政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

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頂門の一針4409号  2017・7・10(月)

2017/07/10

     
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わたなべりやうじらうのメイ ルマガジン「頂門の一針」4409号
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           2017(平成29)年7月10日(月)



                  ひとり勝ち、公明党:馬場伯明

             中国のロボット開発技術が:宮崎正弘

        米国防総省の報告に見る中国の脅威:櫻井よしこ

               脳卒中予防のために:渡部亮次郎                      
                        話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記


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第4409号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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ひとり勝ち、公明党
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        馬場 伯明

思えば・・・2017年3月に、安倍首相は、東京都の公明党が自民党との協 力をやめ都民ファーストと協力することになった都議会議員選挙につい て、「公明党抜きの(自民党)単独で勝利するいい機会だ」と強気の発言 をした。だが、政治の一寸先は闇だ。

先の都議選では都民ファーストが127議席中55(6)議席を獲得し圧勝し た。自民党は23(57)議席と惨敗した。共産党は19(17)議席と微増、民 進党は5(7:16人が離党していた)と弱小党になった。( )内は告示前 議席。

この中で公明党は立候補者23人(22)が全員当選した。しかもほとんどが 上位当選である。既存政党の中では公明党は完勝し底力を見せつけた。1 週間後の今、勝利は輝きを増しその意味と存在感はますます大きくなって いる。

そうだ。都議会議員選挙の「真の勝者」は公明党だったのだ。私は公明党 (政治)と創価学会(宗教)には同調する立場ではないが、公明党のした たかな「政治的」行動力に驚かざるを得ない。以下は率直な感想である。 ご批判を請いたい。

7期連続全員当選! 公明党は都議選に強いという伝統を死守した。23議 席を与党として確保したことにより、公明党は都議会の実質的な決定権: キャスティング・ボート(casting vote)を完全に握った。

都知事選挙に負けた東京都自民党と別れ、都議選では小池都知事:都民 ファーストと相互に選挙協力した。「選挙に勝つ」ためにあっさりと自民 党を見限った。一方、国政では変わらず自民党らと与党を継続している。

創価学会婦人部が都議選で(イメージが悪い)自民党との離別を強く主張 したらしい(「伝聞」である)。婦人部は今回の都議選では、小池知事を 最大限活用し、伸び伸びと活動しその力を十二分に発揮したといわれる。

東京都議会の小池知事与党は、都民ファースト(55)、公明党(23)、都 民ネットワーク(1)、合計79人で127の過半数を悠々占める。詳しく見な くてもわかることだが、都民ファースト55人のうち、1年生は39人、政治 家経験者も少ない。要するに、彼らは「小池知事一人党」の単なる構成員 に過ぎないともいえる。

芸能界であれば多様な経歴は面白い。しかし、都議に不可欠な条件ではな い。つまり、急造の都民ファーストの議員には、議員としての基礎的な素 養と実力が備わっていない。党の政策の勉強、都議会規則の理解、質疑、 委員会実務・東京都職員との人脈作りなどすべてはこれからである。

彼らを教育し育成する役目は与党である公明党が担うだろう。公明党は生 まれた赤ちゃんの乳母となる。その赤子の手を捻るようなことはしないだ ろうが、簡単に捻ることもできる状態にあり、依存させ、手なずけること ができる。

かつて、細川政権時の都議会議員や鳩山政権時の急増した都議会議員らは 次の選挙でほぼ消えてしまった。淀みに浮かぶ「うたかた」同然の議員 だった。だが、今回母親たる公明党だけは隠然と存在しつづける。そし て、いつでも豹変する。君子であるかどうかは知らない(笑)。

公明党は自信満々である。2017/7/5、山口那津男代表は自民党と安倍首相 に異議を唱え牽制した。「(秋の憲法改正は)政権が取り組む課題ではな い」、「与党の枠組みがただちに憲法の議論につながるものではない」 と。安倍首相は「うっ、この野郎!」と思っていても口には出せない。

公明党はこの一点(憲法改正)において、宏池会(岸田派)やその他の 反・非安倍首相派閥に秋波を送り、返す刀で日本維新の会に無言の圧力を かける。都議選の完勝により公明党の政権内での発言力は明らかに強まっ た。安倍首相悲願の憲法改正は頓挫するかもしれない。

「第三文明」・「潮」は創価学会(言論部)の機関誌という位置付けであ るという。両誌に著名人の文章や対談などが掲載されるようになってき た。言論人の囲い込みも着々だ。佐藤優、山口二郎、登山家の野口健、茂 木健一郎などは常連である。彼らは公明党や創価学会の所属ではないかも しれないが、少なくとも公明党や創価学会に敵対するような言動はしない。

公明党は、その時々で、下駄の雪、蝙蝠(こうもり)、鵺(ぬえ)、風見 鶏などと揶揄され、無節操と非難されることもあった。しかし、公明党の 駆け引き、粘り腰、恫喝、懐柔などその政治手法は深化し、進化しており 成功している。

「池上彰の参院選ライブ 2013」で面白い会話があった。(池上彰)「公 明党は“自民党の下駄の雪”と言われていますが?」に対し、(山口代表) 「いえいえ。下駄の鼻緒でしょう」と。「下駄の鼻緒」は下駄に必要不可 欠だ。切れたら困る。うまいたとえだが、鼻緒は下駄の顔である。言い過 ぎではないか(笑)。

都民ファーストは都議会において、当面公明党の「下駄の鼻緒」にはなれ ず、「下駄(の裏の)雪」にならざるを得ない実態であろう。議会・委員 会の要職(補佐・参謀も)は公明党頼みになってしまうのか。

また、山口代表が「(秋の憲法改正は)政権が取り組む課題ではない」と 自信たっぷりで政府・自民党を牽制したように、国会においても、自民党 が公明党の「下駄の雪」になってしまう場面があるかもしれない。

都議選「ひとり勝ち」の公明党が現下の政治の中心に座っている。下駄の 鼻緒や雪はさておいて、公明党の動向を注視し必要な監視をしなければな らない。政治は駆け引きだけではなく、大道を歩くことが重要である。
                         (2017/7/10千葉市在住)


    
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中国のロボット開発技術が
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月9日(日曜日)
        通算第5346号  
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 中国のロボット開発技術がアメリカを超えたというのは本当か
  かれらが究極的に倣うのは産業、介護ロボットではない
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 知的財産権に関してアメリカから盗む一方だった中国には創造性がな い、独想力なくして画期的な発明は無理と言われた。WTO加盟国であり ながら知的財産権をひとつも重視しないのが、中国であり、アメリカばか りか日本からドイツから、片っ端から技術を盗み出し、軍の兵器開発に活 用し、ハッカー技術ではおそらくアメリカと並んだ。
 それが心配の種だった。

2010年に中国の特許出願は38万件で、アメリカは47万件だった。これが近 年、逆転し、中国企業の特許宇出願件数は100万件を超えた。

過去40年間に、アメリカ企業の研究開発費、ならびに連邦政府のR&D予 算は45%もの減少を示してきた。

アメリカのトップ企業CEO1268人中、その91%が、米国連邦政府の研究 開発は劣勢に陥ったと認識していることが2017年5月の調査で判明した。
それまでに中国企業はアメリカのAI開発の先端企業51社に大株主として 出資したり、買収したりして、総額7億ドルの投資をしていた。

