政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針4330豪  2017・4・20[[木)

2017/04/20

20ひの
□■■□──────────────────────────□■■□
  わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」4330号
□■■□━━━───────────────────────□■■□



        2017(平成29)年4月20日(木)



        「オンコセルカ症」の駆逐・撲滅:馬場伯明

          日米会談、謎の35分は霧の中:杉浦正章

          北朝鮮攻撃は遠のいたのでは?:宮崎正弘     
   

                       話 の 福 袋
                     読 者 の 声
                     身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第4330号
                             発行周期 不定期(原則毎日発行)
             
               御意見・御感想は:
                  ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
                    下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/

    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/




━━━━━━━━━━━━━━━
「オンコセルカ症」の駆逐・撲滅
━━━━━━━━━━━━━━━


                    馬場 伯明

世の中に優れた学者は多いが、その中で、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生(81歳)は傑出している。正真正銘、現代の偉人である。研究者・教育者・経営者としての能力がどれも際立った人であり、郷土愛に溢れたおおらかで高潔な人格者である。

大村先生の著書の一つ「自然が答えを持っている」を(たまたま)読んだ。「『夢を持って生きること』これ以上に人生で大切なことはありません」と締めくくられている。

(恥ずかしながら)私はノーベル賞の受賞までは大村先生の名前を知らなかった。その業績や人柄も受賞後新聞やTVなどの一過性の報道に接したにすぎない。大村先生の他の著書や関連の本を千葉市中央図書館からもう3冊借り、WEBも検索してみた。

以下、大村先生の著書「自然が答えを持っている」の冒頭に収録され、受賞理由の「線虫感染症の新しい治療法の発見」の中身である失明に至る恐怖の感染症・難病「オンコセルカ症(河川盲目症)」を駆逐・撲滅する医薬品「エバーメクチン(→イベルメクチン)の発見・開発の部分を(長くなるが)抜粋し引用する。これはノーベル賞受賞講演の一部である。

(引用開始)《・・・1970年代初め、米国化学会長を務め、メルク(社)の元研究所長である(留学先の)ウエスレーヤン大学のマックス・ティシュラー教授が私をメルクに紹介してくれた。国をまたがってメルクと共同研究するきっかけになった。世界的に見ても、大きな産学共同研究の先駆けといえる。

そのなかで、(共同受賞者の)ウィリアム・キャンベル氏とともに発見したエバーメクチンはもっともユニークで重要だ。まったく新しいタイプの寄生虫の防除剤で、体の内外の病原体を殺す能力がある。メルクはエバーメクチンをもとに、より安全で効果的な化合物イベルメクチンを作った。

(中略)・・・世界中で微生物探索がなされたにもかかわらず、日本の土壌(*2)で見つかったこの一つの微生物のみがイベルメクチンの商業生産のもとになっている。(*2)静岡県伊東市「川奈ホテルゴルフコース 富士コース 白い灯台へ向かって打つあの逆風・難関の11番ホールのフェアウェイの横辺りらしいが・・・(馬場)。

1981年にイベルメクチンを含む物質が動物薬となり、やがて人間の治療薬としても効果があることがわかった。イベルメクチンは熱帯地域の人々を何世紀にもわたって苦しめてきたオンコセルカ症(河川盲目症)に対処できる、理想的な薬だと判明した。この病気は皮膚の病気や失明を起こし、患者は時に死に至る。社会経済的な発展を妨げてきた。

1980年代後半、アフリカや南米の貧しい人々は、イベルメクチンが登場するまでこの病気に対してなすすべがなかった。世界保健機関(WHO)などはアフリカで大規模な臨床試験を実施した。体重1キログラムあたり200マイクロ(マイクロは100万分の1)グラムのイベルメクチンを1回投与するだけで、1ヶ月後には目や皮膚から(病原体である)線虫の幼虫が消えた。

イベルメクチンが人間の治療薬として承認されると、メルクはすぐにアフリカ、南米などでオンコセルカ症治療のために無償供与を始めた。貧しく本当にこの薬を必要とする人々に、薬が行き渡るようになった》。

神風が吹いたように奇跡的な効果をもたらした。しかも、無償供与の英断である。難病オンコセルカ症(河川盲目症)が急速に駆逐・撲滅されていく。・・・引用を続ける。

《 私は2004年にアフリカに行き、イベルメクチンのインパクトを目の当たりにした。オンコセルカ症によって失明した多くの人々が、イベルメクチンを服用した。これによって感染が広がらなくなり、1987年以来、約3,700万人の子どもがこの病気の脅威から逃れることができた。

