文学

雲上マガジン

総合創作団体・雲上回廊が送るメール文芸マガジン。

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雲上マガジン vol_131

2007/03/25

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    メールマガジン『雲上』 〜読者へつなぐ〜         第131号
         毎月、05日、15日、25日配信         2007/3/25
                     http://magazine.kairou.com/unjyou/

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 ……………………………………… も く じ …………………………………………

 【1】 前書
 【2】 連載超短編「赤井都超短編集」      第20回
 【3】 連載エッセイ「塑性言論」        第12回
 【4】 集中連載「第一回文芸座談会」      第3回
 【5】 編集後記

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【1】 前書
 ──────────────────────────────────────

 肩と喉と腹の調子が悪いです。満身創痍か。
                                     後略。

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【2】 連載超短編「赤井都超短編集」      第20回
                 著/赤井都
 ──────────────────────────────────────

 時に清新、時に残酷。超短編界屈指の言霊遣い、赤井都の作品を集成! 今回は二作品
を掲載します。

 ……………………………………………「喪失」……………………………………………

 バイクでよく太平洋に行った。
 つまらないことがあると、海に行って、ぼうっとする。
 あるとき、波打ち際に、何かがいるのを見た。丸っこい、濡れた体の生き物だ。遠目に
は、かつての私自身を時を経た鏡で映したような、懐かしく知っている少女のようにも、
野生のアザラシの一種のようにも見えた。
 なだらかに広がる砂浜も、ほんの数メートル海に向かって進めば、急激にえぐれて落ち
込んでいる。その深い海から上がってきた何かだと思った。あんな生き物が、いるのだ。
 と、生き物の傍らにあった海草のようなものが、風に乗って私の前へ飛んできた。受け
止めて広げれば、海草よりも赤い、マントのようだ。
 生き物はこちらを振り返り、私がその衣を持っているのを見た。そのとたん、濡れた目
をさらに濡らして、どっと泣き始めた。
 それはしゃべらなかったが、考えはわかった。この海草のような衣がないと、それは海
の中へ帰れない。
 かわいそうだから衣を渡してしまってもいいのだが、私はただそうする気にはなれなか
った。
 そのものは、濡れてつやつや光る滑らかな肌をしていて、烏貝みたいに黒い。目はいっ

そう黒く、うるうるとした水で覆われている。きれいだと私は思った。衣を小さく畳んで
ジーンズのポケットに入れ、バイクのタンクの上に滑るその生き物を抱えて、アパートに
帰った。部屋は潮の匂いになった。
 私は売れない絵描きをやっていた。職業画家になれそうに調子がよかったのも、大学を
卒業して最初の二年目まで。後は、フリーターとして食いつなぎながらキャンバスに向か
った。絵描きだなんて、とうてい人に言えないような、一日一時間でも画板に向かえれば
ましな状態が続いていた。
 そのものは、私のペットのような存在になった。部屋のドアを開けると、それがいる。
ただそれだけのことだったが、その姿を見るのが楽しみになった。
 それは私がいない間も一日中、部屋でごろごろしているらしい。私が帰ってもごろごろ
している。そして私にすり寄ってくる。横になった私の肌をくまなく舐めて、裸の足の間
に潜り込む。それの肌をなで返すと、きゅう、と時折声をあげ、さらに私の肌を強く吸っ
た。それの性別はきっと雌なのだと思う。洋式には、サイレンだとかメロウだとか呼ばれ
るものだとも思う。しかし遠い国の言い伝えはともかく、私のとこに現れたそれは、家事
の役には立たず何も食べず、ただ私の肌だけを舐めていた。雌が女の蜜を好きなのはどう
かと思うが、しかしべつにだからといって、それが悪いわけでもない。
 私はそれを絵に描き始めた。濡れて艶やかなぬば玉を、少しずつ形に現していった。
 ある日、帰るとそれが画板に向かっていた。
 私の絵を上から塗りたくってしまったのにも、高い絵の具のチューブが何本も空になっ
て転がっているのにも、怒った。私が怒っている間、それは椅子の下に隠れてじっとして
いた。気を取り直して見れば、それが描いたのは、海の中のようだ。緑と青と、黄と紫と
白。溶け合い、微妙に揺れて渾然として、一つのリズムを作っていた。具体的な形は何も
なく、ただ鰭で押し付けて重ねた色だけ。
 すばらしい絵だった。認めざるを得なかった。
 私はそのものに、絵の具とキャンバスを与えた。まるで貢いでいる気分だった。才能を
見せつけられる同じ部屋でわたしは努力なんてできない。それのデッサンを取ることは放
棄して、私はバイクであちこちに行っては働いて、部屋でそれに舐められながら寝た。そ
れは潮の匂いというよりも絵の具の匂いになっていた。ミューズそのものが私の肌を舐め、
胸の上に乗っている気がした。
 それが描いた絵は、日ごとに増えていった。私は画廊に絵を持ち込み、やがて個展を開
く運びになった。私はあっせん業者にすぎない。そのものにも名前が要る。黒井泡、わた
しの友達です。個展には、連れてきます。
 しかし、部屋に戻ったとき、迎えるものがいなかった。
 はっとして、押し入れを開けた。その奥に、あの赤い衣を隠してあった。探った袋は空
だった。あれが、どうにかして見つけて抜き取った。海に帰ってしまった。
 私に一言もなく。
 声をあげて泣いた。私が、それと心を通わすような関係だった、とはけして思っていな
い。ただ不在が、胸に痛かった。
 個展は開かれ、私は作者の黒井泡であるふりをした。絵がたくさん売れて、まとまった
収入になった。
 それ以来、私は海の絵ばかり描いている。太い刷毛をキャンバスに押し付けて、青緑赤
黒。見たことのない海の中の風景を。泡だつ海の波の内側を。なめらかな緑の水の層から、
透けて見える揺れる光を。売れていない。私自身の満足のためにすら、どこか足りない絵。
描いているうちに、この目で見に行くべきだという思いが強まってくる。あこがれが強ま
ってくる。あれが愛している海の中。
 いつか、私が海の中に入るとき、どんな衣を身につけていれば、あれのところへ導かれ
るだろう。

