政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針4507号  2017・11・5(日)

2017/11/05

   
□■■□──────────────────────────□■■□  
 わたなべりやうじらうのメイ ルマガジン「頂門の一針」4507号
□■■□━━━───────────────────────□■■□


           2017(平成29)年11月5日(日)



              北情勢緊迫で首脳会談は:杉浦正章

  「措置入院」精神病棟の日々(70):“シーチン”修一 2.0

         与党大勝の今、憲法改正を進めよ:櫻井よしこ
                              
                                                                                                                          話 の 福 袋
                          読 者 の 声
                          身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4507号
                            発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
               御意見・御感想は:
                  ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
                    下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/

    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/




━━━━━━━━━━━
北情勢緊迫で首脳会談は
━━━━━━━━━━━

    
        杉浦 正章

日米、北への“瀬戸際戦略”を確認へ 融和の文在寅にクギを刺す

5日からの首相・安倍晋三と米大統領トランプの会談は、アジア太平洋地 域の安全保障にとって歴史的な重要性を帯びるだろう。

掛け声倒れに終わったオバマ政権によるアジア重視のリバランス(再均 衡)戦略に代わって、トランプの「自由で開かれたインド太平洋戦略」が クローズアップする。

東・南シナ海で海洋進出が著しい中国と暴発を続ける北朝鮮への安全保障 上の封じ込め戦略が俎上(そじょう)にのぼる公算が高い。とりわけ北朝 鮮情勢に関してはギリギリまで軍事圧力を強め、徹底した経済制裁で金正 恩を追い詰め、半島の非核化につなげる方針を確認する方向だろう。事態 は筆者が既に指摘したように「極東冷戦」の構図で推移する流れだろう。

「自由で開かれたインド太平洋戦略」とは日米同盟、米豪同盟などを基軸 に、インドなどを加えて安全保障上の協力を拡大する極めて大きな戦略的 な構想だ。その主眼は民主主義という共通の価値観を有する国家群の「結 束による対中圧力」に置かれるだろう。折から中国は共産党大会で習近平 の独裁色の強い体制を樹立し、習は南沙諸島の軍事基地化を誇示して、評 価された。今度は尖閣諸島へと触手を伸ばすであろうことは目に見えてい る。既にオバマは尖閣への中国進出阻止抑止についてコミットしている が、トランプも同様にコミットするだろう。
 
こうした中で米国の有名な戦略家エドワード・ルトワックの北朝鮮政策で の日本への提言が関心を呼んでいるが、総じて極東の安全保障に対する無 知をさらけ出しており、一顧だに値しない。

ルトワックの構想は?日本政府が何もしなければアメリカは何もしない、 アメリカは日本の反応を見て決めるので日本が動けばアメリカも動く?日 本は行動すべきであり対話をやめて行動に向け準備を始めなければならな い?日本に残された時間はあまりなく、北はまだ日本を攻撃できる核弾頭 ミサイルを持っていないと思うが、1年か1年半後に持つーというものだ。

基本はあいまいな用語を使いつつ日本の軍事行動を促しているとしか考え られないが、その根底には米軍の対北軍事行動によって日本の人命被害が 多数にのぼることへの決意を促す“扇動”があるような気がする。アメリカ が単独で軍事行動を起こせば、東京にミサイルが飛ぶ可能性があり、その ための日本の「覚悟」を促しているのだ。

おまけに事実誤認がある。北のノドン200発は日本に向けられたものであ り、ノドンには核だけでなく、細菌兵器や毒ガスも積載されうることを知 らない。総じて論旨が荒っぽく、極東安保を理解していないように見え る。日本にミサイルが飛ぶ事態への覚悟などは論外だ。
 
そこで首相・安倍晋三とトランプとの会談だが、トランプはあくまで北の 核保有を容認せず、非核化を目指すための軍事的な備えは万全を期す方針 を表明するだろう。もちろん北が核兵器を使用すれば軍事的な対応を直ち に取れる体制を維持することを約束する。

いわば対ソ冷戦時代に米国が取った「瀬戸際戦略」である。米軍が北の中 枢はもちろん、核ミサイル基地、ソウルを狙う通常兵器などを壊滅させる 作戦を練り上げていることは確かだ。