2000年には蚊が媒介する血球系フィラリア症に対しても、イベルメクチンの無償供与が始まった。この病気の感染のリスクにさらされている人は世界人口の約20パーセントにあたる13億人もおり、約1億2,000万人がすでに感染していたが、無償供与を機に劇的に減少した。無償供与によって、イベルメクチンの投与を受けた人はこれまでに計2億2,700万人に達する。

イベルメクチンは他にも様々な「顧みられぬ熱帯病」に大きな効果があることがわかってきた。ブラジルの研究機関と共同で調べており、よい結果がいくつか得られている。イベルメクチンが地球からの素晴らしい贈り物であることは疑う余地がない。2001年には遺伝子解析を実施しこの微生物のゲノムの99.5%を、2003年には全ゲノムの解読を完了した。・・・》。(引用終わり)。

ところで、大村先生に関する本に「大村智 2億人を病魔から守った化学者」(馬場錬成・中央公論社・293ページ・2,100円)という本がある。「実録伝記」ともいうべき出色の本だ。強くお薦めする。重要なことは、この本が2012年の出版であり、ノーベル賞の受賞(2015年)の後追い(!)で書かれた本ではないということである。目次を紹介する。

《プロローグ 第1章自然と親しんだ小学生時代 第2章スポーツに明け暮れた青春時代 第3章高校教師から研究者に転進 第4章北里研究所に入所して鍛えられる 第5章アメリカの大学での研究生活 第6章企業から研究費を導入して研究室を運営 第7章エバーメクチンの発見 第8章大村研究室の独立採算制、 

第9章研究経営に取り組む 第10章活発な研究活動と外国での評価 第11章北里研究所メディカルセンター病院の建設 第12章北里研究所とコッホ研究所 第13章科学と芸術の共通性から女子美術大学の理事長へ 第14章人材育成で社会貢献する大村研究室の活動 あとがき》

著者、馬場錬成氏の経歴を記す。《1940年 東京都生まれ。東京理科大学理学部卒業後、読売新聞社入社、編集局社会部、科学部、解説部を経て1994年から論説委員(科学技術政策、産業技術、知的財産権、研究・開発間題などを担当)。2000年11月読売新聞社退職後、東京理科大学知財専門職大学院(MIP)教授。早稲田大学客員教授。特定非営利活動法人・21世紀構想研究会理事長、科学技術振興機構(JST)中国総合研究交流センター・上席フェローなどを歴任。著書等多数》。

著者は「あとがき」の末尾に「最後に我が人生の晩節期に、大村先生のような優れた人との出会いを示唆した荒木寿光さん(元特許庁長官)と大村先生との邂逅の恵みを運んでくれた天に感謝の意を表したい」と書く。

「天に感謝の意を・・」とはずいぶん大げさな感じがするが、先生はそれに値する人である。著者の馬場練成という人は同姓だが私の家とは無関係、会ったことはないけれども、親近感を覚える。

大村先生の業績の詳細な紹介は省略するが、北里研究所へ特許料250億円を還流、教育・研究・経営分野での八面六臂の大活躍、山梨県韮崎市に「韮崎大村美術館(2007)」や「武田乃郷 白山温泉(2005)」を建設し10年前から郷土愛の「ふるさと創生」を自ら実践。

請われて女子美術大学理事長に就き延べ14年間その改革に邁進、さらに、絵画350枚を常時展示する美術館のような「(現)北里大学メディカルセンター(KMC)1989」を建設するなど多岐にわたる。前掲書などを読まれ確かめていただきたい。

大村先生は科学者と芸術家の共通性を語る。すなわち「(ともに)創造性がなければだめだ。オリジナリティがなければ価値がない」と。また「直観とひらめき」だと。科学者は直観とひらめきによって仮説を設定し、実験や計算によって実証していく。芸術家は対象物を前に心の中に湧き上がる美意識を直観とひらめきによって表現すべく・・・具現化していく」と。

最後の私的な感想であるが、大村先生のノーベル賞受賞はずいぶん遅すぎた。スウェーデンのカロリンスカ研究所の目は節穴だったのか。20年前に受章してもよかったと思う。

大村先生には今後ともご健康に注意されさらなるご活躍をしていただきたく、また、60歳で旅立たれたという奥様(文子様)のご冥福を心よりお祈り申しあげる。(2017/4/20 千葉市在住)


         
━━━━━━━━━━━━━
日米会談、謎の35分は霧の中
━━━━━━━━━━━━━


        杉浦正章

北への軍事圧力強化では一致
 
安倍・ペンス会談を一言で形容すれば、中国の北朝鮮への働きかけを当分
見守るというところにあるのだろう。従って米国が当面軍事行動に出るこ
とはまずあり得ない。会談からは、軍事行動が迫っているような雰囲気は
感じ取れなかった。