 ………………………………………… 「黄金虫」 …………………………………………

 町外れに防空壕がある。
 蛍を見に行こう、と誘われて、夕刻に効外部へバイクを走らせた。待ち合わせ場所に指
定された、川にかかる緑の欄干の橋は、あんがい簡単に見つけられた。日が没するまでに
はまだ間があり、辺りには山と畠しかない。閑つぶしに、すぐ近くにあるという、うわさ
の防空壕を覗いてみることにした。
 この町に来て三年にもなると、しがらみというか人間関係も紡がれて、町内会の草刈に
召集された。作業の後でビールをふるまわれた。そのとき、防空壕が話題に上がった。
 あんな山の方に、爆撃があるはずなんてなかったじゃん、と年配者たちは言うのだ。終
戦間際に軍が来て、あわただしく掘らせた経緯から考えても、ありゃあきっと、日本軍の
資金を隠したんだら。誰もこんな東海道の中途半端な田舎に、金塊があるなんて思っとら
んだらあ。だからこそ、使われんかった金塊が、あのトンネルの奥に埋められたんだら。
だって、黄金虫がぶんぶん飛んどるのを、何度も見たじゃん。金のある周りにだけ飛ぶ、
あの伝説の、珍しい黄金虫が、ほんとに牛にたかる蝿みたいにあたりまえに、ぶんぶん飛
んどったじゃんね。市が入り口に鉄格子なんて嵌めてなかったら、塹壕の中に入って地面
を掘ってみるさ。
 明沢(あかりざわ)の三叉路から山側へ進み、最初に左手に現れた脇道がその防空壕に
至る道だ。路肩にバイクを止めて、草に覆われた道を数メートル進むと、崖に突き当たる。
その崖の下に小さく開いた闇が、トンネルの入り口だ。想像していた以上に小さい。話で
は鉄格子が嵌っているということだったが、障害は何もない。子供が迷い込んだらどうす
るのだろう、と思いながら、そっと中を覗き込んだ。
 湿った闇が溜まっている。ここからでは何も見えない。背をかがめて、静かに一歩、横
穴の中に踏み込み、目が慣れるのを待った。黴臭く重い空気が、シンと満ちている。やか
ましく聞こえていたはずのひぐらしの声が、ひどく遠のいて感じられた。
 たそがれの夕焼けに照らされて、しだいに湾曲した壁面が見え始めた。荒く掘られた土
の壁には水が沁み出し、かすかな光を放っている。もぐらでもうさぎでも、こんなに雑な
穴は厭だろう。ショベルの後も生々しく、ただ地をうがっただけのこの場所には、五十年
以上も前に掘られたという歴史の古さは感じられなかった。性急に土を削り取っていく荒
々しい息づかいが、今も残っているような気がした。
 ぶん、とかすかな羽音をたてて、目の前を蛍が飛んだ。
 いや、蛍ではない。はるかにもっと大きい。それに蛍は青白いが、あれは金色だ。
 きっとこの地方の呼び方で、黄金虫、と老人が言った虫に違いない。
 黄金虫は、埋まっとる黄金のありかを知っとるんじゃん。黄金虫を捕まえたら、その虫
に黄金まで案内させられるんじゃん。黄金虫一匹で、金持ちになれるじゃんね。
 その伝承を信じたわけではないが、輝く立派な甲虫をひとめ見たとたん、なぜだか熱に
浮かされたように私は夢中になった。もっとよく見たい。いや見るだけではなく、なんと
かして、捕まえたい。
 虫に惹き寄せられて、トンネルの奥に踏み込んだ。数歩で行き止まりになる。暮れ残っ
た光を集めるのか、その甲虫の背も羽根も、あたたかみのある金色に輝いている。
 そっと手を近づけた。虫は内側にカーブした壁に止まっている。もう少しで、その上に
この手で蓋をして、虫を捕まえてしまえる。
 私の手の動きが映ったのか、虫の背に影が走った。金の輝きの上に髑髏の影が浮かんだ。
既に動きを終えようとしていた私の手が、瞬間、躊躇した。
 手で壁を叩いたとき、虫はそこにはいず、土の壁が崩れ落ちてきた。
 頭上から降り注ぐ大量の土砂に埋もれて、私は黄金虫になった。
 飛び立って、洞穴の中をぶんぶん駆け回る。

