政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4665 号  2018・4・14(土)

2018/04/14

                                        
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4665号
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        2018(平成30)年4月14日(土)



        トランプ一触即発の状態でけん制:杉浦正章

             秦始皇帝の青銅像 倒壊:宮崎正弘
          
          北の核廃棄を望まない中朝韓:櫻井よしこ
   
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4665号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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トランプ一触即発の状態でけん制
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          杉浦 正章


 シリア攻撃の準備完了 米露対立危機的状況 

この国はの国会は一体どうなっているのか。シリアが一触即発で、場合に よっては米露の大規模軍事衝突に発展しかねないというのに、野党はカケ だのモリだの朝日新聞と民放受けする問題ににうつつをぬかし、世界情勢 などどこ吹く風だ。

何という世界観の欠如だろうか。戦争はいったん勃発すれば、連鎖を巻き 起こし、北朝鮮情勢の緊迫化につながりうる事態も想定される。米国はト ランプの強硬路線に傾斜して、シリア攻撃の準備をほぼ完了させた。あと は命令を待つばかりの状況に至っている。シリアをめぐる米露の対立は抜 き差しならぬ事態となりつつある。

トランプはまず「口撃」から物事を始めるから、分かりやすい。シリアの アサド政権を「自らの国民の殺害を楽しむかのように毒ガスをまく獣(け だもの)」と決めつけ、一方でこれを支援するロシアに対して「ロシアは シリアに向けられたいかなるミサイルも打ち落とすと宣言している。プー チンは準備に入るがいい。米国のミサイルが来るぞ、新しくスマートなミ サイルだ」とどう喝した。

トランプの行動はまず同盟国固めから始まった。イギリスの首相テリー ザ・メイとフランス大統領エマニュエル・マクロンと電話会談して、アサ ドに断固とした対応で臨むことを確認した。

マクロンはテレビで「アサド政権が化学兵器を使った証拠を握っている」 と延べ、制裁を示唆。メイは英軍をシリア攻撃に参加させる方針を固めた 模様だ。米欧有志連合による攻撃態勢を整えたのだ。

しかし、ドイツは別だ。首相メルケルは12日の記者会見で、対シリア軍事 行動について「ドイツは参加しない」と明言した。

対シリア攻撃のシナリオは、東地中海に展開した米艦船や爆撃機によって 多数の巡航ミサイルを発射して、軍事施設を破壊する。

昨年4月には59発がシリアの空軍基地の目標を破壊している。今回はこれ を上回る規模となる可能性が大きいようだ。これにロシアがどう対応する かだが、トランプの予告発言はシリアの基地にいるロシア軍兵士に避難を 呼びかける性格もある。

最悪の場合はロシアが反撃して、衝突が拡大し米露直接戦争に発展するこ とだ。ロシアはシリアの基地にミサイル迎撃システム「S400」を配備して いるものとみられ、反撃を受ければ米軍は無傷ではあり得ない。

米露が直説砲火を交える事態になれば、史上初めてであり、事態は1962年 のキューバ危機に勝るとも劣らない危機的状況である。

 この米国によるシリア攻撃は北朝鮮をも強く意識した地球規模の戦略で あることは言うまでもない。シリア攻撃を目の当たりにした場合金正恩 が、どう反応するかをトランプは片目でにらんでいる。

おそらく「震え上がる」だろうとみている。トランプの狙いはシリア攻撃 によって、北朝鮮に力を見せつけ、核兵器放棄に向かわせたいのだろう。

一方でロシアは北朝鮮にも同型ミサイル迎撃システムを配備しており、北 はシリア軍の反撃能力を固唾をのんで見守るに違いない。米軍に対する迎 撃の「予行演習」の意味合いを持つからだ。

金正恩はシリアの紛争が拡大して、米軍が極東で作戦を展開することが困 難になることを期待しているに違いない。戦術上2正面作戦は最も愚かな 作戦と言われているが、米国が中東に専念すれば北に核・ミサイル開発の 余裕を与えることになる。シリアへの対応は米国の北との交渉に影響を及 ぼさざるを得ないのだ。

 こうした中で注視すべきはトランプ政権の中でブレーキ役が登場し始め たことだ。これまではかつてイラク戦争を推進した大統領補佐官ジョン・ ボルトンのように「平和がほしければ戦争の準備をすべきだ」といった “力の信奉者”が目立った。

