文学

雲上マガジン

総合創作団体・雲上回廊が送るメール文芸マガジン。

全て表示する >

雲上マガジン vol_138

2007/05/25

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

    メールマガジン『雲上』 〜読者へつなぐ〜         第138号
         毎月、05日、15日、25日配信         2007/5/25
                     http://magazine.kairou.com/unjyou/

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 ……………………………………… も く じ …………………………………………

 【1】 前書
 【2】 連載超短編「赤井都超短編集」      第25回
 【3】 桂たたら『塑性言論』          第14回
 【4】 編集後記

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【1】 前書
 ──────────────────────────────────────

 さて、前号で予告した重大発表ですが、編集長が代わります! いわゆるお役御免。
 前任の言村さんから編集長を引き継いで一年二ヶ月。どうしようもない編集長でした
が、最後となるとはやり感慨深いものがあります。新編集長は回廊が誇る才媛、遥彼方
さんです! しばらく僕は編集部員として編集部に残りますが、表舞台に出てくること
はありません。それでは、読者の皆様、次号から新しい雲上をお楽しみに。

                                     後略。

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【2】 連載超短編「赤井都超短編集」      第25回
                 著/赤井都
 ──────────────────────────────────────

 時に清新、時に残酷。超短編界屈指の言霊遣い、赤井都の作品を集成! 今回は二作品
を掲載します。

 …………………………………… 「火星が出ている」 ……………………………………

 横になって眠っていたら、背後からぐいぐいと肩のあたりをつかまれて揺さぶられた。
その者の顔はなく、その冷たい手は今にも首に滑りおり、強く締めてきそうだった。おと
なしくしていたらいなくなったが、目は覚めてしまった。その者も、わたしの目覚めと共
に四散しただけで、まだ近くにいるのだろう。
 カーテンを透かして月が正面にある。窓を開けて月明かりで薬草酒を飲み始めた。あま
りよくないことだとはわかっていたが、月が冴えているので電灯をつける気にはなれなか
った。加えて火星も出ている。
 静かな街路をエンジン音が近づいてくる。首を脇に抱えた首のない者が、バイクにまた
がってゆっくりと道を走ってくる。あわてて窓を閉めると、その者は通り過ぎ、すこし先
の四辻にばしゃりと一杯の血を浴びせた。よく事故のある見通しの悪い角だ。火星が明る
い。
 数時間後、その角でバイクとバンがぶつかった。明け方近くの事故の常で、目撃者を探
している。わたしは薬草酒がきいて、窓枠に頭をもたせかけて眠ってしまい、ガシャンと
いう音で目が覚めた。だから目撃者としては役に立たない。
 役に立たなかったから、またあの者が来るだろうか、それとも役に立たなかったわたし
の元にはもう現れないだろうか。薬草酒は瓶にまだ三分の二、火星はまだ接近中だ。

 ………………………………………… 「とんぼ」 …………………………………………

 むかし、旱魃に苦しむ村があった。水を統べる龍神に見放されたのだと誰かが言い出し、
龍神の関心を呼び戻さなければならないと幾人もが考えるようになった。龍神の寵を受け
るためには、若い娘を捧げるのがよいだろう。
 村で一番貧しい家の娘が選ばれた。どのみち食べるものもないなら、先んじて死んでも
大差ないはずだ。天近い山の頂に、龍が降りられるように寄り代の幣束が立てられ、娘が
結わえられた。
 しかし娘はひそかに孕んでいた。荒れた岩の上で娘が龍神を待っていると、龍よりも先
に、父である若者がやってきた。娘のいましめを解き、逃げようと手を引いた。炎天下の
中で立ち上がり、よろめいた娘の肌が、天へ突き立てた御幣に触れた。天頂で雲が凝り、
竹に巻きつけられた白い紙を揺らし、龍が娘の匂いにつられて降りてきた。
 若者は娘を背にかばい、幣束を抜いて振りかざした。龍は天への通り道を壊されたのを
怒り、かつ若者の蛮勇を哄った。龍は二人を小さな龍に変えた。こまかなうろこと透き通
った羽を持つ龍のような生き物に。その小さな生き物たちを、倒された御幣の代わりに、
天への寄り代とした。小さな龍たちに空を分けさせ、道を開かせ、龍神は雲のかなたの天
空へ帰っていった。
 今でも小さな龍は、村の水辺に棲んでいる。稲穂が色づく頃に、田の上を仲睦まじく飛
び、龍の道を守っている。

 ……………………………………………「曇窓」……………………………………………

 窓ガラスに、羽が映る。
 あちらの窓、こちらの窓。
 夕暮れから夜に変わる時。
 早朝のかすかな光の中。
 曇った午後の雲と共に。
 羽が映る。見えない風に吹かれて、窓から窓へ、移っていく。
 そのしばらくあとに、少年が駆けてくる。家々の窓ガラスの表が一瞬かげる。はだかの
小さな男の子が、窓から窓へ走っていく。
 それは、ずいぶんないたずらをして、神様に怒られた天使。羽を背から飛ばされて、ど
こにもない国に追放された。男の子は羽をつかまえて、天国へいつか帰ろうと、ずっと羽
の後を追っている。
 羽は見えない風に流され、漂っていく。窓ガラスから窓ガラスへ。銀とグレーの合間を、
木の影とカーテンの隙間を。男の子も走っていく。グレーと藍の合間を、窓辺の花と風の
隙間を。

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第139号(6月5日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【3】 桂たたら『塑性言論』          第14回
                 著/桂たたら
 ──────────────────────────────────────

 桂たたらの頭の中、第14回。最後に掲載するのがこの内容ですか。それもまた良し!!

