政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針4500号  2017・10・27(金)

2017/10/27

   

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わたなべりやうじらうのメイ ルマガジン「頂門の一針」4500号

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           2017(平成29)年10月27日(金)


28日と29日付けは都合により休刊します。御寛恕下さい。



        鄧小平を超え毛沢東と並ぶ姿を演出:杉浦正章

          trategy=戦略とTactics=戦術S:前田正晶

            米国の日本核武装論の正体:櫻井よしこ               
                                                                                               話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記


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第4500号
                            発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
               御意見・御感想は:
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鄧小平を超え毛沢東と並ぶ姿を演出
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           杉浦 正章

最高指導部に後継者なし
 
2期でさらに5年どころではない。習近平は自らの任期を永遠なものとし て確立しようとしている。その最大の武器は今回の第19回党大会で決めた 「習思想」である。

自らを、建国の父である毛沢東の「思想」と同列に高め、改革開放を推進 したトウ小平の「理論」を超えた理念を、共産党の憲法である党規約に盛 り込むことに成功した。

「思想」は「理論」を遙かに上回るのだ。大会は国家主席の指導理念を 「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」と、習の名前を冠 した形で、党規約の中に盛り込んだのだ。

規約に個人名が書かれたのは史上3人目である。中国共産党指導者にとっ て自らの名前を党規約に盛り込むことは極めて重要な権力誇示となる。し かも、これまでの指導者と比べると異例の早さである。

習が掲げる今世紀半ばまでの「社会主義現代化強国」実現に向けた理論的 な支えを構築した形だ。もうトウ小平時代は終わって、これからは習時代 だということを強く印象ずけるものだ。後継者と目させる人物を最高指導 部に入れないのも、超長期政権を目指す姿と映る。

総じて党大会は中国歴代政権が自粛してきた個人礼賛の傾向を帯び、習は 臆面もない自作自演の権力確立を成し遂げて見せた。共産党の事実上の独 裁どころか、自らの独裁による政治体制を築き上げたのだ。

その証拠が北京の街でも見られた。大会の期間中、北京市内の公園では習 近平国家主席をたたえる歌を合唱するグループの姿が見られた。

メンバーらが「習おじさん、習おじさん、みんなが愛している習おじさ ん」とか「習主席は、全国人民とともにある」などといった歌詞の歌を合 唱したのだ。禁止されてきた個人崇拝を、紛れもなく“官製”で実践したの だ。市民運動を起こしてまでムードを演出したのだ。

さらに南シナ海での南沙諸島への人口島建設による軍事拠点化や、習近平 就任以来顕著になった東シナ海における領海侵犯などその対外姿勢は、歴 代中国皇帝が絶頂期に成し遂げた覇権国家のように、社会主義国家と民主 主義国家の対峙の構図を推進するかのようである。

この紛れもない富国強兵路線は「中国の発展はいかなる国の脅威にもなら ない」という習自身の言葉と矛盾し、第2次大戦後欧米と日本が主導した 民主主義の国際秩序に社会主義で対抗する姿を浮かび上がらせた。

習近平がここまで自らの権力の確立に執着した背景には、「トラもハエも 叩く」として推進した汚職摘発キャンペーンがある。このキャンペーンは 汚職摘発の名を借りた権力基盤の確立が背景にあることは言うまでもない。

次官級280人、局長級8600人、地方幹部6万6000人、全国で150万人の摘 発・処分は、結果として権力基盤を絶大なものとした。この恨みから「腐 敗撲滅の鬼」と呼ばれ、今回最高指導部から退任する王岐山は、これまで 27回も暗殺されそうになったといわれる。

習近平は、当初王岐山を留任させようと画策したが、長老の反発が予想外 に強く、あきらめた形だ。党大会で唯一垣間見えた反習近平の動きと言え る。習もあまりに多くの政敵を葬ってきたのであり、引退したら殺害され る危険が常に存在する。やめるにやめられない立場となっているとも言え るのだ。