しかし、禁止用語を避ければ「クレージーマンに刃物」を持たせたような
金正恩が、突如核実験に踏み切れば事態は軍事衝突へと一変する。米国務
省高官は「金正恩政権の転覆は求めない」とまで言い切っているが、これ
も筆者が前回指摘したとおり中国との「密約」の急所だ。

これがなければ中国は金正恩を説得する手段がない。したがって米空母打
撃群は、北と中国をにらんだ脅迫材料として朝鮮半島周辺に存在し続ける
だろう。

会談での注目点は、首相・安倍晋三が「米国が全ての選択肢がテーブルの
上にあるという考え方で対処しようとしていることを評価する」と軍事行
動への支持を正式に表明したことだろう。

ペンスにしてみれば安倍発言は願ってもない支持表明であり、日米の一致
した軍事行動も辞さない構えは、北への抑制効果を一段と増幅されること
になる。ペンスは「戦略的忍耐の政策は終わった」と、優柔不断のオバマ
の政策からの決別を明言した。

また「国際社会が団結して北に圧力をかければ、朝鮮半島の非核化達成の
好機が生まれる」と日米韓の中国との結束の必要を強調した。両者の口ぶ
りからは、北への圧力をひたすら強化しなければならない現状が分かる。
この方向を公表しなければ、ペンスの同盟国歴訪の意味がないからだ。

しかし、ソウルが甚大な被害を受けかねない韓国が、ペンスに軍事行動へ
の慎重論を説いたといわれるように、北の攻撃にさらされる恐れがある日
本も、むやみやたらに主戦論に傾いているわけではあるまい。

北のミサイルにはまだ原爆は搭載されていないが、サリンなど化学兵器を
イタチの最後っ屁のように一発でも撃ち込まれてはたまらない。従って会
談では公表以外のきわどいやりとりがあった可能性がある。

会談は1時間の昼食が終了した後、人数を絞って35分間行われている。そ
こでの話し合いは、機密事項であり推測するしかないが、あえて推測すれ
ば、まず中国がどこまで本気で北朝鮮を説得するかが話し合われたのでは
ないか。米中両国はこのところ頻繁な接触を繰り返しており、ペンスは米
国の感触を伝えたはずだ。

また公表されていないが、米国が攻撃に踏み切る場合の日本との事前協議
についても話し合われた可能性がある。安倍は15日の参議院予算委で、朝
鮮半島有事の際について「米国海兵隊は日本から出て行くが、事前協議の
対象になるため、日本が了解しなければ韓国を救援するために出動できな
い」と述べている。

既に日本政府は米政府に対し、北朝鮮への軍事行動に踏み切る場合には事
前協議を行うよう求めているといわれる。こうした方向を安倍がペンスに
も再確認することはあり得るだろう。

政府高官は「北が核実験を行った場合の対応については、今日のやりとり
はなかった」と述べているが、既にトランプは「核実験=軍事行動」を明
確にしており、ここの“急所”が話し合われなかっただろうか。米側から何
らかの見通しの説明があってもおかしくはあるまい。

こうした中で、北朝鮮の“口撃”は佳境に達している。日朝国交正常化担当
大使宋日昊は「我々はアメリカだけでなく日本軍国主義も主たる敵だ。戦
争になったら一番の被害を被るのは日本だ」と毒づいている。

既に北は3月に、金正恩が在日米軍基地を攻撃する任務を負った部隊によ
る4発のミサイル発射実験を指揮しており、露骨な嫌がらせを展開している。

日米の離反を目指す戦略が見え見えだが、こうした言動が繰り返されるた
びに、眠っていた日本国民の国防意識を目覚めさせていることが分かって
いない。日本の極端な右傾化が、朝鮮半島にとっては、米国より怖いこと
は歴史が証明している。

これを知らない金正恩の挑発と火遊びはいいかげんにしないと、火の粉は
自分に降りかかることを肝に銘ずるべきだ。いずれにしても、すべては中
国の対北外交の成り行き待ちだが、金体制を崩壊させないことを前提条件
としていることは、金正恩をいよいよつけあがらせるだけとも言える。中
国が原油ストップなどよほどの強硬策をとらない限り、水面下での中朝交
渉はラクダを針の糸に通すくらい困難であろう。



   
━━━━━━━━━━━━━━
北朝鮮攻撃は遠のいたのでは?
━━━━━━━━━━━━━━
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成29年(2017)4月19日(水曜日)
        通算第5269号   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 4月27日(新月)の北朝鮮攻撃は遠のいたのでは?
  米国の「レッドライン」は、いまだ具体策が意味不明
*********************************
 「北朝鮮がレッドラインを越えたら、米国は単独でも行動する」とトラ
ンプ大統領は習近平にも直接言った。中国が北の暴走を押さえ込めると推
測したわけだが、中国の軍を掌握していない習に、そんな力はない。

