政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4656 号  2018・4・5[木)

2018/04/05

                          
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4656号
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        2018(平成30)年4月5日(木)



       少子化によって国を滅してはならない:加瀬英明

          「米中貿易戦争」深刻化の様相:杉浦正章

        反安倍の印象報道に既視感あり: 櫻井よしこ
     
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4656号
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少子化によって国を滅してはならない
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             加瀬 英明

 日本で少子化が進んでいる。この国が開闢して以来のことであろう。

私たちが直面する大きな国難の1つだと、呼ぶべきものだ。

今回は、最近、私が感動したことを取り上げたい。

少子化に歯止めをかけるために、2年前に警視庁、自衛隊、消防庁などの 幹部のOBたちが立ち上って、「一般社団法人日本官婚推進協会」を設立 して、男性公務員を対象として、身元が確かな女性との縁結びの場をつく る活動に、全国で取り組んでいる。

代表理事の尾形明氏が神奈川県警察本部の元警部補、理事に自衛隊の元陸 将補、元空将補、東京消防庁の元消防司令長、大手百貨店の元外商部長な どが並んでいる。私は求められて、会長をつとめている。

2月に、防衛省の福利厚生施設のグランドヒル市ヶ谷で、独身男女97人 が集まって、見合いの懇親パーティが催された。

 真のボランティア活動にふれて

私は70代の役員たちが、ボランティア活動として、無報酬で甲斐甲斐しく その場を仕切ってゆくのを見て、感動した。

ボランティアを日本語でいえば、国家、社会や、人々のために自己を捨て て、献身的に働く「奉仕」のことである。

日本で「奉仕」は、古い言葉だ。平安時代後期の説話集である『今昔物 語』が、「奉仕すること、片時(へんじ)も怠る事」があってはならない と、諭している。

私は英語でボランティアvolunteerというと、「人が嫌がることを無報酬 で行う」という暗い意味があるから、好まない。だが、日本は常世の神信 仰から、海原の向こうから幸がもたらされることを、古来から尊んできた から、日本語のなかに外国語が氾濫しているのに、目角(めくじら)を立て るべきでないのだろう。ボランティアも、もとの言葉から離れて、「奉 仕」という意味で、使っているにちがいない。

ほぼ男女半数ずつだった。お洒落に装った若い女性たちが会場を満して、 私は花園に身を置いたようだった。まさに国の花だ。

 適齢期の男女の未婚は何が原因か

なぜ、今日の日本で適齢期の多くの男女が、伴侶を求めることができない でいるのか。

やはり家族、一族の絆や、地域社会の繋がりが弱まって、自分しか頼れな い個というか、孤の時代が到来したのだろう。孤独、孤立、孤食、孤独死 といった言葉が、頭を掠(かす)めた。

かつて日本は「家族国家」と呼ばれたが、今日の日本は私にとって異界に 生きているように、感じられる。

 家庭家族は社会の源

明治に入って、西洋から日本に存在しなかった事物や、観念が、巨大な津 波のように押し寄せて、先人たちが明治翻訳語と呼ばれる新語を大量に 造ったが、「個人」という言葉も、その1つだった。それまで日本には、 個人が存在しなかった。

今日の日本の若者たちは、不慣れな個人の役割を演じなければならない。

公務員といえば、民間より所得が高く、生活が安定している。少子化の原 因として、多くの若者が所得が低いために、結婚できないというが、にわ かに信じられない。昔から結婚したかったら、手鍋提げても貧しさをいと わないと、いったものだ。

フランスでは子育てを支援するために、出産奨励金や家族手当を給付する ことによって、出生率が1・5%から1・92%(日本は1・45%)に増 え、スウェーデンでは不妊症の治療が、公費によって行えるといったよう に、積極的な少子化対策が効果を上げているといわれる。

どうしたら少子化を阻止することが、できるものだろうか。日本列島を生 んだ伊弉諾命(いざなぎみこと)と伊邪那美命(いざなみみこと)は、出産奨 励金や、家族手当がなかったのに結ばれた。収入だけでは、所得が高い公 務員の結婚難を説明できまい。

現行憲法の第24条「【家族生活における個人の尊厳と両性の平等】」は、 第1項で「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」(傍点筆者)と、規 定している。

これは、アメリカ占領軍が、家族制度が日本の危険な国家主義の基礎と なっていると信じて、日本の伝統社会をつくり変えようとして、家族制度 を破壊するために、定めたものだった。

 ¥現行憲法は、原文が英語――外国語で書かれている、世界で唯一つの珍 しい憲法だ。

2月のパーティで、私は独身の男女を前にして、会長として短い挨拶をした。

 『君が代』は婚礼の祝い歌

「みなさんは、昨日、羽生結弦選手が金メダルを獲得して、表彰式で国歌 『君が代』が流れたのを、御覧になったことでしよう。

『君が代』の歌詞は、1000首以上を収録した、西暦905年の『古今和歌 集』に載っていますが、もとの歌は『わが君は千代に八千代に‥‥』と始 まっています。この和歌は庶民を含めて、婚礼をはじめとする祝賀の宴 で、祝われる者の長寿を願って、唄われてきました。

