政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針

2017/10/12

   
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わたなべりやうじらうのメイルマガジン「頂門の一針」4485号
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           2017(平成29)年10月12日(木)


           日本の大手銀行が絡んでいた?:宮崎正弘
               ビタミンB1を思う:渡部亮次郎
                             
                        話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記


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第4685号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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日本の大手銀行が絡んでいた?
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)10月10日(火曜日)弐
        通巻第5468号 
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中国の闇の帝王たちに日本の大手銀行が絡んでいた?
 トランプ大統領は郭文貴の政治亡命を不支持
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爆弾男、郭文貴の衝撃の発言が続いている。

博訊新聞(10月9日)は、「トランプ政権は政治亡命申請のでている郭文貴
の米国受け入れに不支持」と報じている。

しかしトランプ大統領はこの問題で、これまで1度も発言をしたことがない。

前々から噂のあったのは安邦保険のボス=呉小暉が米国逃亡直前の郭文貴
に1億ドルを貸したとされる情報だ。

これは日本の某銀行の収賄が絡んでいると博訊新聞(10月8日)に報じてい
るが、呉といえばトウ小平の孫娘と再婚し、「紅二代」に躍進したたぐい
まれな政商の一人であり、ウォルドルフアストリア・ホテル買収ほか、ク
シュナー夫妻との面会経歴など、メディアの話題を集めた。

この呉小暉は当局の手で拘束されたままである。

郭文貴は同じく拘束されたインサイダー取引の元締め=肖建華と組んで、
共産党幹部らの資金洗浄に手を貸して、その裏を知り尽くしているが、な
かなか証拠が挙がらない主因は、郭と肖が組んで新しい手口で資金を隠匿
したかららしい。

郭文貴は金貨(クルーガーランドコイン)を大量に購入し、ほかにドルの
現金などを直接運搬した。

つまり郭が自家用ジェット機や豪華ヨットを富の象徴として保有していた
のではなく、これらによって資金洗浄後の外貨ならびにゴールド・コイン
を諸外国から諸外国へと運搬に利用した可能性が濃厚だという。
          
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1639回】        
――「独逸の活動心憎きまで?溂たるものあるを感じた」――(米内山5)
  米内山庸夫『雲南四川踏査記』(改造社 昭和15年)

              ▽

昆明に近づく汽車の中で「日本語のよく分る學生服を着た支那人」に出合
う。数日前に言葉を交わした岩倉鉄道学校生徒の兄で「東京高等師範學校
の學生」だという。

 昆明に着いて米内山が世話になったのは「南門外の保田商店」である。

保田商店が何を商っていたのかは不明だが、当時の昆明は日本と密な関係
を持っていた。昆明には「日本人の?習が多く、農業學堂などは殆ど日本
人の?習で保つてゐるといふ有様でありまた、日本の士官學校に相當する
雲南講武堂なども、日本人の?習こそゐなかつたけれども、校長初め?官
は殆ど全部といつていゝほど、日本の陸軍士官學校出身の人々であつて、
私共を大いに歡迎した。私は雲南の日本色の濃いのに驚いたのであつた」。

かくて「雲南は極めて好い印象を私に與へた」のである。

ここで米内山の旅から少し離れ、日本と雲南の間の関係が最も緊密だった
頃を振り返っておきたい。

米内山が言及する雲南講武堂は、正式には雲南陸軍講武学堂と呼ばれ、20
世紀初頭に設立されている。共産党政権成立の元勲たる朱徳や葉剣英も学
ぶなど、清朝打倒からの辛亥革命から共産党政権成立までの激動の20世紀
前半の歩みを語るうえで欠くことのできない人物を輩出している。

実は清末の清朝打倒を掲げた革命運動の中心の1つが雲南であり、その原
動力こそが日本の陸軍士官学校に留学した若き将校たちだった。彼らが徹
底した軍人教育を施された日本の士官学校こそ彼らの母校であり、であれ
ばこそ彼らは母校に倣って昆明の地に雲南陸軍講武学堂を創立したのである。

古来、「好鉄不当釘 好人不当兵(いい鉄は釘にならない、いい人は兵に
ならない)」と形容されるように匪賊と五十歩百歩であり社会のクズ以下
の存在でしかなかった兵士を、日本式に徹底して教育し立派な戦士に鍛造
したのである。

ここに加藤信夫が馳せ参じた。東京で革命工作を続ける孫文などに共感し
たことから陸大を退学させられたうえに剥官処分を受けた加藤は、体育学
校を創設し主任として講武学堂の予備教育に力を尽くす。

ある本に「雲南における(清朝打倒)革命の成功は、氏の功績に負ふとこ
ろ少なくなかった」と記されるほどだ。

辛亥革命によって清朝が倒れた後にアジアで最初の立憲共和政体の国とし
て誕生したのが中華民国だが、この時代、雲南を基盤に中国政治に影響力
を発揮した人物の1人が唐継尭である。彼もまた日本の士官学校に学んだ
親日家であり、山縣初男以下数人の日本人を顧問として招請し、省の財
政・軍事などを委ねた。

大正初年頃から末年までのことだが、昆明には100人を超える日本人が在
住し、日本から大工や左官を呼び日本流の座敷を作り、雲南省政府高官の
邸内には桜が植えられ、村上洋行、安田洋行の両商社のもあった。

当時、昆明の湖には日本から持ち込まれたモーター・ボートが浮び、さな
がら昆明の日本人にとっての黄金時代だった、とか。

ところで極東軍事裁判で絞首刑の判決を受け、昭和23年12月23日に巣鴨プ
リズンで処刑された板垣征四郎(明治18=1885年生まれ)だが、その軍歴
を追ってみると、陸大卒業後の大正6(1917年)8月6日に参謀本部附仰附
の辞令を受け昆明に向っている。

2年ほどの滞在の後、漢口に転じた。関東軍参謀長、第5師団長、陸軍大
臣、支那派遣軍総参謀長、朝鮮軍司令官、第17方面軍司令官、第7方面軍
司令官などの要職を歴任した彼は、在中華民国公使館附武官補佐官、奉天
特務機関長なども経験した。

極東裁判では板垣と並んで帝国陸軍を代表する「支那通」で知られた土肥
原賢二、松井石根も絞首刑となっているが、偶然の一致というより復仇――
“狙い撃ち”であり“見せしめ”ということだろう。
         
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之
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(読者の声1)貴著「西郷隆盛」を拝読しました。

通底する日本精神について考察したところが宮崎さんの真骨頂といったと
ころでしょうか。

現在解散総選挙中ですが、政権メンバーに私心を捨て最後は死んでもいい
という人が集まらないと歴史は転換できないものではないでしょうか。

岩倉具視、伊藤博文、大久保利通、木戸孝允、山口尚芳など政府首脳陣を
含む107名の岩倉使節団が渡航中の明治4年(1871年)11月から明治6年
(1873年)9月の約2年間留守を預かった西郷隆盛参議留守内閣は、米国
GHQ製の日本国憲法を70年間そのまま有難く祀っている今の日本人には考
えられない猛烈な大改革を断行しています。

西郷留守内閣は、その2年の間に廃藩置県を施行し、戸籍を整備し(壬申
戸籍)、地租改正条例を布告し、太陽暦を採用し、徴兵制を布告し、と矢
継ぎ早に施策を実行します。

