政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針4463号  2017・9・2(土)

2017/09/02

   
□■■□──────────────────────────□■■□   
わたなべりやうじらうのメイ ルマガジン「頂門の一針」4463号
□■■□━━━───────────────────────□■■□


           2017(平成29)年9月2日(土)



               小池都知事は流行神か:加瀬英明

       1972年8月に初めてアメリカ本土に渡った:前田正晶

       中国共産党、第19回党大会は10月18日から:宮崎正弘

          韓国の対日歴史戦の背後に日本人:櫻井よしこ
                  
                        話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4463号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
               御意見・御感想は:
                  ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
                    下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/

    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/




     
━━━━━━━━━━
小池都知事は流行神か
━━━━━━━━━━


     加瀬 英明

都議選で、小池百合子都知事の「都民ファーストの会」が圧勝し、自民党 が惨敗した。

私は「日本は千数百年以上も、変わっていないのだ」と思って、溜息をつ いた。

日本だけに独特な流行神(はやりがみ)現象が、間断なく起った。江戸時代 には「時花神」と呼ばれて、「はやりがみ」という訓(ルビ)がふられた。 「時花仏(はやりぶつ)」もあったが、花が咲いて、ぱっと散るのに、喩え たものだった。

ある時、ある神社か、ある仏閣、祠に詣でると、大きな御利益がえられる という噂がひろまり、参詣者が殺到するが、半年か1、2年しか続かず、 忘れられてしまうことから、「祀(まつ)り上げ祀(まつ)り棄て」といわれた。

流行神について『日本書紀』の皇極紀に、不思議な力をもつ蚕(かいこ)ほ どの虫が現われ、拝むと富や長寿がえられるといって、民衆がどっと押し 寄せたと、記されている。「都鄙(とひ)(都と田舎)の人、常世(とこよ) の虫を」と語られているが、もっとも古い記述だろう。

流行(はやり)神仏は常世神とか、志多羅神(しだらがみ)、鍬神とか、時代 によってさまざまな名で、知られた。

 小池百合子一座の役者たちは大部分が、選挙直前に公募によって集まっ た、新人によって占められていた。

 「日本人とは何か」

私は高校生のころから、「日本人とは何か」ということに関心をもって、 日本の民俗学の草分けである柳田國男(1875年〜1968年)の著作を、読み 漁るようになった。今日なら、文化人類学に当たる。そんなことから、ア メリカの文化人類学者(アンソロポロジスト)で、コロンビア大学社会学部 長をつとめたハバード・パッシン教授(1916年〜2003年)と親友になった。

私はパッシン教授を、「どうして先進国の人々の社会行動を研究するのを 社会学といい、後進国になると文化人類学というのか」といって、から かったものだった。

柳田は流行神について、「男女老幼狂奔して之(これ)を迎へ候者都鄙(と ひ)(都会と田舎)に満ちたるやうに候か、過ぎての後は夢のやうに候は んも、其(その)折に際して渇仰の情極めて強烈にして、他意左右を顧みる の暇なかりしなるべく、(略)、此時(このとき)涌きかへりたる熱中血潮 は即今我々の身の内を環(めぐ)るものにして(略)愚痴と云ひ迷信と云は ばそれ迄(まで)」と、述べている。

そして「近世の流行神鍬神の如きは、其蔓延の極盛時に当たりては、鉦鼓 雑揉(しようこざつじゅう)(乱れ混じり)正(まさ)に一千年前の修多羅 (しだら)神福徳仏の流行、さては大昔の常世の神の狂態に伯仲せしやうに 候」と、評している。

 ぎぼしが流行神仏

何であれ、神体となった。しばしば仏像の宝玉に似ていることから、全国 の橋の欄干の柱頭につける葱(ねぎ)の花に似た擬宝珠(ぎぼし)が、流行 (はやり)神仏となって群衆を集めた。

私は東京の文京区小日向で生まれたが、数日前のテレビのバラエティ ショーをみていたら、全国にある“びっくり地蔵”の一つとして、林泉寺の 「縛られ地蔵」が取り上げられた。享保年間だったが、この石仏を縛ると 願が叶うといって、大賑わいとなったという。

江戸時代の享和3年の記録を読むと、浅草の寺の裏に、狐が4、5匹棲む 穴があって、御利益がえられるという噂がひろまり、「いかなる故有しに や諸人参詣群集し、近辺酒食の肆(し)(店)夥(いちぢる)しく出来、賑や かにありしか、半年も過けれは、参詣人まれにてもとの田舎のことし、俄 (にわか)に盛(さか)る者久しからすという理なり」と、嘆じている。

流行神仏ははやりすたりが、激しいのだ。民衆は熱しやすく、さめやすい のだ。

季節の花である時花(じか)のように、すぐに萎れてしまう。これらの一過 性の流行(はやり)神仏に対して、既成の仏教教団が「淫祠」とか、「淫 神」と呼んで蔑んだ。

 男女老若も町中さわぎ

小池都知事はもっとも新しい、流行神である。私は淫神とは呼ぶまい。流 行神仏はしばしば熱狂的な踊りをともなったが、都知事選と都議選中に、 小池氏の街頭演説を見ようと群集した人々を見ていると、流行神の参詣者 を思わせた。

江戸時代にはほぼ60年周期で、大規模な「お蔭参り」現象が発生した。伊 勢神宮のお札が空から降ってきたという噂が、全国にひろまって、大群衆 が日常の生活から飛び出して、道中歌い踊りながら奔流のようになって、 伊勢神宮へ向かった。「抜け参り」とも呼ばれた。

最後の「お蔭参り」は、明治元年の前年の慶応3年に起った。庶民ばかり 300万人が参加したといわれるが、明治に入ってすぐに  行われた国勢 調査によれば、日本の人口が30万人だったから、10人に1人が加わっ た ことになる。

当時の記録によれば、「昼夜鳴物秤(ばかり)を打たゝき、男女老若も町 中さわぎ、其時のはやり歌にも、おめこへ紙はれ、はげたら又(また)は れ、なんでもえじゃないか、おかげで目出度、という斗(ばか)りにて大さ わき、又は面におしろい杯を附け、男が女になり女が男になり、又顔に墨 をぬり老女が娘になり、いろくと化物にて大踊、只(ただ)欲も徳もわす れ、えじゃないかとおとる」と踊り練り歩く、狂態を演じた。  

 流行神の現象がなぜ頻発するか

なぜ、日本にだけ流行神という現象が頻発したのだろうか。

日本には仏教が入ってくるまで、神々が群生しており、どこにでも神が いるという信仰だけあって、教典、戒律がある教派宗教が存在しなかっ た。絶対的な神格が存在しないために、人々が神仏を自由奔放につくりだ すことが、できたからだったと思う。

今日でも、日本には絶対的に正しいという聖が、欠けている。私は在来 信仰である神道は、おおらかなものであって、宗教ではないと思う。

日本人は森羅万象を崇める信仰心が強いものの、教典や戒律によって縛 られないから、宗教性が薄い。「宗教」という言葉は、明治になってから 寛容を欠くキリスト教が入ってきたために、新しく造られた明治翻訳語で あって、それまで日本には宗門、宗旨、宗派という言葉しか、存在してい なかった。

世界文化遺産に指定されると、そこに人々が大急ぎで殺到するのは、世 界のなかで日本だけにみられることだ。

上野動物園でパンダに子が生まれると群集して、『上野精養軒』の株価 が急騰する。利に聡い新聞社や、テレビ局が流行神をつくるために、噂を ひろめる。
 
都議選に惨敗して以後、それまで「安倍一強」と囃されたのに、安倍内 閣の支持率が急落した。大手新聞やテレビが、“安倍叩き”に熱中してい る。これも、江戸時代に庶民の大きな娯楽だった歌舞伎の演目に、権力者 が没落するというテーマが、もっとも多かったことを思わせる。武士とそ の家族は歌舞伎を観劇することを、禁じられていた。

日本では江戸時代を通じて、政治が世界のどこの国よりも安定して、治 安がよく、庶民が豊かで、自由な生活を享受していた。支配階級であった 武士だけが、政治に責任を負って、庶民は政治に参加することがなく、政 治の傍観者だった。