明治に入って、西洋に倣って国歌が制定されると、「わが君」を「君が 代」に置き換えました。

 同じ寿歌(ほぎうた)が1100年以上にもわたって、唄い続けられてい る国は、世界のなかで日本しかありません。古い伝統を大事にしてきた、 国柄を示しています。

 人類の祝い事の基は結婚そのもの

 おそらく人類の祝い事のなかで、世界のどこにおいても、結婚がもっと も寿(ことほ)がれるものでしよう。結婚するから、家族(ファミリー)が絶 えることなく、人類が存続でき、未来を確かなものにすることができるこ とを、理屈抜きで知っているからでしよう。

 日本最古の歴史書の『古事記(ふることふみ)』のなかに、そよ風――凪 (なぎ)を司る伊弉諾(いざなぎ)と、波の神の伊邪那美(いざなみ)の2人の 男女の神が出会って、戯れるうちに、恋に陥って2人が結ばれ、私たちの 美しい日本が生まれたという、麗(うるわ)しい神話が載っています。

 日本では、2人の男女が結ばれるたびに、新しい日本が生まれます。

 人生では値札がついていないものこそ、大切です。豪華なシャンデリア の下で、1瓶数万円もするワインをあけて、高級な料理を食べて、『あ あ、贅沢をしている』と思って満足するほど、寒々しいことはありません。

 夫と妻の2人が心を合わせるほど、贅沢なことはありません。

 よい伴侶を求めて、素晴しい新しい日本をつくって下さい」

 現行憲法によれば、親や兄弟や、一族は、2人の結婚とかかわりがな く、2人の結婚に干渉してはならないことと、されている。

 今日では結婚は、男女2人の一過性の快楽のために行われる、軽い結び つきに変わった。

 2人が人類を未来へ継いでゆくために、結ばれることがなくなってし まった。

 結婚相手として、ふさわしい配偶者ではなく、自分本位に自由に相手を 選ぶことによって、結婚と家族(ファミリー)が切り離された。

 だが、世界のどこへ行っても、結婚は今日のように一時的な快楽ではな く、家や、社会に対する務めであって、神聖な行為だった。

 結婚は人類存続の源

 結婚は責任をともない、自制と節度を必要とした。人類を存続させるた めという、暗黙の了解があったにちがいない。

 結婚までが、刹那刹那の楽しみを求めるものとなった。

 国民が刹那的な消費文化によって、すっかり蝕まれてしまった。刹那と いう言葉は、仏教の梵語からきているが、指で弾(はじ)くごく短い時間を 意味している。

 刹那的な物欲によって駆り立てられて、荒(すさ)んだ国をもたらした責 任は、国家の大本(たいほん)である国防を忘れて経済大国をつくってき た、私たちの世代が負うべきものである。

 2月の市ヶ谷の催しに、私は暗黒のなかに燭光を見た思いがした。蟷螂 (とうろう)(かまきり)が斧をもって隆車(大きな車)に立ち向うような ものかもしれない。だが、第一歩が大切だ。



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「米中貿易戦争」深刻化の様相
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         杉浦 正章

北の対日大接近もありうる 極東情勢一段と流動化

民放などで極東情勢からの「日本置き去り論」が目立つが、相変わらず浅 薄だ。トランプが韓国の特使の進言を受けて米朝会談に乗り気になった結 果がその理由のようだが、極東安保が日本抜きに語られることはあり得ない。

17日からの日米首脳会談で安倍が極東安保の実情を説明すればトランプに は分かる事だ。それよりも極東における「米中貿易戦争」の様相がここに きて一段と濃厚になってきたことを注視する必要がある。

かねてから首相安倍晋三は北朝鮮への対応について、「過去の教訓を踏ま えると、対話のための対話では意味がない。北朝鮮に完全、検証可能かつ 不可逆的な方法で、核・ミサイルの廃棄にコミットさせ、それに向けた具 体的な行動を取らせるため最大限の圧力を維持していかなければならな い」と述べている。

極東情勢をどこまで深く認識しているか疑わしいトランプも、この安倍理 論には同調するだろう。安倍は日本としては譲れないコアの部分をトラン プに吹き込んでおく必要がある。なぜならトランプは金正恩が核弾頭搭載 のICBMを放棄するだけで「米国に届く核兵器はない」と納得する可能性が あるからだ。

これは、日本にとっては最悪のシナリオである。なぜなら日本の米軍基地 や東京など大都会を狙う中距離核ミサイルがそのまま放置されれば、日本 は常時北のどう喝受け続けることになるからだ。

