政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針3065号  2013・9・12(木)

2013/09/12

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  わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 3065号
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           2013(平成25)年9月12日(木)



           公明代表が集団的自衛権で軟化の兆し:杉浦正章

                           60年前の“夏めく”:加瀬英明

                    「中央党校」から反乱の狼煙:石 平

                      アメリカの責任と義務:Andy Chang

                       大江教祖に筆誅を(2):平井修一

                                      話 の 福 袋      
                                反     響
                    身 辺 雑 記


□■■□  ──────────────────────────□■■□
第3065号
                             発行周期 不定期(原則日曜日発行)
             

 
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公明代表が集団的自衛権で軟化の兆し
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                     杉浦 正章

ワシントンで党首会談を提唱

集団的自衛権の憲法解釈変更に真っ向から反対だったはずの、公明党代
表・山口那津男が、ワシントンで「帰国後党首会談」と言い出した。集団
的自衛権歓迎の米国の空気を知った上で、連立決裂のための党首会談を提
唱することはあり得ない。恐らく集団的自衛権に“歯止め”をかけるなど条
件闘争に転ずる兆候ではないか。

山口は本当に米政府が集団的自衛権を求めているのかを確認して、求めて
いなかったら、これをてこに首相・安倍晋三を思いとどまらせようという
“魂胆”であったが、どうもこれが外れたようだ。ミイラ取りがミイラの様
相なのである。

シリア問題で目がつり上がっていた米政府高官も、ロシアの斡旋で一段落
の流れが見えたようで11日は国務省でバーンズ副長官が山口と1時間
会った。これに先立つ10日には国防長官首席補佐官・リッパートと会談
した。

リッパートは「日本が集団的自衛権の行使を解禁し、国際社会でより積極
的な役割を果たすことを米政府は歓迎する方向だ」と米政府の立場を鮮明
にしている。

山口は「この問題は慌てずに議論することが大事だ」と、改めて慎重な姿
勢を示したが、リッパートは面食らったはずだ。決めるのは安倍であって
リッパートではないからだ。

山口は言われっぱなしでは国内向けに格好が 付かないため、創価学会向
けに発言したのだろう。しかし、米政府の明確 な方針を改めて直接聞い
たことは、胸に響いたようだ。
 
その後同行記者団との懇談で従来の集団的自衛権問題への“極左も真っ青”
な反応を転じて、安倍との党首会談に踏み込んだ。「連立与党だから、合
意形成に努めるという姿勢があるべきだ。それがないと国民も同盟国も不
安に思うだろう」と述べたのだ。

参院選の最中に「断固反対」と述べ、党幹部らには「皆さんは集団的自衛
権のことで連立を離脱したくないでしょうねぇ」と連立離脱の可能性まで
ほのめかしていた態度は急変である。

自公党首会談については幹事長・石破茂も近く党首会談が実現するとの見
通しを示し、「協議をいつスタートさせるかは党首会談にかかるところが
大きい」と指摘している。要するに党首会談を集団的自衛権に関する自公
協議をスタートさせる入り口にしようというものだ。

安倍は基本的には年内にもこれまでの政権が維持してきた「集団的自衛権
については国際法上は保有するが、憲法上は行使不可」との憲法解釈の変
更を閣議決定する方向だ。集団的自衛権の行使は、自衛のための必要最小
限度の実力行使に含まれる方向を打ち出すものとみられる。

既にそのための環境整備は整いつつある。辞任で抵抗しそうな内閣法制局
長官を更迭、解釈変更論の小松一郎に差し替えた。そのための理論武装を
整える安保法制墾も近く再スタートさせ、結論を受けた上で年内に閣議決
定する防衛計画の大綱に反映させる。

同時並行的に国家安全保障戦略を策定するための「安全保障と防衛力に関
する懇談会」(座長・国際大学学長・北岡伸一)の初会合を12日に開催
する。同懇談会は包括的な安保政策をうち出す方針である。

北岡はNHKとのインタビューで集団的自衛権の行使について、「結束して
いれば個々の国が襲われる可能性が低く、個別的自衛権はよいが集団的自
衛権はだめだというのは、最初から間違った考え方だ」と述べている。

安倍がとりまとめを求めている「国家安全保障戦略」に集団的自衛権の行
使 容認を盛り込む提言にしたい考えであろう。

このように安倍は既成事実をどんどん固めており、通常国会には関連法案
を提出する流れである。まるで公明党の存在を無視するかのような展開で
ある。安倍には中国と北朝鮮の軍事圧力に対抗するには、憲法改正を待っ
ている余裕はないという判断がある。

第1次安保法制墾が提出した報告書が強調した「先例墨守や思考停止の弊
害に陥ることなく、憲法規定を虚心坦懐(たんかい)に見つめ直す必要が
ある」という路線を推進しようというわけだ。極東の環境変化に対応でき
ていない憲法解釈を後生大事に守っていられる時ではないというのが安倍
の腹だろう。

野党も維新共同代表・橋下徹が10日、「時代や状況とともに憲法解釈が
変わるのは当たり前だ。今の国際情勢からみれば、認めないといけない」
と述べ、憲法解釈の見直しを容認する考えを示したことは大きい。これに
民主党内右派の同調を得て、場合によっては公明党抜きでも不自由しない
状況を作り得るからだ。

山口はこの時期の訪米を、自らの「断固反対」発言で振り上げた拳の降ろ
しどころを模索するための方便として設定したのだろう。山口は米国で
「両党間で接点を見い出せるかは分からないが、一番足りないのは、これ
までの考え方を変えようとする側の主張や論証だ。最終的に、国民が理解
できるかどうかが必要条件だ」と述べている。

本当は「国民が理解できるかどうか」ではなく「創価学会婦人部が理解で
きるかどうか」の説得材料が欲しいに違いない。

したがって安倍は山口の「条件闘争」を実現可能にすることも考慮に入れ
る必要がある。地球の裏側まで米軍に付いていって、戦争に参加するよう
な誤解を解かなければなるまい。

      (政治評論家)<2013年09月12日>



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60年前の“夏めく”
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    加瀬 英明