 大正14年はじめての普通選挙

大正14年の普通選挙によって、庶民がはじめて政治に参加したが、こ こ 90年あまりのことでしかない。そのために庶民にとって政治という と、 流行神に現世利益とか、世直しの願望を託すような次元で、とらえら れ ている。

小池都知事はいつも洋装に気を砕いて、「ファースト」とか、「ワイ ズ・スペンディング」とか、舌足らずの英語を乱発している。国枠主義者 のなかに眉を顰める向きがあるが、私には日本原人のように泥臭いから、 好感がもてる。

日本では古代から常世の国といって、遠い海原の果てから幸がもたらさ れるという、信仰があった。日本は海の文化だから、陸の文化である中国 にない「宝船」という発想がある。そのために、日本語のなかに夥しい数 にのぼる英語から借りてきた、生ま半可な言葉が氾濫している。     



    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1972年8月に初めてアメリカ本土に渡った
━━━━━━━━━━━━━━━━━━


             前田 正晶

ここでは「私のアメリカ」を語って見よう。

先ほど「私が知っているアメリカは、全体を100とすれば精々20程度」と 言ったが、その根拠はアメリカに全部で50ある州のうちで20州では空港の 外に出た経験がある州を数えたので、それ以上のものではない。

アメリカについては、イギリスから渡ってきた人たちが作った国で、その 後に欧州からも渡ってきた者が多く、アフリカから連れてこられた奴隷の 名残で黒人がいるくらいは承知していた。

しかし、羽田から今はなきパンナムでサンフランシスコに入り、更に飛行 機を乗り継いで恐る恐る目的地のジョージア州・アトランタに着いたのは 確か真夜中だった。そこまでで出会ったのは白人だけで、南部の都市であ るアトランタでも南部訛りには面食らったが、黒人は見かけなかった。

空港から不安とスーツケースを抱えて乗ったホテルまでのバスを運転して いたのも白人だった。

その何日か後にオハイオ州・デイトンを経て到着したニューヨークでは、 道路工事の作業員も白人で皆がチャンと英語を話しているのには、訳も解 らずに感動していた。

この初めてのアメリカ出張では25日間滞在したが、何処に行っても黒人に 出会うことはなかった。当時は余りそういう意識もなく、唯々アメリカと は素晴らしい国だと無邪気に感動していただけだった。

そのアメリカが political correctness だか何だか知らないが、何時の 間にかnegro も black も禁句となった模様で、「アフリカン・アメリカ ン」と言わねばならないようだと知ったのだった。

しかし、私の勤務先でも取引先でも、アフリカ系アメリカ人の社員が存在 することは先ずなかったので、差別があるとかないとか意識する前に「ア メリカとはこのように白人の世界だったのだ」と何となく認識するように
なっていた。

更に細かく言えば、仕事上ではなくと、シアトルでもアトランタでもシカ ゴでも何処でも、買い物にも出掛けるし、食事にだって出掛ける。そうい う先で、アフリカ系の店員なりウエイターかウエイトレスに出会うこと は、ホテルのダイニングルームを除けば先ずないことだった。しかし、 ニューヨークでもシカゴでもヒスパニックには当たり前のように出会った。

私が好んでネクタイその他の紳士用品を買いに行った店やバーバリーだの ブルックスブラザース、ラルフローレン等々では店員は皆白人だった。馴 染みになった化粧品を買っていたデパートの店員も愛想が良い白人男子 だった。

しかし、シアトルの近辺では、これという人気がる日本料理屋は韓国人の 経営でウエイターでも誰でも、韓国語で話しかけて正体を見破って楽しん でいた。

中でも印象に残った出来事が、往年の大統領御用達の紳士用品のアメリカ 最高のブランドであるSulka のサンフランシスコの店では、珍しく応対さ れてしまったアフリカ系の店員が横柄な口調で「Sulkaと知って入ってき たのか」と尋ねるのだ。

失礼なと怒って「知らないで入ってくるか。ここのネクタイを何本持って いると思うのか」と切り返すと、手のひらを返すように態度が変わり「是 非共当ブランドのカタログを貰って下さい」と言って持ってきた。彼らは 東洋人を下の如くに見るのかと一瞬疑っのだった。

また、1980年代までは治安に問題ありとして先ず連れて行かれることは希 だったロスアンジェルス(LA)市内では、確かに韓国系もアフリカ系の数 多く見かけたものだった。この傾向は明らかに悪化(?)して、2012年に YM氏とSM氏に案内された訪れたLAの近郊でもヒスパニックと韓国人ばかり で「今後カリフォルニア州に出掛ける方は英語よりもスペイン語と韓国語 を学んでからの方が現実的で役に立つだろう」と旅行記で皮肉ったほど だった。

1992年4月に起こったロスアンジェルス暴動は、Wikipedia によれば、以 下のように解説されているが、表面的にはアフリカ系の人たちの仕事だっ た下層の労働を韓国人が奪い去っていたことに対するアフリカ系の恨みが 現れたと伝えられていたと思う。

そうだろうと解る気もするほど、単純反復労働の職場には韓国人が著しく 増えたと思っている。

>引用開始

ロサンゼルス暴動はロドニー・キング事件に対する
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E4%BA%BA> 白人
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E5%AE%98> 警察官 への無罪評決をきっかけとして、突如起こったかのような印象で日本では 報道されることが多かったが、その潜在的要因として、ロサンゼルスにお ける人種間の緊張の高まりが挙げられる。

 <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%
AB%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%B3>

アフリカ系アメリカ人の高い失業率、ロスアンジェルス市警察(以下「LA 市警」)による黒人への恒常的な圧力、韓国人による度を超した黒人蔑 視、差別に対する不満などが重なり、重層的な怒りがサウスセントラル地 区の黒人社会に渦巻いていた。

そこにロドニー・キング事件のLA市警警官に対して無罪評決、ラタシャ・ ハーリンズ射殺事件における韓国人店主への異例の軽罪判決が引き金とな り、黒人社会の怒りが一気に噴
出して起きた事件であるといえる。

<引用終わる

このように増え続ける少数だったはずの民族が今や白人の人口を凌駕する のも遠くないだろうと言われている。その非白人やイスラム教徒の流入を 食い止めた いとするトランプ大統領の大統領の発令も解る気にはなる。 だが、22年半のアメリカ の会社勤務の間に1度も話題にならなかった し、誰も語ろうとしなかったほどの微妙 な案件に、大統領が触れたのは 得策ではなかったようだと思う。

私は自分が少数民族の一員なのか、一部で古くから言われた「名誉白 人?」なのか等に思いが及んだことはなかった。だだ、アメリカの会社の 一員として職の 安全(jobsecurity と言うと何度も述べた)の為に、何 とかして彼らの中に溶け込 んで「一員である」と認識させようと懸命 だった。その為には、何とかして対日輸出 で成果を上げていくしかない のだった。

では、私か彼らの一員として認められていたかとお尋ねか。ある時「君が 話している英語と仕事ぶりと、着ている服や持ち物を見ていれば、てっき り心を許し ても良いだろう仲間の一人だと誰しもが思うだろう。

だが、君の正体は何処まで行っ ても骨の髄まで日本人なのだ」と同僚に 言われたことがあった。これは果たして褒め 言葉か、それとも仲間じゃ ないと言っているのか。悩んだものだった。だが、何処ま で行って
も、如何なる場合でも「日本人としての誇り」には徹底的に執着したもの だった。

矢張り、最後に英語の講釈をすれば “You are a Japanese to the core.” というのが、「骨の髄まで日本人だ」に当たる英語だった。



           
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
中国共産党、第19回党大会は10月18日から
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)9月1日(金曜日)
         通巻第5413号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(速報)
  中国共産党、第19回党大会は10月18日から
    18期「7中全会」は10月11日。最終人事が決まる
*********************************