これは紛れもなく日本に核武装論を台頭させる要因である。日本が核武装 をすれば極東安全保障のバランスを一気に崩壊させ、情勢は今まで以上に 緊迫と流動性を帯びる。

その懸念は世界の常識になりつつあり韓国の中央日報紙などは社説で「日 本再武装論が台頭している」「中国が北を放置すれば重武装の日本が登場 し、中国が代償を払うことになる」と核武装の可能性を強調している。

米国のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、既に北朝鮮が発射した中 距離弾道ミサイル「火星12」が北海道上空を通過した後の社説で「日本の 核武装に道開く北朝鮮の核容認」との題して「この中距離ミサイル発射実 験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そ して、日本に自前の核抑止力を持つことを改めて促すものだ」と分析して いる。

要するに日本抜きの極東安保は成り立たないということなのである。米朝 や米中だけで極東安保を語るべきではないのだ。加えて北の核施設やミサ イル発射の動きは低調にはなっているが、北が完全に核やミサイル放棄に 方針転換したとみるのは言うまでもなく早計である。

1980年代から北は核・ミサイルへの実験を繰り返してきており、完成がす ぐそこにあるのに、放棄するわけがないのである。金正恩のレゾンデート ルは核とミサイルしかないのであって、手放せばただの太った政治家にな るだけだ。

今後、外交日程は極東情勢を軸に硬軟両様の展開を見せる。4月17日から 2日間はフロリダで日米首脳会談。同月27日に南北首脳会談。5月前半 に日中首脳会談、同月末までに米朝首脳会談という段取りだ。

日本の出番はありすぎるほどあるのだ。一連の会談を通じて安倍が果たす 役割は大きい。日米首脳会談ではその後の一連の首脳会談対策が話し合わ れる。対北、対中戦略で重要な骨組みが打ち立てられるだろう。

その内容はおそらく?トランプはいかなる情勢下においても北朝鮮の核保 有を認めない?核・ミサイルで北の具体的行動がない限り制裁は維持する? 米国は最悪の場合の軍事オプションの可能性を維持するーなどとなるだろう。

こうした日米の動きに対して中国は極めて警戒を強めるだろう。中国の核 問題に対する主張はあくまで「朝鮮半島の非核化」である。単に北だけの 非核化ではなく、米軍も含めた非核化なのである。

中国の戦略にとって北は常に緩衝材なのであり、米軍と国境を接して対峙 することは望まないのだ。北と中国は朝鮮戦争を一緒に戦った血の盟約が 依然として根底に存在するのであり、地政学上も切っても切れない関係に ある。

中国は朝鮮半島問題が米国主導で進む事には反対しなければならないと思 い込んでいるのだ。中国にとっては朝鮮半島が「不戦不乱」である状態が 一番居心地が良いのであって、北の政権を消滅させるような策動にはまず 乗らない。

また、米国の輸入制限に対して、中国が報復関税を発動したように、「米 中貿易戦争」の色彩が一段と濃くなった。中国は米国が鉄鋼、アルミニウ ムに高関税を3月23日にかけたことへの対抗措置を2日発表した。ワイン など120項目に15%、豚肉など8項目に25%を上乗せしたのだ。この米 中両大国の経済と外交・安保の両面での対立は歴史的必然とも言え、長期 化するだろう。

就任当初は金正恩に対する嫌がらせで、訪韓を断行したほどの習近平だ が、金正恩が訪中して恭順の意を示したことから、相好をくづし方針を一 変させた。習近平の前で金正恩が習発言をノートに取るという、“すり寄 り”姿勢を取ったことが、大満足であったのだろう。

首脳会談は会談の中身もさることながら、相手の態度が決定的な役割を果 たす事もある。金正恩の“メモ作戦”は練りに練った作戦なのであろう。

こうした北の外交攻勢からみれば、今後北は閉ざされた独裁国家というイ メージを払拭するため、主要国との外交チャンネルを活発化させるだろ う。日本に対しても大規模な経済協力を期待して大接近してくる可能性が 強い。その場合、核放棄が前提になることは言うまでもない。



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反安倍の印象報道に既視感あり
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        櫻井よしこ

財務省が発表した「決裁文書の書き換えの状況」(以下報告書)を読ん だ。78頁にわたる報告書から読み取るべき点は二つである。第一は決裁文 書の書き換えという許されないことを、誰が指示したのかだ。

次に、野党は安倍晋三首相夫妻の責任を問うが、果たして首相は森友学園 に関係する土地売却や財務省の決裁文書書き換えに関わっていたのかとい う点である。政治への信頼がかかっているだけにはっきりさせなければな らない。

そのようなことを念頭に報告書を精査したが、どう見ても、これは財務省 の問題である。報告書から、森友学園が近畿財務局に少なからぬ要求を出 していたことが伝わってくる。森友学園には近畿財務局が対処しており、 彼らは大事な局面で本省の理財局に報告している。本省と相談し、許可及 び指示を得て、森友側の要請に応えた構図が報告書では浮き彫りとなって いる。そこに安倍首相や昭恵夫人が関わり得る余地はないと断じてよいだ ろう。

