政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4663号  2018・4・12(木)

2018/04/12

                                        
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4663号
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        2018(平成30)年4月12日(木)



    マレーシアも「中国の罠」に陥落したのか?:宮崎正弘

            ワーファリンにご注意を:石岡荘十

      読み取りづらい朝鮮半島情勢の行方:櫻井よしこ         
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4663号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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マレーシアも「中国の罠」に陥落したのか?
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月11日(水曜日)
        通巻第5668号 
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 マレーシアも「中国の罠」に陥落したのか?
  ナジブ首相が中国主導のプロジェクトにのめり込む面妖な背景
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マレーシア総選挙は5月9日と決定した。

前回の選挙で大幅に得票を減らした与党連合「UMNO」はマレー人主体 だが、華僑の政党、インド系も加わっている。得票率は47%、しかし議席 は60%を確保した。

次の選挙では野党への期待が高まっており、事前の世論調査では与党敗北 の信号が灯っていた。

したがってラジブ首相率いる与党と野党連合の対決は大接戦なると見られ ていたが、土壇場へ来て選挙区の区割り変更など、狡猾な手段でナジブ政 権は野党の票田を分裂させ、しかもマハティール元首相が主導する野党連 合「希望連合」からイスラム政党を離脱させるなどの分裂を策した上で、 活動停止処分とするなど悪質な妨害が目立つようになった。

ナジブは独立後2代目首相ラザクの息子であり、いってみればマレーシア の「太子党」を代弁する利益集団のトップ、末端の国民からは好かれてい ない。

マレーシア独立以後、はじめて政権交代、与党敗北色濃いという事前予測 が主流となった背景には「マレーシアも中国の経済植民地となるのか」と いう未曾有の危機感があったからだ。

いかなる経緯があったか。

第一に中国の進める「一帯一路」プロジェクトにナジブ政権は或るスキャ ンダルを境目に、突如、興奮するかのように乗り気となり、熱烈な協力者 となった。その理由は国家ファンド「1MDB」が抱えた巨額の不良債権 という闇のファクターが存在する。
 
2015年に発覚した1MDBの負債は1兆4000億円といわれ、しかも、その うちの使途不明金850億円が、なんとナジブの個人口座に振り込まれて いたという疑惑が取りざたされ、マレーシア政界を震撼させた。

この穴埋めにナジブ政権は中国の一帯一路に相乗りして、資金を穴埋めに つかおうというのが中国への急傾斜の動機だとクアラランプールの情報筋 は言う。


▲なぜマレー半島の東海岸を縦断する鉄道が必要なのか

中国が提示するマレーシア関連のプロジェクトには東海岸の6600キロに敷 設する鉄道建設がある。しかもこの鉄道建設は中国企業が主導する。

長期的には雲南省昆明からラオス、カンボジア、タイを経てマレーシアを 通過し、シンガポールまでの長距離。

ところが東海岸鉄道は旅客が望み薄であり、既にバス路線が発達している ため、マレーシアではなく、中国のための鉄道ではないかという不満が渦 巻く。
中国の軍事戦略では南シナ海のシーレーンが脅かされた場合のバックアッ プ・ルートしてマラッカ海峡ルートを確保しておくという戦略があるからだ。

あたかも江戸幕府が東海道に対しての中仙道を重視したように、あるいは 日本軍参謀本部の東海道線の代替ルートとしての中央本線という位置づけ と対比すれば理解できるだろう。

この鉄道に付随してクアンタン港の整備、マラッカ海峡の諸都市にある港 湾の整備、ボルネオ島北部の拠点=コタキナバルへの中国軍艦寄港など中 国の「海のシルクロート」に協力的なプロジェクトが並ぶ。

またマレーシアにおける中国企業の躍進も凄まじく、華為技術と中興通訊 (ZTE)の二社はマレーシア通信事業に大々的に参入した。

マレーシアの国民車として親しまれるプロトン社の49・9%の株式は中国 の吉利集団が購入した。

エドラ発電は中国廣核集団に売却し、バンダルマレー株の60%を中国中 鉄に売却するなど、旗艦産業も外国資本に売り渡すような政策は「売国 奴」だという野党側の批判に発展した。

