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走れ!歩け!挑戦の旅

2019年夏は宮城県全市町村を巡る旅にチャレンジ!!

自転車旅行や歩き旅を旅先から紹介します。
東海道五十三次、伊豆一周ウォーキング、沖縄一周、四国お遍路自転車旅などを終え、最近は一つの県を集中して周っています。

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体力勝負の一人旅 No.733【宮城編】

2020/01/15



【10日目・2019年8月11日(7)】

 川崎町の中心地を抜け、おじいちゃんの家から50分ほどで峠前の最後のコンビニに着いた。ここまでは前回来ている。あと3〜4キロで本格的な上りになるだろう。
 飲み物を買い、もらったトマトを食べ、標高900メートルの笹谷峠越えに備える。

 途中にホテルがあるが標高では半分より下だろう。そこを過ぎると店はもちろんもしかしたら自販機もないかもしれない。
 昨年山形の月山付近の峠で、水分をきらして辛い経験をした。それを思い出し覚悟して14時17分に上り始めた。

 5キロほどで時速10キロもでない本格的な上りになってきた。いよいよだな。
 しかし雨がぱらついてくる。おじいちゃんの家を出るときは少し青空がでるほど回復していたが、奥羽山脈に近づき降り始めたのだろう。
 豪雨になったときのことを考えて辺りを見回す。林の中の道で建物はまったく見当たらない。高い木が続いているので雨宿りするなら木の下だろう。

 そんなことを考えているうちに雨粒が大きくなってきた。豪雨になるかもしれないので左側の空き地を見つけて自転車を止めた。カッパを取り出し雨天走行の準備を始める。その間にもどんどん雨脚が強くなっていく。
 すると対向車が空き地に入ってきて車を止めた。わざわざ右折して入ってきたので、なんだろう、トイレかなと思っていたら、車を降りて私の方に向かってきた。
 50歳ぐらいの作業者風の男性だ。髪の毛がないのでちょっと怖い感じもする。

「どこ行くの」
 と声をかけられた。優しい声だった。
「この峠を越えて山形市まで」
「笹谷峠行くの?雨の中?」
「はい。行きます」
「車に乗せてあげようか」
「いや自力で行きます!」
 乗る気はさらさらなかったので、会話しながらもリュックカバーを取り出すなど準備を進めた。

「大変だよ。どのくらいかけていくつもりなの」
「わからないです。2時間もあれば行けるかなと思ってますけど」
「地元の人でもこの峠行かないよ、乗せてあげるよ」
「いや、でも逆方向ですし、わざわざいいですよ」
「山形に帰るところだったんだ、通り過ぎてカッパ着ているのが見えたから乗せてあげようと思って戻ってきたんだ。だからいいよ乗っていきなよ」
「あー、じゃあ乗せてもらいます」
 いつもなら絶対断るのになぜかそう答えてしまった。

「でも自転車入りますか。傷付けちゃいそうだし」
 ワンボックスの白いきれいなVOXYだった。
「中は傷だらけだしかまわないよ」
 そう言って早くも自転車を持ち上げようとしたので、慌てて「後ろのバックだけ外しますよ」と言った。
「だいじょうぶ」と言いながら男性はそのまま機械や工具類が入っている車内に押し込んだ。
「上から乗せて下の物大丈夫ですか」
「大丈夫だよこんなもんは」
 工具もだけど自転車も気になりながら助手席に乗せてもらった。

つづく


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創刊日:2003-12-07  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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