文学

雲上マガジン

総合創作団体・雲上回廊が送るメール文芸マガジン。

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雲上マガジン vol_99

2006/05/25

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    メールマガジン『雲上』 〜読者へつなぐ〜         第99号
         毎月、05日、15日、25日配信         2006/05/25
                     http://unjyou.kairou.com/

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 ……………………………………… も く じ …………………………………………

 【1】 前書
 【2】 秋山真琴はいかが?「NEVER GIVE UP」    第9回
 【3】 連載エッセイ「塑性言論」         第2回
 【4】 編集後記

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【1】 前書
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 いよいよ99号ですよ。今回は特になにもありませんが、100号では特別企画を用意して
いますので、交互期待! 違った、乞うご期待。

                                      後略。

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【2】 秋山真琴はいかが?「FIGHTER'S STAGE」   第9回
                 著/秋山真琴
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 いらっしゃいませ、ようこそ秋山真琴へ。
 ご注文お決まりでしたらどうぞ。え、ええはい、こちら激燃え×2風味で、かしこまり
ました。……マスター、七番様オーダーいただきましたぁ! 瑶ちゃん激燃え×2風味で
ひとつ!

 …………………………………………… 474文字……………………………………………

 かつて戦士と呼ばれた男。
 それが目の前に倒れていた。女はわなわなと震え、ひざまずくと男の亡骸に手を触れた、
途端、それは崩れ落ちてしまった。女は慌てて手を離す。頭が思考することを拒否してい
た、目の前の現実を否定したいと本能が叫んでいた。
 女の中で男は、他の何よりも大きかった。男の限界が人類の限界で、この世界での最強
が決められるとすれば、それが男だった。しかし、男は今ここに、この旅路の中途で力尽
き、倒れ死んでいる。女は七歩、後退り、倒れた男が絶望したもの、男を阻んだ壁を見た。
 世界の果てを模した壁。漆黒にも見えるし、透明にも見える。無色のそれに女は慄然と
した。男までの七歩、そこから壁までの一歩。その、計八歩が途轍もない距離に思えた。
「ああ、それでも私は」
 女は目を瞑り、そこから九歩だけ歩いて、膝を突いた。世界が揺れているように感じた。
 己の中に生まれた恐怖から必死に目を逸らし、現実の目を開ける。荒涼とした大地から、
壁は忽然と消えていた。ただ、男の亡骸だけがある。女の目から涙が零れ落ちる。
 女は再び立ち上がると、歩き出した。

 ……………………………………「戦士と呼ばれた女」……………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:unjyou@ml.kairou.com
 次回は第100号(06月05日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【3】 連載エッセイ「塑性言論」         第2回
                 著/桂たたら
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 連載エッセイ第2回。桂流物語創作法の秘密が明かされますので、とりあえずカップラ
ーメンのご用意を。お腹が一杯なら別にいいです。

 …………………………………………連載エッセイ…………………………………………

 カップラーメンにお湯を入れてください。それが出来上がる前には話は終わります。

 今回は物語の閉じ方の話です。

 ここで紹介する方法は、

 一.物語の最後に重要人物の視点を入れる。

 二.最後に物語内のキーアイテムを登場させる。

 の二点です。

 ひとつずつ、順を追って説明しましょう。

 まずは一番です。これは一人称でも三人称でもいいので、最後に視点を変えて物語を締
めようとするものです。
 これにはひとつだけ条件があって、それは「最後に視点を持ってくるキャラクタは、そ
れ以前に視点キャラクタになっていないこと」というものです。
 つまり、一番最後に、一度だけ、視点キャラクタになる、ということですね。
 有名どころで例をあげるならば、「終戦のローレライ」(福井晴敏)のパウラの孫や、
「fate/stay night」(type-moon)の遠坂凛ルートのアーチャーなどです。
 この方法が効果がある、その理屈を言うならば、想像するしかなかったキャラクタの心
中を(今までに視点がなかったので考えが不透明、というわけですね)、作者の手によっ
て出来る限り明文化することでカタルシスが発生するから、といえるでしょうか。
 よって、この方法を使う場合は、謎を残さないよう、可能な限りストレートに心情を描
写すべきであります。物語の最後に含みを持たせても仕方がありません。

