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頂門の一針

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頂門の一針4651 号  2018・3・31(土)

2018/03/31

                          
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4651号
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        2018(平成30)年3月31日(土)


         9条の2加憲条文の熟議を:宝珠山  昇
    
     安倍政権“イメージダウン作戦”は失速:杉浦正章

  慰安婦像を韓国のキャンペーン・レベルを超えて:宮崎正弘    
        
  
                      話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4651号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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9条の2加憲条文の熟議を
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       宝珠山  昇

3月25日、自民党の「自衛隊を明記する自民党案:改正案の軸となる執行 部案(以下「執行部案」という。)(注)が報道された。

この執行部案は、九条の規定と現実態の矛盾を解消し、自衛隊を正当に位 置づけるものとは評価し難いものである。

安倍総裁が期待した、国会の発議の可能性が見込めるたたき台とはなり難 いものであろう。むしろ、自衛隊加憲反対勢力の、疑心暗鬼を煽り、歩み 寄りを困難にし、反対勢力に塩を送るに等しいものとさえ思われるもので ある。

(注)9条の2(新設):前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国 及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、その ための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣 総理大臣を最高の指揮監督権とする自衛隊を保持する。 (2項 引用を 省略)

24 日の読売新聞の社説は「自民9条改憲案・明快な条文へ熟議が必要だ」 として、次の趣旨の懸念等を述べている。いずれも至当なものである。

党内の一任を取り付けた細田博之本部長が、他党との協議で示すという 憲法改正推進本部執行部案は、次のような難題を孕んでいる。

(1) 戦力の不保持などを定める2項を残せば、自衛隊が「戦力」に当 たるのか、という長年の不毛な議論に終止符は打てないことが懸念される。

(2) 執行部案にある「自衛の措置」は、集団的自衛権の全面的な行使 を意味するのかどうか、今後、議論が続くだろう。

(3) 2項を削除し、「陸海空自衛隊」を保持するとの案は、「軍隊」 であるとの位置付けを明確にし、「戦力」との整合性は問われず、あいま いさがない。一方、現行解釈の撤廃であり、防衛政策の全面的な転換と受 け取られかねない。国民の理解を得るのは容易ではないだろう。

このような意図や効果の異なる複数の9条改正案を、自民党が示せば、混 乱を招き、合意形成の妨げになりかねない。自民党案の一本化は欠かせな い。自民党は分かりやすい条文案を早期にまとめ、国民の理解を得る努力 を尽くすべきだ。

各党は、(森友学園に関する決裁文書の書き換え問題等とは切り離し て)9条に関する見解をまとめ、衆参両院の憲法審査会で、建設的な議論 を深めるべきだ。

執行部案が、自衛隊を「戦力」と認めないものであれば、「自衛隊を正当 に位置づける」ことにはなるまい。自衛隊は、戦力であってこそ「自衛の 措置をとるための実力組織」である。実態も、世界有数の通常兵器による 武力・実力組織、戦力として内外で認知されている。戦力として公認すべ きである。

補足説明:言うまでもないことであるが、占領下の、昭和21年(1946 年)11月3日公布の憲法9条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威 嚇又は武力の行使ができる陸海空軍その他の戦力の保持」と「交戦権」を 否認している。

しかし、これは、昭和27年(1952年)4月28日の対日講和・日米安保条約 の発効、極東委員会・対日理事会・GHQ廃止、即ち、占領状態が終わ り、わが国が独立・主権を回復したことに伴い、憲法改正の手続きをとる 暇などがないまま、国権の最高機関の議決により実質的に改正されている。

現在の自衛隊は、国際法的には、憲法98条2項により「誠実に遵守するこ とを必要とする」日米安全保障条約第3条の規定に従って「締約国は、個 別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助によ り、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条 件として、維持し発展させ」てきたものである。