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第132号(4月5日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【3】 桂たたら『塑性言論』          第12回
                 著/桂たたら
 ──────────────────────────────────────

 桂たたらの頭の中、第12回。なんと記念すべき一周年を迎えました!

 …………………………………………連載エッセイ…………………………………………

 今回、十二回目、みたいです。

 月1連載なので、つまりこれで一周年。こんなダラダラコラムが一年間も続いたのです
よ。
 こんなに続くとは、感慨深いやらなにやらで。
 一回目から今回まで全部読んだ方って、どのくらいいらっしゃるのでしょうね。
 ざっと一回目から今回までを読み返してみると迷走の連続ですね。話はあっちへふらふ
らこっちへふらふら。

 もっと迷走させたいと思います。

 *

 今回の話はお約束について。

 そう、ダチョウ倶楽部とかの、アレです。分からない人は、お笑い番組とかでギャグが
出たときの「コケ」を思い浮かべてください。ああいうのです。

 お約束が使用されると、作品に安定感や安心感が生まれます。
 ずっとふわふわ浮き足立ってる雰囲気の作品もそれはそれで魅力がありますが、やはり
受け手に支持されやすいのは、見ていて安心できるストーリーなのです。

 攫われた女の子を助け出す男の子の話

 悪人をやっつける話

 このあたりは具体例をあげる気も起きないくらいにありふれたテーマであると同時に、
そのテーマを料理する作者の腕前が如実に反映されもしますね。
 先の例は大筋になりますが、

 超常現象だ! と思ったらただの勘違いだった

 こいつ電波か! と思ったら本当に超常現象だった

 このエロ娘め! と思ったら勘違いで生娘だった

 このあたりは小ネタになります。
 こういう演出は、受け手を驚かせることが目的ではなく(ありがちなので驚きませんよ
ね)、受け手に
「ああ、そうじゃない! こうなんだよ、なんでわかんねーかな!?」
 と思わせることが主眼になります。
 小憎らしいですね。そしてそんな演出が私は大好きですよ。
 期待を裏切らない。これがお約束です。

 しかし、ずっとお約束が続いていくのはやはり飽きがきますし、かといってお約束がな
いのもつまらない。
 大事なのはその塩梅ですね。ちょくちょく間に挟んでいく感じが良いのではないでしょ
うか。