にも拘わらず、主要メディアはすでにおどろおどろしい印象操作報道に 走っている。他方野党は同問題を安倍政権潰しの政局にしようとしてい る。政治には権力闘争が付き物だとしても、去年、日本列島に吹き荒れた 根拠なき反安倍の嵐は、日本の政治をかつての旧い体制に引き戻そうとす るものだった。野党も多くのメディアも、反安倍路線に走る余り、岩盤規 制を守る側に、事実上立ったではないか。

いま耳にする批判は、安倍首相の「一強体制」が悪い、それが官僚を萎縮 させ、忖度させているというものだ。だが、民主党も政権を取った時には 政治主導を主張したのではなかったか。事務次官も含めて官僚の意見をき かず、大臣がおよそ全てを主導しようとしたのが民主党政権ではなかった か。その彼らがいま、内閣人事局が官僚を萎縮させ、首相の言葉などを忖 度させると論難する。だが、そもそも内閣人事局の設置は、民主党政権で も目指したものではないのか。

民主党も望んでいたこと

内閣人事局の権限は強大ではあるが制限もある。審議官級以上の人事の最 終決定権は内閣人事局にあるが、内閣人事局が次の局長や次の事務次官を 指名することはできない。人事構想はまず各省が決める。その案を内閣人 事局は拒否できるが、そうするには相当の理由を示さなければならない。

それでも各省人事の最終決定権を政治家が握ることで、国益よりも省益を 優先していた霞が関の官僚たちを、省益より国益重視へと変えさせる要素 になった。それは民主党も、望んでいたことだった。それをいま、非難す るのは筋違いである。

いま、メディアは、報告書の内容を読者にきちんと伝える責任がある。報 告書から窺えるのは森友学園側の要請に抗いきれず、妥協する近畿財務局 の姿であり、それを承認していた本省理財局の姿でもある。たとえば、 「本地の地盤について」の項には当初次のような記述があった。

「(学園は)本地(森友学園が小学校を建設しようと考えた大阪府豊中市 の土地)は軟弱地盤であり貸付料に反映されるべきものと主張し、併せて 校舎建設の際に通常を上回る杭工事(建物基礎工事)が必要であるとし て、国に工事費の負担を要請した」

森友学園側が近畿財務局に貸付料を安くせよと迫ったわけだ。対して近畿 財務局は地質調査会社に意見を求めたが、この社は、特別に軟弱であると は思えないとした上で、「通常と比較して軟弱かどうかという問題は、通 常地盤の定義が困難であるため回答は難しい」と、あやふやな見解を示した。

困った近畿財務局は「当局及び本省で」相談した結果、杭工事費用等は負 担しないが、「貸付料及び将来の売払時の売却価格を評価する際には当該 調査結果等により地盤の状況を考慮する」と決めた。

近畿財務局が森友側の要求に困り果て、「本省」の了承を得て森友の要求 を受け容れたのだ。しかし右の記録は一部削除され、次のように書き換え られた。

「ボーリング調査結果について、専門家に確認するとともに、不動産鑑定 評価を依頼した不動産鑑定士に意見を聴取したところ、新たな価格形成要 因であり、賃料に影響するとの見解があり、価格調査により、鑑定評価を 見直すこととした」

「軟弱であるとは思えない」、「軟弱」の定義も不明だとの分析を却下し て、新たな価格形成(値引き)に応じたのが本省、即ち財務省だった。し かし文書からは本省の関与も、地盤の軟弱さが否定されていた事実も削除 され、軟弱地盤故に価格調整は当然だという理屈が書かれていた。

官僚と政治家の闘い

もうひとつの事例である。森友学園は小学校開設予定地を国から借り受 け、8年以内に買い取りたいと要請した。だが、国有地に関する事業用定 期借地の設定期間は、「借地借家法第23条において、10年以上50年未満と されて」いる。それでも森友側は諦めない。結果、近畿財務局は大阪航空 局、財務省理財局の承認を得て特例措置を取った。

建前上、10年間は借地だが、10年を待たずして売却する予定という「予約 契約書」をつくったのだ。この「特例的な内容」に至るまでに理財局長の 承認を得ているとの記述が、複数回登場する。

書き換え前の文書には右の「特例的な内容」、或いは「標準書式では対応 できない」などの表現が度々登場するが、書き換え後の文書ではそれらは すべて削除されている。

森友側と交渉していたにも拘わらず、佐川宣寿前理財局長は、昨年3月、 衆議院財務金融委員会で「価格を提示したこともないし、先方からいくら で買いたいと希望があったこともない」などと説明した。

一連の削除或いは書き換えはおよそすべて、佐川前理財局長の国会証言に 合わせたものだと言ってよい。佐川氏や財務省を守るためだったのであろう。

それでも立憲民主党の幹部らは、安倍首相が自身や夫人がかかわっていれ ば政治家も首相もやめると発言したから、財務官僚たちが忖度して文書を 書き換えたのだと、論難する。