先日、ラジオ番組に出演したところ、「今年は日本でテレビ放送が始まっ
てから、60周年に当たりますが、テレビの功罪について、どう思い ます
か?」と、質問された。

街頭テレビをはじめて観た、80年前の夏の記憶が、突然、甦った。

8月の暑い日だったが、鎌倉の市役所の前あたりに街頭テレビが設置さ
れて、黒山の人だかりだった。

私は16歳だった。わが家が鎌倉にあった。この年1月にNHKが、テ レ
ビ本放送をはじめていた。ラジオ局から戻ってから、年表を調べたら、
8月に日本テレビがはじめて民放局として、放送を開始していた。

私はラジオ番組のホストに、「テレビに功など、まったくありません。
60年前の日本に戻ってみましよう。日本人はみな律気で、節度を守っ
て、家族の絆がしっかりしていたし、隣近所の縁も大切にしました。それ
を壊した元凶が、テレビです」と、答えた。

「テレビがなかったら、きっと60年前の日本が守られていたことでしよ
う。漢和辞典をひくと、目がついた字には眠る、眩(めまい)とか、瞑 (く
らい)とか、知的なものが、1つもありません。

目と違って、耳偏がついた字は聡(さと)く、聖は耳のあなが通って、よ
く声が聞こえる人です。

聴くの?は立てるという意味ですが、耳を立ててよく聞く。行人偏の行
人は修行者ですが、徳と同じ字です。警視庁とか、国税庁の庁の本字は廰
ですが、民の声をよく聞くことが役目です。それが面倒だから、庁にした
んでしよう。

愚か者は、人をじゃらすだけのテレビを見て、賢い人は、ラジオを聞き
ます」

テレビを観ていたら、ある教授が「アメリカの研究所に招聘されまして
ね」と、得意気にいった。「招聘」の「聘」は耳がついているから、賢者
のことだ。招かれる側の者がいう言葉ではない。

60年前といえば、夏めくと、家のなかも衣更えした。座敷の襖(ふすま)
や、障子をとり払って、簾(すだれ)を掛けて、涼しげな夏座敷を装ったも
のだった。

日本語には、夏扇、風鈴、夏衣(なつぎぬ)、夏帯、夏座布団(なつざぶ と
ん)、夏布団、夏掛け、夏神楽、夏羽織、夏足袋をはじめとする、夏の到
来にともなう多くの語彙がある。
 
青々と茂った夏山、夏木立、夏陰、夏らしく装った家である夏館(なつ や
かた)は、みな季語だ。はだしも、夏の季語だった。はだしで下駄を履 く
のが、快かった。季語、季題は、日本に独特なものだ。

路地に竹や木で造った縁台を出して、近所の人々と心を配りあって、夕
涼みに時を過した。

住居は風の通りみちだった。私たちは季節のうつろいにも、人にも、心
をつかった。心は情けの通りみちだった。

日本語には、心配り、心づかい、心合い、心情け、心づくし、心有り、
心意気、心勢い、心一杯、心入れ、心得、心がけ、心根、心がまえ、心ぎ
き、心添え、心碎き、心立てをはじめとして、心がついた言葉が、200
以上もある。

ところが、英語となるとコンサイスをひいても、心heartがつく熟語 は、
heartattack心臓麻痺、heartburn胸焼け、heartdisease心臓病といっ た
言葉ばかりだ。

かつて、私たちは心の民だった。それなのに、今では建物や、住居を鉄
やコンクリートやガラスによって密閉するようになってから、風や、情け
が通わなくなった。

西洋人の猿真似に、うつつを抜かした成れの果てだ。

小泉八雲(イギリス名、ラフカディオ・ハーン、1850年〜1904年)といえ
ば、日本に帰化した作家で、文芸評論家だった。

ハーンは日本人の心性の高さに、魅了された。そして日本の西洋化が進
んでいるのを嘆いて、口癖のように、「耶蘇(やそ)が悪いのです」といっ
た。耶蘇はキリスト教のことだが、ハーンは西洋化という意味で使っていた。

夏といえば、夏子という女性がいた。今から、110年以上前になる。

5千円札に樋口一葉の肖像が、あしらわれている。一葉は筆名で、本名
をなつというが、夏子とも書いた。

樋口一葉は日本が日清戦争に勝った翌年に、25歳の若さで病死した。 一
度も、洋装をしたことがなかった。

5千円札の肖像はなつがたった1回だけ、写真館で撮った写真がもとに
なっている。しかし、顔から陰翳(いんえい)を取り除いて、平面的にした
ために、もとの写真の理知的で、蠱惑(こわく)的な美貌が伝わらない。

なつは、明治5(1872)年に、東京府の下級官吏を父として、府庁 舎の
長屋で生まれた。父は甲斐(かいの)国(くに)(現在の山梨県)の農家 の
子で、明治元年の11年前の安政4(1857)年に、江戸に出た。な つが17
歳になった時に、父が事業に失敗し、多額の借金を残して病死した。

なつは母と妹をかかえて、針仕事や洗い張りなどの内職によって生活を
支える、不遇な生涯を送った。明治29(1896)年に、肺結核で亡く なった。

なつは日記を遺したが、病没する前年の明治28(1895)年に、日 記に
「安(やす)きになれておごりくる人心(ひとごころ)の、あはれ外(と) つ
国(くに)(註・西洋)の花やかなるをしたい、我が国(くに)振(ぶり)の
ふるきを厭(いと)ひて、うかれうかるゝ仇(あだ)ごころは、流れゆく水の
塵芥(ちりあくた)をのせて走るが如(ごと)く、とどまる處(ところ)をしら
ず」「流れゆく我が国の末いかなるべきぞ」と、嘆いている。

私は5千円札を手にするたびに、なつの警告を思い出す。

なつの学歴といえば、11歳で4年制の小学校を卒業しただけだった。

それにしても、いまの日本には教育があって、教養がない女性ばかりし
かいない。



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「中央党校」から反乱の狼煙
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           石 平

中国には「中央党校」という特別な学校がある。共産党中央委員会直属の
教育機関で、党の高級幹部の養成を主な任務としている。かつて毛沢東も
その校長を兼任したことがあり、中央党校は党の思想教育の総元締という
位置づけである。