しかし、中国の投資はますます巨大化し、民間でも巨大投資はジョホール バルの四つの島を埋め立てて建設する「フォレストシティ」である。これ は中国不動産企業のトップを走る「碧佳園」がゼネコン&デベロッパーと なって完成間近だ。現場の労働者は80%が中国から、残りをパキスタンな どから連れてきた。

中国から6割、4割は地元の雇用という約束は反故にされた。

ナジブ政権は、フォレストシティ建設プロジェクトの契約に際して、例外 的に外国人の土地所有を認めた。

ここには70万人の中国人が移住するために、マハティール元首相は「ナジ ブは国土を中国に売り渡した」と激しく攻撃し、ひろく国民の間にも、 「反中ナショナリズム」が燃えあがっていたのである。


▲近年になかった保革逆転の予測が二転三転

こうした状況でマレーシアの政治は「ナジブ政権 vs マハティール元 首相」という対決構造となり、マハティールが野党を結成し、野党連合を 組織して、選挙に出馬すると声明を出して、準備に入った。

与党敗北予測がメディアに目立つようになると、狼狽したナジブは、この マハティール野党に解散命令を出し、(書類不備の難癖)、さらに特急作 業で「反フェイクニュース法」を制定し、事実上、ナジブ政権批判を封じ 込めた。

そのうえで、222の小選挙区の区割りを与党有利に再編し直し、ナジブ首 相は、なりふり構わずに議会解散を強行した。マレーシアの選挙法では議 会解散から60日以内に総選挙がおこなわれるという規定があり、4月10 日になってマレーシア選挙管理委員会は5月9日を投票日と決めた。

この与党の電光石火の早業によって、イスラム政党が野党連合から離脱、 マハティールは無所属でも立候補すると記者会見した。

世論は圧倒的に反ナジブだが、政権批判のメディア二紙が休刊を命じら れ、他方ではナジブ首相が選挙目当てのバラマキ、駆け込み施策をおこ なって人気の回復を図った。大票田を固めるために公務員、年金受給者へ の現金支給。最低賃金の上乗せ、燃料価格安定のための補助金支給、そし て選挙公約では消費税廃止も謳っている。


マレーシアは伝統的な多民族国家であり、マレー系に華僑、インド系の3 大民族構成というのはあまりに単純な図式である。

「華僑」と一口にいっても、多くは福建省、広東省出身であり、ついで潮 州出身が多く、彼らには北京語は通じない。

マレーシア華僑を代表するのはシャングリラ・ホテルの経営者ロバート・ クォク(郭?年)が有名だろう。郭は香港の老舗「サウスチャイナ・モー ニングポスト」を買収して論調を北京寄りとしてから、マードックに売り 抜け、さらにマードックはアリババの馬雲に譲渡した経緯がある。

この多重的な華僑の列に「海峡華僑」という「倭寇」の末裔とされる人々 がいて、英語しか喋れないため「英語系華僑」とも言われる。シンガポー ルのリークアンユー前首相も、この海峡華僑の流れをくむ。(倭寇は前期 倭寇に日本人もいたが、後期倭寇はシナ人の海賊だった)。

インド系マレーシア人はタミル語族であり、インド・アーリア系列ではな く、ベンガル流域から流れ込んだ。したがって言語もタミル語である。 
 ともかく上記のような複雑な、多民族国家の未来が次の選挙にかかって いる。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)ペマ・ギャルポ先生の「侵略に気付いていない日本人」講 演会のお知らせです。

              記

とき       4月22日(日)14:30(開場14:15)
ところ      文京シビックセンター26階「スカイホール」
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/civiccenter/civic.html
講師       ペマ・ギャルポ(拓殖大学客員教授。チベット文化研 究所所長)
https://ja.wikipedia.org/wiki/
演題       「侵略に気付いていない日本人」
参加費      1000円(学生無料)
         どなたでも予約なく御参加いただけます
主催       英霊の名誉を守り顕彰する会(代表 佐藤和夫)
お問い合わせ  (090)6709−9380



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(読者の声2)関西方面の愛読者の皆さん、「昭和の日のつどい」が大坂 でも開催されます。同時に小さな音楽会も開催です。

           記

とき   4月29日(日曜、昭和の日)13:00
ところ  大阪市立歴史博物館四階講堂
http://www.mus-his.city.osaka.jp/visit/access.html

