、敢えて重ねてアメリカ側というかデトロイトの主張が如何におかし いかを述べておこうと思うのだ。非関税障壁などという言いがかりは 30〜40年も前の蒸し返しであって、全く現実味がないのだ。もしもアメリ カの自動車メーカーもトランプ大統領も、ライトハイザーUSTR代表が本気 でそう言っているのだったら「知らないからこそ言える妄言」の他ならな いのだ。

私は彼らというか、我が国のアメリカ製の車を売る業者の努力も不十分で は無いのかと思う。東京都内を歩けばドイツやイタリアの車の販売店の展 示場は幾らでも見かけるが、アメリカの車だけの販売店の展示場を見た記 憶は無い。努力不足ではないのか。

>引用開始

私はトランプ大統領が大統領として貿易赤字を削減しようと言われるのは 当たり前のことだし、特に間違っているとは思わない。だが、細川昌彦氏 も指摘されたように30年も前の貿易摩擦の時期に何あったのか、何故アメ リカは大きな赤字を抱えるようになったかをご存じで言っておられるとは とても思えないのだ。

また、何かと言えば、デトロイトの詭弁を信じて「我が国が非関税障壁を 設けてアメリカ産の自動車を輸入しないのが怪しからん」と言うのは、自 国の問題点を全く認識していないからこそ言える台詞だと思う。

私は何度「未だに左ハンドルの車しか作らない姿勢を反省もしていないの は不当であ。ドイツを筆頭に欧州車が何故我が国で売れているかを知ろう ともしないのか」と批判し続けてきた。英語の表現では右ハンドルの我が 国の車は The steering wheel is on the wrong side. となってしまう のだ。即ち、「ハンドルが誤った位置にについている」という観念なの だ。誤った位置に付けているのは自分たちだという自覚がないのだ。

細川氏はこの件の締めくくりで興味深いことを言っていたのには同感だっ た。それは「もしも、我が国がそれでは『アメリカ産の車を100万台輸入 しましょう』と言ったならば、その場合に入ってくるのはアメリカで製造 されたトヨタやホンダの車になることになってしまうぞ」だった。現に、 所謂逆輸入の車は入ってきている。

私は細川氏の言を借りるまでもなく、政府なのか経産省なのか、茂木大臣 なのか知らないが、デトロイトに向かっては「貴方たちが如何に誤ってい るか」を怖めず臆せずに言って聞かせるべきだし、ライトハイザーUSTR代 表もこれくらいのことが解っていないはずはないと思っている。

<引用終わる

お気付きの方が多いことを希望的に考えているが、未だにハンドルが反対 側に付いた車しか造らず、売れないのを我が国の市場のせいにしている点 などは典型的なアメリカのビジネスマンの悪い癖で「自分たちの至らざる を潔く認めることなく、買わない日本が悪い」と開き直っている姿勢は 1990年代かそれ以前から全く変わっていないのだ。私は何度も繰り返して 指摘したが、1994年7月にUSTRのカラーヒルズ大使は「対日輸出が振るわ ないのはアメリカで初等教育が充実していないことと、識字率が低すぎる 点に問題があるからだ」と率直に認めておられた。

同じ頃にFRBの議長のグリーンスパン氏は「アメリカの労働者階級では numeracy(=一桁の足し算と引き算ができる能力)が低いことは問題であ る」と指摘されてていた。これらの指摘が意味するところは簡単に言えば 「労働力の質の低さ」である。

そういう言い草を21世紀の今日まで引き摺って難癖を付けるアメリカの手 法はフェアーではない。尤も、カーラヒルズ大使は「そうであっても買わ ない日本が悪い」と指摘された。彼らは何があっても負けないのだ。

貿易赤字対策で我が国に圧力をかけるのも一法だろうが、その手法はクリ ントン政権下でも失敗した実績がある。どのような製品を如何なる手法で 売り込めば成功するかをもっと真剣に検討すべきだ。トランプ大統領がご 執心のFTAも一つの手段だろうが、それがもしも締結に成功したとして も、どれほどの日時を要するかをお考えだろうかと疑ってしまう。即ち、 赤字削減の即効性はないという意味だ。既に指摘したが、W社の紙パルプ 製品がなくなっただけでも数百億円の売り上げを失っているし、他のアメ リカの同業者だって同様に市場を失っているはずだ。

