政治・経済

頂門の一針

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頂門の一針 1226号  08・06・23(月)

2008/06/23

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  わたなべりやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針」 1226号
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         平成20(2008)年6月23日(月)



                                     墓を残さぬ理由:渡部亮次郎

                         ドーピング剤の製造基地は中国:宮崎正弘

                             水曜日はレディースデー:内田一ノ輔

                   品格ある国語は、品格ある国民を作る:伊勢雅臣

                                    私の「読書作法」:平井修一 

                         話 の 福 袋
                         反     響
                         身 辺 雑 記


□■■□  ──────────────────────────□■■□
第1226号            
                              発行周期 不定期(原則日曜日発行)
             
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墓を残さぬ理由
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       渡部亮次郎

中国の経済発展を導いた「改革・開放の総設計士」!)(トウ)小平(しょ
うへい)氏が92歳で死去したのは1997年2月19日。告別式は行わず、遺
体は解剖後火葬され、胡錦濤(こきんとう)政治局常務委員(現国家主
席)が3月2日、遺灰を空中から東シナ海に投じた。

その11年前の1976年1月に総理(当時)の周恩来が死んだ時も、遺言により
火葬され、遺灰は空から撒かれた。したがって2人とも墓は無い。毛沢東
のようにはされたくないと思ったに違いない。

毛の権威を必要とした後継グループの決定で、毛の遺体は天安門広場の
記念堂に安置、参観者に公開されている。が、トウ氏もまた、静かに眠
り続けることは難しかった。周恩来の死は毛より先だから、予ねて考え
て居たことを実行したまで。

日本と違って中国は「死者にムチ打ち、墓を暴く」文化を持っている。

異民族の金に屈して和平を結び、英雄岳飛を獄死させて姦阻の烙印を押
された南宋の秦檜(しんかい)を今なお許さず、その像に対してツバを吐
き続ける中国人。

「過去を水に流す」淡自な日本人からは理解できない。それよりも周恩
来も!)(トウ)小平も将来、中国が変化すれば自分たちも墓を暴いて糾
弾されることを察知していたのではないか。

産経新聞北京総局長の伊藤正局長によれば!)(トウ)氏は死去の4日前、
卓琳(たくりん)夫人と5人の子供が党中央に書信で伝えたトウ氏の
「遺志」の書信は「小平同志は徹底的な唯物主義者であり」「一生を余
すところなく祖国と人民にささげてきた」とし、最も質素かつ厳粛な方
式で哀悼の意を表すよう要望していた。

毛沢東の権威を必要とした後継グループ(4人組ら)の決定で、毛の遺体は
天安門広場の記念堂に安置、参観者に公開されている。私も見てきた。
彼の権威を必要としていた4人組が歴史から退場した今、死体をさらされ
ている毛は孤独で哀れである。

なぜなら、現在の改革開放路線こそは毛が生命を賭して封じ込めにかか
った路線。文化大革命の主張の大部分だった。したがって人民の大部分
は毛を尊敬していない。遺体は「公開」ではなく「曝し」に遭っている
ようなものだから。

毛に従いながら実務家として生涯を貫き、あの文化大革命にも失脚しな
かった周恩来。不倒翁と称された周恩来。ところが2007年3月に日本語版
が刊行された『周恩来秘録』によると、周恩来こそは終生、毛沢東に能
力を嫉妬され続けた生涯だったと言う。

だからせめて死後は毛と一緒にされたくないとして忽然と空気になった
のである。3度も失脚させられた!)(トウ)も同様だったのだ。そうだと
すれば天安門広場の記念堂に遺体を薬品漬けで安置、参観者に公開され
ている毛こそさらに哀れである。

私が日中平和友好条約の締結交渉で秘書官として園田直外相(故人)に随
行した時、時折、北京市内で一般市民と接触する機会があったが、其処
からは明らかに毛は好きではないが周は大好きと言う吐露が得られた。
こんなこと言って大丈夫?とこっちが心配するぐらいだった。

先の伊藤局長によれば、家族や関係者の証言から!)(トウ)は、家族を
大事にし部下や仲間の面倒見のいい人柄が浮かび上がる。それは孤高の
革命家、毛沢東とは対照的な常識人の姿だった。

トウ氏の主導で78年に始まった改革・開放は、毛沢東革命になぞらえ、
「第2の革命」と呼ばれる。両者は富強の国家を建設、国民を豊かにす
る理想では一致していたが、毛沢東が、社会矛盾の解決を階級闘争に求
めたのに対し、トウ氏は経済建設こそ先決と考えた。

共産主義化をあせり毛沢東が発動した大躍進政策が失敗、数千万の餓死
者が出た60年代初め、トウ氏は食糧増産のため、部分的な個人生産を農
民に認めた。「白猫でも黒猫でもネズミを捕る猫はいい猫だ」との有名
な言葉はその時のものだ。

改革・開放は「猫論」の復活だった。計画経済と公有制を柱にした社会
主義の原則は次々に破られ、資本主義の原理や手法が導入された。毛沢
東晩年の物質的貧困と精神的抑圧から人々は解き放たれ、中国はみるみ
る活気を回復した。

豊かさと自由−だれもが求める常識人の感覚こそが第2の革命の神髄だっ
た。

「富をどう分配するかは大問題だ」「この問題の解決は発展を図るより
困難だ」「一部の人が富を得て、大多数が持たない状況が進めば、いず
れ問題が起こるだろう」。

トウ氏の持論は、「共同富裕」へのステップとして一部の人が先に豊か
になる「先富論」で、南巡講話でも力説していた。それは急成長をもた
らした半面、格差の拡大と腐敗の蔓延(まんえん)も招いた。今日、先
富論の生んだ矛盾ははるかに深刻になった。

墓を残さなかった周恩来と!)(トウ)小平。中でも!)(トウ)小平は経
済の改革開放をやれば富は豊かになるが、政治面で共産主義体制を維持
する事は決定的な矛盾であり、その矛盾がやがて中華人民共和国そのも
のを転覆させるかもしれない、その時に墓があれば、オレは暴かれると
読む。

革命児は墓を残すべきでない。!)(トウ)小平、周恩来の方が普通人だ
ったようだ。2007.04・07  再掲



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ドーピング剤の製造基地は中国
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)6月23日(月曜日)
通巻第2228号 
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 世界のドーピング剤の製造基地は中国だった
 北京五輪直前、125の製薬メーカーを捜索、3社の製造免許を剥奪
*********************************

本来、「ドーピング」とは麻薬、刺激剤を意味する。

英語の源流は競馬のインサイダー情報、競馬馬に打つ刺激剤から「不正
な賭け事」の意味にも使われる。スポーツが平和の祭典からビジネスと
なるや、「競馬馬」並みにスポーツ選手が、これを悪用しはじた。

