政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4641 号  2018・3・21(水)春分の日

2018/03/21

                          
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わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」4641号
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        2018(平成30)年3月21日(水)



    米マスコミがトランプの「独断」に警鐘:杉浦正章

   中国の経済侵略はアジアばかりではなかった:宮崎正弘
            
     韓国の社会主義化や北朝鮮化が進行中:櫻井よしこ
                                                                                          話 の 福 袋
                       反     響
                       身 辺 雑 記


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第4641号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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米マスコミがトランプの「独断」に警鐘
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            杉浦  正章

軽薄さが漂う対北外交 日本には“悪夢の構図”も
 
言ってみればただの商売人が外交をやることに対する不信感だろう。トラ ンプの対北朝鮮政策に対して米国内で危惧の声が高まり始めた。とりわけ 5月に予定される金正恩との会談がうまく展開するかについては悲観的な 見方が強く、北が核戦力を手放すことはあり得ないというのが“常識”にな りつつある。

トランプの秋の中間選挙への“邪心”を指摘する声も多い。日本にしてみて も、トランプがICBM実験を抑え込んでも、日本を狙ったノドン200発の廃 棄まで実現しなければ全く意味がなく、“悪夢の構図”が現出しなねない。

なぜトランプが急に米朝首脳会談に乗り気になったかと言えば、韓国の特 使の“口車” に乗せられていると言うことだろう。トランプは、特使との 会談のその場で「よし会おう」と飛びついているが、そこには、商売人が 取引先に会うような「軽々しさ」しか感じられない。世界の片隅で虎視 眈々と好餌を狙う、北の体制への理解がないのだ。

“口約束”でしかない韓国のメッセンジャーをまるで信頼しきっており、国 務・国防両省などプロの意見を無視しているかのようだ。

情報を総合すると金正恩は首脳会談の前提として?非核化に尽くす?核・弾 道ミサイルの実験を控える?米韓軍事演習を理解するなどを提案したとい う。その背景には国連の制裁が紛れもなく効き始めたうえに、中国までが 本気で制裁に踏み切った結果、さすがに孤立化をひしひしと感じ取ったこ とがあるのだろう。

トランプの姿勢に対して米国のマスコミの論調は極めて批判的だ。ニュー ヨーク・タイムズは、トランプが外交責任者であり解任されたティラーソ ン国務長官にも相談せず、会談の要請を受け入れたことについて「危険で 理解し難い」と批判した。「十分な準備がないまま会談に臨み、北朝鮮側 の要求を独断で受け入れてしまう恐れがある」と警鐘を鳴らした。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは、「トランプ大統領との会談 にこぎつけたことは金委員長の勝利だ」と皮肉っている。さらに同紙は 「金氏が核放棄に関する交渉に応じるかどうか、米国も国際社会も懐疑的 であり続けるべきだろう。

金氏の父、祖父も時間稼ぎのために協議に応じ、水面下で核開発プログラ ムを推し進めてきた。協議に応じる見返りを手にしておきながら、すべて の合意を破り続けてきた。」と看破した。

確かにトランプが問題なのは過去2回にわたる北朝鮮の約束が全て空約束 に終わった事すら勉強していないことなのだ。1994年の核開発凍結の約束 は、核開発継続に終わった。

2005年の6か国協議における核放棄の共同声明は、翌年の核実験で反故に なった。北朝鮮はその民族的特性が外交でペテンにかけるところにあるこ とが分かっていない。

トランプはいまや恒例と化した北のやり口をすこしは学ぶべきだ。そのや り口とはまず核やミサイル開発で進展を見せ、国際社会の脅威と関心を呼 び、その後は韓国でハト派の政権が誕生するのを待ち、外交手段に切り替 え援助を得るというやり口だ。

とりわけ重要なのは既にトランプが引っかかっている「非核化の罠」をど うするかだ。非核化と言っても日本にしてみればICBMの実験中止などで “お茶を濁され”てはたまらない。

日本にとっての非核化とは北の核弾頭がゼロになり、製造もしないことを 意味する。まかり間違えばトランプはその日本の立場を飛び越えてICBMと 核実験の停止で妥協しかねないのだ。そのトランプの極東における核問題 の浅薄さを補うのが、安倍の4月訪米だ。ここでトランプをいかに説得す るかが極めて重要なポイントとなる。韓国の“伝言”だけに乗っているトラ ンプをいかに目覚めさせるかが安倍の役割だ。