国内法的には、昭和29年(1954年)6月9日公布の防衛庁設置法及び自衛隊 法により、「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため直接侵略及 び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、 公共の秩序の維持に当たるもの」として、国力国情に応じ漸進的に、公然 に整備されてきたものである。

これらの歴史的事実は、自衛隊が、自衛権の武力による行使手段、戦力、 軍隊、交戦権を持つ主体として、内外において、六十余年にわたり認めら れ続けている、合憲の実力組織、国際法上の軍隊であることを証明している。

安倍総裁が提案した「自衛隊加憲」の条文案は、これらの歴史的事実を、 これまでの憲法九条に関連する政府統一見解などを踏まえて、追認する、 素直に憲法の条文に移せば、前述の読売新聞社説が提示している懸念等は 解消ないし軽減できるはずである。

例えば、(執行部案の注釈的表現は避けて)、「9条の2 前条に規定す る正義と秩序を基調とする国際平和が実現するまでは、前条の規定にかか わらず、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため必要最 小限の実力組織として、法律の定めるところにより(以下執行部案と同 じ)」などとすればよいはずである。

執行部案は、「必要最小限の実力組織」の表現は「理解しにくい」などと し「自衛の措置をとる実力組織」の表現を選択しているという。しかし、 この方が、必要最小限よりはるかに質・量、行動ともに広い印象を持たれ るもので、無用の誤解を招き、国民の合意を得られ難くするものと思われる。

防衛省(庁)・自衛隊は、「必要最小限」の用語の下で、六十余年にわた り、安全保障環境の変転に対応しつつ、整備、充実されてきている。例え ば、要撃戦闘機の「空中給油装置」を、戦闘行動範囲が必要最小限度を超 える恐れがあるなどとして一時期は撤去され、その後防衛環境の激化が進 むと、必要最小限の範囲内のものとして再装備されるなどして来ている。

必要最小限の用語は、関連する政府統一見解などの各所で使用され、定着 しているものであり、自衛隊の質、量、行動などを縛りすぎるもの等の懸 念は誤解に発するものである。

自衛権の行使は、国民の意思、保有する自衛力の質・量及び生存環境に よって限界づけられるものである。国際社会もこれを必要最小限度に抑制 することを要請している。

国は、自衛権行使の必要最小限度を、常々論じて準備して行かなければな らない。その判断を誤れば国を滅亡に導きかねない。

「自衛隊は憲法9条2項の戦力ではないのか」とか、「集団的自衛権の行 使は憲法違反ではないか」などと言った、憲法を守って国が亡びることも 厭わないに等しい、本末転倒した、国益・国防を軽視した、不毛・非生産 的な論議はやめるべきである。日本国民とその代表の良識は、自衛権の過 剰行使、乱用などを許容することはないと信じている。

時々の安全保障環境、国益等を踏まえ、「それは、自衛のための必要最小 限度のものであるか」を中心に、普通の国の防衛・安全保障論議ができる 環境を整えられる自衛隊加憲案が、提示され、速やかに実現することを希 求する。  (2018年3月28日 記)

〇以上の老生の呟きについてご興味をお持ちいただける方は、2017年6月 19日以降の「頂門の一針」、「国際平和戦略研究所」(CISS)のHP の「提言」欄や、老生のHP[  <http://natdef.exblog.jp> http://natdef.exblog.jp ]の憲法改正の項などを参照いただければ幸い です。また、これらは、これまでに掲載されたものと重複があることをお 許し願います。



       
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安倍政権“イメージダウン作戦”は失速
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             杉浦 正章

森友問題は「幕引き」をはかれ 空振りの反安倍報道
 
事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さいことを大山鳴動ネズミ 一匹というが、証人喚問はそのネズミすら出なかった。パフォーマンス野 党の面目躍如というところか。