我が国がアメリカの貿易赤字削減に協力すべきだろうとは思う。だが、自 分たちが何ら工夫も十分な努力もせずにいきなり関税をかけるとか、圧力 をかけるだけではこの世界でも有数に難しい市場での売上高を伸ばすのは 容易ではないと20数年の経験からも敢えて指摘しておく。

ロッキー山脈の東側に立地する製造業者が本気で大量に日本に売りたいと 企画している製品があるのだろうか。彼らが真剣に対日輸出に取り組も
うと思う能力が高く英語力もある日本人の社員を十分に集められるのだろ うか。

ところで皆様に伺いますが、アメリカ産の自動車でトヨタやホンダを捨て てまでも是非とも買いたい車種かブランドがありますか。何でも良いから アメリカの製品でなければ買わないと執着されたい商品がありますか。ラ ルフローレンやブルックスブラザーズやJ.PRESSなどはアメリカで造って いる訳ではないのですが。




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大城バネサ「長良川悲恋」
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       馬場 伯明

私は歌手・大城バネサのファンだ(以下、バネサ)。

2018.4.30(月)13:00〜岐阜市長良川国際会議場、歌手デビュー15周年 新曲「長良川悲恋」発表会に参加した。背広を「バネ隊」の赤いウイン ド・ブレーカーに着替えた。

発表会を本誌読者に報告しバネサと新曲をPRしたく。(「頂門の一針」の 本旨から離れますが一種の息抜きとして斜め読みしてくだされば幸いで す。よろしくお願い申しあげます)。

「日テレニュース24(2018.4.30)」から抜粋・転載する。

《 デビュー15周年記念シングル「長良川悲恋」をリリースした演歌歌手 の大城バネサ(36)が30日、岐阜の長良川国際会議場メインホールで新曲 発表会を開いた。同曲は、長良川を舞台に悲恋の物語を歌う作品。五木ひ ろし(70)の代表曲「長良川艶歌」を作曲した岡千秋氏の作曲。

アルゼンチン生まれの日系2世の大城は、岐阜・羽島市に住み9年目。満席 の会場で、大城は「こんなにたくさんの方にお越しくださり、本当にうれ しいです」と挨拶、新曲「長良川悲恋」「おねえちゃん」やデビュー曲 「鴎も飛ばない海だよ」など7曲を熱唱。岡氏も「皆さんのお力で『長良 川艶歌』に続く大ヒットにしてください」とお願いした。

大城は「今日まで好きな歌を歌ってこられたのも皆さんのおかげ。15年の 間には楽しいことも苦しいこともありましたが、この15周年記念曲を大 ヒットさせ、ファンの皆さんに恩返しをしたい」と話した》。

総合司会は元NHKアナウンサーの宮川泰夫さん。定員1684人の大ホールは 超満員になっていた。有料である。政治家の(無料の)集会でもこのよう な満員はめったにないことであると来賓の挨拶にあった。

新曲「長良川悲恋」は青山るみ作詞、岡千秋作曲、新田高史編曲、ビク ターエンターテインメント販売。2017年古田肇岐阜県知事より「岐阜県の 歌を作りぜひ歌ってほしい」との岡先生・青山Rサプライ社長・バネサの 三人への依頼がきっかけとなり、今回満を持してこの名曲が完成した。

窓の外を 眺めれば 
辛い想いが こみ上げる
二人を引き裂く 分水嶺(ぶんすいれい)分水嶺
愛しているから 別れるの
溢れる涙を この川に
捨てて旅立つ あゝ 長良川 

水面(みなも) 揺れる清流の
想い崩れる 青あらし
二人で夢見た 夫婦滝(めおとだき)夫婦滝
貴方にも一度 逢いたくて
心の乱れが 邪魔をする
未練残して あゝ 長良川

揺れる炎 鵜飼船
涙こらえて 見上げれば
雲間に切ない 金華山 金華山
愛する辛さが 身に沁みる
あなたの重荷に なるよりは
一人旅立つ あゝ 長良川 

来賓席には古田肇岐阜県知事夫妻ほか、長良川流域の自治体から、日置敏 明郡上市長、武藤鉄弘美濃市長、尾関健治関市長、柴橋正直岐阜市長及び 松井聡羽島市長の5人が勢揃いしスポットライトで紹介された。