果たしてそうか。首相発言は昨年2月だ。財務省はその2年前、2015年6月 にも文書を書き換えている。ひょっとして財務省は恒常的に文書を書き換 えていたのではないか。そのことを麻生太郎財務相にも安倍首相にも、さ らには他の政治家たちにも知らせずにきたのではないのか。だとすればこ の問題の本質は官僚の暴走であり、官僚と政治家の闘いにあるといえる。 メディアはこうした点にこそメスを入れるべきだ。安倍憎しの印象操作に 終わることは、あらゆる意味で国益を損なうものだ。
『週刊新潮』 2018年3月29日号
 日本ルネッサンス 第796回


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戦後の中国人マタハリ=陳香梅
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月5日(木曜日)
        通巻第5660号 <前日発行>
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 戦後の中国人マタハリ=陳香梅。ワシントンに死す。享年94。
   米国、中国、台湾と三股をかけて大活躍した女傑の複雑な顔
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 フライングタイガー(飛虎飛行隊)は表向きアメリカの「志願兵」が国 民党の劣勢をカバーするために、日米開戦前から中国に派遣されていた。
 したがって真珠湾がだまし討ちではないのである。改選前からすでに米 軍は「志願」とカムフラージュして対日参戦していたのだ。

その基地は湖南省の渋江に置かれた。急遽、地元の百姓を動員して造成さ れた飛行場には、アメリカの新鋭機が揃い、戦線のさきざき、とりわけビ ルマ戦線で、日本兵に爆撃を加え、我が軍に夥しい犠牲が出た。

現在、この渋江には「フライングタイガー記念館」という立派な施設が 建っている。米国の目的は蒋介石軍の支援だったが、中国共産党として も、英雄扱いをしている。

後節でのべる陳香梅の大きな写真もパネルで展示されている。

嘗てはブッシュ(父)大統領も、この記念館を訪問している。筆者も八年 ほど前だっただろうか、高山正之氏、樋泉克夫氏らとともに、ツアーを組 んで、湖南省の山奥へでむき、この記念館を取材したことがある。

 現代中国のマタハリの先駆者は、このフライングタイガーを率いたシェ ンノート中将の後妻にするりと収まった陳香梅だろう。陳香梅は国民党の 宣伝機関だった「中央通信社」の記者として戦線を取材し、1947年、シェ ンノートと結婚した。

シェンノートは再婚だった。当時、シェンノートは54歳、陳香梅は22 歳。その年齢差は32もある。どうみても、純粋な恋愛結婚とは言えない だろう。結婚後、ふたりの娘に恵まれた。

戦後、アメリカに移り住んで市民権を得た陳は、政治に深く食い込む。 いってみれば、中国、台湾が獲得した在米ロビィストでもある。

広くアメリカの政界に名前を売って、ケネディ政権のときに中国人として 初めてホワイトハウスに招かれたほど。1981年にはレーガン大統領の特使 として北京を訪問している。共和党へも、それほど深く人脈を形成してい たのだ。

2015年の抗日記念式典には、北京に招待され、習近平から招かれて握手し ている。 彼女は3月30日、ワシントンで冥界へ旅立った。


 ▲それならば、現代中国のマタハリとは誰だろう。

小誌の平成30年(2018)1月17日号で紹介した下記の記事を再録する。
 (引用開始)「『現代中国のマタハリ、米国の首都でまたも暗躍――米国 の有力筋ウェンディ・デン(マードックの前妻)は中国のスパイだ』
 ウェンディ・デンは、現代中国の「マタハリ」である。希な成功を収め た女スパイだ。

彼女は山東省済南の貧困家庭に生まれ、苦学して江蘇省に移住した。努力 が認められ、保証人となる外国人老人が現れ、海外留学が適った。

 凄まじいほどの野心家である。その保護者の老人とできて、夫人を押し 出して正妻に収まるや、すぐさま当該国籍を取得した。そのための打算的 な結婚だったのであり、国籍を取得するや、さっさと夫を捨て、香港にで た。香港のスター・テレビでインターだった彼女は、当時の社長ルパー ト・マードックに近付いて、夫人の座を射止めた。

貧しkきまずしき中国人女性が世界のマスコミ王の夫人として、セレブ人 生。1999年から2013年まで世界を歩いた。マードックは途中でデンの不誠 実さに気がついた。離婚を思い立ったのは、彼女の浮気癖というより、 ウェンディ・デンは紛れもなく中国のスパイだということだった。

デンは英国のブレア首相と浮き名を流し(これは英紙テレグラフがすっぱ 抜いた)、マードックと離婚後は、次にロシアのプーチン大統領に近付い て、意図的なゴシップ作りにも精を出した。しかしKGB出身のプーチン が女性に甘いとは考えられないが。。。。

