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頂門の一針

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頂門の一針

2017/06/09

□■■□──────────────────────────□■■  わたなべ りやうじらうのメイ ルマガジン「頂門の一針」4378号
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           2017(平成29)年6月9日(金)





       白村江の戦い、歴史が示す日本の気概:櫻井よしこ    
       強まる「改憲・衆院ダブル投票」の公算:杉浦正章

               せめぎ合う内科と外科:石岡荘十

  「措置入院」精神病棟の日々(48): “シーチン”修一 2.0                                      
                                  
                                                                                                                                     話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4378号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
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白村江の戦い、歴史が示す日本の気概
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           櫻井よしこ


少し古い本だが、夜久正雄氏の『白村江の戦』(国文研叢書15)が非常に 面白い。
  
 昭和49(1974)年に出版された同書を、夜久氏が執筆していた最中、日 本と中華人民共和国との間に国交が樹立された。中華民国(台湾)との国 交断絶を、日本政府が北京で宣言する異常事態を、氏は「これは私には国 辱と思へた」と書いている。

72年の田中角栄氏らによる対中外交と較べて、「7世紀の日本が情誼にも とづいて百済を援けた白村江の戦は、不幸、敗れはしたが、筋を通した義 戦だった」と、夜久氏はいうのだ。

「その結果、日本の独立は承認され、新羅も唐と戦って半島の独立をかち とるに至った」とする白村江の戦いを、なぜいま振りかえるのか。言うま でもない。日本周辺の状況が100年に1度といってよい大きな変化を見せて おり、中国、朝鮮半島との歴史を、私たちが再び、きっちりと理解し、心 に刻んでおくべき時が来たからだ。
  
かつて中華思想を振りかざし、中国は周囲の国々を南蛮東夷西戎北狄など として支配した。21世紀の現在、彼らは再び、中華大帝国を築こうという 野望を隠さない。中華人民共和国の野望は習近平主席の野望と言い換えて 差しつかえない。
  
 習氏は昨年10月、自らを「党の核心」と位置づけた。毛沢東、鄧小平ら 中国の偉大な指導者に、自らを伍したのだ。まず、秋の全国代表大会でそ の地位を確定するために、党長老を集めて行われる夏の北戴河会議で、自 身の威信を認めてほしいと、習氏は願っている。そのために、いまアメリ カのトランプ政権と問題を起こす余裕は全くない。習政権が低姿勢を保つ ゆえんである。
  
アメリカという超大国に対しては低姿勢だが、逆に朝鮮半島は、彼らに とって支配すべき対象以外の何ものでもない。その延長線上に日本があ る。日本もまた、中国の視線の中では支配すべき対象なのである。

百済救済のために
 
663年の白村江の戦いを振りかえれば、日本にとってこれが如何に重要な 意味を持つかが見えてくる。アメリカのトランプ政権が如何なる意味で も、西側諸国の安定や繁栄につながる価値観の擁護者になり得ないであろ う中で、白村江の戦いでわが国が何を得たのか、何を確立したのかを知っ ておくことが大事である。
  
 白村江の戦いは663年、日本が、すでに滅びた百済救済のために立ち上 がった戦いである。その前段として、隋の皇帝煬帝(ようだい)の高句麗 (こうくり)遠征がある。
  
 隋の第2代皇帝煬帝は612年から614年まで毎年、高句麗遠征に大軍を投 入した。夜久氏はこう書いている。

「進発基地には涿郡(たくぐん)(河北省)が指定され、全国から一一三 万八千の兵があつめられた。山東半島では300隻の船を急造し、河南・淮 南・江南は兵車五万台の供出(きょうしゅつ)の命(めい)をうけた。兵 以外の軍役労務者の徴発は二三〇万という数にのぼった。その大半は地理 上の関係から山東地区から徴発された」
  
 煬帝の治政は残酷極まることで悪名高い。夜久氏は、「多数の労働力を とられた農地に明日の不作荒廃がくるのは必然であった」と書いている。

「山東東萊(とうらい)の海辺で行なわれた造船工人は悲惨のきわみで あった。昼夜兼行の水中作業で腰から下が腐爛(ふらん)して蛆(うじ) が生じ、一〇人に三、四人も死んでいった。陸上運輸労務者もこれにおと らず悲惨であった。旧暦五月六月の炎暑の輸送に休養も与えられず、人も 牛馬もつぎつぎに路上にたおれた。『死者相枕(あいまくら)し、臭穢 (しゅうあい)路にみつ』と書かれている」
  
このようにして612年、煬帝の高句麗親征軍は出発した。100万の大軍の進 行はその倍以上の輜重(しちょう)部隊(糧食、被服、武器弾薬などの軍 需品を運ぶ部隊)を伴い、行軍の列は長さ1000里を越えたという。1里は 約400?として、隊列は400?にも延びていたということだ。白髪3千丈の 中国であるから話半分としても200?の長さである。
  
 現在のように、命令伝達の手段が発達している時代ではない。部隊命令 は当然末端までは届かない。そこで途中で行方不明になる部隊、行き先を 間違える部隊が続出した。高句麗軍はピョンヤン近くまで、わざと敵を侵 入させ、隋軍の退路を断って四方から襲ったと書いている。こうしてピョ ンヤンに侵攻した部隊、30万5000の兵は、引き揚げたときわずか2700に 減っていたという。
  
この大失敗にも懲りず、隋は613年、614年と続けて討伐を企てた。しか し、軍は飢餓と疫病に見舞われ、煬帝の力は急速に衰えた。
  
 隋の朝鮮遠征を夜久氏は「文字が出来てからこのかた、今にいたるま で、宇宙崩離(ほうり)し、生霊塗炭、身を喪ひ国を滅す、未だかくのご とく甚しきものあらざるなり」と描いた。