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中国の経済侵略はアジアばかりではなかった
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)3月17日(土曜日)
        通巻第5632号  
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 中国の経済侵略はアジアばかりではなかった

  すでにアフリカに10000社が進出、ジブチ軍事基地も拡張へ
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 マッキンゼーの最新の調査では、アフリカ大陸に進出した中国企業 (はっきりと中国人がオーナーと登録されている企業だけで)は1万社。 なかには1500人の現地人を雇用する建設会社もある。

これらの多くは中国人の「移民」である。系列にアフリカ現地子会社を抱 えているところも目立つため、こうした「中国系」を含めると2万社を超 えるのではないかと米国のアフリカ研究者らも見積もる。

米国が神経を尖らせるのはジブチである。米軍基地の隣に中国は軍事基地 を建設し、すでに数千名が駐屯、近い将来に1万人規模になって、以後、 アフリカ東海岸進出の拠点とするのではないか、と疑心暗鬼だ。

米海兵隊のトーマス・ウォルドハイザー提督は「明らかに中国はアフリカ 沿岸諸国への軍事的プレゼンスを強めようとしている。西側にとって脅威 となりかねない」と警告しており、またティラーソン国務長官は「中国か らの負債と引き換えに、アフリカ諸国は主権を喪失している」と述べた。

そのためにティラーソン国務長官はアフリカを歴訪中だった。旅の途中で トランプ大統領の「解任」を知らされ、一度はワシントンに戻ったもの の、3月31日までは職にとどまるとしており、残りの訪問予定国である ジブチ、エチオピア、ケニア、チャド、ナイジェリアを訪問しなおすので はないかとする観測もある。
          
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之
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(読者の声1)平間洋一先生・井上和彦先生特別シンポジウム『名越二荒
之助先生を偲ぶ』

名越二荒之助先生が平成19年4月11日に逝去されて、11年。名越先生に縁 のある方々が名越先生の当時のエピソードを踏まえながら、先生の想いと 想い出を語るシンポジウムとなります。

故名越二荒之助先生は評論家。保守派論客。元高千穂商科大学教授。「ス ライド講演」で、全国を奔走する傍ら、台湾、韓国、パラオ等との友好交 流活動を続け、精力的に執筆活動も行った。

                  記

【日時】4月7日(土) 14時30分〜16時45分(開場:14時)
【会場】 赤坂乃木神社 尚武館道場(東京都港区赤坂8-11-27  03-3478-3001

交通:東京メトロ千代田線 乃木坂駅 1番出口より15メートル
【講師】平間 洋一先生 元海将補、元防衛大学校教授

1933年、横須賀に生まれ防衛大学校(1期)卒業後、海上自衛隊に入隊。 ちとせ艦長、第31護衛隊司令などを歴任し、1988年に海将補で退官(32年 間海上自衛隊に勤務)。防衛大学教授就任、法学博士(慶應義塾)。現在 は、軍事史学会顧問、呉市大和ミュージアム運営諮問委員長。著書に『第 一次世界大戦と日本海軍』(慶応大学出版会)、『イズムから見た日本の 戦争』(錦正社)、編著『戦艦大和』(講談社)『呉市史(8巻)』(呉 市)など多数。


【講師】井上 和彦先生 ジャーナリスト(軍事・安全保障・外交問題)。 1963年滋賀県生れ。法政大学社会学部卒業。専門は軍事・安全保障・外交 問題・近現代史。各種バラエティー番組やニュース番組のコメンテーター を務める。「軍事漫談家」の異名を持つ。産経新聞「正論」執筆メン バー。フジサンケイグループ第17回「正論新風賞」受賞。その他、全国 各地で安全保障問題や近現代史をテーマとした講演活動を行う。著書に 『日本が戦ってくれて感謝してます』(産経新聞出版)『撃墜王は生きて いる』(小学館)など多数。

【内容】第1部 14時30分〜15時30分 平間洋一先生「大和の沖縄特攻作 戦に見る日本人のDNA」
 第2部 15時35分〜16時35分 井上和彦先生 「語り継ぐべき名越節」
【参加費】 第1部・第2部、各部それぞれ1500円
 定員120名につき、先着順とさせて頂きます。第1部・第2部両部申込 の方に限り2000円、事前申込の学生:1000円、高校生以下無料
【主催】 名越二荒之助先生を顕彰する若手の会
【申込先】FAX 0866-92-3551
     E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp(千田宛て)
【懇親会】 17時〜19時頃 参加費:事前申込4000円、当日申込4500円
            (千田拝)



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(読者の声2)国家は、国家第一主義であるべきか、国民第一主義である べきか?