講演   高橋史郎(麗澤大学大学院特任教授)
演題   「昭和天皇をめぐる歴史的経緯について」
第二部  音楽会「昭和の小さな音楽会」
     スペシャルゲスト 山口菜希(シンガーソングライター)
     入場無料
お問い合わせ(090)9818−4469



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(読者の声3)161回士気の集いは、コンスタンチン・サルキソフ先生の 講演会「日露再考――我々は分かり合えない隣人同士なのか」になります。

かつて仮想敵国だった、近くて遠い国、ロシア。東西冷戦終結後も、日本 政府は日米同盟を基軸とする外交・安全保障戦略の下、ロシアとの関係緊 密化に消極的で、日本国民の中には領土問題を抱えるロシアに対する拭い 難い不信感がありました。

しかし米国の弱体化、中国の台頭という激動する東アジア情勢は、日本に これまでの外交・安全保障戦略の見直しを迫ることになります。米国の戦 略家、国防アドバイザー、E・ルトワックは台頭する中国に対する日本の 対抗策の一つとして、ロシアとの関係強化を挙げていますが、現状では関 係強化以前に、まず我々日本人がロシアのことをあまりに知らないという 問題があります。

そこで、今回はロシア科学アカデミー東洋学研究所のコンスタンチン・サ ルキソフ先生にお越しいただきまして、ロシアの世界観、安全保障の基本 方針、アジア戦略と日本の位置付けについて領土問題も含めお話していた だく予定です。

【講師】コンスタンチン・サルキソフ先生のプロフィール;1942年10月24 日、旧ソ連アルメニア共和国生まれ。1966年に、旧ソ連サンクトペテルブ ルグ国立大学東洋学部日本学科を卒業。以後、現在までロシア科学アカデ ミー東洋学研究所に勤務し、現在は特別顧問。JAPAN ANNUAL編集長、ロシ アでの日本研究会の会長を務めるなど日本とロシア(旧ソ連)の関係に精 通。活躍は旧ソ連と日本の外交にも及び、1991年4月の旧ソ連ゴルバチョ フ大統領来日の際には、随行代表団のメンバーとして活躍する。また、翌 1992年にはハーバード大学が企画した北方四島の問題解決のプログラム に、ロシアの代表として参加する。現在も日本とロシアを行き来し、政 治・経済・学術に貢献している。

                記

【日 時】平成30年4月28日(土)18時30分〜20時45分(開場:18時15分)
【会 場】文京シビックセンター内 アカデミー文京 学習室(地下1階)
    東京メトロ南北線・丸の内線「後楽園駅」徒歩1分、都営地下鉄三 田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分、都営バス「春日駅前」徒歩1分、 JR総武線「水道橋駅」徒歩8分
  http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/bunka/academy/bunkyo.html
【参加費】事前申込: 1,500円(事前申込の学生:1,000円、高校生以下無料)
      当日申込:2,000円
★当日は混雑が予想される為 事前申込の無い方の入場は講演5分前とさせ て頂きます★
【申込先】 4月26日23時までに下記Googleフォームにてお申し込みくださ い(当日受付も可)
     https://goo.gl/forms/DMWj6ybjlhW3qan12
【主催】 士気の集い http://blog.goo.ne.jp/morale_meeting


        
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ワーファリンにご注意を
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     石岡 荘十

ワーファリンで危うく死ぬところだった。

その顛末を話す前にワーファリンについてどんな薬なのか、基礎的な“常 識”を説明しておく。

ワーファリンは血液をさらさらにする代表的な薬だ。心筋梗塞や心臓の弁 を人工の機械弁に置き換えた弁置換手術経験者は血液が固まって血栓を作 りやすくなるため、これを防ぐべく処方される。

心臓病患者だけではなく慢性的な脳梗塞患者に対しても、血栓が脳に飛ん で細い血管を詰まらせないように予防薬としても使われている。

もともとは、ネズミ取りの薬剤(殺鼠剤、商品名は、強力ラットライス、 強力デスモア、ネズミランチdeコロリ)として使われていた。

ネズミにこの薬が入った餌を与えると、目の網膜内の内出血で視力が低下 するため明るいところに出てくる。最終的には腹腔内の内出血で死亡する というわけだ。人間に対する治療薬として日本で使われ始めたのは30年以 上前の1976年のことだった。

よく言われるように、薬はすべて毒物であり、使い方、とくにその量を間 違えると、死に至る。薬として有効かどうかは、微妙な量(専門的には治 療域という)の調整が欠かせない。

