政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針442151号  2017・8・21(月)

2017/08/21

       

   
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わたなべりやうじらうのメイ ルマガジン「頂門の一針」4451号
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           2017(平成29)年8月21日(月)



         リーマンショックを超える時限爆弾:宮崎正弘

      日米韓連携を覆しかねない朝鮮半島情勢:櫻井よしこ

      トランプ、「バノン切り」で穏健現実路線へ:杉浦正章           
                                 
                        話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記


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第4446号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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リーマンショックを超える時限爆弾
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)8月20日(日曜日)
        通巻第5400号
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 中国の債務爆発はリーマンショックを超える時限爆弾
   英国の「オウトノマス・リサーチ」が早期警戒予報
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中国のシャドー・クレジット(隠れた債務)はGDPの51%となっ た。 巧妙に不良債権を隠してきた悪知恵も、底が透けて見えてきた。

銀行の不良債権をいかにして隠ぺいしたか。具体的な方法が、このアウ トノマスリサーチという英国の金融シンクタンクが暴露された(2017年8 月18日)。

第一がWMP(Wealth management  Produst)と呼ばれる『理財商品』の一種である。これが典型の不 良債権隠し、およそ3兆7000億ドル。

償還期銀が短いわりに利息が良いので預金者や投資家に販売した。つま り不良債権を表面化させないために、投資信託のたぐいの金融商品に化か したわけだ。

第二がAMP(Asset Management Plan)で、総 計1兆9000億ドル。債権を上記WMPとセットにして銀行に売却し、 投 資(債権)にみせかけるのだ。

合計額は5兆6000億ドル内外となり、中国のGDPの51%、恐ろ しい数 字となって表面化した。
 
この帳簿上の債権の実態は不良債権であり、ともに中国経済を根底的に 揺さぶる時限爆弾である。

おそらく中国共産党は党大会を控えているので、それまでは必死に不良債 権隠しを行うだろう。

しかしそれ以後は爆弾の破裂を待つのかもしれない。
     
IMFは中国経済の薔薇色の未来を描いて久しいが、それでも多少は客 観的であり、中国の負債をGDPの235%(ウォール街とシティはいず れ お300%を超えていると推計しているから、IMFの数字は低すぎる のだが)、負債がバランスシート上、かなり不均衡であると警告している。
  
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1617】           
  ――「獨乙・・・將來・・・無限の勢力を大陸に敷けるものと謂ふべきなり」 (山川7)
  山川早水『巴蜀』(成文堂 明治42年)

                △

本書によれば、山川が成都を離れたのは明治39(1904)年5月とのこと。 当時の成都在住外国人について「日本、英國、獨乙、佛蘭西、米國の5國 にして、日本を除き、男女合せて百人餘の有りたらんか」と推定してい る。この時の成都在留邦人の数は不明だが、明治37(1902)年段階では14 人で、うち1人は幼児とのこと。

 日本人を除く「男女合せて百人餘」の職種は領事、教員、商人、宣教 師などだが、「或る年限を以て在留するものゝ外は殆と永久移住の覺悟ら しく、妻子を携へ、廣大なる家屋を有し、彼輩が鋭意着實に企てたる或種 計畫は、着着歩を進め居るが如く見江たり」。これと全く対照的なのが日 本人で、「指を屈して歸期を數」えている。

 そういえば時代を下った昭和初期、愛人と駆け落ち状態で東南アジア を彷徨した詩人・金子光晴が記した『マレー蘭印紀行』(中公文庫)を見 ると、マレー山中の錫鉱山事務所を訪ねた彼の「現在の最大の望みは」と の質問に、同事務所の日本人職員が異口同音に「一日も早い本社復帰、貯 金、テニスの上達」の3つを挙げたとある。

かりに現在、海外に派遣され ている日本人ビジネスマンに金子と同じ質 問をしたとして、おそらく同じ ような反応がみられるに違いない。もち ろんテニスがゴルフに代わってい るだろうが。

 山川が四川を踏査した20世紀初頭から現在までの1世紀余の時の流れ を 考えた時、日中両国が踏み越えてきた歴史のみならず、現在の両国を取 り巻くが国際政治・経済上の環境の変化などからして、山川の主張をその まま肯ずわけにはいかない。

だが明治人が綴った当時の成都にみられたド イツ・ビジネスの姿から、 経済を軸とした現在のドイツと中国の間に見ら れる“蜜月関係”を想定す ることは、さほど難しいことではなさそうだ。
 
そういえば日中戦争時、日本人から考えるなら首を傾げざるを得ないよ うな形でドイツは?介石政権支援の態勢を崩そうとはしなかった。あれは ナチスであるからか。それともドイツであるからか。山川の指摘からする なら、やはり後者ということになろう。

ならば現在の両国の関係の根底 に、20世紀初頭以来のドイツの中国市場 に対する“営々たる努力”が隠れて いることを知るべきだ。「ローマは一 日にして成らず」の俚諺に倣うな ら、やはり中国におけるドイツは一日 にして成らず、といっておきたい。

 さらに山川は西洋人宣教師に注目する。

西洋人のなかで最も現地に馴染んでいるのが、「成都に住する實に20年の 久しきに亘り、今や巍然たる病院と廣大なる?會とを有する」キル ボー ンと、「同じく醫師兼宣?師にして、成都に居ること12年に及べ」 るカ ンライトの2人。前者はカナダ人で、後者はアメリカ人。これに次ぐ のが フランス人で、彼らも「城内幾處に?會を有し、且つ其宣教師も概ね 辮 髪寛服を着け、務めて内地人に同化せんと」している。

 カンライトはアメリカから送られた大量の建設資材を使って各所に時 計台を敷設した病院を新築するなど、成都の近代化に務め、住民の支持を 得ている。じつは現地人は「下流」であるほどに「洋醫を喜ばざれど、其 効驗の顯著にして且つ療費の廉なる爲め、不知不識、之に歸依」すること となる。

こうして彼ら宣教師が本国などの支援で建てた「壮大なる建築物は、 や がて布?上の資本となり、宣?師本來の目的は、漸を以て成就するもの とす」。「それにつけても、彼等宣?師等が種種の不便を忍び、不測の危 難を負擔し、深く内地に進入し、全然移住的態度を取れるは、嘆稱に値せ ずばあらず」なのである。