加えて朝日、TBS、テレ朝の3大反安倍報道機関も、煽りに煽ったが見事 空振りとなった。前国税庁長官佐川宣寿への喚問は、これを機会に安倍政 権を退陣に追い込もうとする野党の思惑がことごとく外れた。改竄(かい ざん)の解明が進まない原因は、野党や一部マスコミが無理矢理安倍官邸 に改竄問題を直結させようと狙ったところにあり、それが挫折したという ことだ。

共産党の小池晃書記局長は「証人喚問の意味がない。これ以上聞いても意 味がない」と声を荒らげたが、もともと意味のないものを、1日3億円と いう膨大な国費を使って国会で取り上げることの愚かさをかみしめるべき ではないか。

「意味がない」ことが分かっていながら喚問して人目を引く演技をするパ フォーマンス自体が「意味がない」のだ。そもそも立憲民主、希望、民進 など6野党の議員はわざわざ大阪拘置所に出向き、詐欺罪で拘置中の「森 友学園」の前理事長、籠池泰典被告と接見、さも隠し球を入手したかのよ うなそぶりを見せた。

しかし、質疑を見れば新味のある発言を聴取できなかっただけでなく、蟻 の一穴も開けられない体たらくであったことが分かる。刑事被告人とタッ グを組む野党という“負のイメージ”が、これまたばかな民放テレビで度々 流布され、パフォーマンスしか行えない野党を露呈した。

筆者が予言したとおり、前国税庁長官佐川宣寿は野党の追及に「刑事訴追 の恐れのある話であるのでコメントを差し控える」との答弁に終始した。

トップバッター自民党の丸川珠代の質疑応答で全てを語り、以後のの質疑 はその繰り返しでしかなかった。佐川は丸川に、首相・安倍晋三や昭恵夫 人、今井秘書官らの関与については「一切ない」と明確に否定した。

さらに国有地の売却について安倍や昭恵の影響があったかどうかも「全く ない」と全面否定した。「守りの決意」が相当のものであることを伺わせ た。逆に「問題は理財局の中で対応した」とあくまで理財局トップとして 責任を負う姿勢を鮮明にさせた。

安倍は昨年2月から、森友学園への国有地売却に自らや昭恵夫人が関わっ ていた場合、「政治家として責任を取る」と国会で答弁してきたが、佐川 の答弁は関わっていないことを裏付けるものだ。議院証言法に基づく答弁 は、虚偽の答弁をすれば偽証罪に問われるものであり、佐川にしても“命 がけ”の側面がある。

それにしても佐川は何も証言らしい証言をしなかったが、安倍らが関係し ていないことだけは、ちゃっかりと答えた。その“度胸”は相当なものであ る。丸川と佐川の質疑応答は実にスムーズであり、“出来レース”をうかが わせるほどで、野党も質問したが、否定された。闇の中だ。

 勢い込んで質問に立った立憲民主党の福山哲郎は成果ゼロの結果につい て「前から過剰期待はしないでくださいと言ってきた」と言い訳をした が、後悔先に立たずとはまさにこのことであろう。人権上限界のある証人 喚問で突破口を開こうとする野党戦略は稚拙で当初から無理があったのだ。

野党はさらに昭恵を始め、夫人付職員谷査恵子、前理財局長迫田英典らの 喚問などを要求しているが、悪乗りもいいかげんにした方がよい。昭恵が 国有地の取引に直接関与していないことは明白であり、関与した証拠もな い。真相は解明されたのであり、野党は改竄の核心には迫れなかったのだ。

つまらぬ偽疑惑で政権の足を引っ張るときではない。安倍政権イメージダ ウン作戦は失敗したのだ。

改竄問題は財務省内の調査や大阪地検に委ねるべきであり、佐川が「当時 の担当局長として責任はひとえに私にある」と明白に発言している以上、 財務相麻生太郎の辞任問題も遠のいた。