武士道精神を失い、三島さんのいう「無機的な、からっぽな、ニュートラ
ルな、中間色の、富裕な、抜目がない」日本人であふれている平成の御代
にて、このような大改革法案を掲げた上で解散総選挙をしたならば政権惨
敗必定です。

西郷留守内閣は、さらに陸軍省・海軍省の設置、学制の発布、国立銀行条
例公布など大改革を断行し、他方、自由平等をも標榜し、華士族と平民の
婚姻許可、人身売買禁止令、被差別部落解放令、散髪廃刀の自由、仇討ち
の禁止令、などを次々に発布。実に濃い2年間です。

これら一連の改革が、徴税の公平化、高度教育人材の輩出、富国強兵、日
清日露の勝利、等に結実し、黄色人種で初めての一等国と世界に認証さ
れ、俗にいう坂の上の雲を追い駆け上がる際の体力づくりの布石となります。
まさに、私心を捨てて政務を全うした西郷隆盛留守内閣首相の賢人政治の
なせるワザではないでしょうか。
 士気士魂を失った高齢者と怯懦な若者の群なす平成日本。その日本人に
正気を取り戻すきっかけを与える良書です。(KU生 杉並)



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(読者の声2) 講演会3つのお知らせ

3「つともほぼ同じ話をしますが、本邦初公開、驚く話しばかりです。必
見です。いずれか御都合良い方にご参加ください。事前連絡不要、直接お
越しください。懇親会あり、講師も参加。

 ★日時10月14日(土)午後1時30分〜5時
 場所 JA共済埼玉ビル第11会議室(大宮市土手町1-2 大宮駅東口下車
左(北方へ線路沿いを歩いて10分)
 講師 村田春樹
 演題 皇位継承に関する諸問題 譲位・憲法そして三島由紀夫
   講演に先立ち 参議院議員和田政宗先生より国会報告
 参加費 無料
 主催 日本の明日を考える埼玉県民の会
 事務局 蓮見一郎(090-3247-3392)
     竹本博光(090-8815-4986)


★日時 10月15日(日)午後1時30分〜4時
 場所 船橋市勤労市民センター2階第一講習室
船橋市本町4-19-6 JR船橋駅中央口を出て南口方面徒歩5分、京成鉄道高
架線路をくぐるとすぐ、マツモトキヨシあり、この飲食街を通ってすぐ。
 講師 村田春樹
 演題 皇位継承を巡る諸問題 譲位・憲法そして三島由紀夫
 参加費 500円
 主催 船橋・史の会 愛甲浩一郎(07053754915)


★日時 10月18日(水)午後6時開場6時20分開会〜8時30分
 場所 大阪市立総合学習センター(大阪駅前第二ビル五階第五研修室)
 講師 村田春樹
 演題 「楯の会」の遺したもの
 参加費 2,000円(会員は1,000円) 学生200円
 主催 21世紀日本アジア協会(日亜協会) 林(090-3055-5133)



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(読者の声3) 『週刊新潮』10月12日号は「小池百合子の希望・横暴・票
泥棒」という特集を組んでいますね。全体的になかなか面白いのですが、
特に、哲学者・適菜収氏の「大衆扇動の『小池劇場』に熱狂『B層』が日
本を滅ぼす」という小論は、ほぼ小生の意見と同じで、共感しました。

「B層」というのは2005年の郵政選挙の際に使われた概念ですが、適菜氏
は「小池は自分はA1だと言いましたが、たしかにそこには人間に備わる
良心がない。冷徹で非情で傲慢で卑劣。世の中を混乱に陥れても、反省す
ることはない」「小池の独裁まがいのやり方も、B層はリーダーシップと
勘違いする」と述べていますが、こうした形容は、小泉についてもほぼ当
てはまるもの、というよりも、小池は、小泉純一郎とせいぜいのところで
同類かそれ以下でしょう。小池のパーソナリティは、栗本慎一郎氏が小泉
について述べた表現と近似しているように私には思えます。

栗本氏は『純個人的小泉純一郎論』(2006年9月イプシロン出版企画刊)
の中で、小泉について「友人としても政治家としても、中身がなく、魅力
もない男」「思考とか、思想とか、苦悩とか、同情とか、人間が人間であ
るために必要な諸条件のどれをとっても空虚な男」(6)「頭も悪いが性
格も悪い。・・・彼はよく『非情だ』と言われるが、それは正確ではな
い。彼は自分がやっていることの社会的意味をわかっていないだけなの
だ」(64)等と述べています。

この『週刊新潮』10月12日号では、櫻井よし子氏の「政権担当の資格はあ
りや希望の党」という小論もよい。希望の党に政権担当能力などあろうわ
けがないでしょう。

さらに、佐伯啓思氏の、特別読物「『核の傘』は日本を守ってくれない」
という小論もよい。佐伯氏が「実際、核開発の停止と北朝鮮の体制保障を
交換条件とした妥協がなされたとしても、北朝鮮が本当に核開発を放棄す
るなどとは誰も考えていない。

時間がたてばたつほど、北朝鮮の核ミサイルに関する技術は高度化するだ
ろうから、当面の話し合いによる戦争回避が、本当に最善の解決策かどう
かもわからないのである」と述べられるのは、次元の違いはあっても(私
には、北朝鮮の肥満した若造の低劣さは、ヒットラーと同列に比べるのも
愚かなほどのひどいレベルに思えます)、 映画「日の名残り」にも描かれ
る、チェンバレン融和政策の失敗を想起させます。

『週刊新潮』という雑誌は、こうした硬派記事もなかなか水準が高いので
すね。基本的には一般大衆向けなので、小難しい表現等を避け、簡明に述
べられたよい論が多い。

選挙結果について、10月10日付通巻第5468号見出しでは、「自民党辛勝の
展開か」とされています。

選挙はミズモノでしょうが、私は、自らの期待と願望を込めて、バッジ喪
失忌避という自分ファーストの念だけで野合したガラクタ集団の敗北、自
民党の勝利(現有議席率の保持または上昇)を「予期」したいと思います。
   (CAM)



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(読者の声4) 国防問題研究会国防講座の記録です。桜林美佐氏(防衛問
題研究家・ライター)の「自衛隊の現状と課題」
               ▽
私は今年、著書『自衛官の心意気』をPHP研究所から出版した。一昨年
前の平和安全法制成立に伴う集団的自衛権の行使容認を受け、現場の自衛
官の気概あふれる姿を書いてほしい、という依頼で執筆したものであり、
タイトルは最初から決まっていた。

しかし、なかなか筆が進まず、多くの自衛官に遭って気概を問うているう
ちに、脱稿まで1年半ほどを要した。この著書執筆を通じて分かったこと
は自衛隊に対する誤解があることだった。

これまで自衛隊は「冷や飯食らい」、憲法違反という扱いを長い間受けて
きた。その反動からか、近年では自衛隊が過剰な称賛や期待を受けつつあ
り、そうした見方も修正もしていかなければならないと考えている。

私は先人たちの思いを多くの人に伝えようとして生きてきた者であり、先
人たちの「後を頼む」という言葉を胸に刻んできた。現代に生きる私たち
にとっては、自衛隊を確固とした組織にしなければならず、そのためにも
自衛隊への評価や認識をしっかりしなければならない。