加えて重慶在住列強領事は、不法を承知の「高壓手段」で開港場では な い成都に常駐し、諸工作に奔る。
ならば、遵法精神に縛られる日本が後塵を拝すことは当たり前だ。
        
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 宮崎正弘の最新刊予告
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8月24日発売!
宮崎正弘 vs 渡邊惣樹『激動の日本近現代史 1852−1941』 (ビジ ネス社)
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 歴史修正主義の逆襲が始まる! 定価1944円
 ――これまでの近現代史解釈は間違いだらけだった
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▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ▼READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)  「中国ガン・台湾人医師の処方箋」(林 建良著)
中国の本質を知る最高の解剖学とその処方箋が本書に掲載されています。
【中国ガン】分裂させよ
中国は解体できる

中国ガンが日に日に膨張し、絶えず遠隔転移している。このままではい ずれ地球全体も壊滅する。それを防ぐ方法はたった1つ、中国を分裂させ て無害化することだ。

中国の根深い「大一統思想」とは膨張思想そのものだから、勢力を拡大 し続けなければ政権が持たない。一方、そのでっかい図体を維持するため には資源を掠奪し続ける。ところが、掠奪政策によって求心力より遠心力 が働き、分裂の可能性も高まる。だから、中国はこれまで統合と分裂の歴 史が繰り返されてきた。

大一統思想は宗教のようなもので、中国人の心の拠り所になっている。 しかし、分裂した方が自分は豊かになると知れば、大一統思想はたちまち 崩れてしまう。ふだん、愛国を叫ぶ中国人たちは、外国へ出られるとなる と競って国を捨て、外国人になる。

だから、アメリカでも日本でも帰化申 請者は中国人が多いのだ。そのぐ らい中国人の結束はもろい。孫文が中国 人は砂のような民族だと嘆いた 気持ちはよくわかる。

中国の分割は不可能だと思われがちだが、実は歴史を見ると、中国が一 つの国である時期よりばらばらの状態だった時期のほうが長いのだ。

中国は今でも、日米欧とは異なる皇帝統治の国家である。つまり「中国 共産党」という仮面をかぶった皇帝支配が行なわれているわけだが、この 国では古来「天高皇帝遠」というように、皇帝の存在は天と同じように遠 い存在であり、民衆にとっては関係ないと考えられてきた。また、他の近 代国家のように法律が社会の隅々にまで及んでいるかと言えば、決してそ うではない。

今の中国は共産党の一党支配下で中央集権が行なわれているように見え るが、実際に共産党政権が徹底支配しているのは軍、言論統制、情報だけ なのだ。なぜなら、よく言われるように、この国では「令不出中南 海」 (命令は中南海より外には及ばない)、「上有政策下有対策」(上に 政 策があれば、下にはそれへの対策がある)で、地方の官僚たちは中央な どお構いなしでやりたいことをやっているのが現状だ。

 たとえば人口の六割が住む農村では、勝手な名目で勝手に税金を徴収し ている。税金は政府にとっては権力の源だ。それを自由に徴収できるとい うことは、地方には中央の統制が効かないということだ。

だから、中国をバラバラにするというのは決して難しいことではない。 共産党の一党独裁が終われば、その瞬間にこの国は分裂するのである。
   (史実を世界に発信する会)



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(読者の声2)貴誌・通巻第5399号「『北の大地は大丈夫か 日本が 中国 に支配される危機』に関する講演会が8月23日午後4時30分から 憲政記 念会館・講堂で開催されます。

講演会の基礎知識として、中国人民解放軍の日本侵攻戦術の1つの方法 を、老婆心ながら北海道に関し、簡単に述べさせていただきます。 この 件を記すことの目的は、

1、敵国が日本に対する侵略手順の具体的な方法を、当方は先刻承知して いること。

 2、従って、敵国は日本領土を占領することは不可能であることを知ら しめる為でもあります。

孫子の兵法に、「敵の企みを事前に察知し、それに対応すれば、その企み を挫くこと易し」とありますが、第5列の方ゞもこのブログを購読されて いると存じますので、是非参考に して頂き、無用な争いを起こさないよ うになさったほうがよろしいかと考 えます。
 
<人民解放軍の日本侵攻計画>

佐 渡 の 教 訓:
尖閣+佐渡では、日米両軍によって、撃破されてしまう。
ならば、同時多発攻撃として、尖閣+佐渡+苫小牧+釧路ではどうか ?
自衛隊は戦力分散して、対応できないだろう。結果、最低、尖閣を奪取で きる。

日本が混乱し、紛争が長期化し、ロシア軍が南下すれば、北海道の南北を 中露で割統治することが出来るかもしれない。

<人民解放軍の動き>

北海道での作戦では、人民解放軍の主力部隊を、旅行者に紛れ込ませ、既 設の住居に送り込む。1−2万人の主力部隊を隠せる住宅を今後1ー2年 のうちに造り上げる。

司令部は、暗号通信可能な設備を整え、文京にすでに完成しているパラ ボナアンテナ三基は(1)本国用、(2)海上用、(3)陸上用である。

 <研修生・留学生・本体>
 
研修生は、日本入国前に、3ヶ月の軍事教練が施してある。留学生につ いては、「大使館の指示に従う」と言う確認を取っているが、本国に帰った 時に、短期の軍事訓練を施すのが適当である。作戦決行
3ヶ月前?直前には、主力部隊を旅行者として投入する。
 <武力侵攻の前兆現象をつかめ>

1.     購入した土地に住宅を建て始める。
2.     中国在留者の急増。
3.     文京における無線通信回数の急増。
4.     北海道周辺での、中国の海監、海軍の増加。
5.     釧路、苫小牧行きの長距離バスが中国人で満席になる。

人民解放軍は、日本のビザを取って、入国する者が多いはずなので、日 本領事館に、自衛官を配置して、チェックするといい。もっと探せば前兆 現象はあると思う。それを、毎日飽きずに記録していけば、突然急増する のが分かる。

上記「1」が起きれば半年から1年後。 「2と3」が起きれば、2ヵ月 後、「3と4」が出たら、当日か翌日が決行日。

日本は少ない戦力で戦うので、連係プレーと前兆の正確な把握が大切。
また、釧路、苫小牧、新千歳のために緊急展開部隊の準備が必要。

ここでは、当方の具体的な方法は記しませんが、草莽が少し注意をすれ ば、相手の動きが判ると考えます。 8月23日の講演会に是非ご参集い た だきたく存じます。(松戸の老人)