自民党内は反安倍勢力萌芽の気配はあるが、石破茂や村上誠一郎、小泉進 次郎の反安倍3羽ガラスでは力量不足で政権を揺さぶるところまで仕掛け を出来まい。折から北東アジア情勢は風雲急を告げており、安倍を外交に 専念させた方がよほど国益に資することは言うまでもない。もう森友問題 は「幕引き」をはかるべきだ。


          
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慰安婦像を韓国のキャンペーン・レベルを超えて
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月27日(火曜日)弐
        通巻第5647号 
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慰安婦像を韓国のキャンペーン・レベルを超えて
  中国が情報戦の効果的武器として活用、「超限戦」の道具に
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先月、マニラの幹線道路ロハス・ブルーバードの海岸沿いの遊歩道に、突 如建立された「慰安婦像」を撮影してきた。付近の散歩者や釣り人は誰一 人、その像が何を意味するかを知らなかった。

フィリピンは米軍によって四十万人が虐殺され、さらには韓国人がフィリ ピン女性を騙して生ませた子供を放置し、大きな社会問題となっている。
 
そのフィリピンとほとんど関係のない「慰安婦像」を建てたのは華人グ ループだが、かれらが北京とつながって国際的規模で謀略を展開している と、アジアタイムズ(3月24日)に鋭い分析を寄稿したのはジェイソン・ モーガン麗澤大学準教授である。

モーガン準教授は早稲田大学に留学、日本史で博士号を持つ学究だが、次 の分析を続ける。

「中国の情報戦略の一環として、韓国がはじめた慰安婦像キャンペーン を、韓国の思惑を超えて中国が国際的に展開する謀略に着手した。

韓国の動機は短絡的な『反日』で国民を糾合する手段でしかないが、中国 はこれを在外華僑の政治集団に指令し、カナダで、米国で反日キャンペー ンを展開し、従来の国連での反日工作や東南アジアでの反日キャンペーン から、さらに北米、とりわけリベラルの多い西海岸、反意地メディアが集 中する被害海岸で、南京問題の展示やら慰安婦問題でのキャンペーンを急 増させた」という。

目的は明らかである。

「中国がアメリカで慰安婦キャンペーンを展開するのは日米離間が戦略的 目的である」。

そうした背景を軽視して、徒らに、或いは感情的に中国を批判しても始ま らない。謀略には謀略をもって対応するという戦略性が日本に求められて いるのではないか。
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)宮崎さんが徳間書店からだされた最新刊のなかで、韓国へ 行かれて、日本のメディアがまったく報道しない韓国の「保守派」の集会 の悲壮な訴え、その正論(米韓安保堅持、THAAD配備賛成、日本との 友好関係など)を紹介されていました。

状況が激変し、南北朝鮮会談も行われるということになり、相変わらず 日本のメディアには保守の動きが報じられていませんが、いったい韓国の 保守陣営は、こうした危機的状況をいかように分析しているのでしょう か?(GH生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)訪韓は一年前、大統領選挙直前でしたので、以後 の韓国の保守陣営がどう動いているのか、小生は掌握していません。6月 頃に室谷克実さんと、対談第5弾を出す予定ですので、その仲で具体的 な話がでるかと思います。

そこで、最近、韓国の保守派と会談されてこられた渡邊利夫(拓殖大学前 総長)の話を援用させていただきます(『財界』、4月10日号)。

第一に米韓同盟が消滅する怖れが強くなっている。なぜなら米国は米韓同 盟の手前、韓国に相談無く北朝鮮を攻撃できない。もし、北攻撃を伝える と文在寅が反対するから、米国は米韓同盟破棄に至り、行動の自由を確保 する。

 第二に北が米国西海岸にとどく核ミサイルを成功させると、トランプは 北朝鮮を核保有国として認定し、米朝の平和条約が視野に入ってくる。な ぜなら米国は北を不倶戴天の敵とは認識しておらず、トランプはすぐに姿 勢をかえる可能性もある。

