政治・経済

頂門の一針

急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

全て表示する >

頂門の一針4265号  2017・2・11

2017/02/11

l□■■□───────────────────────□■■□
わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」4263号
□■■□━━━────────────────────□■■□



>  (平成29)2017年2月11日(土)建国記念の日



            首脳会談の“陰の主役”は中国:杉浦正章

      「措置入院」精神病棟の日々(2):“シーチン”修一

            インフルエンザの常識・非常識:石岡荘十

                        話 の 福 袋
                           読 者 の 声
                           身 辺 雑 記      
>
>
>
>
>                               発行周期 不定期(原則毎日発行)
>              
>                御意見・御感想は:
>                   ryochan@polka.plala.or.jp
         購読(無料)申し込み御希望の方は
>                     下記のホームページで手続きして下さい。
>   
>        http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241     ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/



━━━━━━━━━━━━━━
首脳会談の“陰の主役”は中国
━━━━━━━━━━━━━━


         杉浦 正章


日米同盟は対中抑止力強化で一致 

南シナ海のさらなる侵略は米中激突を生む
  
10日の日米首脳会談の“陰の主役”はどう見ても中国だ。トランプ側近らの 対中強硬発言はただ事ではない。対中戦争を公然と口にしてはばからない。

来日した国防長官ジェームス・マティスは“狂犬”と呼ばれる紳士だが、ホ ワイトハウス側は“極右の火炎放射器”スティーブン・バノンを始め“対中 主戦論者”が占めている。

トランプは今のところその主戦論に乗っているかに見える。対ソ冷戦にお ける“極東の番犬”と日本を位置づけ岸信介を安保改定に駆り立てたのはア イゼンハワーだが、同じドイツ系移民の子孫トランプも首相・安倍晋三を けしかけ、日米同盟を対中牽制色の強いものとするだろう。

その思惑にどこまで安倍が乗るかだが、中国と北朝鮮を意識した場合、懸 念の共有は当然であり、東・南シナ海をにらんだ対中抑止力の強化での一 致は確定的であろう。

誤解を避けるためにマティスの日米安保に関する姿勢を分析すれば、きわ めて落ち着いたものだ。記者会見で「外交官による解決がベストであり、 今のところ劇的な軍事行動をとる予定はない」と対中戦には否定的だ。

しかし「中国は南シナ海で、この地域の国々の信頼を引き裂いた」と批 判、オバマの「航行の自由作戦」を引き継ぐ考えを強調した。また北朝鮮 に関しては「アメリカと同盟国に対するあらゆる攻撃は撃退され、あらゆ る核兵器の使用も圧倒的な攻撃に遭う」と、強い牽制色を打ち出している。

威勢がよいのはホワイトハウス側だ。まずバノンは「米国が5年から10年 の間に南シナ海で戦争をすることになると思わないか」と発言した。5年 から10年とは遠い先のことで、トランプ政権がまだ続いているかどうかは 分からない。

しかし、南シナ海での戦争に直接言及した大統領側近は初めてであり、い かにもダイナミックな構想を抱いているかのようである。中国がパラセル 諸島、スプラトリー諸島にに続いて最後のとりでとして狙っているフィリ ピン沖のスカボロー礁の軍事基地化に乗り出せば、トランプは黙っていな いだろう。

バノンと双璧をなすのが反中国のばりばりで大統領補佐官のピーター・ナ バロだ。外交専門誌「フォーリン・ポリシー」で、南シナ海におけるオバ マの無策が中国の進出を許した点を強調「アジアの同盟国を支援するため レーガン政権時代の『力による平和構築』に回帰すべき」と主張している。

さらに目をみはるのは、著書『米中もし戦わば−戦争の地政学』で、「世 界史を概観すると、1500年以降、中国のような新興勢力がアメリカのよう な既存の大国に対峙した15例のうち11例において 戦争が起きている」と 分析、超大国と新興大国の激突は避けられないとの見通しを述べている。

またナバロは「歴史を振り返って分かることは、中国共産党が政権獲得以 来60年以上にわたって武力侵略と暴力行為を繰り返してきたという事実 である」と看破。

チベットやウイグル、中ソ国境紛争、台湾海峡危機、沖縄県・閣諸島をめ ぐる日中の緊張などを紹介した上で、軍事力など「力による平和」で日本 などの同盟国を守る必要を訴えている。トランプと台湾総統蔡英文との電 話会談を実現させ、トランプに「一つの中国」政策の見直しを示唆させた のもナバロであるようだ。怒り心頭に発した中国が厳重抗議したのは言う までもない。