 中国は10月18日から北京で「第19回党大会」を開催すると発表した。
 「習思想」の確定と新執行部人事が焦点だが、みどころは王岐山の留任 があるか、習子飼いの陳敏爾が政治局常務委員に3段跳びするか、どうか。

習が「党主席」という毛沢東以来のポストを獲得できるか、否か。

いずれにしても、第15回大会以来、党大会の日程は8月末に発表されてお り、前回の第18回大会だけが9月末に発表がずれこみ、実際の大会は11月 にもつれ込んだ。

       
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 読書特集  BOOKREVIEWS
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
小川榮太郎『天皇の平和 九条の平和(安倍時代の論点)』(産経新聞出 版) 
水間 政憲『完結「南京事件」』(ビジネス社) 
高橋 洋一『日本を救う最強の経済論』(育鵬社)
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「歴史によって鍛えられた思想であり、日本精神の中核にあるもの」が 「平和」
「憲法9条」なるものは、精神ではなく法律の条文でしかない。

  ♪
小川榮太郎『天皇の平和 九条の平和(安倍時代の論点)』(産経新聞出版)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

リベラルなメディアがひたすら安倍降ろしのために日夜、浅智恵、悪智恵 を絞って量産しているフェイクニュースの洪水。

「平和憲法を守れ」などとがなり立てながら、実際にかれらほど平和を守 ろうという意思は薄弱である。とどのつまり「日本固有の平和精神と憲法 九条の平和主義と何の関係もない」のである。

左翼の言う平和は欺瞞に満ちた世紀の大嘘である。

 「日本固有の平和」とは、小川榮太郎氏の定義では「歴史によって鍛え られた思想であり、日本精神の中核にあるもの」であって、「平和主義 者」などと嘯く手合いが喧しくいう「憲法九条」なるものは、精神ではな く法律の条文でしかない。

にもかかわらず現代日本では、平和という言葉が、日本人の美しい「歴史 的在り方への回路」ではなく、「思考停止の呪文」になりさがり、日本つ ぶしに狂奔する左翼の便利な道具と化けてしまった。

ということは、平和の精神を第九条から救出しなければならず、国柄のな かに正しく位置づけしなおし、一方で正当な安全保障を九条から救い出す 必要がある、と説く。

すなわち「日本は70年にわたり、『平和』を好むことを、『憲法九条』 による国防の制約に置き換えるという根本的な欺瞞を犯してきた。自らが 自らを騙してきたばかりではない。日本を弱体化させたい国や勢力にとっ て『憲法第9条』ほど便利な道具はない」からである。
 安全保障論議がこうまでいびつに歪むのは、この平和という概念の認識 の誤謬であり、なぜか日米安保条約が守護神のごとくに取り違えられてい る。 

自らを自らでまもるということは、軍事同盟は一時的打算でしかないこと も同時に認識するべきである。

「もちろん、アメリカ政府は、当面日米同盟堅持を謳い、日米安保の適用 を確約するでしょう。が、アメリカが日本死守を国是としていた状況か ら、日米中関係を天秤に載せた段階で、日本の安全保障環境は、冷戦時代 から180度転換している」

したがって、小川氏が力説するポイントは、「こうした世界史的な文脈も 読めずに、目先のアメリカの対応に一喜一憂して、対策が後手後手になる 事がいちばん恐ろしい」のであり、要するに「主権の消滅に向かって(日 本が)漂流するに身を任せるのでなければ、日本人自らが主体的に国を護 る「能動的」な国家に、劇的=非連続的に変貌するしかなくなっている」
 まさに正論、襟を正して読むべきだろう。

本書は最後の章で、赤旗に利用される女優吉永小百合と、不思議な偽善者 大江健三郎を俎上に載せて品よく批判しているが、これは蛇足という印象 を持った。
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIE 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 そもそも「南京事件」なるでっち上げを創作したのは誰か?
  やはり「南京大虐殺」は無かったことが最終的に証明された

  ♪
水間政憲『完結「南京事件」』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 副題が「日米中歴史戦に終止符を打つ」とあって水間氏の長年にわたる 信念と執念が籠められた作品である。

戦後ながきにわたって日本人が自虐史観にさいなまれ、日本の軍国主義が 悪かったなどと脳幹をズブズブに洗脳されてきた基本のプログラムが WGIPにあったことは、公知の事実となった。

WGIPとはウォー・ギルド・インフォメーション・プログラムのこと で、日本人をして贖罪意識を抱かせ、二度とアメリカに立ち向かえないよ うに精神を惰弱にしてしまう洗脳工作である。

加えて近年には「ヴェノナ文書」の存在が暴かれ、日本を戦争に巻き込ん だ陰謀が明らかとなり、直近ではフーバー元大統領がルーズベルトの陰謀 を明かすところなく明らかにした『裏切られた自由』の翻訳が揃い、「か れら」が言ってきた歴史解釈のすべてが間違いであることが白日の下に晒 されたのである。

本書でも水間氏は言う。

南京事件は米国の歴史改竄がスタートだった。GHQが創作した日本人洗 脳のラジオ番組から出鱈目な「日本=悪」史観が蔓延した。日本が正し かった証拠となりそうな戦前の良書は「閲覧禁止」となって図書館、書店 から没収された。

米国の宣伝に悪のりした中国の南京大虐殺の『証拠写真』なるものは、す べて捏造写真であったこと、本当はまったく逆で日本軍の南京入城はシナ 人から歓迎されていたことも了解できるようになったのだ。

GHQが命じたプレスコード、ラジオコードにより、新聞と雑誌の事前検 閲がなされた。

米国が策定した言論統制に違反したら、メディアと国民は「懲罰」の対象 とされた。

「日本社会は『見ざる、言わざる、聞かざる』の恐怖社会に貶められまし た。(中略)米国が『改竄』した『歴史認識』に異を唱えたら、逮捕され る可能性もあり、裁判所で罰せられたら家族が路頭に迷うこともあったの です。友人知人や家庭内でも米国を批判すると、通報(密告)される危険 性があり、うかつなことを子供の前でも言えなくなっていた」(21p)。
 ところがまだ洗脳されたままの哀れな日本人がいる。

水間氏は、その典型に村上春樹をあげる。村上の『騎士団長殺し』では依 然として死者が40万人と唖然とするような数字を平気で、反省もなく用い ている。実際の南京城内における民間人の死者は「34人」だったにも拘わ らず。

本多勝一らが書いた本にも、「だれが、いつ、どこで、を無視した写真が 使われており、特定のイデオロギーに誘導する印象操作が行われていま す」と水間氏が言う。

本書の後半で、水間氏は飛躍するかのように三島由紀夫の自衛隊乱入、最 後の檄文を問題としている。なぜなら三島が諌死事件をおこした場所こそ は東京裁判の法廷であったからだ。

水間氏はこうまとめる。

「三島由紀夫氏の真情は、『東京裁判史観』の粉砕だったように思えてな りません。東京裁判での『目玉』は「南京大虐殺事件」でしたので、本書 を三島由紀夫氏に捧げます」(122p)。
      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評BOOKREVIEW  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 バブル崩壊の元凶は金融緩和ではなかった
  日銀は政策を間違えて、そのうえリーマンショックでも何もしなかった

  ♪
高橋洋一『日本を救う最強の経済論』(育鵬社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

経済論壇で八面六臂の活躍をする著者がやさしくバブル経済の本質と、そ の苦境から脱出するべき処方箋を提示し、同時にアベノミクスがいかに正 しいかを論証したのが本書である。

かと言って高橋氏は安部首相べったりでもなく、その前の小泉首相にも、 民主党政権のときにも政治家に経済政策を説明してきた経歴がある。だ が、本人が言うように、高橋氏の政策をその場で理解したのは安倍晋三首 相のみだったという。

そういえば先月「日本経済新聞」に連載された?村正彦(自民党副総裁) 「わたしの履歴書」にも、安倍首相は安保問題でもことのほか理解が早い と書かれている。

バブル経済が破裂して『失われた20年』という、直滑降の如くどん底へ転 落した日本経済の元凶は日銀の政策の間違いにあることは言うまでもない が、もともとバブルの発生は株価上昇に遅れて不動産の上昇があり、株価 が異常に高くなったのは証券会社に天才的営業が居て『抜け穴』を利用し たからだった。