米国のメディアが一斉にウェンディ・デンなる女史のスパイ説を流し始め る。ウォールストリートジャーナルなどの一流紙である。これらの情報を 整理すると、ウェンディはトランプ大統領の女婿ジャレット・クシュナー に巧妙に近づき、ロビィ活動を展開。

ワシントンの連邦議会のすぐ側に「「中国庭園」をつくるという未曾有の プロジェクトを推進した。

 ところが同敷地内に総工費1億ドル、高さ21メートルのタワーを建設す ることが判明し、ウォールストリートジャーナルは「中国のスパイ基地 だ」と疑念を呈した。この報道をうけて米国連邦議会は、「これは中国の 偵察基地に転用される」と反対を唱える。中国は「トンデモナイ誤解だ。 両国の友好のシンボルである」と強弁を繰り返す。 たった一人の中国人 女性スパイが米国政治をがたがたに揺らしている」(引用止め)。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)貴誌前号、中国の驚くべき借金の山、その具体的数字には 驚愕です。なぜ、日本のエコノミストたちは、こうした実態を軽視して、 薔薇色の中国繁栄の図を描くのでしょうか。先生が仰言るように不思議、 奇怪千万です。(HI生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)日本の「エコノミスト」と言っても官僚ならびに 行政の付属機関としての研究所、そして民間では銀行、証券、保険の各企 業がシンクタンクをもっていて、エコノミストを雇用していますから、そ の所属先の思惑に従っての予測になります。

他方、真実を極めなければいけないアカデミズム世界ですが、ここも大学 経済学部に「学閥」があり、またアメリカ留学帰りはアメリカの動向を優 先させています。英国留学帰りもザシティの論理、思考方法ですから、な かなか自由な意見は述べられない窮屈さがあるのでは、と推測しています。

小生はどこにも所属せず、まったく自由に発言していますので、上記の 人々からは白眼視されていますし、主要経済メディアからは無視されてい ます。しかし真実がどちらにあるかは自明の理ではありませんか。


  ♪
(読者の声2)米中貿易戦争、中国が「やるのなら受けて立つ。最後まで 徹底的に戦う」などと勇ましいブラフを繰り出していますが、実際にはど うなるのか。日本はどれほどの悪影響があるか、懸念されます。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)中国経済にとって死活的なファクターは対米貿易 黒字、これでなんとか激減した外貨準備を回復させようとしているのです。

年間3720億ドルもの赤字をアメリカがよくいままで黙っていたもの、とむ しろ感心しますね。鉄鋼への25%関税は、中国より日本をねらい撃ちして いますが、ほかは中国が標的であり、最悪の場合、中国はGDPの5%& を失うことになります。

中国側の反撃でアメリカの産業で悪影響がでるのは農業と養豚業ですね。 とくに大豆・小麦・トウモロコシ、そしてワイン。代替仕向地を捜すこと になるでしょう。

しかし米中貿易戦争がはじまっても、日米はGDPがマイナス1%以下。 ほとんど影響がないとみて差し支えない。

なぜなら日本企業の多くはアメリカに工場をつくって、あちらで生産して おり、すでに日本の産業の空洞化は、過去20年続いてきたのですから。


           
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最 新 情 報
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 ◎正恩氏と習氏「非核化」の罠 在韓米軍の撤退絡むクセ球、日本も対岸の火事ではない
<http://www.zakzak.co.jp/soc/rensai/soc33538.html>高橋洋一 日本の解き方 

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が中国を電撃訪問するなど、最近の極東アジア情勢はめまぐるしく変化している。中国が存在感を示そうとする様子もうかがえるが、これが日米の動向にどのような影響を与えるだろうか。

中朝首脳会談は、中国と北朝鮮の双方の思惑が合致して行われた。中国は、朝鮮半島問題で存在感が低下していた。中国はこれまで、国際社会から北朝鮮に対する圧力を弱めることばかりやってきた。北朝鮮は核・ミサイル開発を諦めず、中国の影響力の低下は誰の目にも明らかだった。

それが、今回の中朝首脳会談で事実上、北朝鮮が頭を下げて支援を求めてきたので、中国としては面目躍如、してやったりだろう。

北朝鮮としても、後ろ盾のないまま米朝首脳会談に臨んで、もしトランプ大統領が席を蹴ったら、直ちに米国からの攻撃を受けて国家が潰されかねない危機になる。中国との連携を米国に見せることで、首脳会談で米国の圧力に屈せずに済むという「保険」を中国に引き受けてもらった格好である。

中朝は「多段階の朝鮮半島の非核化」という点で一致している。「多段階」とは時間をかけるという意味で、任期がなく「皇帝化」している金正恩氏や習近平国家主席にとって好ましい戦略である。しかも「朝鮮半島の」という意味は、北朝鮮のみならず、在韓米軍が韓国から撤退することも含まれている。

中国にとって朝鮮半島に米国が進出してくることは死活問題だ。もし北朝鮮が潰され、米国主導で南北朝鮮の統一が実現したら、朝鮮半島は米国支配下となって、中国と国境を接することになる。中国としては決して許すことのできない事態だ。