中国側はこれらの発言に関して外務省報道官が「一つの中国の原則は中米 関係の政治的基礎であり、交渉は不可能だ」と発言。英字紙チャイナ・デ イリーは「トランプ氏が一つの中国の見直し発言を繰り返すなら、中国は 本気で立ち向かう」と警告している。

しかし習近平以下首脳らは「唖然(あぜん)」として見守っているかどう かは別として、一切沈黙を守っている。まだ、トランプ独特のディールの 可能性があると見ているようでもある。

トランプが中国がもっともいらだつ問題をあえて取り上げるのは、貿易、 為替などで成果を勝ち取るためのディールであるという判断があるのでは ないか。事実、中国側が怒れば怒るほどディールは成功へと導かれるので あり、商売人トランプの真価はここで発揮されるというわけだ。

米国の貿易赤字の47.3%が中国に対するものであり、日本は8.4%で 5分の1にすぎない。「貿易赤字が二番になった」と日本のマスコミや経済 界が騒いでいるが、トランプの最大のターゲットは中国にあると見ておい た方がよい。

しかし、ディールとだけ軽々に判断することは、読みを間違えるかもしれ ない。トランプの対中包囲網作りは並大抵ではない。就任前後から欧州諸 国首脳やプーチン、蔡英文らとの電話会談などを繰り返しているが、中国 とは何の接触もしない。

これは無言の対中包囲網へと動いていると見ることが可能だ。中国首脳は ひしひしと無言の重圧感を感じているはずだ。そしてトランプは安倍との 会談にその流れを収れんしようとしているのだ。

英国首相のメイ、ヨルダ ン国王のアブドラに次いで3人目の首脳会談だ が、その厚遇ぶりはゴルフ 会談が象徴しているように並大抵ではない。

丸2日の会談は、明らかにメ イを大きく上回る待遇だ。この安倍への大接 近は、確実に対中戦略での安 倍取り込みにある。米戦略は祖父岸を冷戦 で取り込み、孫の安倍を対中戦 略で取り込むというわけだ。

その危険性を左翼や一部マスコミは指摘する が、中国の軍事大国として の膨張路線の方がもっと危険で現実味がある。 日米が親密に結託して初 めて抑制できることは言をまたない。北の核ミサ イルを事実上容認し、 野放しにしている中国の戦略に対抗するためにも日 米同盟強化は不可欠 の流れであろう。



━━━━━━━━━━━━━━━
「措置入院」精神病棟の日々(2)
━━━━━━━━━━━━━━━


      “シーチン”修一

退院後の翌日、久し振りに街の用水路沿いを散歩をしていたらこんな標語 があった。

「責めるより 許す心と 思いやり」

法務省が提唱し、地域の防犯協会が協賛している「社会を明るくする運 動」のスローガンで、うん、その通りだ、と思ったが、よく考えたら基本 的に非行少年の再生を願う主旨で、非行老人、不逞老人向けではなさそうだ。

こんな言葉を家族に向かって言おうものなら、「冗談じゃない、加害者が なにバカを言っているの? 信じられない、全然反省していないんじゃな い?!」とものすごい剣幕で反発されるだろう。当然と言えば当然だ。被 害者である家族の心の傷の大きさを常に心していないと信用は取り戻せない。

「築城8年、落城3日」という言葉がある。信用を築くには長い年月がかか るが、信用を失うのは一瞬だ。年長らえば恥多し、とは言うものの、こん な愚かな晩年になるなんてまったく自分自身は想像もしていなかったが、 家族は「いつかおかしくなるのではないか」と案じていた。「病院へ行っ たら」と勧められたが、かたくなに拒否していた結果が今の自分である。

脳(brain)と心(mind, heart)はどう違うのか、入院中にずっと考えて いたが、脳は人工知能(AI)で言えば基本システム(OS)で、心はその中の 一部の機能とか制御盤のようだ。心で随意筋は動くが、不随意筋は別のソ フトであり、心では動かない。

鉄腕アトムのOSには「人を傷つけたり殺してはいけないが、人間のためと いう大義のためには命を懸けよ」というソフトが組み込まれていたと記憶 しているが、人間の脳には心(精神)と体(肉体)を守るために緊急避難 で「強制シャットダウン」ソフトが組み込まれているようである。

簡単に言えば、本人が強烈な体験という「過電流」で身体を壊さないよう に失神とか記憶喪失で心を閉ざすようになっているようなのだ。ケガとか ショックとかの際に失神とかを起こすのはそのひとつだろう。

よく報道されるのが、犯人や加害者が「やったことは間違いない」という 言葉で、その前後を覚えていないようなのである。これまでは「本当か よ、しらばっくれているのじゃないか」と小生は思っていたが、自分が加 害者になって初めて分かったのは、暴れまくった数秒間(多分5秒とか10 秒)は覚えているが、前後の記憶が完全に欠落していることだ。今でも思 い出せないが、家族によると目が完全に狂気だったという。

