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外資系通信社で日米の政治、経済、マーケット、金融のニュース速報の最前線で活躍してきた筆者がアメリカの株・債券・為替市場やホワイトハウスや米議会、米連邦準備理事会の要人コメント、経済指標を分析します。

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3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース 第97号です

発行日:10/17

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■■      ◆3分で読めるアメリカ経済情勢ニュース◆ 
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グリーンスパンFRB議長、原油価格高騰が米経済に与える影響に楽観的見通し示す

◎FRB議長:原油価格高騰の米経済やインフレへの影響、70年代の石油ショック時よ
り小さい
◎FRB議長:今の原油価格、1981年2月の過去最高値の6割程度の水準
◎FRB議長:輸入原油価格の上昇、2004年GDP成長率を0.75%ポイント押し下げ
◎FRB議長:原油価格の55ドルへの急接近、ハリケーン被害が主因=原油高騰長期化
せず
◎FRB議長:今の原油価格の水準続けば米経済の脱石油化は必至
◎FRB議長:今世紀の中ごろまでに石油に代わる次世代のエネルギーにシフト
◎FRB議長:次世代のエネルギーに移行するまでの過渡期は原油市場の先行き不透明
は拭えず
◎FRB議長:原油先物の高騰、地政学的リスクと新油田開発投資の欠如が最大要因
◎FRB議長:技術革新が数年後には原油の確認埋蔵量の減少食い止め、原油価格を安
定化
◎FRB議長:市場原理が原油の供給不足問題を解決に導く

【2004年10月17日(日)】 アラン・グリーンスパンFRB(米連邦準備制度理事会)議
長は15日、首都ワシントンで開かれた全米イタリア系アメリカ人基金主催の講演会
で、[最近の原油価格高騰は注目に値するが、米経済やインフレへの影響は1970年代
(第1次石油ショック)当時に比べて、それほど大きくはない」と楽観的な見方を示
した。

  市場関係者は、同議長がもし悲観的な見方を示した場合には、株やドル、債券
の市場で大きな混乱が起こると懸念していただけに、結局、予想通りともいえる同
議長の楽観的な見通しの表明で、ひとまず安堵した格好だ。同日のニューヨークマ
ーカンタイル取引所(NYMEX)では、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサ
ス・インターメディエート)の11月渡しが続伸し、前日比17セント高の1バレル=
54.93ドルと55ドル台に急接近して引け、米株市場の下落が懸念されていたが、同議
長の楽観的な見通しが伝わると、ダウ平均とナスダック総合株価指数はともに4日ぶ
りに反発した。

  グリーンスパン議長は講演で、「今の原油高騰は今年に入ってからこれまでの
米経済の成長率を0.75%ポイント押し下げた」とその影響を認めながらも、最近の
原油価格の上昇の度合いについては、「最近の原油価格の上昇にもかかわらず、原
油の(インフレ調整後の)実質の平均価格はまだ、1981年2月のピーク時のわずか5分
の3(60%)に過ぎない」と評価した。

  その上で、原油価格高騰のインパクトは、1970年代の第1次石油ショック当時や
1980年代の初めの第2次石油ショック当時に比べれば小さい、と強調した。確かに、
原油価格は今年初めからは65%上昇しているが、1973−1974年は250%上昇、さら
に、1978−1980年は180%も上昇しているのと比べると上昇率は小さく、今の上昇率
は1989−1990年と1999−2000年に60%上昇して以来の水準にすぎない。同議長は
「(1970年代)当時は、エネルギー省は標準予測として、原油価格は1バレル=60ド
ル、現在の貨幣価値に直すとその2倍(120ドル)に上昇するとしていた」と述べ、
今の原油高騰の水準がそれほど深刻なものにはなっていないと言いたかったよう
だ。

  また、同議長は、原油価格の先行きについて、「原油価格が実質ベースで上昇
していけば、深刻な影響が生じるリスクは高まる」との認識を示したものの、「55
ドルに急接近したのも、(9月中旬に石油精製所が集中する米南部メキシコ湾岸を襲
った)ハリケーン・アイバーンの壊滅的な被害によるところが大きい。裏を返せば、
この原油価格上昇要因はいずれ消えるということを意味している」とし、原油高騰
は長期化しないという見方を示した。

  グリーンスパン議長は楽観論の根拠の一つとして、技術革新をキーポイントに
挙げた。「技術革新が数年後には原油の確認埋蔵量の減少を食い止め、原油価格を
安定化させる」という。その根拠として、過去10年間を振り返ると「世界で2500億
バレルの原油が採取されたが、その一方で深部探鉱などの技術革新で、原油確認埋
蔵量は新規に1000億バレルも増加」したことを挙げた。

  そして、同議長は「今世紀の中ごろまでには石油に代わる次世代のエネルギー
にシフトする」との予測まで披露した。ただ、原油の確認埋蔵量が増加傾向にある
ものの、中東原油の長期的な安定供給に対する懸念や中国やインドなど石油消費依
存の経済成長を押し進めている国からの原油需要の増大、OPEC(石油輸出国機構)
の生産余力の縮小を見越した石油会社による予防的な在庫積み増し、原油先物市場
でロング(買い)・ポジションを積み上げている投機筋の動き、さらにはWTIのよう
な環境に優しい低硫黄の軽質原油指向から「次世代のエネルギーに移るまでの過渡
期は原油市場の先行き不透明は拭えない」と結論付けている。  (了)

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発 行 元   :「誰でも分かる!アメリカ経済情勢ファイル:ザ・裏読み」
発行責任者  :編集主筆 増谷栄一
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