率直に言うと、自衛隊は限られた範囲の中で活動してきたので、近年では
「・・・しかできない」という冷めた感覚の人が多くなっている。特に三
島事件以降、自衛官の意識はニヒリズムや官僚化が進行してきたように思う。

その一方、自衛隊には私たちの想像を超えた感動や物語があり、いい意味
で期待を裏切ってくれ、驚かせてくれるところがある。

著書『自衛官の心意気』はそうした側面を多く集めたものである。また、
夕刊フジの連載をもとにした著書『日本に自衛隊がいてよかった』(産経
新聞出版)は東日本大震災以降の自衛隊の活動を取材したものである。た
だし、私のスタンスは自衛隊応援団ではなく、自衛隊はきちんとした組織
であってほしい、というものである。

自衛隊の特徴は我慢強い組織であることだが、同時にそれは欠点でもあ
る。たとえば、昨年、政府は南スーダンに派遣される部隊に新任務として
「駆けつけ警護」を付与した。これに賛成する側も反対する側もある種の
「駆けつけ警護」を過大評価しているというのが私の感想だ。

従来、自衛隊は自己及び自己の管理下にあるものだけを守れたが、平和安
全法制成立以降は妨害する相手を排除できるようになった。
これは自らの身を縛っていた100本のロープのうち、1本が解けたような
ものだ。
相手に危害を加えるような武器使用は正当防衛と緊急避難のみに限られて
おり、実際は中途半端なものだ。

▼駆けつけ警護の問題点

このため、「駆けつけ警護」は現地で活動中の外国の部隊の足を引っ張る
ことになるのではないか、という意見は賛成派と反対派の双方にある。実
際、現場の自衛官は「駆けつけ警護」が法制化される以前から、必要なら
ば自らの判断と責任で警護を実施する覚悟でいたのであり、今回の法改正
をどのように説明するかという点は自衛隊にとっても難しい問題であった。

そもそも自分が盾になり、撃たれる覚悟でやってきたという話は陸上自衛
隊だけでなく、海上自衛隊にもある。一緒に活動中の米軍が攻撃されたと
き、そこに割り込んで撃たれることで正当防衛を成立させるつもりだっ
た、ということは当たり前のように言われてきた。そうした非常識な運用
が平和安全法制によって多少改善されたにすぎない。

陸海空の3自衛隊は性質と出自が全く異なる。陸上自衛隊の起源は朝鮮戦
争時に発足した警察予備隊であり、当初は旧軍で少尉以上の階級だった人
は入隊できなかったため、軍としての体をなしていなかった。

一方、海上自衛隊の前身である海上警備隊は警察予備隊の1年後に設立さ
れた。

当初は海上保安庁と一体となって活動すべきだという意見もあったが、旧
海軍の関係者が働きかけた結果、警察と異なる組織として発足することに
なったのである。

言うなれば、海上自衛隊はうまくやることで誕生したが、陸上自衛隊は厭
戦気分が広がっていた時代背景の中、旧軍との違いをアピールすることで
誕生したのである。

その結果、陸上自衛隊の歴史を見ると、ある種の卑屈さや謙虚さがあるこ
とに気付く。地域における祭りの支援や援農、部外工事などがその代表例
であり、「愛される自衛隊」をモットーにして活動してきたのである。昭
和の時代は自衛隊がサービス業のような感覚で地域と密着し、連隊長が毎
日酒席を回っていたこともあった。しかし、自衛隊の活動が多角化してき
た現在、こうした在り方は見直されるべきだと思う。

 ▼ペルシャ湾派遣から性格に変化が。。。。

自衛隊の性格が大きく変化するのは平成になってからであり、その転機が
平成3年の海上自衛隊掃海艇部隊のペルシャ湾派遣であった。もともと掃
海艇部隊は下関など、国内での活動を前提としたものであり、小型の木造
掃海艇がペルシャ湾に派遣されることは想定外だった。
 

しかし、この任務を体験することで、翌年にはPKO協力法が成立し、以
後、自衛隊はカンボジアなど世界各地で実績を重ねていくことになる。そ
れまでの自衛隊は自分たちの実力や評価、すなわち、パブリック・ディプ
ロマシーを知らなかったが、ペルシャ湾やカンボジアでの派遣によって、
外国から高い評価を受けるようになる。

南スーダンでも自衛隊は外国の軍隊と異なり、休日の際、自主的に子ども
と遊んだり、ごみの捨て方を教えるなどしたことが現地で歓迎されること
になった。

PKOで主体となるのは施設科部隊であり、本来の陸軍工兵と違い、道路
整備や学校建設などの活動、あるいは現地人に重機の使い方を教える能力
構築支援の面で貢献しているのが特徴である。現在、PKO活動の在り方
は停戦監視よりも文民保護の方向に変化している。

道路整備などのニーズはあっても、自衛隊だけがそれに専念することは難
しい。こうしたことから、私は今後も自衛隊がPKO活動に従事するのは
難しくなるのではないかと思っている。

南スーダンへの自衛隊派遣は国連を重視するオバマ政権からのプレッ
シャーによるものであったが、現地の情勢が悪化すれば撤収することは安
倍総理も明言していたことである。

しかし、現地に派遣されていた自衛官にとっては、情勢が悪化していると
きだからこそ現地の人々を守らなければならず、撤収の判断は受け入れが
たかったはずである。

かつてルワンダに派遣されていたベルギーのPKO部隊は学校の警備任務
を中断して撤収することになったが、その直後に数千人が惨殺される悲劇
が起きた。

当時のカナダの司令官はそれが原因でPTSDに苦しむことになったが、
南スーダンに派遣されていた自衛官にも同じ思いがあったはずである。

なお、PKO部隊が撤収するには本来であれば1年かかるが、2ヶ月で撤
収できたのはNSC(国家安全保障会議)を通じて、省庁間の連携がうま
く機能したためである。

現在、自衛隊はどのような進化をたどっているか。まず、その大きな流れ
の一つが統合運用であり、今年で10年目を迎える。

軍の統合運用はアメリカ、イギリス、オランダ、中国、カナダなど世界的
な流れであり、陸海空軍に加え、サイバーや宇宙、電磁スペクトルがクロ
ス・ドメインした形が常識になりつつある。

▼陸自削減論は誤り

なお、現在の日本には日本経済新聞や読売新聞のように防衛費増額には賛
成しつつ、陸自削減を求める論調が見られるが、これは誤りである。

日本の統合運用は比較的にうまくいっており、その最も大きな理由として
陸海空に分かれた士官学校と異なる防衛大学校の教育がある。

また、災害派遣も陸海空の3自衛隊が一体になって取り組んでおり、ミサ
イル・ディフェンスもその方向で進むと思われる。平成25年に国家安全
保障戦略が策定され、これを受けて防衛大綱や中期防衛力整備計画が作成
されるようになった。平成26年にはNSC(国家安全保障会議)が設立
されており、今後、防衛力整備の上で実効的な組織になることが期待され
ている。