当時、大蔵省にあって著者は、この抜け穴を塞ぐ通達を出した。たちまち 株バブルははじけたが、不動産は上昇し続けた。

そこで出てきたのが総量規制である。
 
「規制の適正化」によりバブルは沈静化するが、「一方で日本銀行が同じ 時期に金融引き締めをしてしまったのだ。今から考えれば、これがバブル 処理における最大の失敗だった。致命的な間違いを多くの方は知らないだ ろうが、この政策失敗でバブルの後遺症が大きくなったのだ。そもそもバ ブルの原因は金融緩和ではない。だから、バブルつぶしのために金融機引 き締めすることが正しかったはずもない」と言い切る。

しからば高橋氏によるバブルの分析とは、

「資産バブルを産んだ原因は、法の不備を突いた営業特金や土地転がしな どによる資産売買の回転率の高さだったが、日銀は原因分析を間違え、利 上げという策を実施してしまった」(47p)
 この続きがある。

リーマンショックが起きても、白川総裁率いる「日銀は何もしなかった。 その結果、円や他国通貨に比べて相対的に過小となって円高を招いてしまう」

しかし「白川氏は間違いを認めず、日銀の失敗を海外の経済環境や日本の 人口減少などの外部環境のせいにしてきた。一方で、日銀の金融政策を世 界のフロントランナーなどと自己評価を高くする始末だ」(54p)
 路線が変わったのは安倍政権の登場だった。「金融政策の間違いを正 し、不始末の処理を」行ったのである。

さて以上のことは評者自身も何回となく述べてきたので、これ以上の説 明を省くが、本書の後段で、高橋氏は面白いことを言っている。

それはAIの未来像である。

官僚機構に関して「役人のやっている仕事の殆どはAIにまかせればすん でしまう」と大胆なことを言う。

フィンテックの導入によって、5年後に銀行員の数は半減するといわれ る。ならばビューロテック(官僚行政のAI化)で公務員を半減できるで はないか。

高橋洋一氏は官僚時代に国会答弁を何回も書いていて、その経験から国会 答弁はパターン化しているのだからAIでも九割は可能だと、これまた大 胆な発言をしている。

国会答弁いがいでも、日銀の金融政策はAIで可能というのだ。

「一定期間内でインフレ率と失業率(両者には密接な関係がある)の目標 達成を目指す金融政策などはまさにAIそのもので、たとえばインフレ率 が低ければ金融緩和し、高ければ金融引き締めをする、というサーモス タットによる温度調節のようなものだからだ。こうした行動関数で中央銀 行の金融政策の9割程度は説明できるとすれば、AIが金融政策を決める ことができる」(125p)

ナルホド、極論すれば、いずれ日銀も不要になるわけだ。

しかし既得権益にしがみつき、ひたすら「省益」だけを守ろうとする官僚 が、そこまでやってしまう、つまり高級官僚を失業に追い込むようなAI を導入するだろうか?

      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ▼READERS‘ OPINIONS
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1) ビジネスジャーナルにでた宮崎先生へのインタビュー記事 の前編が下記サイトにでております。
●北朝鮮、在日米軍基地へのミサイル攻撃も選択肢…日米安保条約の当然の帰結
http://biz-journal.jp/2017/08/post_20391.html



  ♪
(読者の声2)御新刊、渡邊惣樹との対談『激動の日本近現代史  1852−1941』(ビジネス社)を拝読しました。
 
毎度のことですが、じつに内容は素晴らしく、新しい視点で歴史を再検討 する力を与えられます。それに宮崎さんの政治論が単なるパワーポリ ティックスではなく、人間のもつ深いロマンティシズムに裏打ちされてい て、文学の心が憂国の情念を底辺でさせているのでしょう。それを深く感 じました。

民族の血が政治論を支えていることを感じ、ほかの政治論とはひと味もふ た味も違う喜びを得ています。(SS生、目黒区)



  ♪
(読者の声3)貴誌前号にでた書評(阿南友亮『中国はなぜ軍拡を続ける のか』、新潮撰書)ですが、実は老生も早くに同書を購入し、読みかねて そのままでした。

宮崎さんの書評を拝読し、あ、なるほどパトスが伝わらない本だというこ とは「徹底的に冷徹」なアカデミズムを目指して書物だからですね。

なぜなら、書いてあることと宮崎さんが日頃言っていることと、表現の綾 こそ違え、なかみは殆ど同じですからね。

それにしても、毎日メルマガを配信され、単行本も毎月1冊ていどを出さ れ、しかもそのうえ、よく広範な読書をされていると感心しております。
 ところで、当該書籍の著者・阿南友亮さんは、ひょっとして阿南惟幾・ 陸軍大臣の孫では?(HF生、京都)

 
(宮崎正弘のコメント)御拝察の通り、阿南友亮氏は終戦の陸軍大臣・阿 南惟幾閣下のお孫さんです。つまり前北京大使・阿南惟茂さんのご子息です。



  ♪
(読者の声4)THAADの韓国配備に反発する中国はロッテを標的にさ まざまな嫌がらせを繰り返していますが、製造業にも影響が及んできたよ うです。

韓国の現代自動車グループ(現代・起亜)は中国での自動車販売が半減、部 品会社への支払いが数ヶ月も滞り、部品供給を止められ生産停止に追い込 まれた。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170830/k10011119491000.html

このニュースはNHKが報じたくらいですから相当深刻なのでしょう。 ットでは「自動車会社の自転車操業」と大受けです。

韓国ハンギョレ新聞の報道はこちら。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/28324.html
 中国に進出した韓国の部品メーカーも限界状況のようです。そろそろ夜 逃げの準備がはじまっているのかも。(PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)日本の自動車メーカーも「明日は我が身」とし て、危機管理のシナリオを用意しなければいけなくなるのでは?



   ♪
(読者の声5)親露派だったヤヌコビッチ政権の崩壊後、クリミヤ独立と ロシアへの編入、親欧米派ポロシェンコ政権の誕生と続いたウクライナ。 危機によって対露ビジネスを閉ざされたウクライナ企業の基軸はソ連時代 の700もの軍需産業。中国に空母を転売してことでも悪名高く、北朝鮮 へ のICBMのエンジンもウクライナ製という疑惑です。

いっそのこと、西側はウクライナに正気を提供し、自由経済圏に取り込 めば、ロシアの画策は裏目に出るのでは? (NO生、神奈川県)




━━━━━━━━━━━━━━━
韓国の対日歴史戦の背後に日本人
━━━━━━━━━━━━━━━


         櫻井よしこ

韓国の文在寅大統領が大胆な歴史修正に踏み切った。8月15日、「光復 節」の式典で、徴用工などの「被害規模の全貌は明らかにされていない」 とし、被害者の名誉回復、補償、真実究明と再発防止が欠かせない、その ために「日本の指導者の勇気ある姿勢が必要だ」と発言した。日本に補償 を求めて問題提起するということであろう。

左翼志向の盧武鉉元大統領も、戦時中の日本の「反人道的行為」に対して 韓国には個人請求権があると主張した。だが、盧氏は日韓請求権協定の資 料を精査した結果、2005年8月26日、徴用工への補償はなされており、も はや韓国側に請求する権利はないとの見解を正式に発表した。

文氏は秘書室長として盧元大統領に仕えた人物であり、一連の経緯を承知 しているはずだが、いま再び徴用工問題を持ち出すのだ。その背景に、12 年に韓国大法院(最高裁)が下した特異な判決がある。1910年に始まる日 本の韓国併合を違法とし、違法体制下の戦時動員も違法であり、従って、 日本には改めて補償する責任があるとするものだ。

どうしてこんな無法といってよい理屈が生まれるのか。シンクタンク「国 家基本問題研究所」企画委員の西岡力氏は、8月11日、「言論テレビ」 で、この特異な判決の背景には日本人の存在があると指摘した。