だが最近、この中央党校から「思想」にかかわる重要問題に関し、党中央
の方針に真っ正面から対抗するという前代未聞の動きが見られたのである。

たとえば今月2日、民間企業運営の「共識網」というサイトが、中央党校
の女性教師、蔡霞教授の講演録を掲載した。彼女は講演の中で「憲政こそ
は国家安定維持の大計」だと訴えて、持論の憲政擁護論を展開した。

7月18日掲載の本欄が記しているように、中国では今、いわゆる「憲政論
争」が巻き起こっている。民間知識人の多くが「憲法を基本とする政治」
を求めているのに対して、「党の指導的立場が否定される」と危惧する党
直属宣伝機関は批判のキャンペーンを始めた。共産党中央委員会機関紙の
人民日報も8月5日から3日連続で「憲政批判」の論評を掲載し、キャン
ペーンの展開に力を入れている。

だが、党中央直属の人民日報が「憲政批判」を展開している中で、同じ党
中央直属の中央党校の教師が堂々とそれに対抗して憲政擁護論をぶち上げ
ている。共産党のいわば「中枢神経」において、分裂が始まっているのだ。

同じ今月2日、中央党校機関紙の『学習時報』が衝撃的な内容をもつ論評
を掲載した。

書いたのは中央党校の宋恵昌教授である。中国周王朝きっての暴君の
●(=がんだれに萬)王が民衆の不満の声を力ずくで封じ込めた結果、自
分自身が追放される憂き目にあったとの故事を引用しながら、「民衆の口
をふさいではいけない」と説いた内容。昨今の中国の政治事情を知る者な
ら、この論評の意図するところが即時に理解できたはずだ。

習近平国家主席率いる指導部は今、ネット世論を中心とする「民衆の声」
を封じ込めようと躍起になっている。

今月4日、国営新華社通信の李従軍社長が人民日報に寄稿して「旗幟(き
し)鮮明に世論闘争を行う」と宣言し、軍機関誌の解放軍報も同じ日に
「ネット世論闘争の主導権を握ろう」との論評を掲載した。党と軍を代弁
する両紙が口をそろえて「闘争」という殺気のみなぎる言葉を使って、
ネット世論への宣戦布告を行っているのだ。

こうしてみると、上述の学習時報論評は明らかに、党指導部が展開する世
論封じ込めに対する痛烈な批判であることがよく分かる。論評は、「いか
なる時代においても、権力を手に入れれば民衆の口をふさげると思うのは
大間違いだ。

それが一時的に成功できたとしても、最終的には民衆によって権力の座か
ら引き下ろされることとなる」と淡々と語っているが、誰の目から見ても
それは、最高権力者である習近平氏その人への大胆不敵な警告なのである。

当の習氏がこの論評に目を通せば、ショックの大きさで足元が揺れるよう
な思いであろう。本来なら、自分の親衛隊であるはずの中央党校の教師に
指をさされるような形で批判されるようでは、党の最高指導者のメンツと
権威はなきも同然である。

そして、中央党校の2人の教師が同時に立ち上がって党指導部に反乱のの
ろしを上げたこの事態は、習近平指導部が党内の統制に失敗していること
を示していると同時に、共産党が思想・イデオロギーの面においてすでに
収拾のつかない混乱状態に陥っていることを如実に物語っている。

習政権発足当時からささやかれてきた「習近平がラストエンペラーとな
る」との予言はひょっとしたら、実現されるのかもしれない。
産経ニュース【石平のChina Watch】2013.9.12

                   ◇

【プロフィル】石平

せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、
神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活
動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取
得。 
     


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 アメリカの責任と義務
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     Andy Chang

前の記事(未解決領土と米国の決定権)でアメリカの曖昧政策が
自国の利益を優先しながら責任や義務を明らかにしていないこと
を説明した。

すなわち日米安保条約や台湾関係法においてアメリカが強調して
いるのは米国に脅威を与えた場合の防衛と攻撃であり、日台の安
全については曖昧なのである。

日本は自衛権を持たず、台湾は中華民国が統治していて、アメリカ
は中華民国も台湾も認めない。東南アジアで米国の利益や安全が脅
かされれば米国は安保条約や台湾関係法などに従って武力を行使す
る。しかし日本や台湾の安全が脅かされた場合、アメリカが武力行
使するしないは米国の国務院や国会で決める。アイマイである。

日本や台湾が自己防衛できないのが大きな問題である。アメリカは
日本や台湾に現状維持と平和交渉を要求しているが、日本や台湾が
攻撃された場合、自国の防衛にも干渉するだろうと思われる。

●SFPTにおける米国の責任

サンフランシスコ平和条約は日本と戦勝国48カ国が締結した条約
で、第2条において日本が主権放棄をした領土が列記されている。
この条約を通読するとアメリカが主要占領国で、戦後処理に全権を
持つと明記されたのは第3条の沖縄信託統治だけ、ということがわ
かる。つまりSFPTは平和条約であって占領、統治の条約ではないし、
アメリカが領土の解決権を持つと明記していない。だから未解決領
土の責任や義務を追及してもアメリカは動かない。

一部の人はSFPTの第24条と第27条に?本条約はアメリカ合衆国政
府に寄託する?と明記されてあるから米国が未解決領土の解決権を
保有すると主張しているが、アメリカはそんな?義務または責任?が
あると認めたこともない。

前の記事に書いたように、平和条約が締結されると連合軍司令部
(SCAPとGHQ)は解散され、戦後の日本統治は終結した。その後の
軍事責任は東南アジア諸国における軍事顧問団(MAAG)に移され、
その後また各国と安保条約を結ぶことでMAAGは解散された。台湾は
中華民国に占領統治されたが、米国が中国を承認したので中華民国
と断交し、米華安保条約の代わりに台湾関係法を作った。

SFPTが締結された後、各国と米国の安保条約は軍事同盟で、SFPT第
2条の未解決領土は放置されたままである。解決の責任は主要占領
国アメリカにあると主張する人は多いが、アメリカの責任と義務は
明記されていない、アイマイである。