これに対して、国防長官ジェームズ・マティスは「私の責任は必要ならば 軍事オプションを用意することだ。しかし米国は外交主導で努力する。外 交的手段によって外交的結果を得る」と慎重論だ。前国務長官ティラーソ ンも「外交的解決はあきらめない」と述べている。

 しかしこうした慎重論もトランプ一流の“口撃”にかき消されがちだ。ト ランプは11日「ロシア高官はシリアにミサイルが飛来しても迎撃すると 発言したが、そのミサイルが飛来するのだからロシアは準備せよ」と“最 後通牒”的な発言を繰り返している。これ以上言葉がないほど脅しまくっ ているのだ。ロシア外務省報道官のザハロワは「ミサイルはテロリストに 向けられるべきで、国際テロリズムと戦っている合法的政権に向けられる べきではない」と批判しているが、トランプ節にかき消されがちだ。
    

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秦始皇帝の青銅像 倒壊
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月13日(金曜日)
        通巻第6571号 
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 秦始皇帝の青銅像(19メートル)、突風に吹き飛ばされ倒壊
  「独裁者の最後」をみごとに象徴する椿事と中国のネット炎上
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2018年4月12日、山東省に屹立していた秦始皇帝の重さ6トン、高さ19 メートの青銅像は二メートルほどの台座に載っていたが基礎工事を怠った のだろう、像をコンクリートの台に乗せただけで、鉄筋で土台を繋いでお らず、手抜き工事だったため、突風に吹き飛ばされて倒壊した(この日、 東京でも瞬間強風は23メートル)。
https://timesofindia.indiatimes.com/world/china/strong-wind-topples-chinas-first-emperor/articleshow/63693541.cms

この始皇帝像はブロンズを貼り合わせ、中はがらんどうである。1015年9 月に建立された。

倒壊現場の写真をメディアが大きく伝えたので、これを見て拍手喝采で迎 えたのは中国のネチズン、すぐに拡散した。彼らにとって習近平独裁が、 いつか、突然としてこのような突破的椿事で吹き飛ぶことを希望している からだろう。

秦始皇帝像は中国全土あちこちに建てられた。本拠地だった陝西省にも多 数あるが、山東省は秦始皇帝の巡礼地としてゆかりが深い。秦の始皇帝は 泰山(孔子の生まれ故郷・曲阜に近い)に登って神仙思想に目覚め徐福を 日本に派遣して不老不死のくすりを求めさせた。日本の姓名に秦氏が存続 しているように由緒が深い。

秦始皇帝は紀元前221から206年、中原を統一し最初の王朝をひらいた。現 在の陝西省西安の西側にある喊陽(西安空港のそば)に豪華絢爛な「阿房 宮」を建築し独裁者として君臨し、人民を支配した。とくに焚書坑儒では 儒学者を生き埋めにして儒学を禁止したことで暴君と言われた。暗殺未遂 は三件と記録されている。

他方、秦の始皇帝は万里の長城や、大運河建設を号令し、交通インフラの 整備を急がせた。阿房宮は、その名前の通りに最愛の側室を意味するが、 異説もある。喊陽の付近に寿陵墓を建設し、囚人など70万人を動員した。

西安の北東部で夥しい兵馬傭が発見されたことから、秦始皇帝の陵墓の位 置も特定され、発掘作業が延々と続けられている。ちなみに堺市の仁?天 皇陵は、この秦の始皇帝の陵墓より遙かに大きい。

焚書抗儒は、毛沢東の「批林批孔」の原点でもあり、また現在の習近平の 言論統制、香港の銅鐸湾書店への弾圧に酷似する。

秦始皇帝の万里の長城は、シルクロード(一帯一路)や雄安新都プロジェ クトに似ており、独裁皇帝は、習近平が願ったところのポストだ。

秦始皇帝が没し、その子、胡亥が後継皇帝となるが、やがて劉邦と項羽に 攻められ、秦王朝はたちまち衰弱して皇帝二世が殺害され、王宮は擾乱状 態の裡に没した。習近平は、この歴史的事実に学んでいるのだろうか。
      
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評BOOKREVIEW 
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  司馬遷の『史記』の歴史観が中国史を呪縛した
   袁世凱と孫文の評価はいずれ逆転するかも知れない

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宮脇淳子著、岡田英弘監修『真実の中国史 1840−1049』(PHP文庫)
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嘗て本書はビジネス社から刊行され好評だった。題名に印された年号のよ うにアヘン戦争から、中国共産党が天下を簒奪したところまでを扱う。近 現代史である。

