急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

RSS

メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。

頂門の一針 2526号  12・2・20(月)

発行日:2/20

□■■□──────────────────────────□■■□
  わたなべ りやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 2526号
□■■□──────────────────────────□■■□



        2012(平成24)年2月20日(月)



                                    猪飼野に通った頃:渡部亮次郎

                               日本の礎を造った渡来人:平井修一

                                高級幹部子弟の権力闘争:古澤 襄

                             予測という名の妖怪が徘徊:古田博司

                                   IT用語は和訳に難儀:前田正晶

                          話 の 福 袋
                         反     響
                         身 辺 雑 記


□■■□──────────────────────────□■■□
第2526号
 
                              発行周期 不定期(原則日曜日発行)
             
               御意見・御感想は:
                  ryochan@polka.plala.or.jp

                購読(無料)申し込み御希望の方は
                    下記のホームページで手続きして下さい。
  
       http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm
    バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/

    ブログアドレスは http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/



━━━━━━━━
猪飼野に通った頃
━━━━━━━━


     渡部 亮次郎

猪飼野(いかいの)は、大阪市東成区・生野区にまたがる、鶴橋から桃
谷にかけてのJR大阪環状線東側と平野川に挟まる地域とその周辺の地域
の総称。住居表示制度施行(1973年)前の地名である。

新住居表示では東成区の「玉津」「東小橋」、生野区の「鶴橋」「桃谷」
「中川」「中川西」「勝山北」「勝山南」「舎利寺」「田島」辺りに当
たる。

私が大阪暮らしをしたのは1973年夏から3年間。町名整理中だったのだろ
うが、私の歓迎会をしてくれた連中の誰もが、そんな事は口にせず、安
いが高級な牛肉とホルモン焼きをおごってくれた。

秋田と大阪は離れているようで、関係が深く、住み着いている秋田県人
の子孫も多い。謎は江戸期に北日本と大阪の物資流通を担っていた「北
前船」。それに乗ってきた秋田人の水夫が大阪に留まった。大阪女にい
かれたのも多かったろう。

初めて目にする韓国・朝鮮人集落は私にとっては珍しく、宴会といえば猪
飼野という時期もあったぐらい。出て来る牛肉に紫色のスタンプが押さ
れてそのまま出て来ることもあった。

内臓を「ホルモン」と呼んでいたが、これは肥料に加工していたものだ
が、よく洗って「身体に力が付くホルモン(放るもん)」として出せば絶
対売れると韓国・朝鮮人の知恵の勝利と言う説明も聞いた。

しかし、日韓併合時代、日本人は、自分たちは焼肉を食べていたが現地
人には絶対、食べさせなかったらしく、1973年6月に初訪韓した我々日本
人記者団に朴政権の閣僚は「大和(やまと)焼き」と言って出してくれた
のが「焼肉」。漬けた肉を裁ちばさみで切った。

だから「焼肉こそは韓国が発祥の地」という韓国人の言は正しいが、但
し、韓国人は戦前は目にはしても食べさせてもらえなかった料理である。
戦後、大阪から帰郷した韓国人が始めたのが韓国式焼肉なのである。

古代・仁徳天皇の時代(5世紀前半)に、多くの「渡来人」がこの地にやっ
てきた。特にこの地域は百済(くだら)からの渡来人が多く古くは「百済
郡」と呼ばれていた。

その渡来人たちがブタ(猪)を飼う技術を持っていたことからこの地域
を「猪飼野(いかいの)」と呼ぶようになる。

さらに、渡来人のもたらした優れた技術により、文献上の日本最古の橋
がここを流れる「百済川」(現在の平野川)に架けられ、通称「つるの
はし」と呼ばれたことから現在の「鶴橋」の地名の元となる。

近代以前は、この地は大阪有数の農村であり、大阪中心部への野菜の供
給地であった。第1次世界大戦時の好景気を反映してこの地に工場の立
地が相次いだ。

さらに、これまでくねくねと曲がって流れていた平野川をまっすぐに付
け替える改修工事が行われ、労働者として朝鮮民族を中心に集められ、
人口が急増する。

太平洋戦争を経て、この地に根ざした在日韓国・朝鮮人によってコリア
タウンが形成されていった。
(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

「猪飼野(いかいの)」大阪の町から、この町名が消えたのは1973年2
月1日。

当時、大阪市は町名変更で猪飼野地区(猪飼野東、猪飼野中、猪飼野西)
は7つに分断され、隣接地域と統合。合併され「猪飼野」という町名は
姿を消した。

コラム「猪飼野界隈の歴史」では当時の百済人との交流から千年以上も
の時を経た現代まで、猪飼野の歴史として紹介していきます。
 http://www.ikuno-koreatown.com/design/rekisi.html

【猪飼野界隈の歴史-序章】 
 
百済門(くだらもん)をくぐるとそこはもう「小さな韓国」です。キム
チを売る店、チマチョゴリの色鮮やかな民族衣装の店。焼肉の匂い。あ
ちらこちらで、韓国語が飛び交います。

生野区は、住人の4分の1が、韓国・朝鮮籍だといいますが、このコリ
アタウン界隈(かいわい)は、明らかにそれより、もっと多くの、朝鮮
半島出身者が住んでいます。

まだ日本語のたどたどしいニューカマーもいます。では、どうしてこん
なに多くの韓国・朝鮮人が、この地に住んでいるのか。

日韓併合(にっかんへいごう) 