後で聞いたところでは、小生は家で転倒して気絶したようで、家族が「自 分で立てれる?」と聞いたところ「ら抜き言葉はよしてくれ」と言ったそ うだ。気が付いたら警察署の保護室に軟禁され、施錠の代わりに屈強な警 官2人に監視されており、「これは留置なのか、それとも保護なのか?」 と問い質していた。「保護です」との答えだった。

大暴れしたことをほとんど覚えていないのだが、本人にとって「不都合な 真実」を記憶に残さないようにOSには本人がまったく自覚できない記憶喪 失ソフトが設定されているとしか思えない。

良家の子女は乳母日傘で大事に育てられたためなのか「打たれやすい」、 つまりストレスで壊れやすいようだ。実際に「良い子」が精神病(アスペ ルガー症候群)になったのを見たことがあるし、小生の病院でも17歳の美 しく温和な娘さん、小生がつけたあだ名“セブンティーン”が入院してきた。

見舞いに来た両親は、父親は60歳ほどの大企業の役員風、母親は40歳ほど でオシャレ、びっくりするほどの若作りをしていたが、“セブンティーン” は入院当初は「ここはどこ? 私は誰?」という感じで茫然自失していた ようだ。

やがて娘さんは徐々に目覚めてきたようで、ホールでの両親との会話が聞 こえてきたが、「その(事件)後のことは全然覚えていない」と言ってい た。アル中の場合はこれをブラックアウト(停電)と呼んでいる。

ところで精神病や精神疾患は、近年では「心の病」とか「心の風邪」など と言うようだが、複数の精神科医が執筆・監修した精神疾患ムックによる と、脳内には幸福や不安を感じやすくする遺伝子(ソフト)があり、これ が「ストレスの感じ方」を左右するそうだ。

日本人を含めたアジア系民族は環境によるストレスを受けやすく、逆に欧 米人は不安を感じにくく、楽観的な傾向があるという。米国白人はもとも とが欧州由来だから、簡単に言えば、アジア系は繊細で悲観的、保守的、 欧州系は鈍感で楽観的、進取的なのかもしれない。

小生思うに、アジア系=農耕・定住・集団行動民族、欧州系=狩猟・移 動・個人行動民族というククリも考えられ、アジア系は天気にも一喜一憂 し、欧州系は獲物に出会うかどうかは運次第だからクヨクヨしてもしょう がない、明日はいいことがあるだろう、と楽観的、進取的になる、とも言 える。

欧州系はライオンなど肉食動物のように「食いだめ」ができるようだから (中世の記録に女性2人が3日で牛1頭を平らげたという話がある)、冷夏 による飢饉など飢え死にの危機感があまりないのかもしれない。

厚生労働省の平成26年調査によると、精神疾患の患者数はここ20年でずい ぶん増えている。統合失調症など「妄想性障害」と、うつ病など「気分・ 感情障害」は、それぞれ平成8年が72万1000人、43万3000人、合わせて115 万4000人、これが平成26年には77万3000人、111万6000人、合わせて188万 9000人へと急増している。

小生が若いころは同僚などから「気分が落ち込んでいる、ブルーだ、やる 気が起きない」などと言われたら、「まあ、そういうことはよくあるよ、 テンションが上がったり下がったり・・・じゃあ今夜は女子も呼んで パーッと飲もうぜ」、本人も周囲もあまり気にしなかった。

当時は「過労死」という言葉もなく、「血尿が出て一人前」なんていう凄 まじい職場もあった。自殺しようものなら「ヤワすぎ、ストレスに負け ちゃった」とあまり同情もされなかった。今は残業≒悪≒ブラック企業のよ うで、若い女性が自殺でもしようものなら大騒ぎになり、医者が病名を創 るから患者もどんどん増えるわけだ。

たとえばWIKIによると対人恐怖症は神経症の一種とされ、「恥の文化を持 つ日本において群を抜いて多く、日本に顕著な文化依存症候群とされ、海 外においてもそのまま『Taijin kyofusho』と呼称されている」、病名を 創って患者を増やすという、ほとんどビョーキの世界だ。

かくして小生のような本物の狂人、病人の周りには、昔なら「ノイロー ゼ、ちょっと休めば直るよ」的な人が数多くいるという奇妙な現象にな る。どう見ても病気だなというのは患者5人に1人ほどという印象で、国民 皆保険や障害年金というセイフティネットも患者増を促進しているのでは ないかと思ってしまう。(つづく)2017/2/2