国家主席の任期は中華人民共和国憲法79条で被選出年齢は45歳以上、 任期は2期10年を限度とすると定められている。これ以上延ばすには3 つの方法があるとされる。

1つは今後2期以上を目指す習近平が多分来年3月の全国人民代表大会で 憲法改正を実現しようとするという見方である。2つ目は、憲法解釈で延 期する方法もある。憲法83条は「人民代表大会の任期は次の人物を決め るまでやり続ける」とあり、また60条は「非常事態の場合は任期の延長 を認める」という規定もある。これらの条文を根拠にするのだ。さらに3 つ目は84年にトウ小平が廃止した主席の神格化を復活させる方法である。
 こうして中国の政治は集団指導体制が原則にとどまり、習近平の独裁色 が強まり、専制政治や社会に対する抑圧が強まることが懸念される。言論 封殺も続くだろう。

その最初のケースを毎度のことながらNHKが被った。 NHKの放送が習近平 への権力集中を伝えた瞬間に暗黒画面となった。

 対米関係は対峙の傾向を強めるだろう。習は4月のフロリダでのト ラ ンプとの会談で借りてきた猫のような様子を見せた。トランプは華麗で 和やかなる晩餐会の最中にトマホーク巡航ミサイル59発をシリアのシャイ ラート飛行場へと発射してみせたのだ。トランプのアッパーカットを食 らって、習は目を回したが、党大会でのすごみ方はその裏返しでもある。 またトランプの体たらくで、それほどでもない指導者だと感じた気配がある。

一方、対日関係についてはウオールストリートジャーナル紙が興味深い 社説を掲載した。「日本の民意が示した中国への警告」と題する社説は安 倍自民党の総選挙圧勝の意味を説いている。北朝鮮の核・ミサイル実験の 横暴に「日本は巡航ミサイルの購入を検討している。

また自前の核抑止力 を求める可能生もある」と強調。「だから」と続け て「習近平氏が日本の 再軍備を望まないのであれば金正恩への食料と石 油を遮断することも出来 る。さもなければ北東アジアの勢力地図は中国 が望まないようにシフトす るだろう」と日本を使ってどう喝したのだ。

中国と北の出方によってはま んざらあり得ないことでもない。習近平は 内弁慶で国内ばかりを見て、 「資本主義現代化強国」の日米同盟がある ことを忘れない方がよい。



          
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trategy=戦略とTactics=戦術S
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          前田 正晶

広辞苑によると strategy とは「戦略で、戦術よりも広範な作戦計画。 (以下略)」とある。tacticは「戦闘実行上方策。一個の戦闘における戦 闘力の使用法」となっていた。ジーニアス英和には tactic は?[通 例〜s]方策、策略、作戦、戦略。?[〜s](戦争における)戦法、兵 法。とあるのも面白い。

何でこんな話題から入って行ったかと言えば、昨夜先頃の選挙の結果を フットボールのコーチ経験者と語り合ったのだった。彼は常に攻撃の作戦 を立てる役目だったので、その視点から見た希望の党と言うかその代表の 小池さんが何故敗れたかを紹介してみたかったのだ。

その前に、言ってみれば会社の経営であれ、各事業部門事の運営方針であ れ、選挙か政治であれ、何を目指すのかについては一貫した戦略があっ て、それを実行していく為の局面毎の戦術があるものだと私は考えている。

しかも、その戦略には何を目指しているのかは指導者から組織の全員に明 確に徹底して伝えられていなければならない。

ここで一気に小池百合子さんと希望の党の問題点についての結論を言え ば、彼は「小池さんのやり方には一貫性がなく、その局面毎に場当たり的 でしかない作戦を誰にも相談せずに自分だけの判断で立てていったから、 あの失敗になって行ったのだとなる」という見解だった。

即ち、監督だけの判断でコーチ不在で突然に何を狙っているのかが不明は 指示を出されては、その場その場で何をどうすべきかが選手(候補者)に 徹底しなかったのは当然だったろう。