同年6月15日、連邦政府の海外企業調査委員会は、AI、ロボットなどに 関して、中国企業との合弁事業は、これを許可しないとした。

しかし時すでに遅し、である。

「百度」やテンセントはすでにシリコンバレーにAI研究センターを設立 して、米国内の優秀なエンジニアを雇傭し、AIのイノベーションに取り 組んでいるばかりか中国政府のAI研究開発予算は過去5年2桁の伸びを 示している。

「アメリカの優位は5年以内に中国の追い上げに合うだろう」とシリコン バレーの関係者の多くが見ている(アジアタイムズ、7月8日)

しかも中国が究極的に倣うのは産業、介護ロボットではない。軍事ロボッ トである。

トランプ政権はしかしながら連邦政府のR&D関連予算を10%カットする と公言し、その分を軍事費に注ぎ込むとしているが、これは矛盾である。

 もっとも特許申請件数が多いとはいえ、特許雨声率件数はまだまだ日米 の下位にあり、だぼ鯊特許ならびにロゴなど意匠登録の類似、有名ブラン ドに告示する商標登録などを合わせた数が中国の発表数字である。

         
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 大化の改新で仏教を国教にした日本が明治維新では逆のことを行った
   廃仏毀釈の歴史解釈など新鮮な歴史論争が基軸の日本文化比較論

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加瀬英明 v 石平『明治維新から見た日本の奇跡、中韓の悲劇』(ビジ ネス社)
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繁栄する日本と衰亡する中韓両国の運命は、すでに150年前に決まってい た。なぜなら日本は明治維新を成し遂げ近代化したが、中国も韓国もまだ 近代化が出来ていないからである。

中国はアヘン漬け、韓国は中国の属国。他方、日本は独立した主権国家に なった。この差違を理解できないのが両国であり、したがって未来永劫理 解し合えることはないのだが、この歴史の本質を、長期的な歴史の視座に 立脚し、大局的な見地にたって、ふたりは丁々発止と語りあった。
じつに面白い歴史読本になっている。

日本人の特質は相手を忖度し、つねに謙虚であるがゆえに自分が悪いと思 いこむ。

「中国人と韓国人はいかなる場合でも、相手が悪いと思います。考えてみ れば、易姓革命とは、クーデターのライセンスですね。中国では、思想も 権力に奉仕する。権力者が自分にとって都合のよい思想をつくる」(加瀬)

「中国の皇帝は天下万民を自分の私有物にするので、結局、憎まれる存在 です。有徳でも何でもなく、ただ力があるときは、恐怖で天下万民をおさ える。いったん力を失うと、ほかの強者が必ずでて」、国家を私物化する (石平)

仏教は大化の改新前に日本に渡来した。

「朝廷は仏教徒になりました。それまでは豪族が、ちょうど徳川時代のよ うに、日本を分けて、それぞれの地域を支配していた。それを唐と新羅の 力が増すので、日本の国防を近代化しなければならず、今度は唐の制度を 真似て中央集権にする必要があった」(加瀬)。

したがって、神道は抑えられ、それが明治維新の時までは神仏が混交して いたが、「神道と仏教を無理に分ける、神仏分離を行った。それは仏教 が?川幕府と結びついていたから」だと加瀬氏は分析する。
つまり「廃仏毀釈」は「大化の改新」と逆のことをおこなったと加瀬氏は 続けるが、一方、石平氏は、「大化の改新のころ、仏教を国教にしてし まったもう一つの思惑は、中国と対抗することです。中華世界と対抗する ならば、やっぱり中華世界を圧倒するようなイデオロギーを持たなければ いけない。仏教がそれ」だったという。
 この丁々発止、延々とつづく。
      
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 誇りある日本文明の源泉は縄文文明に謎がある
  古代から朝鮮半島との交流があったが、日本は独自な文明を生み出した

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高田純『誇りある日本文明』(青林堂)
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 副題に本書の狙いが簡潔明瞭に示されている。すなわち「中韓が絶対に 超えられない、先進と継続の理由」である。

高田純氏は札幌医科大学教授で核放射線防護が専門。この専門域から、北 朝鮮、中国の核兵器など安全保障問題でも発言も多く、カザフやチェルノ ブイリ、フクシマなど被災地の調査に取り組んできた。原発問題でも発言 がおおく、保守の論客として知られるが、本書では古代文明、縄文式土器 から言語、発明など幅広い分野に挑まれて、世界に独特な日本文明の謎に 挑戦した知的刺戟に富む本である。

縄文土器から新幹線、ウォッシュレット。これらは高度な技術であるばか りか、日本文明が産んだ独自の発明。というより技術であり、職人芸の巧 みさである。この匠の謎は、日本文明の独自的な形成、その歴史的な経 緯、海洋国家としての和の精神などにもとめられるとする。

日本の清潔さは水が綺麗であること。水道水が飲めるのは世界ひろしと雖 も、おそらく日本だけだろう。中国の水は世界一汚染され、毒素を含み、 ミネラルウォーターですら、中国製は飲めない。金持ち連中はわざわざ日 本のミネラルウォーターを買っている。

高田氏はこう言う。

「日本は大陸社会のように食用の牧畜をしない文明となった。宏大な牧草 地を必要とする大陸の文明では森林がなくなり砂漠化した。一方、日本列 島は天武天皇時代に始まる方針のおかげで、21世紀の今も美しい森林が守 られている。この智恵をわすれてはいけない。これが治水にもなり、農業 と漁業につながっている。日本は森林大国で、水が美味しい」。

先般、評者(宮崎)は北欧を回ったがフィヨルドが豊かなノウウェイでは 水道水も飲めた。
 
閑話休題。旧石器時代の3万年前に、ガラスのような黒曜石を発見し、之 を活用しはじめる。青森県の三内丸山遺跡では、北海道線と思われる黒曜 石石器が発掘されている。

そして1万6千年前に縄文様の土器がつくられ食器として用いられた。
「食料とする獣を追って放浪した他の民族と(日本人と)は、そこが完全 に異なる」 

縄文への再評価は近年高まりを見せているが、「縄のしるしは、神道では 特別な意味を持つ。しめ縄のように神聖や清さを意味する。土器の中に食 べ物を入れて煮炊きするので、そうした願いを込めた」

食中毒から身を守り、煮炊きによって腐敗を防止し、賞味期限を長くし、 縄文土器が命をまもった「画期的発明であった」と高田氏は言うのだ。
つまり日本文明は通説より遙かに古いのである。

「現在の理解は、少数の発掘された骨のデータだけからの推測に過ぎな い」のであり、「天下り式に西洋仮説を引用」する考古学や文化人類学主 流の学問に強い疑義を呈するのである。

日本が農耕民族としてひとくくりにするのも間違いで、それは「海洋に囲 まれた日本列島にある文明の一面」でしかないという視点を強調する。

          
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1596回】      
  ――「正邪の標準なくして、利害の打算あり」――(徳富35)
   徳富猪一郎『七十八日遊記』(民友社 明治39年)

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 やはり日露戦争勝利という「日本帝國の先例は、總ての有色人種、特に 黄人種の自覺の動機たるの事實を抹殺す可らす、果して然らは、吾人は寧 ろ男らしく此の一大渦中に飛ひ込み、此の大勢を利導するに若かんや」。 やや大時代風に表現するなら、これこそが「白色人種」の専横に反対し、 「黄人種」の自立を目指す戦いの庭に立つという徳富の決意宣言ともいえ そうだ。まさに男子の本懐である。