━━━━━━━━━━━━━━
インフルエンザの常識・非常識
━━━━━━━━━━━━━━


         石岡 荘十

正直言って、「インフルエンザとは何か」、関心を持って集中的に学習し 始めてまだ半年足らずだ。

それで、まず気がついたのは、今までインフルエンザに関して持っていた 知識・感覚、“常識”がいかにいい加減で、非常識なものだったかというこ とである。

と同時に、専門家の話をきいたり本を読んだりすると、ことによると国家 を滅亡させる引き金ともなりかねないほどの猛威を振るう“身近な”病につ いていかに無知であるかを思い知らされる。

まず、
・病名について、である。

「インフルエンザ」はなんとなく英語のinfluenceから来たものと思って いたが、その語源はイタリア語の「天体の影響」を意味する「インフルエ ンツァ」であった。中世イタリアでは、インフルエンザの原因は天体の運 動によると考えられていたからだそうだ。

・「スペイン風邪」は濡れ衣

歴史のなかでインフルエンザを疑わせる記録が初めて現れるのは、もっと ずっと前の紀元前412年、ギリシャ時代のことだったという。

その後もそれと疑わせるインフルエンザは何度となく起こっているが、苛 烈を極めたのは1580年アジアから始まったインフルエンザで、全ヨーロッ パからアフリカ大陸へ、最終的には全世界を席巻し、スペインではある都 市そのものが消滅したと記録されている。

より詳細な記録は1700年代に入ってからで、人類は以降、何度もパンデ ミック(世界的大流行)を経験している。なかでも、史上最悪のインフル エンザは「スペイン風邪」である。

というとスペインが“震源地”、あるいはスペインで流行ったインフルエン ザだと誤解されがちだが、発祥は、じつは中国南部という説とアメリカの どこかで始まったという説がある。

が、確かなことは1918年3月、アメリカ・デトロイト、サウスカロライナ 州、そして西海岸で姿を現したということだ。

その頃、世界は第1次世界大戦の真っ只中にあり、アメリカからヨーロッ パ戦線に送られた兵士を宿主としたウイルスがヨーロッパ席巻の端緒を開 いた。大戦の当事国は兵士が病気でバタバタ倒れている事態を隠蔽し続け たといわれる。

ところが参戦していなかったスペインでは情報統制を行わなかったため、 大流行がことさらフレームアップされ伝わったのではないか、と推測され ている。「スペイン風邪」はとんだ濡れ衣なのである。

・第2波の毒性をなめるな

スペイン風邪の猛威は、その後2年間、第2波、第3波---と毒性を強めな がら津波のように襲い掛かり、猖獗を極めた。第2波の初期、アメリカ東 海岸から公衆衛生担当者が国内担当者に送ったアドバイス。

「まず木工職人をかき集めて棺を作らせよ。街にたむろする労働者をかき 集め墓穴を掘らせよ。そうしておけば、少なくとも埋葬が間に合わず死体 がどんどんたまっていくことは裂けられずはずだ」(『アメリカ公衆衛生 学会誌』1918)積み上げられた死体の山を「ラザニアのようだ」と表現す るほどだった。

毒性が弱い新型インフルエンザの場合はこんなことにはならないと言うの が今の見方だが、少なくとも秋口と予想される第2波がこの春よりはるか に強烈なものとなる可能性は否定できない。これが常識である。なめては いけない。

・「寒い地域の病気」はウソ

つい先だってまで、インフルエンザは寒いところで流行るもの、と思い込 んでいた。ただ、それにしては夏になってもじりじりと患者が増え続ける のはどうしたことか。そこで、先日「ウイルスは季節に関係なく拡散して いるのではないか、と疑わせる」と根拠もなく書いたが、最近の定説は私 の山勘どおりだった。

インフルエンザは熱帯地域でさえ年間を通して穏やかに流行っている。だ が熱帯ではマラリアやデング熱など、臨床症状がインフルエンザに似てい るので、インフルエンザと診断されなかった可能性が否定できないとい う。人口当たりの死亡率は温帯・寒帯地域より高いという報告さえある。


日本では、新型インフルエンザは冬であるオーストラリアなど南半球に 移っていったという一服感が支配的だ。世界中で笑いものになった日本の あの“マスクマン”も見かけなくなった。マスコミもあの騒ぎをお忘れに なってしまったようだ。

しかし、ウイルスは日本だけでなく北半球のイギリス、ドイツでも決して 衰えてはいとWHO(世界保健機関)に報告している。いまや新型インフ ルエンザは「地域の寒暖に関係なく1年を通して穏やかに流行している」 というのが常識である。