中国と対等に戦い
 
 隋はこうして滅び、唐の高祖が台頭して中国を治めた。唐の2代皇帝、 太宗は文字通り、大唐帝国を築き上げた。
  
そして再び、中国(唐)は朝鮮半島を攻めるのである。日本は前述のよう に百済救援におもむき、唐と戦い敗北する。敗北はしたが、日本はその 後、唐・新羅連合軍の日本侵攻に備えて国内の体制固めを進めた。国防の 気概を強める日本の姿を見て、最も刺激を受けたのが前述の新羅だった。

彼らが如何に日本の在り様に発奮させられたかは、唐と共に日本に迫るべ きときに、逆に唐に反攻したことからも明らかだ。新羅はこのとき、日本 を蔑称の「倭国」と記さず、「日本」と記したのである。夜久氏はこれを 「七世紀後半の東アジアの大事件」と形容した。
  
 日本は中国と対等に戦い、敗れても尚、「和を請わず、自ら防備を厳に して三十余年間唐と対峙し続けた」「我々今日の日本人は当時の日本人の 剛毅なる気魄を讃嘆すると共に、自ら顧みて愧(は)ずる所なきを得ませ ん」という滝川政次郎氏の言葉を夜久氏は引用している。
  
 日本が思い出すべきは、このときの日本の、国家としての矜恃であろ う。敗れても独立国家としての気概を保ち続け、朝鮮半島にも大きな影響 を及ぼしたのが、日本だった。
  
 中国が再び、強大な力を有し、時代に逆行する中華大帝国の再来を目指 し、周辺国への圧力を強めるいま、日本は、歴史を振りかえり、独立国と して、先人たちがどのような誇りと勇気を持ち続けたかを思い出さなけれ ばならない。
  
トランプ政権はいま、先進国首脳会議(G7)に中国とロシアを入れる考 えさえ提示している。世界の秩序は基盤が崩れ、大きくかわろうとしてい るのである。このときに当たって、わが国日本が歴史から学べることは多 いはずだ。

『週刊新潮』 2017年6月8日号   日本ルネッサンス 第756回



      
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強まる「改憲・衆院ダブル投票」の公算
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             杉浦 正章

 
自衛隊の根拠規定を問う 
 
相乗効果で与党に有利か
 

長年にわたって神学論争を繰り返してきた国会の憲法審査会に、改憲問題 を政局にすべきでないとする議論があるが、どうだろうか。筆者は改憲問 題は政局そのものだと思う。長年の政党の主張がぶつかり合う戦後最大の 政局マターだ。従って改憲の国民投票と総選挙を同日に実施して「改憲・ 衆院ダブル投票」を断行、国民の信を問うことは全く正しい。


9条への自衛隊根拠規定の追加など自衛隊を肯定する政府・与党と、否定 する共産党との対決が最大の見物だが、流れは共産党の惨敗とみる。そし て国民投票の実施時期が日程的に衆院議員の任期切れと接近するのであれ ば来年の同日投票は一段と現実味を帯びるのだ。
 

自民党の憲法改正推進本部の会合が6日開かれ、いよいよ本格的な改憲論 議がスタートした。安倍の提示した「9条の平和主義の理念は未来に向け て堅持し、9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」構想の 是非が課題となる。冒頭から予想通り、自民党が2012年に世に問うた9条 1項、2項も改正して「国防軍」保持を明記する憲法改正草案を取り下げ るのかどうかについて激突した。総裁選出馬を意識していいる元幹事長石 破茂が「どうするのか」とクレームを付けたのだ。


しかし副総裁高村正彦は「12年草案をどうするかを決めないと新しい議論 に入れないということはない。改正案を作ってから草案と比較すればい い」とぴしゃりと反論。結局大勢は草案にこだわらず、首相案について議 論を進める方向が確認された。
 

まさに「党内政局化」が抑えられた瞬間であった。石破の主張は党内でも 一定の理解はあるが、今回の改憲構想は従来の草案が開けられなかった改 憲の岩盤をダイナマイトで崩そうとする政治的な意図がある。仏壇の奥か らちりの付いた「歴史的文書」のような草案を持ち出しても政治的に動か せるものではない。石破はそこに気付いていないのだ。
 
もう一つ異論がある。「行政府の長である安倍が改憲を提示するのはおか しい」とする議論である。毎日も社説で「憲法改正案の発議権を持つ国会 の頭越しで具体的な改憲方針を明示するのは異例だ」と安倍にかみつい た。さらにその憲法発言で大局観のなさを露呈している衆院憲法審査会理 事の自民党幹事船田元も「行政府の長や内閣に籍を置く者は改憲に抑制的 であるべきだ」と苦言を呈している。

しかし、6月1日の衆院憲法審査会参考人として出席した東大教授の宍戸 常寿と慶応大教授の小山剛は国会の発議権を安倍が害していることはない との見解を表明した。宍戸は「議院内閣制では政党党首が同時に首相を務 めることが想定されている。

首相であるところの与党党首が、改憲をしかるべき場で、しかるべきやり 方で発言することは、一般的に憲法尊重擁護義務に反しないと考えてい る」と発言、小山も同調した。どうも憲法調査会は、15年に集団的自衛権 の行使を限定容認する安全保障法制を巡り大学教授らに「違憲」を言わせ て、安倍の足を引っ張った“快感”が忘れられないとみえて、2度目の「参 考人ショック」を狙ったようだ。しかし、柳の下にドジョウは2匹おら ず、「逆ショック」を受けたのは審査会であった。
 