米国を朝鮮半島から追い出すことは中国の悲願でもある。米朝首脳会談で、米国が求める北朝鮮の非核化を朝鮮半島の非核化に広げるのは、中国にとって望ましい戦略だといえる。

北朝鮮としては、4月27日に決まった南北首脳会談でも、南北統一を優先したい韓国に「多段階の朝鮮半島の非核化」を認めさせたいところだ。そうなると、中国と韓国の支持を得て「多段階の朝鮮半島の非核化」を米朝首脳会談で米国にぶつけることができる。そうなった場合、米国が「北朝鮮の非核化」を即座に行えというスタンスを、交渉で妥協するかどうかが焦点となってくる。

ただ、「多段階」というのは、これまでの北朝鮮の行動からみて信用できないし、トランプ大統領からみれば、すぐ成果を出すことにつながらない。

このように「朝鮮半島の非核化」は、かなりのくせ球だ。朝鮮半島における米国のプレゼンスが減れば、極東アジアの軍事バランスを崩すので、日本にとっても対岸の火事ではない。

日米首脳会談は、南北首脳会談の前、4月17、18日の予定だ。日本は北朝鮮の非核化だけでなく、拉致事件も抱えている。財務省による公文書の改竄(かいざん)問題に早くけりをつけ、日本も外交に力を入れなければいけない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【写真】 習近平氏(左)と金正恩氏
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180404/soc1804040002-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto
【ZakZak】 2018.4.4 〔情報収録 − 坂元 誠〕


  ◎米、騒音抑えた超音速機開発へ NASAがロッキードと契約

【4月4日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は3日、米防衛・航空大手ロッキー ド・マーチン(Lockheed Martin)と、ソニックブーム(衝撃波による大 音響)を発生させずに超音速で飛行できる次世代航空機の実験機(Xプ レーン)を開発する契約を結んだと発表した。2021年にも初の試験飛行を 行う計画だ。

契約額は設計、製造、試験を含めて2億4750万ドル(約270億円)。

試験機は高度約1万6800メートルを時速約1500キロの速度で飛行し、騒音 はソニックブームを起こさず、車のドアを閉める時の音(75デジベル)程 度に抑えるとしている。

早ければ2022年半ばに、データや住民の反応を集めるため米国の都市上空 を飛行させることを計画。より静かな超音速飛行を実現し、「超音速航空 による新たな商用貨物・旅客市場」を開拓することを目指す。

ドナルド・トランプ米大統領は先月、このプロジェクトの資金を全額政府 が拠出する連邦予算案に署名。次世代機について「より高速の商用機を建 設する米企業に新しい市場を開き、雇用を生み出し、国内都市間のフライ ト時間を半分に短縮する」と期待を示していた。

ただし、現時点ではロッキード・マーチンのプロジェクトに旅客席を作る ことは含まれていない。

【写真】 米航空宇宙局(NASA)が計画する次世代超音速機の実験機のイ メージ図。NASA提供(2018年4月3日入手)。(c)AFP PHOTO /NASA/HANDOUT
<http://www.afpbb.com/articles/-/3169931>http://www.afpbb.com/articles/-/3169931
【AFP】 2018年4月4日 11:46 ワシントンD.C. 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎北朝鮮の特別列車 品川 阿生居士

北朝鮮最高指導者の金正恩氏が、先日、21両もの長い特別列車を仕立てて 中国の北京に行った。8年前の父親の金正日氏と同じやり方だった。なぜ 航空機でひっと飛びしないのか不思議だった。

4月3日の日本経済新聞のサイトに★「【朝貢】を演出した金正恩氏に習主 席が与えた土産」と言う記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28874930S8A400C1000000/?n_cid=NMAIL007

に次のようなくだりがあった。

「中朝関係に詳しい人物らはこう見る。「金正恩が伝統的なあの長い特別 車両で来た理由は、安全確保も重要だったが、飛行機より多く重くかさば る荷を積めるからだ。

外交特権で国境をノーチェックで抜けられる。外貨不足もあり一部高級品 がそれほど不足しているのだ」」「「お土産は高級マオタイ酒以外もあっ た。制裁などで金正恩が入手しにくくなった高級ウイスキー、時計など高 級外国ブランド品、たばこのほかにも、様々な品があっただろう。北朝鮮 のトップはこれらの高級外国製品を特別な幹部にだけ与えることで、彼ら の忠誠心を買ってきた歴史がある」

もちろん中朝双方に大きな外交上の収穫があっただろうが、この特別列車 による物資輸送の方法はいかにも北朝鮮らしい側面がでたやりかたでない だろうか

また、金総書記の列車訪中には、「列車というものが中国との関係におけ る北朝鮮の優越性を示すためのものである」ということを指摘したつぎの 記事がある。

★金委員長「列車訪中」に込められた歴史的意味(東洋経済オンライン)
https://toyokeizai.net/articles/-/214432?page=2