「平均を求むる」ということは、「人類にせよ、物體にせよ、宇宙經濟の 也」。ここで徳富が記す「經濟」は現に使われている経済(エコノミー) ではなく、やはり儒教が為政者の心すべき道とした経世済民(貧しからざ るを憂えず、等しからざるを憂う)と捉えるなら、「宇宙經濟」は人倫で あり、まことのヒトの道とでも読み替えるべきだろうか。

 「社會主義」「民權論」「同盟罷業」「憲法政治」が唱道されてはいる が、どれもが「或る部分の平均を求むるの作用に外なら」ない。「平均を 求める」ことにおいて「此の黄白二大人種の間の平均を恢復せんとする」 ことこそが、「實に大の大なるものと謂はさるを得」ない。じつは平均を 求めるということは、「挑戰せんか爲」でも、「對抗せんか爲」でもな い。「眞に人類同胞、四海兄弟の實を擧けんか爲め」だけだ。
 かくして徳富は「黄人の重荷は、我が大和民族の双肩に在り。吾人豈に 小成に安す可けん哉。日本國民の事業此れよりして遠し」と、『七十八日 遊記』を結んだ。

結論を急ぐなら、どうやら徳富が示した「黄人の重荷は、我が大和民族の 双肩に在り。吾人豈に小成に安す可けん哉。日本國民の事業此れよりして 遠し」との主張を分水嶺に、以後の日本は「黄人の重荷」を背負うことを 念頭に置いて昭和20年8月15日を迎えたようにも思える。だからといっ て、「黄人の重荷」を引き受けたことを否定する積りは全くない。むし ろ、あの時期に敢えて「黄人の重荷」を背負おうとした先人の志は限りな く尊い。だが、おそらく「黄人の重荷」を隠れ蓑に悪行がみられたのも否 定しがたい事実だろう。

 辛亥革命からはじまり、第1次世界大戦、シベリア出兵、満州事変、上 海事変、満州国建国、盧溝橋事件、南洋進出、暴支膺懲、大東亜戦争を経 て一億総懺悔まで、20世紀前半の日本を象徴するであろう出来事やスロー ガンを思いつくままに拾ってみるなら、濃淡の差こそあれ「黄人の重荷」 を背負おうとした先人――たとえば岸田吟香、根津一、荒尾精、頭山満、宮 崎滔天、北一輝、橘樸、辻聽花、鈴江言一、中江丑吉などの素志を認める ことができる。その尊い志を無視することも、ましてや否定することなど できはしない。

だが同時に、「黄人の重荷」を背負うことに急なあまり、時に周囲への目 配りを欠き、時に目を晦まし独善に流れ、結果として誤解を招いたことも また素直に認めざるを得ないはずだ。加えるに、「黄人の重荷」を口実に しながら自らの野望を逞しうしようとした輩がいたことも。

 徳富は『七十八日遊記』の末尾の、さらに末に、次の小文を付している。
「支那は眠れり、今や醒覺し來れりとは、20年前、曾侯紀澤の、斷言した る所」だ。日清戦争は「一大暁鐘」だった。20世紀目前に起った義和団の 排外運動である「團匪事件は更らに「一大暁鐘」であり、日露戦争も「亦 更らに一大暁鐘」であった。にもかかわらず彼らにとっては「一大暁鐘」 とはならなかった。いや、「一大暁鐘」とは受け取らなかったに違いな い。「今や如何。醒覺乎、醒覺乎。其の前途は如何。吾人は醒覺の時節、 到來したるを疑はす。但た到來後の形勢如何を卜せんと欲するのみ。明治 39年10月」

徳富が筆を擱いた明治39年10月から5年が過ぎた1911年10月、武昌での新 軍による武装蜂起を引き金に清朝は崩壊に向かう。だが、「醒覺」は、ま だ先の先・・・。
《QED》
  
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▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)貴誌5344号(7月7日号)で宮崎さんは、トランプのワル シャワ演説を採り上げられ、「西側文明は危機にさらされている」とし、 「生き延びようとするなら、行動しなければならない」という文節に注目 されていました。

日本のメディア、ぜんぶがこのワルシャワのトランプ演説の重大性を無視 するかスルーしていますが、ニューヨークタイムズが意外にも、この演説 に注目して長い記事を書いています。

さすがに貴誌の目の付け所が違うと思いました。
    (HI生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)同紙によれば、スピーチライターはステファン・ ミラーですが、ドラフト(演説草稿)にマクマスター(安全保障担当補佐 官)が手を入れ、ロシアが「不安定要素」という箇所を削除したとか。ま たトランプ自身が「西側は決して破壊されない」という常套句を挿入した と推測していますね。

いすれにしても、このワルシャワ演説、アメリカの保守系メディアはほぼ 絶賛しています。



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(読者の声2)貴誌の読者として十数年。宮崎さんは早くから中国の経済 統計はおかしく、GDPはマイナスだろうと主張されてきました。最近、 講談社からでてベストセラーとなっている上念司さんの書籍は中国の GDPじつは日本の下位にあって、世界第三位として、例証したホンです が、宮崎さんの影響を感じます。(HJ生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)小生の言い分が広く知られるようになり、世の中 変わりました。中国の外貨準備が空っぽという主張も、元祖としては、こ れからメディアに広がることを期待しています。最近、高橋洋一氏も同様 なことを言われており、仲間が増えて、力強い限りです。



 
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米国防総省の報告に見る中国の脅威
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          櫻井よしこ

米国防総省が6月6日、「中国の軍事情勢」に関する年次報告書を発表し た。海洋、宇宙、核、サイバー空間の4分野を軍事戦略の要として、中国 が世界最強の国を目指して歩み続ける姿を描き、警告を発している。
  
報告書は、中国の目標が米国優位の現状を打ち砕くことだと分析し、その ために中国は、サイバー攻撃によって、軍事技術をはじめ自国で必要とす る広範な技術の窃取を行い、知的財産盗取を目的とする外国企業への投資 や、中国人による民間企業での技術の盗み取りなどを続けていると、驚く ほど率直に告発している。
  
この件に関して興味深い統計がある。中国政府は長年、経済発展を支える イノベーション重視政策を掲げてきた。2001年から複数回の5か年計画を 策定し、研究開発費をGDP比で20年までに2・5%に引き上げようとして きた。だが、目標は一度も達成されていない。理由は、彼らが必要な知的 財産を常に他国から盗み取ることで目的を達成してきたために、自ら研究 開発する風土がないからだとされている。
  
ただ、どのような手段で技術を入手したかは別にして、中国が尋常ならざ る戦力を構築しているのは明らかだ。中国は世界で初めて宇宙軍を創設し た国だ。米国家情報長官のダニエル・コーツ氏は今年5月、「世界の脅威 評価」で、ロシアと中国はアメリカの衛星を標的とする兵器システム構築 を宇宙戦争時代の重要戦略とするだろうと報告している。
  
15年末に、中国は「戦略支援部隊」を創設したが、それはサイバー空間と 宇宙とにおける中国の軍事的優位を勝ち取るための部隊だと分析されている。
  
 国防総省の報告書は、中国を宇宙全体の支配者へと押し上げかねない量 子衛星の打ち上げに関しても言及しているのだ。

大中華帝国の創造
  
昨年、中国は宇宙ロケットを22回打ち上げ、21回成功した。そのひとつが 世界初の量子科学実験衛星の打ち上げだった。量子通信は盗聴や暗号の解 読がほぼ困難な極めて高い安全性が保証される通信である。「仮に通信傍 受を試みたり、通信内容を書き換えようとすると、通信内容自体が?崩 壊?する。理論的にハッキングはまず不可能」(産経ニュース16年9月3 日)だと解説されている。
  