ワーファリンは殺鼠剤に使われるくらいだから、とりわけ服用する量の調 整が重要だとされている。

私は‘99年心臓にある4つの弁のうち血液の出口である大動脈弁を機械弁 に置き換える手術を受けて以来、毎日朝食後、この薬を飲み続けて
いる。

私の場合、3ヶ月前までは毎日2錠(1mg×2)だったが、最近は加齢の 影響もあってか、先月、血液検査の結果、効き目が落ちているとのこと で、週3日は、プラス0.5mgの処方を受け、処方箋を病院の周辺に門前 市をなす薬局の一つに出した。

エーザイが販売しているワーファリンは、0.5mg、1mg、5mgの3種 類の錠剤だから、処方箋に従えば私の適量は

・月、水、金 1mg2錠と0.5mg1錠で合計2.5mg
・残る火、木、土、日は1mg2錠で2mg ということになる

ところが、である。

薬局で手渡された薬をその場で確認すると、0.5mgの錠剤は見当たら ず、代わりに袋に入っていたのは5mgの錠剤だったのである。つまり、 処方箋で指示された量の10倍の量のワーファリンを薬剤師が出したのだ。

ここでこのことに気づかず、服用したらどんなことになるか。殺鼠剤入り の餌を与えられたネズミになるところだったのだ。おお怖!   

「人は間違う動物」、医療の世界ではTo err is human.とよく言われる が、これは酷すぎる。まかり間違えば業務上過失致死に問われかねない過 ちではないか。

いろいろな薬の中で、とりわけワーファリンに対する感受性は個体差が大 きい。薬の量は大概、患者の体重によって決まるが、ワーファリンは同じ 体重でも、年齢や食生活、疾患の種類などによって適量を厳密に調整する 必要のある薬だとされ、同じ人でも、適量(治療域)は変わる。

このため、永年この薬を飲んでいる患者は、少なくとも月に1度は血液検 査をして適量を決めなくてはならない。プロトロンビン時間測定 (=PT-INR)という検査である。

昔は、トロンボテストという検査が一般的だったが、近年はPT-INR が推奨されている。その標準値は、1.6〜3.0(値が高いほど血が固まりに くい)が理想的である。(「1.8〜3.4 の間であれば、ワーファリンの投 与量は変更しないほうがよい」という報告もある)。

先月の私のINRは1.9。適正だった。そこへ、5mgを飲んだりすれば、 血液は真水のようにさらさら流れ、体内の臓器、とりわけ脳出血のおそれ もあった。

ほとんどの薬は、薬品メーカーが製造、医師が処方し、薬剤師が調剤し、 患者は何の疑問も抱かず指示通り服用する。つまり水源から河口まで関係 者はすべて性善説に立っている。

ワーファリンの販売元エーザイに確認すると、担当者は、「こんな間違い は初めてのケースだ」という。しかし、どんな仕事もそうだが慣れてくる と、そこに’to err’が起こる。メーカーは貴重な教訓とし、包装紙の色を 変えるなどの防止策がないか検討するというが、同時に、ユーザーである 患者もやばい薬については特に確認をする努力を心がけたいものである。



      
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読み取りづらい朝鮮半島情勢の行方
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          櫻井よしこ

「読み取りづらい朝鮮半島情勢の行方 正恩氏は圧力で動くと忘れるべき でない」

金正恩朝鮮労働党委員長の電撃訪中は、拉致問題の報道にどの社よりも熱 心に力を入れてきた「産経新聞」のスクープだった。

大きく動いた朝鮮半島情勢の展開は読み取りにくい面もあるが、こんな時 こそ基本構造をおさえておきたい。

第一は日米が連携して維持した圧力路線が、狙いどおりの結果を生み出し た点だ。各テレビ局の報道番組では、従来の日本政府主導の「圧力」路線 を否定し、対話路線を取るべきだとの解説やコメントが少なからずあった。

「朝日新聞」も29日の社説で、各国は対北朝鮮制裁の足並みを乱してはな らないと指摘する一方で、「日本政府の出遅れ感は否めない。圧力一辺倒 に固執した結果ではあるが」と書いた。