                          梅岡 弘


◎野球には未だに優れた人材が埋もれているのでは:前田正晶

3日には何と言うことなくソファーに横になって、高校野球を見るともな く眺めていた。偶々準決勝の日だったので、俗な言い方をすれば「手に汗 握るような熱戦」だったと思う。途中から見たのが東海大相模対智弁和歌 山の延長戦まで行った試合だった。

丁度見始めたところで東海大相模が相手のエラーもあって大量得点して10 対5とリードした場面だった。そこで閃いたことは「東海大相模はこの5点 のリードでは逃げ切れない」だった。

結果的にはその通りとなって延長戦で負けてしまったのだが、途中から出 てきたというエースとアナウンサーが喚く斉藤君という投手の制球が悪く 投球が上ずっていたのも敗因の一つだと見た。

だが、東海大相模の全体に何処となく逃げ切ろうというという焦りが見え ていた気がした。智弁和歌山の勝因として私に見えた点は「選手層の厚
さ」と「優れた人材を集めている」点だった。

次の大阪桐蔭対三重高は試合が始まった時に、三重高の力では「所詮は蟷 螂が斧を以て?車に挑む」の類いで、大阪桐蔭の勝ちだと思わせられた。 ところが、三重高の善戦健闘があってこの試合の延長戦にもつれ込んだ が、矢張り大阪桐蔭の実力には及ばなかったのは気の毒だったと言うのが 見終わった感想である。

この2試合を見て痛感した点は「高校や球界には未だに前途有望な優れた 運動神経というか運動能力の持ち主が数多く集まっているように見えるこ と」だったのだ。これはサッカー出身者にとって大袈裟に言えば「痛恨の 出来事」なのである。

4日、決勝戦で対戦する大阪桐蔭と智弁和歌山はともに選手層が厚いだけ ではなく、優れた素質を持っていると思わせる人材が多いのだ。即ち、 「妙な監督に率いられているW杯出場の我がサッカーの代表は」という嘆 きである。

例えば、アナウンサーも解説者も絶賛する大阪桐蔭で6番をつけていなが ら投手として三重高を抑えきって見せた根尾君などは、一寸辛く採点して も「上の下」くらいの素質で(では「上の上」は誰かと訊かれれば、大谷 翔平と答えるが)、「あれほどの運動能力があるのに、何故大阪のサッ カー界の指導者はむざむざと大阪桐蔭の野球部に取られたのか」と非難し たくなった。全体的に見て智弁和歌山とともに良い素材を揃えているの が、残念だったのである。

そこでサッカー界を見れば、男子のW杯代表では怪我人が多いのもさるこ とながら、一向に世代交代も進まず人材が育っていないではないか。しか も、今やマスメデイアの連中はあの中島翔哉に期待を寄せている始末であ る。自分が小さかったから言えるが、あの程度の体格の者に大きな期待を かけるのは無理があるのだ。W杯で対戦する相手は皆「外国人」で脚も長 く体格に優れている。その中に入って中島翔哉に期待で
きるのは意外性であり、エースとして期待するのは筋が違う。

同様に、女子でもアナウンサーも解説者も直ぐに岩渕真奈に期待するとい う意味のことを言う。私はそれは大きな間違いで、素材として見た時の岩 淵には限界があり、これまでに示してきた実力以上の活躍を期待するの は、中島翔哉と同様に無理があると思っている。

ここで何が言いたいかと言えば、「サッカー界にはこの両名に期待せね
ばならないほど運動神経と運動能力に優れた人材がいないのか」との嘆き である。しかし、野球界には集まっているようだと言うのは僻みかな。

野球に人材が集まり過ぎだという悪い例を挙げておくと、日大フェニック スの日本選手権3連覇の時に素晴らしい身体と運動能力を備えた安部奈知 というラインマンがいた。安部君は日大三高では野球部の補欠に過ぎな かったが、フェニックスに入ってその類い希なる素質が開花して全日本の 代表にもなったし、TBSの「筋肉番付」とか言った優れた運動と身体能力 を備えた者が出る番組にも呼ばれたのだった。私は何も安部君だけではな く、野球界にはこうした人材を埋もれさせているという問題点があ
るのではないかと、常々疑っている。

現に、フットボール界には高校では野球部だったという優れた素材が数多 くいたというか、いると思ってみている。サッカー界でもJリーグの下部 組織で子供たちを育成していると聞くが、優れた素材の開拓は未だしのよ うだ。現実問題として大谷翔平はMLBまで行って野球をするほど育ったで はないか。ハリルホジッチさん、こういう状況を如何お考えですか。



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身 辺 雑 記
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5日の東京湾岸は曇天。

散歩する都立猿江恩賜公園では散る花は散り再びさびしくなった。

大学病院でのCT検査の毛化を4ヒ告げられ,再度胆石のできていること、 16日に入院して内視鏡により摘出こととなった。入院中は焼酎が飲めな い。ザマーミロか。
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