こうして反対論は勢いを得ない状況にあるが、まだ山あり谷ありとみなけ ればなるまい。大きな流れは筆者が5月11日にあらゆるメディアに先だっ て「総選挙と国民投票のダブル選挙の可能性がある」と推測した方向に向 いている。


朝日も7日「改憲発議現有勢力で狙う」と、与党が3分の2を維持している 現体制での改憲を目指す方向を記事にしている。安倍も先月インタビュー で憲法改正の是非を問う国民投票を国政選挙と同時に実施することの是非 に関して「衆院選と参院選を国民投票と別途やるのが合理的かどうかとい うこともある」と述べた。国政選挙との同時実施の可能性に言及した形 だ。自身が憲法9条改正を提起した意図についても、「自衛隊論争に終止 符を打つ」と強調した。
 

衆院議員の任期は残り約1年6か月で、安倍は国民投票で解散権を縛られ ないことを意図したものともみられる。官房長官・菅義偉も国民投票の実 施が解散権を制約するかどうかについて「首相の衆院解散権への制約はな いと思っている」と明言している。こうして改憲の日程は衆院議員の任期 切れを意識して進展する方向が強まった。筆者は過去に2度実施された衆 参ダブル選挙の場合、自民党が圧勝した原因は相乗効果にあると判断して いる。

衆院で自民党に投票した有権者は参院でも自民党に投票する傾向があるの だ。これは憲法改正とも共通する側面があるのではないか。自民党に投票 する有権者は9条改憲を是とする傾向を必ず帯びると見る。従って相乗効 果で自民党は負けないし、改憲は投票した国民の過半数を得られるだろ う。具体的な日程としては、2020年に改正憲法を施行するとなると、 早 ければ2019年には憲法改正の国民投票に漕ぎ着ける必要が出てく る。急げば来年の通常国会末か遅れても秋の臨時国会で、3分の2以上の 賛成で発議することとなろう。

その後最短60日で国民投票となる。従って国民投票は衆院議員の任期切れ が来年末だから、総選挙とのダブル選挙になる公算がある。経費節約にも なる。参院選挙は2019年夏だが、事は憲法であり、参院ではなく政権の存 否が問われる衆院選挙に合わせるべきだろう。

 
     
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せめぎ合う内科と外科
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    石岡 荘十

医療技術の賞味期限は5年、といわれる。心臓疾患治療の分野もその例外 ではない。

心臓の筋肉にエネルギーを送り届ける冠動脈の血管が狭まって血液が流
れにくくなるのが狭心症、完全にふさがってしまうのを心筋梗塞という。
こんな病状の患者の治療法をめぐって、内科医と外科医の陣取り合戦が繰 り広げられている。

とりわけ、心筋梗塞の治療法は、かつては心臓外科医の独壇場だった。
手術は胸の胸骨の真ん中を縦に真っ2つ切り離し、肋骨、つまり胸板を
持ち上げて心臓を露出し、人工心肺を取り付けて、全身への血液循環を
確保しながら、心臓に張り付いた冠動脈の詰まったところをまたぐよう
に別の血管を吻合(縫い合わせる)し、詰まった部分をまたいでバイパ
スを作る。

開心手術というが、医者にこんな説明を受けた患者は例外なく衝撃を受
ける。だけでなく、その後肉体的にも患者には大きなダメージとリスク
を強いる手術が待っている。

そこで、内科医は考える。

「心臓を露出しないで、詰まった血管を開通させる方法はないのか」と。

考え出された治療法が、細い管(カテーテル)を、血管を通して心臓ま
で挿入する。狭くなった部分にカテーテルが到達すると、そこで先端に
仕掛けられたフーセン(風船)をぷっと膨らませて狭くなったところを
広げる。

あるいは、先端に仕掛けられたドリルで血管にこびりついたコ
レステロールを削り取ったり、最近、脳梗塞治療薬として人気が高まっ
たt-PA で血栓を溶かしたりする方法だ。

崖崩れでふさがったトンネルをあきらめてバイパスを作る外科心臓手術
か、土砂を取り除いてもともとのトンネルを開通させる内科治療か。

この判断は、まず、最初に患者の診断をする内科医が行なうが、内科医
によるトンネル再貫通(カテーテル)方式は、1度貫通しても、かなり
の患者の血管がまたふさがる(再狭窄)、何度も手術をしなくてはなら
ない。これが欠点だ。

一方、外科手術は患者に与える精神的な衝撃だけでなく、全身麻酔や人
工心肺がもたらす肉体的なダメージやリスクも大きいが、同じ部分が再
狭窄するリスクだけは避けられる。

一長一短だ。

そこへ登場したのが内科医によるカテーテル治療の新兵器「ステント」
である。

ステントは金網でできた筒。まず、風船で押し広げたところへ、これそ
っと挿し入れて置き去りにすると、そこは再び狭窄しなくなる。掘った
トンネルを中から強固な金属の管で補強するような治療法だ。

しかし、ステントの金属が血管を傷つけて炎症を起こし、2・3割がま
た再狭窄へ向かうという問題が起きる。

これを阻止できないか。

そこへ「薬剤溶出性ステント」が米国で03年4月に登場し、日本でも0
4年4月から使われるようになった。新型ステントは再狭窄を防ぐ効果
のある薬(シロムスリ)が塗ってある。

これが少しずつ溶け出して、再狭窄を防ぐ。再狭窄率は最大5%へと激
減した。ほとんどゼロだった。世界の内科医軍団は、もはや心筋梗塞治
療で外科医の手を借りることはなくなった、と胸を張った。