BSフジのプライムニュースを見ていた時に、元記者のコメンテーターが、 おかしな国家観を述べていました。それは、国家は国民が一番上にあって その下に行政や立法府などの召使がある、というものでした。これを聞い て私はギョっとして、民主主義・国民主権とか国民ファースト(国民第一 主義)というのはそういう構図になるのか!とあらためてその異常さを痛 感させられました。

これは、国家を人間に例えて言えば、細胞が一番上で脳とか肝臓・腎臓・ 心臓および胃腸などはその召使というようなものです。たしかにそう見よ うと思えば見れないこともありませんが、人間は細胞第一主義です、など といわれても、「えっ?」と首を傾げたくなります。

というのは、それでは動物とどこが違うのか説明できないからです。

同じように国民第一主義も、それが国家だと言われても、その国家の国家 たる由縁が見えにくいのです。ですから、そういう図式は、国家観として 問題があるのではないか、という疑念が湧いてくることになります。
つまり、国民国家とか国民主権とかは、国家のあり方として、本来あるべ き形ではないのではないか、ということです。

そのことをもっとも端的に示している事実が、国民第一主義のわが日本国 は敗戦後70年もの長きにわたって、未だに国家として自立しているとは 言えず、主体性も持てていないという現実が続いていても、国民の皆さん は何とも思っていない、国民の多くの皆さんは自分の生活が無事できれ ば、それは大したことではない、だから憲法9条も変える必要はないと 思っていることです。

国民第一主義ですから、国民の大多数がそう思っていれば、国が国として 主体性を回復する行動を永久にとれないということになってしまうわけで す。これが、国民主権のもたらした今の日本の現状であり、国民第一主義 が、国家のあり方として如何に誤っているか、ということを如実に物語っ てくれています。

ではこの近代的な民主主義や国民主権という考え方は、どこから生まれて きたのでしょうか。

近代における国家論形成は、それまでの王権神授説の観念論的な解釈を否 定する形で、唯物論者によって創られました。具体的には、ホッブズは、 自然状態=においての人間は、万人の万人に対する闘争であるので、畏怖 されるような公権力を創って、それに従わせる市民国家の必要性を説きま した。

一方 ルソーの場合は、人間は本来自然状態においては相互に助け合う存 在であったが、財産の私有制が始まると争うようになってしまったので社 会契約説によってそれを抑える必要がある。具体的には、選挙などによっ て多数の意志を一般意志・国家の意志として、それに従う共和制を主張し ました。

これを見ますと、たしかにそれまでの王権に対して自然権としての国民の 権利を説いていますが、それに対する公権力や一般意志の優位性を説いた 至極まともな国家論ではあります。

それがどうして、現在のような歪な・異常な国民主権論になってしまった のでしょうか?

それはおそらく、マルクス主義の階級闘争論、あれかこれかの国家権力= 悪論、労働者・市民=善論によって、国家権力の上に人権をおくような国 民主権論に歪められていったのだろうと思われます。

しかし、人類最高の学問であるヘーゲルの国家論は、ホッブスやルソーの 市民国家論・共和制国家論を次のように批判しています。

「国家が市民社会と混同されて、国家の規定が所有および人格的自由の保 全と保護にあるとされるならば、個人そのものの利害が諸個人を統合させ られる究極目的となり、これによりまた、国家の成員であることは任意の ことがらとなる。」(「法の哲学」より)

これは、唯物論的な国家観への見事なる反論です。この唯物論的な国家観 の誤りは、国民・個人から出発しているところにあります。ここから出発 している限り、いくら一般的な意志としての国家意志を説こうとしても、 国家意志そのものを説くことはできません。 