記憶に新しい水際検疫作戦は、世界の非常識だったことを最近になってし ぶしぶ認め、方針転換に踏み切ったが、日本国内の企業は秋口に備えてマ スクの買いだめに走っている。

やはり、この際の世界の常識はWHOのホームページで確認するしかない と私は考えている。  


━━━━━━━
話 の 福 袋
━━━━━━━


 ◎【ドキュメント永田町】日米会談、安倍首相のトランプ氏攻略策判明  「マンツーマンディフェンス戦略」新体制構築を決断

安倍晋三首相が、ドナルド・トランプ大統領率いる米政権との関係強化・ 深化に向けた、新体制構築を決断した。「狂犬」の異名を持つジェーム ズ・マティス国防長官とじっくり語り合ったことで、トランプ政権の本質 を理解したのだ。「チーム安倍」総出による、トランプ政権への「マン ツーマンディフェンス戦略」と、10日の日米首脳会談で明らかになる「戦 略的蜜月関係」とは。永田町に精通するジャーナリスト、山口敬之氏が核 心に迫った。

日米首脳会談を今週末に控え、安倍首相は関係深化に向け、日本政府がど のような体制を組み、首脳会談で何を提案し、何を議論するのか、その詳 細を固めた。

安倍首相の「対トランプ戦略」構築で、最も重要なヒントを与えてくれた のは、3日に来日したマティス氏だ。来日早々、マティス氏は安倍首相と の会談に臨み、テレビカメラを前にして、次のように語った。

「米国は100%、安倍首相と日本国民とともに肩を並べて、歩みをともに する。一切の誤解の余地がないことを伝えたい」「尖閣諸島は日本の施政 下にある。日本の施政を損なおうとする、いかなる一方的な行動にも反対 する」「日米安保条約第5条は重要であることを明確にしたい」

安倍首相が注目したのは、歯切れのいい発言もさることながら、マティス 氏がメディアの前で重要事項を言い切ったことだ。自らの音声がニュース として流れることで、習近平国家主席率いる中国指導部に直接警告を与え る戦略に、強い意志が浮き彫りになった。

さらに、トランプ氏の過激発言を修正するようなメッセージを、マティス 氏が堂々と披露した以上、トランプ氏が相当程度のフリーハンドを与えて いることも分かった。

決定打は、マティス氏が4日、稲田朋美防衛相との共同記者会見で、米軍 駐留経費に触れた以下の発言だ。

 「日本は他国にとってモデル(手本)になる」

日本は駐留経費の75%程度を負担しているが、韓国は40%、ドイツは32% でしかない。他国と日本を混同した批判は不適切だ−と、安倍首相は首脳 会談を前に、データを準備して理論武装していた。そうした懸念を、マ ティス氏が払拭してくれたのである。

これらを見て、安倍首相は「トランプ氏は強く分かりやすいスローガンを 掲げるが、個別政策については信頼できる閣僚に相当任せる」という、ト ランプ政権の力学を把握した。

そして、「チーム安倍」が総出となって、トランプ政権のキーマンに一対 一で対応する「マンツーマンディフェンス戦略」を決断した。

目玉は、麻生太郎副総理兼財務相だ。安倍首相−トランプ氏に加え、麻生 氏−マイク・ペンス副大統領という強力なパイプを築くことで、トランプ 政権の本音に迫り、日本の戦略を多層的に伝えようという狙いだ。

稲田氏がマティス氏を招いた夕食会に、安倍首相が飛び入り参加したのに も意図がある。トランプ氏が「最も信頼できる閣僚」とマティス氏を紹介 したように、安倍首相も「最も信頼している閣僚」として稲田氏を見せ、 自ら保証したのだ。

今後、「トランプ政権のキーマン」とされる、トランプ氏の娘婿、ジャ レッド・クシュナー大統領上級顧問や、新設された国家通商会議 (NTC)のピーター・ナバロ委員長にも、対応する人物を指定して、パ イプをつくらせる方針だ。

安全保障分野の懸念がかなり払拭されたのと並ぶように、経済通商分野で のトランプ政権の力点も詳細に分かってきた。

キーワードは「Job, Growth, Trade」(雇用、成長、 通商)だ。

トランプ政権は、まず「米国内の雇用増進」に1点集中し、力強い経済成 長を実現する。その先に諸外国との2国間通商条約に取り組む−という工 程表だ。2年後の中間選挙をにらみ、雇用という明確な指標を立ち上げ、 時間がかかるFTA(自由貿易協定)は後回しにする戦略だ。

ならば、安倍首相は今回の首脳会談では、日米FTAの議論に深入りする 必要はない。トランプ氏が熱望する「雇用」について、日本の官民一体の パッケージプランを用意し、日米協調をアピールすればいい。