量子衛星打ち上げの成功で、地球を包み込んでいる広大な宇宙を舞台にし た交信では、どの国も中国の通信を傍受できないのである。
  
 中国は07年に地上発射のミサイルで高度860?の自国の古い気象衛星を 破壊してみせた。攻撃能力を世界に知らしめたのだ。衛星破壊をはじめと する中国の攻撃の狙いは、「敵の目と耳を利かなくする」こと。違法な ハッキングで世界中の技術を盗んできた中国が、選りに選って絶対にハッ キングされない技術を持てば、世界を支配する危険性さえ現実化する。
  
中国は現在独自の宇宙ステーションを構築中だが、来年には主要なモ ジュールの打ち上げが続く見込みだ。東京五輪の2年後には、中国だけの 宇宙ステーションが完成すると見られる。さらに、中国は月に基地をつく る計画で、月基地の完成は27年頃と発表されている。習近平氏の「中国の 夢」は、21世紀の中華思想の確立であり、宇宙にまで版図を広げる大中華 帝国の創造ではないのか。
  
 中国の遠大な野望の第一歩は、台湾の併合である。その台湾に、国防総 省報告は多くの頁を割いた。「台湾有事のための戦力近代化」(Force Modernization for a Taiwan Contingency)という章題自体が、十分注目 に値する強いタイトルだ。付録として中国と台湾の戦力比較が3頁も続い ている。
  
 台湾と中国の軍事力は比較にならない。中国の優位は明らかであり、将 来も楽観できない。たとえば現在、台湾は21万5000人規模の軍隊を有する が、2年後には全員志願兵からなる17万5000人規模の軍隊を目指してい る。しかし、この縮小した規模も志願兵不足で達成できないだろうと見ら れている。他方、中国は台湾海峡だけで19万人の軍を配備しており、人民 解放軍全体で見れば230万人の大軍隊である。
  
 台湾、南シナ海、そして東シナ海を念頭に、中国は非軍事分野での戦 力、具体的にはコーストガード(海警局)や海上民兵隊の増強にも力を入 れてきた。
  
10年以降、中国のコーストガードは1000?以上の大型船を60隻から130隻 に増やした。新造船はすべて大型化し、1万?を優に超える船が少なくと も10隻ある。大型船はヘリ搭載機能、高圧放水銃、30?から76?砲を備え ており、軍艦並みの機能を有し、長期間の海上展開にも耐えられる。
  
ちなみに1000?以上の大型船を130隻も持つコーストガードは世界で中国 だけだと、国防総省報告は指摘する。海警局は、もはや海軍そのものだ。

ローテクの海上民兵隊
  
海警局とは別に海上民兵隊も能力と規模の強化・拡大を続けている。事態 を戦争にまで悪化させずに、軍隊と同じ効果を発揮して、海や島を奪うの が海上民兵隊である。
  
彼らは人民解放軍海軍と一体化して、ベトナムやフィリピンを恫喝する。 16年夏には日本の尖閣諸島周辺にまで押し寄せた。国防総省報告は、この 海上民兵隊に重要な変化が表れていることを指摘する。かつて海上民兵隊 は漁民や船会社から船を賃借していた。それがいま、南シナ海に面する海 南省が、84隻にも上る大型船を海上民兵隊用として発注した。独自の船を 大量に建造しているのだ。
  
海上民兵隊は南シナ海を越えて尖閣諸島や東シナ海、さらには小笠原諸 島、太平洋海域にも侵出してくる。
  
 宇宙軍と量子衛星、そして海上民兵隊。ハイテク戦力とローテク戦力を 併せ持つ中国が世界を睥睨しているのである。サイバー時代においては、 先に攻撃する側が100%勝つのである。その時代に、専守防衛では日本は 自国を守れないであろう。
  
日米同盟はいまや、責任分担論が強調される。アメリカはかつてのアメリ カとは異なる。国家基本問題研究所の太田文雄氏が問うた。

「仮にアメリカのトランプ政権が、?ハイテクの宇宙・サイバー空間にお ける脅威はアメリカが対処する。そこで責任分担で、ローテクの海上民兵 隊には日本が対応してほしい?と言ってきたら、わが国はどうするので しょうか」
  
日本を守る力は結局、日本が持っていなければ、国民も国土も守りきれな い。そのような事態が近い将来起きることは十分にあり得るのだ。
  
 折りしも安倍晋三首相が自民党総裁として憲法改正論議に一石を投じ た。この機会をとらえて、危機にまともに対処できる国に生れかわるべき だ。再掲
『週刊新潮』 2017年6月22日  日本ルネッサンス 第758回




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脳卒中予防のために
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   渡部 亮次郎

脳梗塞や心筋梗塞は血栓(血の塊)が動脈に詰まって、血液が必要な場所 に行けなくなることから起きる。しかし、現在の医学はかなり進歩して、 新薬もできている。

それなのに街や公園では卒中による半身不随患者を沢山見かける。
先日電車で見かけた20歳代の男性は「若いオレが脳梗塞になるとは思えな いから病院に掛かるのが遅れちゃった」と残念がっていた。

脳卒中は、昭和26(1951)年から昭和55年までの30年間、日本人の死亡原因 の1位を占めていた。現在でも富山県では死因の第2位であり、全国的に も昭和40年代後半から死亡率は減少しているが、
その内訳をみると、この40年間で脳卒中の主流は脳内出血から脳梗塞へと 変化してきている。

死亡率が減少している反面、患者数はむしろ増加していることから、今 後、発症予防や発症した後のリハビリテーションの推進がますます重要に なる。

脳卒中の種類(この場合の「脳卒中」は、国際疾病傷害死因分類における 「脳血管疾患」にあたる。)

脳内出血
脳の血管が破れて出血をおこすもので、多くの場合深い昏睡とともに半身 のマヒが起こる。誘因として疲労、精神不安、寒冷刺激などが多く、また 活動中にも起こることが多い。鳩山一郎、石橋湛山氏ら。

くも膜下出血
脳は、くも膜という膜でおおわれているが、くも膜と脳の表面との間にあ る小さな動脈にこぶ(動脈瘤)があると、血圧が上がった時などに破れて 出血(脳動脈瘤破裂)し、くも膜下出血になる。

頭痛がひどく悪心、嘔吐があり意識が混濁するが、四肢のマヒは通 常お こらない 。

脳梗塞
動脈硬化などのために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内に出来 た血の固まりが脳の動脈に流れ込み、詰まってしまうために起こるもの。 長嶋茂雄氏など。私も軽い症状を体験した。

その血管によって栄養を受けている部分の脳組織に、血液がいかなくなり 破壊されて、脳の軟化を起す。田中角栄氏など

突然、発症するもの、段階的に増悪するものなど、病型により様々だが、 多くの場合、前駆症状としてめまい、頭痛、舌のもつれ、手足のしびれ、 半身マヒや昏睡などになる。

一過性虚血
脳の血液循環が一時的に悪くなり、めまい、失神、発作などをひき起こし ます。少し横になっていれば治りますが、脳梗塞の前駆症状と考えられて おり、高齢者では十分な注意が必要。数年前に私が体験、入院・加療した。