しかし、対ソ冷戦ではベトナム戦争など代理戦争やキューバ危機はあった が、一発の弾もソ連に向けて発射されていない。偶発事態がなければ、こ の路線を踏襲するものとみられる。安倍はトランプに軍事行動はよほどの 事態でなければ成り立たないことを、公表せずに表明すべきであろう。
 
また対北締め付けには日米韓3国の結束が不可欠だが、北との融和路線を 時々のぞかせる韓国左傾化大統領文在寅を如何に日米側に引きつけるかが 焦点だ。トランプは文との会談でクギを刺すことになろう。

米国防長官ジェームズ・マティスは「米国は北の核保有を認めない。我々 は外交による解決を目指すが外交は軍事力に支えられてこそ効果的だ」と 述べているが、もっともだ。軍事力行使の“寸止め”戦略が続くことになる。
 一方南シナ海への戦略も立て直しの必要がある。オバマはリバランスは 口だけで、結局何も出来ずにパラセル諸島やスプラトリー諸島への中国進 出を許してしまった。フィリピン沖のスカボロー礁も危うい状況であり、 中国が目指すのは3カ所を結ぶ軍事基地化で南シナ海の支配を確立するこ とだ。

習近平は党大会で自慢げに南シナ海への進出を報告している。安倍は30日 のフィリピン大統領ドゥテルテとの会談で、対北問題で連携の方針を確認 した。今後米国は南シナ海への軍事的プレゼンスを高めることになろう。 自衛隊も艦船の頻繁なる派遣で協力せざるを得ないだろう。




━━━━━━━━━━━━━━━━
「措置入院」精神病棟の日々(70)
━━━━━━━━━━━━━━━━


      “シーチン”修一 2.0

精神科外来でカウンセリングを受け、その後に医者の問診を受けるのだ が、実にすっきり、さっぱりする。スカッとさわやか、コカ・コーラのよ うな気分。下世話に言えば、Man, I made me a noble shit!

PC翻訳では「人、私は私に不活性のクソを作りました!」、小生の訳では 「いやー、すごいクソが出たぜ!(さっぱりした! 見る?)」。

PCよりは原文の意を汲んだ訳だと思うが・・・名訳か迷訳か、はたまた誤 訳か超訳か、ま、意見の分かれるところだろうな。米国大使館、豪州ビク トリア州政府は小生の訳を大層気に入ってくれていたが、ビジネス文書や テクニカルレポートの翻訳ではないから、これでOKというわけだ。

アル中だった小生は〇〇中毒とか依存症への関心が高く、今は堀口大學訳 でジャン・コクトーの「阿片」を読んでいるが(コクトーは阿片中毒で2 回入院している)、まったく恐れ入るほどの名訳だ。これくらいのレベル になると歴史に名を刻むが、小生はわが家の墓碑に「俗名 修一」と刻ま れるだけだろう、それもどうなるかは分からないが、何しろわが一族の “恥部”だで。

仏壇には愛犬の骨壺が安置されているが、小生の骨壺に愛犬の骨も入れて 納骨するように先日頼んだら、「そのつもり」とのことで一安心だ。犬は 死んでも愛され、小生は「クソヂヂイ」と罵倒されるのだ(本の間とか引 き出しの裏、畳の下とかに家族が喜怒哀楽を催すだろう各種メッセージを 仕掛けるつもり。大いに楽しみだ)。

話を戻すと、精神科のDr.はこう嘆くそうだ、「患者はすっきりしていい だろうが、カウンセラーと医者はまるで便所だ・・・」。小生はただのう つ病だが、躁うつ病の場合、躁状態では悪口雑言、罵詈罵倒が凄まじい患 者もいるそうだ。「若い看護師だと大きな心理的ダメージを受けてしまう こともある」とか。

そういう悪性の患者も吠え終わると「ああ、すっきりした!」という気分 になるらしいが、罵倒されまくった方はたまらないわな、糞尿やゲロを頭 から浴びせられた気分になるのだろう。ベテランの看護師などは心で「キ チ〇イが何言ってやがる」とパンチをかわすのだが、言葉や動作で反撃し たらクビになりかねないから大変だ。