五輪でさえ過去に何人ものメダル選手がドーピングがばれて資格を剥奪
された。

中国当局は国内製薬メーカー三社のライセンスを取り上げ、125社を
罰金や営業暫時停止などの処分をした(NYタイムズ、6月20日付け)。

とくに小売りチェーンに出回っていた不正ドーピング剤が取り締まりの
対象となった。

といっても125社のリストは最後まで公表せず、本当に手入れがなされた
かどうか、疑念の余地が残る。

なぜならドーピング剤取り締まり強化は、たぶんに中国のジェスチャー
の可能性が濃く、もともとが米国からの強い要請に基づいて、嫌々の捜
査がなされただけである。

「米国で出回っている不正な薬品、ドーピング製品の99%が中国製品。
昨年に中国の37社の製薬会社への調査を米国製薬査察当局が、中国に
依頼していた」(同紙)。

中国当局が米国からの要請に基づいて37社を調べたところ、そのうち
の17社は中国で登録のないメーカーだった。

昨今の風邪薬、へプリン剤など死者がでて国際問題化した悪性製薬なら
まだしも、ほかにジェネリックと呼ばれる低レベルの薬品(赤チン、用度
チンキ、点滴剤など)が中国で創られている事実は、今後おおきな問題
になるだろう。
 
さてドーピングに絡んで中国には、もうひとつの問題がある。

それは中国人選手の精神的プレッシャーが尋常ならざる状態であること
に密接に絡んでくる。五輪を控えて「愛国」キャンペーン下の中国では
世論を挙げて「米国を越えるメダル数の獲得」が至上命令となっている
ことだ。

運動選手とはいえ、大方が1人っ子の漢族のふにゃふにゃ精神が、これ
を超克できるか?

筆者は、この点に一番の興味がある。


▼スポーツが国家の栄誉からカネに価値観が移行して

冷戦の最中、中国は37年間、オリンピックとは無縁だった。

毛沢東の時代、中国のスポーツはと言えば軍隊と国有企業のなかで、お
もに軍人が武闘、銃撃などを中心の種目で育ったのみだった。
 
改革開放の波で、トウ小平はスポーツも国際化を目指し、国家挙げて、
潜在的な選手を発掘し、国家がコーチを付け、専門的に育て上げるシス
テムを作り上げた。その動機の中心にカネを置いた。懸賞金、栄誉。

人々の目つきがかわった。

2004年アテネ五輪で、中国はロシアを抜いて世界第2位のメダルを獲得
した。そし年後を目指して多くの選手が来る日も来る日もメダルだけを
目的に猛練習を積んできた。

「もし今度も勝たなければ、過去のメタルは意味のないこととなり、個人
的にものすごい精神的プレッシャーがある」と実際に劉シアン(音訳不明。
ハードル競技の選手)が語っている(ヘラルドトリビューン、6月20日付
け)。
 
中国のメディアは有名選手の練習風景にまでテレビカメラを回し、ちょっ
とした怪我も、大きく報じている。

この点では野球選手の動向をこまめに追う日本のスポーツ新聞を変わり
はないが。

一般的に五輪選手への過度に期待、とくに試合前に、国民の期待(中国の
場合は特に出身地の地方政府)があまりにも大きいと、そのプレッシャー
に耐えきれず試合に惨敗するケースは多い。

逆にのびのびと練習して、期待もされていない選手が金メダルというこ
とも往々にして起こった。

だから、柔な神経の1人っ子選手が、この精神の重圧にどこまで耐える
か、それが中国人の現代の精神状況を推し量れるバロメータになるやも
知れず、個人的はとても興味があるのだ。

 因みに日本の選手のなかには君が代をまともに歌えず、「自分を褒めて」
も、国家には感謝せず、ひたすら新型水着の選定の話をしている。ドー
ピングには転じて馬鹿という意味もあるが。。。



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水曜日はレディースデー
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          内田一ノ輔
 
今話題の映画「ザ・マジックアワー」を観てきた。

公開されたばかりでもあり、細かい話はネタバレとなるので止すが、と
にかく面白い喜劇映画であった。ちなみに、タイトルの「マジックアワ
ー」は、別段深い意味は無く、映画の内容とはあまり関係ない。

監督は、「有頂天ホテル」などのコメディー映画を手掛けた三谷幸喜で、
本来は舞台を含めた劇作家でもある。私は、舞台芝居はあまり見ないが、
彼の脚本による「ボードビル」の芝居は見ている。

彼自身、ユーモラスな演技もできる貴重な人材であり、テレビ番組にゲ
ストで出演しても、お笑い芸人顔負けのコミックな演技力もお持ちのよ
うだ。

何れにせよ、本作は彼の代表作の1つとなるのでしょう。難いことばか
り考えている人やストレスのたまっている方には、特にオススメです

本誌の読者の年齢であれば、60年代に日本でも放映された、アメリカの
コメディードラマの代表格である、「ルーシーショー」や「奥様は魔女」
をご存知でしょう。

この2番組に共通しているのは、ドラマの進行中に「観客の笑い声」が
入ることです。日本のドラマでは、このようなテクニック・手法は殆ど
見かけることはないそうだ。

「観客の笑い声」の効果とは何なのかと難しいことを考えたことは無い
が、視聴者の笑いを誘導したり、盛り上げたりの効果は大きいのでしょ
う。

この「観客の笑い声」は邪魔だとか、耳障りだとか言う人もいる。一方、
盛り上がってより楽しめるという人もいる。

通になると、日本人とアメリカ人の笑うつぼが違いが面白いという意見
もある。
 
若い時分に、テレビ放送のある公開番組に何度か行った事がある。そこ
では、ディレクターのような人が舞台脇にいて、手を大きく回したり、
拍手の合図を送ったりする。

手を大きく回したときは、「笑ってください」、拍手の合図をしたとき
は「拍手をしてください」という事前の説明があり、観客も適切な合図
に合わせて、笑ったり拍手をしたりするのである。
 
「ルーシーショー」や「奥様は魔女」は、同じようにスタジオに観客が
いるのか、または、完成した番組に合わせ、観客に笑い声を出してもら
い録音しているのかもしれない。
 
何故、ここで「観客の笑い声」について、くだくだと言うのか。実はこ
こが本文の主題なのです。
 
水曜日の夜、幸か不幸か映画を観ることになった。当然、観たい映画の
筆頭であった、この「ザ・マジックアワー」である。

幸か不幸かと書いたのは、後でわかることなのであるが、この日がちょ
うど「レディースデー」であった。すなわち、女性の割引デーであり、
女性なら誰でも1000円で映画が見られるのである。

タレントのピーターや美容家兼タレントのイッコーにも、この割引が適
用されるか、という疑問を解消するのは私の係りではないので、ノーコ
メントである。
 
レディースデーだ。当然、普段映画を見ないような、お嬢様や昔のお嬢
様たちも、値段の安さで仲間を連れ立ってやってくるのである。事実、
前評判の良さもあり、夜にもかかわらず客の入りは上々である。