つまり、国家論の本質論を説くことができない、という学問としては重大 な欠陥を内包することになります。

これが現在において存在している国家論のすべて言い得ることです。だか ら、ヘーゲルの国家論の復権が必要なのです。

このヘーゲルの国家論に関して、「コトバンク」では次のように批判的に 述べています。

「国家と社会、国家と個人の関係については、国家形成以前の社会生活に おいて人間が有していたとされる個人の自由や生命の安全を第一義的に重 視することが説かれ、悪法・悪政には抵抗し、場合によっては政府や国家 を変更・解体することもありうる、という国民主権的立場が強調されてい る。この意味で社会契約的国家論は、国民主権主義、基本的人権の尊重、 法の支配を基調とする現代民主主義国家の理論モデルとなったものといえ よう。

これに対し、イギリスやフランスなどよりも1、2世紀遅れて近代国家を形 成したドイツや日本では、富国強兵策がとられ、それとの関連で、国家の 個人に対する優位、また国家の利益のためには個人の自由や利益は制限さ れてもやむなし、とする国家観が説かれた。

すなわちドイツでは国家生活において人間は最高度の自由を享受できると するヘーゲルの国家観が支配的地位を占め、また歴史の各時代には『世界 精神』を実現する民族が出現し、それがゲルマン民族であるというヘーゲ ルの歴史観は、ドイツ民族は他民族を支配する権利をもつという理論とな り、またこのゲルマン民族の優秀性という考え方は、のちにナチス第三帝 国による世界支配の理論的根拠となる。

これは、ヘーゲルの学問からするならば未熟な、形而上学的な、民主主義 か、全体主義か、の「死んだ論理学」の発想から、民主主義を正しいと前 提的に決めつけて解釈したもので、学問的には全く評価できない説明です。

その原因はヘーゲルの学問・国家論が全く分かっていないために、全く見 当違いな評価をしているからです。

まず基本的な問題として、ヘーゲルの論理学は、あれもこれもの和の運動 体の弁証法だということが、ほとんど理解されていません。

ですから、ヘーゲルにあっては民主主義も全体主義も統一されて、個人の 自由と国家としての自由とが統一された異次元の国家像なのだということ が分からないのです。

それから、「歴史の各時代には『世界精神』を実現する民族が出現し」と いうのは、この世界を運動・発展させている絶対的本質=絶対精神=世界 精神(人類の本流)が、個人としてではなく必ず民族・国家として出現す ると説いているのです。

その本流たる資格の要は学問にあります。ですから古代においてはギリ シャとりわけアリストテレスの学問を普及しようとしたアレキサンダー大 王の世界統一が本流だったのであり、近世においては科学を発展させた西 欧諸国その中で異彩を放つのが、学問中の学問である学問の冠石を完成さ せたヘーゲルが存在するドイツが、本流中の本流たりうる潜在力を持って いたのですが、マルクスによってすぐに葬られて形而上学に戻されてしま いましたので、結果として形而上学的な全体主義であるナチズムという徒 花が咲いてしまうことになってしまったのです。

その一方で、本当に不思議なことに、東洋の端っこの日本は、その生い立 ちからして、世界の中で唯一異質でまっとうな、ヘーゲル的な国家第一主 義による共存共栄の国創りをして「世界精神」の本流たる実力をドイツ以 上に育んでいたのです。

ではヘーゲルの説く学問的・本質的な国家論とはどういうものでしょうか?

ヘーゲルは前の市民国家に対する批判に続けて、あらまほしき国家像を次 のように説いています。

「しかし国家は個人に対して全く別の関係をもつ。国家は客観的精神であ るがゆえに、個人自身は、ただ国家の一員であるときにのみ、客観性・真 理・人倫をもつ。諸個人の統合そのものが国家の真なる内容および目的で あって、個人の規定は、普遍的生活を営むことである。

個人のその他の特殊的満足、活動、ふるまい方は、この実体的なもの、普 遍妥当するものをその出発点とするとともに成果とする。――理性的である ことは、これを抽象的に見れば、一般に普遍性と個別性との浸透し合う統 一のうちにあり、これを具体的に見れば、内容の点では、客観的自由すな わち普遍的実体的意志と、個人的知識としてのまた特殊的目的を求める個 人意志としての主観的自由との統一のうちにあり、――したがって、形式の 点では、思惟された、すなわち、普遍的な法的に永遠にして必然的な存在 である。」(「法の哲学」より)

ここに何が書いてあるかと云いますと、国家は客観的精神、すなわち対自 的理性、つまりその民族その国家が歴史的に創りあげてきた普遍的理性で ある。したがって、その対自的な理性・普遍性を、個人が自分のものにし なければ、即自だけでは国民とはいえないということです。