診察を終えて隣の調剤薬局へ行ったら、「大人の発達障害」というパンフ があり、読んでみると小生は「自閉スペクトラム症」のケがあるのかもし れない(会話苦手、忖度力ゼロ、嗜好に強いこだわり)。

発達障害で有名なのは「ADHD」で、モーツァルト、ベンジャミン・フラン クリン、エジソン、アインシュタイン、信長、龍馬もADHDではなかったか とパンフにはあった。

天才とキチ〇イは紙一重というのは結構な真実かもしれない。この世は 「紙一重」が実に多い。

気違い、間違い、場違い、勘違い、筋違い、読み違い、夢か夢想か妄想 か、当たれば天才、外れたら狂人、真か嘘か、正論か邪論/捏造/でっち上 げか、

自信か虚勢か、誠実か不実か、作戦か謀略か、芸術か狂気か、進歩か後退 か、創造か破壊か、改革か革命か、保守か固陋か、正義か悪か、投資か浪 費か、名君か暴君か、名案か迷妄か、救国か売国か・・・

結局は「終わり良ければ総て良し」みたいだが、晩節を汚すと「ろくでも ない奴」とすべてが否定されたりする。否定か肯定か、拒絶か受容か、ど ちらに転んでも「それなりに面白い人生だったんじゃない? まあバカ だったけどね」というお墨付きは得られそうな発狂亭雀庵の病棟日記から。

【2016/12/29】*保育園児9人散歩、中庭の喫煙所では15人ほどのスモー カーがプカリプカリ。世は事もなし。冬休みで作業療法もなし。ひたすら 読書と物書きだけだ。

【12/30】*11:30、娘2人来。Kと家庭内別居する方向で検討、準備して もらうことになった。たまたま同じ船に乗っているだけ、同じマンション に住んでいるだけ・・・多分これがお互いのために一番いいのではないか?

このままだとKはうつ病になりそうだから、抗うつ剤と精神安定剤を服用 するよう娘から言ってもらうようにした。医者やカウンセラーは「あなた にとっては不本意かもしれないが、7:3とか6:4であなたが譲歩し、妥協 しないと上手くいかないよ」とアドバイスされているが、それでもKは受 け入れはしまい。

バックミラーしか見ない、前方は見ない、見えない、見たくないのかもし れない。悲しいけれど夫婦関係は終わったのだと思う。

【12/31】*措置入院から丸2か月。精神的に改善?し、他罰的から自省、 自罰的になってきたし、体力も回復してきた。

「反省するなら猿でもできる」と家族の理解はあまり(多分ほとんど)得 られていないのは、「俺は俺、あなたはあなた、個人主義で行こう」とい う小生の基本姿勢が変わっていないからだろう。居直っていると思われて いるに違いない。

国体は護持する、それ以外は譲歩するにやぶさかではないということなの だが、彼女たちにとっては「トンデモナイ!」ということなのだろう。

イワン・デニーソビッチは収容された当初は家のことをあれこれ考え悩ん だが、「クヨクヨしたところでどうにもならない」と考えることを止める ことで精神の安定を得た。小生もその方向で行くしかないかもしれない。

退院したらブログを再開するつもりだが、ペンネームは「蒼龍(竜)シー チン2.0」でどうだろう。凶悪漫才コンビの習近平(Xi Jinping)とプー チンを狂気の蒼龍「シーチン」が深く静かに潜航し一発必中、魚雷で仕留 める。

「シーチン」は新宿歌舞伎町チャイニーズバーのスリットが大きなチャイ ナドレスが売りの支那人ホステスが名付けてくれた愛称で、以来コード ネームでもある。彼女は素直な娘で、「仕事は真剣勝負だ、パンツなんて はいてくるな!」と「適切」な教育的指導をしたら速攻でパンツを脱いで きた。支那人にもまともな人はいるのである。