司馬遷が『史記』を著すのは、秦の始皇帝が没し、その王朝が衰滅し、権 力が別の前漢となった時代である。

中国史書の原点というべき書物が、以後の中国の歴史書の鋳型を造った。 つまり歴史は次の王朝になってから編纂される。ということは史実とはか け離れた、史観の歪曲あるいは改竄された考え方が主軸に置かれる。

したがって現代中国史を書くのは次の王朝を待つしかないが、現時点で言 えることは中華人民共和国も中華民国も、共産党と国民党が一卵性双生児 であるように、史観が接近する。

両国の政権はともに孫文が『国父』という位置づけを共通させている。
 台湾台北には「国父記念館」があり、中国南京には孫文を祀る「中山 陵」がある。孫文の生まれた家は広東省中山に残り、元帥府は広州市に残 り、上海には記念館もある。しかし、孫文が国父という位置づけは正しい のか。かれはペテン師ではないのか。
 
1911年に「辛亥革命」なるものが成立し、清王朝が黄昏のなかに消えて も、孫文の唱えた『三民主義』による政府は成立せず、実態は袁世凱の天 下だった。孫文は共和制にもっていき国会を開設し、議論するようなシス テムを夢見ていた。

宮脇さんは言う。

「孫文は、袁世凱による一つの政党と、自分たちが率いる政党ということ で、政党政治を考えていました」

シナにあって実現したためしがない民主国家の建設を標榜したのは西側の スポンサーに口実が必要だったからだ。

つまり孫文はフィクサー的な調停役、当時の国民党を引っ張っていたのは 宋教仁だった。孫文は邪魔な宋を袁世凱が暗殺するように仕向けた。

「間違いなく袁世凱は独裁者です。彼は自分の思うような政治をしたかっ たのです。そうでなければ生き残れないからです」。

そこで実権もなにもかもを失った孫文はまたもや日本に亡命する。じつに 無責任男である。それが中華民国の草創期の実態だった。

「袁世凱は日英仏独露との間に2500万ポンドの五国借款を成立させ、この 金で武器を買い、軍隊を整え、議員を買収する。そして1913年の議員の選 挙によって正式の大総統に就任します。(中略)すぐに国民党を解散させ て、国民党議員の資格を剥奪し、大総統の権限を勝手にどんどん拡大させ ていきます。これが新約法」(238p)であり、合法を表看板として本物 の独裁となったのである。

日本から援助をむしり取り、技術を導入し、その金で軍事大国となったパ ターンは袁世凱にあるというわけだ。

ただし袁世凱は、教養人でもあり漢文古典に通じた知識の高い軍人だった。

毛沢東は同様な方法で天下を取った。1949年10月1日の天安門に並んだの は共産党のほかに民主諸派七つの『連合政府』だった。その後、毛沢東は じわりじわりと他派を粛清し、権力を固めてゆくのである。

習近平は政敵を排除して、かたちのうえで憲法を改正して、合法的な独裁 者のポストを得た。袁世凱も毛沢東も、その独裁への道のりは、合法とい う狭き門を一応くぐり抜けるプロセスを必要としたという意味でも共通で ある。
 
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読
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(読者の声1)貴誌前々号にマレーシアの総選挙情勢分析があって、「一 対一路」のスローガンのもとで、中国の魔手が忍び寄っている現況、よく 理解できました。

また火曜日の[FRONT JAPAN]でも写真とパネルで、宮崎さん がこの問題を論じられていたので、その危機的状況、92歳という老骨に鞭 打ってナジブ腐敗政権を糾弾しているマハティール元首相の愛国心には感 嘆させられました。

遅れて日本経済新聞が4月12日の「社説」で、マレーシア選挙の実情を書 いていました。今後も、マレーシア情勢、ご教示願います。
(NK生、さいたま市)

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(読者の声2)三島由紀夫研究会の次回「公開講座」は19日、講師は元 国立劇場理事の織田紘二氏です。

 織田氏は昭和42年國學院大學卒業と同時に国立劇場芸能部に入られ、 昭和44年から三島由紀夫先生の担当者として三島歌舞伎に携わられました。

自決までのわずか2年足らずでしたが、最晩年の三島先生との濃密なお付 き合いは初公開の秘話ばかり。とくに三島演劇に関しての貴重なお話しが 聞けるものと思います。

織田氏は国立劇場の芸能部長、理事を歴任され、現在は日本芸術文化振興 会の顧問をされています。
                   記

とき    4月19日(木)午後6時半開演(午後6時開場)
ところ   アルカディア市ヶ谷(私学会館)
講師    織田紘二氏(おりたこうじ、日本芸術文化振興会顧問、元国 立劇場理事)
演題    三島歌舞伎の世界