明治以来、富国強兵政策をとってきた日本は、日清日露の戦争に勝利し
た勢いで1910年、朝鮮を併合しました。「地図の上朝鮮国にくろぐろと
墨をぬりつつ秋風を聴く」と、石川啄木はこれを憂(うれ)いました。朝
鮮という国がなくなったのです。

日本列島から、朝鮮半島に、沢山の人が入植しました。列島ではうだつ
のあがらない人も半島では有利な経済活動をして、メイドを何人も雇え
るほど、裕福な生活ができました。

逆に、半島から列島へ働きに来る人もいました。厳しい仕事を、劣悪な
条件で働きました。1923年に、済州島(チェジュド)と大阪をつなぐ直行
船「第1君が代丸」が就航してからは、済州島からも働きに来ました。

当時、在阪朝鮮人の人口が、毎年1万人ずつ増えたということです。大
阪の生野・東成区辺りには、大阪城近くにあった砲兵工廠(ほうへいこう
しよう)や、町工場(ゴム・ガラス・鋳物(いもの)・金属・鍍金(めっき)
・染色などの製造工場)の仕事をする人が定住するようになりました。

半島本土から渡ってきた人たちの中には、身体的にはきついけれど、収
入のいい土木作業に従事した人たちも多くいました。平野川の改修工事
に携わった人たちの中にも、こうした朝鮮人が多くいたようです。

1945年、日本の敗戦は朝鮮の「光復」(クァンボク)です。大喜びで故
郷へ帰りました。しかし全員が帰るには、船の段取りにも時問が掛りま
す。

そうこうするうちに、朝鮮(韓国)へ帰っても仕事がない、とか、政情
が不安定、などの理由で、逆流が始まりました。帰り損ねた人、帰った
けれど、ふるさとに仕事がなくてUターンした人が、再び日本で住むこ
とになりました。

大阪には、そのようにして在日韓国・朝鮮人が、たくさん住むようにな
りました。なかでも、生野区には一番多く在日コリアンが住んでいます。



━━━━━━━━━━━
日本の礎を造った渡来人
━━━━━━━━━━━


     平井 修一

日本列島と朝鮮半島、シナ大陸は日本海、東シナ海、黄海で結ばれてい
る一衣帯水の同一圏である。博多あたりが上代から近世まで日本の玄関
口であり、今では博多と釜山は船で3時間足らずという近さだ。国境とか
領海という概念はほとんどなかったから古代人も盛んにこのエリアを行
き来していたろう。

日本に国らしきものができ始めたのはいつ頃からなのか。石器時代から
紀元前10世紀までの縄文時代では族長を中心とした部族社会であったろ
う。

紀元前10〜同5世紀頃には大陸あるいは朝鮮半島から水稲耕作による稲作
の技術をもつ集団が北部九州に移住することによって定住生活の弥生時
代が始まったとされる。それなら初期の弥生人は先住民の縄文人にとっ
て「渡来人」ということになるだろう。

水稲が始まり生産性が高まると、養える人口は増え、集落の周りに濠を
めぐらせた環濠集落もでき始める。大きな部族集団ができ、戦争やら地
縁、血縁をとおして王をいただく国らしきものができていったのではな
いか。

1世紀後半の「漢書」には「倭人は100余国に分かれ漢王朝に朝貢してい
た」とある。やがて邪馬台国が中心国家となっていったようだ。魏志倭
人伝によれば239年に女王卑弥呼が「親魏倭王」に任じられたとある。

渡来人もどんどん増えたろうし、“日本人”も朝鮮半島に押し出し369年
には任那に進出して任那日本府を置いている。“国際往来”は今の我々
が考えるよりははるかに頻繁ではなかったか。

渡来人の多くは知識人や技術者、政治亡命者、その郎党や奴婢だったろ
う。漢字をはじめ建築土木技術、製錬、機織、製陶などの様々な手工業
技術をもたらし、近畿の大和王権に仕える者もいたし、入植してやがて
土着した者も多かったろう。渡来人が日本の礎を造ったと言える。

戦国時代の小豪族、宇喜多直家は謀略を駆使して備前国の大名にのしあ
がったが、歴史書の「和気絹」によれば「先祖は元百済国の王子にして、
兄弟三人船に乗り、当国児島郡に着船す」とあるそうだ。

660年、唐・新羅連合軍の侵攻で百済が滅んだ時に日本は大量の亡命者を
受け入れたから、宇喜多家はその末裔なのかもしれない。

渡来人は地名や建造物にその足跡が残っている。秦の始皇帝の末裔を称
する秦氏(はたうじ)は朝鮮半島経由で渡来したが、京都の太秦(うず
まさ)や神奈川県の秦野(はだの)もその縁だという。

日系人も3世とか4世になると容姿を含めて外国に溶け込むが、古代の渡
来人もまた日本にすっかり同化し、歴史ロマンの中にその面影を残すの
みである。



━━━━━━━━━━━
高級幹部子弟の権力闘争
━━━━━━━━━━━


      古沢 襄

中国の最高指導部をめぐる権力闘争は新しい段階を迎えているとみるの
が妥当ではないか。しかし北京にいるわけでないから詳細はわからない。
ここは北京滞在が長いチャイナ・ウオッチャーの伊藤正氏の見方が欲し
いところである。

折から「太子党」といわれる習近平国家副主席が訪米中である。この習
近平は江沢民前国家主席の上海閥に属するともいわれた時期がある。習
近平には上海市党委書記の経歴がある。そこから胡錦濤VS習近平の権
力闘争を予想する向きもあった。