*8:30、誰にも相手にされなくなった“ナンミョー”がナースステーショ ンで折伏しており、誰もが完璧に無視していた。

ホールにはいつも男10人、女30人ほどがいたが、今は年末年始で外泊する 人が多く、男6人、女12人のみ。小生を含めて引き取り拒否か不可の患者 ばっかり。

9:30〜9:50、朝の一服でスモーカーは中庭の喫煙所へ向かうが、すぐに 日陰になってしまうので皆、「禁煙」の看板のある日向の芝生で吸ってい る。街ではノロが流行っているし、患者が風邪をひいても困るから職員は 見て見ぬ振り。結構なこと。

散歩へ行く幼児はたったの4人だけ。大晦日だなあと実感する。(つづ く)2017/10/28



     
━━━━━━━━━━━━━━━
与党大勝の今、憲法改正を進めよ
━━━━━━━━━━━━━━━


         櫻井よしこ

10月22日の総選挙は、安倍自民党の圧勝、改憲勢力の大勝に終わった。ひ と月足らずの選挙戦はどんでん返しの連続だったが、日本が取り組むべき 重要課題、即ち憲法改正に積極的に取り組める枠組みができた。

日本の前には数々の難題や課題がある。今回の総選挙で国民は、まさにそ れら国難に立ち向かい、日本の愁眉を開く道を、選んだのだ。

まず、足下の北朝鮮問題である。見通しは非常に厳しい。日本は直ちに堅 固な国防体制を整えなければならない。だが、中・長期的に見て日本のみ ならず、西側陣営全体が警戒しなければならないのは中国である。

この原稿を執筆中の10月22日、北京では5年に1度の中国共産党大会が開催 中だ。開幕当日の習近平国家主席の演説から多くが読み取れる。3時間半 の演説で私が最も注目したのは「人類運命共同体」という言葉である。

習氏は中国人民だけでなく、人類全体を中国共産党の支配下に置くべき存 在だと見做しているのだろうか。この表現はざっと以下のような文脈の中 で使われている。

習政権の下で5年が過ぎた。この間の成果は反腐敗を徹底し、貧困率を改 善し、気候変動対策(パリ協定)の国際協力を主導し、南シナ海の島嶼建 設を積極的に進めた。広域経済圏構想の一帯一路を提唱し、アジアインフ ラ投資銀行も創立した。こうしたことによって人類運命共同体の構築を提 唱した、という主張である。

アメリカがパリ協定から脱退を表明したのを好機として、中国はパリ協定 を擁護し、積極的にCO2削減に取り組むと、言葉の上では賛成した。中 国がその言葉通りに行動するという保証は全くと言ってよいほどないが、 こうした事例を挙げて、習氏は「人類運命共同体の構築」と言っているの である。これからの中国を見詰める際に、この言葉は重要な意味を持つ が、その構想は「偉大なる中華民族の復興」「中国の夢」と対であること を忘れてはならない。

専制政治の強権志向

偉大なる中華民族を政治経済面で分析すると、「現代化した社会主義強 国」に行きつく。習氏は自身の思想を「新時代の中国の特色ある社会主 義」思想と呼び、中国共産党の行動指針であると宣言する。人類は皆、中 国と運命共同体になることを期待されているのであるから、習氏の思想は 中国共産党と中国人民のみならず、日本を含む人類全体が信奉しなければ ならない価値観だと決めつける思想である。

強い違和感が先立つ。習氏の演説には到底受け入れ難い強硬な言葉もちり ばめられている。たとえば「台湾独立勢力のいかなる形の分裂活動も打ち 破る断固たる意志と自信、十分な能力がある」として、現実には存在しな い「92年コンセンサス」(ひとつの中国の原則を中台双方が認め合ったと するもの)の受け入れが中台間の対話の条件だと、蔡英文台湾総統に突き 付けている。

チベットなどを念頭に、宗教は「中国化の方向を堅持し、社会主義社会に 適応するよう導く」と言う。チベット人がチベット仏教を禁止され毛沢東 語録を学ばせられているようなことを指すのであろう。

習氏は、建国100年の2049年までに中国は「社会主義現代化強国」とな り、そのとき「中華民族は世界の諸民族のなかにそびえ立つ」と展望して みせる。その実現のために、国防、軍隊の現代化を35年までにやり遂げ、 今世紀半ばには世界一流の軍隊を築き上げるという。