 そして二番。これは物語中でなんらかの役に立ったアイテムを、最後に再登場させる、
というものです。
 それは贈られたプレゼントであるかも知れませんし、敵を倒した武器であるかも知れま
せん。
 極端な話、意味はなくても構いません、適当に意味ありげに描写してしまいましょう。
それだけで、なんとなく、物語が引き締まるように思えるようになります。
 例として「すべてがFになる」(森博嗣)をあげます。黄色いブロックのことですね。
 これも一番と同様に、そのキーアイテムが描写されすぎていると効果が薄れます。映像
的なイメージで言うと、画面の隅にひっそりと映っている、ぐらいの塩梅が丁度良いと思
われます。

 これらの方法から、帰納的に結論を述べますと、

 画面に映っていながらもスポットを当てられなかった人物やモノに、物語の最後に改め
てスポットを当てる

 と言うことができます。

 これはミステリで使われる手法と似ていて、

「画面に映っていながらもスポットを当てられなかった人物やモノ」のくだりは伏線、

「物語の最後に改めてスポットを当てる」のくだりは伏線回収、謎解きに該当します。

 さて、お手元のカップラーメンが出来上がるまでまだあと一分間はあるようですね。お
話はこれで終わりです。非常に抽象的な話に終始しましたが、いかがでしたでしょうか。

 次回は要望があれば「萌える! キャラクタの演出方法」についてお話しします。

 なければ「富士山はこう歩け!」のコラムが掲載されます。真夏でも富士山頂は気温が
零度近いので注意しましょう。

 おそまつ様でした、桂でした。

(BGM 作曲/大中寅二・作詞/島崎藤村 「椰子の実」)

 …………………………………………… つづく ……………………………………………

 この作品に対するご意見・ご感想は編集部まで:unjyou@ml.kairou.com
 次回は第102号(06月25日配信予定)に掲載予定です。お楽しみに!

━━━【オンライン文芸マガジン『回廊』最新刊 Vol.7 】━━━━━━━━━━━━━

 殺人者の少女 記憶に追われる男 恋に焦がれる人々 人ならぬモノ 白と黒の猫 
 いびつな物語の踊り手たちが 始まりとなり 終わりとなり 円を描いて回旋する 

━━━《輪舞(ロンド)の第七号》 (http://magazine.kairou.com/) 絶賛公開中━━━


◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆
 【4】 編集後記
 ──────────────────────────────────────
 前略。
 いかがでしたでしょうか。『雲上』では現在、作品募集を行っています。詳しくは下記
公式ページをご覧ください。
 さて、次号はついに100号です(コピペ)。謎の特別企画の正体とは……!? ていうか長い(何が?)。

*公式サイト
http://unjyou.kairou.com/
*編集部
unjyou@ml.kairou.com


 次回の配信は06月05日を予定しています、それでは。

   ……………………………………… 公 募 ………………………………………

 本誌『雲上』では、アイデアと感動に満ちた作品を募集しています。

 対象は「文章で表現されるすべての作品」です。
 著作権等の問題が無ければ、既に何らかの形で公開された作品でも構いません。
 編集部では作者との共同作業で作品をより良くするシステムを整えております。
 たくさんのご応募を、お待ちしております。

         まずは編集部までご連絡ください:unjyou@ml.kairou.com

   ……………………………………… 奥 付 ………………………………………

       発行日:2006年05月25日
       発行元:雲上回廊
       発行者:秋山真琴
       編集者:キセン
           遥彼方
           言村律広
           恵久地健一
       ご意見ご感想:
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創刊日:2003-11-08  
最終発行日:  
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