したがって、国民主権というときのその国民も、本来は、即自且対自の統 一体として自分を創らなければ国家の一員にはなれないのですから、税金 を払っているからというだけで主権者だ、などということはできないのです。

その即自且対自の統一体として国民を、世界の中で唯一見事に実現したの が、日本であり日本国民だったのです。

ですから即自的な人権ばかりゴリ押すような人物の云う事を、国家は聞く 必要はないということです。したがって、国家は、個人が立派に国民とな れるように、その民族その国家が歴史的に創り上げてきた普遍的理性を教 育する責任があるので、その大事な教育を、対自的理性をもたない教育委 員会などに任せてはならないのです。

念のために断っておきますが、その対自的な普遍性・一般性を個人に押し 付けることは、決して個人の自由を圧殺することにも、個性を摘むことに もならないどころか、かえって真の自由・豊かな個性を育むことになるの です。

なぜなら、その民族その国家が歴史的に積み上げてきた真理の高みを、個 人に植え付けることになるのですから、その方が個人は立派な国民となっ て、国家のため己のために縦横に自由と個性をはぐくみ発揮できるように なるのです。

ヘーゲルは、国家の理想形を立憲君主制としています。

その構造は、即自的な国民と対自的な法や国家機関との両者の上に国家理 念・憲法およびその実体化としての君主をのせて、国家全体が調和的に一 つになる構造になっています。

ヘーゲルは、君主は国家理念の実体化したものとして、その両者は一体で あらねばならないと説いています。

そうでなければ、国家はその高みを維持できず、堕落していくことになる と釘を刺してもいます。これがすなわち、ヘーゲルの説く国家第一主義な のです。これはまさに、戦前の日本の国家そのものです。
日本は「世界精神」たるべき内実を兼ね備えていたから、世界のいたると ころで尊敬されたのです。
ですから私は日本の再生は、ヘーゲルの学問的な国家第一主義をもってな すべき、であると主張しているのです。(稲田正治)

           
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韓国の社会主義化や北朝鮮化が進行中
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          櫻井よしこ


 「韓国の社会主義化や北朝鮮化が進行中 文大統領と保守派のせめぎ合 いに注目」

南北朝鮮の動きが急である。2月9日に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の 妹、金与正氏が訪韓、韓国の文在寅大統領の特使団が3月5日に訪朝し、翌 日には、板門店の韓国側施設で四月末に首脳会談を開くと発表した。

韓国代表団代表、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が北朝鮮は朝 鮮半島非核化の意思を明確にしたと明言。発表内容の中で重要なのは、 (1)北朝鮮は体制の安全が保障されれば核を保有する理由がないと述べ た、(2)米韓の合同軍事演習を例年規模で実施することは理解する、 (3)核兵器や通常兵器を韓国に向かって使用しない、であろうとも述べた。

南北間のホットライン開設や、北朝鮮は米国と虚心坦懐に話し合う用意が あることなども合意、表明された。

4時間半の会談と宴席、正恩氏が振りまく笑顔が、これまでの悪魔的粛清 の数々と鋭い対照を成す。この20年余、核・ミサイル廃棄を目指すとの彼 らの言葉を信じて、その度に、日本や米国などは食料、エネルギー、経済 援助を実施した。しかし結果は、日本や韓国を狙う数百基のミサイルと、 少なくとも20発とみられる核弾頭を持った北朝鮮の出現だった。

安倍首相の言葉を思い出す。対話と圧力が必要だが、いま重要なのは圧力 だという言葉だ。

今回の手の平を返したような柔軟姿勢と大幅譲歩は、正恩氏がいかに切羽 詰まっているかの証左だ。安倍首相の圧力政策が功を奏したのだ。改め て、今回は騙されてはならないと思う。冷静な検証こそ大事だ。

それにしても南北朝鮮の間でどんな連携が進行中なのか。たとえば米韓合 同軍事演習は通常の規模なら理解するという言明の意味は何か。

文大統領は当初から、北朝鮮の核保有は許容しないという米国の固い意志 を北朝鮮側に伝えている。文氏は、米国から平昌五輪が終われば合同軍事 演習を行うことも言われていた。米国を無視することは、文氏もできない。