「韓国併合は無効だという論理を構築し、日本政府に認めさせようとした のは日本人なのです。東大名誉教授の和田春樹氏、津田塾大名誉教授の高 崎宗司氏らが、80年代以降、一貫して韓国併合は国際法上違法だったと主 張し、運動を始めたのです」

80年代といえば82年に第一次教科書問題が発生した。日本側は教科書の書 き換えなど行っていなかったにも拘らず、謝罪した。謝りさえすればよい というかのような日本政府の安易な姿勢が一方にあり、もう一方には、和 田氏らの理解し難い動きがあった。和田氏らは長い運動期間を経て2010年 5月10日、「『韓国併合』100年日韓知識人共同声明」を東京とソウルで発 表した。日本側発起人は和田氏で、日韓双方で1000人を超える人々が署名 した。

国際法の下で合法

署名人名簿には東大教授らが名前を連ねている。すでに亡くなった人もい るが、ざっと拾ってみよう。肩書きは名簿に記載されているものだ。

荒井献(東京大学名誉教授・聖書学)、石田雄(東京大学名誉教授・政治 学)、板垣雄三(東京大学名誉教授・イスラム学)、姜尚中(東京大学教 授・政治学)、小森陽一(東京大学教授・日本文学)、坂本義和(東京大 学名誉教授・国際政治)、外村大(東京大学准教授・朝鮮史)、宮地正人 (東京大学名誉教授・日本史)らである。

「朝日新聞」の記者も含めて、その他の署名人も興味深い。これまた目 につく人々を拾ってみよう。

今津弘(元朝日新聞論説副主幹)、大江健三郎(作家)、小田川興(元朝 日新聞編集委員)、佐高信(雑誌『週刊金曜日』発行人)、沢地久枝(ノ ンフィクション作家)、高木健一(弁護士)、高崎宗司(津田塾大学教 授・日本史)、田中宏(一橋大学名誉教授・戦後補償問題)、鶴見俊輔 (哲学者)、飛田雄一(神戸学生青年センター館長)、宮崎勇(経済学 者・元経済企画庁長官)、山崎朋子(女性史研究家)、山室英男(元 NHK解説委員長)、吉岡達也(ピースボート共同代表)、吉見義明(中 央大学教授・日本史)ら、まさに多士済々である。

それでも、日本政府の立場は一貫して韓国併合は当時の国際法の下で合法 的に行われ、有効だったというものだ。西岡氏が強調した。

「あの村山富市氏でさえも、当時の国際関係等の歴史的事情の中で、韓国 併合は法的に有効に締結され、実施されたと答弁しています。国が異なれ ば歴史認識の不一致は自然なことです。しかし、和田氏らは国毎に異なっ て当然の歴史認識を、日本が韓国の考え方や解釈に合わせる方向で、一致 させようとします」

一群の錚々たる日本人による働きかけもあり、韓国大法院は、前述の併合 無効判断を示した。

次に韓国側から出されたのは「対日抗争期強制動員被害調査及び国外強制 動員犠牲者等支援委員会」の「委員会活動結果報告書」(以下、報告書) である。

右の長たらしい名称の委員会は04年、盧武鉉政権下で発足、報告書は16年 6月に発行された。韓国政府は11年余りの時間を費やし、凄まじい執念で 調査して大部の報告書にまとめ上げた。序文で「ナチスのユダヤ人に対す る強制収容、強制労役、財産没収、虐待やホロコースト」に関してのドイ ツの反省や償いを詳述していることから、日本の戦時動員をホロコースト に結びつける韓国側の発想が見てとれる。

「朴正熙元大統領は立派」

要約版だけでも151頁、違和感は強かったが、「強制動員が確認された日 本企業」2400社余りの社名が明記されていたのは驚きだった。

この報告書作成にも日本人が関わっていた。海外諮問委員として発表され た中には、歴史問題に関する文献でよく見かける人物名がある。たとえば 殿平善彦(強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム)、上杉 聰(強制動員真相究明ネットワーク)、高實康稔(NPO法人岡まさはる 記念長崎平和資料館)、内海愛子(「対日抗争期強制動員被害調査報告 書」日本語翻訳協力委員)、竹内康人(個人研究者)、樋口雄一(個人研 究者)らである。

「こうした人々が韓国側に協力している間、日本政府は労働者動員問題も 慰安婦問題も放置してきました。仮に彼らの主張や資料が偏って間違って いても、そのことを証明するにはきちんとした資料を出さなければなりま せん。その点でこちら側は周回遅れです」と西岡氏。

だが、慰安婦が強制連行されたわけでも性奴隷でもなかったように、徴用 工は強制連行されたわけでも奴隷労働を強いられたわけでもなく、日韓間 では解決済みの問題である。西岡氏は当時の状況を具体的に振りかえるべ きだと、強調する。

「日本に個人補償させずに、まとめて資金を受けとった朴正熙元大統領は 立派でした。もし日本が個人補償をしたら、朝鮮戦争の戦死者の補償より も、日本の徴用で死んだ人への補償の方が高くなる。韓国の国が持たない。

だから日本の資金をまとめて受けとり、それで独立運動家や亡くなった人 の遺族に奨学金を出した。一人ひとりに配ると食べて終わりですから、ダ ム、製鉄所、道路を作り経済成長につなげ、元慰安婦も元徴用工も元独立 運動家も皆を豊かにする漢江の奇跡に結びつけた。66年から75年まで日本 の資金の韓国経済成長への寄与率は20%。日韓双方に良い結果をもたらし たのです」

文氏にはこうした事実を繰り返し伝え、主張していくしかない。
『週刊新潮』 2017年8月31日号 日本ルネッサンス 第767回



         
━━━━━━━
話 の 耳 袋
━━━━━━━




 ◎メイ首相、日本重視へ変化 日英首脳「蜜月」ムード

安倍晋三首相は日本を訪問したメイ英首相を2日間にわたって破格の扱い で待遇し、メイ氏も安倍首相との個人的関係の強化に努めた。かつての同 盟国であり、米国とともに同じ価値観を有する日英が北朝鮮のミサイル問 題で立場を共有していくほか、安倍首相としては中国に傾斜していたキャ メロン前政権の路線の是正を図るメイ氏との信頼を深める狙いがあった。

「安倍政権の積極的平和主義による外交・安全保障政策は、メイ首相が進 めている『グローバルな英国』と共鳴する。われわれの安全保障協力は新 たな高みに進もうとしている」

31日午後、首相官邸でメイ氏を招いて開いた国家安全保障会議(NSC) の特別会合。安倍首相は「テリーザ」とファーストネームで呼びかけ、日 英の安保協力の必要性を訴えた。メイ氏は「アジアにおいて日本は最大規 模のパートナーだ。安全保障で日英間の協力が強化されることを期待す る」と応じた。8月30日には、安倍首相はメイ氏を京都迎賓館に招いて夕 食で歓待。東京へ移動する新幹線の車内でも懇談し、個人的な関係強化に 努めた。

英紙「ガーディアン」(電子版)によると、30日に両首脳が取り上げたの は主に北朝鮮への対応で、メイ氏は「英国は日本と協力する」と明言し た。ロイター通信は、メイ氏が訪日の途上で記者団に「最善の方法は、中 国が北朝鮮に圧力をかけることだ」と語ったと報じた。

 日英首脳会談は、首相官邸ではなく東京・元赤坂の迎賓館で行われた。 両首脳は北朝鮮抑止には中国の行動が重要との認識で一致したほか、東・ 南シナ海やインド洋情勢では、国際法に基づく秩序維持のための連携を確 認し、海洋進出を強める中国を牽制(けんせい)した。共同宣言には、今 後、英国がアジア太平洋地域に空母を展開する可能性を明記した。
産経新聞9/1(金) 7:55配信

  
 ◎<民進党>新代表に前原氏 党勢立て直し急務

民進党は1日午後、東京都内で臨時党大会を開き、新代表に前原誠司元外 相(55)を選出した。任期は2019年9月まで。前原氏は国会議員と国政選 挙の公認候補予定者の票で250ポイントを獲得。地方議員と党員・サポー ターの252ポイントを加え計502ポイントとなり、総計851ポイントの過半 数を制した。枝野幸男前幹事長(53)は計332ポイントだった。