外科医によるバイパス手術と内科医によるカテーテルの割合は欧米で1
対1だった。日本では1対3から4だったが、それが1対7か8となり、
間もなく10人中9人がカテーテルという時代になるのではないか。

しかし、世の中そんないいことばかりあるわけない。問題が起きた。

血管内に異物であるステントを入れると、血栓ができやすくなり、かえっ
て心筋梗塞を起こすリスクが高まる。それを防ぐ薬を使うと、今度は重
い肝臓障害などの副作用が出て、死に至るというケースも報告された。
あちら立てればこちらが立たずというわけだ。

一方、外科医も指をくわえてこんな状況を見ていたわけではない。
外科手術の分野では、胸は開くが人工心肺も使わず、心臓を動かしたま
まバイパス手術を行なう手法(心拍動下CABG)や、胸も開かず、胸
を6〜7センチ切るだけで、そこから手術器具を挿入、バイパス手術を
行なうというすでに評価の定まった“名医”も登場している。

心筋梗塞治療をめぐる内科医と外科医の陣取り合戦はさらに熾烈なもの
となるだろう。

ちなみに、治療費である。
・人工心肺を使った冠動脈バイパス術 : 300万〜400万円
・使わないバイパス術: 200万円くらい
・カテーテル治療:技術料などを含めると100万円ほど。

額面の値段では内科方式に分がありそうだが、副作用の問題もある。治
療費用は一定額を超えるとほとんどが戻ってくる高額療養費制度もあるし、
致命を回避する費用としては、大差ない差額といえそうだ---。

さて、そうなったら、
♪あなたならどうする? (了)



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「措置入院」精神病棟の日々(48)
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     “シーチン”修一 2.0

産経6/5「週刊新潮の中づり広告、6年前から文春側に貸し出し トーハン が調査結果公表」から。

<発売前の「週刊新潮」(新潮社)の中づり広告を出版取次大手「トーハ ン」から文芸春秋が入手していた問題で、トーハンは5日、約6年前から中 づり広告を文芸春秋側にほぼ毎週貸し渡していたなどとする社内の調査結 果を公表し、改めて新潮社に謝罪した。

トーハンの特別調査委員会は「(「週刊文春」の)内容変更が間に合うと 知っていれば、貸し渡しは行わなかった」と指摘。「当社担当者が金銭授 受や供応などの提供を受けた事実は確認されていない」とした。

調査結果に対し、週刊新潮編集部は「文芸春秋側が事実と異なる説明で出 版取次会社の担当者を欺き、中づり広告のメモやコピーを取るようになっ たことが明確になった。看過できない不正行為」などとする見解を発表。 一方、週刊文春の新谷学編集長はこれまでに公式サイトで、「情報を不 正、不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりし た事実は一切ない」としていた>

中づり広告を戦後、広告媒体の一つとして大普及させたのはキョウエイア ドエージェンシーの力が大きい。これは利権でもある。創業家は大金持ち になり、「キョウエイ○○」とか「○○グッドラック」などの馬主でもあり、 競馬界では有名だそうだ。小生はその子会社の役員からずいぶん可愛がら れたので、以上の話を知ったわけだ。

他者にモラルを求め、「こいつはインモラルだ!」大騒ぎして買わせるの が週刊誌で、少なくとも東名阪福札の都市部で売ろうというのなら中づり 広告は欠かせない。週刊文春をメジャーに育てた花田氏は、事件が発覚し た直後の産経5/20読書面の「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」に一読唖 然、「花田さん、それはないでしょう」と言いたい。

<文藝春秋OBだから言うわけではないが、文藝春秋の体質、新谷編集長の 性格からしてスクープ潰しとかスクープ泥棒という悪どい意図はなかった と信じたい。単純にライバル誌が、今週はどんなメニューなのか知りた かっただけなのではないか。新潮としては・・・皮肉で済ませた方がス マートだった>

先日、家の北側マンションに若い女の子が引っ越してきた。小生が観察し ていたらどうなるか。

<覗きこんで録画したり、洗濯物を盗むといった悪どい意図はありませ ん。単純に若い女性の暮らしぶりを知りたかっただけなのです。“変態ヂ ヂイめ、いい歳をして”とここは皮肉で済ませるのがスマートでしょう>

<ワシントンDCと東京に核ミサイルをぶち込むといった悪どい意図はあり ません。単純に自国を防衛したかっただけなのです。“格違いのキチ○イ豚 め”とここは皮肉で済ませるのがスマートでしょう>

とでも言うのが花田流、文春流か。

花田主宰の月刊誌の内容が事前にライバル誌の「WILL」に流れていても、 花田は皮肉で済ませるのか。これでは出版人としてのモラルはもたない。 編集部を「何でもあり」のゴロツキ集団、梁山泊、赤匪にしないように、 ここは一罰百戒、「泣いて馬謖を斬る」くらいのことをしないとダメだろう。

スマートであろうがなかろうが、不文律であろうが、売文屋の掟は掟だ。 掟破りは業界永久追放ではなかったのか。

掟破りは全身拘束という全然スマートじゃない病棟日記から。

【2016/11/29】緊急措置入院から1か月、あっという間という感じだ。心 も体も少しずつ正常≒普通になりつつある。いいのか悪いのか・・・持ち 味の「エキセントリックな無頼派モドキ」が薄れるようで、ちょっと複雑 な思いだ。