●日米安保の問題点

日米安保条約は日本とアメリカの有事における相互協力の条約だが、
安全保障の範囲があいまいである。但し日米安保があるおかげでア
メリカは日本領土に軍事基地を置くことができる。日本は憲法第9
条に縛られているので、たとえ米国が攻撃されて戦争状態に入って
も支援だけで、戦争に参加することは出来ない。

次にアメリカ側の日本の安全保障にも疑問がある。日本が第三国の
攻撃にさらされた場合、アメリカの支援範囲が明確でない。条約第
5条によると、竹島や北方領土はこの条約の対象外とされている。
尖閣諸島は2012年11月に米上院で可決された尖閣諸島が日米安全
保障条約第5条の適用対象であることを明記した条文を盛り込んだ
2013年会計年度国防権限法案にオバマ大統領が署名し、法案が成立
した。

日本の領土内にある米軍基地が攻撃にさらされた場合、アメリカは
確実に反撃するだろう。しかし日本の自衛隊が米国の軍事行動に同
調して第三国を攻撃することはない。逆に日本領土が第三国に攻撃
された場合(たとえテロ攻撃でも核攻撃でも)、在日米軍は反撃する
とは限らない。むしろ米国は反撃せず敵国と協議することを要求し
て日本が泣き寝入りになるかもしれない。自衛隊がテロ攻撃に反撃
出来るか(戦争行為である)も疑問である。

●台湾関係法のアイマイさ

アメリカは中華民国を承認していないし、台湾を国として認めてい
ない。台湾関係法は「台湾人民の安全を保障する」に止まり、常に
現状維持と平和解決を要求している。台湾が武力攻撃された場合、
アメリカが反撃するかどうかも疑問だが、テロ攻撃や国内の中国人
の攻撃に対処できるかも不明である。

台湾関係法によるとアメリカは台湾人民の安全を保障するため、?台
湾当局?すなわち中華民国に武器の提供を保障した。だが中華民国の
軍隊はこれまでに何回も米国が提供した武器や国家機密を中国に引
き渡した前科がある。今ではアメリカが最新武器の提供を拒否して
いる。中華民国、中国人は信用できない。民進党は中国に叩頭し、
人民は権力がない。台湾の現状は悲惨であるが、これもアメリカの
現状維持と曖昧政策のおかげである。

「台湾当局」とは中華民国政府のことで、中華民国は中国人の政権
だから馬英九が中国との統一を推進した場合、台湾海峡両側の中国
人は平和解決と強弁してアメリカの介入に反対するだろう。

台湾関係法では台湾人民が統一に賛成なら米国は阻止できない。台
湾人民が統一反対ならアメリカは介入できる。これは大切なことで、
民進党の謝長廷が推進する親中政策は中国の圧力で暗々裏に統一が
進行するかも知れない。人民を代表すると自称する民進党が中国に
接近すれば台湾関係法は無力かもしれない。民進党の親中政策は非
常に危険である。

●結論

1.日本は早急に憲法改正で自己防衛力を制定すべきである。

2.台湾人民は中華民国打倒に尽力すべきである。

3.米国はSFPTの未解決領土の一括解決に尽力すべきである。

4.未解決領土の一括解決で東南アジアの平和が達成できる。

5.領土問題の解決は米軍の維持よりはるかに安上がりである。

結局最善の方法は、東南アジア平和連盟を作ってアメリカ議会に領
土問題の解決を提案すべきなのである。
(在米台湾人 地球物理学者)

 
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大江教祖に筆誅を(2)
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    平井 修一

“鉄壁要塞”大江健三郎を攻めるには彼の文学も知らなければならず、何冊
か読み直したが、あまりにも「荒唐無稽」で、田原総一朗が加藤諦三を分
析して“徒労感”に陥ったように、小生もいささかゲンナリした。

しかし、もう大江の著作を読むことは二度とあるまいとホッとしたのは収
穫で、さて、とフランス文学者・東京大学元総長で、多分大江と東大で同
級生あたりだったろう蓮實重彦著「大江健三郎論」を読み始めたのだが、
あとがきの最後の言葉が「荒唐無稽」だったのには、「ああ、皆内心はそ
う思っているのだなあ、小生の読解力不足ではなかったのだ」と納得した
ものである。

大江は1935年生まれ、東大文学部フランス文学科在学中の1958年、「飼
育」により当時最年少の23歳で芥川賞を受賞した。この時の選考委員であ
る川端康成は「今回の大江氏授賞には率先して賛成である。この23歳の学
生作家が(新人ではないのだから)もう芥川賞に及ばないとは、私には考
えられなかった」と評価したが、「世評は大江氏の才能に眩惑され気味で
も、(才能があると)確認を与えているかどうか」と「?」を挟んでいる。

大江はこの「?」を多分今でも嫌っているはずで、後に大江が川端に続く
日本人で2人目のノーベル文学賞を受賞した際の記念講演「あいまいな日
本の私」は題名自体が川端のそれ「美しい日本の私」のパロディで、川端
を「神秘主義」と貶(けな)している。一方、一番高く評価したのは井伏
鱒二である。

「才能の感じられる新鮮な作品という意味で大江健三郎氏の二作を推しま
した。発足するにおいて托する主人公の優秀な五感をはっきり六根に擬装
させ、これでもって陳腐へ左様ならしながら、まともな作者の影を写して
いると思いました。自己満足癖を否定している点にも新鮮味を感じまし
た。こんなのは流行だと感じるのはこちらが古いんだと知れと秘かに頷き
ました」

べた褒めだから後に大江は井伏鱒二を講演「井伏さんの祈りとリアリズ
ム」で、「20世紀の日本で井伏鱒二はおそらく最大の作家でしょう」と持
ち上げている。この辺が強者にすり寄るという大江のいやらしくて胡散臭
いところである。

小生が「飼育」を最初に読んだのは1970年前後で、まったく印象に残らな
かったが、40年後の今改めて読んでも「これが芥川賞? 誤読か悪い冗談
だろう」と思う他ない。どうしようもなく「荒唐無稽」である。あるブロ
ガーの感想は――