そこで、先日私が論じた「組織を運営する能力」に話が戻るのだが、小池 さんの指導者と経営者としての経験の有無が問題になると思うのだ。彼女 はその局面毎に責める(「攻める」ではない)べき相手を巧妙に選んでは 攻撃してきた。

それが「ドン」と呼んだ内田茂であり、私が個人的にも不当だと思った病 み上がりの石原慎太郎君に向かっては、ほとんど fake としか言えない疑 いをかけて都議会のまで呼び出していく戦術を見せたのだった。

そして、それらの戦術が不発に終わるや、次の局面では場当たりとしか見 えない戦術を編み出して行ったのだった。それが外部の専門家乃至は権威 者の如きを集めた「何とかかんとか委員会」であり、都民ファーストの会 の代表の入れ替え遊びだったようだ。私にはこの間の次の標的作りは「マ スコミの話題になって頻繁に取り上げられることを狙った広報作戦」だと 見做していた。

しかしながら、段々に形勢我に利無しと見るや、民進党の前原誠司代表と 語らいあった言わば両党の経営統合になっていった。その語り合いの内容 は、野党再編を計画・実行中だったという山口二郎法政大学教授すら知ら ないと言うのだ。

だが、民進党のリベラル派を排除するとの作戦は決して誤りではなかった という意見もあったのに、あの「全員を受け入れるつもりはさらさらな い」と「排除します」発言で 大袈裟に言えば「九仞の功を一簣にかく」 結果を招いてしまった。

彼女は一度は防衛大臣までを経験したのだから、軍隊(自衛隊)の組織が 如何に出来上がっているかを承知していて然るべきだった。しかし、何も 学習してい なかったかの如きで、自分の政党を2度も設立しておきなが ら、ついぞ参謀本部も設 けず、諮問機関を置くことなく、練達熟練の参 謀をも採用せず、その緊急事態の局面 事に自分だけの判断で場当たりの 戦略を打ち出してきていた印象は否めない。即ち、 小池軍団には作戦の 狙いが徹底できていなかったのではないか。

ここまででは、如何にも小池さんが到らなかったことだけを強調してきた ようだとお思う。しかし、何も希望の党だけに限ったことではないと思う 会社経営や 事業部の運営し損ないの例は数多くあったと思う。

そこで見た教訓は「指導者には一 貫した経営か運営方針が確立され、そ れが全員に遅滞なく徹底されているべきだ」と いう簡単明瞭な事柄だっ た。社員たちや選手たちは自分に与えられた課題が何である か把握して
いなければ動きようがないのだという簡単な話だ。

だが、全員に間違いなく伝えることと、全員が誤解なくその使命を理解す るかは別問題ではないか。十分に認識も理解も出来ていなかったおかしな 議員が自民 党の当選2回組から多く出たのも、自民党と雖も、組織の運 営というのは容易ならざ る仕事であり職務であると思わせていたではな いか。

だからこそ、我が国の会社では新卒者を採用して自社の色に染め上げる教 育をする方式を選び、全体の和を尊しとし年功序列を重視してきた。一方 のアメリカ では、飽くまでも個人が主体で、その能力と経験を買うの で、即戦力となる者どもを 中途採用して組織の運営をその故人の力に依 存する方式で臨んでいるのだと思う。

小池さんはやたらに英語の単語を言葉の中に散りばめるのを聞いていて も、アメリカ式の個人の能力を活かそうとしただけではなく自己過信も あって、我が国 の政治の世界にも中途半端にアメリカ式を持ち込もうと でもしたのかなと思わせてく れる面がある。



  
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米国の日本核武装論の正体
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      櫻井よしこ

アメリカのテレビネットワークNBCは10月4日午前、国務長官のレック ス・ティラーソン氏がドナルド・トランプ大統領を「moron」と評し、辞 任も考えていたと報じた。moronはidiot同様、バカ者、或いは知能の低い 者の意味だ。