73歳の朝、起きて暫くしても、左手小指の先の痺れが治らない。心臓手術 がきっかけで医療に詳しくなったNHKの同僚 石岡荘十さんに電話で相 談。「脳梗塞かもしれないよ」という。

そこでかかりつけの病院に行って申し出たら「脳梗塞患者が歩いてこれる わけが無い」と取り合ってくれなかったが、「念の為」と言って撮った CTで右の頚動脈の詰まっているのが判って即入院。1週間加療した。

後に石岡さんの助言に従ってかかった東京女子医大神経内科の内山真一郎 教授によると、このときに念を入れて加療してもらったのが大変よかった そうだ。

なぜならこれを脳梗塞の前兆と見ないで放っておくと、直後に本格的に脳 梗塞を起こしてしまうからとのことだった。爾来、内山教授の患者になっ ている。

高血圧性脳症
高血圧がかなりひどくなると、脳の内部にむくみが起こる。このため、頭 痛、嘔吐、手足のけいれんなどが見られ、目が見えなくなることもある。

これらに共通するものは、コレステロールに拠る動脈硬化。理屈からすれ ば、血管内にこびりついたコレステをそぎ落とせばいいようなものだが、 今のところ医学界にそういう薬は存在しない。

いまのところ世界が束になって取り組んでいるのが、血液をさらさらにし て詰まりにくくする方法であり、そのための薬が「ワーファリン」である。

2011年になって新薬「プラザキサ」が許可になった。2012年4月から処方 期間が延びたのでこれに替えた。納豆を食えるようになった。

それでも卒中になったらどうするか。私の場合はプラザキサを服用中のた め使用禁止だが、そうでない患者が発症3時間以内に担ぎこまれたら助か る薬がある。「tPA」だ。

血管を塞いだ血栓を溶かす薬だ。長嶋さんは、発見された時、すでに3時 間を過ぎていたからtPAを注射しても無駄だった。右手と言葉に後遺症 が残ってしまった。

とにかく脳卒中の症状が出たらどこの病院に担ぎこんでもらうかを予め決 めておけば、死ぬことは勿論、後遺症すら残らない時代に既になってい る。私の場合は石岡荘十さんの助言に従って決めた。

私の場合はかかりつけの東京女子医大病院か近くの都立墨東病院に決めて いる。2012・7・19執筆



       
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話 の 耳 袋
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 ◎北朝鮮、米韓による実弾演習を非難 「朝鮮半島は核戦争の臨海点[sic.臨界点?]」

【7月9日 AFP】北朝鮮は9日、米韓が北朝鮮をけん制する目的で実施した実弾演習について、朝鮮半島での核戦争のリスクを「臨界点]」まで高めるものだとして米国を激しく非難した。

北朝鮮は先週、米本土のアラスカ州に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に初めて成功したと発表。朝鮮半島の緊張が高まるなかで8日、米韓軍は韓国で実弾演習を実施した。北朝鮮のミサイル発射に「毅然と対応する」ための演習では、米軍の爆撃機2機が「敵」のミサイル発射装置を破壊し、韓国軍機が「地下戦闘指揮所」に対する精密照準爆撃を行った。

朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は、「火薬だるの上で火遊びをするな」と題した論説のなかで、実弾演習によって緊張を徐々に高めていると米韓を非難。朝鮮半島を核戦争の可能性においては「世界最大の危険地域」と評し、「米国はその危険な軍事挑発によって、朝鮮半島での核戦争リスクを臨界点まで高めた」と米国を非難した。

8日の実弾演習で米軍のB1Bランサー(Lancer)戦略爆撃機は朝鮮半島を南北に隔てる軍事境界線近くまで飛行した他、約900キロの爆弾を投下するなどした。

北朝鮮はこの演習について「朝鮮半島で核戦争の導火線に火をつけようとする戦争屋たちによる危険な軍事的策略だ」とし、「ささいな誤判断やミスは即時に核戦争勃発につながり、それは必然的に新たな世界大戦につながるだろう」と述べている。

写真−北朝鮮、米韓による実弾演習を非難 「朝鮮半島は核戦争の臨海点」 米韓合同の実弾演習で、韓国・江原道寧越郡上空を飛行する米軍のB1Bランサー戦略爆撃機。韓国国防省提供(2017年7月8日撮影)。(c)AFP/South Korean Defence Ministry
 [AFP] 2017年07月09日 18:35 ソウル 〔情報収録 − 坂元 誠〕



 ◎九州豪雨 住民避難で問われる判断 特別警報はピーク後
九州豪雨 住民避難で問われる判断 特別警報はピーク

九州北部で5日に発生した記録的大雨で甚大な被害の出た福岡県朝倉市で は、最多となる10人以上の死亡者が確認された。気象庁は当時、「数年 に1度」の雨とされる「記録的短時間大雨(記録雨)情報」を周辺で計 15回発表したが、最終的に特別警報を出したのは雨のピーク後で、市全 域に避難指示が出たのは、さらに後だった。市幹部からは「検証が必要 だ」との声が上がる。

  ◆想定外の雨量

気象庁は5日午後1時14分、朝倉市周辺に大雨洪水警報を発表。同28分に はレーダー解析で1時間110ミリの猛烈な雨が市内で検出されたとの記録 雨情報を出した。「かなり突発的に雨量が増えた。ここまで急激に事態が 進むとは思っていなかった」と担当職員は振り返る。避難所の開設準備な どを経て、警報から約1時間後の同2時15分、ようやく市は高齢者などに 避難を呼びかける「避難準備情報」を発令した。

 さらに市は、土砂災害警戒情報を受け、同26分、全域に避難勧告を発 令。同地点で1時間の雨量として観測史上1位を更新する129・5ミリに 見舞われたのは同3時38分だった。

 ただ、「数十年に1度」規模の災害発生の恐れがあるとして気象庁が大 雨特別警報を発表したのは、時間雨量のピークを過ぎた同5時51分。最終 的に市が全域に避難指示を出したのは同7時10分だった。

  \内閣府や気象庁によると、大雨警報は避難準備情報、大雨特別警報 は避難指示の基準とされる。両基準の間に当たる、一般住民が避難を始め る避難勧告の基準は複数あるのが現状で、防災関係者の間では「警報基準 と特別警報基準の間に差があり過ぎる」との声も出ている。

  ◆主体的行動を

福岡県での大雨洪水警報から大雨特別警報までの約4時間半の間、朝倉市 周辺では記録雨情報が11回も出た。「記録雨が複数回連発する事態は、 警報から1段階上がったと考えた方がいい」(気象庁関係者)との指摘も ある。

気象庁の松本積主任予報官は「特別警報が出るときはすでに災害が発生 し、逃げられない恐れがある。特別警報を待たずに情報の組み合わせで先 に避難してもらいたい」と説明する。

 東大大学院の片田敏孝特任教授(災害社会工学)も、「近年、判断する 時間が十分にないまま急激に起こる災害が多くなっており、従来の行動指 南型情報だけに頼ってはいけない」と住民側の主体的な行動を求め、「現 在はリアルタイムに場所を限定して危険度が分かる情報もあり、積極的に 利用することが大事」と話した。(市岡豊大)
産経新聞7/9(日) 7:55配信