<「死者の奢り」(芥川賞候補作)にせよ「飼育」にせよ、確かに大江作
品の文体は非常に整っている。ストーリーの構成や伏線の張り方も巧みに
作られている。人物や風景は十分に描写されている。取り上げたテーマも
純文学作品としては妥当だと思う。

しかし、結局最後まで私はこれらの作品に感情移入することは出来なかっ
た。「小説としてはよく書けている。けれども面白いとは思えない」。そ
んな論文試験の味気ない模範解答のような印象を、これらの作品から受け
た。果たして私が次に大江作品を読む日は来るのだろうか>

大江のファンというか信者は経典を学ぶように必死で読むのだろうが、上
記のブロガーや小生は知的刺激をまったく受けないのである。大江の現代
版が村上春樹だという話もあるが、村上春樹の小説も2作読んだがお話に
ならない下らなさだった。

大江が木綿豆腐なら村上は絹豆腐で、それだけでは少しも美味しくない。
醤油を垂らすか鍋に入れて煮るくらいのものである。それ自体では立派な
料理、作品とは言えないということだ。

大江は猛烈な読書家であり、しばしば有名無名を問わずに著者名をあげた
り、著作のごく一部を引用する。

ウィリアム・バトラー・イェーツ、キャスリー・レイン、W・H・オーデ
ン、フラナリー・オコナー、ジョージ・オーウェル、フランソワ・ラブ
レー、ミハイル・バフチン、ミラン・クンデラ、エラスムス、セバスチャ
ン・カステリヨン、ガブリエル・デトレ、クリストル・ニーロップ。

これは大江の原稿用紙25枚、スピーチで20分ほどの「あいまいな日本の
私」だけに出てくる名前である。聴衆や読者の度肝を抜き、虚仮威し(こ
けおどし)で幻惑して、どうです、僕はこんなにたくさんの本を読んでい
るんです、知識人なんです、すごいでしょう、と自慢していると同時に、
彼自身が豆腐のようにほとんど何も主張のないことを問わず語りに暴露し
ているようなものである。

小生は彼とそっくりの人を知っている。池田大作である。(つづく)
(2013/09/10)



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話 の 福 袋
━━━━━━━


 ◎シナはこうやって国際社会に、「尖閣はシナが実効支配している」と
嘘を垂れ流す。

この国と、関係改善をするには、日本がシナには絶対にかなわない相手
だ、ということを骨の髄まで知らしめるほか ない。 そういう民族のネ
イチャーなのだ。昔も今も変わらない。

チベット・ウイグル・南モンゴルで現在進行中で起こっていることを、国
際社会が何故見て見ぬふりをしているのか? 知っていて見て見ぬふりを
するのは犯罪である。


 共同通信: 高岡氏より

航行常態化の成果強調 中国
2013.09.11

中国国家海洋局は10日、「釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)の権利維
持に向けたパトロール1周年を回顧する」と題する文章を発表した。「外
交交渉と海上パトロールの二重の圧力を受け、日本の公船は中国のパト
ロールに対して危険な行為を取れなくなった」とし、尖閣周辺での活動常
態化の成果をアピールした。

文章は日本政府による尖閣国有化後、中国の公船による尖閣周辺海域での
航行が59回に上ったとし「釣魚島海域の管理能力を確実に強化した」と主
張した。

国営中央テレビはこの日、尖閣周辺の領海に侵入した中国海警局の船の動
向を実況中継。国有化から11日で1年になるのを機に、日本側に妥協せ
ず、領土主権の維持に努める姿勢を国内に誇示した。 (共同)

10日、沖縄県・尖閣諸島の周辺海域を航行する中国海警局の船の写真を掲
載した国家海洋局のホームページ


国家海洋局
http://www.soa.gov.cn/xw/hyyw_90/201309/t20130910_27274.html
(情報収録:中山)



 ◎宗教法人「顕正会」を捜索=強引な勧誘の疑い―警視庁

東京都内の男性を無理やり勧誘し、入信させようとしたとして、警視庁公
安部は11日、暴力行為法違反と強要の疑いで、宗教法人「顕正会」のさい
たま市大宮区の本部と東京都板橋区の東京会館など5カ所を家宅捜索し
た。強引な勧誘を行った信者の男2人からも事情を聴いている。

 捜査関係者によると、2人は今年3月、都内の20代のアルバイト男性を
ファミリーレストランに呼び出してしつこく勧誘し、東京会館に連れて
いって礼拝させるなどした上、「入信しないと信者の人間が大量に押し寄
せる」などと脅した疑いが持たれている。

顕正会は独自の終末思想を掲げる仏教系の宗教団体。全国に会館や事務所
を持ち、ホームページによると、約150万人の信者がいるとしている。

顕正会をめぐっては、勧誘や脱会をめぐるトラブルが多発しており、過去
には熊本県警や新潟県警などが信者を逮捕している。 
時事通信 9月11日(水)10時48分配信



 ◎大阪都構想は「膨張主義」…井戸敏三知事が批判
2013.9.12 00:35
 関西広域連合長の井戸敏三兵庫県知事は11日、堺市長選で再選を目指
す竹山修身市長を支援する同市での集会に出席し、橋下徹大阪市長らが掲
げる都構想について「膨張主義だ。ムードだけで制度を変えるのが一番い
けないこと」と指摘。竹山氏支持を訴えた。

 集会は堺市の大阪都参画に反対する市民団体の主催で、矢田立郎神戸市
長も参加。井戸氏は、嘉田由紀子滋賀県知事も竹山氏を支援していると
し、「(広域連合の)仲間の竹山氏が危機にさらされている。連合長の責
任として、堺を残そう」と強調した。


 ◎【参考情報】Facebook上の特別提供論評
− 三橋貴明の「新」日本経済新聞

【東田剛】東京五輪を素直に喜べない理由
FROM 東田剛

東京五輪開催決定を記念して、今日はサービスでいつもより長めに。

もっとも、東京五輪、私は素直に喜べません。だって、これだもん・・・。
http://prt.iza.ne.jp/images/news/20130531/580145_c450.jpg