<講師略歴>昭和20年生。北海道出身。昭和42年國學院大學日本文学科 卒、国立劇場芸能部に入り、以後三島由紀夫先生の担当として三島歌舞伎 に携わる。国立劇場芸能部長、理事を歴任。日本芸術文化振興会顧問。著 作に『芸と人 戦後歌舞伎の名優たち』(小学館)、『歌舞伎モノがた り』(淡交社)その他。
会場費   会員・学生1千円(一般2千円)
      「公開講座」ですので、どなたでも予約なしで御参加いただ けます。


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(読者の声3)保守の意地の見せどきだ。

【緊急拡散お願い】4.14 頑張れ安倍政権!さらば反日左翼!日の丸国民 行動(4/14)ご参加お願いです。

                記

 日時  4月14日(土)13時00分(14時から「戦争させない・9条壊す な!総がかり行動実行委員会」等の「4.14 国会前緊急抗議行動」が予定 されています)。

場所  首相官邸前 〜 第2議員会館前
 主催  「頑張れ日本! 全国行動委員会」
 注意事項 プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)国旗 以外の旗類・拡声器の持込はご遠慮下さい。
 

       
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北の核廃棄を望まない中朝韓
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        櫻井よしこ

「習近平氏は1本2000万円のマオタイ酒を正恩に振る舞ったそうです。彼 を北京に呼びつけ、中国の持てる力を誇示して手なずけようとした。その 目論見が見てとれます」

こう語るのは統一日報論説主幹の洪熒(ホンヒョン)氏だ。金正恩朝鮮労 働党委員長は3月下旬の電撃的訪中以降、華々しい外交攻勢を展開中だ。 しかし日米両国が求める北朝鮮の非核化に向けた確約は見えてこない。こ のままいけば、米朝首脳会談がスンナリと実現するとは限らないだろう。

米朝会談の最大の眼目である北朝鮮の非核化について、日米韓中朝の5か 国は明確に異なる立場に立っている。日米は、北朝鮮の核弾頭だけでな く、全ての核物質、全ての核関連施設に加えて核開発計画自体を「完全 に、検証可能かつ不可逆的な方法で解体すること」(CVID)を求めて いる。行動は明確に一括して行われなければならない。

他方、北朝鮮は勿論、中国も韓国も、そんなことは望んでいない。彼らは 日米の使う「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」と言う。 北朝鮮の意図は、米国は米韓同盟に基づいて有事の際、核兵器で北朝鮮を 攻撃して韓国を防衛するかもしれない、米国の核の脅威を取り除くために 米韓同盟も解消すべきだ、そのとき初めて北朝鮮も核をなくす、というも のである。

中国政府も北朝鮮から核を取り上げようなどとは考えてもいない。彼らの 意図が明確に表現されていたのが、3月18日の「環球時報」の社説であ る。中国共産党機関紙「人民日報」の国際版である、「環球時報」が突 然、北朝鮮をほめそやし始めたのだ。

「中朝両国の試金石は、核問題で相互の立場に相違があるにもかかわら ず、バランスを保つことだ。北京・平壌間の友好関係を維持し、韓国や日 本や西側メディアの影響を受けないことだ」として、核兵器に関する中朝 間の相違は両国関係のごく一部にすぎないと強調した。

「北朝鮮は尊敬すべき国である。北東アジアでは珍しく高度の独立を保っ ている。経済規模は大きくないが、産業構造は完璧で、これは中々達成で きないことだ」と噴飯物のお世辞も並べた。

北朝鮮の核開発を黙認

環球時報はさらに、中朝は対等で相互に尊敬しあっている、中朝友好関係 を通じて、中国は北東アジアにおける戦略性を高めることができる、北朝 鮮は、困難と危険が伴う日米韓3か国への対処を、中国の支えによって、 リスク回避をしながらこなすことができると、強調した。

社説は、如何なる勢力も中朝関係に割り込むことはできないと断じて結論 とした。ここから読みとれるのは、日米両国が主導した強い制裁で追い詰 められた正恩氏を何が何でも囲い込み、中国の影響力を強め、それを維持 しようという戦略だ。