【11/30】病院の上をトンビが遊弋していた。気持ち良さそうだ。人間は 大昔から自由に大空を飛びたかった。ダビンチは元祖ヘリコプターを考 案、ライト兄弟が動力飛行機を砂浜で飛ばしたのは1900年頃だから、それ から100年ちょっとで宇宙まで飛んでいくようになった。

ムササビのような格好をして山の上から飛ぶ映像を見たが、最初は怖かっ たろうな。高層ビルから飛ぶ人もいるが、まあこれは落ちるということに なり、歩行者が巻き添えになったりする。「一人で死ねよ、一人で!」と 皆思っているだろう。

10:00〜11:00、作業療法で木製オートバイ作り。とても難しくてぐった りしたが、刺激にはなる。草むしりでも包丁研ぎでもいいから仕事をさせ てくれないかなあ。人の役に立ちたい。世話になるばかりではちっとも面 白くない、生き甲斐を感じたい。

14:30、救急車が来て3Fの患者を乗せていった。多分、電気ショック療法 で気絶したのだろう。この療法(カミサンによると麻酔も使う)を受けて いる美女“バスケ”は車椅子に乗って病室に戻ってきたが、本人によると 「被害妄想」だそうだが、統失なのかもしれない。

16:40、毎日恒例、全患者の「所在確認」。外出の際に失踪したり、屋内 でもどこかへ隠れたり、首を吊ったり、風呂場でリストカットしたりする 患者がたまにいるのだろう。精神病棟勤務は大変だ。

なにしろ完治しないのだから看護師にとってはやりがいが薄いかもしれな い。いろいろな事情から精神病棟勤務に就いたのだろうが、小生ら患者を 含めて個性的な人が多い。

昨日の夕食から、転院したボスの席を使っており、座高が高い使いやすい 椅子に替えて坐り心地が良くなった。

ところが知能障害の上に呆けが進行して言語不明瞭の“コンチャン”(60歳 ほど)が昨日から小生の隣に引っ越してきた。彼は別の4人掛けのテーブ ルにいたのだが、このところ敬遠されてシカトされていたのだ。

追い出すわけにもいかず、並んで食事を摂っているが、ご飯はポロポロこ ぼす、箸は落とす、どうでもいいことで看護助手を呼びつける、服は着た 切り雀、隙あらば小生に話しかけようとする、ベッドは隣同士だが、独り 言を言う、失禁、脱糞はしょっちゅう、その上に風呂嫌い・・・

敬遠されるのも無理ないが、孤独に耐えられず、人の輪に入っていきたが り、またまた煙たがれるのだ。

先日は“コンチャン”の父親、85歳ほどが面会に来たが、本人はともかく親 は気の毒だ。一生が転院の連続、過酷な人生だとは思うが、小さい頃から 施設を転々として暮らした本人は、それ以外の人生、社会を知らないのだ から何とも思っていないのだろう。呆けるが勝ちか・・・

15:00、ベッドで本を読んでいると“コンチャン”がカーテンを開けて顔を 出し、「お昼食べた?」。

「うん、12時に食べたよ」
「その時に俺いた?」
「うん、いたよ」
「そうか・・・」

母もよく言っていたっけ。呆けの典型的な症状だ。(つづく)2017/6 /8(この号はワケアリで以前のものをリメイクしました)



        
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話 の 耳 袋
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 ◎安倍首相が習近平の生殺与奪の権を握っている理由:黄文雄

安倍首相は6月5日に国際交流会議「アジアの未来」の夕食会で講演し、中国の経済圏構想「一帯一路」について、「(同構想が)国際社会の共通の考え方を十分に取り入れることで、環太平洋の自由で公正な経済圏に良質な形で融合し、地域と世界の平和と繁栄に貢献していくことを期待する。日本は、こうした観点からの協力をしたい」と述べました。

新聞各紙は、初めて安倍首相が「一帯一路」への協力を口にしたということをポイントとして強調しています。これだけ見ると、いよいよ日本も「一帯一路」に参加するかのような印象を与えます。

アメリカのTPP離脱で窮した安倍政権が、「一帯一路」に尻尾を振り始めたと見る向きもあります。

ただし、産経新聞は「安倍晋三首相、中国の『一帯一路』協力に透明性、公正性などが“条件”」という見出しで、中国が支援する国の返済能力を度外視して、インフラ整備のために巨費を投じることが問題化しつつあることを踏まえた発言だという内容となっています。むしろ中国を牽制する狙いがあるという論調です。
http://www.sankei.com/world/news/170605/wor1706050072-n1.html

中国が対外インフラ投資を利用して他国の土地を支配していることについては、このメルマガでも先日論じました。スリランカのコロンボにあるハンバントタ港は、中国からの融資でインフラ開発されましたが、6%を超える高利であるためスリランカ側の返済の目処がたたず、このハンバントタ港を中国企業に99年間貸与するという、「事実上の売却」に迫られました。
https://mainichi.jp/articles/20170208/k00/00m/030/129000c

中国が主導するAIIBについては、これまでも麻生副総理をはじめとして、透明性と公正性が重要だということを強調してきました。今回の安倍首相の発言も、「一帯一路」について、従来の政府の立場を踏襲したにすぎません。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL20HKQ_Q5A320C1000000/

よく語られるように、「一帯一路」と「AIIB」は中国が日米経済連携に対抗し、覇権を確立するための世界戦略です。しかし、中国中心の発想であり、自国のゾンビ企業の過剰生産と軍事拠点づくり、発展途上国の財政圧迫、そして資金不足で頓挫するプロジェクトが絶えないなど、さまざまな問題点が指摘されています。