 …………………………………………連載エッセイ…………………………………………

 最近は水樹奈々と平野綾の芸風の広さに驚かされています。

 今期のおすすめアニメは「瀬戸の花嫁」と「ながされて藍蘭島」。

 注目ゲームは「リトルバスターズ!」。いたるは確実に絵が上手くなっている。

 そしてとりあえずコーティカルテは俺の嫁。踏んでくれたら俺の嫁(意味不明)。

 本屋で「お」と思った本を手に取ったら、
「女子専用アニメマガジン」と書いてあったので、

「これはいよいよいかんネ」

 私、男性なんですがね。
 手遅れですかね。

 桂です。いやむしろただのオタクです。オタたら、とか、ロリ桂とかお好きに呼んでく
ださい。悶えて喜びます。それはもう、引きちぎった法皇のように。

(うわー……)(なにも言わないで、分かってるから)

 *

淫獣ユーノ「え……。なにこの名前。酷過ぎない……?」
なのは「それは仕方が無いよユーノ君。魔法先生の方のオコジョみたく、キュッ、ってさ
れないだけマシだと思えば良いんじゃない?」
淫獣「そ、そうだね……。それにしてもあっちのオコジョは扱いが結構酷いよね。……あ!
いつの間にか、もう淫獣しか残ってないし!」
なのは「あははー。ところで、SSではユーノ君の出番はあるのかな? 公式HPにも名
前がないところを見るとあやしいと思うの」
淫獣「出番があると嬉しいけどね。それにしてもなのはは立派な魔導師になって、」
なのは「なのはさん」
淫獣「……。え?」
なのは「さんを付けろよこのデコスケ野郎」
淫獣「あ、……、ど、どうしたの、なのは……? 雰囲気が……、」
なのは「何回言えば分かるの? このしょっぱい使い魔風情が。頚椎抜かれたいの?」
淫獣「ご、……ごめんなさい、なのはさん……」
なのは「うんっ。ユーノ君に立派な魔導師になったなんて褒められるとすごく嬉しいの」
負け犬「……、そ、そうなんだ。…………。あ、……名前が、また……」

フェイト「どうしてツインテールやめちゃったの? 可愛かったのに」
なのは「もう私も19だよ、フェイトちゃん。それに、それをいうならフェイトちゃんだ
ってやめちゃったじゃない」
フェイト「うん、でも……、なのははどんな髪型でも似合うよ」
なのは「なのはさん」
フェイト「……。え?」
なのは「さんを付けろよこのデコスケ野郎」
フェイト「は――――、」
なのは「言えないの?」
フェイト「――はいっ、なのはさん! よよよ喜んで! 様をつけてもよろしいです
かっ!?」
なのは「そこまでは言わないの。私に対する敬意を忘れなければ、さんで良いの。苦しゅ
うないの」
フェイト「なのは様!」
なのは「……まあ、良いの」

キャロ「ドロー! ブルーアイズホワイト――あ、間違えちゃった!」

リイン「男は床で寝ろ、この童貞坊やめ――あ、間違えましたですー!」

エリオ「いやいや……、ほんと、皆さんが思ってるような羨ましい状況じゃないんですか
ら……。代わってみますか? 僕の代わりにライトニング分隊。あ、ちゃんと目線と音声
変更されてますよね? ああ、良かった。さっきの分隊名もピー入れておいてくださいね。
……スバルさんは、なのはさん(さんをつける瞬間、彼の身体は小さく震えた)にぞっこ
んで布団に潜り込んではバスター食らってるし、それにフェイトさんがメチャ怒るし、ス
バルさんとティアナさんはネチネチと文句言い合ってとばっちりが僕にまで……。僕の心
のオアシスだと思っていたキャロちゃんまで最近は――」
(長過ぎるのでカット)

 *

 原稿が終わったので、これからカノン(PC版)(いまさらかよ)やってきます。

 桂でした。

(BGM 小山剛志「真・うたわれるもののテーマ」)

(そせーげんろん四回目休み)

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第141号(6月25日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!


◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【5】 編集後記
 ──────────────────────────────────────
 前略。
 いかがでしたでしょうか。『雲上』では現在、作品募集を行っています。詳しくは下記
公式ページをご覧ください。

*公式サイト
http://magazine.kairou.com/unjyou/
*編集部
info@kairou.com


 次回の配信は6月5日を予定しています、それでは。

   ……………………………………… 公 募 ………………………………………

 本誌『雲上』では、アイデアと感動に満ちた作品を募集しています。

 対象は「文章で表現されるすべての作品」です。
 著作権等の問題が無ければ、既に何らかの形で公開された作品でも構いません。
 編集部では作者との共同作業で作品をより良くするシステムを整えております。
 たくさんのご応募を、お待ちしております。

         まずは編集部までご連絡ください:info@kairou.com

   ……………………………………… 奥 付 ………………………………………

       発行日:2007年5月25日
       発行元:雲上回廊
       発行者:秋山真琴
       編集者:キセン
           遥彼方
           言村律広
           恵久地健一
       ご意見ご感想:
           info@kairou.com
       購読の解約および、公式サイト:
           http://magazine.kairou.com/unjyou/

       (c) unjyou_kairou 2007 all right reserved

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2003-11-08  
最終発行日:  
発行周期:月3回  
Score!: 90 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。