そこには正恩氏から核を取り上げる意図は全く見られない。確かに中国は 言葉のうえで北朝鮮の核に反対する。他方、中国は金日成、金正日の時代 から北朝鮮の核開発を黙認してきた。

正恩氏についても同じ姿勢であろう。中国の言葉による北朝鮮の核への反 対論は、北朝鮮が核を保有したときに必ず日本も核武装すると考えている ためだ。北朝鮮の核に反対するのは、日本の核武装に反対するための構え だと見るべきだ。

文在寅韓国大統領も同じである。文氏は自殺した盧武鉉元大統領の秘書室 長(官房長官)として、2007年の金正日総書記との首脳会談を準備した。 その前年の06年に正日氏は初の核実験を行い、国際社会から厳しい非難を 浴びた。だが盧氏は首脳会談ではその件には一言も触れていない。

他方、国際社会に向けて盧氏は、「北朝鮮の核は自衛のための核だ」とし て北朝鮮を擁護し続けた。

盧氏を師と崇める文氏は盧氏同様、「北朝鮮の非核化」とは言わない。常 に「朝鮮半島の非核化」である。

「このように中朝韓は日米とは考え方が違うのです。それを日本では日米 韓vs中朝の枠組みで論じています。文氏が日米の側に立つと考えるのは幻 想で、それでは戦略を誤ります」

と洪氏。

中朝韓が北朝鮮の核放棄を実現するとは思えないとき、トランプ米大統領 はどうするだろうか。氏は3月下旬、矢継ぎ早に対中強硬策を打ち出し た。中国が「核心的利益」だとして第三国の介入を断固拒否する台湾に関 して、台湾旅行法に署名した。これで米国の閣僚も要人も含めて、台湾と の交流を行い易くなった。

もうひとつの中国の核心的利益、南シナ海では中国の人工島の「領海」に 米艦船が入り、航行の自由作戦を実施した。中国による知的財産権の侵害 に関して、600億ドル(約6.3兆円)規模の中国製品に関税をかけるとも発 表した。

トランプ政権の後退を待つ

きつい要求を突きつけた米国に中国は4月2日報復関税を発動した。同時に 両国は水面下で交渉を進めている。仮に中国が大幅に譲歩すれば、トラン プ氏は妥協するかもしれない。

過去には米国訪問でボーイングの航空機300機を買いつけ、米国の巨額貿 易赤字に関する不満を一挙に解消したこともある。その手の戦術に中国は 長けている。加えて、中国が責任をもって北朝鮮の核をコントロールす る、北朝鮮に米国に届くミサイルは持たせないなどの条件を確約すれば、 トランプ氏が北朝鮮の核を認めてしまうこともあり得ると考えるべきだ。 日本にとっては本当の悪夢である。

だが、いまやトランプ氏の傍らには対北朝鮮強硬派のポンペオ国務長官と ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官が控えている。彼らが、北朝 鮮の核放棄の曖昧さに憤るとき、北朝鮮はどう対応しようとするだろうか。

洪氏が語った。

「彼らはトランプ政権を恐れながらも、その足下を見ています。ロシア問 題で追い込まれ、秋の中間選挙で敗北しかねない。レームダック化すれば 強い政策は取れないと、正恩が考えていても不思議ではありません。正恩 は追い詰められて中国を頼った。彼にも余裕はない。時間を稼ぎながら、 トランプ政権の弱体化を待っている。そこまで走りきることを、今彼は考 えているのではないでしょうか」

「終身皇帝」への道筋をつけた習氏は時間をかけてトランプ政権の後退を 待つ可能性がある。

このような状況の中に、日本は置かれている。北朝鮮を追い詰め平和路線 に転換させたのは、安倍晋三首相が強く主張した「圧力路線」の結果であ る。ここまではよいが、これから日本はどうするのか。

米国との協調関係を大事にしながらも地力をつけるしかない。世界情勢の 展開が見通せない今、日本が国として強くなることが何よりも大事だ。自 国を自力で守るという原点に戻る。その第一歩が、憲法改正である。

『週刊新潮』 2018年4月12日 日本ルネッサンス 第798回


        
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重 要 情 報
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  ◎トランプ大統領はunpredictable:前田正晶