第三に米朝平和条約が締結されると、在韓米軍の存在意義がなくなり、 撤退へ向かう。そうなれば南北朝鮮統一は北の主導ですすむが、韓国は歓 迎的であり、北京のほうが、黙っていない。つまり日清戦争前夜の東アジ アの地政学に非常に酷似してきた。
 
以上のような極端なシナリオが韓国の保守系の人々の意識にあることを渡 辺氏は指摘しています。



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(読者の声2)貴誌5646号 石平著『なぜ中国は民主化したくてもでき ないのか』への書評で、以下の文章を引用されました。

「皇帝独裁の中央集権制」では「官僚への任命権と意思決定権を握る皇 帝が絶対的な権力者」であり、他方、「皇帝には最高権威としての地位も 付与された。それは、皇帝が持つ『天子』という別の称号」(中略)「中 国の伝統思想において、森羅万象・宇宙全体の主はすなわち『天』という ものだが、皇帝はまさに『天の子』として『天からの任命=天命』を受 け、この地上を治める」のである(57p)

かくして中国の皇帝は天命を受けた天子であり、唯一の主権者ゆえに、 「皇帝は自らのやりたいことが何でもできる絶対権力になるが、(中略) この絶対的権威と権力こそが、皇帝とその王朝を破滅へと導く深い罠に なっている」(58p)

これでハタと気が付いた。

漢訳仏典でパーリー語の「devaputta」が「天子」と訳されていて、日 本 の仏教界では「てんじ」と読んでいます。何故、漢訳仏典で「天子」と 訳したのか不思議でした。時の皇帝から文句が出たはずだからです。

漢訳仏典の多くは三国時代から南北朝の群雄割拠の時代に編纂されまし た。この時代には、全土を支配する皇帝がいないことが多く、その場合諸 王の中で一番有力な王が「天王」と称していました。つまりこの時代には 現世の「天子」が居なかったので、「devaputta」を「天子」と訳すこと が出来たのでしょう。

ちなみに「天王」は漢訳仏典で地上での仏教の守護者である王のことです。

この時代に中国では仏教が広く行われていたので、「天王」と称すること が栄誉と考えられていたのでしょう。

余談ですが、宮崎市定氏は、日本の天皇はもともとは「天王」と書いてい たのが、隋の時代になって皇帝がでてきてそれより下位とみなされるのを 避けるため「天皇」と書くようになったとしています。私もこの見解が正 しいと考えます。(當田晋也) 



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(読者の声3)「日本文化チャンネル 桜」からのお知らせです。
今晩(27日)午後8時のフロントジャパンに宮崎正弘氏が登場です。ホ ストは福島香織さん、テーマは「習近平独裁皇帝のゆくえ」と「ラオスは 中国の経済植民地におちた」の日本で1時間番組です。
 明日からはユーチューブでも再放送になります。



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「決裁文書という魔物」
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      大江 洋三

初めの近畿財務局の作成した豊中国有地売却経過報告書は、官庁文書にし ては、あまりにも政治的に過ぎるというか政治介入を誘っているように見 える。森本学園理事長の身辺や思想が詳しく綴られているから異例の報告 書である。

書き換え文書は、前文書を300ケ所も削ったというが、逆に言えば300ケ書 も余計・余分な事を加えていた事になる。

元文を丁寧に読めば、各種・各様に日本会議が登場するから憲法改正を念 願とする日本会議が標的になっている事が分かる。政治家の名前を出すに しても、せいぜい所属政党名までである。なぜ政党名を外し日本会議の名 前を被せたのだろうか。

例えれば公明党を叩くとき創価学会を攻める構図である。憲法改正につい ては、マスコミは日本会議が黒幕説であるから、護憲派にとってなかなか 都合のいい作文である。更に都合が良かったのは会議メンバーの籠池氏が 補助金詐欺師であった事である。

先日、左翼ジャーナリストの青木里氏が森本学園を「教育勅語を教えるな んてとんでもない学園」とフジテレビで述べていた。
また、しばしば森本学園の「瑞穂の国記念小學院」が如何わしそうに映さ れる。