自衛隊が進化していく上でのもう一つの変化が防衛省改革、すなわち、
UC一体化である。Uはユニフォーム(制服組)、Cはシビリアン(背広
組)のことである。かつては自衛隊のトップが単独で総理と会談すること
はできなかったが、現在では総理と頻繁に会うことができるようになった。

平成27年に内局の運用企画局が廃止されて統合幕僚監部に吸収され、その
結果、統合幕僚長が総理や防衛大臣を直接補佐するようになった。これは
ミサイル危機に象徴される時代の変化を背景としたものであり、わざわざ
内局を通さなければいけない時間を省略するためである。

次にヒト・モノ・カネの現状について見ていきたい。

防衛費が増額傾向にあることは事実だが、その44%は人件費と糧食費であ
る。自衛官は特別職国家公務員であり、人事院勧告に対応して給与が上が
り、これによって防衛費が増額されるのは当然である。

防衛費の3割を占めるのが装備品についての支払いであり、単年度ではな
く、ローンで分割して支払っている。そして、残り3割が一般物件費であ
り、その大部分は基地対策費や米軍への「思いやり予算」である。

また装備の維持費も大きな負担になっており、新規装備の購入費や研究費
にあてられる予算がごく僅かである。したがって、防衛費は増額傾向にあ
るとはいいながら、純粋に自衛隊のために使われている予算は少ないので
ある。その結果、トイレットペーパーなどの必需品や食事の内容に加え、
営内には空調がないなど、自衛官は厳しい生活を強いられているのである。

 ▼定員に比して2万人が不足している

現在、陸海空の3自衛隊を合わせると、定員に比して2万人近くの自衛官
が不足している状態であり、海上自衛隊だけでも3000人近く不足してい
る。2日に一度は当直が回ってくるような過酷な勤務状態が続いているこ
とは深刻である。自衛官の数を減らしてきたのは自民党政権であり、最近
になって数百人増員しても追いつくレベルではない。

自衛隊への志願者が減った原因には少子高齢化、有効求人倍率の上昇、警
察官・消防官の待遇改善がある。最近は女性の社会進出に対応して女性自
衛官の採用枠を増やしているが、厳しい予算状況を考えると、少数の女性
自衛官のために施設を改装する余裕はないはずだ。 

最後に防衛産業をめぐる問題に言及しておきたい。さきほど述べたよう
に、近年になって防衛費は増額傾向にある。

しかし、調達されている装備品は国産ではなく米国製のものばかりであ
り、この傾向はトランプ政権に交代してから強まっている。イージスア
ショアはいいにしても、オスプレイやグローバルホークを購入することは
リスキーだと思っている。

F35戦闘機も日米共同開発とはいいながら、最終組み立てをする三菱重工
は下請け的な役割である。折角、日本が培ってきた防衛産業が今になって
手放しつつあるのが現状である。

こうした状況を打開するため、日本国内では武器輸出に期待が集まってい
るが、日本は純粋な軍需産業があったわけではなく、防衛産業は大企業の
一部門でしかない。

防衛産業と呼ばれる企業も防衛依存度は平均で約4%にすぎない。ようや
く3年前から日本企業も海外の武器展示会に出展するようになったが、イ
メージ面も含め、武器輸出に対する企業の取り組みは消極的である。

しかも実際に輸出することになった場合の設備投資も大変である。新明和
工業が開発した飛行艇であるUS2をインドに輸出する計画があるもの
の、インド側の関係者を自衛隊の施設に入れるのはどうすればいいか、
US2をインドまで持っていくにはどうすればいいかなど、日本国内の法
的基盤や資金援助体制は整備されていないままである。
 このように防衛装備品の輸出は産業的なメリットはないものの、外交上
のツールとしては有効な面がある。企業に丸投げするのではなく、政府が
支援する体制を整えることで、現状を改善していく必要があると考える。
                      (三島由紀夫研究会事務
局速記)


 
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ビタミンB1を思う
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   渡部 亮次郎

1882(明治15)年12月、日本海軍のある軍艦は軍人397名を乗せて、東京
湾からニュージーランドに向け、272日の遠洋航海に出航した。

ところがこの航海中、誰一人として予想もしなかった大事件が降ってわい
た。なんと169名が「脚気」にかかり、うち25名が死んでしまったのだ。

この、洋上の大集団死亡という大事件は、当時の日本列島を震撼させた。
屈強な海の男達の死。なぜだ。この不慮の大事件が、ビタミンB1の欠乏に
よるものだとは、この時点ではまだ誰も気づいた人はいなかった。

ビタミンB1の存在が発見され、栄養学的、学術的な解明がなされたのは、
このあと28年間をまたなければならなかった。

しかし、かねてから軍人達の脚気の原因は、毎日食べる食事の内容にあり
とにらんでいた人に、高木兼寛という人物がいた。彼は当時、海軍にあっ
て「軍医大監」という要職にいた。

高木兼寛(たかぎ かねひろ)

宮崎県高岡町穆佐(むかさ)に生まれ、イギリスに留学し帰国後、難病と
いわれた脚気病の予防法の発見を始めとして日本の医学会に多大な貢献を
した研究の人。

慈恵会医科大学の創設、日本初の看護学校の創設、さらには宮崎神宮の大
造営などの数々の偉業を成しとげた。

<白米食から麦飯に替えて海軍の脚気を追放。1888(明治21)年、日本で
初の医学博士号を受ける。>(1849-1920)(広辞苑)

高木軍医大監は、この事件をつぶさに調査した結果、次の航海で軍艦乗組
員を対象に大規模な "栄養実験" を行うことによって、脚気の正体を見極
めようと決意した。

脚気による集団死亡事件から2年後の1884(明治17)年、こんどは軍艦
「筑波」を使って、事件が起こった軍艦と同一コースをたどった実験が始
まった。

高木大監自らもその軍艦に乗りこみ、兵士達と起居、食事を共にした。高
木まず、乗組員の毎日の食事に大幅な改善を加えた。これまでの艦の食事
は、どちらかというと栄養のバランスというものを考える余地がなく、た
だ食べればよいといった貧しい「和食」だった。

高木は思い切って「洋食」に近いものに切り替えた。牛乳やたんぱく質、
野菜の多いメニューだ。よい結果が明らかに出てきた。287日の航海の間
に、おそれていた脚気患者はわずか14名出たのみで、それも軽症の者ばか
り。死者は1人も出なかったのだ。

高木軍医大監は快哉を叫んだ。「オレの考えは間違っていなかった」と。
以上の実験的事実に基づいて、日本海軍は、そののち「兵食」を改革した。

内容は白い米飯を減らし、かわりにパンと牛乳を加え、たんぱく質と野菜
を必ず食事に取り入れることで、全軍の脚気患者の発生率を激減させるこ
とに成功した。

一躍、高木軍医大監の名が世間に知れ渡った。今日では、脚気という病気
はこのように、明治の中期頃までは、大きな国家的な命題でもあったわ
け。皇后陛下も脚気を患って困っておられたが、高木説に従われて快癒さ
れた。明治天皇は高木を信頼され、何度も陪食された。

この頃、陸軍軍医総監森林太郎(鴎外)はドイツのパスツール説に従い
「脚気細菌説」を唱え続けたばかりか、高木を理論不足と非難し続けた。

脚気にならないためには、たんぱく質や野菜を食事に取り入れることが有
効であることはわかったけれど、それらの食品の含有する栄養素の正体に
ついては、ほとんど解明されていなかった。これは前にも触れた通り。