じつは、(偶然と言うか)郡上踊りで有名な郡上市の日置市長と私とは京 都大(法)の同期・同クラス(教養部)の友人である。日置氏は自治省・ 岐阜県(出納長等)に奉職後、市町村合併に伴い請われて2008年市長に就 任し現在に至る。郡上市の名所である分水嶺と夫婦滝が歌詞に折りこまれ ている。新曲の普及に力を入れたいという。

郡上市の「(母袋)燻り豆腐」を日置氏からもらい、千葉へ帰宅後、妻と いただいた。懐かしいような不思議な食感と風味である。最高のつまみ。 酒好きの諸氏へ岐阜・郡上の特産品をぜひPRしたい。

作詞者の青山るみさんは岐阜県を愛し岐阜県を熟知している。すばらしい 長良川の歌詞がバネサに渡された。青山馥(かおる)・るみ夫妻のあたた かい物心両面のご支援に応え、あとはバネサが精一杯歌うだけ・・・。

歌詞の「愛しているから 別れるの」がこの歌のキーフレーズであると思 う。一般的には「愛しているのに 別れるの」でもよさそうだ。しかし 「のに」ではなく「から」である。「(今でも)愛している」という現在 進行形の辛い沈黙のまま、「未練残して」旅立つ。愛のままに去る一人の 女心が凝縮されている。「愛する辛さが身に沁みる」。心に刺さる「悲 恋」である。

歌には岐阜県の長良川流域をはじめ名所や名物などが盛り込まれている。 分水嶺・長良川・夫婦滝・鵜飼船・金華山。この歌を口ずさみながら各地 を巡るのも一興であろう。でも、岐阜観光の実際の二人旅では、悲恋では なく恋の成就をめざしてほしい(笑)。幸運を祈ります。

作曲は岡千秋先生。その才能と経験を注がれた渾身の作品であり、「長良 川艶歌」を受け継ぐ名曲だ。「愛しているから 別れるの」と静かに高揚 する旋律は、人生の哀感とその不条理までも聴く人の胸に注ぎ込む。

カップリング曲の「おねえちゃん」もよかった。アルゼンチンの実姉との 幼い頃の思い出と望郷の歌。またデビュー曲「鷗も飛ばない海だよ」や、 おばあ(祖母)の沖縄帰省の「今帰仁(なきじん)の春」も歌った。バネ サはときに体をよじり熱唱また熱唱。全館バネサ節に酔った。

途中、岡千秋先生の特別ステージがあった。「長良川艶歌」や幼い頃母に 聴いた「月の砂漠」のピアノ弾き語り。新曲ヒットへの支援を訴えられた。
  
突然、バネサが、「みなさん!(私は)立てない」と。「脚が攣(つ)っ たの。ハイヒールを脱ぎたい」と。総合司会の宮川さんが「バネサさんの 素足が見れます!」とすかさず合いの手。爆笑、会場が和んだ。素足のバ ネサに軽い動きが戻る。そして、「(気仙沼や雲仙で履いた)長靴って (楽で)よかったなあ」とも。バネサは明るく正直な女性である。

よく共演する京太郎が友情出演した。妖艶な女形の着物姿で登場し、歌う バネサに合わせ悲恋の女性を舞で表現した。2018/5/20には帰郷し「京太 郎・大城バネサの二人のビッグショウ」(山口県周南市)を開催する。

2018.4.14バネサは岐阜・伊奈波神社で新曲のヒット祈願をしていた。私 は千葉市の稲毛浅間神社(6400坪)の木御札をバネサに持参。本神社は木 花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が主祭神。安産子育ての御神 徳で崇敬される。この姫命にあやかり新曲が順調にヒットしてほしい。

発表会には愛知県東郷町在住の友人M君も来てくれた。海外暮らしが長 かったM君は、どちらかと言えば(夫妻とも)洋楽派であり演歌からは遠 い。しかし「バネサの美声と迫力ある演歌を堪能。生のコンサートはやは り良いものです」とメールが来た。ファンが1人増えたかも(嬉)。

「長良川悲恋」は2018年のバネサの勝負曲である。バネサを物心と行動で 応援しよう。2018年をバネサ栄光の年に!NHK紅白歌合戦出場をめざし、 みんなでがんばって行こう。(2018/5/7 千葉市在住)