 大会に先立ち、前原氏は会場のホテルで記者団に「自分の思いを(投票 直前の)演説に込め、天命を待つ、そういう気持ちだ。新たな社会をみん なで作る一体感や使命感のある党にしたい」と意気込みを語った。枝野氏 もホテルで記者団に「総力で党を立て直したい。今日が反転攻勢スタート の日になる。どういう立場になっても党が前に進めるよう全力を尽くす」 と述べた。この後、両陣営はそれぞれ決起集会を開いた。

大会は午後1時に始まり、両氏が各10分の持ち時間で決意表明した後、投 票に移った。投票結果は総計851ポイントに換算される。まず1543人の地 方議員(209ポイント)と約23万人の党員・サポーター(231ポイント)に よる郵便投票の結果が発表された。その後、会場に集まる142人の国会議 員(284ポイント)と127人の公認予定者(127ポイント)の投票が行われた。

 代表選は7月の都議選で民進党が惨敗した後、党運営に行き詰まった蓮 舫代表の辞意表明を受けて実施された。新代表は、党勢の立て直しが急務 だ。9月25日召集の見通しの臨時国会に加え、10月の衆院3補選(青森4 区、新潟5区、愛媛3区)の対応も控えており、就任直後から手腕が問わ れる。

特に3補選では、前原氏が野党連携にどう臨むかが注目される。蓮舫代表 は今年6月、共産、自由、社民3党の党首と会談し、次期衆院選に関して 「4野党が協力して候補者調整を行う」ことなどで合意。枝野氏はこの合 意に基づき連携を進めると主張していたが、前原氏は合意を見直す考えを 代表選中に示していた。

前原氏は1993年衆院選で日本新党から初当選し、当選8回。民主党政権で 国土交通相、外相、党政調会長を歴任した。05年9月〜06年4月には民主 党代表も務めた。毎日新聞9/1(金) 14:19配信




 ◎反トランプ勢力の共通点 日本のテレビ報道ではわからない真実 − ケント・ギルバート

米南部バージニア州シャーロッツビルで12日、人種差別問題をめぐって衝 突が起き、死者1人と十数人の負傷者が出た。南北戦争時に奴隷制度の維 持を求めた南軍の司令官、ロバート・E・リー将軍の像撤去が原因だっ た。ドナルド・トランプ大統領のコメントを受け、日本メディアは「批判 が一段と強まった」などと報じている。

騒動の根本には、米国のリベラル派が「米国版の文化大革命」を目指して おり、これを阻止したい保守派と対立していることがある。私がこう説明 しても、大半の日本人には意味不明だろう。日本メディアで米国の情報を 十分に得ることは不可能だからだ。

このコラムでも、残りの行数で説明するのは困難だ。23日に出演した「真 相深入り! 虎ノ門ニュース」で詳しく解説したので、ユーチューブなど で見てほしい。

本件に限らず、日本のテレビ報道をうのみにしたら、「トランプ氏はどう しようもない」「何もかも失敗続きだ」と印象付けられることは確実だと 思う。米国人として「それは事実とは違う」と断言したい。

偏向報道の故意犯は、最も糾弾されるべきだ。そして、疑うべき相手を信 じて、信じるべき相手を疑った人は、「印象操作の被害者」ではあるが、 冤罪(えんざい)に加担した過失犯でもあることを認識してほしい。
.
 トランプ氏に敵が多いことは事実だ。

まず、大統領戦で負けた民主党である。おそらく「ヒラリー・クリントン 大統領がよかった」と考える日本人は今も多いだろう。だが、クリントン 財団の腐敗を知れば、一瞬で考えを改めるはずだ。腐敗した民主党には捜 査のメスが入りつつある。この件は別の機会があれば書く。

共和党内にも反トランプ勢力がいる。トランプ氏は予備選で勝つために、 過激な発言を繰り返した。それを根に持ち、下品さを許せない人たちは、 共和党の議員や支持者なのに、「ネバー・トランパーズ」(何が何でもト ランプを支持しない人々)の一部になった。

一方、トランプ氏を常に支持する「オールウェイズ・トランパーズ」もい る。私の妻はそれに近いかもしれないが、私は是々非々だ。

官僚やFBI職員など、公務員にも反トランプ勢力がいる。仕事をサボっ たり情報をリークするなど、卑怯(ひきょう)な手を使う。

そして、予備選のときから「メディアは嘘ばかりだ」と批判したトランプ 氏にとって、主要メディアは最大の強敵である。

複数の反トランプ勢力の共通点は、既得権益を守りたいことだ。トランプ 氏は現在、公約通りに既得権益と戦っている。一筋縄ではいかない。

 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952 年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国 人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人 の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。
【写真】  トランプ氏にとって、主要メディアは最大の強敵だ(AP)
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170826/soc1708260015-p1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsPhoto
【ZakZak】 2017.8.26  〔情報収録 − 坂元 誠


 ◎<安倍首相>改憲か、延命解散か 与野党に飛び交う臆測

現職衆院議員の任期満了まであと1年3カ月あまり。安倍晋三首相がいつ 衆院解散・総選挙に踏み切るのか、与野党でさまざまな説が飛び交い始め た。首相は「まったく白紙」と繰り返すが、2018年末までの政治日程を考 えると、三つのパターンが浮かび上がる。

  ◇補選回避へ今月説 パターン1

最も早いケースは9月25日に召集される見通しの臨時国会冒頭での解散だ。

その狙いは、10月22日投開票予定の衆院3補選(青森4区、新潟5区、愛 媛3区)の回避にある。いずれも自民党現職の死去に伴うもので、安倍晋 三首相は同党に全勝するよう指示した。

 しかし、愛媛3区は、学校法人「加計学園」が獣医学部新設を計画する 愛媛県今治市に近く、補選は激しい与野党対決になる見込み。昨年の参院 選新潟選挙区(改選数1)では民進党など野党4党が推す無所属候補に自 民党候補が敗れており、新潟5区も予断を許さない。与党幹部は「勝てる 選挙を落とすほど政権にダメージになるものはない」と危機感を隠さない。

補選だと自民党の「1敗」はクローズアップされるが、289小選挙区の一 つと考えれば、仮に落としても目立たずにすむ。そんな与党内の思惑が冒 頭解散説につながる。8月の内閣改造・自民党役員人事で内閣支持率がや や持ち直し、同月の茨城県知事選で与党推薦候補が勝利したこともあっ て、首相に近い閣僚経験者は「選挙用のポスターはすでに準備した」と早 期解散に備える。

 ただ、首相が「仕事人内閣」を掲げたにもかかわらず臨時国会冒頭で解 散すれば、働き方改革など看板政策の実現を棚上げすることになる。しか も、自民党が議席を減らした場合、改憲勢力は衆院の「3分の2」を割り 込む可能性が出てくる。

 改憲をあきらめてでも早期解散に踏み切るのは政権の延命のためだと受 け取られたら、自民党が300近い今の議席を維持しない限り、選挙後に首 相の求心力は低下する。

このため与党内には、まず衆院3補選に全力を注ぎ、内政・外交で一定の 成果を上げたうえで、臨時国会会期末か来年の通常国会冒頭で解散すると いう見立てが一方にある。

 改憲論議が拙速に進むことを警戒する公明党からは、早期解散を容認す る声が漏れる。

野党の動向も首相の解散戦略に影響する。民進党代表選で優位に立つ前原 誠司元外相は共産党との選挙協力に慎重だ。一方、小池百合子東京都知事 に近い若狭勝衆院議員が設立した政治団体「日本ファーストの会」は次期 衆院選で国政進出を目指している。与党には、野党の態勢が整う前に解散 した方が有利という計算も働いている。

  ◇来年春…自民総裁3選にらみ パターン2

 早期解散がなければ、18年春の18年度予算成立後、通常国会会期末まで の間が次のパターンとして考えられる。政権の経済最優先の姿勢をアピー ルしやすいうえ、自民党が衆院選に勝てば、同年9月の総裁選で安倍首相 は3選をほぼ手中にできる。