米軍は合同軍事演習実施の強い意志を示しており、文氏の北朝鮮への特使 団も、米国の意志を曲げさせることはできないと伝えたはずだ。一方、北 朝鮮には元々、米側の演習実施の意志を弱めさせることなどできない。な らば、「理解する」と言って受け入れる方が得である。

そのような相談が南北間で行われたのではないかとさえ思われる。米国に 逆らわず、時間稼ぎをして、南北融和を進め、朝鮮民族としてまとまる流 れを作りたい。そんな思惑が読みとれる。

文氏による憲法改正の企ては本欄でも御紹介したが、その詳しい内容を朝 鮮問題専門家の西岡力氏が解説した。

「文氏が考えているのは憲法の全面的書き換えです。韓国を全く異なる国 にしようとしています。たとえば憲法前文には、韓国は自由民主主義的基 本秩序の国だと書かれています。ここにある『自由』を消してただの民主 主義的にする。そうすれば、北の朝鮮民主主義人民共和国と符号が合います」

その他にも文氏は以下のような改正を目指している。「国民の権利」を 「人間の権利」に書き換える。これは北朝鮮の故金日成氏の主体思想の 「人間中心」に合わせるためだとみられている。他方、「分権国家」の項 を書き加えるのは、南北朝鮮政府を各々分権政府と位置づけて、両方を合 わせて連邦政府を作ろうとする試みとみられている。

つまり文氏は、少なくとも理念において、韓国を北朝鮮風の国に作り変え ようとしているのだ。氏は早くも昨年8月に「憲法改正特別委員会」を設 置してこのような研究を始めていた。連邦制を経て統一国家を目指す中 で、韓国の社会主義化、北朝鮮化が着々と進行中とみてよいと思う。警戒 すべきは北朝鮮の正恩氏だけでなく、韓国の文氏でもある。韓国内の文氏 と保守派のせめぎ合いに注目するときなのである。

『週刊ダイヤモンド』 2018年3月17日号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1223

          
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最 新 情 報
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 ◎コラム:習氏の中国、見えてきた異質性の正体=西濱徹氏
西濱徹 第一生命経済研究所 主席エコノミスト

[東京 20日] - 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が20日閉幕した。今年の全人代は、昨年秋の共産党大会において党総書記の再選を果たした習近平氏にとって、政権2期目の道筋をつける重要な会議である。

習氏を巡っては、一昨年の第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)において党の「核心」と位置付けられ、前述した党大会では党規約に「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」と自らの名前を冠した思想体系が組み込まれるなど、党内の権力基盤強化が進められてきた。

さらに、全人代に先立つ形で開催された第19期中央委員会第2回全体会議(2中全会)では憲法改正が議論されたほか、慣例では全人代後に開催される第19期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が全人代直前に政府の機構改革や主要人事を討議する場として開催されるなど、習氏が主導する形で党運営が行われている。そうしたことも、今回の全人代に対する国内外からの注目につながった。

<量より質の成長へ転換が具体化>

例年、全人代の開催期間は10日程度とされるが、今年は5日の開幕から16日間と異例の長期間に及んだ。この背景には、憲法改正案に加えて、政府の機構改革や主要人事など、期間中に討議される議題が多岐にわたっており、その調整に時間を要することが影響したと考えられる。

初日に発表された「政府活動報告」では、今年の経済成長率目標が「6.5%前後」、インフレ目標が「3%前後」と昨年から据え置かれたほか、積極的な財政政策と穏健中立な金融政策を通じて景気を下支えする姿勢も維持された。

しかし、今年は多くの経済指標に関する目標の具体的数値は示されない一方、今年度予算では財政赤字の対国内総生産(GDP)比目標が2.6%と昨年実績(同3.0%)を下回る水準に抑えられた。こうした姿勢は、共産党内で昨年末以降、経済成長の「量から質」への転換が具体化したものと捉えることができる。

なお、財政赤字幅の圧縮に関連して、共産党は「歳出削減を意味するものではない」との見解を示しているが、今年はここ数年に比べて財政出動による景気下支えの動きは弱まると見込まれる。

<「国家監察委員会」設置の真意>

今回の全人代で最も注目を集めた事柄の1つが、上述した2中全会において議論された憲法改正だろう。今回の憲法改正では、前文に胡錦濤前国家主席が掲げた「科学的発展観」とともに、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」が加えられるなど、国家の指導思想に格上げされた。現職の最高指導者が自らの名を冠する思想体系を加えるのは毛沢東氏以来となる。