まず党高級幹部の子弟グループである「太子党」をみてみよう。分かっ
ているだけでも太子党の主な構成員はかなり広範囲。代表格が習近平と
いわれている。

習仲勲ー習近平(子:国家副主席)

劉少奇―劉源(子:軍事科学院政治委員、上将)

林彪―林立果(子:元空軍作戦部副部長)

トウ小平―トウ樸方(子:中国障害者協進会主席)・トウ榕(子:中露

友好協会会長)・トウ楠(子:中国科学技術協会党書記) 

葉剣英―葉選平(子:全国政治協商会議副主席) 

李先念―劉亜洲(娘婿:空軍副政治委員、中将)

陳雲―陳元(子:中国国家開発銀行頭取)

曽山―曽慶紅―曽偉(子:投資家)

江沢民―江沢慧(妹:中国林業科学院院長)・江綿恆(子:中国科学院副
院長)・江綿康(子:中国人民解放軍総政治部組織部部長、少将)

周恩来―李鵬(養子:国務院総理)―李小鵬(子:中国華能集団公司会
長→山西省副省長)・李小琳(子:中国電力投資集団公司会長兼中電国
際社長) 

朱鎔基―朱雲来(子:中国中金公司CEO) 

胡錦濤―胡海峰(子:清華同方威視技術股?有限公司社長)・胡海清(子
:新浪前最高経営責任者(CEO)茅道臨夫人) 

温家宝―温雲松(子:優創科技中国有限公司総裁)

薄一波―薄熙来(子:国務院商務部長→重慶市党委書記)

習仲勲―習近平(子:浙江省党委書記→上海市党委書記→中華人民共和
国副主席) 

汪道涵―汪洋(甥:重慶市党委書記→広東省党委書記)

姚依林―王岐山(娘婿:北京市長→国務院副総理)

兪啓威―兪正声(子:湖北省党委書記→上海市党委書記) 

中国の派閥には共産主義青年団出身者の「団派」がある。2002年に総書
記に就任した胡錦濤をトップに、徐々にその勢力を拡大している。これ
に江沢民前国家主席の上海閥があって三大派閥といわれていた。

上海幇といわれる上海閥は思想的な集団ではない。1990年代以降の改革
解放で恩恵を受けた既得権益層に過ぎないという指摘がある。便宜上、
上海幇とされていた者も多く、江沢民引退後は構成員の多くが胡錦濤派
・団派に寝返った実態がある。

2009年7月に宮崎正弘氏が「”上海派”と胡錦涛”団派”の対立構造」
の一文を書いている。杜父魚ブログに収録してあるので、再掲してみた。

<<習近平と李克強の権力闘争、つぎはリオ・テントをめぐるスパイ合
戦。李克強の訪豪を前に「上海派」と「太子党」が陰湿に胡錦涛執行部
へ揺さぶり。前の共産党大会の人事をめぐる暗闘を想い出していただき
たい。

第十七回党大会は、江沢民の懐刀だった曾慶紅が「引退と引き替えに」、
習近平を三階級特進させた。浙江省書記からまず上海市書記に栄転させ、
ついで政治局常務委員、国家副主席と三段階を一気にまたいだ。曾と、
その背後にいる江沢民と意思である。

同時に曾慶紅は賀国強と周永康を法務公安規律のポストに送り込んだ。
つまり習、周、賀の三人が政治局で「江沢民派」であり、同時に習近平
は太子党の利権を代弁する。

さて上海派と太子党にとって「団派」(共産主義青年団)ほど疎ましく
も邪魔の存在はない。胡錦涛、李克強李源潮、王洋らが団派である。

共産主義の理想を追求し、汚職にときに立ち向かい、政治改革を獅子吼
し、五月蠅いのだ。したがって団派 vs 上海派+太子党 の対決構
造が、いまの中国の権力構造の基軸にある。

さて、先週あたりに李克強の子分たちが、周永康の「捜査」により汚職
で断罪されようとしている事は述べた。李克強のパワーを弱め、引いて
は胡錦涛の指導力を弱体化させるのが目的である。>>

この「団派」と「上海閥」の暗闘は、胡錦涛の勝利で終わった。その結
果、胡錦濤国家主席が率いる共産党の下部組織、共産主義青年団出身者
(団派)と、習近平を中心とした元高級幹部子弟で構成する太子党グルー
プが今後、人事面などで直接対決する場面が増え、抗争が激化する可能
性もある・・・と当時は分析する論調が多かった。

しかし習近平は中立的な立場を保った。「団派」と「太子党」が激突す
る場面も表面的にはみられない。その間に「上海閥」は力を失ったのが
現状ではないか。

江沢民の影響力が失墜する現状で習近平が胡錦濤国家主席と対峙し、
「団派」と対決するのは得策でない。しばらくは中立的な立場を保ち、
胡錦濤から総書記と国家主席の座を継承する策に出ていると私は解釈し
ている。

そんな状況下で重慶事件が発生した。胡錦濤と「団派」は上海派閥の残
留勢力を一掃するため機会を虎視眈々と狙っていたのは確かである。

北京の胡錦濤・温家宝ラインは、江沢民派の重慶市書記・薄煕来の追い
落としを狙っていた。そのために重慶市副市長で、公安局長を兼ねてい
た王立軍を昨年末、中央規律検査委員会に召喚し、薄煕来への調査に協
力してもらえば、王立軍の汚職問題と拷問など司法乱用の数々の問題を
寛大に処理することもできると示唆したという。