こうした一連の目的達成のためには共産党の指導を全党員全国民に徹底さ せなければならない。その仕組みを完全に作り上げると豪語する。

専制政治の強権志向が、新たなる習体制の特徴である。中国人民のみなら ず、日本を含めた全人類を中華圏に組み込むべく、軍の強大化を軸に強権 を振るうという野望は、「世界制覇宣言」とでも呼ぶのがよいだろうか。

中国の姿勢を異例の率直さで批判したのが、アメリカの国務長官、レック ス・ティラーソン氏である。氏はアメリカ東部時間の10月18日、有力シン クタンクCSIS(戦略国際問題研究所)で「次の世紀を見据えた米印関 係」と題して講演し、質問に答えたが、その内容は驚くほど、踏み込んだ ものだった。

ティラーソン氏はインドと中国を比較してこう語ったのだ。

「米国はインド・太平洋地域が平和、安定、継続的成長の繁栄の地とな り、無秩序と摩擦と略奪の経済圏とはならないように、インドと協力して いく必要がある」

膨大な債務

CSIS所長のジョン・ハムレ氏がその意味を尋ねると、ティラーソン氏 はざっと以下のように答えた。

この地域において中国の活動、たとえば中国式の金融は、地域諸国に膨大 な債務を負わせるだけだ。通常なら多くの雇用を生み出すインフラ整備事 業でさえ、中国は労働者を連れて来る。中国式の融資に乗る限り、アジア 諸国の将来展望は暗い、と。

ティラーソン氏は今年8月に行われた東アジア首脳会議で各国と、中国と は異なる融資制度を考えようと相談したという。中国が政治的思惑で大規 模融資を繰り出してくるとき、こちら側は対抗できないかもしれない。し かし健全な金融、経済を営むには、こちら側の制度に寄り添う方が合理的 だ。国の主権を守り、自国の将来を自らの手に握り続けるために、アジア 諸国はよく考え、正しい道を選ばなければならない、とティラーソン氏は 強調する。

だが、貧しく弱い国にとっては、中国が差し出す法外な額の無利子融資や 無償供与の資金は喉から手が出る程欲しい。受け取ったが最後、中国の支 配下に組み込まれてしまうと解っていても、受け取りたくなる。中国に頼 ると、見返りに国土を奪われ、やがて国そのものを土台から奪われる。中 国は周辺諸国を奪い、呑み込む国なのである。

「その国は誰のものか。誰が支配するのか。その国はその国民のものであ り、その国の政府が統治すべきだ」とティラーソン氏はアジアの小国に言 い続けているという。アメリカの国務長官として中国と激しく闘っている ことが窺える。

ティラーソン氏の考える闘いは、中国への対抗軸としてアメリカ、イン ド、日本、オーストラリアの4か国連合を形成することだ。このような戦 略は、日本にとって測り知れない国益である。

日本こそが旗振り役となるべきである。今回の選挙結果は、習氏が築こう としている中華帝国ではなく、より普遍的な価値観を軸にした自由陣営の 基軸国のひとつに、日本がなる道を切り拓く力である。そのために日本は アメリカ、インド、オーストラリアなどと真の意味で対等な国にならなけ ればならない。憲法改正を進める時である。安倍首相の背中を今や国民が 押している。

『週刊新潮』 2017年11月2日号 日本ルネッサンス 第776



    
            
━━━━━━━
話 の 耳 袋
━━━━━━━


 ◎車大手、期間従業員の無期雇用を回避 法改正、骨抜きに

トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区 切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更したことが 分かった。改正労働契約法で定められた無期への転換が本格化する来年4 月を前に、すべての自動車大手が期間従業員の無期転換を免れることにな る。雇用改善を促す法改正が「骨抜き」になりかねない状況だ。