トランプ政権の事務方が本格始動していない現状では、それ以外の政策課 題では、個別分野で詰めた話にはならない。

安倍首相は10日の首脳会談では「首脳同士の個人的信頼関係を築くこと」 が最大のテーマと位置付けた。フロリダ州パームビーチでのゴルフも、ト ランプ氏とハラを割った話をするために、安倍首相が以前から温めていた プランだ。

入国禁止問題などで、国内外の批判が収まらないトランプ政権だが、安倍 首相はトランプ氏との「戦略的蜜月関係」に舵を切った。

 安倍首相は、周囲にこう漏らしている。「日米の戦略的蜜月こそが、最 大の抑止力となる」と。

 ■山口敬之(やまぐち・のりゆき) ジャーナリスト。1966年、東京都 生まれ。90年に慶應大学卒業後、TBSに入社。報道局に配属され、ロ ンドン支局、社会部、政治部、報道特集プロデューサー、ワシントン支局 長などを歴任。米公文書館で発見した機密文書をもとに、2015年3 月、週刊文春で発表した、ベトナム戦争当時の韓国軍慰安所の調査報道が 高い評価を受ける。16年5月に退社し、フリージャーナリストとして活 躍。著書に『総理』『暗闘』(ともに幻冬舎)など。
【ZakZak】 2017.02.08 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎首相、安保・通商・マクロ経済政策の閣僚協議を米大統領に提案へ= 政府筋

[東京 9日 ロイター] - 安倍晋三首相は9日、11日に開催される日 米首脳会談で閣僚レベルによる新たな協議の枠組みを提案する。政府筋が 明らかにした。

新たな枠組みでは、安全保障や通商問題、マクロ経済政策が主要なテーマ になる。米側は2国間の自由貿易協定(FTA)締結に強い意欲を持って いるとみられるが、日本側は新しい枠組みで、日米間にある諸課題をじっ くりと時間をかけて協議したい考え。

為替問題もマクロ経済政策の一環として、この新しい枠組みの中で協議す ることを日本側は念頭に置いている。(田巻一彦)
【ロイター】 2017年 02月 9日 11:03 JST 〔情報収録 − 坂元 誠〕

 
 ◎トランプ米大統領、税制改革で「驚くべき」提案発表へ 詳細不明

[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米大統領は9日、航空大手 首脳とホワイトハウスで会談し、今後数週間に税制改革に関する抜本的な 提案を明らかにする考えを示した。

大統領は「向こう2、3週間に税、および航空インフラ開発に関して、目 を見張るような発表を行う」と述べた。ただ詳細には踏み込まなかった。

トランプ氏の発言を受けて、ドルはほぼ全面高の展開となり、対円では 1%超値上がりした。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエ ン氏は「トランプ大統領自身の言葉で、向こう数週間に驚くべき提案を行 うとの発表があったことがドルを全面的に押し上げた」と指摘。「これは トランプ大統領当選後のドル高の核心要因であり、投資家の期待は再び高 まった」と述べた。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は記者団に対し、トランプ大統領の提 案は包括的で、景気を促進する内容になると説明した。

与党・共和党は当初、大統領の就任100日で税制改革をまとめると見込 ま れていたが、最近では下院の法案提出が2017年半ば頃、採決は8月 の休 会前のタイミングになるとの見方を示している。

航空首脳との会談では、大統領が老朽化しているとする航空管制システム や時代遅れの空港インフラ、鉄道システムや道路についても協議した。

トランプ大統領はこれらを「すべて変える」とし、航空首脳は提案に満足 するだろうと述べた。

その上で「規制緩和を通じて、あなたがたがこれらの目標を達成するのを 手助けしたい」とした。
【ロイター】  | 2017年 02月 10日 05:36 JST  〔情報収録 − 坂元 誠〕
 

━━━━━━━
読 者 の 声
━━━━━━━

 
 1)私はNORDSTROMは良い百貨店だと認識している:前田正晶

ここでは特にトランプ大統領の批判をする気はない。ただ、あれほど信用 していたアメリカでも最優秀の部類に入ると思う百貨店を批判されたとは 如何なものかなと感じただけのこと。

既に報じられていたようにノードストロム(ノードストロームと表記する 向きもあるようだ)はスエーデン人が起こした店で、アメリカ西北部ワシ ントン州のシアトル市に本店がある。私にとっては長年親しんだ店で、品 揃えも良いし、店員の対応のアメリカの小売業としても優秀だと評価して いた。

元はと言えば靴屋から発展しただけに、その取り扱いブランドも素晴らし かったが、その売り場の店員たちの対応も優れており、私が在職中に履き 潰した数多くの靴の80%以上はこの愛称「ノーデイース」で買っていたも のだった。