これら見解は、これまでの視聴に拠ると森本事件発生以降マスコミの常識 になっている。念の為に添えると、瑞穂は大国主命が出雲で造った平和で 豊かな国の事である。

これらの常識は反日家が共有するもので、形成された理由は複数あるが、 その一つに戦後に形成された近畿地方固有の風土がある。

昭和時代にわが国の底辺層の救済・獲得に積極的に乗り出した宗教団体が 3つある。

共産党、創価学会、統一教会。我々は団子三兄弟と呼んでいたが、三竦み で互いに睨み合っていた。

統一教会は消滅したが、現在も公明党と共産党は福祉政策を同じくするも 顔も見たくない間柄である。

この団子三兄弟が、激しい覇権争いをしていた所が近畿地方である。
阪神地区の人達は思い出したくないだろうが、大阪西成区は不良や日雇い 労務者の屯したし、兵庫の一部は被差別部落を自称し、我々を脅し数々の 特典を得た。

社会党の大物であった故・土井たか子も神戸出身である。

現役時代に、役所窓口で「部落問題」のチラシを何度か受け取った事があ る。受け取り拒否すると窓口で説教までされたから、職域労組を含め官公 労は実に大っぴらであった。

吉田清治のインチキ証言「済州島の慰安婦狩」の宣伝所も大阪。それを拡 散したのも当時の朝日新聞大阪本社・社会部。

平成26年12月の朝日新聞第三者検証委員会の報告書にある社会部が親 し かった韓国系キリスト教団体とは統一教会のことである。

近畿財務局作の文書をみると、阪神地区にはこの種が色濃く残っているの ではないか。局長はローテーション在任であるから厄介者が居ないと同様 である。

何人もの保守系政治家が憶測で貶められているから、この種の憶測は許さ れるだろう。

一方で、何であんなものが決済されたのか不思議な気持ちにもなる。
局長クラスになると局内の報・連・相がPC内に始終現れるからその隙を 突かれたと思う。お偉いさんほど、PCの番意外にも沢山の仕事があるか らだ。

それに地方の局長はキャリアを積むための短期赴任で、部下と騒ぎを起こ したくはなかったであろう。旧社会保険事務所長の構図である。

ネット事務組織では、土地売却話の推移は常に報告済であったはずで、当 時の近畿財務局長も本省の局長も、どうでもいい細部が重要案件に化ける とは思わなかったのではないか。思っても、上にみたように近畿財務局長 は動かなかった思う。

産経記事を引用して人物像を語るなど、ワザワザ加えたと思われる個所が 幾 つかある。いつ作成されたのか知らないが、最初から政局狙いの一種 の小 説であって報告書ではない。

それに不要な国有地の売却物件は国会承認済事項であって、予め理財局が 売却ボックス入れているものである。また、地方公共団体が推薦する公共 施設として売却する場合は、随意契約が可能である。

競売で不良が交じったら困るからだが、悪い事に随意先は不良であった。
この売買について不当廉売や背任で大阪地検特捜部が近畿財務局を捜査中 であるが、国会証人喚問の佐川氏の答弁を聞く限り、随意契約遂行の目的 や手続きはよく守られており、官僚の裁量権を逸脱しておらず、この件で 起訴される事はない。

裏で何等かの金品が動いていれば話は別だが、優秀な記者諸君が発見した 話は聞かない。

そもそも「8億円も値引き」という派手な見出しはマスコミ固有の視聴稼 ぎのためのいつもの誇大広告である。この不当な表現については、当初か ら異を述べているのでここでは触れない。

近畿財務局職員には、籠池理事長が「カモがネギを背負ってないた」とし か見えなかったのではないか。教育方針について総理夫人の賛同を得て自 慢話風に喋っているから格好のカモに映っただろう。