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日米韓連携を覆しかねない朝鮮半島情勢
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            櫻井よしこ

「日米韓連携を覆しかねない朝鮮半島情勢 韓国が危うくなれば日本に必 ず負の影響」

平和の内に夏休みを迎えている日本とは対照的に、朝鮮半島情勢が厳し い。南北双方の事情は日米韓の連携を根底から覆しかねない。その結果生 ずる新しい事態へ備えを急がなければ、日本は窮地に陥る。

7月4日と28日の2回、北朝鮮はミサイルを発射した。米国本土中枢部、た とえばワシントンに到達する飛距離1万キロメートルを超える大陸間弾道 ミサイル(ICBM)の完成に、彼らは急速に近づいている。

北朝鮮抑制に真剣に取り組まない中国に米国が苛立つ。危機感から韓国へ の戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を急ぐが、文在寅韓国大統 領の揺らぎも米国の苛立ちを加速させる。

北朝鮮が先月2度目のミサイル発射を深夜に決行した当日、実は文氏は THAAD配備を事実上遅らせることになる一般環境影響評価(アセスメ ント)の実施を発表していた。

米国は韓国に既に2基のTHAADを配備済みだ。別に4基を韓国に運び込 んだが、配備には至っていない。文氏はこの4基のみならず、配備済みの2 基も、排除するつもりで環境アセス実施を指示したのだ。

ところが同日深夜、金正恩氏がミサイルを発射すると、文氏は残る4基の 配備を急ぐとして、従来と逆の決断をした。文氏は遂にTHAAD配備を 認めたが、米韓同盟が長期的に強化されるか否かは定かではない。

有事の際の戦時作戦統制権を巡って米韓両国はいずれ韓国が統制権を持つ ことに合意しており、その路線に変化はない。文氏は6月29日のドナル ド・トランプ米大統領との首脳会談で同問題を取り上げ、韓国への統制権 「早期」返還を求め、トランプ大統領もこれを了承した。結果として THAAD配備を急ぐ間にも、ソウルに駐留する米軍の南後方への移動が 着実に進められている。

7月11日、米第8軍司令部はソウル中心部の竜山基地から南の平沢への移転 を完了した。第8軍司令部は朝鮮半島有事の際の米韓両軍の司令塔になる 組織だ。日本にたとえれば座間に駐屯するシアトルの第1軍団前方司令部 に相当する組織で、有事の際に全体の作戦を指揮する中枢部隊だ。日米韓 3国が北朝鮮や中国の脅威に対処しなければならないとき、その頭脳とし て機能するのが第8軍司令部だ。

朝鮮半島有事の際、韓国防衛には在日米軍基地からの応援が欠かせない。 在日米軍基地は日本の協力なしには機能しない。日米両国との良好な関係 なしには、韓国の自国防衛は困難だ。

片や日本は2年前の安保法制で米国軍やオーストラリア軍に後方支援を行 えるようになった。だが、韓国との安全保障上の協力体制はとても不十分 で、加えて日韓両国に信頼関係が確立されているとは言えない。

そのような中で文政権が戦時作戦統制権を米国から取り戻し、そのときに 有事が生じたら一体どうなるか。作戦の指揮権を手放した第8軍司令部が 韓国防衛の戦いを指揮することは、無論、ない。のみならず、米韓連合軍 司令部は恐らく解体に至るだろう。つまり、北朝鮮あるいはその背後の中 国を相手に、韓国は非常に難しい戦いを強いられることになる。

他方、日本は米国への後方支援は行うが、安全保障上の基本的協力関係も 形成されていない韓国軍を直接支援することはできない。その先にどんな 結果が韓国を待ち受けているのか、想像するだに気の毒だ。

文氏の作戦統制権の早期奪還計画は、北朝鮮への屈服とより強い中国の支 配を受けることにつながってしまうだろう。韓国が危うくなるとき、日本 は必ず負の影響を受ける。加計学園問題などにかまけるのではなく、じっ くり世界を見渡し、いかにして日本周辺に迫る危機を乗り越えるか、その ことをわが事として考える夏休みにしてほしい。

『週刊ダイヤモンド』 2017年8月12・19日合併号
 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1194


             
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トランプ、「バノン切り」で穏健現実路線へ
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              杉浦 正章

白人労働者中心の選挙基盤に打撃
 
ホワイトハウス内部抗争にけり
 
2月23日の解説の段階で「バノンをを潰すか、トランプ政権が潰れるか」 と、「バノン切り」を予言したが、けりがついた。背景には「陰の大統領」バ ノンが選挙公約と現実政治のけじめを理解出来ず、公約に固執し続けた結 果、自らを窮地に追い込んだことがある。

トランプは自説に固執する理念重視型のバノンと対立していた穏健現実路 線派に政権の基盤を移行させることになるが、バノンだけでなくトランプ 自身も内政的には厳しい状況に立たされる。

というのもバノンが唱えた保護貿易や移民排斥路線は白人の低学歴労働者 の支持を狙ったものであり、ただでさえCNNの支持率が過去70年の歴代大 統領で最低となる36%にとどまっていることを考えると、バノン更迭で 支持率が大幅に好転する可能性は少ない。来年の中間選挙は共和党惨敗を トランプが先導することになりかねない状況でさえある。

ウオールストリートジャーナル紙の社説がいみじくも「バノンは自分で自 分を解任した」と分析しているが、まさにきっかけは自傷行為であった。

左派系ニュースサイト「アメリカン・プロスペクト」とのインタビューでバ ノンはホワイトハウスの内部抗争を暴露して「トランプ氏の側近らと毎日 戦っている。戦いの連続であり、いまだに戦いは続いている」と激しい対 立に言及した。

これは抗争が終末期に到達して、自らが逃げ場のないほど追い込まれた事 を意味する。娘婿の上級顧問クシュナーや安保担当補佐官のマクマスター 補佐官らとの対立は抜き差しならぬ段階であったという。

これまでは保護主義的な貿易政策、強硬な移民政策、環太平洋経済連携協 定(TPP)離脱などで強硬路線を取って政権をリードしてきたバノンだ が、パリ協定離脱に関しては娘のイバンカら穏健派が反対を唱えたものの バノンは強硬路線で突っ走った。