何故履き潰したというのかは、何分にも頻繁にアメリカと日本を往復し、 現地に入れば言わばアメリカ中を飛び回り歩き回り、日本にいれば国中を 来日する者たちと得意先の本社と工場を巡回訪問で動き回っていたので、 従来の革底の靴では長期間は保たなかったというだけのこと。その靴売り 場の何処が優れていたかと言えば、先ずはサイズを幅広く在庫していた点 がある。

それは私のように足が小さくて、メーカーによっては24でも大き過ぎて 23.5(アメリカのサイズで5.5=five and a half)ではないと合わないよ うな者には、アメリカと欧州のブランド品だとそのような小さいサイズの 靴を取り扱っていない(在庫していない)靴屋が圧倒的に多いのだ。その 点では比較的東洋人が多いシアトルの本店では、アメリカサイズの5.5で も幅広く在庫しているのだった。

一度はセールの時期に出会って、憧れのスイスブランドの“Bally”の靴の 5.5が出ていた。しかし、セールと言っても高価なので躊躇っていると店 員は私の腕を掴んで「このサイズが売れることは滅多にない。

もう貴方は放さない」と言って、試履(っていうのかな)を勧め、何と隣 の靴下売り場から私の足に合うコットンの靴下を持ってきて「売上げのた めにはこれくらいは辞さない」と言うのだった。結局はその濃紺の靴を買 うことになったのだが、彼が言うには「実は同じデザインでブラウンもあ るので、2足纏めて買ってくれれば更に値引きするが如何」と勧めてき た。これは謹んで辞退して1足だけにしたが、こういう遣り取りをしたこ ともあった。

その後この男性店員とは顔見知りの間柄となって、シアトルに入る度に見 に行ってはお買い得の靴があれば買ってしまうことになっていた。また 2007年9月に家内とともにアメリカに仕事以外で出かけるという珍しいこ とをした際にも、ノーデイースでNikeのテニスシューズ(スニーカーとい うのは日本語だと思うが)に家内が気に入ったものがあった。だが、本店 にはこのサイズの在庫がなく、他店から取り寄せてホテルまでその日のう ちに配達するからという条件で買ったこともあった。アメリカの百貨店で はそこまでやるのだ。

尤も、洋服と洋品の有名店、Brooks BrothersでもBurberryでも、寸法直 し等は店に常勤しているtailorが即刻やってくれ、矢張りその日のうちに ホテルの部屋まで配達はしてくれていた。工賃はそれほど高くはなかった 記憶があるし、ズボンの裾上げは無料だった気がする。アメリカの小売業 では案外細かいことまでやるものだ。

そのノードストロムはそもそもが反トランプのワシントン州はシアトルに あるのから、イヴァンカさんのブランドが売れ行き不振だからという理由 で取り扱いを止めても不思議ではないかなという気もする。それでも、ト ランプ大統領がそのことをTwitterで採り上げたのは「一寸ねー」と思う のだが。ここは「アメリカファースト」ではなく「ファミリーファース ト」かなと思うのだが。


 2)アメリカはオバマ政権下で既に保護主義政策を採っていた:前田正晶

ご記憶の方がおられると思って言うのだが、私はオバマ政権がTPP参加を 言い出す前から、商務省(DOC)がアメリカ製紙業界の請願を受けて慎重 審査の結果、国際貿易委員会(ITC)の承認を得て中国、インドネシア、 韓国等の新興勢力から輸入される塗工紙(印刷用紙であってCoated
paperと表現しても良いだろう)に反ダンピング関税(AD)と相殺関税 (CVD)を合計で最高200%以上を課する決定を下し、アメリカ市場から閉 め出していた事を繰り返して採り上げて、寧ろ批判してきた。

言うまでもないが、アメリカへの最大の輸出国は中国だった。私はこれを 批判する根拠は大論文にもなるのでここでは省略し、別途機会があれば詳 しく述べる資料は調っている。

私はこの件を繰り返し自分のブログにも採り上げたし、語る機会があれば 解説してきた。即ち、このような政策を採る国が「聖域なき関税撤廃」を 唱えるTPPの盟主然として君臨するかの如き姿勢は如何なものかというの が私の論旨だった。だが、この世界の製紙産業界としては重大な話題を採 り上げて語ったメデイアはなかったと記憶する。彼らは気が付いていな かったのか、無視したのかは知らない。明らかな保護貿易の姿勢は何もト ランプ大統領が打ち出したものではないのだ。