また、前文には、習氏の党総書記就任時の演説で述べたスローガンである「社会主義現代化強国」の建設、並びに「中華民族の偉大なる復興」も加えられ、さながら「習近平憲法」の様相を呈している。第1条には「共産党の領導は中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴」との文言が入り、党による支配が一段と強まると見込まれる。

さらに、国家主席と副主席の任期について、連続での3選禁止を記した規定が撤廃され、習政権の「終身化」が事実上可能となった。中国では鄧小平氏以降、長年にわたって集団指導体制による政権運営が行われてきたが、今回の憲法改正を経て習氏による「一強体制」が確実なものになったと判断できる。

加えて、全人代で決定した政府機構改革では、習政権1期目の成果である「反汚職・反腐敗」を支える国家機関として「国家監察委員会」が新たに設置され、そのトップの主任には楊暁渡氏が就任した。楊氏は、習氏の上海市トップ(党上海市委書記)時代に部下として仕えるなど側近の1人とされ、昨年秋の共産党大会では党の反汚職・反腐敗組織である党中央規律検査委員会の副書記に就任した。

国家監察委員会は憲法改正を受けて、国家の最高監察機関に位置付けられており、習政権下ではこれまで「反汚職・反腐敗」の名の下に党内の政敵が駆逐されてきたが、今後はその対象が全ての公務員に広がることとなる。

<欧米との大きな軋轢は必至か>

足元の中国経済を巡っては、過剰債務に伴う金融システムリスクの表面化が懸念材料となっており、これまで銀行と保険でバラバラだった監督機関を統合して「銀行保険監督管理委員会」が設置される。ただし、証券監督管理委員会(証監会)は統合できず、金融行政を巡る意見集約が難しいことをうかがわせる。

また、習政権が進める対外政策である「一帯一路」を担う機関として「国家国際発展協力署」が新設される。これは、外交を担う外交部には依然、江沢民元国家主席の影響力が残る中、別働隊として一帯一路を推進する狙いがうかがえる一方、単に屋上屋を架す組織となる可能性もあろう。

そして、習政権2期目を担う主要人事では、政権1期目に「反汚職・反腐敗」を担ってきた王岐山氏が国家副主席に就任した。王氏は昨年秋の共産党大会で慣例に従って党要職を離れたものの、政府要職に復帰して事実上の「政権ナンバー2」となる。

上述したように、憲法改正によって国家主席と副主席は任期の上限が撤廃されており、今回の人事は習氏と王氏の「二人三脚」の色合いが強まることを意味する。王氏はかつて経済閣僚として対米交渉に携わった経歴があり、米中貿易摩擦がクローズアップされる中、その交渉役となる可能性が高まっている。

経済担当の副首相には習氏の「経済ブレーン」として政権1期目の経済政策に重要な役割を果たしてきた劉鶴氏が就任した。また、長年にわたり中国人民銀行(中央銀行)総裁を務め、国際金融市場では「ミスター人民元」と知られた周小川氏の後任には、副総裁を務めた易鋼氏が昇格し、劉氏とともに金融システムリスクの抑制に取り組むこととなる。

なお、李克強氏は首相に再任されたが、習政権発足当初は習氏と李氏による「二人三脚」的な役割が期待されたものの、実際には習氏に権力が集中する中で政権内での存在感は霞(かす)んでいる。政権2期目は経済政策のみならず外交面などでも習氏の側近の存在感が高まり、李氏の影響力のさらなる低下は避けられそうにない。

習政権2期目は、習氏自身やその側近に権限が集中する形で始動しており、今後もそうした色合いは一段と強まっていく方向にある。習政権は国内のみならず、対外的にも「中国の特色ある社会主義」を前面に主張するとみられ、欧米を中心とする既存秩序との間で大きな軋轢が生まれる可能性は高い。その意味では、日本をはじめとする国際社会はその「異質性」といかに対峙するのか、真剣に考える必要に迫られていると言えよう。