栄養学の研究は、ヨーロッパでは19世紀の半ば頃から盛んに行われ、たん
ぱく質のほか、糖質、脂質、それに塩類などを加えて動物に食べさせる、
飼育試験が行われていた。

だが、完全な形で栄養を供給するには、動物であれ人間であれ、「何かが
足りない」 というところまでがようやくわかってきたにすぎなかった。
その何かとは、今日の近代栄養学ではあまりにも当たり前すぎる「ビタミ
ン」「ミネラル」のこと。当時はしかし、その存在すらつかめていなかっ
た。

日本でビタミン学者といえば、鈴木梅太郎博士。米ぬかの研究でスタート
した鈴木博士が、苦心の研究を経てビタミンB1を発見したのは1910年、明
治43年のこと。陸軍兵士が脚気で大量に死んだ日露戦争から5年が経って
いた。高木海軍軍医大監の快挙から、実に28年もかかっていた。

鈴木梅太郎博士は最初は「アベリ酸」として発表し、2年後に「オリザニ
ン」と名付けた。このネーミングは、稲の学名オリザ・サティウァからつ
けたものと伝えられている。

しかし世の中は皮肉なもので、鈴木博士の発見より1年遅い1911年、ポー
ランドのC・フンクという化学者が鈴木博士と同様の研究をしていて、米
ぬかのエキスを化学的に分析、「鳥の白米病に対する有効物質を分離し
た」と報告、これをビタミンと名付けてしまった。

ビタミンB1の発見者のさきがけとして鈴木梅太郎の名は不滅だが、発見し
た物質のネーミングは、あとからきたヨーロッパの学者に横取りされたよ
うな形になってしまった。

それにしても、言い方を換えれば、明治15年、洋上で脚気のため命を落と
した25名の兵士の死が、28年を経て、大切な微量栄養素の一つ、ビタミン
B1の発見につながったと言うべきで、その意味では彼らは尊い犠牲者とい
うべきだ。 (以上は栄養研究家 菅原明子さんのエッセーを参照)

私が思うには、日本人が宗教上などの理由から、4つ足動物を食べる習慣
の無かったことも原因にある。特に豚肉はビタミンB1が豊富だが、日本
人は明治天皇が牛肉を食べて見せるまでは絶対に4つ足を食さなかった

2002年3月、2Ch上で、脚気をめぐって、時ならぬ森鴎外論争がおこっ
たことがある。

<日露戦争は1905年。 ビタミンBが初めて発見されたのは1910年。欧米の
学会で細菌説が否定されたのはもっと後。 高木兼寛が、日露戦争以前に
玄米を食することにより脚気が防げると 発見したのはすばらしいことで
あるが、具体的理論に乏しかったのである。>

<でも、明治前期から「具体的事例」は山ほど出てたよ。 明治天皇も玄
米の効用には気付いていた。「別に毒でもないんだし、効用があるなら食
べさせておこうか。 理由は後で追及しよう」という姿勢をとらずプライ
ドのために自分達の頭の中での学説を優先させたし高木らを誹謗した。森
一派は有罪。>

<海軍がらみの病気と言えば、ビタミンC欠乏で起こる壊血病が有名です
が、ビタミン Cの発見はビタ ミンB1より後です。 これは、原因は不明な
がらも、野菜や果実ないしこれらの絞り汁で予防・治療が可能だとわかっ
て いたのと、壊血病を起こす動物が限られている事などの理由で、実験
ができなかったことが影響しているそうです。(治療法が確立していたた
め、「学術的興味」のための人体実験などはできなかった。)

「具体的理論」などにこだわって治療法の確立を遅らせるのは、本末転倒
でしょう。 海軍の軍医として、食餌の不良が壊血病のように致命的な疾
病の原因になりうるという認識を持って いた高木氏が、「栄養上の問
題」という仮説を立てたのは、ごく自然な事に思えます。

このときに「不足している」と仮定したもの(タンパク質だったか?)
は、結果的には誤りだった訳 ですが、何の仮説もなく闇雲に行動してい
た訳ではない。

そもそも「細菌説否定」もなにも、細菌が原因であるという事自体が、確
たる根拠を持たない一仮説 に過ぎないわけです。 当時、日本人医師達と
の対談で、コッホが「細菌が原因かどうかという検討の前に、診断法を確
立し て、『どういう状態なら脚気なのか』を確定するのが先ではない
か」というようなアドバイスをした と聞きます。

これも、確たる根拠のないまま、「とにかく細菌が原因」という思込
みで突っ走るの を危惧したためでしょう。>

渡部註:日本でしか罹患しない脚気だったが、江戸時代から「江戸わずら
い」と言われたように、脚気は東京の風土病と疑われた時期もあった。

<脚気に麦飯や玄米が有効だという知見そのものは、高木氏の 独創では
ないです。 高木氏の功績は、多数の患者を出した航海の記録などから、
「栄養不良ではないか」という仮説を立てるとともに、具体的な給食改革
案を提示し実証したところだと思います。

それはともかく、森林太郎という人が非難されているのは、彼が自力で脚
気の 治療法を確立できなかったからではない。>

<日露戦争時といえば、海軍から脚気が消えてから久しくたっており、陸
軍でも 地方では独自に麦飯給食などをしていたそうです。

経験的にとはいえ予防法が一応認められていた時期に、敢えてそれを否定
する がごとき方針を押し通し、多数の病者を出したというのは、とても
「ミス」な どというレベルではない、「未必の故意」による犯罪行為で
しょう。 >

<1905年当時は、ビタミンのような希少栄養素という概念が無かった。近
代的な医学というのは、まだ始まったばっかりで コッホとパスツール
が、細菌の発見→純粋培養による特定という 手法を編み出し、初めて病気
に対して、近代的なアプローチが、とられるようになったばかりだ。

だから、当時の医学では病気というのは病原菌が元で発生するもの以外に
対する ものに対しては全く無力。 当時は、癌でさえ、寄生虫か病原菌で
発生するものだとまじめに考えられていた時代であった。

いまでも、何の根拠も無い民間療法で完治してしまう人がいるように 統
計的に明らかな改善があったからといって そのやり方が正しいとは一概
に言えないのが医学。

統計結果を基に効果を推測するには、プラシーボ効果をかんがみた上で
その影響を除去して考えなければならない。 然るにプラシーボ効果に対
する実証的な研究がなされたのは1954年以降のこと。 それまで、医学で
は統計的なアプローチというのはあまり当てにならないものとされてい
た。>2006.05.07




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話 の 耳 袋
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 ◎【国難を問う(1)】 迫る北朝鮮有事 後方支援、難民、戦費…日本に課せられる重い課題とは?