日本の新聞はさかんに習近平が権力態勢を磐石としていると分析している
が、北京情報筋からの分析はまるで逆である。

軍の抗議集会が北京のど真ん中に展開されるという前代未聞の事態が出来
している。

米国の言う「レッドライン」とは具体的に何を意味するのか。

メディアは「北が核実験をしたとき」「北がICBMの発射事件をおこな
えば」と報じているが、トランプ政権は「あらゆる選択肢が卓上にある」
と曖昧に表現するだけで、この中味は巡航ミサイル数百発発射して核兵器
施設、ミサイル発射基地、軍事施設の全てを攻撃するという壮大なシナリ
オから、金正恩の「斬首作戦」にとどめおき、北の新体制と核凍結の交渉
をするアイディア、対シリアのように象徴的に打撃を与えるプランまでが
飛び交っている。

巷間囁かれてきたのは4月27日が「新月」となるため、この日に米軍の軍
事作戦が行われるだろうという推測だった。

新月は言うまでもなく太陽と月が一線となるため、夜中に月明かりがない
日である。

タイミングから言えば4月25日に北が建軍記念日を迎えるため、祝賀ムー
ドに湧く北朝鮮は核実験をおこなう可能性が高いからだ。

それがレッドラインを越えたと判断し、ミサイル攻撃、あるいは特殊部隊
の上陸作戦があると言われた。

アルカィーダの首魁だったオサマ・ビン・ラディンがパキスタンに潜伏中
の隠れ家を襲ったのも、新月だった。

トランプ大統領としては、振り上げた拳を降ろさなければならない。低迷
気味の人気回復にはもってこいの作戦ともなる。

急浮上している作戦アイディアは、金日成、正日親子の巨大な銅像を破壊
するという象徴的襲撃作戦だ。

これは複合的効果を産む。つまり独裁者二人の銅像を破壊すると、民衆は
体制崩壊と誤認し、反政府暴動に発展する可能性がある。

また軍高層部、警察、秘密警察がいかなる反応をするか、つまり権力機構
の通信、命令系統がどのようは反応をするかを見て取れるわけで、同時に
通信設備や発電所の破壊も行われるだろう。

北朝鮮の軍や警察が相互の通信がとれなくなれば、有効な反応が出来ない
ばかりか、防衛体制が機能せず、無秩序状態に陥るだろう。


▼しかし、攻撃は遠のいたのではないか
 
シンガポールを出航した米海軍カールビンソン空母攻撃群は、朝鮮半島近
海にはほど遠く、まだインドネシア沖を航行中であることが分かった。

1つには追尾している中国とロシア艦船に対しての陽動。いま1つは南シ
ナ海を北上していないので、東シナ海へやってくるにはまだ時間がかかる。

だが、もう一つ顕著な理由がある。軍を動かすトランプ大統領に進言する
べきマティス国防長官は、いまサウジアラビアにいる。

ペンス副大統領は日本にあって、19日には空母ロナルドレーガン艦上で演
説する。

マクマスター安全保障担当大統領補佐官はインドにいる。

最終決定をする3人がワシントンに不在とあって軍事行動を決定する態勢
にはない。
       
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ■■■■■■■■ 渡部昇一氏を悼む 宮崎正弘 ■■■■■■■■
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ▼■●
渡部昇一氏を悼む
■■■■■■■■

渡部昇一氏が4月17日に亡くなった。振り返れば、氏との初対面は4半世
紀以上前、竹村健一氏のラジオ番組の控え室だった。文化放送で「竹村健
一『世相を斬る』ハロー」とかいう30分番組があって、竹村さんは1ヶ月
分まとめて収録するので、スタジオには30分ごとに4人のゲストが待機す
るシステム、いかにも超多忙、「電波怪獣」といわれた竹村さんらしい遣
り方だった。

ある日、久しぶりに呼ばれて行くと、控え室で渡部氏と会った。何を喋っ
たか記憶はないが、英語の原書を読んでいた。

僅か10分とかの待機時間を、原書と向き合って過ごす人は、この人の他に
村松剛氏しか知らない。学問への取り組みが違うのである。

そういえば、氏のメインは英語学で、『諸君!』誌上で英語教育論争を展
開されていた頃だったか。

その後、いろいろな場所でお目にかかり、世間話をしたが、つねに鋭角的
な問題意識を携え、話題の広がりは世界的であり、歴史的であり現代から
中世に、あるいは古代に遡及する、その話術はしかも山形弁訛りなので愛
嬌を感じたものだった。

近年は桜チャンネルの渡部昇一コーナー「大道無門」という番組があっ
て、数回ゲスト出演したが、これも一日で2回分を収録する。休憩時に、
氏はネクタイを交換した。意外に、そういうことにも気を遣う人だった。