 これが上手く使えるのと使えないのでは、安定感が大きく変化します。
 プロの作家でも上手い下手はけっこうあって、上手い調理法はどういった方法なのか、
考えながら読書やアニメを見てみると良いと思います。

 そして、大事なことですが、このお約束を意図的に使おうとしているか否かが、プロと
アマの決定的な差になっているのではないかと考えられます。

(お約束の使い方の差が、プロとアマの決定的差でないことを教えてやる!)(うるせぇ
ぞガンダムオタクめ。今大事な話してっから黙ってろ)

 ここに巧拙は関係なく(述べたようにプロでも上手い下手はあります)、自分の作品に
触れる受け手をどれだけ具体的に想定しているか、というのがその根幹にあるように思い
ます。

 決定的差が生まれるその大きな理由として、お約束を描いているときの作者は「つまら
ない」と感じていることが多いのです。当然です、過程とオチの見え見えな話を描いてい
るのですから。誰だって自分にとって新鮮で見たことのないような話を描きたいに決まっ
ています。そのほうが楽しいですしね。

 そこを曲げてお約束が描けるか否か。

 それがプロとアマを分ける大きな分岐点ではないのでしょうか。

 *

 さて、次回は要望があれば「テーマ」についてお話します。
 なければ無限の回転についての極意を教えます。黄金率を知っている? 諸君は回転の
力を信じるか? レッスン4だッ! 敬意を払えッ!
 すみません意味不明ですね。桂でした。

(BGM 広橋涼、他「らき☆らき☆べいべー」)

 ……なんてBGMだろう……

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com
 次回は第134号(4月25日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【4】 集中連載「第一回文芸座談会」      第1回
 ──────────────────────────────────────

 去る二月三日に行われた第一回文芸座談会。「回廊」参加者不参加者入り乱れ創作につ
いて語り合った一部始終を三号連続で「雲上」独占公開!

 ………………………………………… 文芸座談会 …………………………………………

秋山真琴(秋 山):
言わずと知れた「回廊」編集長。小説に「断片化するカリグラフィ」(「回廊」第九号)
など。

秋田紀亜(秋 田):
コラムに「電気羊の夢を見る者たち」(「回廊」第六号」)など。

雨下雫(雨 下):
「回廊」創刊号表紙担当。小説に「喪失の筺」、「勝鬨」(「雲上」掲載)など。

踝祐吾( 踝 ):
「回廊」コラム班長、製作班長。連載コラムに「積読にいたる病」、小説に「公園通りの
懐かない猫」(「回廊」第七号」)など。

痛田三(痛 田):
「回廊」宣伝部員。小説に「グラン・グラン・ギニョール」(「回廊」第九号)など。
東雅夫・福澤徹三・加門七海編「てのひら怪談」(ポプラ社)に作品が掲載されている。

フルヤマメグミ(めぐん):
超短編に「DANCING FINGER」(「回廊」第七号」)など。

六門イサイ(六 門):
「回廊」副編集長。小説に「FANTASIAN HOLIC.」(「回廊」第七号」)など。

空信号:
「回廊」第五号、第七号表紙担当。挿絵に遠野浩十「ラーメンを食べに行こう!」(「回
廊」第九号)など。

夜明けの敵(よあけ):
筆名は遠野浩十。小説に「ラーメンを食べに行こう!」(「回廊」第九号)など。

時磴茶菜々(茶菜々):
イラストに桂たたら「小国テスタ」(「回廊」第九号)など。

恵久地健一(恵久地):
「回廊」副編集長。小説に「エンジェル・ノイズ」(「回廊」第九号)など。

                *

秋 山:次は秋田さん、どうぞ。「作品を良くするために行っている努力を教えてくださ
    い」

秋 田:難しいですね。良い作品を読むとか。

秋 山:端的であるだけに説得力がありますね。具体的にはどんな作品が適しているので
    しょう?

雨 下:これだけ分かり易い言い分も無いよなぁ

秋 田:あ、でも良い作品すぎてもレベル高すぎて参考にならなかったりして(笑)。自分
    に合ったレベルの作品読むと、こうすればいいのかとかえって良く分かるような。

秋 山:なるほど。少しずつ読む力を鍛え、そうすることで書く力も上がるということで
    しょうか?