そこに、昔のお嬢様の5人連れが、大声で話しながら入場してきた。嫌な
予感。昔のお嬢様たちは、例外なく、映画鑑賞を自宅でのテレビ鑑賞と
同一化してしまう。

つまり、映画鑑賞中に、映画の展開に応じて「泣く」「大声で笑う」
「批判する」「先を読み口にする」時には「口に出して怒る」のである。
そして、連れがいれば、相槌をしたり、同調したりする、

そして、その相乗効果がさらに輪をかけて皆が高揚し、さながらロック
コンサートに来た観客の熱狂状態となるのである。

だが、真面目に? 鑑賞している私には迷惑以外の何ものでもないのだ。
 
ここで、本題に入る。つまり、この映画「ザ・マジックアワー」が、
「ルーシーショー」や「奥様は魔女」状態、つまり「観客の笑い声」入
りの映画状態となってしまったのである。

確かに、この映画は面白いので私も笑ったが、彼女たちの笑いは、誰か
の笑いがディレクターの合図のような役目をし、仲間がそろって大笑い
するという異常な雰囲気となってしまったのだ。

昔のお嬢様が5人寄れば怖いものなし。映画鑑賞がカラオケのようにスト
レスを発散させてくれるのであろう。

あゝ、これがレディースデーのレディースデーたる所以なのだと理解し
た。
 
しかし、このように昔のお嬢様が大挙して、夜の部の映画を見るという
ことは、家庭においても、水曜日はレディースデーがまかり通っている
のでしょうか。

水曜日はレディースデー、女性のストレス発散デーだ。従って、晩御飯
はありません、各自勝手に済ませる事となる。

大いに結構な話ではないか。男もフリータイムだ。さあストレス発散だ。
ただし、映画館に行くことだけは、お勧めしない。



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品格ある国語は、品格ある国民を作る
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            伊勢 雅臣

■1.吾々の護るべき第一の文化財は、日本語そのもの■

武田鉄矢作詞の海援隊ヒット曲『贈る言葉』を好きな読者は多いだろう。
次のような歌詞で始まる。

        暮れなずむ町の 光と影の中
        去りゆくあなたへ 贈る言葉

「暮れなずむ」の「なずむ」とは、「すんなりと進まない」「滞る」と
いう意味であり、したがって「暮れなずむ」は「暮れそうで暮れない」
という意味となる。そんな夕暮れと同様、「去りゆくあなた」も、去り
難い気持ちを抱いているのだろう。

我が祖先は「日が暮れる」という単純な現象を濃やかに観察して、初め
は「暮れそめる」が「暮れなずむ」となって、徐々に「暮れ行き」、や
がて「暮れ果てる」と表現した。

「近年、文化財の保護ということが重視されているが、吾々の護るべき
第一の文化財は、日本語そのものでなければならぬ筈と思う」とは、慶
應義塾塾長にして今上陛下の皇太子時代の教育掛であった小泉信三の言
葉である。

「日本語が文化財」というのは、「暮れなずむ」という言葉を知り、共
感できれば、そこから時の移りゆく様を惜しむ先人の 感じ方、生き様、
すなわち文化を受け継ぐことができるからである。

「日本語を護る」といっても、大仰に考える必要はない。我々が「暮れ
なずむ」という言葉に感ずる所があれば、その言葉の生命は我々の心の
中で継承され、護られていると言える。

そのようにして護りたい美しい言葉のいくつかを本号では紹介したい。

■2.あけぼの、あかつき、しののめ■

清少納言の『枕草子』の冒頭の一節は、学校で学んだ人が多いだろう。

春はあけぼの やうやうしろくなりゆく 山ぎは少しあかりて 紫だち
たる雲の細くたなびきたる。

(春はあけぼのがよい。だんだんあたりがしらんでゆき、山際の空が少
し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいてるのがよい風情である)

「あけぼの」の語源は不明だが、「あけ」は「開け」または「朱」、
「ぼの」は「ほのか」と同根だろう。太陽はまだ地平線に姿を現さない
が、東の空がほのかに明るくなって、明け行く時を言う。

「あけぼの」の前、薄暗い時間を「あかつき」、東の空が少し明るくな
る時刻を「東雲(しののめ)」と言う。

「あかつき」は、奈良時代の「あかとき(明時)」が平安時代に「あか
つき」と転じたもの。かつては「宵」「夜中」に続いて、まだ暗い「未
明」の頃を指した。男が女の家を訪れる通い婚の時代には、この頃に男
が去っていくので、「あかつきの別れ」という表現もある。

今は空が白み始める「明け方」を指すようになった。転じて、物事が成
就した時期を指すようにもなり、「試験に合格したあかつきには」など
と使われる。

「しののめ(東雲)」の語源は諸説あるが、山の端が細く白むのを「篠
(小竹)の芽」の細さに喩えて言ったとする説などは視覚的で美しい。
「あかつき」と同様に「しののめの別れ」とも言う。

     あかつき時を詠った名歌を一つ。

ひむがしの野に炎(かぎろひ)の立つ見えてかへり見すれ
ば月傾かたぶきぬ

(東の野にあかつきの陽炎が射すのが見えて、振り返って見れば月が傾
いていた)

万葉集中の柿本人麻呂の絶唱である。地平線上に現れた「あかつきの陽
炎」を「炎(かぎろひ)」と呼び、その反対の西側に静かに沈んでいく白
々とした月を対比している。

■3.月明かり、雪明かり、星明かり、花明かり、川あかり■

昔は電灯などはなかったので、月、星、雪、花、川など、かすかな明か
りに敏感だった。月の光を「月明かり」、または「月影」とも言う。

        をとめらは夏の祭りのゆかた着て月あかりする山の路ゆく

平成19年歌会始のお題「月」に、常陸宮華子妃殿下が詠まれ
た御歌である。

同様に「雪明かり」「星明かり」「花明かり」「川あかり」などとも言
う。特に「花明かり」は、桜が咲き乱れて、日が暮れても、なおそのあ
たりが明るく感じられる様を指す美しい言葉である。

        蜜蜂の暮れて戻るや花明かり(花臾)

 は、河東碧梧桐の選んだ句で、情景が目に浮かぶようだ。

■4.五月雨(さみだれ)■
    
わが国土は雨が多いので、先人たちは、雨を細かく観察し、描写した。
まずは言わずと知れた芭蕉の名句:

        五月雨(さみだれ)を集めて早し最上川

(長く山野に降り続いた五月雨を集めて、速い勢いで流
れて行く最上川であることよ)