王立軍の裏切りを中央規律検査委員会にいる薄煕来の情報員から通報さ
れ、身の危険を感じた王立軍は、成都の米領事館に政治亡命を求めたの
が真相だという。

これを知った薄煕来は命令を下し、重慶市黄奇帆市長が装甲車を含め70
台のパートカーを率いて米領事館を包囲し、王立軍を出すように迫った。

一方、胡錦濤は国家安全部副部長ら7人を派遣し、王立軍を領事館から
受け取り、北京に連れ帰った。王立軍は国家安全部副部長らに「薄煕来
は義理人情のないもので、おれは彼と徹底的に戦っていく」と叫んだと
いう。

このドラマは、重慶事件が単純な亡命申請でないことを物語っている。
成都の米領事館から報告を受けた米国務省は、中国最高指導部の権力闘
争に関与することを避けた可能性がある。政治亡命を求めた王立軍を国
家安全部副部長に引き渡している。

米ウォール・ストリート・ジャーナルは王立軍事件をとらえて、中国の
胡錦濤国家主席から習近平副主席に世代交代する中国共産党の新体制移
行がスムーズに進むのか?と疑問を呈した。 秋の共産党大会までに一波
乱があるとみておいた方がいいのかもしれない。

2012.02.19 Sunday name : kajikablog 



━━━━━━━━━━━━
予測という名の妖怪が徘徊
━━━━━━━━━━━━


      古田 博司

「マグニチュード7級の首都直下地震が4年以内に70%の確率で生じる」
という東大地震研究所の試算は新聞各紙、テレビ各局で報じられて、首
都圏住民を動揺させ、その余波はなお収まっていない。

本来の報告は30年で98%という試算とセットであり、首都直下と断定し
たものでもないが、一つには報道によって先鋭化され、これほど人心を
騒がせたのである。

 ≪将来見通しに不向きな地震学≫

北朝鮮の金正日総書記死去の時もそうだったが、これからどうなるかと
いうことに人々の関心は集まる。当然だが、本当は人間は原因から始め
ることはできない。

結果から遡(さかのぼ)って原因を究明し、その原因から下って結果ま
での経過説明をする。その経過説明が安定的なとき、それを因果という
にすぎない。

恐竜の骨の化石から恐竜の想像図を描き、昔、恐竜が地球に生きていた
という因果論を形成する。逆はできない。三男の金正恩氏の登場から北
朝鮮の滅亡を結論づけるにはどだい無理がある。

これはすでに18世紀、カントが『純粋理性批判』で言っている。人間は
原因を必然として始めることは決してできない。でも未来を知りたがる。
おまけにモダンな時代は科学信仰がかなり長く続いたので、経験と解釈
でけっこう当たるように思いこんでしまった。

地震学や社会科学は予測には不向きな学問だ。被害が大きくなるから実
験も簡単にはできない。結果が出るまでに長い時間が必要である。だか
ら、阪神淡路大震災、東日本大震災など、予測はみな外れた。

マルクスは労働だけが富を生むという労働価値説を唱えた。皮肉なこと
に、それを実践したのは資本主義ではなく社会主義の国々で、労働時間
を埋めるだけのサボタージュが横行した。流通は富を生まないからと等
閑視され、何をどれくらい作ったらよいか分からなくなった。そして滅
びた。

実は、数式を使わない学問ほど因果論の安定性は低い。数学、物理学、
経済学の一部がこうならこうなると言えるだけで、数学とて解けない問
題がある。物理学も不確定性原理の欠陥で揺れている。

 ≪社会科学理論に汎用性なし≫

経済学は目下、マクロで得た直観をミクロで数式化すべく努力中である。
因果論など全て「われわれの習慣がもたらした信念にすぎない」と言っ
てのけた英哲学者ヒュームに対抗し、カントがそれでも良い、われわれ
の頭の中にある因果律という思考様式に当てはまれば役に立つ、と言っ
たところから近代科学が始まるのである。

そこで「社会科学は科学ではない」と言い切ったのは福田恒存だったが、
そう言ってはヒュームのように身も蓋もない。それでも役立つところは
取りたいと、カントのように考えてみる。過去の経験から明らかなよう
に「社会科学の理論には汎用性がない」。いつまでも使えるものではな
いのだ。

例えば、冷戦時代には、米ソ超大国があり、両国の覇権が戦争のリスク
を抱え込む形でかろうじて均衡を成り立たせていた。だが、今やソ連は
崩壊して、ロシアは超大国から一段下に降りている。

米国は経済苦から、2つの大規模紛争に同時に対処する「二正面作戦」
を実質的に放棄する方針を1月5日に公表した。遡って原因を探れば、
冷戦時代に花形だった覇権と均衡の国際政治学はすでに終わっている、
と言わざるを得ない。

だから、冷戦終結後は抑止が効かずにインド、パキスタンへと核が拡散
し、後を北朝鮮、イランが追っている。覇権が消滅し均衡が崩れ世界が
無極化したので、国々がビリヤード台の球のように平等にぶつかり合っ
ているというのが、その間の経過説明である。

≪「覇権と均衡」の世界観が今も≫

金総書記死去後の新聞各紙を丹念に読むと、未だに頭が覇権と均衡の時
代のままで、汎用性を失った国際政治理論を適用しようともがく識者が
いる。

かと思えば、それを半ば捨て、6カ国協議について、「だましだましの
アート」だとか北のブレーキにならないとか言い切る識者が並存してい
る。

中国が北朝鮮の安定に全力を挙げ、非核化や改革・開放を勧めたり促し
たりするという趣旨の新聞社説もあったが、それらは12月26日の野田佳
彦首相と温家宝中国首相との会談や、1月9日の李明博韓国大統領−胡
錦濤中国国家主席会談で、中国の不熱心さを知ることになり、希望的観
測にすぎなかったことが分かった。