「今年暮れから、来年にかけて、なかなか選挙をやっているという状況ではなくなっていく…」

首相の安倍晋三は8日、インターネットテレビ局「AbemaTV」に出演し、衆院解散に踏み切った最大の理由が北朝鮮情勢だったことを明かした。

北朝鮮は米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めている。9月3日には6回目の核実験で水爆の保有を誇示、弾頭小型化の技術もほぼ手中に収めた。

これに対し、米大統領、ドナルド・トランプは、北朝鮮・朝鮮労働党委員長、金正恩を「ロケットマン」呼ばわりし、「炎と怒り」「完全破壊」などと恫(どう)喝(かつ)してきたが、10月7日のツイッターはやや冷静だった。

「過去の米大統領は25年間北朝鮮と対話し、大量の金が払われてきたが、合意はインクが乾かぬうちに破られ、米政府の交渉者はこけにされた。もはや有効な手段は申し訳ないが、1つしかない」

読みようによっては「最後通告」と受け取れる。だが、防衛関係者がそれ以上に衝撃を受けたのは、米国防長官、ジェームズ・マティスの発言だった。

9月18日、マティスは米国防総省で記者団にソウルを危険にさらすことなく北朝鮮の核・ミサイルを無力化する軍事オプションがあるのかどうかを問われ、「ある」と断じたのだ。

この発言は、米軍がすでに軍事シミュレーションを終えたことを意味する。一歩踏み込めば、米軍はすでに攻撃準備段階に入っている可能性もある。

1994年の北朝鮮危機でも、米大統領(当時)のビル・クリントンは軍事行動を検討した。ところが、米軍の試算は、最初の90日間で米軍死傷者5万2千人、韓国軍死傷者49万人、民間人も含めると100万人超の犠牲者が出るという衝撃的な内容だった。

これでクリントンは対話路線にかじを切った。だが、マティス発言の通り、韓国の被害が最小限で済むならば米政権が軍事行動を思いとどまる理由はない。

   
               × × ×

米政府が軍事行動に踏み切るまでには、少なくとも2カ月の猶予がある。総攻撃には周到な準備が必要となるからだ。

米国防情報局(DIA)の分析などによると、北朝鮮は北緯38度線の非武装地帯(DMZ)周辺に火砲8千〜1万門を並べ、日本に到達する中距離弾道ミサイル「ノドン」200発、短距離弾道ミサイル「スカッド」800発、核弾頭最大60発を保有するとされる。

日本や韓国への被害を最小限に抑えるには、これらの火砲やミサイル群に加えて、レーダー施設や武器・弾薬庫などを一気に破壊する必要がある。

このためには、米軍が保有する空母11隻のうち半数を空母打撃群として北朝鮮近海に展開せねばならない。あわせて在韓米国人約26万人の退避も行わなければならず、これらに約2カ月必要とされる。

ということは、朝鮮半島情勢が緊迫するのは早くても12月以降。安倍が「衆院解散で政治空白を作るのは北朝鮮情勢が小康状態である今しかない」と判断したのは、このためだった。

   
            × × ×

たとえ、米軍の総攻撃が短期間で終了しても、北朝鮮有事はここで収束するわけではない。

北朝鮮有事となれば、米政府は間違いなく日本政府に全面協力を求める。

自衛隊が、弾薬補給や給油など米軍の後方支援を行うには、日本政府は安全保障関連法に基づき「重要影響事態」と認定せねばならない。一歩進めて集団的自衛権を行使するには「存立危機事態」の認定が必要となる。いずれも政府は迅速かつ的確な判断を迫られる。

日本海に北朝鮮から大量の難民が押し寄せる事態も想定される。

問題はどこでどのように難民を収容するか。難民の中に工作員や武装難民が紛れ込んでいる可能性があるため、一般国民から隔絶された離島などに収容施設を造る必要がある。

難民を保護しつつ武装難民の活動を抑止するには、警察官よりも自衛隊員による警備が望ましいが、自衛隊による警備には治安出動の発令が不可欠となる。

政府関係者は「そうした準備はほとんどできていない」と語るが、政府内で極秘裏に検討が始まっていると見てよい。

副総理兼財務相の麻生太郎は9月23日に宇都宮市での講演でこう語った。

「難民が船に乗って新潟、山形、青森の方に間違いなく漂着する。不法入国で10万人単位。どこに収容するのか。警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」

一部メディアは「射殺」という言葉だけを批判したが、発言は政府が難民問題を真剣に検討している証左だといえる。

   
             × × ×

 戦費負担も大きな問題となる。

1991年の湾岸戦争で米軍が費やした戦費は611億ドル(現在の為替レートで約6兆8700億円)だった。北朝鮮有事ではどれぐらい必要なのか。

94年の朝鮮半島危機で米軍がはじいた試算は湾岸戦争とほぼ同じ610億ドルだったが、装備も人的コストも当時とは大きく違う。さらに膨らむ公算が大きい。

 湾岸戦争の戦費の88%は湾岸諸国などが負担した。トランプが日本に「応分の負担」を求めぬはずがない。政府高官は「求められる負担は消費税の増税分では済まないかもしれない」と語った。

日本の負担は戦後処理にまで及ぶ可能性もある。仮に韓国と北朝鮮が戦争後に統一すれば、統一経費は400億ドルとも1400億ドルともいわれる。一体どこがいくら負担するのか。関係国間で熾(し)烈(れつ)な外交駆け引きが始まるだろう。国会も紛糾するに違いない。

   
              × × ×

「この北朝鮮の危機に、安保関連法がなければ大変なことになっていた」

安倍は衆院解散後、安保関連法の意義を繰り返し強調してきた。

確かに安保関連法成立により、限定的ながら集団的自衛権行使が認められ、自衛隊は戦闘地域で補給支援や機雷除去などを行うことができる。平時でも海上自衛隊が米海軍艦艇の防護や補給をできるようになった。

とはいえ、「日本の安全に直接的な脅威」とならない限り、自衛隊は十分な役割を果たすことができない。例えば、補給を行う海域で戦闘が始まれば、自衛隊は米艦艇を見捨てて撤退しなければならない。

海上封鎖についても自衛隊の参加は難しい。国際法上、臨検は「武力行使の一環」と位置づけられ、憲法9条が禁じる「武力行使の一体化」となりかねないからだ。そもそも自衛隊は積み荷押収や武装解除など強制権限を有していない。

補給もできない。臨検もできない。となると日米同盟にひびが入りかねない。

そんな事態に陥っても国会で野党は「安保関連法は憲法違反」だと騒ぐつもりなのか。今回の衆院選は日米同盟の行方そのものを問うている。(敬称略、杉本康士)

【写真】 北朝鮮の労働新聞が8月26日掲載した、韓国の延坪島と白●(=領の頁を羽の旧字体に)島の占領を想定した特殊作戦部隊による攻撃訓練の写真(コリアメディア提供・共同)
<http://www.sankei.com/politics/photos/171012/plt1710120027-p1.html>http://www.sankei.com/politics/photos/171012/plt1710120027-p1.html
【産經ニュース】 2017.10.12 01:00 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎【激闘10・22衆院選】小池代表「希望」は苦戦、立憲民主党が大健闘
 松田馨氏の全議席予測「有権者は政治家不信を深めてしまった」

第4810日公示され、22日の投開票に向けて、激しい舌戦がスタートした。
安倍晋三首相(自民党総裁)の政権運営を問う選挙戦は、北朝鮮情勢が緊
迫するなか、外交・安全保障政策や、消費税増税と社会福祉政策、憲法改
正など、主要争点で立場が異なる「自公与党vs希望、維新vs共産、立
憲民主、社民」の3極候補が激突する構図となった。