 2013年に施行された改正労働契約法で、期間従業員ら非正社員が同じ会 社で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期に転換できる 「5年ルール」が導入された。申し込みがあれば会社は拒めない。08年の リーマン・ショック後、大量の雇い止めが社会問題化したことから、長く 働く労働者を無期雇用にするよう会社に促し、契約期間が終われば雇い止 めされる可能性がある不安定な非正社員を減らす目的だった。施行から5 年後の18年4月から無期に切り替わる非正社員が出てくる。

 改正法には、企業側の要望を受け「抜け道」も用意された。契約終了後 から再雇用までの「空白期間」が6カ月以上あると、それ以前の契約期間 はリセットされ、通算されない。これを自動車各社が利用している。
朝日新聞デジタル11/4(土) 5:03配信



━━━━━━━
読 者 の 声
━━━━━━━


 1)大久保通りは賑わっていた:前田正晶

28日は所用これあり台風襲来を恐れつつも、折り畳み傘を背中に南麻布ま でシルバーパス利用で都バスで出掛けた。これは新宿駅西口から品川駅高 輪口まで行く路線が南麻布一帯を経由してくれるのだ。途中は伊勢丹前を 過ぎて懐かしの青山1丁目から、かの星条旗翻るサンノーホテル経由とい う具合で、結構な東京見物となる路線だ。

嘗ては職場があった青山1丁目から2丁目を離れてから早くも23年が過ぎ れば、周辺の景色の急変振りには目を見張るだけだ。その懐かしき青山ビ ルは確かオリンピック絡みで区画整理というか再開発があり取り壊される と聞いた記憶があるが、既にシャッターが降りて全く人気がなかったのに は些か驚かされた。尤も、あのビルは築後40年は経過していると思うの で、その為の解体かなどと感慨に耽っていた。

幸いにして雨に降られる前に帰路に就くことが出来た。そこで、わざわざ 新宿駅西口まで行くことはあるまいと伊勢丹前で、明治通りを通って大久 保通りに停まってくれる路線に乗り換えた。

すると、その辺りから小雨模様となったと共に、一気にアジア系の外国人 が数多くいるのに気が付いたので、新宿に戻ったという実感をイヤと言う
ほど味合わされたのだった。白い外国人が多い麻布や六本木周辺との著し い違いである。

さて、土曜日の昼過ぎの大久保通り、即ちKoreatownである。予想した以 上の人出、それも多くの若き女性の集団が道幅一杯に拡がって歩いていた ので、その賑わいの為に小雨模様の中で思うように進めず些か苛立ったほ どだった。

特に、サムギョプサル等が売り物の韓国料理屋には未だに列をなして待っ ている若き女性が多かったのには、驚く前に呆れてしまうほどだった。

サムギョプサルが何であれほど女性に人気があるのだろう。恐らく、あの 豚肉の脂を下に流してしまう鍋の構造が「ヘルシー」だとでも思われてい るのだろうか。そのKoreatownだが、大久保通りもJR山手線の新大久保駅 から北の方向というか小滝橋通り方面になれば、その手の料理屋は激減 し、一気呵成に中国人を中心としイスラム系の者たちで溢れかえってくる。

ここまでで言いたかったことは、このような経路で都内を歩いてみれば、 東京の色々な変化というか国際化というのか、時の流れがよく見えてくる 点である。政府は懸命になって外国からの旅行者を呼び込みたいようだ が、それはそれで外貨稼ぎともなるだろうし、海外での我が国の評判を良 くすることにも通じるのかも知れない。

だが、私には百人町/大久保界隈の、敢えて言うが外国人による混乱とい うか彼らが我が物顔に振る舞っている状態を見るに付けても、その政策は 諸刃の剣に思えてならないのだが。私は外国人の氾濫を決して好ましい状 況ではないと思う。故に、私は「新宿少数民族」と本気で戯称するのだ。



 2)香川真司が怒っているそうだ:前田正晶

ハリルホジッチ監督は香川を代表メンバーから、本田圭佑や岡崎慎司と共 に外した。意外ではないようでも、私には意外というか不当だと思えた し、不可解でやり過ぎに思えた。香川は私が以前から指摘してきたよう に、ドイツでやっている時には輝くと言うか、良いサッカーをしてみせる。