 ◎au、月額料金を値下げへ…格安スマホに対抗

KDDI(au)が今夏にも、スマートフォンの主要プランで通話料や通 信料を含めた月額料金を引き下げることがわかった。

 10日に詳細を発表する。

 利用者の大半が値下げの対象となり、利用者によっては料金が2割程度 安くなる。

通信料が格安スマホより割高となっていることから、auの今年3月末時 点の契約者数は1年前と比べて2%減っている。値下げで顧客の流出に歯 止めをかける。

総務省は昨年4月、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3 社に対し、スマホ端末の過剰値引き販売を制限する指針を適用した。値引 き目的の奨励金の支給を抑え、浮いたお金を通信料の引き下げに充てさせ る狙いだったが、値下げは一部の利用者向けにとどまっていた。auは本 格的な値下げに踏み切ることになる。
読売新聞7/9(日) 9:09配信



 ◎ドイツでも「妄言」繰り出した文氏“爪はじき” 日米韓一致で北へ圧 力強めるはずが「従北」姿勢あらわに

ドイツでのG20(20カ国・地域)首脳会合を前に、安倍晋三首相と、ドナ ルド・トランプ米大統領、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領による 日米韓首脳会談が6日開かれた。北朝鮮への圧力を強める方針で一致した が、文氏は会談直前、南北首脳会談の実現を訴えるなど、「従北」姿勢を あらわにした。北朝鮮の脅威が増大するなか、現実を直視しない“韓国抜 き”で、日米両国が北朝鮮封じ込めを進めるしかなさそうだ。

「ICBM(大陸間弾道ミサイル)発射は、北朝鮮が真剣に対話をする意 思がないことを示すものだ。国際社会による圧力を一段引き上げる必要が ある」

安倍首相は、約75分間行われた首脳会談で、こう述べた。3首脳は、国 連安全保障理事会の決議による、対北朝鮮制裁の履行を徹底することが重 要との認識で一致した。

米国は6月末、北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとし て、中国の銀行を制裁対象に指定し、米金融機関との取引を禁止すると発 表した。首脳会談では、この決定についても、日韓両国が米国と連携する 方針を確認した。

一見、3カ国で北朝鮮への圧力強化を打ち出したかのように映る。だが、 これまでも北朝鮮への宥和発言を繰り返してきた文氏はドイツでも、「妄 言」を繰り出した。

聯合ニュースによると、文氏は6日、ベルリンで行った演説で、「朝鮮半 島の平和と南北協力のために北との対話が必要だ」と述べ、「条件が整 い、朝鮮半島の緊張と対立の局面を転換する契機になるのであれば、い つ、どこででも金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会う用意 がある」と話した。

北朝鮮との対話を訴えたかと思えば、日米との首脳会談では北朝鮮への圧 力強化の方針を打ち出す。文氏の行動にはまるで一貫性がない。

当然、安倍首相もトランプ氏も「極左・従北政権となった韓国は頼りにな らない」と理解しているが、大丈夫なのか。

国際政治学者の藤井厳喜氏は「会談は表向き『日米韓で〜』と取り繕って いるが、内実は文氏がそっぽを向いているということだろう」と指摘する。

G20首脳会合では、北朝鮮に対する強いメッセージを出すとみられるが、 藤井氏は「欧州各国も言葉の上では同調しても、真剣にはやらないだろ う。実際は日米で北朝鮮に圧力をかけていくしかない」と話している。
写真− 対北での連携を確認した日米韓の首脳だが、文在寅氏(左)は違 う方向を向いているようだ=6日、ハンブルク(AP)
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170708/soc1707080006-p1.html?ownedref=article_not%20set_newsPhoto
【ZakZak】2017.7.8〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎ドイツでも「妄言」繰り出した文氏“爪はじき” 日米韓一致で北へ圧 力強めるはずが「従北」姿勢あらわに

ドイツでのG20(20カ国・地域)首脳会合を前に、安倍晋三首相と、ドナ ルド・トランプ米大統領、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領による 日米韓首脳会談が6日開かれた。北朝鮮への圧力を強める方針で一致した が、文氏は会談直前、南北首脳会談の実現を訴えるなど、「従北」姿勢を あらわにした。北朝鮮の脅威が増大するなか、現実を直視しない“韓国抜 き”で、日米両国が北朝鮮封じ込めを進めるしかなさそうだ。

「ICBM(大陸間弾道ミサイル)発射は、北朝鮮が真剣に対話をする意 思がないことを示すものだ。国際社会による圧力を一段引き上げる必要が ある」

安倍首相は、約75分間行われた首脳会談で、こう述べた。3首脳は、国連 安全保障理事会の決議による、対北朝鮮制裁の履行を徹底することが重要 との認識で一致した。

米国は6月末、北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとし て、中国の銀行を制裁対象に指定し、米金融機関との取引を禁止すると発 表した。首脳会談では、この決定についても、日韓両国が米国と連携する 方針を確認した。

一見、3カ国で北朝鮮への圧力強化を打ち出したかのように映る。だが、 これまでも北朝鮮への宥和発言を繰り返してきた文氏はドイツでも、「妄 言」を繰り出した。

聯合ニュースによると、文氏は6日、ベルリンで行った演説で、「朝鮮半 島の平和と南北協力のために北との対話が必要だ」と述べ、「条件が整 い、朝鮮半島の緊張と対立の局面を転換する契機になるのであれば、い つ、どこででも金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会う用意 がある」と話した。

北朝鮮との対話を訴えたかと思えば、日米との首脳会談では北朝鮮への圧 力強化の方針を打ち出す。文氏の行動にはまるで一貫性がない。

当然、安倍首相もトランプ氏も「極左・従北政権となった韓国は頼りにな らない」と理解しているが、大丈夫なのか。

国際政治学者の藤井厳喜氏は「会談は表向き『日米韓で〜』と取り繕って いるが、内実は文氏がそっぽを向いているということだろう」と指摘する。

G20首脳会合では、北朝鮮に対する強いメッセージを出すとみられるが、 藤井氏は「欧州各国も言葉の上では同調しても、真剣にはやらないだろ う。実際は日米で北朝鮮に圧力をかけていくしかない」と話している。
写真− 対北での連携を確認した日米韓の首脳だが、文在寅氏(左)は違 う方向を向いているようだ=6日、ハンブルク(AP)
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170708/soc1707080006-p1.html?ownedref=article_not%20set_newsPhoto
【ZakZak】2017.7.8〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎森友学園、購入額の10倍記載…国有地資産価値

学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市で計画していた小学校の 設置認可を巡り、学園が2016年11月に府に提出した会計書類で、1億3400 万円で購入した国有地の資産価値を「13億円」と記載していたことが、府 への取材でわかった。

 府はこの書類をもとに、学園の財務状況が認可基準を満たすと判断して おり、府のチェックの是非が問われそうだ。

 私立小中学校の設置認可にあたり、府は学校法人の財務状況が安定して いることが必要として、「総資産額に対する総負債額の割合(負債比率) が30%以下」とする基準を定めている。

学園は16年6月、豊中市の国有地について、ごみが埋まっていたことを理 由に、国の鑑定評価額9億5600万円を大きく割る1億3400万円で購入した。

読売新聞7/9(日) 7:09配信



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読 者 の 声       
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 1)汝国際人たれ?:前田正晶