(追記)次のサイトに「長良川悲恋・大城バネサ」のリクエスト(送信) をなにとぞよろしくお願い申しあげます。
(1)NHK出演リクエスト:http://www.nhk.or.jp/css/goiken/mail.html
(2)岐阜放送公式サイト:http://www.zf-web.com/radio/enka30
  (ぎふチャン サンデー演歌ベスト


   
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重 要 情 報
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 ◎国語を破壊し英語教育を劣化させるだけだ:前田正晶

私は10年前の2008年に「和製英語(=造語)とカタカナ語」と題してカタ カナ語批判と非難の論文を発表した。解りやすく言えば「カタカナ語の排 斥」だった。

だが、繰り返して排斥の議論を展開してきたが、効果は一向に上がらず寧 ろマスコミでは競ってカタカナ語の普及に努めている有様で、誠に寒心に 堪えない状況だ。彼らは我が国独特の漢字文化を破壊するだけに飽き足ら ず、それでなくとも欠陥だらけの英語教育まで劣化させているのだ。許し がたいことだ。

2008年には私はカタカナ語を「和製英語(=造語)」、「ローマ字式発音 または恣意的な読み方」、「言葉の誤用と借用」、「合成語」のように分 類して論じたのだった。だが、その後に追及すればするほお無数のカタカ ナ語があると知ったので、何度も各分類に追加していった。結果的には最 終版では200語を超えるカタカナ語を収録できたと思っている。

念の為に、各項目から一つだけ例を挙げておくと「和製英語(=造語)」 では“フリーサイズ”で、英語は one size fits all である。如何にも英 語らしく出来ている造語なのが素晴らしいのだが、同時に怖くもある。 「ローマ字式発音」では“ルーキー”であり、rookie という言葉は精々 「ルキー」に近い発音である。言うなればbook と書いて「ブーク」と読 む奴がいるかということ。

「言葉の誤用」では「リニューアルオープン」がある。英語にすれば opening afterrenovation くらいしか思い浮かんでこない。open は後に ing を付けないと様にならないのだ。学校で幾ら文法を教えても一向に効 果が上がっていないと解るのが残念だ。「合成語」では最初に「自己ベス ト」を採用したが、今では「コミュニケーションを取る」にしたい思い だ。この合成語を本当の英語にすればどうすべきかを良くお考え願いたい。

私は現在の国語教育が如何になっているかは知らない。だが、確かなこと は漢字の数を制限してしまったので、その穴をカタカナ語が埋めてしまっ たと思わせられる言葉が極めて増えてしまったようだ。手っ取り早い例を 挙げて見れば、最早「忠告」や「助言」という漢字を使った熟語が消滅 し、その空白を「アドバイス」が埋めてしまったのである。同様に「トラ ブル」が「故障」や「事故」の意味で使われているのもカタカナ語の言葉 の誤用の一例になっている。

私が思うにはカタカナ語を創造した連中は英語にも日本語の中で漢字を二 文字乃至は四文字使った熟語があるのと同様に少ない文字数の熟語がある とでも思い込んだらしく、上記の忠告や助言を adviceで代用できると決 めつけたのではないかと疑っている。だが、私は英語では「告知」や「通 告」という意味では余り使われていないと思っている。

因みに、adviceはジーニアス英和には「・・・について・・・せよとの助 言」が最初に出てくるので、告知や通告と言いたくて「アドバイス」を使 うのは適切とは思わないのだ。「自己ベスト」にしたところで奇怪な使い 方で「ベスト」とはそもそもgood という形容詞の最上級で、名詞ではな いのだから「自己最高の何であるか」まで言わないと意味を為さないと思 うべきだ。あれは「自己最高記録」が正確な日本語だと思うが。

ここまで書いてくると、如何にも私はカタカナ語の揚げ足を取ろうとでも する気かと思われそうだ。念の為確認して置くが、そのような意図は全く ない。兎に角「何が何でも「本当の英語ではないようなカタカナ語や間 違った言葉を使っていては、何時まで経っても本当の意味での英語力は身 に付かないと知るべし」と強調したいだけだ。

これまでに繰り返して言ってきたことは「カタカナ語の99.99%は誤った というか本
当の英語ではない純粋の日本語であると承知した上で使われるのであれば ご勝手に」
だった。換言すれば「間違っても本当の英語にはカタカナ語のような使い 方は無いと
思うな」なのである。更により極端に言えば「カタカナ語を信じて使って いるようで
は何時まで経っても外国でも通用するような英語力は身に付かない」とい うことだ。