 首相は来年の通常国会に、他党の協力を得て憲法改正原案を提出したい 考えだ。次期衆院選で改憲勢力が引き続き衆院の「3分の2」を占める見 通しがあれば、解散前に改憲案の国会発議を急ぐ必要はない。一方、「3 分の2」の維持が微妙な情勢なら、首相は国会が改憲案を発議するのを 待って解散に踏み切るとみられる。自民党幹部は「首相が改憲を諦めるこ とはない」と断言する。

とはいえ、自民党が強引に発議に持ち込めば、次期衆院選や国民投票で有 権者の反発を招きかねない。首相が宿願の改憲を優先する場合、解散時期 の判断は難しくなる。

19年10月には消費税率10%への引き上げが予定されている。しかし、首相 がまた増税を先送りするのではないかという観測は消えていない。来年春 以降の解散は19年度予算編成の時期と重なってくるだけに、消費増税が 衆院選の争点になるのは確実だ。首相は逆風覚悟で増税方針を維持するの か、増税延期の信を問い大勝した14年衆院選と同じ手法をとるのかも注 目される。

  ◇来年9月以降…新総裁の可能性 パターン3

 政権が安定していたころは、安倍首相が自民党総裁に3選したうえで解 散するパターンが有力だった。国会が改憲案の発議に至る時間を確保でき るうえ、首相自身も21年9月までの政権運営に道が開けるからだ。しか し、今や改憲と長期政権の両方を求める戦術はとりにくい。

 過去には麻生内閣が解散を任期満了近くまで先送りした結果09年衆院選 で自公両党が大敗し、下野した例がある。

 この先、安倍内閣が高支持率を回復しない限り、総裁選を過ぎると「追 い込まれ解散」色が濃くなる。逆に政権が失速するようだと、自民党は新 総裁を選出して衆院選に臨む可能性が高い。同党関係者は「総裁選後の解 散は、新しい首相による解散とほぼ同義語だ」と指摘する。

政府内では18年末の天皇陛下の退位と、19年1月1日の改元が有力視され る。皇室日程も首相の解散の判断に影響しそうだ。
毎日新聞9/1(金) 0:17配信



━━━━━━━━
読 者 の 声       
━━━━━━━━


 1)オーストラリアに勝って本当に良かった:前田正晶

31日夜のW杯サッカーの最終予選の対オーストラリア戦の勝ち方はとても 良かった。

何を隠そう、かく申す私はある程度悲観的だったのだ。それは世界にも稀 なフェアープレーを信条とするサッカーをする我が代表に対して、これま でのオーストラリアのサッカーはアジア太平洋地域では最も強暴で体当た りを武器とする言わば肉弾戦を仕掛けてくるからだった。

しかも、我が代表はこれまでに最終予選では一度もオーストラリアには勝 てていないとの実績もあったのだ。しかし、オーストラリアでは近年は監 督が替わって、何故か中途半端なパス回しを心掛けるようになってきたの で、そこには勝機があるかなとは期待していた。

前半は確かにオーストラリアは60%のボール支配率で得意の?パス回しに 徹してきたが、NHKのBSの解説の木村和司は「この戦法で来る限り安心 だ」とそのパスサッカーの至らなさを見抜いていたのは心強かった。後半 になってからのオーストラリアは1点を追って多少は本来の持ち味である 乱暴な辺りには出てきたが、相変わらず「そこでも回すのかよ」と思わせ るほど不毛なパスサッカーに固執していたのは意外と言うよりも、良い意 味で呆れていた。

31日夜の我が代表の良かった点を挙げていこう。それは何と言っても「世 代交代」である。「交替」でも良いかも知れない。事前の新聞報道では本 田、香川、岡崎等の古参を使わずに乾、井手口、大迫、浅野等を使うとの 予想があったので、長いこと世代交代の必要性を唱えてきた私だが、多少 不安があったのだ。しかし、ハリルホジッチ監督の思いきった新世代を中 心にした布陣は成功したのだった。

次に印象に残ったのが、細かいパス回しをせずに前に残った大迫、乾、浅 野等に言わば縦一発式な「前へ」という積極的な攻め方をしていたこと だった。その為かどうかまでは知らないが、これまでに散々非難してきた 横→横→後という消極的な後陣のデイフェンスの間での無意味なパス回しが なりを潜めていたのも良かったと思う。大迫もきついオーストラリア当た りに耐えてポストプレーに徹していたのも褒めておいて良いかも知れない。

若手の中でも良かったのが井手口だった。彼は数少ないJリーグ在籍中の 選手で、今頃言っても遅いが、私は密かに将来面白い存在になるだろうと 期待していた存在だった。

だが、申し訳ないことに余りJリーグの試合を 見ないので、昨夜ほどやれ るようになるほど成長していたとは知らなかっ た。不明を恥じねばなる まいと反省。同様に、浅野も「タダ足が速いだけ では・・・」とくさし ていたので、あの1点目になったデイフェンスの裏 を取って飛び出して、 長友からのパスに合わせた辺りは出色の出来だった と褒めたい。

オーストラリアに1点も取らせなかった長谷部を中心にした守りも褒めて おかねばなるまい。長友、吉田、昌子、酒井宏、山口蛍たちは良くやって くれたと思う。但し、攻めに回った時に酒井と前にいる者との呼吸がもう 一つ合っていなかったのは気懸かりだった。乾等の新顔が多かったからだ という言い訳は通用しないのではないか。

勝つ時はこういうもので、日頃批判ばかりしている私も正直なところ、手 に汗握る思いで「閃き」などに依存せずに、ただひたすら勝ってくれと 思って見ていたし、またその通りになったのは「誠に欣快に存じます」 だった。

予選は未だ1試合残っているが、これから来年の本番に向かって、長谷部 主将が試合後に語ったように、あの場にいた者の誰一人としてロシアに行 けると決まっていないのだ。

何やら私的な事情があるかのようなハリルホジッチ監督が来年まで指揮を 執るか否かが急に不明になったかのようだが、新時代の精鋭で押していく のか、前回までの経験者の経験をどのように活かしていくかが大きな課題 となるだろうし、あの23名以外が何処まで成長するかも見所だと思う。何 しろ、W杯の本戦ではオーストラリアどころではない強敵がひしめいてい るのだから。



 2)落ち着いて技術面を振り返れば:前田正晶

勝って良かったとの安堵感から、今朝ほどはほとんど批評らしい批評もし ていなかった。そこで、漸く落ち着いたので、あの試合の内容を振り返っ てみようと思う余裕が出てきた。兎に角、ハリルホジッチ監督があれだけ 重要な試合に、国際試合の経験がそれほど豊かではない(比較的に)若手 中心の布陣で打って出たのには「博打か」と、一瞬不安にさせられたの だった。
だが、解説の木村和司が繰り返し指摘したように、オーストラリアの中途 半端なパス依存のサッカーには「点を取れる形」が出来ていなかったので 「これならば何とかなるのか」と思わせてくれた。前半のボール支配率が
40%だったのは、ある程度「あの攻め方では怖くない」と見切って、中盤 を自由にさせたのかとも考えていた。

そこに、長谷部が復帰していたし、山口蛍と井手口洋介の両名が中盤でも 怖めず臆せず競り合いに行って何度か勝っていたので、何時かは点が取れ る可能性があるかと思ってはいたが、15年頃だったかの東アジア選手権の 決勝で韓国と壮絶な当たり合いをやったオーストラリアが何時牙をむいて くるのかという不安感をどうしても一掃できなかった。

ここまでは長谷部が2度ほど競り合いの中で不用意にボールを取られてし まったような場面はあったし、酒井宏樹が懸命に上がっていくのは良かっ たが、どうしても前にいる者との呼吸が合わない場面が多く、「何で彼を 使うのか」と不満に思っていた。不満があったのはこの酒井くらいのもの で、残る10名には文句はなかった。川島などは最も評価していないGKだ が、危険なシュートが来なかったのでは問題が生じるはずもなかった。