彼らはなぜ、覇権と均衡のイデオロギーにしがみつくのか。中国にソ連
に代わる新しい覇権国になってもらい、冷戦の狭間(はざま)で日本が
満喫した、非武装中立の平和主義と経済的な泰平をなおも享受したいと
いう惰性すら垣間見える。

時代に押し流され実用性を失った理論はイデオロギー化するほかないの
だが、人々が忘れ去るまでは、世を徘徊し騒がせる妖怪になり研究費や
助成金を食う。

地震調査研究推進本部は、平成24年度地震調査研究関係予算の概算を取
りまとめ政府全体で464億円を要求しているという。巨額であるだけに、
ちゃんと新しい分析と対策を行ってくれるのか心配になる。(ふるた 
ひろし)筑波大学大学院教授

産経ニュース 【正論】2012.2.17 03:10 



━━━━━━━━━
IT用語は和訳に難儀
━━━━━━━━━


     前田 正晶

 私はカタカナ語排斥論者である。そこに、今週の海外ニュースにはIT用
語がこれでもかとちりばめられていて、和訳に難儀した。しかもその中
にはカタカナ語化されたものもあれば、英語のままか略語が通用してい
るものすらある。

面倒な世の中になったと嘆いているのだが、現代人から見れば、単なる
時代遅れの無知であろうか。

中には「ソリューション」のように複数形にして社名の中に組み込まれ
ていて「何故日本語にしないのか」と訝っているものもある。しかし、
あれはすでに日本語として戸籍を得ているのだ。勿論、ソリューション
も登場していたが、そこに行く前に他の例から。

先ずは“B2C”から。これは“business to consumer”のことで、訳せば
「企業(business)と一般消費者(consumer)の取り引きのこと」だそうで
ある。難儀させられた点はカギ括弧内は解説で、あのままでは原文中の
ように熟語扱いできないことだった。

因みに、検索した結果では、企業間の取り引きは“business to
business”で“B2B”、一般消費者同士の取り引きを“consumer to
consumer”で“C2C”となるようだ。これくらいはある程度 心得ていた
が、簡単な熟語があるかと思って検索に依存して結論に達するまでにか
なりの時間を費やした。

次が上記の「ソリューション」(=solution)であるが、社名に組み込
まれた例を挙げてみれば「キャノンITソリューションズ」、「東芝ソリ
ューション」、「松下システムソリューションズ」、「日立ハイテクソ
リューションズ」、「ロジテックソリューションズ」等々のように、東
芝を除けば何れも複数形になっている。こういう使い方以外にも昨今は
ソリューションが多用されている。

長年“ディジタル・デヴァイド”の世界で過ごしていた当方でも“solve”
や“solution”の意味くらいは解る。そこで現在のIT化の時代では如何
なる意味で使われているかを調べてみた。検索して驚いた。

三省堂ワードワイズ・ウェブには「名詞形のソリューションは解決・解
明・解答」などを意味することになります。実際に日本語でこの語が登
場するのは、主に情報と経営の分野。

その場合「経営上の問題を、情報技術などを用いて解決していくこと」
という限定的な意味になり、具体的には「専門の業者が、顧客の要望に
応じてハードウエア・ソフトウエア・人員などを組み合わせてシステム
を構築し、これを提供するような行為をさします」とある。

Weblioでは分野別でのソリューションの意味と解説が延々と続。その中
から私が適切な解説と思って選び出したのが「特にIT用語としては、企
業がビジネスやサービスについて抱えている問題や不便を解消すること、
または、そのために提供される情報システムのことである」だった。と
いうことは、熟語として訳すことを諦めてカタカナ語にしたという意味
である。

さらにもう一つ例を挙げれば、“e-commerce”=eコマースで、「電子商
取引」も出てきた。これなどは漢字五文字よりも“eコマース”の方が解
りやすいだろうと思わざるを得なかった。

“online shopping”も出てきた。これ は国語辞典に「インターネット
を用いた通信販売。ウェブ-サイト上で商品紹介と受注を行う。オンライ
ン通販。インターネット-ショッピング。インターネット通販。ネット-
ショッピング。ネット通販」とあったが、どれを主語に使うのかの選択
が難しかった。

以上を、時代の進歩というか変化というかIT化の賜物と言うか知らない
が、カタカナ語排斥だけでは通用しにくい時が来たのかもしれない。。



━━━━━━━
話 の 福 袋
━━━━━━━


 ◎国民新幹部、消費増税法案への反対示唆=前原氏は批判、与党に亀


国民新党の亀井亜紀子政調会長は19日午前、野田佳彦首相が3月の国会提
出を目指す消費増税関連法案について都内で記者団に、「消費税増税に
はずっと反対している。そのスタンスを変える立場を取っていない」と
述べ、法案提出や採決の段階で反対する可能性を示唆した。

一方、民主党の前原誠司政調会長は、消費増税に否定的な国民新党を批
判、与党内の亀裂が露呈した。

政府は17日、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%とする社会保
障と税の一体改革大綱を閣議決定。与党の国民新党も容認した。

これについて亀井氏は、19日午前のNHKの番組で「大綱の中に書かれてい
ることが実現不可能なので、実現しないということに変わりないので黙
認しろという(亀井静香)代表の大局的な判断だった」と説明。