この私でさえ(?)、時たま「このカタカナ語は、もしかして本当の英語 の中にある
のかな」と考え込まされるほど巧みに創造されている傑作があるのだ。私 が思うには
「そういう傑作が出来ると言うか作れる語学力は、我が国の学校教育の英 語では単語
の知識を重要視されているようなので、その辺りに誤りを犯すか、造語を 産む根源が
あるのかと考えている。

20年以上もアメリカの会社で過ごし、アメリカ人の中で仕事をしてきた私 がそういう単語があるとは承知していたが、自分では使った記憶も無く、また彼らが 日常的に使ったのを聞いたこともないという言葉が事も無げにカタカナ語化されて テレビなどで日常的に使われているのは、驚きを超えて尊敬の念を以て聞いているほ どだ。「コ
ラボ」かコラボレーション」辺りがその典型的な例になると思う。



結論を言えば、漢字を使えなくなり、読むのに難渋する世代になってし まった以上、如何にも英語らしいカタカナ語で置き換える事は仕方がないと思うと時も ある。だが、そのカタカナ語が本当の英語が意味するところとかけ離れているのは 宜しくないと思う。また、今回この一文を書くに当たって考えたのだが「『コミュニ ケーションを取る』という合成語を外国人にも解って貰えるような英語にしたどうな るか」だっ
た。



非常にに難しい問題だった。大体からして、私は communication 乃至は
communicate という言葉を日常の業務か会話で聞いたか使った記憶が無い のだ。
communicate はOxfordには to exchange information, news, ideas etc. with 〜と出てくる。故に I am going to communicate with my boss. とは言わ ないだろう。精々 I’m going to report to my boss. 辺りだろう。知らせるので あればadvise か inform 辺りを使うと思う。何でコミュニケーションという全 体を表す単語を使い始めたのかと不思議に思うだけだ。



各テレビ局や新聞社には「カタカナ語を使って原稿を書く前に漢字を使え ばどう言う熟語になるか、または如何なる分かりやすい日本語を使えば良いか」と一 度立ち止まって考えて欲しいのだ。即ち、自分たちが使いたいカタカナ語は本当の 英語とはかけ離れた奇妙なものであると知って欲しいのだ。そのカタカナ語は本当の 英語の勉強の妨げにもなっていると知って貰いたいのだ。自分たちが害毒を流してい ると自覚して欲しいのだ。


私に言わせて貰えば、カタカナ語を使うのは決して格好が良いのではな く、寧ろ「おかしな事」なので害毒を垂れ流していると思うべきだ。



 
◎【正論】「核付き」の平和協定を懸念する 防衛大学校教授・倉田秀也
 
過日の南北首脳会談の「板門店宣言」をみて、既視感に襲われるのは筆者 だけではあるまい。そこに謳(うた)われる「朝鮮戦争終結宣言」は、盧 武鉉政権の発案だった。

2007年の盧武鉉大統領と金正日国防委員長の間の共同宣言(「10・4宣 言」)も、朝鮮戦争終戦は「3者、もしくは4者の首脳」によって宣言さ れると謳っていた。板門店宣言の「南北米中4者会談」と「南北米3者」 会談も、概(おおむ)ね「10・4宣言」を踏襲する形をとっている。板門 店宣言はまた、銃撃戦が繰り返された黄海の一部水域を「共同漁労地域」 に設定するなどの軍事保障措置にも合意したが、これらも「10・4宣 言」にすでに言及されていた。

 ≪制度の「4者」軍事の「3者」≫

そもそも平和体制には2つの次元がある。その1つは軍事停戦協定を平和 協定に転換する制度的次元、いま1つは、あるべき平和協定が「堅固」で あるための信頼醸成という軍事的次元である。

韓国はその制度的次元で、平和協定の主たる署名者は韓国と北朝鮮である べきとする立場を堅持しつつ、そこに軍事停戦協定の事実上の署名者であ る米国と中国が関与する平和協定を想定していた。軍事的次元において も、朝鮮人民軍との信頼醸成を図るのは韓国軍であり、在韓米軍の発言力 は副次的であるべきだと考えられてきた。板門店宣言でいう「南北米中4 者会談」と「南北米3者」は、平和体制樹立の2つの次元を別言したに等 しい。