石平氏との結婚披露宴では、主賓挨拶、ゲストの祝辞の後、歌合戦に移る
や、渡部さんは自ら登壇すると言いだし、ドイツ語の歌を(きっとお祝い
の歌だったのだろう)を朗々と歌われた。

芸達者という側面を知った。情の深い人だった。

政治にも深い興味を抱かれて、稲田朋美さんを叱咤激励する「ともみ会」
の会長を務められ、ここでも毎年1回お目にかかった。稲田代議士がまだ
一年生議員のときからの会合で年々、参加人員が増えたことを喜んでいた。
最後にお目にかかったのは、ことしの山本七平授賞式のパーティだった
が、氏は審査委員長で、無理をおして車椅子での出席だった。「おや、具
体でも悪いのですか」と、愚かな質問を発してしまった。

訃報に接して、じつは最も印象的に思い出した氏との会話は、三島由紀夫
に関してなのである。

三島事件のとき、渡部さんはドイツ滞在中だった。驚天動地の驚きととも
に、三島さんがじつに偉大な日本人であったことを自覚した瞬間でもあっ
た、と語り出したのだった。渡部さんが三島に関しての文章を書かれたの
を見たことがなかったので、意外な感想に、ちょっと驚いた記憶がふっと
蘇った。三島論に夢中となって、「憂国忌」への登壇を依頼することを忘
れていた。  合掌。
        
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@

【知道中国 1558回】
―「湖南省を目して小日本・・・自ら稱して小日本人といふ」――(安井3)
    安井正太郎『湖南』(博文館 明治38年)

               ▽

 『湖南』の出版から6年を遡った明治32(1899)年、白岩は「湖南人はそ
の性質に於て真摯質実、我古武士の風あり。其排外は攘夷の思想に他なら
ず。故に一朝自覚する所あれば豹変して熱心なる改革論者たらんことは、
甲午役(日清戦争)後の情勢に徴し識者の早く已に認識する所なり。

況んや近時人材の輩出、未だ湖南省の如きはあらず。必ずや流風余韻の子
弟青年に依りて紹述せらるるものあらん。見来たれば湖南将来の希望、転
た多大なるを覚ゆ」と記している。

以上は、白岩の事績を研究した中村義が『白岩龍平日記 アジア主義実業
家の生涯』(研文出版 1999年)に引用している。白岩が、いつ、どこに
発表した記述なのかを注記されていないが、やはり『湖南』の主張と大差
がないところに注目しておきたい。

  中村は、白岩の湖南論は「すぐれて予見的であった」と評価した後、
次のような解説を加えた。興味深い指摘だと思うので引用しておく。

 「19世紀末から20世紀30年代にかけての中国近代史を俯瞰すると、湖南
省の歴史的軌跡が太く貫いていることに気付く。それは人脈と湖南気質で
ある。人脈とは太平天国に対決した曽国藩と湘軍の登場、そして左宗棠、
改革をめざした変法運動の先頭をきった譚嗣同や唐才常、つづいて辛亥革
命期に中国同盟会の主力をになった黄興、宋教仁はじめとする俊傑、そし
て中国革命をリードした毛沢東、劉少奇等の共産党指導者らの故郷であっ
た。近代中国を通じて、第一級のジャーナリスト梁啓超は『湖南は天下に
あって人材の淵藪なり』とし、日本の幕末明治維新の薩摩、長州になぞら
えている」

たしかに黄興と近かったのは宮崎滔天であり、宋教仁は北一輝にとっては
血盟の友だった。不確かながら、北は黄興を西郷隆盛に擬えていたように
記憶する。また大正6(1917)年2月から5月にかけて湖南省を訪れた宮
崎滔天は、4月に湖南省立第一師範学校で学友会が主催したと伝えられる
講演会に望んでいるが、宮崎を招請したのは毛沢東だった。こう見てくる
と、湖南人と日本人は俗にいうウマが合ったということだろうか。

 『湖南』は湖南人を「極端より極端に趨るも亦彼らの性情然るに由る
か」と記すが、譚嗣同、宋教仁、毛沢東と並べてみれば、たしかに彼らの
人生は「極端より極端に趨」っている。かりに1949年10月1日に天安門の
楼上に立ったのが湖南人の毛沢東でなかったら、あるいは毛沢東を指導者
に選ばなかったら、その後の歴史は変わっていただろうか。だが歴史は、
「極端より極端に趨」は湖南人だけではなかったことを教えてくれる。

毛沢東が敷いた対外閉鎖路線を決然と擲って、1978年末に対外開放へと国
の基本を180度転換させた?小平もまた「極端より極端に趨」った。考え
てみれば、あれだけの、しかも身勝手で扱い難い人々の群である。