「与野党協議の見通しも立っていないのに閣議決定してはいけないとい
うのが国民新党のスタンスだと伝えたが、民主党執行部が周りの意見を
聞かずに突っ走った」とも述べた。

これに対し前原氏は同じ番組で、「中身が実現できないから閣議決定に
賛成したというなら論理矛盾だ。それだったら反
対すべきだ」と強く反発した。  時事通信 2月19日(日)10時50分配信



 ◎27歳新婚夫婦、ハワイで事故…妻死亡・夫重傷

【ロサンゼルス=西島太郎】米ハワイのオアフ島で17日午後、新婚旅行
中の日本人夫婦が乗っていたオートバイがガードレールに衝突。

この事故で、2人とも病院に搬送されたが、妻が死亡、夫も重いけがを
負って治療を受けている。

現地メディアによると、夫婦はともに27歳で、福岡県から家族でハワイ
を訪れ、夫が運転を誤った可能性がある、と報じている。

在ホノルル日本総領事館では、2人の氏名や出身地などを公表していな
い。 
読売新聞 2月19日(日)13時36分配信



 ◎光母子殺害事件、元少年の死刑確定へ…上告棄却

山口県光市で1999年に母子2人が殺害された事件で、殺人や強姦(ごうか
ん)致死などの罪に問われ、差し戻し後の控訴審で死刑となった元会社員
大月孝行被告(30)(犯行時18歳1か月)について、最高裁第1小法廷
(金築誠志裁判長)は20日、被告の上告を棄却する判決を言い渡した。

死刑が確定する。

判決によると、大月被告は99年4月、排水検査の作業員を装って近所の
会社員本村洋さん方を訪れ、妻弥生さん(当時23歳)を乱暴目的で襲っ
て、抵抗されたことから両手で首を絞めて殺害した。泣きやまなかった
長女の夕夏ちゃん(同11か月)も、ひもで首を絞めて殺し、財布を盗ん
で逃走した。

最高裁によると、記録が残る66年以降、犯行時少年で死刑が確定したの
は12人。60〜70年代は被害者が1人のケースもあったが、連続射殺事件
の永山則夫・元死刑囚(犯行時19歳)の判決確定(90年)以降は、いず
れも被害者数が4人だった。

         ◇

 ◆おことわり

読売新聞は、犯罪を犯した未成年者について、少年の健全育成を目的と
した少年法の理念を尊重し、原則、匿名で報道しています。しかし死刑
が確定すれば、更生(社会復帰)の機会はなくなる一方、国家が人の命
を奪う死刑の対象が誰なのかは重大な社会的関心事となります。このた
め20日の判決から、光市母子殺害事件の被告を実名で報道します。 

読売新聞 2月20日(月)15時12分配信



 ◎中国、党大会控え権力闘争 共青団VS太子党

 ■“亡命”事件…重慶市公安トップに胡錦濤派

【北京=矢板明夫】中国中南部の重慶市の公安局トップに胡錦濤総書記
(国家主席)直系の共産主義青年団(共青団)出身者が就任したことが
注目されている。

重慶市は、胡錦濤派と競合する元高級幹部子弟で構成する太子党グルー
プの強い影響下にあり、重慶市の重要ポストを胡派が獲得したことは、
同派が水面下の勢力争いで大きくリードしたことを意味する。

今回の人事は、秋の中国共産党大会後に発足する太子党の習近平政権の
求心力に影響を与える可能性がある。

中国各紙によると、重慶市江津区の関海祥党委書記(42)が17日までに、
同市の公安局党委書記に任命された。前任者は6日に米国の総領事館を
訪問し亡命を求めたとみられる王立軍重慶市副市長だ。現在、王氏は当
局に拘束され、北京で取り調べを受けている。

 ◆追われる薄氏

王氏は、同市を牛耳る太子党の中心的人物、薄煕来党委書記の腹心。経
済問題で党中央規律検査委員会の調査を受け、訴追される危機感をもっ
たことが米総領事館に駆け込んだ原因とみられるが、王氏を追い詰めた
のは、その後ろ盾だった薄氏を追い落とそうとする共青団関係者との見
方もある。

薄氏は2007年に重慶に赴任してから、胡政権が主張する「調和のとれた
社会の実現」と一線を画し、文化大革命を連想させる毛沢東を賛美する
キャンペーンを展開した。その保守色の強い政治手法に胡主席は不快感
を抱いていたとされる。

今回の王氏の事件は薄氏の政治基盤に大きなダメージを与えたようだ。
事件後、地元メディアでも薄氏に関する報道は一時消えた。今も党中央
がコントロールしているとみられる。

 ◆盟友失う習氏

新しく同市公安局のトップとなった関氏は、2年ほど前まで北京の共青
団中央に勤務し、共青団で人事を担当する組織部副部長などの要職を歴
任した同派の若手ホープとされる。

この人事は今後、薄氏が解任された場合、胡錦濤派が重慶市を握る布石
とみられ、薄氏の後任には元共青団第1書記の周強湖南省党委書記らの
名前が挙がっている。

共産党筋は、秋の党大会での薄氏の最高指導部入りは「厳しい情勢とな
った」と指摘。「薄氏が失脚しなくても、影響力をほとんど失うだろう。
習近平氏は政権発足の前に、重要な盟友を失ったといえる。胡錦濤派の
影響力は今回の事件で強化された」(同筋)と分析している。
産経新聞 2月20日(月)7時55分配信