同日、ティラーソン氏は突然記者会見を開き、辞任は考えたこともないと 否定し、トランプ氏を激賞した。トランプ氏もティラーソン氏への「全面 的な信頼」を表明した。だが、アメリカのメディアは一斉に、ティラーソ ン氏がトランプ氏との政策上の対立ゆえに辞任する、或いは解任されると の推測記事を報じた。

「ワシントン・ポスト」紙は5日、政権関係者19人への取材をまとめて報 じたが、全員匿名で登場した19人は、国務長官は遅かれ早かれ辞任に追い 込まれるという点で意見が一致していた。有力シンクタンク、外交問題評 議会会長のリチャード・ハース氏は「政権内での意思の疎通がはかれない ティラーソン氏は辞任すべきだ」とコメントを出した。

ティラーソン氏の身の処し方は、対日外交も含めてアメリカの外交政策に 大きな影響を与える。

トランプ、ティラーソン両氏がイラン核合意、ペルシャ湾岸諸国の覇権争 い、パリ協定など重要問題で対立しているのは明らかだ。日本も深刻な被 害を避けられない北朝鮮問題で両氏の考え方は正反対だ。

9月30日、ティラーソン氏は訪問先の北京で「アメリカは北朝鮮政府と直 接接触(direct contact)している」「アメリカには2〜3のルートがあ る」として、北朝鮮との話し合い路線を強調した。

するとトランプ大統領が翌日のツイッターで「小さなロケットマンとの交 渉は時間の無駄だ」とティラーソン氏に告げたと公表、「レックス、エネ ルギーを温存して、やるべきことをやろう」と呼びかけた。

前述の「moron」報道は、このやりとりの直後に出たことになる。

有事発生もあり得る

そうした中、上院外交委員長で共和党の重鎮の1人、ボブ・コーカー氏は ティラーソン氏を高く評価し、国防長官のジェームズ・マティス氏、ホワ イトハウスの首席補佐官ジョン・ケリー氏と彼の三氏のお陰でアメリカは 混乱に陥らずにすんでいると語った(「ウォール・ストリート・ジャーナ ル」(WSJ)10月5日)。

伝統的な共和党の政策を重視する人々と、前例に全く縛られないトランプ 大統領とのせめぎ合いである。

トランプ政権内の外交・軍事政策の亀裂は日本の核武装についても顕著 だ。約ひと月前の9月5日、ハドソン研究所研究員でバード大学教授のウォ ルター・ラッセル・ミード氏がWSJに、日本の核武装についてトランプ 政権の考え方が二分されているとの論説を寄稿した。第一の勢力は日本の 核武装はアメリカの国益だと考えるトランプ氏自身で、日本が核武装すれ ば韓国も台湾も日本に倣い、アメリカの軍事費は削減され、中国に対して より強固な抑止力を構築できるという考え方だ。

ここで私たちが忘れてならないのは、北朝鮮の核に対して日韓両国は自前 の核保有をひとつのオプションとして考えよと大統領選挙で主張したトラ ンプ氏を、アメリカの有権者が選んだという事実だ。

トランプ大統領にも強い影響を与えている「アメリカ第一主義」の元祖、 パット・ブキャナン氏は、アメリカが考えるべきことを以下のように書い ている。GDPで日本は北朝鮮の100倍、韓国は40倍。北朝鮮はGDPの 25%を軍事費に回し、韓国は2.6%、日本は1%だ。

日韓両国は対米貿易で巨額の利益を得ながら、アメリカに、隣の小国、北 朝鮮の脅威から守ってくれと言う。眼前の北朝鮮危機が一段落するとき、 日韓両国はアメリカ同様、国防の努力をせよ。自力で核抑止力を持て。そ うすることで中国のアジアを席巻する勢いも止まる、という主張だ。この ような考え方にトランプ氏は影響を受けていると思われる。

これに対して、ミード氏のいう第二の勢力は、日本のみならず、韓国、台 湾の核武装にも反対する人々だ。アメリカが核の傘を担保し、現状維持で 核拡散を防げという意見だ。