五月雨(さみだれ)は文字通り5月に降る雨のことだが、陰 暦の5月は
新暦の6月から7月にかけて。したがって梅雨時に降る長雨を指した。

一説に、早苗(さなえ)を植える「早苗(さなえ)月」が「五月(さつ
き)」となり、その「早苗が乱れる雨」が「さみだれ」となったという。
水田に植えられた早苗が、梅雨時の長雨によって右に左に傾いている光
景が思い浮かぶ。

■5.時雨(しぐれ)■

「時雨(しぐれ)」は秋の終わりから、冬の初めにかけて降ったり、止
んだりする雨の事をいう。「しぐれ」は「過ぎる」に通じ、「通り過ぎ
ていく雨」の意と言われる。

        九月(ながつき)のしぐれの雨に濡れとほり春日の山は色づ
        きにけり

は、万葉集中の作者不詳の歌。紅葉で色づいた山が、しぐれの雨に「濡
れとほり」、ひときわ、しっとりとした様が浮かんでくる。

陰暦の九月は新暦の10月から11月にかけての時期であり、「夜が長くな
る月」なので「長月(ながつき)」と呼ばれた、というのが通説である。

その他にも、季節に結びつけられた雨として、春雨(はるさめ)、夕立
(ゆうだち) 、秋雨(あきさめ)などがある。

■6.霧雨、小糠雨、篠つく雨■

この他にも雨の降りざまによって、様々な表現がある。夏目漱石は『草
枕』の冒頭で雨の降り出す情景を次のように精密に描写している。

四方(しほう)はただ雲の海かと怪しまれる中から、しとしとと春の雨
が降り出した。菜の花は疾(と)くに通り 過して、今は山と山の間を行
くのだが、雨の糸が濃(こまや)かでほとんど霧を欺(あざむ)くくら
いだから、隔(へだ)たりはどれほどかわからぬ。・・・

糠(ぬか)のように見えた粒は次第に太く長くなって、今は一筋(ひと
すじ)ごとに風に捲(ま)かれる様(さま)までが目に入(い)る。

霧雨は「雨の糸が濃(こま)やかでほとんど霧欺く位」の雨。霧雨より
もやや雨粒が大きくなると「小糠(こぬか)雨」と呼ぶ。「小糠」は米
を精白する時に出る細かい粉のこと。

さらに雨足が太くなると「篠つく雨」という。「篠」は「しののめ」で
も言及したが、群がって生える細い竹のこと。篠を付き降ろしたように、
激しく降る雨を描写した表現である。

その他にも、雨の降り方に従って、俄雨(にわかあめ) 、驟雨(しゅう
う) 、豪雨(ごうう) などがある。

■7.山笑う、山滴(したた)る■

山の景色も四季折々に表現された。「山笑う」は、山に花が咲き乱れ、新
緑が芽吹き、明るく華やいでいる様子の表現である。俳句では春の季語
に使われる。この場合の「笑う」とは、高笑いというよりは、朗らかな
明るい笑顔を想像すべきだろう。

もともとは、11世紀の北宋の山水画家、郭熙の『郭熙画譜』
にある:

         春山淡治にして笑うが如く、夏山蒼翠として滴るが如く、
        秋山明浄にして粧ふが如く、冬山惨淡として眠るが如し

から、俳句の季語として広まった表現とのこと。

        故郷やどちらを見ても山笑ふ

は、正岡子規の句。故郷・松山を囲む山々が、春の陽光のもと、賑やか
で活き活きとした緑で子規を迎えた様が偲ばれる。夏の山は「山滴(し
たた)る」、「緑滴る」の意である。

        山滴るそのしづかさにひとりゐる

は、現代の俳人・大橋敦子氏の作。深い滴るような山中の緑の視覚的な
賑わいと聴覚的な静寂とが、対照の妙をなす。

秋の山は「山装(よそお)う」、紅葉で美しく装った様を言う。冬の山
は「山眠る」で、白い雪に覆われて、眠り静まっている。

山を擬人化して捉える表現は、古来から、山も「生きとし生けるもの」
の一つとして考えた日本人の感性には当然のものであったろう。
    
■8.いざよう、たゆたう、たなびく■

自然を細やかに観察し、和歌や俳句で表現してきた日本人は、
その過程で美しい形容語を生み出してきた。その一つが「いざ
よう」。

        もののふの八十宇治川(やそうじがわ)の網代木(あじろ
        ぎ)にいさよふ波の行方知らずも

(宇治川に仕掛けられた網代木に寄せる流れは一時行く手を遮られて行
方は分からないことだ)

柿本人麻呂の歌である。「もののふ」は「物部氏」で、多くの氏があった
ことから「宇治、八十、八十宇治川」にかかる枕詞となった。「網代木」
は「網代(川魚をとるしかけ)」を支える杭のこと。「いさよふ」は
「ためらう、ぐずぐずしてはやく進まない」の意味。

十六夜(いざよひ)も「いざよう」が語根で、月が十五夜の満月よりも、
少し遅れてためらいがちに出てくることから、こう呼ばれた。

「たゆたう」は、ゆらゆらと水や空中をさまよう様子を表現する。

        天の原吹きすさみける秋風に走る雲あればたゆたふ雲あり

江戸時代中期の国学者・歌人、楫取魚彦(かとりなひこ)の歌である。

「たなびく」は、雲や霞(かすみ)などが横に薄く長く引くような形で空
にただよう様を表す。    

        秋風にたなびく雲の絶えまよりもれ出づる月の影のさやけ
        さ

新古今集に収められ、百人一首にも選ばれている藤原顕輔(ふじわらの
あきすけ)の清涼感あふれる一首である。

■9.「日本語は日本人の精神的DNA」■

明治期の近代化の過程で、標準語や仮名遣いの統一に尽力した東京帝国
大学国語研究室の初代主任教授・上田萬年(かずと        し)は、こ
う言っている。

言語はこれを話す人民に取りては、恰(あたか)も其血液が肉体上の同
胞を示すが如く、・・・日本語は日本人の精神的血液なりといひつべし。
[1,p177]

現代なら「日本語は日本人の精神的DNA」と言う所だろう。本稿で紹
介した歌や俳句が、あなたの心の中に響いてくるならば、それはあなた
の生まれや人種を問わず、あなたが日本人の 精神的DNAを継承してい
る同胞の一人であることを示している。

そして日本語の精神的DNAを継承して、「暮れなずむ」というような
言葉に共感できる人は、夕暮れの一時をそれだけ豊かな気持ちで過ごす
ことができる。言葉は我々の心を豊かにする糧でもあるのだ。

この精神的DNAはここで紹介したように代々の日本人を通じて継承さ
れ、発展してきたものだ。本稿では8世紀初頭に活躍した柿本人麻呂の
和歌を紹介したが、13百年前の日本人の和歌を現代の日本人がほとん
どそのまま理解し、共感できるというのは、驚くべき事なのである。