余談になるかも知れないが、DOCは矢張り業界の請願を受けてキャッシュ レジスターでレシーとして使われている輸入の感熱紙についても、中国や ドイツ製品に対して高率のADとCVDを課して閉め出している。これも報じ られた気配はなかった。これが嘗ては世界最大の製紙国(今や超過剰設備 を抱える中国に抜かれて2位に転落したじ、我が国も3位に押し下げられ た)アメリカがしたことである。情けなかった。

10日の産経は一面に「米、中国制裁本格化」として中国から輸入される硫 酸アンモニュウムにADが493.46%、CVDが206.72%と合計で700%に迫る関 税を賦課と決定した旨を報じていた。他には既に道路舗装資材にADが 372.81%、CVDが15.62〜152.5%を課すことも決定していた。確かに、ト ランプ大統領が不公正な貿易に対しては手を打つと公言された通りだろ う。だが、これは今になって改めて始まったことではないのだ。

これも、私は何度も繰り返して論じてきたことだが、アメリカ連邦政府は 第一次クリントン政権(言うまでもないが民主党政権だ)時代に、我が国 が製紙の原料であるパルプやウッドチップばかり輸入して世界最高の品質 を誇る(悲しいかなな独りよがりであって正しいとは言えない)紙類を輸 入しないことに不満を表明し、「もしも買わないのであればスーパー301 条を適用する」とまで表明して圧力をかけてきた実績がある。これが、あ る意味での典型的なアメリカ商法で、何もトランプ様のみの手法ではな い。結果がどうなったかはここでは言わぬが花だろう。

DOCもアメリカの製紙産業も全く世界市場に配慮するというか先行きの見 通しが不明確だったために、アメリカに続いてEUも中国等の新興国からの 塗工紙に関税をかけて閉め出す措置を講じた。その当然の結果として、過 剰生産能力を抱えただけではなく内需が未成熟な中国製の紙が世界中に溢 れ、先の見えない紙販売の不況を招いてしまい、一向に回復の兆しがな い。DOCが現状を知らぬとは言わせない。

そして、トランプ政権誕生の後での「アメリカファースト」政策が実行段 階に入っていくようだ。私はオバマ政権下での保護貿易的な姿勢を見てい たので、トランプ大統領の対中国の強硬姿勢には事改めて驚きは感じな かった。既に採り上げたが、アメリカファーストの旗印の前にあっては、 アメリカ市場から閉め出された製品が世界の他国に与える影響には、“I
don't care what happens
afterwards.”と割り切っておられるのかと疑っている。因みに、この慣用 句は我が国では「後は野となれ山となれ」となっているが、英語では“After
me, the deluge.”とも言われている。

私はアメリカ時間の10日から始まる安倍総理のトランプ大統領との第1回 首脳会談は、このようなアメリカの体質を思う時に、何が議題として取り 上げられるかの予想は付くにしても、極めて難しい重要なものとなると危 惧している。



━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━

故障したPCが10日ようやく回復しました。不可抗力とはいえ、1週間も休 刊し たことは大変なご迷惑であり、深くお詫びいたします。他事ながら 修理代 は32,000円。年金生活者には大金でした。

故障は購入後、初めてのことでした。


日本社会党は建国記念日なら断固阻止だが『の』を入れたら賛成という妥 協が水面下で成立していることをすっぱ抜いたのはNHKニュース、筆者は 渡部亮次郎記者だった。

11日の東京湾岸は快晴。10日夜は一時帰国中のPC師匠をお招きして『あきら』で飲食。


読者:5524人。


◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら
→ http://melma.com/contents/taikai/


渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>
わたなべ りょうじろう

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • Apeman生2017/02/12

    【 私はNORDSTROMは良い百貨店だと認識している:前田正晶 】

    米本土の NORDSTROM に行ったことはありませんが、ハワイ:アラモアナセンター近くにある NORDSTROM には、1・2度行った覚えがあります。 店内は落ち着いた雰囲気で、店員もとても親切でした。

  • 香港読者2017/02/11

    修一さん、お帰りなさい。

    体調が悪いと、書かれていたので、何かで、入院なされたのかと心配して、一度

    問い合わせしたのですが、情報なしでしたが、大変でしたね。

    是非、また、投稿を継続なさってください。

  • 名無しさん2017/02/11



    社会は変化します。生活に必要なものを守り不要なものを捨てるという個人の選択が蓄積されて徐々に住みやすい社会になるんですね!

    そこに大きな政府はないんです。個人の自由とその結果としての伝統的社会だけがあります。

    古典的自由主義は元来保守です。

  • 名無しさん2017/02/11

    ━━━━━━━━━━━━━━━

    「措置入院」精神病棟の日々(2)

    ━━━━━━━━━━━━━━━



    >(1)が抜けてます。