それだけに止まらず周囲と上手く合わせているだけではなく、巧みで正確 なパス回しが出来ている。要するに「周囲が上手いと、その中で自分を活 かす道を心得ている選手」なのだ。あの巧みなパスの出し方などにはバス ケットボールの田臥勇太にも似た鋭さと閃きを感じさせる。

私は嘗て「中田英寿の悲劇は周りの10人(乃至は9人)が中田英寿ではな かったことだ」と指摘したことがあった。香川の場合はそれとはやや趣を 異にするが、似たような点があると思う。即ち、「現在の責任逃れパス回 しを得意とし、フリーになるように動いて見せない者どもが多い日本代表 の中に入っては、彼自身も自らの特徴を活かす術を見出していない」と私 は見ている。

それかあらぬか、現監督も前任者のザケローニも香川を最後まで使い切ら ない試合が多かった。清武如きと同等の扱いをしていた。あれでは、香川 が自分は監督に信じられていないのか、あるいは評価が低いのだと、やる 気が削がれるかも知れない。本当はそういう捉え方をするのは良いことで はなく、「今に見ていろ。俺は上手くて強いのだ。俺の実力を低評価する な」と奮起するべきなのだ。だが、私の見方は「ハリルホジッチ監督は香 川が嫌いなのだ」となる。

監督も人間である以上、個人的な選手の好き嫌いがあるのは否定しない。 私はあの監督が思い描くサッカーには香川のような一種の天才的な感覚で 細かくパスを回す選手は不要なのではないかと考えている。

更に言えば、現在の若手に切り替えつつある代表の中に、香川や本多や岡 崎のような経験豊富な者が何名いるかとも言える。監督は「欧州でチャン とした実績を残せるほどの調子ではないから使わない」との理由を挙げて いた。彼は本当にドイツやUKやメキシコを回って見てきて言うのだろうか。

と、ここまで言えば「香川外しは不当である」と言っていることになると 思う。監督が本気でこれまでの功労者たちを外して世代交代を図って、そ の顔触れで次のW杯に出ていく気ならば、もっと明確にその意図を表明し て、あの3名にチャンと語りかけるべきだと思う。

これまでの功労を称えるくらいしても良くはないか。正直に感情的に言え ば「私はあの監督は嫌いだし、それほどの者とは評価していない」のである。

だが、「香川が怒っている。監督と話し合いたい」と報じられているのも 気懸かりだ。仮初めにも協会が招聘した代表監督である。如何に香川が不 満であっても遠吠えは良くない。然るべき協会の筋を通して「監督の真意 を確かめさして頂きたい」くらいの姿勢で出てくるべきだったと思う。

良い時の香川は私の好みのサッカーをしてくれるので、良い選手だと評価 してきた。その彼が代表から落ちてしまうのは誠に残念である。香川も奮 起してドイツで監督に有無を言わせないように輝いて見せてくれると良い のだが。


 3)嘗ては超一流だった製紙の技術者と懇談した:前田正晶

この我が国の大手製紙会社の現場の技術者・I氏とは1988年9月にカナダか らアメリカを約2週間、W社の工場を巡回して技術指導をして頂いた。当 時、W社はこの我が国のメーカーと技術提携の契約を結んでいた。この契 約を知った人々は指導するのがW社だと勝手に解釈していたようだった。 だが、実態はその正反対(近頃流行の「真逆」ではないよ)だった。

最初に訪れたカナダの新設工場の最新鋭マシンが思うような結果を出して くれないので、W社が契約に従って援助というか指導を依頼したのだっ た。そこでI氏他2名の技術者が派遣されたのだった。因みに、I氏は私と 同年齢だったが、高卒で入社されたのでその時点で経験が37年の同社が選 び抜かれた現場の最優秀の課長さんだった。

I氏は初日は現場で隈無く機械を見回られただけで一言も発せずにホテル に戻られた。勿論、何処に如何なる問題点があるかは見抜いておられた。 彼は「あの場で言おうと思えば言えたが、工場側にその技術に誇りと自信 を持って操業しておられるのだろうから、外部の者がいきなり批判めいた ことを言うのは非礼に当たると思った。それで明日の会議の場で疑問点を 質してから語りたいと思った」と静かに語られた。