  ◎愛媛・西条市の県道で落石 道路を完全にふさぎ、104世帯165人が
孤立

愛媛・西条市の県道で落石があり、道路を完全にふさいだ。104世帯165
人が孤立している。

落石があったのは、西条市丹原町の県道で、19日午後10時30分ごろ、地
域住民から「落石がある」と通報があった。

県によると、この落石は高さ、幅ともに5メートルほどあり、道路を完全
にふさいでいるため、車は通行できない状態。

この道路以外に迂回(うかい)路はなく、付近の住民104世帯165人が、孤
立状態となっている。

フジテレビ系(FNN) 2月20日(月)13時0分配信



━━━━━━━
反     響
━━━━━━━



 1)大沼安史『世界が見た福島原発災害――海外メディアが報じる真
実』(緑風出版)、「第十四章 ミステリー」は一読の価値があるよう
に思います。(まこと)


 2)◆【防衛省激震!】帰化中国人防大生「工作員」疑惑 
ノンフィクション・ライター 君島文隆 〜新潮45・11月号(10月18日
発売)より 
http://kirigakure090.blog48.fc2.com/blog-entry-276.html )

<<いつも貴重な情報、楽しみに読ませていただいております。ご多忙
と思いますので、用件のみ書かせていただきます。ほかに私の読んでい
るメルマガに、「ウォールストリートジャーナルを読む! 毎日お届け」
http://www.mag2.com/m/0001147612.html

というのがあるのですが、その2月9日号のあとがきに、次のような記述
がありました。

◆もしこれが本当なら、まさに日本の危機で、なんらかの法的手段をと
る必要があるのではないでしょうか

(引用はじめ ↓)
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル2/8号より(抄)「防大の学生に両親が中国人
の学生がいる。当人は日本に留学し帰化しているから試験さえ通れば防
大にも入学できる。警察でも同様。中国から指令が出ているらしく成績
優秀体力抜群、中国で特別な訓練でも受けてきたのでは疑われる連中が
大量に入って来ている。

しかも一旦役職を占めると、必ず後輩の元中国人を後任に指名するから、
要職を元中国人が抑え始めている。

昔は自衛隊でも警察でも出願申請時に戸籍抄本の写しの提出を求めてい
たが人権団体が「出生で差別してはいけない」と圧力を掛けたため、採
用が決まってから日本国籍を証明すればいいことになった」

これ以上に深刻なニュースをしばらく聞いていなかった。茫然自失。

国破れて山河あり、しかしその山河が外国人の所有になっていたら? 我
々は奴隷になるか野垂れ死ぬしか道は残されていない国内の人権擁護団
体の糸を操っていた側は、こうした遠大な作戦を立てていた、というこ
とですね。◆恐るべし、反日国家の深慮遠謀。それに対抗する我が国は…
(以上、引用おわり)

これには私自身も茫然としてしまいました。といっても、まったくの市
井の一庶民である私には、どうすればいいのか、皆目わかりません。

そこで、城内先生をはじめ、発言力ある方々に注意を促していただける
よう、心よりお願い申し上げます。無力なる一庶民より。>>

◆これへの回答ですが、今からほぼ100年前、私は産経新聞「正論」にて
以下のような拙文を掲載していただきました。


あれから10年経ち、国際情勢はいっそう、厳しい状況にある中で、日本
はこの分野ではまったく無防備でお手上げの、今や首相官邸は、米中露、
南北朝鮮のスパイの温床として、つつ抜け状態にあるという悲惨な話を、
最近ある筋からの情報で耳にいたしました。そこで、当時の拙稿、ここ
に再現することにいたしました。

◆<<「有事法に「諜報」欠落の不可思議」

(産経新聞「正論」平成14年4月10日掲載より転載)

「備えあれば憂いなし」。今回日本政府は有事法整備に着手した。恐らく
昨年9月11日発生した米同時多発テロや北朝鮮武装不審船事件を念頭に
おいて、日本も「武力攻撃以外の国及び国民の安全対策としての緊急事
態の対応」を検討する必要に迫られたからに違いない。

◆ドイツではこうした法整備ではすでに今から34年前、 1968年「緊急事
態」に関し「対外的緊急事態」と「対内的緊急事態」に分けて基本法=
憲法に明記しその国家危機管理に心血を注いできており、
それゆえこの分野で日本はドイツに大きく道を開けられてしまったようだ。

戦後約半世紀にわたり東西に二分され、米ソ対立にあって冷戦の最前線
で要塞的役割を果たさなけらばならなかったドイツと、「日米安全保障
条約」のもと、米国の庇護下にあってぬくぬくとしてきた日本とでは、
危機管理に対する姿勢は根本的に異なるので、安易に比較は許されない。

とはいえことここに至って日本も遅まきながら、ようやくこの問題に真
剣に取り組みはじめた。まずは歓迎したいところである。

もっともその一方で、今回の有事法案では、「情報」、とりわけ諜報と
防諜活動部分が見当たらず、どうもこれが気掛かりでならない。 

なぜかというと、有事・平時を問わず、危機管理とは情報管理と表裏一
体の関係にあり

◆情報活動なくして危機管理では「ざるに水を流す」に等しいからだ。
ドイツでいう「連邦情報庁」によるスパイ活動で、日本にはこのような
国家機関が整備されておらず、従って、この分野において日本は他国に
比べ少なくとも半世紀立ち遅れているといわれてきた。