秋 田:自分と違う人は刺激になるけど、自分に似てる人のほうが参考になるのではない
    でしょうか。考え方とか書くレベルとか。レベルに関しては各々によって異なる
    でしょうが、小説を読むことは、確かに書くというスキルの向上を助けると思い
    ます。

秋 山:なるほど、一理ありますね。

 踝 :似たスタンスの人、というのはなんだか漫画の模写にも似ていますね。

秋 山:ああ、漫画の模写は確かに有効そうですね。

秋 田:絵に関しては模写はものすごく有効ですね。

痛 田:心技体に近いものがありますね、読む書く。どちらも欠けてはいけない。

めぐん:短編小説を丸写しして、研究・分析すると言う手法もありますからね。

秋 山:ああ、聞いたことがあります。

六 門:模写か。私の肌には遭わない(めんどくさい)でやめたっけ>短編小説丸写し

空信号:漫画の模写はちょっとだけやったことがあります

秋 山:どうでしたか?>空さん

空信号:ペンの練習になりました。

雨 下:コマ割りの練習=構図作りの練習になるぜ。

よあけ:小説の場合、音読することが漫画の模写に近いような気がします。文章の組み合
    わせとかリズムを、体で覚えるという意味で。

 踝 :昔漫画書いてたんですが、その時に「模写はその人の技術を盗む練習にはなるけ
    ど、逆にその人の悪い癖まで似てしまう可能性があるから気をつけよう」という
    話を聞いたことがあります。

                *

秋 山:ありがとうございました、では次に移ろうかと思います。それでは空信号さん、
    お願いします。

空信号:私ですか。イラストに関してで良いですか。

秋 山:ええ、もちろん。

空信号:焦点を合わせるイメージを持って絵を描くようにしています。えーと、テーマと
    か用途とか目的とかに、焦点をあわせる……

秋 山:テーマとイラストを一致させる、ということでしょうか?

空信号:そういう感じですかね。

六 門:テーマと作品の一致って結構難しいですよね。テーマを前面に出しすぎると、鼻
    につくから。バランスが難しい。

秋 山:回廊で言うと、毎回、特集にあわせて作品を書いたり描いてもらっていますが。
    小説や絵が上手くても、特集とマッチしていないと、今ひとつと感じてしまうひ
    ともいるようですね。

空信号:さじ加減でなんか、上手いことテーマを表現したいですね。自分で自由に描くイ
    ラストより、漫画を描くときとか回廊の絵みたいに用途がはっきりとしてる方が
    描きやすいです

秋 山:あ、そうおっしゃる方は多いですね<テーマが与えられている方が描きやすい。

雨 下:『好きなもん描いて』って言われても、おっさんと馬と兵隊しか描かないぜ。

茶菜々:自由っていうのは広すぎて、ね(笑)。

秋 山:そういうものなのですか……。

 踝 :「なんか描く」、というより、「何を描く」って明確にあった方が描きやすいで
    すよ。

めぐん:「何食べたい?」「なんでもいい」という世界ですね。

                *

秋 山:次、雫嬢。

雨 下:押忍。んじゃあ小説からいくか。アレです。王道を忘れないように心がけており
    ます。ヤマ場はヤマ場らしく!きちんと書くことを心がけておりますわ。あと、
    音読してみたり。読んでて息が詰まるような作品は面白いわけがねぇー! あと
    は特にないわね。んじゃ次、イラスト。動いてる瞬間を捉えるように描いてる、
    つうかそうでしか描けないのかもしれん。漫画的というか、そんなの。いい加減
    コピックと筆ペンオンリーの世界から抜け出したいところではある。

 踝 :筆圧強かったらスクールペン使うと良いかもですよ>雫嬢

雨 下:漫画用のペン先使ってみたところ、やっぱGペンが一番気持ちよく描けますわ。
    なんかなあ、空さんに弟子入りでもしてデジタルの世界に入門しようかしら。

 踝 :デジタルすごいよ! 楽だよ! (何が)。

秋 山:じゃあ、うーん。イラストに関してはよく分かりませんが、色々な技術を試して
    みることで、見えてくる世界もあると思います。現状、様々なペンを試している
    ようですが、ドローソフトなどを使うことでまた新たな視点も得られると思いま
    す。ぜひ、第二の空信号さんを目指してみてください。

                *

秋 山:じゃあ、次、そろそろ真打ということで、恵久地健一さんお願いします!