*西濱徹氏は、第一生命経済研究所の主席エコノミスト。2001年に国際協力銀行に入行し、円借款案件業務やソブリンリスク審査業務などに従事。2008年に第一生命経済研究所に入社し、2015年4月より現職。現在は、アジアを中心とする新興国のマクロ経済及び政治情勢分析を担当。(編集  麻生祐司)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。〔以下、免責事項轉記省略〕
【写真】筆者提供。 



【ロイター】2018年3月20日 / 12:36  〔情報収録 − 坂元 誠〕
 ◎野田総務相「非常に憂慮」=支持率下落で発言相次ぐ―閣僚

報道各社の世論調査で内閣支持率が10ポイント前後下落したことについ て、閣僚から20日の閣議後の記者会見で「非常に憂慮している」(野田聖 子総務相)などと厳しい認識を示す発言が相次いだ。

  
野田氏は、学校法人「森友学園」に関する財務省の決裁文書改ざん問題が 支持率に影響したとの見方を示した上で「財務省が全てを明るみにし、反 省し、二度と起きない対策をしっかり示すよう見守っていく」と語った。

斎藤健農林水産相は「文書書き換えは政府全体の信頼を損ねるものだ。大 事なのは、なぜ行われたか国民にきちんと示すことだ」と述べ、信頼回復 には改ざん問題の全容解明が必要と強調した。

茂木敏充経済財政担当相は「世論調査の結果は真摯(しんし)かつ謙虚に 受け止める必要がある」と指摘。小此木八郎防災担当相は「非常に残念 だ。気持ちを引き締めて事に当たらなければならない」と述べた。
時事通信3/20(火) 11:06配信



 ◎企業の5割以上が「不足」と回答:前田正晶

帝国データバンクが実施している「人手不足に対する企業の動向調査」 (2018年1月)によれば、その不足の実態が明らかになっていた。それ以 前の帝国データバンクの調査でも不足は明らかだったが、今回は調査が始 まって以来初めて「人手不足」を感じている企業の割合が5割を超えてい る結果となった。今回の調査対象企業は全国で23,089社で有効回答企業は 10,161社だった由。

簡単に調査の結果を正社員と非正社員に別けて、上位10業種とその比率を 列記してみよう。

正社員では1位が情報サービスで74.0%(17年1月は65.6%)、2位は建設 で68.1%(17年1月は60.1%)、3位は運輸・倉庫の65.9%(17年1月は 58.1%)、4位はメンテナンス・警備・検査の65.4%(17年1月は 62.9%)、5位は自動車・同部品小売りの63.5%(17年1月は54.2%)。以 下6位が金融、7位がリース・賃貸、8位が人材派遣・紹介、9位が家電・情 報器機小売り、10位が機械製造で57.8%(17年1月が44.0%)となっていた。

ここに見えてくることは、正社員は採用自体が厳しく人材確保が困難に なっているという現象だ。ここでは「正社員が不足」と回答した企業は 51.1%と半数を超えた結果となっていた。

非正社員では1位が矢張りというか何と言うか飲食店で74.3%(17年1月が 80.5%)、2位は飲食料品小売りで67.2%(17年1月は59.4%)、3位は人 材派遣・紹介で66.7%(17年1月は51.1%)、4位は娯楽サービスの63.5% (17年1月には64.8%)、5位はメンテナンス・警備・検査の59.7%(17年1 月は52.5%)、以下6位が医薬品・日用品雑貨小売り、7位が輸送用機械器 具製造、8位が運輸・倉庫、9位が繊維・繊維製品・服飾品小売り、10位が 教育サービスで47.6%(17年1月が38.9%)だった。

非正社員では小売りや個人向けの企業ほど厳しいという傾向であった。こ こでは「不足している」と答えた企業は34.1%に達したとある。

帝国データバンクによると「2017年は人手不足倒産が106件(対前年 比+47.2%)と大幅に増加した。人手不足の深刻化とともに、中小企業で は人材の定着、確保の為に賃上げを実施する傾向が強まっている。企業の 経営環境が厳しくなる中、企業収益の改善にどう取り組む火が大きな課題 だ」と指摘されていた。私はこのような実態を伝える資料が出てきたこと が貴重だと思うのだ。

参考資料:紙業タイムス社刊、FUTURE誌 18年3月28日号



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身 辺 雑 記
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21日の東京湾岸は曇天、やがて雨仲散歩か。

20日の東京湾岸は雨。しかし午前中小降りの隙間があったので散歩を
済ますことはできた。
               
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