そして、翌日には(多額のコストがかかるのだが)マシンを止めて現場で 語り合いその後に会議室での質疑があって、I氏は見事に問題の解決法を 提示して解決して見せ、実際に解決された。実は、このフィンランド製の 新鋭マシンをI氏は見たことがなかったのだった。そして、その晩に下記 のように言われて慨嘆された。

「我々が昭和26年に入社した頃には皆が一所懸命に勉強して製紙の技術を 学びながら機械と対話して、何処をどうやって運転すれば最高の紙が出来 るかの技術を試行錯誤で身につけていった。それは、長い年月をかけて技 術と知識を蓄積して行く気長な道のりだった。マシンに問題か欠陥が見つ かれば、現場で皆が集まって協議し、如何にして修繕してより良い機械に 改善していくかに努めたものだった。

だが、今日カナダまでやって来てこの新鋭マシンを見れば、遺憾ながら、 既に我々が長い年月を費やして蓄積してきた技術とノーハウの大部分がマ シンの設計にはそのような能力として組み込まれているのを発見した。実 は、この点が我々現場を預かるものが最も懸念してきたことで、何時の日 か我々の技術と経験が不要になるような生産設備が現れて、我々の職を脅 かすのではないかと語り合ってきた。

今回の初めてのアメリカ(所在地はカナダだが、アメリカの会社だ)の製 紙工場の訪問で、我々が危惧してきたことが既に具体化されていたと知っ た。衝撃的だった」
と言われたのだった。

何でこの回顧談を長々と述べてきたかと言えば、3日、I氏が私に電話を 下さったのだった。それは、私が年賀状に15年の前半に大病を患って60日 も入院していたと書いたので、心配しておられたからだった。何回か電話 をされたそうだが、当方が不在だったか、ナンバーデイスプレー方式なの で知らぬ番号からの電話には出なかった為かも知れなかった。

そこで、I氏と約1時間ほど久し振りに語り合ったのだが、彼は現在の世界 的な紙パルプ産業の低迷を嘆かれる一方で、88年に危惧された機械(=生 産設備と言って良いだろう)の飛躍的な進歩で、益々現場の人たちが鍛え 上げてきた、蓄積され磨き抜いてきた技術はほぼ完全に不要になり、ロ ボットであるとAIに置き換えられていく時代の到来を嘆き且つ歓迎された と共に「お互いに良き時代を過ごして良い時に引退したものだった」と回 顧された。全く同感だった。

話が偶々神戸製鋼の件に及ぶと、彼は「少なくとも製紙の現場ではそのよ うな改ざんをすることは不可能で、何処か本社機構の中ででも行われたの ではないのか。我々は常にお客様が求めておられる品質よりも上となるよ うなスペックを設定して生産することを心掛けてきたので、想像も出来な いことだ」と指摘された。

カナダの工場では工場長以下と質疑応答の会議をした際に、私が未だに忘 れられない質問が出て、I氏がそれこそ見事な答えを出されたので、それ を紹介して終わろう。

質問は「機械メーカーから提供された操業のマニュアルのここに記載され ている通りにマシンを設定しても、どうしてもその通りの品質が達成でき ない。この解決策は?」だった。

I氏の答えは、通訳している方が感動してしまうようなことだった。「所 期の結果が出てこないような理論は単なる仮説に過ぎないと思って下さ い。そこで思い切ってマニュアルを忘れて、自分たちの考えて色々と設定 を変えて試みて下さい。そうすれば自ずと解決策が出てくるものです」 だった。余談だが、「仮説」=hypothesisという言葉を知っていて良かっ たと思った。

余談だが、この話を本社に戻ってから、W社引退後に大学院大学の教授に なったMBAの元の上司(現在は友人)に語ったところ、「素晴らしい」と 感激して早速打ち出して書斎の壁に貼りだしたものだった。




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

5日野東京湾岸は快晴。

4日は好天の東京湾岸。何事もナシ。CDを聴いていた。


                         読者:5574人 





◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら
→ http://melma.com/contents/taikai/

渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>



規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。