このころから向かうところ敵なしに見えたバノンの力に陰りが見え始め、 イスラム圏からの入国禁止措置は司法の大反発で失敗の憂き目を見た。ト ランプはバノン路線に乗った結果、政治的、法的な敗北を喫したことになる。

さらにバノンはインタビューで北朝鮮問題について「北朝鮮関係などは余 興に過ぎない。軍事的解決などあり得ない。忘れてよい」 と言い切った。 これは軍事的解決を排除しないトランプの北朝鮮政策と真っ向から対立す るものである。これに追い打ちをかけたのがシャーロットビルでの騒乱だ。

白人至上主義を掲げるグループとこれに抗議するグループとの激突は、だ れがみても白人至上主義派に問題があった。それにもかかわらずトランプ はバノンの影響を受けて「双方に非がある」とけんか両成敗的な発言をして しまったのだ。これには世論が憤ったのみならず、ユダヤ系市民にまで反 発が報じた。

ユダヤ系の米国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーンも激怒し て辞任寸前となった。コーンはこれまで通商問題でトランプ政権内の過激 な主張を抑え、税制改革でも中心的な役割を担っており、辞任は政権への 大打撃となる性格のものである。

こうしてさすがのトランプも、政権維持とイメージ回復のためにも 「バ ノン切り」に踏み切らざるを得なくなったのだ。今後の政権はホワイトハ ウス内の力関係が一変する。

まず、7月末に就任した大統領首席補佐官ケリーを中心に体制再構築に動 くだろう。ケリーは、退役海兵隊大将であり、現役の陸軍中将のマクマス ター、退役海兵隊大将の国防長官マティスの「軍人トリオ」がホワイトハ ウスをリードし、外交は実業家の国務長官ティラーソンが担うことにな る。」」

従来通りクシュナーと娘で大統領補佐官イバンカら“親族”も加えて、バノ ンの強硬路線からホワイトハウスは一挙に穏健現実路線へと形を変えるこ とになる。ホワイトハウスのメディアとの関係は、トランプ本人がメディ ア敵視政策を変えない限り一挙に好転することは難しいだろう。

しかしトランプもバノンの「メディアは野党だ」といった発言を請け売りし ていた側面もあり、バノンの辞任はとげの一つが抜けたことは確かであろう。

バノンも古巣の右翼メディア「ブライトバード・ニュース」の会長に復帰 し、「我々が選挙で勝ち取ったトランプ政権は終わった。大統領周辺のや つらは穏健な道を進めさせようとするだろう」 と述べている。バノンは政 権中枢の半年間でスキャンダルも含めた様々な情報を握っている可能性が 高く、トランプは敵に回したくない相手であろう。

ブライトバードはさっそく「トランプ政権の終わりが始まった」 と酷評し ている。もっとも、バノンも政権幹部とメディア会長では、影響力が天と 地ほど違うことを思い知ることになるのも確かだろう。バノンは大敗を喫 したのだ。
 

   
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話 の 耳 袋
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 ◎コラム:経済学者の鼻を折る「法則破り」の日本 Edward Hadas筆

[ロンドン 10日 ロイターBreakingviews] - 「殉教者の血は教会の 種」という言葉がある。16世紀に日本の支配者だった豊臣秀吉がこのこと わざに気づいていたとすれば、彼は、それが日本には当てはまらないと判 断したのだろう。

秀吉は、それまで急速に拡大していた国内のキリシタン社会を暴力的に迫 害した。秀吉は多くの日本人殉教者を生み出したが、キリスト教信仰は復 活しなかった。日本が世間一般の通念の反証となったのはこれが最後かと いうと、決してそうではない。

実際のところ、1868年の明治維新後、そして再び第2次世界大戦後に日本 が成し遂げた急速な経済発展は、近代化に関するほぼすべての理解に反し ている。19世紀の専門家は、当初、繁栄が可能なのはプロテスタントが 多数を占める文化だけであると確信していた。その後の専門家は、他のキ リスト教社会でも繁栄が可能であることを認めた。だが、日本における反 キリスト教の歴史は、何の障害にもならなかった。

20世紀に入り、開発経済学者は「何か特別な推進要因がなければ急速な 成長は、ほぼ不可能」と主張。それは貿易慣習や、暴力的混乱を伴う社会 革命、豊かな天然資源、国際的に連帯したマイノリティグループによる感 化などだ。だが、日本はこのいずれにも該当しない。

政治経済学者は、別の真理を唱えている。それは、軍事力強化が常に工業 化の主要目標になる、というものだ。その筆頭が、貧困から抜け出し、 1905年にロシア艦隊をほぼ全滅させるに至った日本である。だが、第 2次世界大戦後、平和憲法を掲げた日本においては、「豊かになる」こと が同じくらい強い動機になった。

現代においてさえ、日本はグローバリゼーションなどの世界的原則に対す る例外であり続けている。専門家は、富裕国においては、大規模な国際貿 易には必然的に膨大な移民流入が伴うと主張している。

日本はもちろん貿易を行っている。世界銀行のデータによれば、日本の 2015年の輸出入総額は、国内総生産(GDP)の約30%に相当し、米 国の28%を上回っている。

だが、移民はさほど多くない。経済協力開発機構(OECD)の試算によ れば、2013年時点における日本の外国人居住者は全体のわずか1.6%で あり、米国の7%、ドイツの9%を大きく割っている。

また日本は、現代経済における女性労働を巡る世界的な潮流にも背を向け ている。世界に先行する深刻な少子化問題を抱えているにもかかわらず、 日本の女性は依然としてキャリア面で男性に後れをとっている。国際会計 事務所グラントソントンによれば、企業の上級幹部に占める女性の割合 は、ユーロ圏の26%に対して、日本はわずか7%だ。

インフレの問題もある。ノーベル賞経済学者ミルトン・フリードマンは 1963年、「インフレは、いついかなる場所においても貨幣的現象」と述 べ、マネーサプライが機械的に価格水準を決定すると提唱した。現在フ リードマンの主張に反している国は日本だけではないものの、そこには独 特の説得力が伴っている。