夕刊フジで、選挙プランナーの松田馨氏に現時点での議席予測を依頼した
ところ、小池百合子代表(都知事)率いる希望の党が失速し、自公与党が
再浮上、枝野幸男代表の立憲民主党が大健闘している。「小池劇場」はこ
のまま終幕するのか、新たな見せ場をつくるのか。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
「野党が分裂状態で戦う、選挙戦の構図が固まった。民進党の希望の党へ
の合流構想が持ち上がったとき、『自民、公明両党vs希望の党+連合』
という構図になるとみられたが、一連の騒動を経て、反与党勢力が希望の
党と立憲民主党、共産党に分裂した。小池氏は『新排除の論理』を掲げ、
枝野氏らの合流を拒絶したが、希望の党の公認候補選定をめぐる小池氏の
言動は、与党に対抗する野党結集の機会を『リセット』してしまった」

10・22衆院選について、松田氏はこう分析した。

注目の選挙戦は、「自民、公明与党vs希望、維新vs共産、立憲民主、
社民」という3極が激突する構図となった。

前提の投票率は、過去最低の2014年12月衆院選の52・66%と同水準か下回
る−とした。「1票の格差」を是正する「0増10減」(小選挙区0増6
減、比例区0増4減)が実施され、衆院定数は475から465に減った。

前回予測(9月29日発行)では、小池氏率いる希望の党が「小池旋風」を
巻き起こし、148議席を獲得する−と予測した。だが、民進党出身者の公
認選定をめぐるゴタゴタを経て分裂した結果、希望の党=52議席、立憲民
主党=36議席−に激減すると分析した。民進党は解散前、88議席あった
が、単純計算では差し引きゼロだ。

致命的だったのは、「選挙上手」「政局の女王」と言われた小池氏の戦略
ミスだという。

松田氏は、失速原因について、(1)都政投げ出し批判(2)民進党左派
に対する新・排除の論理(3)候補者擁立(4)支持率の急落−を指摘
し、解説した。

「2020年東京五輪・パラリンピックの準備や、築地市場の移転問題をほっ
たらかしにして、国政に色気を出したことに世論が大反発した。さらに、
小池氏が民進党左派に『新排除の論理』を掲げ、『憲法改正』『安全保障
関連法の容認』を求めた。これに反対する面々に対し、『はい、排除しま
す』と言い切ったことが致命的だった。小選挙区で野党が分裂したのは、
致命的だった。都議選のときのような緻密な候補者擁立戦略がなく、自身
の出馬もなく目玉候補もいないことで期待がしぼんでしまった。結果とし
て、小池氏の最大の武器だった支持率も、この2週間で大きく下落している」

小池氏が「しがらみのない政治」「寛容の保守」を旗印に立ち上げた希望
の党だが、当初の期待感はしぼみ、批判・反感に変わったというのが実情
のようだ。

こうした小池氏の姿勢に反発し、枝野氏は立憲民主党を立ち上げた。希望
の党に排除された人々中心だが、日本人の判官びいきと、「主義主張を貫
いた」というイメージもあり、36議席に大躍進しそうだ。

ただ、同党には、枝野氏を筆頭に、「史上最悪の宰相」こと菅直人元首相
や、福山哲郎元官房副長官など、あの菅政権の主要メンバーがズラリと並
んでいる。

選挙戦で「台風の目」である小池氏は、戦法・戦術を変えつつある。

10日午前、東京・池袋で第一声を上げた小池氏は、「一番重要なのは政治
への信頼の取り戻しだ。森友・加計疑惑は何だかよく分からない。この選
挙戦で、安倍1強政治を終わらせようではないか」と訴えた。

当初、保守二大政党を掲げ、あからさまな「安倍批判」を封印してきた
が、希望の党の失速・立憲民主党の躍進−という状況を鋭く嗅ぎ取ったの
か、政権批判に舵を切ったようだ。

一方、前回予測で、単独過半数(233)割れの可能性が指摘された安倍首
相率いる自民党は、今回は276で単独過半数だけでなく、17ある全常任委
員長ポストを抑え、過半数の委員を送り込める絶対安定多数(261)も上
回るとの予測が出た。

自公与党で311となり、衆院3分の2である310を上回る。安倍首相の悲願
である憲法改正の発議に前進する。

松田氏は「希望の党と民進党のゴタゴタによって有権者は政治家不信を深
めてしまったのではないか。投票率の低下も自民党を押し上げる大きな要
因だ。ただ、内閣支持率は不支持が支持を上回っており、自民党も盤石で
はない」と語った。

政界の「一寸先は闇」であり、与党側に「緩み」「おごり」が出た場合、
こうした形勢が一気に逆転する可能性がある。

【ZakZak】 2017.10.11 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎「野党が分裂状態で戦う、選挙戦の構図が固まった。民進党の希望の
党への合流構想が持ち上がったとき、『自民、公明両党vs希望の党+連
合』という構図になるとみられたが、一連の騒動を経て、反与党勢力が希
望の党と立憲民主党、共産党に分裂した。小池氏は『新排除の論理』を掲
げ、枝野氏らの合流を拒絶したが、希望の党の公認候補選定をめぐる小池
氏の言動は、与党に対抗する野党結集の機会を『リセット』してしまった」

10・22衆院選について、松田氏はこう分析した。

注目の選挙戦は、「自民、公明与党vs希望、維新vs共産、立憲民主、
社民」という3極が激突する構図となった。

前提の投票率は、過去最低の2014年12月衆院選の52・66b%と同水準か下
回る−とした。「1票の格差」を是正する「0増10減」(小選挙区0増6
減、比例区0増4減)が実施され、衆院定数は475から465に減った。

前回予測(9月29日発行)では、小池氏率いる希望の党が「小池旋風」を
巻き起こし、148議席を獲得する−と予測した。だが、民進党出身者の公
認選定をめぐるゴタゴタを経て分裂した結果、希望の党=52議席、立憲民
主党=36議席−に激減すると分析した。民進党は解散前、88議席あった
が、単純計算では差し引きゼロだ。

致命的だったのは、「選挙上手」「政局の女王」と言われた小池氏の戦略
ミスだという。

松田氏は、失速原因について、(1)都政投げ出し批判(2)民進党左派
に対する新・排除の論理(3)候補者擁立(4)支持率の急落−を指摘
し、解説した。

「2020年東京五輪・パラリンピックの準備や、築地市場の移転問題をほっ
たらかしにして、国政に色気を出したことに世論が大反発した。さらに、
小池氏が民進党左派に『新排除の論理』を掲げ、『憲法改正』『安全保障
関連法の容認』を求めた。

これに反対する面々に対し、『はい、排除します』と言い切ったことが致
命的だった。小選挙区で野党が分裂したのは、致命的だった。都議選のと
きのような緻密な候補者擁立戦略がなく、自身の出馬もなく目玉候補もい
ないことで期待がしぼんでしまった。結果として、小池氏の最大の武器
だった支持率も、この2週間で大きく下落している」

小池氏が「しがらみのない政治」「寛容の保守」を旗印に立ち上げた希望
の党だが、当初の期待感はしぼみ、批判・反感に変わったというのが実情
のようだ。

こうした小池氏の姿勢に反発し、枝野氏は立憲民主党を立ち上げた。希望
の党に排除された人々中心だが、日本人の判官びいきと、「主義主張を貫
いた」というイメージもあり、36議席に大躍進しそうだ。