だが、正恩氏の訪中と対話路線は日本が主張し、国際社会を動かして決定 し実行した国連の制裁措置、即ち圧力路線の結果である。対話は、圧力が 生み出した成果なのだ。北朝鮮の非核化と拉致問題解決まで、圧力を基盤 にした現路線の堅持が重要である。

第二は北朝鮮が言う「非核化」の意味をはっきりさせることだ。中朝両国 の「朝鮮半島の非核化」は、私たちが考えるそれとは根本的に異なる。

日本や米国の考える朝鮮半島の非核化は北朝鮮の核兵器、貯蔵する核物 質、それらの製造施設のすべてを解体することだ。一方北朝鮮の主張は、 自分たちの核は米国の核に対する自衛だというものだ。現在、韓国には米 軍の核兵器は配備されていないが、米韓同盟の下、米国が北朝鮮を核攻撃 する可能性もある。従って北朝鮮の核解体前に、在韓米軍基地をなくせと 言う。さらに米韓同盟も解消すべきだと主張する。要は韓国からの米軍追 い出しを狙っているのである。これは中国にとって願ってもないことであ ろう。

こちら側としては、「朝鮮半島の非核化」において、北朝鮮の核に焦点を 絞ることだ。焦点を絞りきれなければ、北朝鮮に時間稼ぎをさせることに なりかねない。

第三に、日本が置き去りにされ、孤立しかかっているとの見方は、日本に とって何の益もないことを認識すべきだ。拉致問題解決も北朝鮮の非核化 もこちら側の一致団結が大きな力となる。とりわけ拉致問題解決には日本 国民の団結が大事である。拉致問題解決に最も熱心に取り組んできたのが 安倍晋三首相だ。首相は北朝鮮の核と拉致の両問題の解決を目指して、対 北圧力政策をトランプ米大統領に説いてきた。

トランプ氏はその助言を大いに取り入れた。だからこそ、文在寅韓国大統 領の特使がホワイトハウスを訪れ、そこで記者会見し、トランプ大統領が 米朝首脳会談に応ずると発表したまさにその時間帯に、安倍首相に電話を かけて逐一報告している。

安倍首相も日本も、置き去りにされていない。わが国は有力な当事国とし て北朝鮮問題で重要な役割を果たし続ける立場にある。そのことを国民が 確信して政府を支えることが、日本国の外交力強化の基盤であり、拉致問 題解決に至る道だと自覚したい。

「産経」は「『千年の宿敵』に屈服した正恩氏」の見出しを立てて、正恩 氏の中国での姿勢を報じた。中国中央テレビは中朝首脳会談で、正恩氏が 熱心に習近平国家主席の発言をメモにとる姿を報じた。

正恩氏は自分が話しているときに「メモをとらない」「拍手がゆるい」 「メガネを拭いていた」などの理由で部下を処刑してきた。その同じ人物 が必死で習氏の言葉をメモにとったのである。中国への完全な屈服だ。正 恩氏が恐れるのは現体制が崩壊させられ、自分の命が奪われることだ。そ うしたことを、いざとなると実行しかねない米国の力を恐れた。米国から 守ってもらうために中国の力に頼った。大事なのは正恩氏を動かすのは圧 力だという事実を忘れないことである。

  『週刊ダイヤモンド』 2018年4月7日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1226
 

           
        
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重 要 情 報
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 ◎“森友リーク”で女特捜部長と江田氏を刑事告発 告発状提出の男性「何が真実なのか明らかにしてほしい」

 学校法人「森友学園」と「加計学園」の問題が再燃してきた。森友学園では、国有地売却をめぐり、8億円値引きの根拠となったゴミ撤去費用に関し、財務省が学園側に口裏合わせを依頼していたことが発覚。加計学園では、愛媛県が「ない」としていた獣医学部新設に関連する文書を残していたことが分かった。野党や一部メディアの追及激化は必至だ。こうしたなか、市民や市民団体などが、森友問題のキーマンらを刑事告発している。佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官だけでなく、何と「違法なリーク」に関わった疑いがあるとして、大阪地検の女性特捜部長や、民進党前代表代行の江田憲司衆院議員まで対象になった。

 「検察が捜査情報をリークすることは許されないが、現状は、大阪地検による漏洩(ろうえい)疑惑が指摘されている。告発を通じ、何が真実なのかを明らかにしてほしい」

 森友問題をめぐり、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で、大阪地検の女性特捜部長と、江田氏への告発状を、7日付で最高検に提出した都内在住の40代男性は9日午後、夕刊フジの取材に、こう語った。