当初から政治家・安倍晋三が狙われたのだ。

書き直し事件は今後の事もあるので、対策はよく練っておかなくてはなら ない。

一番いいのは、担当大臣の命令にしておく事である。法文ではないので大 臣指示で十分である。

「官庁としまして不必要な記述がありましたので、大臣の指示により改め ました。なお、前報告書は破毀しておりません。どうぞ比較して下さい」
それはそれで大問題になるが、コソコソ書き換える犯罪行為よりか何倍も 益しである。政治家が直し理由について喧嘩するだけである。

その場合、政治家はもっと自身の政治信条を語るべきであろうが、今のと ころマスコミがそれを許していない。常に反権力の立場で報道するからだ。

政府が、放送法から「公平な報道」をはずして、メディア業界に異業種参 入の競争原理を持ち込む事を検討している。公平よりも言論の自由が法的 に上位にあるからだ。

実現すれば世論が測りやすい。今の世論は既存マスコミの見解の事であ る。例えば、阿部総理の悪口を散々撒いておいて直ちに効目を測る。「総 理に信がおけますか?」

支持率低下は請け合いである。こういのを茶番劇という。


     
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最 新 情 報
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  ◎野党連合はもしかして27日の証人喚問で佐川宣寿元理財局長が真実 を語ると本気で期待していたの か。もし、そうだったらならば、過去の 例から見てもあり得ないことで、 余りにも愚かな期待ではないのか。

私は午後の衆議院での様子を一寸見た だけだったが、当に予想した通り の展開だった。報道によれば「刑事訴追 を受けるので」を50数回言った とかだ。財務省内部では「立派な財務官僚 答弁だった」と評価している とか。

私の周囲の誰に尋ねてみても「何か言う訳がないだろう」と予想してい た。それが常識というものだろう。特に「馬鹿なことばかり訊くな」と痛 感したのが今井雅人(何と上智大学出身だそうで)は質問を聞いているこ ちらが恥ずかしくなったほど愚問ばかりだった。

彼らは何が何でも財務省 に忖度があって、安倍総理夫妻の影響があった と佐川氏に言わせたいよう だったが、佐川氏は完全にかわしていた。

あの質疑よりも遙かに印象的だったのが、27日のPrime Newsに出演した立 憲民主党の福山哲郎の発言だった。彼は反町に「森友なんていうことに 拘っている場合かと言われているが」と水を向けられて「我々だったやり たくてやっている訳ではない。決裁文書を改ざんされたことは重大な問題 から追及するのだ」と答えた辺りだった。「やりたい訳ではない」と言い ながらも、何ヶ月やっているのかと思わずにはいられなかった。

27日は偶々DPRKの要人(金正恩に決まっているだろう)が北京を訪問した ことに関して、彼が我が国の外交姿勢について言ったことが興味深かっ た。「今や南北朝鮮、米中、米・中・韓、中・北等の関係の何れについて も置き去りにされていて我が国に介入の余地はない。

また、安倍総理が良 き相談相手になっているとされたトランプ大統領に したところで、鉄鋼と アルミへの関税では我が国は除外されなかったで はないか」と批判したの だった。

少なくとも福山哲郎は「国際情勢が緊迫する一方であり刻々と変化してい ること」を認識しながら、森友問題と文書改ざんに拘泥していると認めた のと同然であると聞こえた。彼ら野党は何かといえば「政府や財務省の説 明に国民が納得してない」とほざくが、私は85年も国民であるが大阪府下 の国有地をどれだけ値引きして処分されようとも、そんなことは知らな かったし、関心も何もないのだ。勝手に国民をダシに使って欲しくないの だ。前田正晶



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身 辺 雑 記
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31 日の東京湾岸は快晴、爽快。




散歩する都立猿江恩賜公園では散る桜が吹雪のように舞っている。さよな ら1年後にまたあでやかな姿で咲いとくれ。美人薄命とは昔の人は詩の名 人だ。
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