こうした豊かな精神的DNAを受け継いだ幸福を、子孫に受 け渡していく
義務が我々にもあるのである。


■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 倉島長正『日本人が忘れてはいけない美しい日本の言葉』★★、
   青春出版社、H17
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413041119/japanontheg01-22%22
                                         
■■ Japan On the Globe(553)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

                  国柄探訪: 国語の品格
                      
■転送歓迎■ H20.06.22 ■ 38,215 Copies ■ 2,875,402 Views■
  無料購読申込・取消: http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/



━━━━━━━━
私の「読書作法」
━━━━━━━━


        平井 修一

読書は本来「余暇」だろうが、余暇として本を読んでいたのは我が人生
の半分(35歳まで)。後の半分はほとんど「仕事としての読書」だった。
書評も仕事だった。ブンヤ(羽織ゴロ)だから、まあ、こんなものだろ
う。

今はブログのネタを探すためにも必死で読書をする。「必死」というの
は本当で、後ろから「俺を読んでくれ!」と見ず知らずの作家が「アマ
ゾン」を通じて小生に売り込みを掛けるのである。

こんな具合だ。

<「Amazon.co.jpのお客様へ、

Amazon.co.jpで、以前に「久米 邦武の本」をチェックされた方に、この
ご案内をお送りしています。『特命全権大使米欧回覧実記 4 普及版 ヨー
ロッパ大陸編 中―現代語訳 1871-1873 (4)』、現在好評発売中です。 
¥ 1,890で注文するには、以下のリンクをクリック」> 

小生は偏屈でつむじ曲がりだから、ごく少数の人しか読まないものを読
む。それは一種の苦役である。この苦役を重ねると「快楽」になる。ま
あ、マゾか。

今読んでいるのは「旧約聖書」の創世記だ。30年前に一度読んだが、ちっ
とも身につかなかった。30年後の今日は、ショックの連続である。

なんという世界だろう、2000年前の「えげつない」遊牧民の世界を描い
ている。騙す、騙される、犯す、犯される、売る、売られる、殺す、殺
される・・・

弱肉強食の世界で、イスラエルとパレスチナの抗争の世界が今も変わら
ずに続いていることに、農耕民族(対立を超えて協力しないと食えない
民族)の小生は感慨無量の思いをする。

必死で読書を続ける。なにか先人の知恵により今を解きほぐすような
「解決策はないか」と探し求めている。こんな思いで読書をしている人
はあまりいないだろうなあ、と思う。すべてに回答してくれるような古
典、快刀乱麻に出会いたいと必死である。

小生にとっての読書はそんな思いである。アホかと言われればアホだろ
う。もしかしたら敬意を表してくれる人がいるかもしれない。

次回は「文章作法」について述べたい。どうぞ付きあって下さい。



━━━━━━━
話 の 福 袋
━━━━━━━


 ◎国交省「無駄遣い」一転、タクシー券利用半減…批判で自粛

道路財源の無駄遣いに対する批判が相次いだ国土交通省で、今年4月に
支出したタクシー券代(出先機関や外局を含む)が、前年同月に比べ半
減していることがわかった。

中でも、関東地方整備局の道路部では1000分の1に激減した。職員が使
用を自粛したとみられる。深夜帰宅の際に運転手からビールや商品券な
どの提供を受ける「居酒屋タクシー」の問題も中央省庁で発覚する中、
これまでの支出の適正さが問われることになりそうだ。

国交省によると、全国8か所の地方整備局、海上保安庁などの外局を含
めた今年4月のタクシー券代は、国会会期中だったにもかかわらず計約
9500万円で、前年同月(約1億8000万円)の52%にとどまった。

単純平均では、本省職員1人あたりの月使用額は2万4000円から1万
6000円に、本省以外も1300円から450円にそれぞれ減少した。

同省では、全体の職員約6万3000人が06年度に使用したタクシー券代は
総額24億3000万円。このうち、本省職員約4100人の使用額はほぼ半分の
約12億4000万円だった。

一方、地方整備局で最も大所帯の関東地方整備局の道路部(職員116人)
は、昨年度はタクシー券代として道路財源などから計約4200万円を支出。
出先機関でタクシー利用額の多い職員上位10人のうち7人を同部が占め
た。

しかし今年度は、4月のタクシー券代はゼロ、5月も、8日未明に起き
た茨城沖地震で急きょ出勤した職員2人が計7360円を支出しただけ。2
か月間で、前年の月平均の支出額約350万円に比べ1000分の1になった計
算になる。

タクシーの利用が減った反面、職場のソファなどで朝まで仮眠するなど
した同部の職員は2か月で延べ約250人いたという。

同省のタクシー券を巡っては今年3月、一部の地方整備局に使用規定が
ないなどの実態が国会で判明。02〜06年度の支出総額は約132億円に上り、
一般会計から約51億円、道路財源などの7つの特別会計から約81億円が
支出されていたことが明らかになった。

同省幹部は「批判を浴びるぐらいなら、終電前に帰宅したり、朝まで仮
眠したりして、タクシー券使用を控える空気が強い」と話す。  
6月22日3時2分配信 読売新聞



 ◎橋下知事暗殺をネットで呼びかけの男逮捕 府警

インターネットの掲示板に橋下徹・大阪府知事の暗殺を呼びかける書き
込みをしたとして、府警捜査1課と東署は22日、脅迫容疑で、東京都世
田谷区船橋、システムエンジニア、安永博一容疑者(35)を逮捕した。

安永容疑者は大阪市出身で、「橋下知事の財政再建プログラムに反感を
持っていた。目立とうという気持ちもあった」と供述しているという。

調べでは、安永容疑者は6月6日午前1時40分ごろ、自宅のパソコン
を使ってインターネットの掲示板に「『浪花の金正日』橋下徹を殺害し
よう!」「橋下をテロで暗殺したい奴集まれ」などと書き込み、橋下知
事を脅迫した疑い。

掲示板を見た人が12日に警察庁に通報。府警がIPアドレスを分析し、
安永容疑者を割り出した。6月22日15時24分配信 産経新聞
 

 ◎NOVA元社長近く聴取 社員積立金3億円超流用か 

破産手続き中の英会話学校「NOVA」(大阪市)の猿橋望・元社長
(56)が昨年7月、社員の互助組織の積立金約3億円を受講生への返還
金に流用した疑いが強まり、大阪府警捜査2課は、業務上横領容疑で猿
橋元社長を近く強制捜査する方針を固めた。

積立金は社員の福利厚生が目的だったにも拘わらず、社員側に無断で流
用されていた。

英会話学校最大手の経営破綻は、カリスマ的存在の創業者の刑事事件に
発展する見通しになった。

調べや関係者によると、猿橋元社長は昨年7月、NOVAの社員でつく
る互助組織「社友会」の積立金約3億2000万円について、関連会社「ノ
ヴァ企画」の役員を通じ、NOVAの口座に移し替えるようNOVAの
経理担当者に指示。