 12日の投稿の補足である。先日語り合ったお二方と私を含めてトランプ 大統領についての懸念材料は「大統領の言動には予測か予見不可能 (unpredictable)である点が多いのが問題ではないか」という事だっ た。即ち、これまでは良かったが、今回の鉄鋼とアルミの輸入に対する関 税の賦課から我が国を除外しなかったように、同盟国だからとか、安倍総 理と親密であるから悪いようには扱わないだろうというような希望的観測 か期待通りにならないのではないかという懸念だった。

 財界人OBは「安倍総理はトランプ大統領への信頼の仕方がやや純真(決 して英語本来のnaïveという意味ではない、念の為)過ぎるではないのか な」と危惧していたのだった。因みに、彼は数社の現地法人の責任ある立 場でのアメリカ駐在の経験がは12年に及んでいたそうで、アメリカを良く 知る機会があったし、ビジネス社会の要人たちとの付き合いも十分に経験 しておられた。

ところで余談になるが、私が記憶する限りではトランプ大統領の行動とい うか言動を unpredictable と最初に形容したのが、産経の古森義久氏 だった。私は「言い得て妙だ」と感心していたものだった。


  ◎巨人嫌いにとっては6連敗とは良い傾向だ:前田正晶

このところマスメディアと野党連合の執拗な安倍内閣と諸官庁の不手際を 鬼の首でも取ったように追及する姿勢にうんざりとしている時期に、読売 嫌いとしては巨人軍の6連敗は一服の清涼剤(は一寸古いか?)の如きで あると思い、採り上みようと思い立った。そもそも巨人軍への期待はオー プン戦の成績が首位だったとか、岡本和真が良く打ったというのは全く好 材料でも何でもないものをマスコミが持て囃し過ぎただけだ。

12日の夜の対DeNA戦に大竹を先発に使っているのを見て、正直に言えば呆 れたし、余程まともに信頼出来る投手がいないのだなと察しがついた。こ の大竹と内海と杉内は私が一昨年辺りから最早耐用年数が尽きたし、世代 交代の為にも一刻も早く整理すべきだと主張してきた古物化した投手であ る。言い方を変えれば「効果を生まない投資」である。果たせるかな1回 に5点を取られて試合を台無しにしてしまった。

私は全ての責任は高橋由伸の能力にあると思っている。彼には専ら「なり たくてなった訳ではないのだから」と同情する向きがあるが、あれほど暗 い顔をした監督がベンチで指揮を執っていれば、選手たちが本気で燃え上 がるのかなと疑ってしまう。それに、あの何かといえば「ヴィデオ判定」 を求めてベンチを出てくる姿勢には「君にはそれしか出来ることがないの か」と尋ねたくなる。テイームは1点を争うような微妙な勝負をしている 訳ではない状態だと解っていないらしい。

それに、首脳部もなっていない。以前に村田修一を横浜から取ってきた時 に野村克也が何と言って皮肉ったか覚えていないらしく、今度は同じ手口 でビリだった中日のホームラン王・ゲレーロを引き抜いてきた。野村克也 は村田を評して「ビリのテイームの4番バッター」と酷評したのだった。

ゲレーロ君も今のところ芳しい働きをしていない。それは当たり前で、誰 だったか解説者が指摘していたが「最下位の中日と巨人では相手テイーム が当ててくる投手の質が違う」のだから、打てなくて当然だ。GMの香取は これくらいのことが解らなかったらしい。

未だ12試合を消化した程度の段階だから、何か断定的なことを言える時期 ではないが、2試合続けて私が「残念ながら良い投手だ」と高く評価する 菅野が打ち込まれているのは余所事ながら気になるし、田口も冴えていな いのは不安材料ではないか。それに捕手としての能力はそれほど高くはな い小林がこれまでのところ打ちまくっているが、彼は打つことよりも投手 たち如何にして活かしていくかに専心すべきではないのだろうか。

広島は何故鈴木誠也が欠場しているのか調べてもいないが、その顔触れで も一応首位は維持出来ている。阪神だってあんな中途半端な若手と高齢化 した福留と鳥谷を使い、藤波が立ち直れなくても何とかやっている。

DeNAだってシーズンの初めの今の時期では粗さが目立っているが負け越し てはいない。高橋由伸揉もうそろそろ監督とは何をすべきかに目覚めても 良い時期だ。選手層も厚く、人材は一応揃えてあるのだから。



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身 辺 雑 記
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14 日の東京湾岸は朝から曇天、気が晴れず。

彩の少なかった猿江恩賜公園は躑躅が咲いて突然綺麗になった。散歩する のが楽しい。


                         読者:5576人
              






        


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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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