安倍首相は、五輪をデフレ脱却の起爆剤としたいと述べています。
でも考え方が新自由主義であるうちは、それは無理ですから。

確かに、五輪のためのインフラ整備は、デフレ脱却に貢献し得るでしょ
う。でも、「そのための財源として、消費税増税」という話になります
よ、どうせ。

「五輪決定による成長見込みで、消費税増税が可能になる」ってなる可能
性もある。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0800N_Y3A900C1000000/

ちなみに、イギリスは、付加価値税を上げたので、ロンドン五輪の経済効
果は消えました。

もっとも、安倍首相は、「五輪招致決定と消費税は無関係だ」と述べてい
ます。しかし、「東京が、日本が、世界の真ん中で輝いていく、その大き
なチャンスをもらった」とも言っています。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSSGTY6K50XT01.html

この「日本は世界の真ん中で」というのは、TPP交渉参加や薬のネット
販売やらを誇り、「岩盤」に立ち向かう覚悟だと言い放った「成長戦略第
三弾スピーチ」の決め台詞です。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0605speech.html

五輪招致成功で高揚した安倍首相が、「五輪に続き、TPPでも、日本
は、世界の真ん中で輝きます」とか叫び出しそうな気がします。

「五輪のインフラ整備は、コンセッション方式で、外資も導入。こんにち
は♪ こんにちは♪ 世界の国からレントシーキング」と平蔵五輪音頭が流
れる可能性もあります。

あるいは、「五輪招致のための財源を捻出するために、無駄を削減す
る!」ということで、東京だけインフラが良くなって、地方のインフラ整
備の遅れはいっそう放置されるかも。まさに、新自由主義者の
「B/C(費用対効果)」論です。

<参考>
http://www.choujintairiku.com/fujii12.html

新自由主義者の頭の中では、オリンピックもTPPも、国際競争で勝ち抜
くという同じ話なのです。ちなみに、東京五輪招致推進委員長は、TPP
の旗手をつとめた新浪ローソン社長。利益集団招致推進委員長も兼ねてます。

TPPと言えば、9月5日のG20の日米首脳会談は、色んな意味で重要
でした。

首脳会談は、珍しく米側から要請してきたそうです。シリア攻撃で各国の
支持が得られず、相当、困っているからかと思いきや、話の内容は、シリ
アに加えて、TPPでした。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013090590224632.html

会談で、オバマ大統領はTPP交渉について「安倍首相が年内に終えるこ
とをコミット(合意)している」と強調したそうです。安倍首相は年内妥
結を「コミット」してたんですか!

それじゃあ、妥結を遅らせるような主張はできない、つまり譲歩するしか
ないじゃないですか。すでに無条件降伏してたんですね。

もっとも首相は「年内妥結に向けて、緊密に協力したい」と、若干トーン
を落としているような気がします。

たぶん、交渉が非常に厳しいという話が、首相にも上がっているのでしょ
う。でも、もう手遅れだよ。だから、あれほど言ったろうに・・・。

そういえば、韓国がTPP交渉、参加するってよ。何だ、韓国でもフェイ
ズが変わったのか?
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM09027_Z00C13A9MM0000/?dg=1

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/09/2013090901105.html
日本「韓国が米韓FTAを結んだから、日本はTPPに参加しないと韓国
に負ける!」韓国「日本がTPP交渉に参加したから、韓国も入らないと
負けるニダ!」

というわけで、犬猿の日韓を競争させて、漁夫の利で両方いただき、とい
うのがアメリカの戦略だったのでした。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/09/2013090900566.html

上記の記事によると、許允教授とかいう方が「韓国が今TPP交渉に参加し
て自国の意見を積極的に主張しなければ、後々ほかの国々が作った交渉
ルールを受け入れざるを得なくなるだろう」と言ったそうです。
おいおい、そんなとこまで朴(パク)るなよって・・・、笑えないか。

ま、韓国は米韓FTAで既にやられまくったから、TPPに入っても、
もはやこれ以上獲られるものもないんでしょうけどね。そう考えると、
日本の方がアホってことですか。

それじゃあ、あまりにも情けないので、「安倍さんの交渉参加の決断で、
韓国をTPPの罠に引きずり込んだ!さすが安倍さんの交渉力!策
士!」って考えることにしますか。

終わった話はこれくらいにして、日米首脳会談に話題を戻しますと、シリ
アを巡るやりとりに目を引かれました。

オバマが「シリアでの化学兵器使用は国際法違反であり、対応が必要との
認識で安倍首相と一致していると考えている」と述べているのです。
でも、シリアは化学兵器禁止条約に入ってないので、残念ながら、国際法
違反ではありません。
逆に、アメリカが国連安保理の決議なしにシリアを攻撃したら、そっちの
方が国際法違反です。オバマって、本当に弁護士だったんですかね?

他方、安倍首相は「米国が非人道的行為を食い止めるとの責任感に心から
敬意を表する。オバマ氏と緊密に連携し、事態を改善していきたい」
「(日本として)難民、周辺国支援に取り組んでいく」と応じています。
先月末にアサドに退陣を要求するなど、勇ましかった首相ですが、これも
ずいぶんとトーン・ダウン。
イラク戦争時の小泉首相のように、いの一番にアメリカ支持を表明するア
メポチぶりを発揮するのかと思いきや、今回、首相は、実に思慮深い応答
をされました。

安倍政権は、シリア問題に対して相当に慎重な姿勢のようです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130908/k10014377361000.html

そりゃ、そうでしょう。

シリア問題は、マジで激ヤバなのです。その詳細については、「無双!ホ
サ官養成学校」で。
http://chokumaga.com/magazine/?mid=124

PS
新自由主義じゃない本当の保守の経済論を教えます。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=209053&userflg=0

〔情報収録 − 坂元 誠〕



 ◎憲法判断には「賢慮」が必要だ −  埼玉大学名誉教授・長谷川三千子 

9月4日に、最高裁大法廷は民法900条4号のただし書き中の「嫡出で
ない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし」という部分
を、憲法14条1項に定める「法の下の平等」に違反しているとする判断
を下しました。たしかに字面だけ見れば、この規定は「相続差別」であ
り、憲法違反という決定は当然のようにも思われます。