安倍晋三政権と日本銀行は、どんな先進国よりも積極的な財政・金融政策 を推進している。日銀は、国債などを買い取ることでGDPのほぼ100% に相当する資金供給を行った。過去5年間の財政赤字は対GDP比で平均 5%と、主要7カ国(G7)の中で最悪の水準だ。

その政策の結果はどうかといえば、実は何も起きていない。インフレ率の 最新データは0.4%であり、トレンドはひいき目に見ても横ばいに過ぎ ない。日本の経済成長、雇用、あるいは貿易に対して、政府・日銀の政策 は、良くも悪くも目に見える効果を与えていないのだ。

殉教は奇跡的に、だがほぼ機械的に改宗を促すと信じていた3世紀のキリ スト教神学者テルトリアヌスと同じくらい、フリードマンも間違っていた ことになる。

日本の例から得られる全般的な教訓は明らかだ。それは、シンプルな経済 原則には注意しろ、ということである。人間の性質はどこでも同じかもし れないが、現代的な繁栄の仕組みは複雑だ。テクノロジーは世界中どこで もますます似通ったものになっているものの、豊かさを得て、それを維持 し、失うありかたは、国によってバラバラなのである。

どの国の経済も、往々にして、つかみどころのない社会的要因から影響を 受け、頻繁にさまざまな方向に押しやられ、予測不可能な変化を遂げてい るように思われる。

経済学は、明確で測定可能なパターンや、普遍的で定量化できる法則を備 えた「厳密な科学」になることは不可能だ。経済学はむしろ社会学の1部 門に近く、何事においても確固たる結論に到達することがほとんどない、 やっかいな学問分野なのである。

日本ウォッチャーやあらゆる国の経済専門家志望者にとって、この国が示 す法則破りの慣例は、2つの大きな教訓を提示している。第1に、一見し て普遍的だったり、時代を超えた真理のように見えたりするものが、実は そうでないことが多い、ということだ。第2に、日本が原則に従っている ときは注意しろ、ということである。

1970年代当時、トップダウンの行政指導や、工場・会社での責任共有に代 表される日本独自のビジネス文化が、この国のとどまるところを知らない 急速な経済成長の秘訣だ、と多くが考えていた。実際は、日本の繁栄が世 界の先進国にほぼ追いついた頃、成長は減速した。

金融市場ではなかなか理解が進まず、熱狂的な日本支持者は、このような 例外的な国では、ほぼどんな資産価格も高すぎるということはない、と主 張していた。

だが、金融の世界における重力は、どこであっても下方向に働く。

日経平均株価は、いまだ1989年のピーク時の半値水準にとどまり、東京の 住宅用不動産価格もピーク時から6割下がっている。日本の独特のあり方 は経済学者の注意をかき乱すかもしれないが、その日本でさえ、財務的な 価値を経済の現実から永久に切り離しておくことはできないのである。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆 者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

【写真】 8月10日、1868年の明治維新後、そして再び第2次世界大戦後 に日本が成し遂げた急速な経済発展は、近代化に関するほぼすべての理解 に反している。写真は2008年1月、都内で行われた武道の新年初稽古のイ ベントに参加する武士に扮した男性(2017年 ロイター/Toru Hanai)
http://jp.reuters.com/article/japan-economics-breakingviews-idJPKCN1AY0RM
【ロイター】 2017年 08月 20日 09:15 JST 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎<納骨ビル>大都市圏で増加…手軽さ受け 運営法人に課税も

大都市圏で近年、宗派や国籍を問わずに遺骨を受け入れるビル型納骨堂の 建設が相次いでいる。寺院関係者によると、遺骨の出し入れをコンピュー ターで自動制御し、数千規模の遺骨を収容できる納骨堂は全国に約60カ所 あり、うち半数は東京都に集中する。利便性が高い都市部にあるほか、檀 家(だんか)にならなくてもいい手軽さから支持されているが、運営する 宗教法人に課税する動きもみられる。

 自動搬送式の納骨堂には参拝ブースがある。タッチパネルにICカード をかざすと、「○○家」などと刻まれた銘板付きの納骨箱が、立体駐車場の ような収蔵庫から運ばれ、ブースの墓石にはめこまれる仕組み。花や焼香 は用意されているのが一般的で、屋外の墓とは違って草むしりなどの手入 れをする必要はない。

 金沢市に本院がある曹洞宗「伝燈院」は4年前、東京メトロ・赤坂見附 駅近くの一等地で自動搬送式の「赤坂浄苑」(港区)の運営を始めた。約 3800基分を納骨でき、価格は1基150万円(年間管理料1万8000円)。仏 壇仏具販売大手の「はせがわ」(福岡市)に販売や営業を委託し、既に約 1500基が売れた。

 ビルの2、3階に参拝ブースが計12カ所あり、平日なら午後9時まで利 用できる。今年5月下旬、父親の墓参りで赤坂浄苑を訪れた埼玉県内の男 性(60)は「普通の霊園の墓より割安だし、妻との買い物ついでに手ぶら で寄れる気軽さもうれしい」と話した。
毎日新聞8/20(日) 10:30配信



 ◎焦点:北朝鮮製の衣料品が支える「メイド・イン・チャイナ」

[丹東(中国) 13日 ロイター] - 中国の衣料品メーカーは、より安 い労働力が享受できる北朝鮮での製造を増やしており、「メイド・イン・ チャイナ」のタグが付けられた北朝鮮製商品が、世界中に輸出されている。

世界で販売する安価な衣料品を製造するため、国際的孤立を深める隣国を 利用する中国企業の実態が、国境沿いにある中国遼寧省丹東の貿易業者ら に対するロイターの取材によって明らかになった。

これは、北朝鮮のミサイル・核プログラムに対する国連制裁強化が同国へ のドアを次々と閉ざしている一方で、開かれた扉もあることを示してい る。国連制裁には、繊維輸出の禁止は含まれていない。

「世界中から注文がきている」。中朝貿易のほとんどの物資が経由する丹 東で、韓国系中国人ビジネスマンはそう語った。他の多くの人々と同じ く、神経質な話題であることから、匿名を条件に取材に応じた。

丹東には数十の代理業者が存在し、中国の衣料品サプライヤーと米国、欧 州、日本、韓国、カナダ、ロシアのバイヤーのあいだを仲介しているとい う。「中国のサプライヤーに、顧客に正直に話す気があるかを問い合わせ ている。衣料品を購入した消費者が、北朝鮮で作られたものだと気づかな いこともある。とても慎重を要する」