ティラーソン、マティス、ケリー3氏らがこの第2勢力に当たる。しか し、彼らは閣僚で、人事権を持つのはトランプ氏だ。両者間に齟齬がある 場合、最終的に任命権者のトランプ氏の判断が優先されるのは明らかだ。 従って、北朝鮮には話し合いではなく強硬な軍事戦略が選択され、日本に は核保有のオプションを含む国防力の顕著な強化が要求されると考えてよ いだろう。

北朝鮮情勢は日々変化している。年末或いは年明け早々の有事発生もあり 得る。そのとき日本は国として国民を守れるのか。行動できるのか。ミー ド氏は、数か月で核爆弾を作る能力を日本は有していると書いた。技術的 にはそうかもしれない。しかし日本国民は憲法の一文字を変えることにさ え後ろ向きのまま今日に至る。核武装を日本人が許容することなど予想で きない。

安倍自民党しかない

日本人の究極のパシフィズム(平和主義)を見透かしたかのようなアメリ カの日本核武装論は、同盟国日本への究極の軽視の表現にも思える。ミー ド氏も含めてアメリカの戦略研究家の多くは、日本の核武装を対中カード として使う。北朝鮮が核保有国になれば、日本は防衛のために核武装す る。日本の核保有は中国への大きな脅威となる。日本をとめるために中国 の影響力で北朝鮮の核・ミサイル開発をやめさせろという主張である。

価値観を共有し、信頼関係を築いてきた同盟国日本の核武装を阻止するた めに、政治体制も価値観も異なり、「偉大なる中華民族の復興」を掲げる 野望大国、中国と手を結ぼうというのが日本核武装に関してのアメリカの 姿勢である。同盟国の核武装をあってはならないことのように位置づけ、 中・長期的に見て事実上の敵である中国と協力するというアメリカに、日 本は提言すべきだ。

日本はアメリカの誠実な同盟国だ。これからもそうありたいと願ってい る。国際社会にも誠実に貢献してきた。日本は侵略戦争をしない。憲法を 改正するのは、強固な軍事力を整備して日本国民を守り、世界に貢献する ためだ。強い日本はアメリカの国益でもある。核武装も含めての議論こ そ、北朝鮮への抑止力となる、と。このように議論できる信頼関係を、日 米両国はすでに築いているはずだ。

今月の総選挙は、こうした危機的問題にどう対応すべきかという国家とし ての根本を問う選挙だ。北朝鮮有事近しという状況下で日本国民の命と日 本を任せられるのは、事実上の旧民進党と小池百合子氏ではあるまい。安 保法制反対の枝野幸男氏でも、日本共産党でもあるまい。やはり安倍自民 党しかないであろう。

『週刊新潮』 2017年10月19日号  日本ルネッサンス 第774回


     
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話 の 耳 袋
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 ◎市バス運賃着服で1億5千万円賠償 京都バス

京都市が市バス運行を委託する京都バスの元嘱託社員が運賃を盗んだ疑い で逮捕された事件で、市交通局は25日、元社員が勤務していた錦林出張所 (左京区)で保管されていた運賃の売上金に、約1億3900万円の不足金が あったことを明らかにした。市は、遅延損害金を含む約1億5300万円を同 社に賠償請求し、全額の支払いを受けた。

元社員は、錦林出張所で市バス運賃の売上金約25万円を盗んだとして7月 に川端署に逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

市によると、元社員逮捕後、運賃を一時保管している同出張所と、運賃を 集約する料金センターの売上金データを照合したところ、データが残る 2014年11月から、元社員が逮捕されるまでの約2年8カ月間に、約1億 3900万円の不足が生じていたことが判明したという。

市交通局は、元社員が1人で担っていた運賃精算業務に関し、規則通り複 数で行うよう指導するとともに、各営業所内に防犯カメラを設けるなど再 発防止策を取った。市交通局は「厳正な公金管理が徹底できず市民におわ びしたい。会社として再発防止策も講じており、業務委託は続ける」とし ている。
京都新聞10/25(水) 23:07配信