恵久地:そうですね……、まず努力する以前に、自分に何が足りなくて、何が必要なのか
    を意識して、具体的に努力することが大事だと思います。

秋 山:そうですね、何のために努力する必要があるかを見据えるのは重要ですね。

恵久地:漠然と努力しても、充分な成果は出ないですし。なので、自分の場合は執筆のつ
    どに努力の対象が違います。今は、企画力を鍛えたいですね。

秋 山:自分なりの課題がある、ということでしょうか?

恵久地:課題は毎回ありますね。

秋 山:今は企画力ということですね。それは小説の中において、でしょうか?

恵久地:昔はただ漠然と量をかけば勉強になると思っていた感じだけど、少ない執筆回数
    でステップアップするには、具体的な課題があったほうがいいですね。企画力は、
    流行の作風をただ踏襲するのじゃなくて、過去の流れでこういう作風が流行した、
    次は、こういう作風が流行するから、それを先取りして作品に反映させる企画力
    です。

 踝 :いわゆる「読み」ですね。

いただ:時代の空気ですね。

恵久地:後続の私が流行を取り入れても、すでにニーズは満たされているわけだし、仮に
    入り込めたとしても、流行の消費を加速させるだけなので。

よあけ:そういう力って、どういうふうに鍛えたりしてるんですか?

空信号:私もそれは気になります

秋 山:すきま産業を見つけだす、という感じでしょうか?

恵久地:今は過去の文学全集とか、いわゆるライトノベルという言葉が生まれる前のファ
    ンタジーを読んだりして、良い部分を自分の作品に反映させようかなと。すきま
    産業というより、流れですかね。基本的に、流行はくり返すものだと思うので。
    とりあえず、今流行している小説を真似るよりはいいかなと思います。

                *

秋 山:そういう類の勉強も努力のひとつのかたちですね。では、そろそろ終わり時間も
    迫って参りました。踝さんにお願いしましょう。「作品を良くするために行って
    いる努力を教えてください」

 踝 :結構終盤になって、皆さんのご意見を拝聴してまだまだ僕が勉強不足だなぁ、と
    恥じるばかりではありますが。僕としては、基本的に「読者に楽しんでもらう」
    という姿勢が最優先です。もちろん、読者に媚びる、という訳じゃなくて、あく
    までも楽しんでもらう、ですね。で、読者に楽しんでもらうためにはどうすれば
    いいか。僕は「僕自身が楽しめること」と「第三者的視点から見て楽しめること」
    を両方を念頭に置いて執筆してます。

                *

秋 山:皆さん、4時間という長時間に渡り、お疲れ様でした。最後にかんたんに、秋山の
    努力を語りたいと思います。執筆中にお酒を飲むこと。以上。皆さん、本当にお
    疲れ様でした!!!

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:info@kairou.com

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【4】 編集後記
 ──────────────────────────────────────
 前略。
 いかがでしたでしょうか。『雲上』では現在、作品募集を行っています。詳しくは下記
公式ページをご覧ください。

*公式サイト
http://magazine.kairou.com/unjyou/
*編集部
unjyou@ml.kairou.com


 次回の配信は4月5日を予定しています、それでは。

   ……………………………………… 公 募 ………………………………………

 本誌『雲上』では、アイデアと感動に満ちた作品を募集しています。

 対象は「文章で表現されるすべての作品」です。
 著作権等の問題が無ければ、既に何らかの形で公開された作品でも構いません。
 編集部では作者との共同作業で作品をより良くするシステムを整えております。
 たくさんのご応募を、お待ちしております。

         まずは編集部までご連絡ください:info@kairou.com

   ……………………………………… 奥 付 ………………………………………

       発行日:2007年3月15日
       発行元:雲上回廊
       発行者:秋山真琴
       編集者:キセン
           遥彼方
           言村律広
           恵久地健一
       ご意見ご感想:
           info@kairou.com
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           http://unjyou.kairou.com/

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創刊日:2003-11-08  
最終発行日:  
発行周期:月3回  
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