昨年の北朝鮮輸出において、繊維製品は石炭や他の鉱物に次いで2番目に 大きく、計7億5200万ドル(約834億円)に上った、と大韓貿易投資振興 公社(KOTRA)のデータは示している。輸出全体の総額は、前年比 4.6%増の28億2000万ドルだった。

今月採択された新たな国連制裁決議では、石炭の輸出を全面的に禁止して いる。

北朝鮮の盛んな繊維産業は、困窮する同国が2006年に初めて核実験を実施 して以来、国連から科されてきた一連の制裁措置に対し、市場改革の進展 も限られるなか、いかに適応してきたかを物語っている。

同時に、トランプ米大統領が中国に対し、北朝鮮の兵器プログラム抑制に 向けた努力を要請しているにもかかわらず、いまだ北朝鮮が経済的ライフ ラインとして中国に依存している実態も示している。

中国の対朝輸出は、国連の禁輸リストに含まれていない織物材料や他の労 働集約財などがけん引し、今年上半期でほぼ3割膨らみ16億7000万ドルに 達した、と中国関税当局の報道官が語った。

中国のサプライヤーは、衣料品が集められ輸出される丹東を経由して、北 朝鮮の製造工場に布地や他の原材料を送っている。

<活況を呈する工場>

豪スポーツブランド、リップカールは昨年、「メイド・イン・チャイナ」 とタグ付けされた同社のスキー用品の一部が、実際には北朝鮮の工場で製 造されていたとして謝罪。「未認可の下請け」に外部委託した不正な卸売 業者を非難した。

だが丹東の取引業者や代理業者は、それは広く行われている慣行だと口を そろえる。

北朝鮮で衣料品を製造することにより最大75%節約できる、と首都平壌に 住む中国人取引業者は主張する。

一部の北朝鮮の工場は、丹東から国境を渡ってすぐの新義州市にある。平 壌郊外にも工場がある。完成品は北朝鮮から中国の港へ直接輸送され、そ こから世界各地に輸出されることが多いと中国人の取引業者らは話す。

北朝鮮には約15の衣類を手掛ける大手輸出企業が存在し、それぞれが国内 数カ所に工場を稼働しているほか、中規模企業も数十社ある、と外国企業 の北朝鮮ビジネスを手助けするオランダのコンサルタント会社GPIは説 明する。

北朝鮮にある工場は全て国有で、なかでも繊維工場は活況のようだ。

「われわれの衣料も北朝鮮で製造しようと試みているが、現在、工場に全 く空きがない」と、丹東から列車で2時間の場所にある港湾都市大連の工 場で、韓国系中国人の女性は話す。

「北朝鮮の工員たちは中国人と比べ、1日当たり3割多く製造できる」と 説明。「北朝鮮では、工員は行きたいときにトイレに行くこともできな い。製造ライン全体が遅れてしまうと考えるから」

「彼らは、ただカネのために働く中国の工員とは違う。北朝鮮人は異なる 姿勢だ。国のため、指導者のために働いていると信じている」

また、彼ら北朝鮮工員の賃金は、他のアジア諸国のそれをはるかに下回っ ている。

韓国との国境付近にあり、現在は閉鎖されている開城(ケソン)工業団地 で働く北朝鮮人の賃金は、月に最低約75ドル、平均で160ドルだった。一 方、中国の平均的な工員の賃金は同450─750ドル。ケソンは韓国との協力 事業であり、北朝鮮での一般的な水準よりかなり高い給与体系となってい るが、これは韓国との取り決めによるものだ。

<中国で働く北朝鮮人>

中国の衣料メーカーは、バングラデシュやベトナム、カンボジアに自社工 場を移転させる一方で、北朝鮮工場の利用を加速させている。

「中国の賃金はもう高過ぎる。非常に多くの発注が北朝鮮に向かうのも無 理からぬことだ」と、丹東の繊維産業で働く韓国系中国人女性は言う。

中国の繊維企業はまた、国内で労働単価の安い北朝鮮人を数多く雇っている。

北朝鮮は、とりわけ国連制裁によって輸出収入源の一部が断たれて以来、 外貨獲得の手段として海外で働く北朝鮮人に頼っている。彼らの賃金の大 半は政府に送金され、同国の野心的なミサイル・核プログラムの資金とし て使われると、国連は指摘している。

北朝鮮に対して今月科された新たな国連制裁は、国外で働く北朝鮮人の数 を増やすことを各国に禁止している。

中国は国内工場や飲食店で働く北朝鮮人の数を公表していないものの、 2─3年前のピークからは減少している、と北京にある中国人民大学の北 朝鮮専門家、成曉河氏は指摘する。

「北朝鮮人を雇うのは面倒なこと」と語るのは、前出の大連でビジネスを 行う韓国系中国人女性だ。「正しい段取りが必要だ。居住スペースは完全 に隔離されなくてはならず、毎日授業が受けられる教室も提供しなければ ならない。彼らは医師や看護師や料理人、毎日北朝鮮のイデオロギーを教 える教師を連れてくる」

ロイターが訪れた丹東のある衣料品工場では、北朝鮮人40人を雇ってい た。彼らは、サプライチェーンに厳しく、北朝鮮国内での製造をはっきり と拒否する顧客向けの、比較的小さな注文に対応している。

中国工場で働く北朝鮮人の賃金は、中国人の平均額の半分程度となる約 2000元(約3万3000円)だと、工場主は語った。

北朝鮮人の工員は、賃金の約3分の1を手元に置くことを許されるが、残 りは北朝鮮の政府関係者に渡されるという。工場の一般的な勤務時間は、 午前7時半から午後10時ごろまでだ。

工員は全員が女性で、ピンクと黒の制服を着て、4列あるミシンの前に座 り、委託された冬用のジャケットを作っている。頭上には、青い太字で 「清潔」「整頓」と中国語で書かれている。工場のメインフロアは、ミシ ンが動くけたたましい音以外、静まり返っていた。
(Sue-Lin Wong記者、Philip Wen記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