解約した受講生への返還金に流用した疑いが持たれている。

代理人弁護士らによると、積立金は同月20日にノヴァ企画に送金。ノヴ
ァ企画の4000万円とともに、同日中にNOVAの口座に移された。

NOVAの口座に元々あった3億6000万円を合わせた7億2000万円のう
ち、6億7500万円が返還金に充てられたという。

NOVAはこの1カ月前、経済産業省から誇大広告や勧誘時の虚偽説明
などで一部業務停止命令を受けたため、解約を申し出る受講生が続出。
資金繰りが一気に悪化していた。2008.6.22 14:49産経ニュース
 
 
 ◎船の乗客ら800人不明か  比中部、客船沈没と報道

【タグビララン(フィリピン中部)22日共同】フィリピンの民間ラジオ
DZMMは22日、台風6号が通過中の同国の中部シブヤン島沖で座礁し
た客船が沈没し、乗客乗員約800人が行方不明になったとみられると報じ
た。フィリピン海軍が現場に向かった。

DZMMによると、付近の島に、女性の2遺体と複数の救命具が打ち上
げられているのを住民が目撃した。

船の所有会社スルピシオ・ラインズによると、乗客705人と乗員121人が
乗船していた。外国人客はいないとみられる。在フィリピン日本大使館
によると、現地時間の22日午前時点で日本人が乗っていたという情報は
ない。

船は20日夜、マニラから中部セブに向け出発。21日正午ごろ、シブヤン
島から約13キロ沖でエンジン故障に見舞われ座礁した。沿岸警備隊など
の救助船が台風による高波で近づけない中、交信を絶った。

台風6号は、フィリピンの中部や南部を20日から21日にかけ通過した。
2008/06/22 13:08   【共同通信】 
 
 
 ◎宿泊キャンセル2万人=「余震怖い」、観光に打撃−岩手・宮城地震

岩手・宮城内陸地震は、岩手県の観光産業にも大きな打撃を与えている。
営業休止を余儀なくされた被災地の宿泊施設だけでなく、「余震が怖い」
などの理由から、県内各地で宿泊客のキャンセルが相次ぎ、その数は業
界調査で2万人近くに上る。

関係者からは「今後もキャンセルが増えれば、経営への影響も必至」と
懸念する声が出ている。

県内の旅館やホテル業者で組織する観光団体が約350施設を対象に調査し
たところ、20日午前の段階で、延べ1万9000人を超える客からキャンセル
の連絡が寄せられた。余震のほか、交通機関の運行を不安視する声もあ
るという。

被害が大きかった一関、奥州両市では再開のめどが立たない宿泊施設が4
施設ある。

奥州市の「国民宿舎サンホテル衣川荘」は地震の4日後に再開したものの、
キャンセル数は400人以上という。副支配人の千葉正義さん(52)は「客
足はこの時期の平均の4分の1程度。宿泊予約も少ない」と話す。
 
震源地から離れた盛岡市近郊の温泉街にもキャンセルの連絡が入ってお
り、ホテルの社長(62)は「建物に被害はなかったが、連日取り消しの
電話がかなりある。(影響が)長引かなければいいが」と不安顔だ。 
6月22日14時30分配信 時事通信
 

 ◎実は毒!うっかり食卓に…アジサイの葉で食中毒

アジサイの葉は有毒なので、ご用心−。茨城県は22日、つくば市内の飲
食店で料理に添えられていたアジサイの葉を食べた客8人が食中毒症状
を訴えたと発表した。2人が病院で検査を受けたが、全員快方に向かっ
ている。

県によると、アジサイの葉などには「青酸配糖体」と呼ばれる有毒成分
が含まれ、胃の中の消化酵素と反応することで、青酸(シアン)が生成
され、中毒症状を引き起こすという。

店はアジサイが有毒植物と知らず料理に使ったとみられ、県は「アジサ
イの葉による食中毒は極めて珍しい」(食の安全対策室)としている。

つくば保健所によると、13日夜、同市金田の飲食店にいたグループ19人
のうち、34〜60歳の男女8人が、食事を始めて約30分後におう吐などの
症状を訴えた。8人はいずれも「鳥肉梅しそ和え」に添えられていたア
ジサイの葉を食べていたことが判明した。6月22日配信 産経新聞
 
 

━━━━━━━
反     響
━━━━━━━


 1)平井修一さんが、本誌1225号で「心身耗弱・喪失規定の廃止を」
と主張された。賛成。そのとおりである。私も、以前(2005/11/7本誌
233号)、「刑法39条の憂鬱」という表題の投稿でくどくどと書いた。何
とかしなければという危機感からである。

裁判員制度の実施にあたり、裁判員の判断にも大いに悪い影響を及ぼす
ことであろう。(なお、私は裁判員制度自体に反対である)(馬場伯明)
 
 2)元産経新聞論説副委員長で、現在はジャーナリストの花岡氏は、
ブログに「たばこ増税か消費税か」との記事を書かれている。本誌にも
載るのかもしれません。

http://www.melma.com/backnumber_142868_4136745/
 
氏いわく、「消費税に取り組むには、ある種の「狂気」ともいっていい
ほどの政治的胆力がないと、とてもではないが無理である」そうである。

政治家がバカだと思っている国民でも、「天下り関連を始めとした、行
政の無駄」をまず改革し、「政治家の利権がらみで、無駄な予算が使わ
れる」状況を改革せずに放置し、弱者を切り捨てるという現状を知って
いる。

これらに対し、何の改革もしないで(実際はやり遂げる能力がない)、安
易に増税だけを考えている政治家にとっては、消費税を上げるという行
為は、「国民をだます」事に他ならない。

となれば、詐欺師と同じで、一か八かであり、どじを踏めば最悪の事態
となる。当然、胆力は必要であろう。しかし、こんなことで、「政治家
の胆力」を論じる事自体嘆かわしいのである。

かといって、おかしな偏狭の胆力を持った変人でも、これまた困るので
ある。
 
国民は、上記のような改革が効果的に実施され、夢も希望も持てる老後
の設計が実感でき、子供たちに対し、将来の希望が語れるような政治が
行なわれれば、北欧のように高い消費税でも受け入れる事ができるのだ。
むしろ、喜んで受け入れるでしょう。
 
一方、胆力のない政治家は、発言力の弱い愛煙家をターゲットとした。
よくわからん右翼くずれと思しき男の発言を取り上げ、タバコを1000円
にするとか、落とし所の600円がよいとか、果ては、お得意の健康問題ま
で持ち出してくる。

多数派の扇動を狙う発言であり、禁煙ファシズムを巧みに利用しようと
する、真性ファシズムに他ならない。結局、「その場しのぎ」の政策で
あり、国民の幸せには結びつかないはずだ。
 