 男性は「飛騨守右近『元祖刑事告発人』」の名前で、ツイッターで時事問題について発信し、与野党問わず政治家の悪事・疑惑などについて刑事告発している。以前、舛添要一前都知事を政治資金規正法違反容疑で告発したこともあるという。

 今回、大胆な行動に踏み切ったのは、江田氏が4日夜、《大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる。NHK「何千台分のトラックでゴミを撤去したと言ってほしい」と(財務省)本省理財局の職員が森友学園に要請と。ネタ元はメールらしい》《(特捜部)頑張れ!》と、ツイートしたのがきっかけ。

 投稿を読んだ男性は告発状で、江田氏が女性特捜部長から《直接、情報を入手し本件をリークしたとの疑いがある》として、次のように主張している。

 《捜査情報を漏らしたとなれば、(中略)重大な犯罪を起こしている疑いさえ持たれても当然である。これは検察が司法機関として、国民からの信頼を失墜させる重大な案件である》

 確かに、捜査中の情報が次から次に一部メディアで報じられている。国家公務員には守秘義務がかけられており、基本的にリークは犯罪である。

 『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)の著書がある文芸評論家の小川榮太郎氏は5日、江田氏のツイートについてフェイスブックで次のように言及した。

 「事は極めて重大だ。野党、一部主流メディア、検察が結託して、違法なリークをして倒閣に利用したとなれば、憲法破壊事態そのものだ。こんな事を一度でも見逃せば、背後に外国勢力がついて、日本政府を幾らでも脅迫、コントロールできる事になる(抜粋)」

 「江田氏のツイートは民間のブロガーの噂話とは違う。国会議員の外に向けての発言だ。NHKの『口裏合わせスクープ』の前には(野党)議員がスクープを吹聴して回っていたとの情報がある。これは政争のレベルではなく国民の信託を受けた政府への破壊行為=主権簒奪(さんだつ)であり、権力分立、言論の自立と節度を踏み躙る、プロパガンダによる民主主義の破壊だ(同)」

 江田氏が指摘したNHKのスクープをめぐっては、財務省が9日の参院決算委員会で、理財局職員が昨年2月、学園側にごみ撤去費について口裏合わせを依頼したことを認めた。本当に、漏洩はなかったのか?

 大阪地検は6日時点で「捜査情報を外部に漏らすことはない」と全面否定した。告発状提出を受けて9日午後、「特段、コメントすることはない」と回答した。

 江田氏は6日段階で、ツイートについて「NHKの報道振りや諸情報から、私なりにそう判断した」「『捜査』を応援する趣旨で書いた」と答え、一連の報道について「特捜部リーク説」を堅持していた。

 今回の告発状提出を受けて、江田氏は「本件については、これまで説明している通りです。女性特捜部長と特掲した点は、すでに言葉足らずとして訂正しており、彼女とは面識もなければ、捜査内容について話したこともありません」と夕刊フジに回答した。

 ■市民団体が佐川氏らへ告発状提出

 森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)をめぐり、学者や弁護士でつくる市民団体は9日、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官ら財務省と、近畿財務局の関係者24人に対する公用文書等毀棄容疑と、虚偽有印公文書作成・同行使容疑の告発状を東京地検特捜部に提出した。

 財務省は14件の決裁文書で200カ所以上が改竄されたことを認めており、佐川氏は3月の衆参両院での証人喚問で「当時の局長として大変重い責任がある」と陳謝している。

 同団体は昨年5月、財務省が学園側と交渉した記録を廃棄したとして、佐川氏ら7人に対する公用文書等毀棄容疑の告発状を提出。東京地検が受理し、大阪地検に移送され、捜査が進められている。

 八木啓代代表は「(改竄によって)文章の意味は根本的に変わった。検察の捜査に期待している」と話した。

【写真】 森友学園と財務省、大阪地検特捜部をめぐるツイートが大騒動に発展している江田氏
<http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180411/soc1804110005-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto>http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180411/soc1804110005-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto
【ZakZak】 2018.4.11 〔情報収録 − 坂元 誠〕