 最終的には日米主導の世界銀行やアジア開発銀行からの資金的協力が不可欠であり、外資頼りだった「改革開放」路線の延長としての「他力本願」であることは一目瞭然です。

 5月14、15日に北京で開催された「一帯一路」国際会議では、アメリカが代表団を送り、安倍首相も二階俊博幹事長を特使として派遣して習近平主席に親書を渡しました。

これに対して、人民日報は6月4日、「中日改善改善に日本は具体的行動を」という記事を掲載し、日中関係を改善したいなら、具体的な政策と行動を示せと、かなり上から目線で「命じて」います。
http://japanese.beijingreview.com.cn/politics/201706/t20170605_800097424_1.html

記事では、文部科学省が「銃剣道」を中学「学習指導要領」に入れたことや、台湾と日本の交流窓口の名称を「亜東関係協会」から「台湾日本関係協会」に変更したことなどを挙げて、「日本は歴史問題で小細工を繰り返している」などと批判しています。

さらに、「日本は東中国海で緊張をつくり、南中国海問題に干渉し、朝鮮半島情勢を刺激してエスカレートさせている。こうした行動の背後には中国と主権・権益を争う私利があり、改憲・軍拡につなげる魂胆もある。中国は、地域の安全における消極的要素になってはならないと日本に警告する」とまで論じています。

東シナ海も南シナ海も、日本が緊張をもたらしているのだから、挑発をやめろと言っているわけです。

要するに、「一帯一路」に入りたいなら中国の言うことを聞け、ということをかなりあからさまに要求してきているのです。これだけでも「一帯一路」に参加することは、日本の国益を犠牲にしなくてはならないことだということがわかります。

安倍首相が「一帯一路」国際会議に親書を送り、また、条件次第では協力するという発言を行ったのは、むしろ習近平に対するリップサービスだと見るべきでしょう。もちろん、北朝鮮問題を解決するために中国を動かす狙いもあるでしょうが、それに加えて夏に行われる北戴河会議を念頭に、習近平に恩を売る目的があると思われます。

今年の秋に5年ぶりの中国共産党大会が開かれますが、習近平にとってもっとも重要なのがその人事です。チャイナ・セブンと言われる党中央政治局常務委員で、習近平と李克強の残留は確実視されていますが、残る席を習近平派で固められるかどうかが焦点となります。

それにより、習近平が完全に権力を掌握できるかどうか、あるいは抵抗勢力が増えて政権がレームダック化するかの分かれ目になるからです。

加えて、現在の党軍事委員会の副主席(主席は習近平)の2人は、胡錦濤が総書記のときに選ばれたのであり、党大会後、ここに自分の手下をもってこれるかどうかも注目となっています。

党の長老たちが集まって、こうした重要人事をあらかじめ内々に決めるのが、夏の北戴河会議なのです。そのため、習近平としてはこれまでの実績をできるだけアピールしたいところです。そのために「一帯一路」国際会議を5月に開催したのです。

しかし、よく観察してみると、総書記になってからの5年間、習近平にたいした実績はありません。経済成長率は年々減少していますし、南シナ海問題ではアメリカに「航行の自由」作戦を行われてしまいました。ハーグの常設仲裁裁判所には中国が主張する南シナ海の領有権について「根拠なし」と言われてしまいました。

台湾では蔡英文政権が誕生してしまうし、北朝鮮も言うことを聞かないし、AIIBの起債も単独起債はまだ数件しかありません。

腐敗追及運動だけは、周永康を逮捕するなど進展がありましたが、中国官僚は誰もが腐敗していますから、逆に習近平への憎しみが増加しただけです。
 経済成長の衰退から人民解放軍を再編して兵力削減を目指していますが、今年2月には、退役軍人が反腐敗運動の拠点である北京の党中央規律検査委員会の前で、待遇改善を求めて大規模デモを起こしました。
http://www.sankei.com/world/news/170222/wor1702220044-n1.html

しかも肝煎りの「一帯一路」にしてもインドは自国に敵対的と見ており、モディ首相は中国からの「一帯一路」国際会議への招待を拒否しました。おまけに代表団を送った北朝鮮は開幕日に弾道ミサイルを発射して、習近平の面子を潰しました。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7670.php

ロシアは一帯一路で中国から欧州までを結ぶインフラ建設のルートがほとんどロシアを通っていないことに不満を高めています。

要するに、習近平の実績はゼロなのです。

そんな折に、安倍首相から条件付きでも一帯一路についての「協力」の言葉がもらえたとなれば、習近平にとっては国内にアピールするいいチャンスです。もちろん中国は内外に向けて、「東夷が天朝の恵みを求めてきた」という尊大なポーズを取っていますが、習近平にとってはありがたかったでしょう。少なくとも北戴河、そして共産党大会までは、日本と対立して余計な波風を立てたくないはずです。

もちろん、中国の権力闘争は複雑怪奇ですから、日本の反発心を高めて習近平の実績をゼロにしようと動く勢力もいます。最初からゼロならば問題にならないことでも、いちどプラスに持ち上げておいて、そこからゼロに転じれば、それは汚点となります。

そういう意味で、習近平は安倍首相の対中発言や動向に神経を尖らせているはずです。日中関係は、これまでも胡耀邦総書記が失脚する原因の一つとなったり、あるいは天安門事件に対する国際的制裁解除のキーポイントとなってきました。

日本人が考える以上に、中国にとって日本の存在は大きく、他国との関係以上の特別なものがあります。

中国人はよく「小日本」などといって、ことさら日本の存在の小ささをアピールしますが、そのわりには無視するのではなく、わざわざ「5・4運動記念日」「7・7抗日戦争記念日」「抗日戦勝記念日」「柳条湖事件記念日」「南京大虐殺追悼日」など、かつての日本と関連する記念日を数多く作っています。