マアマアとか、皆さんのゴ意見を伺ってなどと言っていたのでは何も出来
はしないだろう。儒教道徳が讃える中庸なんぞを求めて居たら、喧々諤々
で纏まるものも纏まらない。であればこそ、一気呵成にエイヤッと「極端
より極端に趨」らないかぎり、なにもできないのではなかろうか。

 1949年の建国以来を振り返ってみても、50年代半ばの双百運動から始ま
り、反右派運動から大躍進、さらには社会主義教育運動を経て文化大革命
へ。劉少奇が抹殺され、林彪が憤死し、四人組が粉砕され、毛沢東が後継
と定めたと伝えられる華国鋒ですら権力の座から簡単に排除されてしまっ
た。かくして登場した?小平は「毛沢東を掲げて毛沢東を否定し」、遮二
無二に対外開放へ。外資が流れ込むと、昨日まで金科玉条と崇め奉ってい
た毛沢東をいとも簡単にボロ雑巾のように捨て去り、国を挙げての拝金思
想の道をまっしぐら。

 「極端より極端に趨るも亦彼らの性情然るに由る」・・・豈湖南人のみ
ならんや。《QED》
      
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)新聞報道によれば中国の経済成長は6・7%と出ました。
日頃から貴誌ならびに宮崎正弘先生の著作を読んでいるので、この数字は
いかがわしいと思いますが、どうして成長しているのか不思議です。
  (LI子、横浜)



  ♪
(読者の声2)前号にもちょっと触れましたが、典型例が中国太平洋建設
集団でしょう。地方政府のプロジェクトを請け負って、代金が不払い。地
方政府は債務保証をしていないで、できた建物はゴーストタウン。
 つまり、事実上倒産している国有企業、地方政府。これらに無理矢理資
金をぶち込んできたのが国有銀行。

この構図が、資金の回転で回っているだけで、債務を膨らませている。中
国の債務は3300兆円です。

なぜ回転しているか。まだ海外からの直接投資が年間1200億ドル前後あ
り、つぎに輸出が存続しており、ドルが入ってくる。その分をすべて国内
投資として人民元の発行を増やし、無茶苦茶は破滅的状況を誤魔化してい
る。これって、東芝の粉飾会計を国家ぐるみでやっているようなもので
す。詳しくは拙著新刊の

『米国混迷の隙に覇権を狙う中国は必ず潰される』(徳間書店。1080円)
https://www.amazon.co.jp/dp/4198643660/
 をご参照いただければ幸いです。



   ♪
(読者の声3)主権回復国民集会のお知らせです。ことしは21回目になり
ます。ふるってご参加下さい。入場無料。
            記
とき    4月28日(金)18時00分〜20時30分
ところ   星陵会館ホール(千代田区永田町2-16-2) TEL 03-3581-5650
 http://www.seiryokai.org/kaikan/map.html
代表発起人 故・井尻千男、入江隆則、小堀桂一郎
(登壇者。順不同。敬称略)
入江隆則(明治大学名誉教授)
小堀桂一郎(東京大学名誉教授)
山谷えり子(参議院議員)
中山恭子(参議院議員)
赤池誠章(参議院議員)
長尾たかし(衆議院議員)
西岡 力(「救う会」全国協議会会長・麗澤大学客員教授・モラロジー研
究所室長)
飯塚繁雄(「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」代表)
増元照明(「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」元事務局長)
一色正春(元海上保安官)
 宮崎正弘(作家・評論家)
 我那覇真子(「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運
営委員)
 葛城奈海(予備3等陸曹・「やおよろずの森」代表・「防人と歩む会」
会長)
 山本優美子(「なでしこアクション」代表)
 三浦小太郎(評論家)
 鍜冶俊樹(軍事ジャーナリスト・「頑張れ日本!全国行動委員会」幹事)
 永山英樹(「台湾研究フォーラム」会長・「頑張れ日本!全国行動委員
会」幹事)
 三輪和雄(「日本世論の会」会長・「正論の会」代表)
 水島 総(「日本文化チャンネル桜」代表・「頑張れ日本!全国行動委
員会」幹事長)
   ほか多数
主催 「主権回復記念日国民集会実行委員会」
 (事務局)日本文化チャンネル桜 TEL 03-6419-3900



  ♪
(読者の声4)5月の「正論を聞く集い」のお知らせです。この会はどな
たでも、予約なく御参加いただけます
記録
日時   5月25日(木)18時 開場 18時30分 開会
会場   サンケイプラザ・3F
 最寄駅:大手町駅(*産経新聞本社のビルです)
講師   杉田水脈(前衆議院議員)
演題   「歴史戦に我が国はどう臨むか」
会費   1,500円(学生1,000円)
主催   正論の会(代表 三輪和雄)
 お問い合せ:03-3407-0637