確かに日本にも政府機関として内閣情報調査室などいくつかの情報機関
がなくはない。

防衛庁防衛局に至っては現在日本のCIAといわれているという話も聞
いている。だがこれら情報機関は、海外の情報機関のように一本化され
ておらずてんでんばらばらで、お互いに縄張り争いに終始している始末。
とりわけ外国に比べて見劣りするのは防諜活動である。

防諜活動とは「反国家的勢力の違法な諜報活動を監視し阻止し国家秘密
情報の国外流出を防ぐ」ことで、主な任務は他国からのスパイの侵入を
防ぎ、彼らの日本国内における諜報活動を阻止し違法な活動が行われて
いないかどうかチェックする機関である。

◆だが、日本ではこの活動が殆ど機能しておらす野放し状態になってい
る。もちろん公務員には服務規律として「守秘義務規定」がある。だが
その対象は一般職のみである。

◆そこへいくとドイツは違う。例の冷戦が情報戦争と位置ずけられてい
ただけに、スパイ活動は想像に絶する熾烈なものだった。七十年代ブラ
ント首相が辞任に追い込まれたのは、秘書ギョームが実は東独から送ら
れてきた辣腕スパイだったと判明したからだ。

ギョームは妻とともに、50年代難民になりすまし西独に入国一社民党員
をふりだしに最後はブラント首相の秘書に抜擢された。というわけで、
ドイツではこの事件に限らずこの種のスパイ事件ははいて捨てるほどあ
る。

そのため防諜監視対象は政治家、高官はもとより、在独外国人の宗教組
織などの一部、右翼左翼の過激派分子、マスコミ関係の著名なジャーナ
リスト、キャリア公務員、学術研究者、学者など多岐にわたり、スパイ
による彼らへの接近を遮断する役目も負っている。中でも特に目を光ら
せるのは彼らにまつわる「カネと女」で、秘書も狙われ易く当然その対
象となる。

◆振りかえって日本はどうか。こうしたチェック機関がないためにスパ
イにとってまさに「スパイ天国」である。

戦後の歴代外交官がこれといった極め付きの切り札が出せずに国益を損
ねてきたミス外交がいかに多かったことか。外務省の役人ならとくとご
存知のはずである。

そればかりか一連の北朝鮮外交に見られるように、この盲点を見事に突
かれまるで北朝鮮の広告塔のような国会議員まで登場し、国賊的発言を
許してきた。 理由はいうまでもない。国家組織としての情報機関欠落
にある。

というわけで、今回有事法整備に当たってはこの情報活動面もぜひ議論
の対象にしてほしい。、願わくばこの際、思い切って防衛庁を「省」に
昇格し、速やかに「情報省」設置に踏み切るべきと私は思うのだが。
(我がHP 辛口コラムVol14)>>

クライン孝子の日記(19日付け)



 3)検査を終えた原発の再稼働が進まなければ、4月下旬には国内54
基全ての運転が止まる見通しとのこと。

日本の電源構成の中で24パーセントを占める原発に代わる電力源として、
水力以外には、太陽光、風力、地熱、潮力など再生可能エネルギー源が
まだまだ揺籃期から脱していない現在、化石燃料に頼らざるを得ないの
が現状ですね。

イラン情勢の緊迫化から、日本が中東から輸入する原油の約8割が通過
するペルシャ湾の出入り口に機雷が敷設される危険性が高まり、日本經
濟の死活問題となった石油やLNGを運ぶ船舶を護るため、漸く民主党
政権もホルムズ海峡に海上自衛隊艦船を派遣することができないかと目
下鋭意検討中のようです。

ドイツ国民の強烈な原発反対運動により、メルケル現保守政権も折れて
成立したドイツの原発全廃方針を現実に支えているのが隣国フランスで
あるとは皮肉なものです。ライブドアから「ドイツの脱原発」と題する
一文が発表されていますのでご紹介します。図版も入った全文を転載す
るのは憚られますので、その全文は、下掲のサイトをご覧いただくこと
として、そのURLと、記事の冒頭部分だけをご覧に入れます。

坂元 誠  sakamoto@e-mail.jp



━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━


20日は脳卒中予防措置についての大学病院の定期検診日。病院到着午前7
時50分、退出12時半、この間、診察5分。

配信の遅くなったこと、お詫びします。

ご投稿、ご感想をお待ちしています。下記。↓
ryochan@polka.plala.or.jp

◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら
→ http://melma.com/contents/taikai/

渡部 亮次郎 <ryochan@polka.plala.or.jp>

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。

この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. コメントはありません。

このメルマガもおすすめ

  1. Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

    最終発行日:
    2012/05/13
    読者数:
    12944人

    日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万8千部突破!

  2. 月刊アカシックレコード

    最終発行日:
    2012/04/11
    読者数:
    18088人

    02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家が、政官財界の分析にも進出し、宣伝費ゼロで読者19,000人を獲得。2009年9月から月刊化。

  3. 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

    最終発行日:
    2012/05/17
    読者数:
    18746人

     評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

  4. 甦れ美しい日本

    最終発行日:
    2012/05/16
    読者数:
    7080人

    日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う

  5. 斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」

    最終発行日:
    2012/05/13
    読者数:
    2900人

    日本のように君主制を採用する国は世界的に少なくありませんが、神話の世界につながるほど古い歴史を持ち、国の歴史とともに、1つの王朝が連綿と続いているのは日本の天皇しかありません。しばしばテレビのニュースなどに登場する天皇は、本当は何をなさっている方なのでしょう。知っているようで意外に知られていない天皇・皇室の世界を、日本人の精神史の語り部、斎藤吉久が事実に基づいて、できるだけ分かりやすくお話します。

過去の発行記事