26ある記念日の約5分の1が日本関連であり、「マルクス」「レーニン」に関する記念日より多く、中国が意識する外国としては、他の追随を許しません。それほど日本を意識しているということなのです。

つまり、中国および習近平政権の今後の行方を左右するほどのポテンシャルが日本にあるわけです。

中国共産党の内部でも、習近平は問題人物とみなされています。そもそも「草包」(バカ)だと見なされたので、江沢民派の上海幇に抜擢されたのであり、逆に切れ者とされた薄熙来は潰されてしまいました。

習近平が何もしなければうまくいくことでも、しゃしゃり出てくるとメチャクチャになるということが、中国人の間でも裏でよく言われています。能力がないために余計に自分の偉大さと権力に固執するのだと、私に訴える中国人も少なくありません。私に「習近平は想像以上に悪どい人物だ」と語る中国研究の専門家もいました。

今年の秋までは、習近平は何が起こるのか気が気ではないでしょう。現在、習近平は必死に不動産バブルを演出しています。中国のGDPに占める不動産投資額の比率は、23%以上(2016年、IMF試算)という、異常な状態になっています。

一応は、バブル抑制策は取っていますが、バブルを本格的に冷やしてしまうと経済は急速にクラッシュしてしまうため、単なるポーズにとどまっています。習近平としてもいまバブル崩壊を起こすわけにはいかないのです。

追い詰められている習近平にとっては、とにかくこの夏と秋までが正念場です。逆の味方をすれば、秋の党大会以降、中国が大きく傾く可能性があるということなのです。
[Money Voice]     〔情報収録 − 坂元 誠〕



 ◎米大統領、コミー氏証言で疑いが「完全に晴れた」と認識=弁護士

6月7日、トランプ米大統領が選任した外部弁護士は声明を発表し、コ ミー前連邦捜査局(FBI)長官の議会証言原稿で、大統領がロシアによ る米大統領選介入疑惑に関する捜査対象ではなかったことが確認され、大 統領は満足していると述べた。

[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米大統領が選任した外部弁 護士のマーク・カソウィッツ氏は7日、声明を発表し、コミー前連邦捜査 局(FBI)長官の議会証言原稿で、大統領がロシアによる米大統領選介 入疑惑に関する捜査対象ではなかったことが確認され、大統領は満足して いると述べた。

同氏は「コミー氏が私的な書面でようやく、大統領がロシア疑惑を巡る捜 査対象ではなかったと公に確認したことを大統領は喜んでいる」とした上 で、「大統領は完全かつ完璧に疑いが晴れたと感じている」と述べた。
ロイター6/8(木) 7:56配信


 ◎党首討論、今国会はなし? 99年の導入以来初めて

首相と野党党首が一対一で議論する党首討論が今国会では実施されない 公算が大きくなっている。国会審議活性化法で1999年に導入されてか ら、通常国会では必ず1回は行われていた。影を落とすのは「加計(か け)学園」の獣医学部新設問題。政治主導を目指した国会改革の理念から 遠のいている。

 自民党の小此木八郎国会対策委員長代理は7日の記者会見で、18日 の 会期末までの党首討論の実施について、「現実的に日程は厳しい」と述 べた。民進党幹部も「難しいだろう」との見通しを示した。

 実施は元々民進が求めていた。ただ、加計学園問題への政府の説明や 対応が不十分だとして、安倍晋三首相が出席する予算委員会の集中審議の 実施要求を優先させた。党首討論は45分間と時間が短く、「追及が予算 委より限定的になる」(国対幹部)からだ。

 これに対して、首相への追及を最小限にとどめたい自民は6日、竹下 亘国対委員長が集中審議に応じない代わりに党首討論を実施することを民 進に提案。民進の山井和則国対委員長は「集中審議とセットなら受ける」 と答え、折り合わなかった。

党首討論は、英国議会の「クエスチョン・タイム」を参考に導入され た。野党が一方的に質問する各党代表質問や予算委員会質疑と違い、首相 にも野党側への反論権を認める。これまでに64回行われている。通常国 会では2000年に6回、01、05年も5回ずつ実施されるなど、必ず 会期中 に1〜3回開かれてきた。
朝日新聞デジタル6/8(木) 1:09配信




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読 者 の 声       
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 1)“Make America Great Again”の裏側に何があるか:前田正晶

私はこのトランプ候補が選挙キャンペーン中に掲げた「アメリカを再び偉 大に」を聞いて、直ちに「これでは現在のアメリカは偉大ではないと言っ ていることになる」と指摘した。このスローガンを政治的に考えれば、オ バマ大統領がやって来たことを全て否定してかかるトランプ候補としては 「オバマ政権がアメリカを劣化させたと強烈に批判したのだ」となる。

偉大ではなくなってしまったかどうかは別にして、私はオバマ大統領はそ の弱さと優柔不断さの為にアメリカの地位を低下させたのは間違いないと 思っている。だからこそ、トランプ候補がこの点を突いて出たのだと解釈 した。だが、誰がやっても上手く行くまいと言われたリーマンショック後 のアメリカ経済を、トランプ政権が発足した時には回復できるように立て 直していたのは皮肉だった。

私はこれまでに何度も指摘してきたことに「アメリカ人の思考体系は二進 法で、そうであるかないか、白か黒か、イェスかノーかの二択で進んでい くものである」である。以前には「これは一神教に発する考え方であり、 八百万の神が存在されるが故に柔軟な思考体系を採る我が国では簡単に理 解されない相違点だ」とも述べてきた。