━━━━━━━
話 の 耳 袋
━━━━━━━


 ◎大阪の芸人が驚きの転身、名物職員奮闘記


こちらの女性、大阪でとてもきらびやかな世界にいましたが、去年、ある
地方都市の役場に移り、今やすっかり名物職員になりました。30歳を過ぎ
て周囲も驚く転身を決意した女性の奮闘を追いました。

 市議会議員の前で司会をする女性。鹿児島県鹿屋市の職員・半田あかり
さん(32)です。半田さんに促され、鹿屋名物「カンパチダンス」を踊り
出す議員や職員。自然と笑みがこぼれます。

 半田さんの担務は「まちのPR」。仕事は多岐に渡ります。テレビ出演
のほか、ナレーション録りにイベントの司会。自ら京都のラジオ局に名産
品を売り込むこともあります。

「日本で一番早くバラが咲くんですよ、鹿屋は。バラの焼酎があるんで
す。それを今回おすすめしようかなと」(半田あかりさん)

 1人で何役もこなす半田さん。実は、市の職員である一方で、松竹芸能
所属の芸人でもあります。もともと大阪でテレビ出演もしていた半田さ
ん。「街の魅力を発信できる人材が欲しい」と鹿屋市からオファーを受け
たものの、3か月悩みました。収入が減る上、全く知らない地方の町で働
くことになるからです。芸人仲間からも冗談交じりにこんなことを・・・

「松竹で先輩たちが『半田が島流しにあった』とか言って変なうわさが」
(半田あかりさん)

 一方で、半田さんは芸人としての仕事に行き詰まりも感じていました。
そこに当時の副市長から熱い説得を受け、鹿屋市への派遣を決めたので
す。見知らぬ土地での慣れない仕事、始めたころは大変でした。

 「パソコンが使えなくて、ずっとテレビとかラジオの仕事をさせても
らっていたので、ちょっとざわつきましたよね、ここらへんが」(半田あ
かりさん)

大阪の芸人の世界と地方都市のお役所の世界。人間関係にも最初は壁があ
りました。そこで半田さんは、強がらず、自分の弱みをさらけ出すことを
心がけたといいます。移住から1年、職員との距離も随分縮まりました。

 「田舎者って何かこう・・・閉じるところがあるんですけれども、すご
くうまく入り込んでくるというか、さすがだなと」

 競争の激しい芸人の世界で培った「自分で考え、行動する力」は、市の
職員に刺激を与えました。その最たる例が・・・「イベントの司会をしな
がら地元名産のカンパチを解体できれば“売り”になる」、市の職員にはな
いアイデアでした。漁協の職員に教えを請い、自前の包丁で早朝特訓を繰
り返したそうです。

 「けがをしないレベルになるというのは難しい」(半田あかりさん)

半田さんの働き方は思わぬ効果も。

 「やらされ仕事だ、いやだなあという気持ちにどうしてもなりがちだと
思う。彼女のがむしゃらな努力を見て、市役所の職員が自分たちも頑張ら
なきゃという気持ちにすごくなっているので、会社(役所)全体の働き方
がちょっと変わってきているかなと」(半田さんにオファーした 鹿屋市
福井逸人前副市長)

都会からいったん離れ、見知らぬ地方でキャリアを積む、半田さんにとっ
ても得るものは大きかったといいます。

「普通じゃ経験できないことを言い切れないくらい山ほど経験できて、給
料は下がったけれども“プライスレス”がすごく大きすぎたというのが率直
な感想」(半田あかりさん)
TBS系(JNN) 4/19(水) 0:45配信



━━━━━━━━
読 者 の 声       
━━━━━━━━



 1)アメリカとの貿易を考えると:前田正晶

18日に専門商社の知人SY氏と懇談した。彼はカリフォルニア州とオースト
ラリアに駐在の経験がある長年輸出入を担当してきた専門家である。目下
ペンス副大統領が来日中で麻生副総理と日米間の経済についての会談が行
われているようだ。

彼も私と同意見で「アメリカは基本的に考えて輸出国ではないにも拘わら
ず、何が故に我が国との貿易不均衡をここまで問題にするのか」と主張した。

これは私が繰り返し述べてきた「アメリカ政府はむざむざと自国の産業の
空洞化を許した為に非耐久消費財等では中国からの輸入にあれほど依存す
る態勢となり、自動車等の高度工業製品等では我が国やドイツを主体とす
る輸入に市場をあそこまで制覇させてしまったことを忘れて、他国のせい
にするのは全く筋が通っていない」と同じ意見である。我々は我が国がト
ランプ様に譲歩する必要も根拠もないという点でも意見が一致した。