 ≪均衡のとれた現行相続規定≫

しかし実際には、これはそんな風に簡単に片付けてすむ問題ではない。も
ともとこの規定は「法律婚の尊重と婚外子の保護の調整を図ったもの」で
あって、その調整の結果が、形の上で「相続差別」となっているにすぎな
いのです。

他の多くの国と同じくわが国でも、役所に届け出をしてはじめて「婚姻」
の成立が認められます。そしてそこに、扶養の義務や相続の権利といった
ものが生じる。「法律婚」のうちに生まれる子には、そうした保護が保証
されているわけですが、それ以外の関係によって生まれた「婚外子」には
その保護が及ばない。それを多少なりとも補おうとするのがこの規定なの
です。

しかし他方で、法律婚の内側に生まれた子とそうではない子を完全に均等
に扱ってしまうと、今度は法律婚の意義そのものが曖昧になってしまう。
やはり本筋は法律婚にあるのだということを明らかにしておく必要がある
−−こうした二つの相反する課題の間で、どちらかを切り捨てることな
く、バランスをとって作り上げたのがこの規定だったのです。

もちろんこれは、当事者の全員に百パーセント満足のゆく解決を与えるも
のではありません。そもそも嫡出子と婚外子がともに存在するという状況
自体、そこに置かれた人間には辛く苦しいものであって、今回の発端と
なった遺産分割審判の双方のコメントを見てもそれぞれのやり切れない思
いが切実に伝わってきます。ただ重要なのは、この規定がその双方に配慮
しつつ全体を広く見わたして定められているということなのです。

 ≪覆された平成7年の合憲判断≫

本来、憲法の条文解釈や憲法判断というものは、決して機械的に杓子定規
になされるべきものではありません。今回の決定についての「法廷意見要
旨」にも、冒頭、こんなことが述べられています−−「相続制度を定める
にあたっては、それぞれの国の伝統、社会事情、国民感情なども考慮され
なければならず、また、その国における婚姻ないし親子関係に対する規
律、国民の意識等を離れてこれを定めることはできない」。

つまり、このような熟慮の上に立ってはじめて、それが違憲か合憲かの判
断を下すことができるわけで、こうした憲法判断の仕事が「法の賢慮
(ジュリス・プルーデンス)」の術と呼ばれたりするのも、それ故のこと
なのです。

ちなみに平成7年の最高裁大法廷では、まさに今回の意見書の冒頭に語ら
れた見地から、この規定を「法律婚の尊重と婚外子の保護の調整を図った
もの」と評価し、合憲の判断を下しています。

ではいったい、今回はいかなる理由でその判断が覆されたのでしょうか?

たしかに、社会事情や国民の意識が変化してきた、ということは語られて
います。実際に、いわゆる事実婚による非嫡出子が1・2%から2・2%
に増えているという事実はある。しかしそれはこの問題に直接かかわるこ
とではない、と意見書もはっきりと述べています。唯一目につくのは、現
在欧米諸国でこのような規定をもつ国はないという記述と、「国際連合の
関連する委員会」がわが国のこうした規定に「懸念の表明、法改正の勧告
等を繰り返してきた」という記述です。これ以外には、これと言って違憲
判断の決め手になるような話は見あたりません。

 ≪平等原理主義に陥るなかれ≫

そしてそこに、いささか唐突に結論が述べられます−−「上記制度の下で
父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する
余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子
を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立して
きている」。だからこの規定は違憲だというのです。

しかしこの結論はおかしい。まず、さきほども見た通り、これは親を同じ
くする嫡出子と非嫡出子の利害を調整した規定であって、自ら選択の余地
のない事情によって不利益をこうむっているのは嫡出子も同様なのです。
その一方だけの不利益を解消したら他方はどうなるか、そのことが全く忘
れ去られています。またそれ以前に、そもそも人間を「個人」としてとら
えたとき、(自らの労働によるのではない)親の財産を相続するのが、は
たして当然の権利と言えるのでしょうか? その原理的矛盾にも気付いて
いない。

ここには、国連のふり回す平等原理主義、「個人」至上主義の前に思考停
止に陥った日本の司法の姿を見る思いがします。「法の番人」には本来の
「法の賢慮」を発揮していただきたいものです。(はせがわ みちこ)
【産経ニュース】 2013.9.12 03:21 [正論]

〔情報収録 − 坂元 誠〕


 
━━━━━━━
反     響
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 1)Koreatownの午前中の人出減少は一過性、それとも:前田 正晶

11日の午前10〜11時の間に、新大久保駅前と戸山町の国立国際医療研究セ
ンターをバスで往復しました。朝10:08分に駅前を出たのですが、未だ
Koreaownの方向に歩く女性の数はわずか見ていました。

しかし、バス停で待っている間にそこを通る若者たちで日本語を話してい
るのは本当に少数で、相変わらずトローリー・ケース(キャリーバッグで
はない、念のため)をガラガラと引いて歩く者が何組かいました。あれは
来たのか帰るのか、それとも引っ越しか?

病院の自動支払機で手数料の支払いを終え保険関係の書類を貰い、持って
きたポカリスエットを飲んで一休みしてからバス停に戻れば、運良く直ぐ
に小滝橋行がやってきました。最早11時に近いので、新大久保に着くまで
十分に人の動きを観察しました。

大型の韓国物産販売店にはある程度の人数は見えましたが、明治通りの方
向に向かう女性の数は明らかに全盛期の30%にもならなかったでしょう。
新大久保駅の改札口前も以前よりは空いていました。

これだけでKoreatownが衰退したと言うことは出来ますまいが、確かに人
気は下火になったと言えるかも知れません。そうかと言って、わざわざ午
後になってまで視察に行くだけの勇気は未だ持ち合わせません。

今日は比較的気温も低いと感じ、そよ風すら吹いていましたが、午後には
歯科医の予約もあるので、このまま室内にじっとして発行日が今日になっ
た週刊誌でも読んでいるかと思案しております。