  ◎Better late than neverなハリルホジッチ監督解任?!:前田正晶

9日は早朝から(と言っても午前4時だったと思うが)テレビのニュースで は「ハリルホジッチ監督を電撃解任」と報じていた。私は文句なく「良い ことだ」と眠さに堪えて歓迎していた。

と言うのも、私は今日までに何度も「監督を替えようよ」と提案してきた からだ。私は協会は誰の顔を立てる為か、または如何なる理屈であの駄目 監督を辞めさせないのか不思議でならなかった。

そのニュースを見て協会の正式な記者会見を待ってからこの一文を書こう と思っていたが、午後2時が迫っても一向にニュースが流れないので「も う待っていられない」と踏み切ることにした。(実際には協会の田嶋幸三 会長が解任を発表する記者会見は午後4時から始まったのだった)

私があの監督が駄目だと言うのには数多くの理由がある。先ずは「どう見 ても選手の好き嫌いが余りに顕著であること」を挙げたい。監督ともなれ ば、また人として好き嫌いは誰にでもあることだ。だが、ハリルホジッチ 氏の場合は選手選考に仲々正当な根拠が見えず、戦略か戦術上と言うより も単なる好き嫌いだけで、例えばドイツではあれほど立派に働く香川真司 を外したり、ゴールを決めるポジション取りの感覚が優れた岡崎慎司を補 欠扱いにするのは不当だと思っていたことがある。

本田圭佑は確かに衰えが見えるというか、選手として限界が見えて将来性 に期待が持てなくはなった。だが、本田には監督が使いたがっている若手 にはない豊富な国際試合での経験があるとともに、若手やテイーム全体に 苦言を呈する能力を備えた数少ないプレーヤーであるにも拘わらず、冷た い扱いをしていたのは不当であると断じてきた。同時にこの3名はずっと 日本代表を支えてきた功績がある主力選手だった。

私にも「新規に監督として任命された以上、前任者やこれまでになかった 新機軸を打ち出して自分好みのテイームに仕立て上げていこうとする考え や意欲のほどは理解する」だけの度量の持ち合わせはある。だが、この監 督の世代交代のやり方や代表メンバーの選択には多くの疑問点があり、と 言うよりも実際に効果が上がっていなかったし、合宿に呼んだだけで試合 に出さなかった者が不当に多かったのも不信感を抱かせてくれる理由に なっていた。

それだけではない。就任以来4年近くも経った現時点でも未だにテイーム の中心となるべき存在が確立できていないのは何故かと問いかけたい。確 かに長谷部は怪我があろうと何だろうと主将の地位に止めて、テイームの 精神的なリーダーとして存在感はある。

だが、長谷部がテイームの戦術面での中心選手かと問われれば「違うだろ う」となるのではないか。私はあの監督が率いてきた代表テイームには戦 術を組み立て、全体を牽引する存在はいなかったと見ている。これは監督 の責任に帰すべき問題ではないのか。

次は戦術面だ。ハリルホジッチ氏は明らかに縦一発的な、言うなれば古き 良き時代に流行した「キックアンドラッシュ」の近代版とでも好意的に呼 んでやろうかと気を遣いたくなるような、縦パス戦法に拘泥していたよう だった。これは責任逃れ的な細かいパスまでを含めて「流れるようなパス ワーク」を主体としてきた我が代表選手たちを戸惑わせるだけの結果に終 わり得点能力の低いテイームを創り上げてしまう結果に終わっていたので はないのか。即ち、不適切な戦術に拘泥しただけだったのでないか。

ここまでは批判ばかりだったが、それでも何とか予選を突破してW杯出場 権は確保したのは監督の功績だっただろうし、不遇だった(?)選手たち の頑張りも称えて上げるべきだと思っている。

しかしながら、先日のベル ギーにおける2試合での不成績と選手起用のお かしさを見る時に、目前に 迫ったロシアでの本戦に対する準備が余りに も不適切だと言わざるを得な いのだ。端的に言えば「中心となるリー ダーが不在のテイームを作った責 任は誰にあるのか」ということだ。

私は責任は監督だけではなく、彼を選んだ協会にも問題があると思う。今 日まで優柔不断に推移し解任も出来ずにずるずると引き延ばしてきた来た 責任は重大ではないのか。宙ぶらりんにされた多くのこれまでに代表を背 負ってきた選手たちに申し訳なかったとは感じないのかと言いたい。