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読 者 の 声
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 1)Strategy=戦略とTactics=戦術:前田正晶

広辞苑によると strategy とは「戦略で、戦術よりも広範な作戦計画。 (以下略)」とある。tacticは「戦闘実行上方策。一個の戦闘における戦 闘力の使用法」となっていた。ジーニアス英和には tactic は?[通 例〜s]方策、策略、作戦、戦略。?[〜s](戦争における)戦法、兵 法。とあるのも面白い。

何でこんな話題から入って行ったかと言えば、25日夜、先頃の選挙の結果 をフットボールのコーチ経験者と語り合ったのだった。彼は常に攻撃の作 戦を立てる役目だったので、その視点から見た希望の党と言うかその代表 の小池さんが何故敗れたかを紹介してみたかったのだ。

その前に、言ってみれば会社の経営であれ、各事業部門事の運営方針であ れ、選挙か政治であれ、何を目指すのかについては一貫した戦略があっ て、それを実行していく為の局面毎の戦術があるものだと私は考えてい る。しかも、その戦略には何を目指しているのかは指導者から組織の全員 に明確に徹底して伝えられていなければならない。

ここで一気に小池百合子さんと希望の党の問題点についての結論を言え ば、彼は「小池さんのやり方には一貫性がなく、その局面毎に場当たり的 でしかない作戦を誰にも相談せずに自分だけの判断で立てていったからあ の失敗になって行ったのだとなる」という見解だった。即ち、監督だけの 判断でコーチ不在で突然に何を狙っているのかが不明は指示を出されは、 その場その場で何をどうすべきかが選手(候補者)に徹底しなかったのは 当然だったろう。

そこで、先日私が論じた「組織を運営する能力」に話が戻るのだが、小池 さんの指導者と経営者としての経験の有無が問題になると思うのだ。彼女 はその局面毎に責める(「攻める」ではない)べき相手を巧妙に選んでは 攻撃してきた。それが「ドン」と呼んだ内田茂であり、私が個人的にも不 当だと思った病み上がりの石原慎太郎君に向かっては、ほとんど fake と しか言えない疑いをかけて都議会のまで呼び出していく戦術を見せたの だった。

そして、それらの戦術が不発に終わるや、次の局面では場当たりとしか見 えない戦術を編み出して行ったのだった。それが外部の専門家乃至は権威 者の如きを集めた「何とかかんとか委員会」であり、都民ファーストの会 の代表の入れ替え遊びだったようだ。私にはこの間の次の標的作りは「マ スコミの話題になって頻繁に取り上げられることを狙った広報作戦」だと 見做していた。

しかしながら、段々に形勢我に利無しと見るや、民進党の前原誠司代表と 語らいあった言わば両党の経営統合になっていった。その語り合いの内容 は、野党再編を計画・実行中だったという山口二郎法政大学教授すら知ら ないと言うのだ。だが、民進党のリベラル派を排除するとの作戦は決して 誤りではなかったという意見もあったのに、あの「全員を受け入れるつも りはさらさらない」と「排除します」発言で大袈裟に言えば「九仞の功を 一簣にかく」結果を招いてしまった。

彼女は一度は防衛大臣までを経験したのだから、軍隊(自衛隊)の組織が 如何に出来上がっているかを承知していて然るべきだった。しかし、何も 学習していなかったかの如きで、自分の政党を2度も設立しておきなが ら、ついぞ参謀本部も設けず、諮問機関を置くことなく、練達熟練の参謀 をも採用せず、その緊急事態の局面事に自分だけの判断で場当たりの戦略 を打ち出してきていた印象は否めない。即ち、小池軍団には作戦の狙いが 徹底できていなかったのではないか。

ここまででは、如何にも小池さんが到らなかったことだけを強調してきた ようだとお思う。しかし、何も希望の党だけに限ったことではないと思う 会社経営や事業部の運営し損ないの例は数多くあったと思う。そこで見た 教訓は「指導者には一貫した経営か運営方針が確立され、それが全員に遅 滞なく徹底されているべきだ」という簡単明瞭な事柄だった。社員たちや 選手たちは自分に与えられた課題が何であるか把握していなければ動きよ うがないのだという簡単な話だ。