即ち、「そうであるかないか」乃至は「コインの裏表」式な考え方をする からこそ、「アメリカを再び偉大に」と言っていることは「今は偉大では ない」と言っているのと同じなのである。この思考体系に馴染めないと、 二進法で考えて単純明快に進めていくアメリカ人と付き合うのは、難しい ことになってしまうことすらある。そこで、あらためてこの日米間の思考 体系の相違点を実例を挙げて解説してみよう。

私はこれまでに何度か「アメリカ人の会社に転進して何年間かは文化と思 考体系の違いの谷間に彷徨い苦しめられた」と言ってきた。「苦しめられ た」と言うよりも「何でそうなるのか」と悩まされたという方が正確かも 知れない。これなどは実際にその環境に入ってみないことには実感できな いことだ。英語が解るか否かなどという簡単なことではない。

*1970年代の末期のことだった。我が社の製品の品質は未だ未だ厳しい日 本市場の要求を満たすところに至っておらず、当時の技術サービスマネー ジャーは先の工場を巡回する度に何度も何度も「御社の製品のここが悪く 他社の製品と比較して劣る」と、「またか」とウンザリするほど批判され 続けた。

そこで、彼は奮起して工場に「絶対にこの点を改善せよ」と厳命を下し、 何とか格好が付いた製品を出荷した。そして工場を訪れた「きっと、褒め て貰える」と期待して。

ところが、またもやお叱りを被った「何で我が社に黙って改善したのか。 当方は御社の問題点に対応する条件を整えて使ってきたので、事前の通告 がない改良では条件が合わずに不良品が出た」と。

技術サービスマネージャーは驚愕した。あれほどしつこく「悪い」と避難 する裏には「改善せよ」ということと解釈したのだったから。彼は会談が 終わってから嘆いた。「何故、我が社の製品に合わせる加工条件を設定し てあった」と告知してくれなかったのかと。典型的な思考体系の違いを双 方が認識できていなかったのだ。

*次は狂牛病の頃の故・亀井善之農水相(余談だが、湘南高校の4期下の 人)が犯した無意識の過ち。彼は繰り返し「もっとアメリカ産の高品質の 牛肉を輸入せよ」と迫るアメリカ側と交渉をして「全頭検査をしないと買 わない」と言ってきた。だが、納得しないアメリカ側は「売り込み代表 団」を派遣して直談判となった。

会談終了後に、亀井氏は「誠心誠意、何故全頭検査が必要かを使節団の 方々にご説明しご理解を賜りました。もうこれ以上の売り込みはないで しょう」と、どれほど対応に苦労されたかを語った。だが、そうとはなら なかった。アメリカは旬日を出でずして「もっと買え」を連呼し始めた。 亀井氏は慌てた。

だが、これは極めて簡単な理屈で、亀井氏は「全頭検査」の必要性を懸命 に説き聞かせたので、アメリカの代表団はそれくらいは理解した。だが、 亀井氏の致命的失敗は「全頭検査しなければ買わない」という肝腎の点を 言わず、全頭検査が要求されていうると言えば、それが出来ないアメリカ 側が諦めると勝手に思い込んでいたのだった。

こういう具体的な拒否を表明しない交渉の仕方でも日本人の間では有無相 通ずるが、アメリカ人は「聞かなかったことは否定しなかったこと」と解 釈するから、亀井農水相は「買はない」とは言わなかったと解釈したの で、直ぐに再交渉を迫ってきたのだった。

これら以外にも、私自身が彼らの中にあって「何でそうなったのか」が解 らずに困ったことが何度もあった。例を一つあげておこう。

*アメリカの上司は何度か私に同僚というか本社と工場側の担当者たち を、私がどのように評価するかを尋ねてくるのだった。未だ思考体系の違 いを認識できていなかった頃の私は愚かにも「Aはこういう至らない点が あり、お客に評価されていない」など率直に告げていたのだった。ここま ででお解りの方がおられれば有り難いが、この表現では「彼は駄目ですか ら外された方が」と言ったのと同じ効果で出るのだ。

すると、間もなくそのAは配置転換されてしまった。私は「何でかな?」 と不思議に思っていた。次はBについてのご下問があった。間もなくBも外 された。ここに至って東京事務所の代表者から「君は口を慎め。君がズバ リと言った為にAとBは変えられたのだ」と言われた。本当に驚いた。それ では何と言えば良いのかを学ばねばならないと、彼にもアメリカ人にも教 えを乞うた。

学んでことは「彼は非常に良くやっています。(=He is doing a pretty goodjob.)」から入って「だが、この点を改善してくれればもっともっと 良くなるでしょう」のように言えば良いのだ。アメリカ人は何か苦言を呈 する時には、先ず必ずと言って良いほどこのような話法で攻めて来るもの だ。私は「Yes but 〜方式」と勝手に呼んでいたが、先ず褒められた時は 後が怖いのだった。だから「来たな」と身構えると良いのだ。

こういう経験をして、相互に「違い」を理解していくことができるように なるものなので、その思い違いを経験して見なければ、何時まで経っても 相互理解には至らないと思う。繰り返して言うが、彼らは二者択一という か二進法でしか物事を判断するか考えることをしないというか、できない のである。2つの異なる意見を2で割って間を取るとか、妥協点を探ると いうことは意識の中にはないのだ。




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身 辺 雑 記
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9日の東京湾岸は朝のうちは曇り、午後になって晴れだという。



東京湾岸も梅雨に入ったので、医師から散歩を義務付けられている者に とっては、しばしの晴れ間は宝だ、8日朝がそうだった。



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渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>

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