香川真司などは(やや不遜にも思えるが)監督に直接に「何故自分を外す のか」と問い掛けに行ったか、行こうとしたとの報道もある。それほど選 手たちにも不信感があったということだろう。

繰り返していうが、今この時点でも解任しようと協会が踏み切ったのなら ば“Better late than never”であろう。だが、ここで選任されるだろう日 本人の監督さんが(現実には西野朗技術委員長を選任した)背負うであろ う責任は、ハリルホジッチ氏のそれよりも色々な意味で遙かに難しく且つ 重大であろう。

私は目の前に迫った代表選手選出には誰の目にも「且つ公 平」と映るも のになると期待するものだ。まさか、本日午後と言われる協会の記者会見 の話題は他のことではあるまい
な。

後日談になるが、報道では田嶋会長との面談で解任を了承したかの如きハ リルホジッチ氏だったが、11日朝の報道では自宅を訪れた記者に対して、 解任の理由が「でっち上げ」であり「こじつけ」であると猛反発したそう で、今月中にも来日して反抗の記者会見をすると言っているそうだ。難し く且つ微妙で面倒なことを協会が引き起こしたのでなければ良いが。


  ◎二階幹事長が言うことか:前田正晶

報道によれば、自民党の二階幹事長は朝日新聞のスクープだという愛媛県 庁職員の備忘録にある「首相案件」騒動に「うんざりだ」と述べたそう だ。国民の一人として私もうんざりしている。この場合に自民党の幹事長 が何に対してうんざりなのか知らないが、何となく他人事のように聞こえ た。またまた出てきた文書問題にうんざりなのか、マスメディアと野党連 合の安倍内閣打倒運動にうんざりなのか、官邸の不手際に他人事のように うんざりなのかがハッキリしない。

私は何度か採り上げてきたが、マスメディアと野党連合は何が何でも安倍 内閣を打倒して憲法改正を阻もうとしているのであり、その大目的の為に は国益も何も眼中になく、ただひたすら邁進しているだけだと見ている。 特に目下のところ誤報だの何のと大きな批判を浴びてきた朝日新聞は懸命 になって、安倍政権の攻撃材料発掘しては野党に提供しているのだと思っ ている。

朝日が発掘してくる「疑惑」という材料にはハリルホジッチ前監督ではな いが「でっち上げ」や「こじつけ」がある場合が多いが、政府や官邸側か ら完全に否定しきれる反論が出てこないのもまた問題だと思う。

「記憶に ない」とか「刑事訴追を受ける危険性があるので」では執拗な 野党とマス メディア連合の追及と援護射撃に余念のないマスメデイアを 抑え切れてい ないのは誠に遺憾であると言わざるを得ない。

これも繰り返しのなるが、現在我が国を取り囲む国際情勢はこのような疑 惑の文書問題に明け暮れていることを許すような生易しいものではないと 思う。

それくらいは野党もマスメディアも十分に理解し認識しているだろ うと 言うなれば希望的に推察している。特に私が密かに個人的に怖れてい る のは、トランプ大統領を囲む緊迫しつつある対中国の情勢如何では、何 時まで我が国えお最重要同盟国として、そのまた総理として擁護し続ける かという点である。

それは、トランプ大統領は「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉 大に」の旗印の下に選挙公約を現在までのように忠実に実行し続けられて いけば、国際的な情勢がどのように変わって行くかが不安に思わせられる からだ。

その変化次第では自国の利益と安全を優先されはしないかという 懸念で ある。例えば、緊迫した情勢下で二者択一の決断が必要になった場 合 に、アメリカ人がどう考えるかという経験上からの切ない不安感だ。悲 観論者の私はそうは言うが、杞憂に終わることを期待している。

繰り返しになるが、現在は「首相案件」がどうのというようなことに延々 と関わっている事態ではないということではないのか。私が「うんざりし ていること」はこちらであって、「お会いした記憶はない答弁」ではない。

安倍総理以下政府と与党を挙げてこの時宜を得ていない野党とマスメディ ア連合の追及を、正当な理由と説得力ある根拠を以て退けて頂きたいと切 に希望して終わる。



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身 辺 雑 記
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散歩する近くの都立猿江恩賜公園では薄紅色のハナミズキがきれいだ。11 日は時間があったのでゆっくり公園を一周した。寒くもなく暑くもなく今 が一年のうちで一番いい季節だ。
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