自慢話ではないとお断りした上で言うが、私は在職中に光栄にも何度か 「国際人」と呼ばれたことがあった。だが、正直なところ国際人とは何の ことかを把握しておらず、それが褒めて頂いたことになるのかなと思う程 度だった。未だに何のことか十分に理解していないが、広辞苑には「広く 世界的に活躍している人」とあるので、それならば自分には当てはまらな いと思っている。

そこに、7日夜のPrime Newsで西部邁氏が国際人とは「英語が出来て、ア メリカのことを知っている程度のこと」と決して評価されてはいない口調 で言っておられたので、それに触発されてあらためて広辞苑の定義からす れば国際人ではない私が、国際人論を展開してみようかと思うに到った。

何も今になって始まったことではないが、我が国には「英語を良く学んで 国際的に活躍できるようになろう」であるとか「国際人を広く養成する為 に小学校から英語を学ばせよう」などという愚にも付かない理想論の如き 言辞や、脅迫にも等しい「英語を勉強しよう」という思想が蔓延している と思う。

私は「万人が英語を深く勉強する必要もなければ、強制するのは良いこと とは言えない」と主張してきた。だが、「ある程度まで英語を勉強するこ とには意義はあるし、害毒はない」とは思っている。しかし、「英語を良 く勉強すれば国際人になれる」というのは誤りであると断言する。そうい う背景には、我が国の学校教育における英語の教え方に問題があると信じ ているからだ。

これは長年主張してきたことで「我が国で教えられているのは『科学とし ての英語』であって、Englishではない」という意味だ。後難を恐れずに 言えば「TOEICなどに執着しているようでは何時まで経ってもEnglishを正 しく解るようにはなれないだろう」ということである。

ましてや、英語を母国語とする人たちを相手にして、心ゆくまで「会話」 を楽しめる次元に達し得るのかと言いたいのだ。

この辺りは「私の英語勉強法」で何度も述べてきたので詳細は省くが、我 が国の学校教育で英語を数学のように学んで、学ばせられて、思うがまま に英語で自分の意思を表現できるようになれた人がどれほどおられるのか ということでもある。私は余り出会っていなかった。

何となく「国際人とは何か」から議論が離れていったようだが、私は主張 したいことは「ただ単に英語が話せるようになっただけでは、真の意味で の外国人との意思の疎通は言うに及ばず、彼らの懐の中に入って、彼らの 思考体系を読み切って議論し、交渉し、文化と文明論を交わす為には不十 分だ」ということなのである。

この点については、以前に、英語の理解力がある程度以上の次元に達した 者たちには「日米間の文化と思考体系の違いを教えるべし」と主張してきた。

これも長年の主張であるが、相互の文化と思考体系の違いを弁えていない と、相手を確実に説得できるような論旨が展開できなくなるし、相手側の 言い分の背景に何があるのか、何故彼らはそういう一聴不合理と思いたく なる議論を真っ向から展開するかが解らなくなってしまうのである。これ はTOEICやTOEFL等で何点取ったかという問題ではないのだ。

勿論、相手側も我が国の文化と思考体系を弁えて言っているのではないと いう場合は多いと思っていて良いだろう。

そこで、ここでは取り急ぎ私が1990年4月に本社の事業部で行った「日米 企業社会における文化の違い」と題したプリゼンテーションの簡単な抜粋 を長くならぬように展開しておこう。確認だが「簡単に」である。現実に は90分も要していた。

*逆さの文化(Reversed culture):

姓名では我が国では名字が先で、欧米では名前(=last name)が先であ る。住所表示は我が国では大きい方から入り東京都中央区銀座1-1-1とな る。アメリカではSeattle, Washington, USAとなっていく。交通では我が 国が左側でアメリカは右側という具合。アメリカでは家の中でも靴を履い たままだが、我が国は脱ぐ等々である。

*教育:

我が国では学校で教えられたことを第1に勉強する言わば受動型だが、ア メリカ式は自分で自分の範囲を積極的に広げていって漸く評価の対象にな るという能動型。これはビジネスの世界でも同様で、与えられた課題だけ をこなしているのではうだつが上がらない制度だ。

仕事と家庭の何れを優先するか:

これなどは微妙な違いだが、彼らの多くは猛烈に働くが何としても家族と 家庭を蔑ろにしないように懸命に努力するものだ。W社で嘗ては#2だった 上席副社長は猛烈な働きぶりで有名だったが「週に一日は家族の為に取っ ておく」と断言した。我が国では(嘗ては?)会社の為と仕事の為に家庭 を顧みない仕事人間が多かったのではないのか。

思考体系の違い:

我が国では八百万の神がおられるように極めて柔軟であり、交渉ごとでは 常に中を取って折り合おうとするし、妥協点を探る努力を怠らず、相手の 立場を尊重し顔を立てる配慮をする。だが、彼らは二進法でしか物事を考 えることしか出来ないので、常に断定的に言うし、「勝つか負けるか」、 「イエスかノーか」、「白か黒か」しか考えていない。即ち、妥協や落と しどころを探るようなことはしないものだ。私はそこには一神教であるキ リスト教的な思考体系があるとすら思って接してきた。

性善説対性悪説:

言うまでもあるまいが、我が国は性善説を信奉する世界でも少数派の国で ある。

本当に大雑把に言えば大要上記なような違いがあるのだ。これらを弁えず に、ただ単に英語をペラペラと話せるだけでは、彼らとの交渉では勝てな い危険性があると申し上げたいのだ。しかも、彼らとても、如何に近頃は 達者に日本語を操るが増えてきたとはいえ、文化を違い論などをこのよう な私の文化比較を聞いて直ちに全てを理解出来るまでの者は少ないのでは ないと思う。

それは、現実にこういう文化の違いの谷間を彷徨うか、その低いように見 えて案外高い壁にぶつかって初めて解ってくるのなのだ。しかし、違いが 厳然として存在するものだと承知してぶつかる方が、何も知らずに言葉が 出来るからと慢心してぶつかるよりは、よほど傷は浅いと思う。その辺り が真の国際人とやらになるべく踏み出していく一歩目だろうと思うのだ。



 2)「非核三原則」を見直す効果
      
7月5日夜、有識者4人による北朝鮮のミサイル開発などを主題とする討 論番組を視聴した。≪中・露は、3日の首脳会談で、金正恩支援で一致し た。経済制裁の効果は限られる。米国も軍事行動は採れない。北はそれを 見越して行動し、時間を稼いでいる。金正恩の戦略、思い通りに進む可能 性が高い。≫等といった結びになった。

番組の終りに視聴者から「金正恩などに強い圧力をかけるには日本も核兵 器を保有するしかないのではないか」との趣旨の質問が出された。

これに対し有識者の一人が即座に「日本の核兵器保有はコストがかかりす ぎる。情報能力、反撃能力など通常兵器の充実に力を注ぐのが賢明だ」と の趣旨で答えた。他の有識者、司会者もそれ以上深追いしなかった。

しかし、この有識者なども、北の核兵器やICBMの開発などに焦点を当 て過ぎていて、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを忘却し過ぎている のではないか。

現在の日本の最大の課題は、無法国家・勢力が台頭し世界の法治能力・警 察力が低下する中で、どう行動すべきかを、タブーを排して論じ、実行を 推進することではないか。北の行動、意図の分析などは、その契機、材料 にすべきものであろう。 

例えば、日本の核武装、敵基地攻撃能力の整備につながる論議の進展を最 も恐れているのは中・露ではないか。中・露が北の核やミサイルの開発を 支援するなら、日本も核兵器を含む反撃能力の整備(米軍とのシェアで十 分だろう)を検討すべきではないか。

