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アングロアラブの名馬たち 13

2006/05/09

アングロアラブの名馬たち 12(ケイエスヨシゼン)はこちら。 

http://www.melma.com/backnumber_107376_3120261/


笠松、名古屋両競馬場においてナンバーワン予想屋として名を馳せる「大黒社」の一部証言を借りて今回お送りするのがキンカイチフジ。 

笠松の加藤保之厩舎に所属したキンカイチフジは、母方の2代父にタガミホマレ、同じく3代父にニユーバラツケーを持つ血統であった。 

デビューからしばらくは岩崎幸紀が騎乗。 

初戦の83年6月の笠松新馬戦は2着に8馬身の差をつける圧勝だったが、続く2・3戦目を取りこぼした。だが。 

同年9月の笠松・コスモジュニアから破竹の15連勝を飾ることになる。2歳時は、コスモジュニアから年末のジュニアキングまで5連勝。 

明けて3歳は2月のオグリオー記念から始動したが、過去1回土をつけたことがあるも、その後はキンカイチフジに負けっぱなしだったホーエイシヤープを難なく4馬身の差をつけ圧勝。続く名古屋のアラブカップも勝って7連勝を果たし、その後3ヶ月の休養を挟んで5月の笠松・アラブダービーに出走。 

シナノロケツトに1馬身半の差をつけて快勝。東海3歳の頂点に立つ。そして圧巻だったのが続く6月名古屋のアラブ王冠。 

ラブリーエルシーになんと6馬身の差をつけ、破竹の9連勝を果たすことになる。 

その後、笠松、中京と連勝して11連勝。そして12連勝目をかけたのが東海アラブ重賞としては伝統を誇る名古屋杯。 

しかし既に東海では敵なしと目されていたキンカイチフジはここも全く問題なくモリゲンボーイを4馬身差退け、ついに最初にして最後となる、大井の全日本アラブ大賞典へと駒を進めた。 

ここで陣営は、名古屋では連対率7割を誇り、前年、同レースをトキテンリユウで制覇している「天才」坂本敏美に鞍上を替え万全を期した。 

相手は船橋のローゼンガバナー。この年(84年)の大井・銀盃を勝つなどしていた。さらにいえば、ローゼンガバナーは翌年の全日本アラブ大賞典を制覇した。だが、そのレースにキンカイチフジはいなかった。 

レースはやはり、キンカイチフジとローゼンガバナーの激しい叩きあいとなったが、わずかにクビ差、ローゼンを退け優勝。坂本は2年続けて同レースを制覇したが、3歳馬が同レースを制覇するのは79年のエビタカラ以来5年ぶりのことであった。 

また、同レースを制覇した東海勢は史上3頭目となったが、笠松勢が勝つのはこれが初めてであった。しかもこの勝利でなんと13連勝。 

笠松・東海ではなくアラブ日本一に輝いたキンカイチフジは明けてもまだ4歳の身であったため、さらにこれからも期待された。しかし。 

その後脚部不安に襲われたばかりか、全日本を勝利に導いた坂本が再起不能の落馬負傷。一転して暗澹たるムードが漂いはじめていた。 

1985年9月、キンカイチフジは所属する笠松では既にトップジョッキーであり、東海においても坂本の次位に君臨していた若き天才ジョッキー・安藤勝己に鞍上が替わって東海グローリから復帰した。 

その復帰戦、カツクラオーザに4馬身の差をつけ14連勝を達成。続くオクトーバー特別も勝ってついに15連勝を果たし、続く名古屋杯は全日本アラブ大賞典への壮行レースとなるはずだった。しかし。 

カネノキングにまさかの敗退。ついに連勝は15で止まったばかりか、ここで脚部不安がさらに発生して大井遠征を断念。ついには引退に追い込まれた。 

種牡馬として期待されたキンカイチフジだが、数年後、腸捻転のため業半ばにして死亡してしまった。数少ない代表産駒としては、中央のタマツバキ記念を2回制覇したネオアイクが挙げられる。 

しかしながら、キンカイチフジという馬は後に全国級の馬を多数輩出することになる名門・笠松の先駆馬的存在であり、現在、「名馬・名手の里」と称されている笠松のほとんど最初の全国級スターホースであった。 

そして、安藤勝己がこのキンカイチフジに3戦だけながらも騎乗していた事実も今となっては興味深い。というか、安藤が全国級の名馬に騎乗したのも事実上、このキンカイチフジが最初ではなかったか。 

その後、オグリキャップやフェートノーザンをはじめ、数々の名馬に騎乗する安藤にとって、わずか3戦ながらキンカイチフジという名馬に騎乗した経験が後に中央移籍後も大活躍するきっかけとなったことはいうまでもなかろう。

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創刊日:2004-01-07  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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