制度的次元では、軍事停戦協定の事実上の署名者として米国と中国の関与 は、韓国では当然視された。この「4者」の枠組みは、1994年秋に板門店 の軍事停戦委員会から中国人民志願軍代表団が撤収を強いられても揺らぐ ことはなかった。90年代後半、ジュネーブでもたれた韓国、北朝鮮、米 国、中国による4者会談は、南北平和協定を目的として金泳三大統領が主 導し、クリントン米大統領と共同で提議された多国間協議を原型としていた。

だが、その軍事的次元で中国が他の3者と同等の発言をもつことはない。 中国は50年代後半に人民志願軍が撤収して以来、北朝鮮に軍事的プレゼン スを失っている。韓国では、平和体制樹立の軍事的次元は、韓国軍、朝鮮 人民軍に加えて在韓米軍の3者で形づくられると考えられている。

 ≪北が描く米朝主軸の「終戦」≫

あるべき議論が見過ごされてはいないか。文在寅大統領が南北主軸の平和 体制樹立を想定しているとして、金正恩朝鮮労働党委員長が板門店宣言で それに同調したか否かが問われなければならない。

振り返ってみても冷戦終結後、北朝鮮が南北主軸の平和体制樹立に同調し たのは、91年末に交わされた「南北基本合意書」を唯一とする。4者会談 も、北朝鮮は参加したものの、韓国と中国を排した米朝平和協定を主張 し、やがて4者会談を無期休会に追い込んだ。それ以降、北朝鮮が米朝平 和協定の姿勢を崩したことはない。

金正恩氏は南北首脳会談でも、「米国が終戦や不可侵を約束するなら核は 不要との認識を示した」という。ここで朝鮮戦争「終戦」は「不可侵」と の関連で位置づけられているが、「米国」が主語となる「終戦」なるもの は、韓国が想定する平和協定と吻合(ふんごう)するか。

しかも、板門店宣言は今年秋に朝鮮戦争終戦宣言を発表するなど、平和体 制樹立までの時間を短く見積もっている。

平和協定が締結されれば、朝鮮戦争の作戦司令部の国連軍司令部も解体さ れざるをえない。再び軍事停戦に戻すことも、国連軍司令部を構成し直す こともできない。平和協定という制度的措置に関する限り、それは不可逆 的である。金正恩氏が脳裏に描くのは、不可逆的な米朝主軸の平和協定と はいえないか。

 ≪非核化がなければ取引はやめよ≫

板門店宣言が盛り込む平和体制樹立という地域固有の問題と朝鮮半島非核 化の間の非対称な「取引」は、来る米朝首脳会談に委ねられる。平和体制 樹立に何らかの形で米国が関与するのは至当とはいえ、トランプ米大統領 が米朝主軸の平和体制に言質を与えれば、平和体制樹立での韓国の比重は 否応(いやおう)にも下がる。それは板門店宣言の空文化に他ならない。

平和協定という制度的措置が不可逆であるのに対して、非核化は少なくと もこれまで可逆的であった。非核化は板門店宣言が見積もる平和体制樹立 までの速い足取りについていけるか。たとえ北朝鮮が不可逆的な非核化を 誓約しても、それが検証されるときには平和体制はすでに樹立されている かもしれない。あるいは、平和体制樹立の後、非核化が滞り北朝鮮が核保 有へと旋回すれば、そのとき朝鮮半島に生まれるのは、「核付き」の平和 体制に他ならない。

平和体制樹立と非核化の双方にかかる時間を調律するのはトランプ大統領 だけではない。非核化に北朝鮮が抵抗を示すなら、文在寅氏もまた、平和 体制樹立への足取りを止める決断を強いられると考えなければならない。 (くらた ひでや)

【写真】 倉田秀也・防衛大学校教授
http://www.sankei.com/world/photos/180508/wor1805080023-p1.html
【産經ニュース】 2018.5.8 11:00 〔情報収録 − 坂元 誠〕



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身 辺 雑 記
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9歩の東京湾岸は朝は雨。

8日朝は曇り空の下、近くの都立猿江恩賜公園を散歩。夜は亀戸駅近くの 韓国風居酒屋で飲み会。美人に会えるえたのでので楽しかった。
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