日本はICBMはいらない、中距離ミサイルまでで十分だ。日本のそのよ うな行動が嫌なら、国連決議も無視する北の無法行動をやめさせるべき だ。中・露は、特に中国は、北にそうさせるに十分な影響力を持っている ではないか。こんな主張は非常識なのだろうか。

識者の「米国は手詰まりだ、軍事制裁行動は、日本や韓国に甚大な被害を 与えるから、採れない」、「北は核兵器やミサイルを売って外貨を稼げ る」といった発言も気になる。世界の最大課題の一つである核兵器拡散防 止に盾突く挑発行動には、今の大きな犠牲も覚悟で、いま放置すれば将来 生じるかもしれないより巨大な災禍を予防するため、軍事制裁行動も辞さ ない、その行動を支援する諸国の覚悟を高める発言があるべきではない か。核拡散を防止する国際社会の協力行動を強める術を、そのために日本 が採るべき政策を論じるべきではないか。
   〈2017年7月7日記   N.H.〉


 3)どのように勉強したら外国人に解って貰えるか:前田正晶

私からお聞きになった方もおられるだろうと思うが、私は「遺憾ながら、 我が国の学校教育の英語で育った方が、所謂ペラペラになるほど自由自在 に英語が(または英語で)話せるようになったら奇跡だ」と言って「科学 としての英語」を批判してきた。

それに、我が国では「英語が外国人に通じたか通じなかったかで一喜一憂 される方が多い」とも承知している。

また、20年以上も「通訳も出来る交渉ごとのアメリカ側の当事者」として 何百回、何千回と通訳もしてきた。だが、「中には自信があるから通訳は 要らない」と自分で交渉されるか、アメリカ人との会話を楽しまれた方に も出会ったものだった。だが、何度かは後で「あの方が何を言われたかっ たかが解らず、何とか相槌は打ってきたが苦労したぜ」と、上司等に打ち 明けられたこともあった。

こういう場合以外にも発音もある程度は正確で語彙も豊富で、学校でどれ ほど英語という科目で好成績を収めてこられたかが解るような立派な英語 で交渉されるか、世間話をされる方もおられた。但し、こういう学校英語 の秀才の場合には、ややもすると「あの人は流暢に語られたが、どうも何 を主張されたいのかがもう一つピンとこなかった」と嘆かれることも間々 あったのだった。

また、他の話ではこれまでに何度か例に挙げてきた一聴ペラペラ風で、 “You know,I take vacation and take my family to Europe (実際には 「ヨーロッパ」と言っておられた)long day, you know, when my sons are small. But nowadays, mysons become big and go to school, you know, we can’t go long time. So, mywife become unhappy and complain.”実際に我が同胞がペラペラ風で自信たっぷりに外国人と「会 話」をしておられたのを地下鉄の中で聞いて、困った英語の例として
採り上げたことがあった。ご記憶の方があれば幸せだが。

このペラペラ風では十分に通じていた様子だった。だが、お気づきの方が あると思うが文法的には間違いだらけだし、既に「貴方が有能であること を証明しない」と指摘した“you know”が多用されている。「それじゃ駄目 じゃん」と言いたくもなるだろうが、立派に通用していたのもまた事実 だった。結論から言えば「これは知的階層に受け入れられる英語ではな い」のは明らかで、絶対にお薦めしない種類だ。

即ち、キチンと文法を守って、“you know”などを挟まずに「慣用句」や 「口語的表現も適宜織り交ぜて、小難しい文語体の言葉を使わずに、「自 分の思うところを表現できる」ような(“I know how to express myself in English.”のように言うが)となるように勉強しようということだ。

それは「彼らは交渉の席に着く以上、自分たちが日常的に使う表現につい てきておられるとの前提で話してくるし、議論が白熱したような場合には 到底ついてはいけないような早口になってしまう場合もあるのだ。しか も、日常的な表現という意味は”idiomatic expressions“(慣用句)や “colloquialism“(=口語体)や耳慣れない“technical terms”も数多く登 場してくるものだ。これらには不慣れであると直ちには理解できない話が 多くなると思う。


話はここまでに止まらず、既に取り上げたような文化の違いと、彼らの思 考体系の特徴である「二進法」が入ってくるのだから、相互に理解不能と なってしまうことも大いにあり得るのだ。まして、アメリカ側が興奮の余 りに“slang”(=俗語)などを使い出せば混乱に拍車がかかることだって ある。

そこで、ここでは不慣れだと最も厄介である「慣用句」だけを取り敢えず 解説してご参考に供したい。一寸長くなるがご辛抱を。

Idiomatic expressionsとは:

「慣用語句」と訳されている。実際にこれを読んだり、聞かされたりしも 直ちに「今、“idiom”が出てきた」と感じるようなものではないと思う。 Oxfordには“A group of words whose meaning is different from the meanings of individualwords”とあり、Websterに“Anexpression that cannot be understood from themanings of its words but must be learned as a whole”となっている。即ち、慣用語句の中の言葉一つ一つ の見当がつくか意味が解っても、全体の意味は把握できないということ だ。だから単語だけではなく流れの中で把握せよ」と主張するのであ
る。例を挙げておこう、

He gave in.=「彼は屈服した」
He burnt his bridge (boat).=「彼は退路を断った」
He saw the handwriting on the wall.=「悪い兆候が見えた」、「悪い お知らせだった」
I was between the devil and the deep blue sea.=「進退窮まったり」
Let’s get the show on the road.=「さー、仕事を始めよう」、 「さー。出掛けようぜ」

It’s a piece of cake.=「朝飯前だ」なのだが、“cinch”も“It was a cinch.”の様に使われている。ジーニアスは“No sweat!”も例に挙げている。

How come you put up with such a bad treatment against you? では “put upwith”は「我慢する」か「耐える」の意味である。

Please be my guest.またはI will be the host.=「私がご馳走します。 乃至は「私がおごります」I will take a rain check.=口語体の例文に しても良いのだが「今回は遠慮して次の機会にご招待を受けます」
等々があるが、余り上手い例ではないのが残念だ。兎に角、彼らと語り 合っていれば、このような表現に加えて“I’ll buy you a drink.“のよう な口語体もあれば、時によっては俗語も出てくると思っている方が無難 だ。ここであらためて言いたいことは「単語をバラバラに覚えておくので はなく、このように一つの流れの中でその使い方を覚えるようにしよう」 なのである。




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身 辺 雑 記
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10日の東京湾岸は晴れ。


9日の東京湾岸は快晴、爽快に近くの都立猿江恩賜公園を家人と散歩し た。都心で聞こえるというセミの声も下町ではまだ聞こえない。公園には このところ花もなく景色は寂しい。家人が見つけた丸いマロニエの青い実 だけが輝いている。


隣りの中学校では女子生徒だけによるブラスバンドの太鼓担当者が休みに も拘わらずに登校して練習に余念なかった.感心した。


加えて校庭の芝生では炎天下の午後、テニスをしていた。それこそ熱中症 に要注意ですぞ。

郷里秋田にいる弟に電話したら長兄の残した山小屋で畑仕事をしていると いう、暑さが東京程ではないらしい。こちとら終日、クーラーをつけて何 とか生き延びているというのに。

東京はこんなにかんかん照りなのに、九州が雨の大被害。お見舞い申し上 げます。空の機嫌は不可解。

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渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>

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