【写真】8月13日、中国の衣料品メーカーは、より安い労働力が享受で きる北朝鮮での製造を増やしており、「メイド・イン・チャイナ」のタグ が付けられた北朝鮮製の商品が、世界中に輸出されている。写真は韓国と の国境付近にあり、現在は閉鎖されている開城(ケソン)工業団地で働く 北朝鮮の工員。2013年12月撮影(2017年 ロイター/Kim Hong- Ji)
<http://jp.reuters.com/article/north-korea-china-factory-idJPKCN1AY0TS?sp=true>http://jp.reuters.com/article/north-korea-china-factory-idJPKCN1AY0TS?sp=true
【ロイター】 2017年 08月 20日 10:12 JST 〔情報収録 − 坂元 誠



 ◎【トランプ政権】バノン氏解任でケリー首席補佐官、ホワイトハウス 刷新へ 「軍人トリオ」が共和党主流路線に トランプ氏の反応注目

【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、バノン首席戦略官兼上級顧 問の退場を受け、7月末に就任したケリー大統領首席補佐官を軸に態勢の 立て直しを図る。迷走するホワイトハウスの正常化に向けた「最後の希 望」(米誌タイム)と目されているケリー氏にとって最大の難題は、一連 の混乱を引き起こしている張本人であるトランプ大統領とどこまで良好な 関係を維持できるかだ。

ケリー氏をめぐっては、トランプ氏が「北朝鮮は炎と怒りに見舞われる」 と突然発言して米朝関係を不必要な緊張に陥れたほか、南部バージニア州 での白人至上主義勢力と反対派の衝突では人種差別を容認するかのような 発言をしたことでトランプ氏への失望を一気に強めたとされ、辞任説が 早々に浮上していた。

 しかし、ホワイトハウス内部の刷新を進める中でケリー氏と対立関係に あったバノン氏が更迭されたことで、情勢は一変したといえる。ケリー氏 は、セバスチャン・ゴルカ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)を筆 頭とする、政権に残るバノン派高官らの解任を視野に、人心の一新を果断 に進める考えだ。

トランプ政権の政策立案は今後、退役海兵隊大将のケリー氏を頂点に、外 交・安全保障では現役の陸軍中将のマクマスター大統領補佐官(国家安全 保障問題担当)、退役海兵隊大将のマティス国防長官の「軍人トリオ」に 加えて元大物実業家のティラーソン国務長官が担うことになる。

シリアやアフガニスタン、北朝鮮など「対外関与」に消極的なバノン氏の 退場で、政権は外交・安保で従来の共和党主流派に近い「現実路線」の推 進を目指す見通しだ。特に、バノン氏が「米軍の全面撤収」を主張して7 月中旬の発表予定が大幅に遅れていたアフガニスタン新戦略は近日中の発 表が期待される。

北朝鮮政策に関しても、国際圧力で北朝鮮に核放棄を迫る基本方針を改め て打ち出すとみられる。

ただ、ケリー氏は政治家としての経験はなく、内政上の懸案である税制改 革などをめぐる議会との折衝の手腕は未知数だ。このため、下院議員や州 知事を経験したペンス副大統領が議会対策で存在感を高める可能性もある。

問題は、最終的な政策決定者であるトランプ氏が選挙公約である「米国第 一」路線を転換しない限りは現実路線との衝突は早晩避けられないことだ。

トランプ氏はまた、ケリー氏の要請を拒否する形で「ツイッターや会見の 場では好きに発言する」と宣言しており、今後も「問題発言」で政権を窮 地に陥れる恐れがあり、政権運営が安定するかどうかは引き続き全く見通 せない状況だ。

【写真】 ホワイトハウスの相関図
<http://www.sankei.com/world/photos/170819/wor1708190030-p1.html>http://www.sankei.com/world/photos/170819/wor1708190030-p1.html
【産經ニュース】 2017.8.19 19:50  〔情報収録 − 坂元 誠〕




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読 者 の 声       
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 1)畏メル友・O氏との意見交換:前田正晶

O氏はそもそもトランプ大統領の支持派で「アメリカの政治に新たなパラ ダイムを導入してアメリカと世界の改革を図っておられる」と評価してお られた。私は元の同僚L氏がトランプ候補の頃に形容した“disaster”に共 鳴したほどで、トランプ大統領の無知を批判してきたのである。

O氏は私の「アメリカが不安だ」を読まれて「理解できない」と言われた ので、ここから出発して意見交換に入って行った。

私は下記のように信ずるところを述べて「不安論」を補強していった。

(1)私はトランプ大統領は極力オバマ大統領の手法を引き継がないで、 自分独自のやり方で「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」 を目指しているのだと思うのです。

だが、具体的な方法が余りにも稚拙で粗雑です。景気回復もオバマ時代
の政策の名残で、彼の独自色が出ていません。持論であったNAFTAの改定 の協議に入って行くようですが、如何なる成果が挙がるかは興味深い見物 になるでしょう。

トランプ大統領が次々に打ち出した独自の政策は世界に存在感を示したと も言えるとは思います。だが、私は習近平にもプーテインにも真の意味で の敬意を表されていないと思っております。あれほど内政面で躓きが多け れば、金正恩も舐めてかかるのは仕方がないかと危惧しております。

以上を総合して到底評価できる大統領ではないと見ております。私は彼の 無知と不勉強を当初から批判し続けてきました。そして、トランプ氏は未 だに勉強不足で世界を変えるどころか、その変化に追い付いていないと見 ております。この点は、Oさんの評価との大きな違いです。独自色はあっ ても目に見える成果が乏しいのです。この見解の差は現時点で議論しても 無駄ではありませんか。

(2)来年の今頃になってアメリカがどうなっているかを見れば、初めて トランプ大統領の政治が如何なる効果を発揮できたかが解ると思います。 私はトランプ大統領は「アメリカを今から何処に向けて、どうやって引っ 張っていくのかが問題だ」と思うのです。ビジネスの世界では側近が次々 に去られるか、または解任するCEOなど、見たことも聞いたこともありま せん。

私が単独で勝手にトランプ大統領批判を展開しているのではありません。 私の元の同僚も友人たちに加えて、YM氏もSM氏も同様にトランプ批判派で す。私一人の見解だと思って頂きたくないのです。私はOさんの金融業界 とは違うアメリカの製造業界での経験と知り得た「アメリカとは」の知識 に基づいての自分の意見を述べております。主張することの基盤が異なれ ば意見が違って当然だと思うのです。