しかし、見え隠れしながら、巧みな文章を駆使し、その雰囲気作りに手
を貸しているのではないのかと、言いたくなるようなジャーナリストは、
如何な物か。

百万が一、選挙に立候補するとなれば、それは個人の勝手だが、笑い話
であることに違いはない。この件を除けば、支持したいジャーナリスト
である。(関東人)

主宰者より:たしか花岡氏は愛煙家。


 3)1224号拝読。

>ところで小生は縄文人か弥生人の末裔だが、アイヌは小生より「先住民
族」なのか? 科学的根拠を示して欲しいものである。<

http://iza0606.iza.ne.jp/blog/entry/584934/
では

drhnakai.hp.infoseek.co.jp/sub1-28.html

このサイト主はどうも、左のようだが、「縄文人=アイヌ説」を唱えて
いる。

もし、そうであるならば、やはり、日本は「単一民族国家」で「先住民」
はいなかった事になる。

http://mickeysa.hp.infoseek.co.jp/nagai/nagainon/nagainon03/nagainon03.html
では

!)アイヌは原日本人である... アイヌは縄文時代人が小進化したもの

アイヌは謎の民族として、その成立についてあらゆる説が出された。昭
和20年頃から「アイヌ白人説」が有力になってきた。

しかし、埴原はかつて小金井良精(こがねいよしきよ)が縄文時代人と
アイヌの骨を比較し、「縄文時代人=アイヌ説」を唱えたことを継承す
る。

昭和41年に埴原は、アイヌ白人説を「証拠が乏しくて認めがたい」と主
張し、その後の多面的な調査から、アイヌがモンゴロイドであることを
結論づけた(歯、血液型の特徴はモンゴロイド的。白人特有の標識遺伝
子の欠如、等...)。

http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/e8eed21484cd6acc039a3e1b556b1f74
では
大和朝廷の「蝦夷征伐」など、古代からの歴史に登場する「蝦夷」をアイ
ヌと捉える向きもあり、アイヌを東北地方以北の全土(飛躍した説では
日本全土)に住んでいた原日本人の一つとする説もあった。

しかし、今では、彼らの祖先は日本人と同じように縄文人の一部を形成
し、続縄文文化、擦文文化を経てアイヌ文化の形成に至ったことが明ら
かになっている。などとありますね。(北海道)

  4)中国屋・鈴木隆史についてのメモ 平井修一

先の敗戦で我が国は7年間も敵の占領下にあったが、その間にパンパンの
ように占領軍に迎合する論を唱えるインテリ売国奴が続出した。当時、
小生は幼児で、キャンプ座間の近くに住んでいた。

姉が言う。「あんたはおねだりが上手だったわよ、3歳の子供が電柱を支
える斜めのワイヤーにぶらさがりながら、Give me chocolate! って米
兵のジープに声をかけるか ら、ずいぶんとお菓子をもらったものよ」。

小生はパンパンもインテリ売国奴も嘲笑する資格などありゃあしないの
である。それでもこの男には噛み付きたくなった。

鈴木隆史 すずきたかふみ 元:名城大学教授
中国屋。日中友好協会でしばしば講演。

小生が思うに中共のエージェント。
「満州国」・開拓団・「残留孤児」「『満州国』とは何であったか」な
どと講演。中共におもねる内容。

その主張:
<日本政府と関東軍の関係は、東京に参謀本部があり、現地の満州に関
東軍がいるというものであったが、張作霖爆殺事件に見ることが出来る
ように、現地の実権はほとんどと言っていいほど関東軍が持っていた。

日本政府の田中義一内閣は、国民革命軍の進攻を抑え、満州の特殊権益
の温存を図ろうと張作霖を擁護する姿勢にあったにも関わらず、関東軍
は満州の地で日本政府の擁護策を無視して事件を起こしたのである。

関東軍はいち早く中国と戦端を開き、戦闘を開始したがっていた。この
事件も戦端を開くことのきっかけにと起こしたものである。そんな関東
軍の勝手な行動を東京の参謀本部は把握できず、満州では関東軍のやり
たい放題の状況であった。>

以下は現在ではコミンテルン・中共の仕業だとされているが、鈴木隆史
をはじめとする中国屋は日本帝国主義がやったと主張。

<満州を武力占領するために1928年6月には関東軍高級参謀河本大作らの
謀略によって張作霖を爆殺したがこれは失敗に終わった。その後、1931
年9月18日関東軍は奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖で満鉄の線路を爆破
し、これを中国軍の仕業だとして軍事行動を開始した。>

朝日を読んで岩波で補強する。すなわち嘘の上に理論を重ねる輩だろう
から、この男は小生にとってすこぶる信頼度は低い。残留孤児問題でも
すべて日本が悪いと中共をヨイショし、日本政府を叩き、残留孤児案件
で儲けた人ではないか。

この件は結構なバラマキで、すこぶる利権の匂いがする。鈴木隆史は
「遺棄」?化学兵器でも利権を漁りかねない反日ネットワークの怪しい
人物である。

防衛族の末席で Give me chocolate! と言っていた小生が偉そうなこ
とは言えず、「この世は利権」と承知はしていても、かようにGHQの言い
分を恥じることなく垂れ流す輩を小生は「いかがなものか」と思うので
ある。


 5)ご無沙汰いたしております。新宿にご一緒して以来、時間があっ
という間に経過してしまいました。ますますのご健筆ぶりに頭が下がり
ます。

ことに、最近は読み応えのある文章に溢れかえり、「頂門時間」がすっ
かり長くなってしまっております。

「小学校から英語」の話題も活発ですが、このところ暗澹たる思いを払
しょくできずにいます。

日本人から国語が、つまり国語で考え、国語でつくりあげていくという
従来の教育方法に強力な「楔」が打ち込まれた思いがします。

つまり、全国津々浦々に白人(だけではないですが)が入り込み、小学
校の児童の段階から「洗脳する」という行為が、公然と認められたとい
うことです。「洗脳」がいよいよ本格的になったということなのでしょ
うか。

歴史を棄て、伝統的な日本文化を棄て、中途半端な日本語と中途半端な
英語を身につけた、中途半端な日本人の養成が始まったとみています。
「和魂洋才」が今や死語となり、「洋魂和才」の日本人を国を挙げて作
ろうとしているのでしょうか?