乾、浅野、大迫、井手口は、本田、香川、岡崎、長友たちの歴戦の勇と比 べれば確かに経験不足ではあろう。だが、現時点では未だ怖いもの知らず であるという特徴があるので、大一番で使ってみた監督さんの勇気は評価 せねばなるまい。

しかも、浅野はあの長友が持って上がるのかと思わせて切り返して中を見 ながら上げたパスに見事なタイミングで飛び出した辺りは立派なもので、 一瞬何が起きたのか解らない素早さだった。だが、あれは浅野がサッカー の技術が外国に行って上手くなったからと言えばそうではあるまい。彼に は一日も早く単なる「飛び道具」から脱却する域に達して貰いたい。

これは全く私的な回顧談だが、私が藤沢四十雀でリクリエーションとして のサッカーを楽しんでいた頃に、あの井手口が素晴らしいシュートを決め て試合を決定したのと似たような場面で得点したシュートを思い出させて くれた。偉そうに言うと、私は四十雀ではゲームメーカーに徹していたの で、あの7年ほどの間に2点しか取れていない。

その2点目があのようにペナルティーエリアの線に沿って右の方向にドリ ブルしながら、「もうこの辺で蹴れば入ってくれるかな」と思い切って 蹴ってみたところが、あの井手口のシュートのように綺麗にほぼ無回転で フックがかかって入ってしまったのだった。自慢話にお付き合い頂いたの は「あの井手口のように思い切りよく蹴る気概」を見せる者が我が代表に は少ないので、敢えて自分の例を挙げてまでも、井手口のやる気を褒めた かったのだ。

私は我が代表のサッカーには、失敗か何かを恐れているのか、思い切りの 良さが不足しているのだと思っている。折角敵陣にまで入っていっても責 任逃れのパスを回しているのでは点にならない。思い切って蹴ってみれば 何かが起きるのではないのか。井手口は、あの前にもゴール前のチャンス で低く蹴りすぎてGKに献上してした。

脇村春夫元高野連会長は見逃しの三振を嫌った。即ち、「バットを振って 球に当たれば何がか起きる」との主張だった。井手口のシュートにもこの 脇村君の主張が当てはまるのではないか。

長谷場主将は試合後のインタビューで「W杯本番では今日のような程度で は通用しないのでは」という意味のことを言っていた。同感である。あの オーストラリアのような出来損ないのパスサッカーで試行錯誤状態にある 国に勝っても、技術的には大した意味はないと思う。

しかも、若手は未だこれから世界の厳しさを味合わねばならない時期が来 る段階である。勝ったからと言って、誰でも彼でも褒め称えているべき時 ではないと思う。例えば、大迫だが、確かに当たられ強くなってポストプ レーは出来てはいたが、得点を取れる力は未だしだったと見た。それで は、あそこの置いている意味が薄れる。

未だサウジアラビアとの試合が残っているようだが、そこで若手に更なる 経験を積ませるのか、古手との融合を図るのか、ハリルホジッチ監督には 課題が残っていると思う。だが、報道によれば、親族に重症患者がいて、 進退問題になりそうだとのことだ。彼らの世界の文化では「家族優先」は 至極自然なことであるから、要らざる干渉は無用だと思う。古くは家族の 病気を理由にしてシーズン中にも拘わらずアメリカに帰ってしまった元
MLBの打者がいたではないか。それを我が国では問題にして非難したでは ないか。



━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━


2日の東京湾岸、総長は雨、その後曇り。


1日の民進党の代表選挙中継を見ていた。彼らは自民党の悪口を並べてい たが、私に言わせれば彼らは自民党のはみ出し者だから自民党に入れ替わ るな んて当分ありえない。だから支持率は急速には上がらない。


9月に入った途端、公園のセミの声が小さくなった。秋は何となくさびし い。1時間目から泳いでいる隣の中学校の女生徒たちはどうだろう。

右ひざに人工関節を入れた義兄の調子はきわめてよろしい、近く全快祝い をやろうといっている。

                    読者:5747人。 








◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら
→ http://melma.com/contents/taikai/

渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2017/09/02

    在日通名は便衣兵だから要注意!差別とか人道の世界ではない。単純なテロゲリラの世界だよ。特に在日企業はあぶないね。北朝鮮はすでに半島休戦協定を破棄しているので、対する韓国は動員令がなくとも国防動員法による、国民皆兵状況にあると思われる。会社レベルのチェックが必要だな。

    http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2017/09/02/1877-201792%e3%82%a2%e3%83%a9%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%83%88%e2%91%a0/

  • 名無しさん2017/09/02

    NHK ツイッギーに憧れる子たちにまでコンスをやらせる気か?朝ドラ「ひよっこ」 



    http://blog.goo.ne.jp/chaos1024/e/ad69dfb6623c137e9d7444a8d5a38501



    麻生財務相がまたもヒトラーがらみで問題発言!「何百万人殺したヒトラーは、いくら動機が正しくても駄目だ」



    →批判殺到し、撤回! 



    http://yuruneto.com/asou-tekkai/



    北海道はシナ資本の土地買収だけではない。シナ人観光客がシナ人永住者になり、学校教育もシナ語やシナの歴史や文化を教えていた。



    https://blogs.yahoo.co.jp/bonbori098/34869970.html

  • 名無しさん2017/09/02

    「関東大震災朝鮮人虐殺」というタイトルでは、いかにも朝鮮人が虐殺されたように取られてしまう。実際に起こったのは「関東大震災下での朝鮮人による日本人の虐殺」なのだから、テレビ局は、誤解を招く「関東大震災朝鮮人虐殺」というタイトルを使うべきではない。

  • 名無しさん2017/09/02

    「朝鮮人虐殺」というタイトルでは、いかにも朝鮮人が虐殺されたように取られてしまう。実際に起こったのは「朝鮮人による日本人の虐殺」なのだから、テレビ局は、誤解を招く「朝鮮人虐殺」というタイトルは使うべきではない。

  • 名無しさん2017/09/02

    酷い捏造報道!9月1日の13時半頃、日テレの「ヒルナンデス」でキャスターが関東大震災の慰霊祭の件で「日本軍が朝鮮人を大震災の時に虐殺した」と解説。真っ赤な嘘も甚だしい。サラッとこうした嘘を入れ込む。嘘をついてでも日本軍を悪者にしたいTV局。もはや狂気。放送免許剥奪が妥当!



    関東大震災の時にあった「朝鮮人の日本人虐殺」は、はっきりとわかっているが、もっとはっきりしているのが、大東亜戦争敗戦後の満州・朝鮮における「日本人虐殺・陵辱」であり、本土の焼け跡における「日本人虐殺・陵辱・財産強奪」がそれである。今も駅前にパチンコ屋があり焼肉屋があるのがその証明。



    日本はソ連に向かって戦争したことはない。一方的に日本を攻撃したのは、ソ連である。両方で向かい合って争えば戦争だろうけども、日本はなにも手出しはしていない。だから戦争を止めるのだというのは、おかしな話だ。

    殖田俊吉『日ソ復交に発言する』



    1931年「満州で同胞が中国人に殺された」とのデマに朝鮮半島の朝鮮人らが在朝中国人を襲撃、リンチ。100人以上の死者https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%8E%92%E8%8F%AF%E4%BA%8B%E4%BB%B6

    しかしこの事件を追悼するとか、反省するとかという話を聞いたことがない。殆どの韓国人は存在すら知らない。



    ご存知?

    1998年 韓国の金大中大統領は「もう、日本に歴史問題で謝罪や賠償を求めない」という条件で、日本から援助金をもらってることを。その額、なんと1兆数千億円!!…ということは、日本に歴史認識を見直せと迫っているのは、契約違反。1兆数千億円を返済してもらおう?

  • 名無しさん2017/09/02

    (宮崎正弘のコメント)御拝察の通り、阿南友亮氏は終戦の陸軍大臣・阿南惟幾閣下のお孫さんです。つまり前北京大使・阿南惟茂さんのご子息です。

    https://blogs.yahoo.co.jp/smkss434/2831945.html