だが、全員に間違いなく伝えることと、全員が誤解なくその使命を理解す るかは別問題ではないか。十分に認識も理解も出来ていなかったおかしな 議員が自民党の当選2回組から多く出たのも、自民党と雖も、組織の運営 というのは容易ならざる仕事であり職務であると思わせていたではないか。

だからこそ、我が国の会社では新卒者を採用して自社の色に染め上げる教 育をする方式を選び、全体の和を尊しとし年功序列を重視してきた。一方 のアメリカでは、飽くまでも個人が主体で、その能力と経験を買うので、 即戦力となる者どもを中途採用して組織の運営をその故人の力に依存する 方式で臨んでいるのだと思う。

小池さんはやたらに英語の単語を言葉の中に散りばめるのを聞いていて も、アメリカ式の個人の能力を活かそうとしただけではなく自己過信も あって、我が国の政治の世界にも中途半端にアメリカ式を持ち込もうとで もしたのかなと思わせてくれる面がある。


 2)阿生居士のへのへのもへじ(141)10月26日−小池3段飛は無理、 「排除」は前進:品川 阿生居士

25日に開かれた希望の党の両院議員懇談会で、小池代表が敗北責任を認め て謝罪する一方で、代表続投の意向を示した。これに対して出席者から代 表辞任を要求する声が続出した。

当選できた人たちでさえこうだから、落選した150人近くの人たちの当て
外れの恨み節は容易に想像できる。だが、希望の党の敗北は、小池代表の 一人だけの責任によるものだろうか。

小池神話にすがって、きちんとしたケジメがないまま選挙直前に党派をり 換えたり、一夜城のようなにわか作りの党に拠ったりした、候補者たちの 不見識の自己責任はないのだろうか。

希望の党の公約で自民党と明確に違ったものは原発0くらいで、自民党に 対する対抗軸の表明が曖昧で、保守層や浮動層の選挙民に食い込むような 手ごたえがある訴求力が東京都議選のように明確でなかった。

巷間で敗北原因として「排除」発言が問題にされているが、これはやわな 上っ面の話で、本質的な敗北原因は、自民党に対する対抗軸の表明の曖昧 さにあった。このまま行けば、希望の党は。準保守のヌエ的な存在のまま 徐々に党勢を失ってゆくのでないか。

もっと先で小池都政が実績を挙げて、その手法で国政に挑むというのな ら、もうすこし話が違っただろう。都知事選、都議選、衆院選の3段飛は もともと無理な話であったのでないか。

民進党は、その前身の民主党以来、党代表を変えたり党名を変えたりし て、支持度向上に腐心してきたが、どれも成功せずに閉塞感に陥っていた のは判る。だが、前原代表の提案で数日まえに旗揚げした希望の党への合 流が両院議員総会で一致承認されたのには驚いた。だが政治での他力本願 からは功徳は生まれない。

自民党はずれから社会党くずれまでまちまちな人たちの選挙互助会であっ た民主党―民進党は、共産党のような纏まりが欠け、憲法論や安保観が曖 昧でまちまちであった。希望の党への移行で、その点が一応整理され国民 にとって外見的にわかりやすくなった。「排除」が問題だったというが、 希望の党と立憲民主党と無所属の分裂は政界編成のうえで前進である。




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身 辺 雑 記
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27 日の東京湾岸は快晴。

秋田県の田沢湖と台湾の湖を姉妹提携させたことがある。社団法人日米文 化振興会の理事長をしていた頃、畏友加瀬英明氏の計らいで実現したもの だ。あれからちょうど30年経って今回、台湾から多数の代表団がおいでに なり記念式典を上げるので来てほしいというので家人ともどものこのこ出 かけるというわけ。休刊御寛恕お願いします。


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渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>



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