私はこういう対アメリカ政府との交渉ごとや駆け引きを離れて、具体的
に、経験上からアメリカから我が国に向けて輸出することの困難な点を挙
げていこうと思う。

基本的なことは「アメリカ経済はロッキー山脈を境にして別の経済圏を為
している。西海岸は全体の30%であり、その東側即ち東海岸が70%である
ことを忘れてはならない」という事実だ。

そのロッキー山脈がある為に、そこを超えて東西海岸間で製品でも何でも
移動させことには高額な輸送費がかかるので、賢明な策ではないのだ。

また、西海岸の最北端のワシントン州からカリフォルニア州の南端までに
はこれという産業がなく、非耐久消費財でも何でも輸入かコストをかける
東側からの輸送に依存せざるを得ない状態にある。

では西海岸からの輸出品に何があるかと言えば、往年は林産物、紙パルプ
製品、農産物(アイダホ州からのフライドポテト類も含め)が主た
る製品で、1次産品に依存していた。

では、内陸というか東海岸からの輸出入はどうかと言えば、政治家もマス
コミもあまり具体的に指摘してこなかった問題があった。それは内陸から
ロッキー山脈を避けて何も我が国向けだではなく輸出をする為には、製品
を東海岸のニューヨーク港や南部のジョージア州のサヴァナ港まで貨車や
トランク輸送をせねばならないという問題があった。

また、より西海岸に近い州からは貨車輸送で長い時間をかけて南部のガル
フの港に運ぶか、カリフォルニア州の港まで輸送せねばならなかった。こ
れ即ちコスト面での不利となる。

「それならばそうすれば良いではないか」という議論が出てくるだろう。
だが、事はそう簡単にはいかないのだ。それは、輸出をする為には製品を
積み込むコンテイナー(私はカタカナ語の「コンテナ」は採らない)が必
要になる。

例えば、クリントン元大統領のアーカンソー州からの輸出を考えてみよ
う。そこまで西海岸の港などから何か他国からの輸入品があって大量の箱
が入ってくれば良いのだが、そうは話が旨く進むことは稀で、大量の空の
箱を運賃をかけて運び込まねばならなくなってしまうのだ。

これは非常に不経済な輸送手段だが、それ以外に方法がなく国際市場にお
けるなコスト競争力を失う事態となる。言葉を換えれば、あまり合理的な
対策とは言えないのだ。しかも、貨車輸送に要する日数も納期に大きな悪
影響を及ぼし、しかも内陸輸送の分だけコストも増えてますます競争力を
削ぐ結果となる。

食料品などにとっては長期間コンテイナーの中に閉じ込めておくのは得策
ではないのは当然だ。

しかも、コンテイナー内部の清潔さと衛生状態も、我が国のような清潔と
安全性を重視する国向けの輸出では大いに問題となる。受け取り拒否さえ
あり得るのだ。

ここでは詳細を述べることは避けるが、私箱のコンテイナーの衛生状態
(清潔さ)と前荷の管理の問題では、それこそ夜も眠れないほどの大事件
を経験してきた。我が国の需要家や最終消費者の神経の過敏なことは、経
験してみなければ知り得ない難しさがある。粗雑な感覚での対応は許され
ないのだ。それを知らずして、ただ単に「買え」と喚くのは筋が通らない。

ここまでに掲げた通りというか、非経済的な条件を知る東部の産業界が、
対日輸出に積極的に取り組んでいなかったのだったらどうする。ここに対
日輸出不振の1つの原因があると言える。現に、私の得た印象では東海岸
の産業界の顔は大西洋を隔てた欧州に向かっていた。しかも、そちらに指
向する方が色々な意味で合理的ではないのか。

アメリカの輸出が不振だった理由の1つである「自国の規格と製造基準を
押しつけること」等々をここに今更論う必要はあるまい。私が指摘しかっ
たことは「アメリカの対日輸出不振の原因と言うべきか、それ阻む目に見
えない輸送問題もあること」をトランプ大統領以下の政府要人が何処まで
意識か認識出来ているのかが問題だという点だ。

よりハッキリ言えば、ロッキー山脈のようなどうにもならない自然の条件
をどうやって克服して、輸出するかであって、自動車のように自国の至ら
ざる為に入超となっていることを非難するのは如何なものかということだ。

私はそれほど間違ったことを言っているとは思っていないのだが。




━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━


20日の東京湾岸は、朝から快晴、爽快。


















                      読 者:5531人

◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら
→ http://melma.com/contents/taikai/



◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら
→ http://melma.com/contents/taikai/




-- 渡部 亮次郎 <ryochan@polk

-- 
渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。