私は、以前にも申し上げたように「大所高所から語っておりません。自分 の地ベタを這いずり回っていたような経験から得た知識の範囲からトラン プ大統領批判を展開している」と、ご理解願います。その点から見れば、 トランプ大統領は不安だとなります。

(3)トランプ様の支持率が40%を切っていると思います。だが、そんな 率を云々するよりも、彼を支持する層が非知識層以下というか、今までの 少数民族(英語の表現では“minorities”と複数になっている)即ち、プー アホワイト等以下である点が怖いのです。アメリカがこのような非知識階 層に選ばれた者が指導者になってしまう状況になったのは如何なものかと も考えております。

私が知り合ったというか知り得た所謂上位1〜5%の層の人たちには優秀な 人が数多くいました。彼らが先頭に立って支配してきたのがアメリカであ り、私はそこがアメリカの優れた点の一つだだと認識していました。だ が、退職して23年も過ぎれば、アメリカも変わるのだということでしょう か。その変化をもたらすような移民を入れてしまったのもアメリカ人です。

私の知人の中には「アメリカ建国当時にはイスラム教徒など1人もいな かった」と、現在のようなイスラム教とその教徒の影響が顕著となったこ とを嘆く者たちもいます。トランプ様がイスラム教徒締め出しを図ったの も、そういう考え方を持つ白人のアメリカ人だからかとも考えます。

(4)このような私の考え方はOさんが考えておられる以上に一般的に普及 していることだと理解しております。誰が調査した訳ではなく周知の事実 だと思っております。少なくとも、私が知る限りの、少数民族ではない人 たちに、トランプ支持派はそれほど多くないと思います。私の元同僚や友 人・知己には彼の支持者はいませんでした。

私がトランプ大統領はがその低層の支持者向けに何か言う場合には独特の 言葉遣いがあると指摘しています。それはあのTwitterを見れば明らかで す。彼は彼の支持層の人たちにも解りやすい言葉で表現しています。公式 な場合に派原稿を読んでいる時もあり、明らかにそれなりのチャンとした 言葉遣いになります。そして、トランプ大統領は少なくとも30%はいる彼 の低層の支持者向けの公約を懸命に実行しています。

その現れの1つが「job(マスコミはこれを雇用と訳すのは誤りと繰り返 して指摘しました)の増大」です。彼はそれを確約して当選したのですか ら、努力しておられるです。トヨタにも迫ったではありませんか。彼が増 やそうとするjob(=職か仕事)は彼の支持層である労働者階級と少数民 族向けが主体です。

(5)アメリカ市民でもない私がここまでトランプ大統領を批判を展開
するのは僭越かと思います。トランプ大統領の礼賛は彼の支持派にお任せ しておけば良いと考えております。



 2)甲子園野球に勝負の残酷さを見た:前田正晶

19日の最後だったこの試合は何となく惹き付けるものがあったので、最後 まで見ていた。途中からBS朝日に切り替えて、横浜高校の監督だった渡辺 元智氏の解説を聞くことにした。

言うまでもないが、NHKの実業団野球の監督をやっておられた方々の解説
は毒にも薬にもならない「良い点だけを褒め称える説明」だから聞いても 仕方がないのだ。

私もこれまでにサッカーその他で素晴らしいというか凄い結末となった試 合を色々と見てきた。だが、19日夜のあの試合には未だ嘗て見たことがな い 「勝負の恐ろしさ」と張本勲が屡々言う「勝負には何が起きる予見で きな い」をこれでもかと言わんばかりに見せてくれた凄い試合だった。 育英の 勝利に終わった瞬間には渡邊氏が「涙が出た」と言われたほどの 結末に は、私も気が付けば何故か落涙していた。

私は8回の裏に1点先行された仙台育英が「無死で出た走者に盗塁をさせる のか」と閃き、更に「それは失敗に終わって折角のチャンスを逃がすので は」とも見えていた。

案の定失敗に終わりこの試合もそこまでかと思えば、2死になってから走 者一二塁のチャンスが再び巡ってきた。その時点で流石の渡邊氏は「大阪 桐蔭は外野手を前に出してきた」と言われた。そこで育英は三遊間を抜く 安打を放ち、二塁走者は本塁を狙って走ってきた。

だが、前に出ていた左翼手は良い位置から見事な本塁返球をして走者を刺 してしまった。私はここで「仙台育英の命脈はこれで尽きただろう」と 思った。しかし、未だ何となくこの先に何かがあるのかも知れないと思 い、チャンネルを変えずに食事も忘れて見ていた。

育英は諦めていなかったようで、9回の裏にまたもや2死から安打で走者 を出した。私はこの時点で「ひょっとして、ひょっとするか」とも一瞬閃 いたので、如何なる結末になるかと見守っていた。そして一二塁に走者が 出たところで次打者が何でもないショートストップへのゴロを打った。

私は「仙台育英さん、ここまで良い試合を見せてくれて有難う」となった と思った。ところが、一塁の塁審は一塁手の足が離れたので『セーフ』と いう判定をしていた。即ち、2死満塁となった。

次の打者は守備要員で入れていた者で、この試合の初打席だった。だが、 私は「ここまで流れが変われば、この試合は仙台育英のものになるのか」 と密かに期待したところ、恐らく前に出ていたのだろう中堅手の頭上を越 えるヒットを打ってしまった。そうなるかも知れないと思ったことが現実 になってしまったのは、本当に勝負の恐ろしさを見せてくれていたと思う。

あの馬目という生徒の精神力は凄いと思う。思うに、よほど質の良い練習 を十分に積み重ねてあったのだろうかと思って、唯々感心するのみだっ た。それだから、あの時にあのような運命が巡ってきたのだろぅ。それを 逃さずに打ったのは偉いと言って褒める以外考えられない。大阪桐蔭も立 派だったし、勝てると思っていただろうが、もう一歩力足らずで運を逃し たのだろう。それほど勝負というものは残酷なのだ。



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身 辺 雑 記
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21 日の東京湾岸は曇天。


訂正:前号4445号は4450号の間違いでした。訂正してお詫びします。

20日の東京湾岸は引き続き曇天。時間的余裕があったので久しぶりに猿江 公園を1周した。1周は1100M。ここは昔、貯木場だったものを埋め立てた もの。50年ぐらい経つ。

                          読者:5742人。 








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渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>

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