 2)易姓革命と伊勢神宮:須藤 尚人

古代中国の伝説では,君主は生前に臣下の中の最も徳の高い者を後継者と
して指名し,平和裏に位をゆずったといわれています(禅譲)。

その後、世襲制になり、その世襲性も「血統に関わらず天命を持って次の
徳を持った者が治世を継承する。」という考え方で王朝が交代してきまし
た(放伐)。

中国の皇帝は姓を持っていました。王朝が交代する時には、「天命」が革
(あらた)まり「皇帝の姓」が易(か)わることから「易姓革命」と呼ば
れています。このことは、中国では権力の源泉は天上の神であり、天上の
神によって皇帝が変えられることを表しています。

中国の律令制を支えてきたのは儒教であり、易姓革命の正当性は「徳を
失った王は、既に資格を失っている。その王は湯(とう)武(ぶ)が桀
(けつ)紂(ちゅう)を放伐したように打倒して良い。」という孟子の言
葉に表されています。

王を打倒できるかできないかは天命によるというのですから、易姓革命と
いうのは将に革命、下克上の原理と言ってもよいでしょう。そういう意味
では、現代の中国共産党の革命にも連綿と続いているのかもしれません。

日本の天皇には姓がありません。日本の氏姓制度は朝廷(天皇)から授与
された特権的地位の世襲制度でした。天皇は「授ける立場」でしたから氏
姓は持っていません。

大化の改新後、701年に完成した「大宝律令」は日本史上初めて律と令
がそろって成立した本格的な律令であり、日本の国号が定められ、国家と
しての枠組み、「天皇」を制度的に確立したものと言われています。

「大宝律令」では天皇は「明神(あきらかみ)と御宇(あめしたし)らす
日本(ひのもと)の天皇(すめら)」(『公式令(くうじきりょう)』)
と規定されています。

日本を統治しているのは天上の神=天照大神の血統を受け継いだ子孫であ
る天皇である、と宣言しているのですから、どこにも易姓革命の入り込む
余地はありません。

今年は伊勢神宮の式年遷宮(20年に一度社殿を造り替える)の年で、た
くさんの方がお伊勢参りに行っているそうです。ちなみに第一回の式年遷
宮が行われたのは、持統天皇の690年のことといいますから、1300
年以上も前です。

秋の夜長に、伊勢神宮や皇室、日本の神話、日本の来し方行く末、に思い
を凝らしてはいかがでしょうか。(南津軽郡大鰐町)
      


━━━━━━━
身 辺 雑 記 
━━━━━━━

俄かに信じがたいが俄かに秋になった。湿度が急にさがったのだろう。
劈くように鳴いていた猿江恩賜公園の蝉も全く聞こえなくなった。

読者:5253人。


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創刊日:2004-01-18  
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  • 名無しさん2013/09/12

    吉田茂と麻生派河野太郎の大罪−史上最悪の反日的日本人の復活

    http://oncon.seesaa.net/article/109626037.html

  • 名無しさん2013/09/12

    サッカー共同開催の時貸した300億円を早く、韓国は返せ、2018年の冬季オリンピックでは金貸すな、チャイナと朝鮮は2020年に来なくてよろしい、両国ともそれまでに、国家破産の恐れ多い、日本のマスごみと大学に、朝鮮人多すぎ、機会均等法などはすべて、左翼による息の長い陰謀、手引きしている左翼日本人弁護士、大学教授多すぎ、高校大学の朝鮮人、帰化人は一度やめて貰おう、代わりに日本人教授を採用すべき、NHKは一度解体すべき、共産党に乗っ取られた、キャリヤ官僚からも左翼排斥、共産党の志位書記長のおじさん元関東軍中将のごとく自衛隊にも左翼もぐりこみ、至急排斥すべき。黒ラブ

  • 名無しさん2013/09/12

    都内で准教授やっているのだが、 今後5年間で日本人の院生を 減らすような話が出ている。特に韓国の院生を入れろとのこと。

    http://blog.livedoor.jp/abechan_matome/archives/32362246.html

  • 名無しさん2013/09/12

    http://blog.livedoor.jp/abechan_matome/archives/32362246.html

  • 名無しさん2013/09/12

    【速報】 東京の60倍、放射線量が多い韓国ソウル、韓国五輪は中止すべきではないか?という声

    http://netaatoz.jp/archives/8054623.html

  • 名無しさん2013/09/12

    長過ぎないです。

  • 名無しさん2013/09/12

    長過ぎます。

  • 名無しさん2013/09/12

    李元大統領による竹島上陸に始まった韓国の対日敵視政策は、朴政権に至り、さらに過激化しております(既に反日の域を超えている…)。その間、日本国内では、”歴史の直視”要求が逆効果となって、韓国の暗黒かつ残忍な歴史を知ることとなりました(日本に対する加害行為も…)。



      日本人の多くにとって、韓国の攻撃性もまた、中国や北朝鮮に負けず劣らず、内外両面における深刻な脅威です。相手方が、敵意と憎しみを抱き、危害を加えるチャンスを狙っていることが分かっていながら、その相手と友好関係を築くことは、”自殺行為”に等しくなります。友好関係とは、基本的には、相互に相手を信頼することですので、この関係を日韓関係に持ち込みますと、日本人は、常に相手の攻撃性に対して、善意で接するしかなくなるのです。日韓友好の名の下で、日本国が、韓国の理不尽な要求や加害行為に耐えてきたのが、日韓関係の現実なのです。



      友好という言葉が、常に仇となってきた日韓関係の歴史を振り返りますと、むしろ、敵対関係であると認識した方が、合理的な安全対策を取ることができます。日本国は、韓国の脅威にも晒されているという現実を、理解していただきたいと思うのです。

  • 名無しさん2013/09/12

    一時、五輪決定に暗雲が垂れ込めた福島沖の海に流れ込む汚染水問題でしたが、安倍首相の確固たる「国際公約」で見事に逆転。このプレゼンテーションが決め手になって東京五輪の招致が決まったといいます。



    海が日本を護り、海が日本を豊かにしてくれる・・・。「海洋国家日本」にとって、海がいかに大事か。



    日本近海で膨大な資源の発見が続いています。



    無論、これからも油断は禁物。きちんと東北復興を成し遂げ、素晴らしい五輪を開催し、世界に神なる国日本のすばらしさを示すまで、いろいろな困難は予想されます。