武器無き占領がその最終段階に入ってしまったと言ってもいいのではな
いかと思っております。

「カネ縛り状態」の戦後の日本人が、さらにその症状を加速させ、「西
洋のことなら何でも受け入れる」状態にまで事態は進展したということ
なのでしょうか。そして、彼らの使い走りどころか、いよいよ隷属しや
すい日本人造りが始まったのでしょう。

数百年、いや数千年数万年の生活環境の違いから育まれた「彼我の違い」
をはっきり認識しないまま、つまり根本のところで全く違う領土や民族
に対する考え方の民族の言語を幼少のころから叩き込まれる結果育って
くる日本人とは、いったいどんな日本人になるのでしょうか。

独り、片隅で悶々としています。

益々のご健筆を期待いたしております。季節がら、ご自愛くださいます
ようお祈りいたしております。(歯科医)


 6)自分が常連の投稿者だからではないが、「頂門」は面白い。

いろいろな方のいろいろな考えを知ることができる。赤軍派の塩見議長
の話なんて、まず、「頂門」でしか読めないのではないか。

いろいろな意見、いろいろな考え。主宰者としてそれを捌く(交通整理
する)のは大変だろうなあと思う。

小生のように右端を歩く人、できる限り中央よりに歩く人、左に傾斜す
る人とか、いろいろだから、非常階段の昇降より編集のほうがはるかに
ストレスだろう、と思う。

無理せずに日刊を、と、無理を承知で期待しています。(平井)


 7)1222号の反響欄 関東人氏の「九州男」へのご意見拝読しました

>>>山堂コラム/「かつての「年功序列・終身雇用」、いろいろあげつら
う論者もいるけども、わが国の戦後の復興と社会の秩序を支える原動力
になったのはたしか。その伝統的で安定した雇用体系をぶち壊したのが
弱肉強食の市場原理主義。アメちゃんのグロバリ経済。」

>>九州男/「たしかにバブルの崩壊は日本の雇用を変えましたが、それ
も一断面に過ぎません。元々、今まで、余剰人員を大量に抱えていた大
中小の企業が、一斉にスリム化を図ったことが原因ですが、民間企業に
とって再生には避けられない必要な処置だったとは考えられませんか。」

>関東人氏/九州男氏は、「山堂コラム」の書かれている本質が見えてい
ないのでは。 >確かに、不況下である業種では「企業にとって再生には避
けられない必要な処置」で有ったケースもあります。

しかし、いわゆるリストラは、優良な業績にもかかわらず、世の中のリ
ストラブームに便乗し、リストラ=社内の厄介者払い=業績向上という勝
手な解釈をしたケースが、圧倒的に多いのである。

「優良な業績にもかかわらず」・・・では優良な企業は、「社内の厄介
者払い」を行ってはいけないのですか?企業は慈善事業ですか?高給を
食む1人の厄介者に代わり、将来性のある有望な若者2人を採用しては
いけないのですか?

リストラを「悪」と理解しておられるようですが、「社内の厄介者払い=
業績向上」は「企業の勝手な解釈」なのでしょうか。

それが「圧倒的に多かった」のは『社内の厄介者払い』は『業績向上と
なる』、そう解釈した企業が圧倒的に多かった訳で、その理由はそうい
う解釈が当たり前だったからなのではありませんか?

世の中、全て当たり前のことしか起きません。「当たり前で無いこと」、
「無理」は続かないのです。当たり前のことが起きたのに、それを怒る
のは「当たり前の大人の思考を備えていない」としか思えません。

>さらに人件費の削減をはかるため、本来労働者保護の為の法律であった
派遣法を、企業利益のために改悪させてきたのである。結果、昔のニコ
ヨンのような派遣奴隷社会が出来てしまった。

関東人氏は、「企業はもっと利益を吐き出せ」、と仰りたいのですか。
もし違う、と仰るのであれば、具体的にお願いしたいところです。

最低賃金など、人材派遣法の欠陥は色々在るでしょうが、その法律の改
正は政治家に任せることにします。

そもそも、巷間、派遣社員そのものが悪のように言われていますが、そ
うでしょうか?

「正規雇用を減らして非正規雇用に切り替える」、という「印象」とは
異なり、実態としては、「雇用を増やすときには、非正規雇用の形態で
増やしている」ということです。「雇用の増加を非正規雇用の増加で賄
っている」のです。国内で企業の生き残りを図るための一つの方策に過
ぎません。

それに、非正規雇用者に占める男性派遣社員の割合は、3・4%です。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3240.html

このことをもって、今回の事件の犯人が生まれることを理由付けできる
とは思えません。

それに、若い時に貧乏で安定を欠くのは特別なことではありません。こ
れもむしろ当たり前のことでしょう。ましてや今回の犯人は「25歳」で
す。

人生まだまだこれからなのに、「自己の能力不十分さを理解せぬまま」
「仕事を選び」「石の上にも3年、の辛抱も出来ず」、勝手に自爆した
言い訳を社会や政府の所為にするような未熟な思考を大人がそそのかし
てはならない、たしなめるべきだ、と思います。だから、今回の山堂コ
ラムの内容は不適切だ、と申したのです。

>これを後押ししたのが小泉平蔵改革であることは当然ですし、今後は、
小泉改革の布石により、着々と日本の企業が蝕まれていくでしょう。O
JT(On the Job Training)云々の「本当に採用されたければもっと真
の実力と社会常識を身につけてから正社員に挑戦せよ」とは、あきれて
言うべき言葉がない。

これについては、具体的な論評が無いので、仰りたいことがよく判りま
せん。 (NH九州男)


 8)中学校の同級会が角館で開催され参加してきました。気温が28・5
度もありましたが、梅雨晴れの爽やかな一日でした。

30人を超す参加でしたが女性陣が大いに張りきって、日ごろ稽古をして
いるという踊りの披露。男性陣はひたすら飲むばかり。楽しい再会でし
た。

大仙市・大曲の通りも角館の街並みもシャッターの下ろされている光景
が目立ち、進行する地方都市衰退の現状には一層の深刻さを感じました。
道路だけは立派になり、それに合わせて大曲では郊外に東北一といわれ
るショッピングセンターが できつつありました。

道路が整備されると集まってくる車も多いわりには通り抜ける車も目立
ち、ここは旧来の力と新しい勢力とのぶつかり合い。繁華街は分散する
か消滅して行くか、まさにそのせめぎ合いというところが真相です。

しかし皮肉なもので、最近のガソリン代の高騰は、従来のように買い物
にも無制限に 車で走らせるということがなくなってきて、昔のように駅
に近い町場に買い物客戻って くるのではなかろうかと、淡い期待を抱く
声も聞かれました。

いずれにせよ新しい風はどちらに向かって吹くか、果たして自分たちの
力で風向きを 変えられるかどうか、結構シリアスな話題にも接触しまし
た。そこには時代に合わせた 工夫と従前にとらわれない積極的な行動が
必要ではなかろうかと話したことでした。 大釜 


━━━━━━━
身 辺 雑 記
━━━━━━━


大雨とはいいながら,東京湾岸では散歩が結構、可能だ。雨の降るのが夜
中だけだからである。こういう雨を秋田では「百姓泣かせの雨」。日中
が晴れなら農作業に出ざるを得ないから。

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創刊日:2004-01-18  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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