ただ、同党には、枝野氏を筆頭に、「史上最悪の宰相」こと菅直人元首相
や、福山哲郎元官房副長官など、あの菅政権の主要メンバーがズラリと並
んでいる。

選挙戦で「台風の目」である小池氏は、戦法・戦術を変えつつある。

10日午前、東京・池袋で第一声を上げた小池氏は、「一番重要なのは政治
への信頼の取り戻しだ。森友・加計疑惑は何だかよく分からない。この選
挙戦で、安倍1強政治を終わらせようではないか」と訴えた。

当初、保守二大政党を掲げ、あからさまな「安倍批判」を封印してきた
が、希望の党の失速・立憲民主党の躍進−という状況を鋭く嗅ぎ取ったの
か、政権批判に舵を切ったようだ。

一方、前回予測で、単独過半数(233)割れの可能性が指摘された安倍首
相率いる自民党は、今回は276で単独過半数だけでなく、17ある全常任委
員長ポストを抑え、過半数の委員を送り込める絶対安定多数(261)も上
回るとの予測が出た。

自公与党で311となり、衆院3分の2である310を上回る。安倍首相の悲願
である憲法改正の発議に前進する。

 松田氏は「希望の党と民進党のゴタゴタによって有権者は政治家不信を
深めてしまったのではないか。投票率の低下も自民党を押し上げる大きな
要因だ。ただ、内閣支持率は不支持が支持を上回っており、自民党も盤石
ではない」と語った。

政界の「一寸先は闇」であり、与党側に「緩み」「おごり」が出た場合、
こうした形勢が一気に逆転する可能性がある。

【ZakZak】 2017.10.11 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎「野党が分裂状態で戦う、選挙戦の構図が固まった。民進党の希望の
党への合流構想が持ち上がったとき、『自民、公明両党vs希望の党+連
合』という構図になるとみられたが、一連の騒動を経て、反与党勢力が希
望の党と立憲民主党、共産党に分裂した。

小池氏は『新排除の論理』を掲げ、枝野氏らの合流を拒絶したが、希望の
党の公認候補選定をめぐる小池氏の言動は、与党に対抗する野党結集の機
会を『リセット』してしまった」

10・22衆院選について、松田氏はこう分析した。

注目の選挙戦は、「自民、公明与党vs希望、維新vs共産、立憲民主、
社民」という3極が激突する構図となった。


前提の投票率は、過去最低の2014年12月衆院選の52・66%と同水準か下回
る−とした。「1票の格差」を是正する「0増10減」(小選挙区0増6
減、比例区0増4減)が実施され、衆院定数は475から465に減った。

前回予測(9月29日発行)では、小池氏率いる希望の党が「小池旋風」を
巻き起こし、148議席を獲得する−と予測した。だが、民進党出身者の公
認選定をめぐるゴタゴタを経て分裂した結果、希望の党=52議席、立憲民
主党=36議席−に激減すると分析した。民進党は解散前、83議席あった
が、単純計算では差し引きゼロだ。

 致命的だったのは、「選挙上手」「政局の女王」と言われた小池氏の戦
略ミスだという。

松田氏は、失速原因について、(1)都政投げ出し批判(2)民進党左派
に対する新・排除の論理(3)候補者擁立(4)支持率の急落−を指摘
し、解説した。

「2020年東京五輪・パラリンピックの準備や、築地市場の移転問題をほっ
たらかしにして、国政に色気を出したことに世論が大反発した。さらに、
小池氏が民進党左派に『新排除の論理』を掲げ、『憲法改正』『安全保障
関連法の容認』を求めた。これに反対する面々に対し、『はい、排除しま
す』と言い切ったことが致命的だった。

小選挙区で野党が分裂したのは、致命的だった。都議選のときのような緻
密な候補者擁立戦略がなく、自身の出馬もなく目玉候補もいないことで期
待がしぼんでしまった。結果として、小池氏の最大の武器だった支持率
も、この2週間で大きく下落している」

小池氏が「しがらみのない政治」「寛容の保守」を旗印に立ち上げた希望
の党だが、当初の期待感はしぼみ、批判・反感に変わったというのが実情
のようだ。

こうした小池氏の姿勢に反発し、枝野氏は立憲民主党を立ち上げた。希望
の党に排除された人々中心だが、日本人の判官びいきと、「主義主張を貫
いた」というイメージもあり、36議席に大躍進しそうだ。

ただ、同党には、枝野氏を筆頭に、「史上最悪の宰相」こと菅直人元首相
や、福山哲郎元官房副長官など、あの菅政権の主要メンバーがズラリと並
んでいる。

選挙戦で「台風の目」である小池氏は、戦法・戦術を変えつつある。

10日午前、東京・池袋で第一声を上げた小池氏は、「一番重要なのは政治
への信頼の取り戻しだ。森友・加計疑惑は何だかよく分からない。この選
挙戦で、安倍1強政治を終わらせようではないか」と訴えた。

当初、保守2大政党を掲げ、あからさまな「安倍批判」を封印してきた
が、希望の党の失速・立憲民主党の躍進−という状況を鋭く嗅ぎ取ったの
か、政権批判に舵を切ったようだ。

一方、前回予測で、単独過半数(233)割れの可能性が指摘された安倍首
相率いる自民党は、今回は276で単独過半数だけでなく、17ある全常任委
員長ポストを抑え、過半数の委員を送り込める絶対安定多数(261)も上
回るとの予測が出た。

自公与党で311となり、衆院3分の2である310を上回る。安倍首相の悲願
である憲法改正の発議に前進する。

松田氏は「希望の党と民進党のゴタゴタによって有権者は政治家不信を深
めてしまったのではないか。投票率の低下も自民党を押し上げる大きな要
因だ。ただ、内閣支持率は不支持が支持を上回っており、自民党も盤石で
はない」と語った。

政界の「一歩先は闇」であり、与党側に「緩み」「おごり」が出た場合、
こうした形勢が一気に逆転する可能性がある。

【ZakZak】 2017.10.11 〔情報収録 − 坂元 誠〕



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読 者 の 声       
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 1)先ほど佐藤隆一氏より10日ご退院と知らされました。お目出度う御
座います。:前田正晶



「頂門の一針」への投稿が無い日などは生き甲斐がなくなります。ご退院
の上は一層ご静養の上一刻も早く復活されるよう、祈念致しております。

実は、かく申す私は先週から気候の変動に体が対応できず、全身の筋肉痛
と肩こりに腰痛で苦しめられております。思うに、小池百合子さんの毒牙
に刺されたのかと疑っております。



 2)渡部 亮次郎 様

ご無事ご退院のご様子 おめでとうございます。
                                                   川内/名古屋市



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身 辺 雑 記
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12日の東京湾岸は薄曇り。


11日、猿江恩賜公園を久し振りに散歩した。入院以来20日余振りか。

「いつもの」とはいいものだ。病院では皆無だった牛肉も自宅で11日夜食
べた。
わたしは農家の生まれ。客人があると親父は飼っている鶏をつぶした


                           読者:5751人 
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渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>



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